JPH07258313A - 不定形重合体粒子の製造方法とそれを用いた静電荷像現像用トナー - Google Patents

不定形重合体粒子の製造方法とそれを用いた静電荷像現像用トナー

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JPH07258313A
JPH07258313A JP6056089A JP5608994A JPH07258313A JP H07258313 A JPH07258313 A JP H07258313A JP 6056089 A JP6056089 A JP 6056089A JP 5608994 A JP5608994 A JP 5608994A JP H07258313 A JPH07258313 A JP H07258313A
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JP
Japan
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polymerization
particles
polymer particles
amorphous polymer
producing
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Application number
JP6056089A
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English (en)
Inventor
Mikio Kamiyama
幹夫 神山
Kenji Hayashi
健司 林
Tomoe Kikuchi
智江 菊地
Masato Tanaka
真人 田中
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数個の重合体粒子を会合し、顔料等の成分
を複合化させる事を同時に行い、粒径、粒度分布を制御
可能な方法を提供すること。さらにその粒子によって高
性能な電子写真用トナーを製造すること。 【構成】 界面活性剤の実質的不存在下、重合体粒子を
含む水性媒体中に少なくとも一種のビニル系単量体及び
少なくとも一種の水溶性ラジカル重合開始剤を添加し重
合を行うシード重合法において、該重合の重合転化率が
20〜80%の間に、水溶性カルボン酸の存在下に重合槽の
単位容積当たりの攪拌所要動力を初期値の3〜50倍に上
昇し第2所要攪拌動力で一定時間反応を行った後、初期
所要攪拌動力に戻し重合を完結させる事を特徴とする不
定形重合体粒子の製造方法及びそれを用いた電子写真用
トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不定形の重合体粒子の
合成法に関し、更にこれを用いる静電荷像現像用トナー
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、静電荷像現像用トナー(代表的に
は電子写真用トナーであるため、以下電子写真用トナー
という場合がある。)は樹脂と顔料等を混練した後、適
当な粒径に粉砕し、更に必要に応じて粒径を揃える分級
操作を行った後に用いている。当然の事ながらこのトナ
ー粒子の形状は、一定の形を持たない不定形粒子であ
る。
【0003】一方電子写真用トナーを、重合を用い一挙
に製造する方法も数多く提案されている。これらは工数
が少なく粒径も容易にコントロール可能であり、更に粒
度分布の制御も可能な為、粉砕法に比較し良好な製造法
であるとされている。重合法としては、懸濁重合法、乳
化重合法、分散重合法等が挙げられる。特に生成する重
合体粒子の粒径から、懸濁重合法は好ましい方法とされ
ている。特に特公昭59-13731号に開示されている難溶解
性燐酸塩を分散剤に用いる方法は分散剤が重合した粒子
表面を汚染せず簡単に除去する事ができるという長所を
有している。
【0004】しかしながら、懸濁重合法を始め、乳化重
合法、分散重合法共に生成する粒子はほぼ真球状の形状
を呈する。真球状のトナーは、粉砕法により生成される
トナーと形状が異なるだけでなく、電子写真の感光体へ
露光し、トナーを用い現像させた後のクリーニングに不
具わいを起こしやすいという欠点を有している。
【0005】一方、この欠点を改善する為に重合法を用
いながら不定形の粒子を合成しようという試みも提案さ
れている。例えば特開昭60-220358号には乳化重合法で
生成した重合体粒子を凝集剤を用い凝集させ、この凝集
粒子を熱融着させる方法が開示されている。これらは複
数個の重合体粒子を凝集させた粒子である事から、生成
した粒子の形状はより不定形の粉砕法トナーの形状に近
づいている。しかしながら凝集剤を用いる事から粒径制
御、粒度分布の制御が行い難い為、新たに凝集粒子の解
砕工程及び粒径及び粒度分布調節の為に分級工程を入れ
ねばならないという大きな欠点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の如き従来技術の欠点を改善し複数個の重合体粒子を会
合させる事、及び顔料等の成分を複合化させる事を同時
に行い且つ粒径、粒度分布を制御可能な方法を提供する
事にある。
【0007】又、上記方法で複数個の重合体粒子を会合
させた不定形重合体粒子を用いて解像力、かぶり、画像
濃度等の画像特性、定着性、クリーニング性などが優れ
た電子写真現像用トナーを作製することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記欠点を
解決する為、鋭意検討を重ねた結果、下記各項の本発明
を完成するに至った。
【0009】(1)重合体核粒子を含む水性媒体中に少
なくとも一種のビニル系単量体及び少なくとも一種の水
溶性ラジカル重合開始剤を添加し重合を行うシード重合
法において、界面活性剤の実質的不存在下、該重合の重
合転化率が20〜80%の間に、水溶性カルボン酸の存在下
に重合槽の単位容積当たりの攪拌所要動力を初期値の3
〜50倍に上昇し第2所要攪拌動力で一定時間反応を行っ
た後、初期所要攪拌動力に戻し重合を完結させる事を特
徴とする不定形重合体粒子の製造方法。
【0010】(2)(1)記載の不定形重合体粒子製造
方法において、初期所要攪拌動力から第2所要攪拌動力
に変更した時点で、固体成分分散液を添加し一定時間第
2所要攪拌動力で重合を行った後、初期所要攪拌動力に
戻し重合を完結させる事を特徴とする固体成分複合不定
形重合体粒子の製造方法。
【0011】(3)(2)記載の固体成分複合不定形重
合体粒子の製造方法において、上記固体成分が顔料、磁
性体、随意帯電制御剤、定着性向上剤から選択された少
なくとも一種の固体成分である事を特徴とする固体成分
複合不定形重合体粒子の製造法。
【0012】(4)(1)記載の不定形重合体粒子製造
方法において、添加する界面活性剤濃度が臨界ミセル形
成濃度以下である事を特徴とする不定形重合体粒子の製
造方法。
【0013】(5)(1)記載の不定形重合体粒子製造
方法において、ビニル系単量体の添加量が下記の式を満
たす事を特徴とする不定形重合体粒子の製造方法。
【0014】Vm≦Sa6.869×10-7 式中、Vm:モノマー臨界添加量(m3)、Sa:シード粒
子の総表面積(m2)。
【0015】(6)請求項1記載の不定形重合体粒子製
造方法において、水溶性カルボン酸は1×105〜1×101
mol/lの濃度である事を特徴とする不定形重合体粒子
の製造方法。
【0016】(7)(1)記載の不定形重合体粒子製造
方法において、第2所要撹拌動力継続時間が下記式を満
たす事を特徴とする不定形重合体粒子の製造方法。
【0017】0<P2×t≦600 式中、P2:第2所要撹拌動力、t:第2所要撹拌動力
継続時間(sec)。
【0018】(8)(2)記載の固体成分複合不定形重
合体粒子の製造方法において、重合転化率が少なくとも
70%を越えた時点で、水に無限溶解し且重合体を溶解し
ない溶媒を少なくとも全体の50%以上添加し加熱する事
を特徴とする固体成分複合不定形重合体粒子の製造法。
【0019】(9)重合体核粒子を含む水性媒体中に少
なくとも一種のビニル系単量体及び少なくとも一種の水
溶性ラジカル重合開始剤を添加し重合を行うシード重合
法において、界面活性剤の実質的不存在下、該重合の重
合転化率が20〜80%の間に、水溶性カルボン酸の存在下
に重合槽の単位容積当たりの攪拌所要動力を初期値の3
〜50倍に上昇し第2所要攪拌動力で一定時間反応を行っ
た後、初期所要攪拌動力に戻し重合を完結させる事を特
徴とする不定形重合体粒子の製造方法を用い、初期所要
攪拌動力から第2所要攪拌動力に変更した時点で、固体
成分分散液を添加した固体成分複合不定形重合体粒子を
用いる事を特徴とする静電荷像現像用トナー。
【0020】本発明は、重合体粒子を一定の粒径に凝集
させる事と重合体粒子以外の他の成分を一括して複合化
する事を目的としている。さらに詳述すると、重合体粒
子分散液中の重合体粒子をシード粒子とし、重合体粒子
を構成すると同一又は異なる単量体及び重合開始剤を添
加しシード重合を行う。シード重合の過程で一定の重合
転化率の範囲で他の成分(例えば顔料、定着性改良剤、
帯電制御剤等)を加えると共に、水溶性カルボン酸を添
加し、撹拌速度を上昇させる。一定時間撹拌速度を上昇
させたまま、重合を継続しその後撹拌速度をもとに戻し
重合を完結させる事で、重合体粒子が会合凝集し且つ他
の成分(例えば顔料、定着性改良剤、帯電制御剤等)が
凝集粒子表面に固着し複合非球形粒子を生成する事がで
きる。
【0021】シード重合においては、撹拌速度は一般的
に150rpmから350rpm程度で行われる。この撹拌速度を一
次撹拌速度と呼び、この時の撹拌エネルギーは所要撹拌
動力として定義される。この一次撹拌速度に対応する撹
拌エネルギーである一次所要撹拌動力から、それより大
きな撹拌エネルギーである二次所要撹拌動力に移行す
る。撹拌速度で言うならば一次撹拌速度から二次撹拌速
度へは1.5倍から4倍が求められる。この様に重合過程
で撹拌エネルギーの投入量を変化させ、且つこの際顔料
等の他の成分及び水溶性カルボン酸を添加する事で、重
合体粒子が会合凝集し且つ他の成分(例えば顔料、定着
性改良剤、帯電制御剤等)が凝集粒子表面に固着し複合
非球形粒子を生成する条件である。更に撹拌エネルギー
を変化させる時点は、重合転化率が低すぎる場合は、凝
集が進みすぎ粒径を制御する事ができない。又重合転化
率が進み過ぎると粒子が凝集を起こしても、粒子同士の
固着が起こらず最終的に粒子はばらばらの一次粒子のま
まである。当然他の成分も粒子表面に固着させる事は無
い。
【0022】本発明は、乳化重合法、懸濁重合法、或い
は分散重合法等公知の方法によって生成される重合体粒
子を用いる事が可能である。これらの重合体粒子(所謂
シード粒子と称する)は実質的に界面活性剤の不存在下
にビニル系単量体及び水溶性ラジカル重合開始剤の存在
下シード乳化重合を行う。本発明における界面活性剤の
実質的不存在下とは、界面活性剤の臨界ミセル形成濃度
(CMCと略記する)以下の濃度の存在を示す。
【0023】本発明は、シード粒子水性分散液に、所望
の単量体(モノマー)を添加する。この際、単量体の添
加量は、下記で表されるモノマー臨界添加量(Vm)以下
の添加量であれば良い。
【0024】Vm=Sa×6.869×10-7 但し、式中Vmはモノマー臨界添加量(m3)、Saはシ
ード粒子の総表面積(m2)である。
【0025】この事から単量体の適正添加量は以下の式
で表される。
【0026】Vm/Sa≦6.869×10-7 ' これ以上になると、シード粒子以外の所謂新粒子が生成
し、シード重合のみが進行せず粒度分布が広い粒子が得
られる。
【0027】本発明は、シード重合時に固体成分分散液
とモノマー臨界添加量以下のモノマーを添加し更に水溶
性重合開始剤を添加し、シード重合を行う。シード重合
の重合転化率が20〜80%の時、水溶性脂肪族カルボン酸
を添加すると共に、重合槽の単位容積当たりの攪拌所要
動力を初期値(P1/V)の3〜50倍に上昇し第2所要
攪拌動力(P2/V)で一定時間反応を行った後、初期
所要攪拌動力に戻し重合を完結させるものである。
【0028】3≦(P2/V)/(P1/V)≦50 更に、第2所要撹拌動力(P2)での継続時間(t)は
以下の関係を満たす必要がある。
【0029】即ち、 0<P2×t≦600 で、式中tは、第2所要撹拌動力継続時間(sec)を表
す。
【0030】この2式を満足する条件で、更に水溶性脂
肪族カルボン酸の添加濃度(C)が下記範囲にある時固
体成分微粒子と重合体粒子が非球形凝集体粒子を形成
し、更にこの非球形凝集体粒子の粒度分布が狭いものを
生成することが出来る。
【0031】 1×10-5mol/l≦CR-COOH≦1×10-1mol/l ただし、CR-COOHは、水溶性脂肪族カルボン酸の添加濃
度である。
【0032】即ち本発明の非球形粒子を合成するために
は、モノマー添加量として式’を満たし、初期所要撹
拌動力と第二所要撹拌動力の比が式を満たし、この第
二所要撹拌動力とその継続時間の関係は式で規定さ
れ、さらにこの反応系には水溶性脂肪族カルボン酸添加
濃度が式を満たす時、固形成分を複合化した粒度分布
の狭い非球形粒子を生成する事が出来る。
【0033】この様にして生成する固体成分を複合化し
た非球形粒子は、その固体成分を粒子の表面近傍に存在
させた粒子である。又粒子の形状も非常に凸凹が多い粒
子である。これらを非球形の形状を保ちつつ固体成分を
より粒子内部に内包する事、又表面のミクロな凹凸を無
くす事は、電子写真用トナーとして重要な事である。本
発明においては、非球形粒子の分散液を50〜100℃で数
時間加熱撹拌し、この時に必要に応じてプロパノール等
を添加する方法で、この欠点を解消する事が可能であ
る。
【0034】本発明に係るシード粒子は疎水性モノマー
を単独又は共重合して得られる疎水性重合体粒子であれ
ばよい。これらはスチレン誘導体、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、脂肪族モノオレフィン類、
ハロゲン化脂肪族モノオレフィン類、共役ジエン類、ビ
ニルエーテル類、ニトリル類、含窒素ビニル化合物から
選択される少なくとも一種のモノマーを重合して得られ
る疎水性重合体微粒子である。
【0035】スチレン誘導体としては例えば、スチレ
ン、p-クロルスチレン、m-クロルスチレン、o-クロルス
チレン、p-メチルスチレン、m-メチルスチレン、o-メチ
ルスチレン、p-メトキシスチレン、m-メトキシスチレ
ン、o-メトキシスチレン、p-クロルメチルスチレン、m-
クロルメチルスチレン、o-クロルメチルスチレン、ヒド
ロキシスチレン等が挙げられる。
【0036】アクリル酸アルキルエステル、メタクリル
酸アルキルエステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸-n
-プロピル、(メタ)アクリル酸-n-ブチル、(メタ)アクリ
ル酸-sec-ブチル、(メタ)アクリル酸-tert-ブチル、(メ
タ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸-n-ドデシ
ル、(メタ)アクリル酸-sec-ドデシル、(メタ)アクリル
酸-tret-ドデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチ
ル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸フェニル、更にアル
キルエステルの一部又は全部をハロゲン、特にフッ素で
置換した(メタ)アクリル酸エステル、例えば(メタ)アク
リル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸ペンタフ
ルオロプロピル、(メタ)アクリル酸-2-(パーフルオロブ
チル)エチル、(メタ)アクリル酸-2-(パーフルオロヘキ
シル)エチル、(メタ)アクリル酸-2-(パーフルオロデシ
ル)エチル等が挙げられる。
【0037】脂肪族モノオレフィン類としては例えばエ
チレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン等が挙げら
れる。
【0038】ハロゲン化脂肪族モノオレフィン類として
は例えば、塩化ビニル、臭化ビニル、ヨウ化ビニル、弗
化ビニル、1,2-ジクロルエチレン、1,2-ジブロムエチレ
ン、1,2-ジヨードエチレン、塩化イソプロペニル、臭化
イソプロペニル、ヨウ化イソプロペニル、塩化アリー
ル、臭化アリール、塩化ビニリデン、弗化ビニリデン等
が挙げられる。
【0039】共役ジエン類としては、例えば1,3-ブタジ
エン、1,3-ペンタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、
2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2,4-ヘキサジエン、3-
メチル-2,4-ヘキサジエン、クロロプレン等が挙げられ
る。
【0040】ビニルエーテル類としては、例えばビニル
メチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチル
エーテル等が挙げられる。
【0041】ニトリル類としては例えば、アクリロニト
リル、メタアクリロニトリル等が挙げられ、含窒素ビニ
ル化合物としては例えば、ビニルピリジン、ビニルイミ
ダゾール、ビニルピロリドン等が挙げられる。
【0042】これらのモノマーは一般に乳化重合法、ソ
ープフリー乳化重合法、分散重合法、懸濁重合法等が目
的に応じ適宜用いられる。好ましくは乳化重合法及びソ
ープフリー乳化重合法を挙げる事ができる。これらは本
発明に係る微粒子の粒径範囲のものを調整するに適した
方法である。
【0043】シード重合法(Seed Polymerization)と
は蒔種重合法とも呼ばれシード粒子(種ラテックスとも
称する)に新しい粒子が生成しない程度、即ち臨界ミセ
ル形成濃度(CMC)以下の界面活性剤を添加し安定化
させた後、次にモノマーを添加し重合を行う事で粒子を
成長させる方法である。
【0044】一般的なシート重合は、G.W.Poehlein et
alEd.,“Science and Technology of Polymer Colloid
s”,Martius Nijihoff Publishers,New York(1983)等に
詳細に記載されており、これらの記載に従うことで容易
に合成可能である。
【0045】本発明で用いられるシード重合は、シード
粒子である疎水性重合体粒子に対し、ビニル系単量体と
重合開始剤とを混合溶解し、シード粒子水性分散液に添
加しシード粒子中にモノマーを膨潤し重合開始剤のラジ
カル生成温度まで昇温しー定時間保温する事で達成され
る。
【0046】一般的に重合開始剤としては、油溶性重合
開始剤が用いられる。油溶性重合開始剤の具体的な例と
しては、過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイト、ラウ
ロイルパーオキサイト、キュメンハイドロパーオキサイ
ト、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイ
ト、tert-ブチルパーオキサイト等の有機過酸化物、2,
2′-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2′-アゾビス
(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2′-アゾビスイソ酪
酸ジメチル、2,2′-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチル
バレロニトリル)、2,2′-アゾビス(2-メチルブチロニト
リル)、1,1′-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニト
リル)、2,2′-アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)等
のアゾ系化合物が挙げられる。
【0047】本発明のシード重合に用いられるビニル系
単量体は、目的に応じて種々のものを用いる事が可能で
ある。例えばスチレン誘導体(例えばスチレン、p-クロ
ルスチレン、o-クロルスチレン、p-メチルスチレン、o-
メチルスチレン、p-ヒドロキシスチレン、クメルメチル
スチレン等)、アクリル酸エステル(例えばアクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸-n-ブチル、ア
クリル酸-sec-ブチル、アクリル酸-tert-ブチル、アク
リル酸シクロヘキシル、アクリル酸-n-デシル等)、メ
タクリル酸エステル(例えばメタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸-n-ブチル、メタクリル
酸-sec-ブチル、メタクリル酸-tert-ブチル、メタクリ
ル酸シクロヘキシル、メタクリル酸-n-デシル等)、をあ
げることが出来る。
【0048】粒子の平均粒径及び粒度分布の幅を求める
方法としては、粉体工学会、“粉体工学便覧”日本工業
新聞社、東京、(1986)に記載されている様に顕微鏡法、
コールターカウンター、沈降法等が知られている。又レ
ーザー光回折法や動的光散乱法等が近年用いられいる。
これらは、市販されている粒度解析装置、例えばレーザ
ー回折式粒同様分布測定装置SALD-1100(島津製作所
製)やレーザ回転式粒子サイズアナライザーコールター
LS-130型(コヘルター社製)、電気泳動光散乱光度計EL
S-800(大塚電子製)等を用いることで測定可能であ
る。
【0049】一般に粒度分布は粒子の大きさをヒストグ
ラムの形で表しこの分布を表す方法として、この粒度分
布の標準偏差又は標準偏差と平均粒径の比、即ち変動係
数で表す。又平均粒径は粒度分布における累積分布の50
%(d50と略す)を用いる場合が多く、更に標準偏差も
50の標準偏差としてσ50を用いる事が多い。通常粒度
分布は粒子の体積を基準に示す体積粒度分布や粒子の個
数を基準に示す個数粒度分布で示される。本発明におけ
る平均粒径及びその変動係数は50%体積累積分布及びこ
の時の変動係数を示している。
【0050】本発明のトナーは20μm以下、好ましくは
3〜15μmの平均粒径を有するものが望ましい。更に、
好ましくは5〜10μmの範囲の微粒トナーが好適に用い
られる。
【0051】本発明に係る現像剤は、キャリアとトナー
を有する所謂二成分現像剤であっても又キャリアを用い
ない一成分現像剤であってもよい。本発明に係る現像剤
が二成分現像剤の場合に現像剤に混合して用いる事が出
来るキャリアとしては、重量平均粒径がトナー粒径とほ
ぼ同じものから500μmまでの粒子であるが、好ましくは
30〜100μmのものである。
【0052】キャリアの材質としては、鉄、ニッケル、
コバルト、酸化鉄、フェライト、ガラスビーズ、粒状シ
リコン、磁性粉分散樹脂粒子等の種々のものが用いられ
る。
【0053】又これらの粒子の表面をアクリル樹脂、フ
ッ素樹脂、シリコン樹脂等の被覆剤で被覆しても良い。
【0054】本発明の現像剤は、感光体又は静電記録体
に形成された静電潜像を現像するのに用いる事が出来
る。即ちセレン、酸化亜鉛、硫化カドミウム、無定形シ
リコン等の無機光導電材料、フタロシアニン顔料、ビス
アゾ顔料等有機光導電材料からなる感光体に、電子写真
的に静電潜像を形成し、或いはポリエチレンテレフタレ
ートの様な誘電体に針状電極等により静電潜像を形成
し、磁気ブラシ法、カスケード法、タッチダウン法等の
現像方式により、静電潜像に本発明の現像剤を付着させ
トナー像を形成する。このトナー像は紙等の転写材に転
写後、定着し複写物となる。一方、感光体等の表面に残
留するトナーはクリーニングされる。クリーニング法と
してはブレード法、ブラシ法、ウェブ法、ロール法等種
々の方法を用いる事が出来る。
【0055】
【作用】
(電子写真用トナー)本発明の重合体粒子を電子写真用
トナーとして用いる場合、トナーとして重合体内に添加
されるべき成分を含有させる必要がある。上記成分とし
て、着色剤、定着性向上剤、荷電制御剤、等が挙げられ
る。上記したごとくこれらは、固体成分微粒子として非
球形凝集体粒子の形成時に添加される。
【0056】(着色剤)着色剤としては、無機顔料,有
機顔料及び有機染料を挙げる事ができる。これらは好ま
しくは無機顔料又は有機顔料が好ましく用いられ、又単
独または二種以上の顔料及び/又は単独又は二種以上の
染料を組み合せて用いる事もできる。上記無機顔料とし
ては、金属粉系顔料,金属酸化物系顔料,カーボン系顔
料,硫化物系顔料,クロム酸塩系顔料,フェロシアン化
塩顔料等を挙げる事ができる。
【0057】上記金属粉系顔料としては例えば亜鉛粉,
鉄粉,銅粉等を挙げることができる。上記金属酸化物系
顔料としては例えば、マグネタイト,フェライト,ベン
ガラ,酸化チタン,亜鉛華,シリカ,酸化クロム,コバ
ルトブルー,ウルトラマリーン,セルリアンブルー,ミ
ネラルバイオレット,四酸化三鉛等を挙げる事ができ
る。
【0058】上記カーボン系顔料としては例えば、カー
ボンブラック,ファーネスブラック,サーマトミックカ
ーボン等を挙げる事ができる。
【0059】上記硫化物系顔料としては例えば、硫酸亜
鉛,カドミウムレッド,硫化水銀,セレンレッド,カド
ミウムイエロー等を挙げることができる。
【0060】上記クロム酸塩系顔料としては、例えばモ
リブデンレッド,バリウムイエロー,ストロンチウムイ
エロー,クロムイエロー等を挙げることができる。又上
記フェロシアン化塩顔料としては例えばミロリブルー等
が挙げられる。
【0061】具体的なカラー用着色剤としては、シアン
又はグリーン顔料としては、C.I.ピグメントブルー15,
C.I.ピグメントブルー15:2,C.I.ピグメントブルー1
5:3,C.I.ピグメントブルー16,C.I.ピグメントブル
ー60,C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
【0062】マゼンタ又はレッド顔料としてはC.I.ピグ
メントレッド2,C.I.ピグメントレッド3,C.I.ピグメ
ントレッド5,C.I.ピグメントレッド6,C.I.ピグメン
トレッド7,C.I.ピグメントレッド15,C.I.ピグメント
レッド16,C.I.ピグメントレッド48:1,C.I.ピグメン
トレッド53:1,C.I.ピグメントレッド57:1,C.I.ピ
グメントレッド122,C.I.ピグメントレッド123,C.I.ピ
グメントレッド139,C.I.ピグメントレッド144,C.I.ピ
グメントレッド149,C.I.ピグメントレッド166,C.I.ピ
グメントレッド177,C.I.ピグメントレッド178,C.I.ピ
グメントレッド222等が挙げられる。
【0063】イエロー又はオレンジ顔料としてはC.I.ピ
グメントイエロー12,C.I.ピグメントイエロー13,C.I.
ピグメントイエロー14,C.I.ピグメントイエロー15,C.
I.ピグメントイエロー17,C.I.ピグメントイエロー93,
C.I.ピグメントイエロー94,C.I.ピグメントイエロー13
8,C.I.ピグメントオレンジ31,C.I.ピグメントオレン
ジ43等が挙げられる。
【0064】これら有機及び無機顔料は、所望に応じて
単独又は複数を選択併用して求める色調に整えられる。
又顔料の添加量は重合体に対し2〜20重量部、好ましく
は3〜15重量部が選択される。又、公知の表面処理を行
う事は可能である。表面処理剤としては、シランカップ
リング剤や高級脂肪酸の金属塩が用いられる。
【0065】(定着性改良剤)低分子量ポリオレフィン
ワックスが代表的なものである。具体的には、低分子量
ポリプロピレン、ポリエチレン及びこれらを酸化処理し
たものがあり、トナーに対し1〜15重量%程度添加され
る。
【0066】(その他添加剤)又本発明のトナーは、必
要に応じて帯電制御剤,磁性体,流動化剤,離型剤を配
合する事ができる。上記帯電制御剤としては、プラス
用,マイナス用に分けられ、前者はニグロシン系の電子
供与性染料,その他ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属
塩,アルコキシル化アミン,4級アンモニウム塩,アル
キルアミド,キレート顔料,フッ素処理活性剤等を挙げ
る事ができ、後者は電気受容性の有機錯体,その他,塩
素化パラフィン,塩素化ポリエステル,酸基過剰のポリ
エステル,銅フタロシアニンのスルホニルアミン等を挙
げる事ができる。
【0067】又上記流動化剤としては、疎水性シリカ,
酸化チタン,酸化アンモニウム等の微粉末を挙げる事が
できる。このような流動化剤はトナー100重量部に対
し、0.01〜10重量部添加する事が好ましく、0.10〜5.0
重量部がより好ましい。
【0068】又離型剤としては、ステアリン酸のCd,B
a,Ni,Co,St,Cu,Mg,Ca塩、オレイン酸のZn,Mn,F
e,Co,Cu,Pb,Mg塩、パルミチン酸のZn,Co,Cu,M
g,Si,Ca、リノール酸のZn,Co,Ca塩、リシノール塩
のZn,Cd塩、カプリル酸のPb塩、カプロン酸のPb塩等の
高級脂肪酸の金属塩や天然及び合成のパラフィン類及び
脂肪酸エステル又はその部分鹸化物類,アルキレンビス
脂肪酸アミド等が挙げられ、これらの化合物の一種又は
二種以上を適宜組み合わせたものが用いられる。
【0069】(特定固体成分分散液)特定固体成分分散
のためには、界面活性剤としてカチオン性、アニオン
性、ノニオン性を問わず、必要に応じ適宜選択できる。
更に水溶性高分子活性剤も適用可能である。これらは重
合率20%から80%で添加される。それ以下であると、重
合の進行を阻害し又それ以上であると、生成した重合体
粒子を凝集させ、単分散性を損なうばかりか、全く粒子
を得る事ができなくなる。
【0070】(免疫学的診断薬用担体)本発明の重合体
粒子は均一な粒径、挟雑物により粒子表面が汚染されて
いない事等の性質から、免疫学的診断用担体としても有
用に用いられる。
【0071】免疫学的診断用担体としては、粒子表面に
免疫学的に活性な物質、例えば抗原、抗体 又はレセプ
ターを固定する必要がある。免疫学的に活性な物質の固
定化には、物理吸着法及び化学的固定化法が知られてい
る。前者は疎水性表面に物理的に吸着し固定化させる方
法であり、例えばスチレン及びその誘導体やアクリル酸
エステル、メタクリル酸エステル等を用いた重合体粒子
を用いる事で容易に且、免疫学的に活性な部位例えば
(Fab′)が吸着しない形で固定化する事ができる。当
然の事ながらIgGを抗体として用いる場合、Fcフラ
グメントを消化した(Fab′)2又はFab′を用いる
事もできる。更に化学的固定化法の場合、例えばカルボ
キシル基、アミノ基、チオール基等の官能基を有する重
合性単量体を共重合させた本発明の重合体粒子を用い、
公知の二官能性試薬を用い、免疫学的に活性な物質を反
応させ共有結合により固定化する事が可能である。この
時の上記官能性基を有する重合性単量体はシード重合時
に共重合単量体として添加すれば良い。官能性基を有す
る単量体は必要に応じて適宜添加量を決定できるが、例
えば0.1%から15%の範囲の中から選択する事が好まし
い。
【0072】用いられる抗体は、ポリクローナル抗体及
びモノクローナル抗体を適宜選択可能であるが、凝集試
験又は凝集阻止試験に用いる場合ポリクローナル抗体が
好ましい。モノクローナル抗体を用いる場合は、抗原に
対する結合部位の異なる数種の抗体を混合して用いる事
が好ましい。
【0073】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0074】実施例1 (シードラテックス粒子の合成)内容積500mlの円筒形
セパラブルフラスコに温度センサー、窒素導入管、撹拌
装置(ディスクタービン型撹拌翼付き)を装着し、フラ
スコ内部には四枚の邪魔板を設置した重合反応装置を用
意した。脱気したイオン交換水を318mlに蒸留済みモノ
マー32mlを添加し窒素気流下200rpmの撹拌速度で撹拌し
つつ内温70℃まで昇温し、過硫酸カリウム1.68gを脱気
したイオン交換水50mに溶解した重合開示剤水溶液を添
加し重合を開始した。この状態を保ちつつ7時間重合を
行った後、フラスコ内温を室温まで低下させ、重合を完
了させた。生成したシードラテックス粒子は、レーザー
回折式粒度測定装置SALD−1100(島津製作所(株)
製)を用い体積平均粒径(d50)、標準偏差(σ50)、
粒度分布(CV)を測定した。以上の結果はモノマー組
成と共に以下の表1に示す。
【0075】
【表1】
【0076】(顔料複合非球形粒子の合成)シードラテ
ックス粒子を一定量を内容積500mlの円筒形セパラブル
フラスコに入れ、これに温度センサー、窒素導入管、撹
拌装置(ディスクタービン型撹拌翼付き)を装着した重
合反応装置を用意した。これに脱気イオン交換水168ml
モノマー32mlを添加し、窒素気流下200rpmで1時間撹拌
した後、内温を70℃に昇温し脱気イオン交換水50mlに過
硫酸カリウム1.62gを溶解した重合開始剤水溶液を添加
しシード重合を開始した。シード重合の重合添加率が40
%になった時、顔料、水溶性脂肪族カルボン酸を添加
し、撹拌速度をNr2に変化させた。一定時間(t)継
続した後、元の撹拌速度(Nr1)200rpmに戻し最終的
にシード重合の重合を7時間行い完結させ、内温を室温
まで低下させた。生成した粒子は、レーザー回折式粒度
測定装置SALD−1100(島津製作所(株)製)を用い平
均粒径(d50)、粒度分布(CV)を測定した。更にこ
の粒子を走査型電子顕微鏡観察を行い粒子の状態を観察
した。結果は表2,3に示す。
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】以上の結果の如く、本発明の範囲内の条件
を用いたものは、顔料が複合化された非球形粒子が生成
した。一方比較のT−001は顔料とラテックス粒子が複
合しないばかりか、シード乳化重合も進行しない。T−
002は凝集塊が生成し安定で小粒径の非球形粒子は生成
しない。T−003は顔料とラテックスが別々に存在し複
合化しなかった。更にT−004は、ラテックスと顔料の
複合粒子は生成したが、粒子同士が融着せず非球形化は
起こらなかった。
【0080】実施例2 実施例1した合成T−002,005を用い反応完了後の反応
液200mlを、500mlの温度センサー、冷却管、撹拌装置付
きセパラブルフラスコに入れ、n-プロピルアルコールを
添加し、250rpmで撹拌しつつ一定温度で6時間反応を行
った。これらは粒径を測定すると共に、BET比表面
積、走査型電子顕微鏡観察を行った。結果は表4に示し
た。
【0081】
【表4】
【0082】表中、走査型電子顕微鏡(SEM)観察で
表面の顔料存在状態が、全く観察されないもの◎、一部
顔料が認められるもの○、粒子の表面の半分以上顔料が
認められるもの△、粒子表面全体に顔料が存在するもの
×とした。
【0083】又、非球形化度は 非球形化度=(BET比表面積)/(非球形粒子の平均
粒径を真球として換算した時の表面積) として算出されたものである。
【0084】尚、S−002のガラス転移温度は65℃,T
−002、T−005の非球形化度は各々10.87,15.68であっ
た。又粒子表面の顔料の存在状態は、T−002<T−005
であったが前記の基準では共に×である。
【0085】本発明の方法は、表面に存在する顔料を粒
子内に取り込むことが可能であると共に、粒子の形状も
制御可能である事が分かる。
【0086】実施例3 (顔料複合非球形粒子の合成)シードラテックス粒子S
−003,004、各々10.9gを内容積500mlの円筒形セパラ
ブルフラスコに入れ、これに温度センサー、窒素導入
管、撹拌装置(ディスクタービン型撹拌翼付き)を装着
し、フラスコ内部には四枚の邪魔板を設置した重合反応
装置を用意した。これに脱気イオン交換水168ml各々の
シードラテックスを構成するモノマーと同一組成のモノ
マーを32mlを添加し、窒素気流下200rpmで1時間撹拌し
た後、内温を70℃に昇温し脱気イオン交換水50mlに過硫
酸カリウム1.62gを溶解した重合開始剤水溶液を添加し
シード重合を開始した。シード重合の重合添加率が50%
になった時、酢酸を1.5×10-4mol/l添加し、更に顔
料、ワックス、撹拌速度をNr2に変化させた。一定時
間(t)継続した後元の撹拌速度(Nr1)200rpmに戻
し最終的にシード重合の重合を7時間行い完結させ、内
温を室温まで低下させた。生成した粒子は、レーザー回
折式粒度測定装置SALD−1100(島津製作所(株)製)
を用い平均粒径(d50)、粒度分布(CV)を測定し
た。更にこの粒子を走査型電子顕微鏡観察を行い粒子の
常態を観察した。結果は表5に示す。
【0087】
【表5】
【0088】T−020〜T−022を反応完了後の反応液20
0mlを、500mlの温度センサー、冷却管、撹拌装置付きセ
パラブルフラスコに入れ、n-プロピルアルコールを100m
l添加し、250rpmで撹拌しつつ85℃で6時間反応を行っ
た。これらT−020′〜T−022′とし粒径を測定すると
共に、BET比表面積、走査型電子顕微鏡観察を行っ
た。結果は表6に示した。
【0089】
【表6】
【0090】以上の結果の如く、小粒径で且つ粒度分布
幅が小さく顔料等の内添剤が粒子内部に配位した粒子を
得る事が可能であった。更に反応液を濾過し、5N−水
酸化ナトリウム水溶液を用い粒子表面のアクリル酸をア
クリル酸ナトリウムとし、濾過、水洗を繰り返し粒子を
清浄した後減圧乾燥を行い粉体とした。
【0091】又T−023〜T−026の粒子10.9gを内容積
500mlの円筒形セパラブルフラスコに入れ、これに温度
センサー、窒素導入管、撹拌装置(ディスクタービン型
撹拌翼付き)を装着し、フラスコ内部には四枚の邪魔板
を設置した重合反応装置を用意した。これに脱気イオン
交換水168mlシード粒子と同一組成のモノマー10mlを添
加し、窒素気流下200rpmで1時間撹拌した後、内温を70
℃に昇温し脱気イオン交換水50mlに過硫酸カリウム1.62
gを溶解した重合開始剤水溶液を添加シード重合を開始
した。最終的にシード重合の重合を7時間行い完結さ
せ、内温を室温まで低下させた。生成した粒子T−02
3′〜T−026′は、レーザー回折式粒度測定装置SAL
D−1100(島津製作所(株)製)を用い平均粒径
(d50)、粒度分布(CV)を測定した。更にこの粒子
を走査型電子顕微鏡観察を行い粒子の状態を観察しえる
と共に非球形化度の測定を行った。結果は表7に示す。
【0092】
【表7】
【0093】以上の結果の如く、小粒径で且つ粒度分布
幅が小さく顔料等の内添剤が粒子内部に配位した粒子を
得る事が可能であった。更に反応液を濾過し、5N−水
酸化ナトリウム水溶液を用い粒子表面のメタクリル酸を
メタクリル酸ナトリウムとし、濾過、水洗を繰り返し粒
子を清浄にした後減圧乾燥を行い粉体とした。
【0094】実施例4 平均粒径50μmのフェライト粒子をスチレン-メチルメタ
アクリレート樹脂でコーティングしたキャリアを用意
し、本発明の非球形粒子をトナーとしトナー重量%濃度
が7%になるよう混合し、更に環境の異なる条件下で振
盪後、20分後の値を本発明の非球形粒子(トナー)帯電
量とした。結果は以下の表8に示す。
【0095】
【表8】
【0096】以上の結果より、本発明のトナーは一定の
帯電量を示している。但し本発明のトナーT−002はト
ナー粒子表面に顔料が露出しているため、高温高湿下で
帯電量の低下が認められる。
【0097】実施例5 実施例1記載のT−002の本発明の複合粒子合成条件を
用い、カルボン酸の添加量及びカルボン酸の種類を変え
検討を行った。条件及び結果を以下の表9に示す。
【0098】
【表9】
【0099】以上の結果より、水溶性カルボン酸を用い
たものは顔料を複合化した非球形粒子が形成されてい
る。一方カルボン酸添加量が本発明の範囲外の濃度であ
り低濃度の比較T−005では非球形粒子の生成は認めら
れず、又高濃度のT−006では凝集塊が発生し粒径制御
が不可能であった。又水不溶性のカルボン酸の場合も、
非球形粒子の生成は認められなかった。
【0100】実施例6 表8で用いた本発明の非球形粒子T−002,016,017,0
18,019に対しシリカ2重量%、酸化チタン1重量%の
割合で添加混合し、更にメタクリル酸メチル/スチレン
共重合体で表面を被覆したフェライト粒子95重量部と上
記処理非球形粒子5重量部を混合し本発明の現像剤D−
001〜005とした。これらを常温常湿下で下記の試験を行
った。
【0101】上記現像剤を用い、熱ローラ定着器とクリ
ーニングブレードを備えた電子写真複写機『U−BIX
3032』(コニカ(株)製)によりコピー像を形成する実写
テストを行い下記項目に関して評価を行った。
【0102】(1)解像度 細線チャートのコピー画像を形成し、識別可能な細線の
1mm当たりの本数で判定した。
【0103】(2)かぶり 常温常湿環境下(温度20℃,相対湿度60%)で連続して
コピー画像を形成し「サクラデンシトメータPDA−6
0」(コニカ(株)製)により白地部分の各色の反射濃度
を測定し、当該反射濃度が0.02を超えた時点のコピー枚
数でかぶりを判定した。
【0104】(3)オフセット発生温度 定着ローラの設定温度を段階的に変化させコピー画像を
形成し、ホットオフセットに起因するトナー汚れが発生
した時点の定着ローラの設定温度を測定し、これを示し
た。
【0105】(4)トナー反射濃度 白地ラベルにトナーを単層に貼付け、このトナー層を
『サクラデンシトメータPDA−60』(コニカ(株)製)
を用い各色反射濃度を測定し、当該濃度が1.3以上を
○、1.3以下を×とした。
【0106】(5)クリーニング性 感光体表面を目視で観察し、クリーニング不良が発生し
た時点のコピー回数で評価した。
【0107】(6)粒径分布の変化 体積平均粒径の1/3以下のトナーの体積%の推移によ
り評価した。実写テストにおいて経時で粒度分布を測定
し、スタート時、かぶり発生時、及び5万コピー時の体
積平均粒径の1/3以下のトナーの個数%を示した。測
定はレーザ回折式粒度分布測定装置SALD−1100(島
津製作所製)を用いた。結果は表10に示す。
【0108】
【表10】
【0109】表10にも明らかな様に本発明の現像剤は、
解像度、耐久性に優れている。
【0110】
【発明の効果】本発明により、複数個の重合体粒子を会
合する事及び顔料等の成分を複合化させる事を同時に行
い且つ粒径、粒度分布を制御可能な方法を提供する事が
出来る。さらに上記方法にて作製した複数個の重合体粒
子を会合し顔料等の成分を複合化した粒子によって高性
能な電子写真用トナーを製造する事が出来る。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合体核粒子を含む水性媒体中に少なく
    とも一種のビニル系単量体及び少なくとも一種の水溶性
    ラジカル重合開始剤を添加し重合を行うシード重合法に
    おいて、界面活性剤の実質的不存在下、該重合の重合転
    化率が20〜80%の間に、水溶性カルボン酸の存在下に重
    合槽の単位容積当たりの攪拌所要動力を初期値の3〜50
    倍に上昇し第2所要攪拌動力で一定時間反応を行った
    後、初期所要攪拌動力に戻し重合を完結させる事を特徴
    とする不定形重合体粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の不定形重合体粒子製造
    方法において、初期所要攪拌動力から第2所要攪拌動力
    に変更した時点で、固体成分分散液を添加し一定時間第
    2所要攪拌動力で重合を行った後、初期所要攪拌動力に
    戻し重合を完結させる事を特徴とする固体成分複合不定
    形重合体粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の固体成分複合不定形重
    合体粒子の製造方法において、上記固体成分が顔料、磁
    性体、帯電制御剤、定着性向上剤から選択された少なく
    とも一種の固体成分である事を特徴とする固体成分複合
    不定形重合体粒子の製造法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の不定形重合体粒子製造方
    法において、添加する界面活性剤濃度が臨界ミセル形成
    濃度以下である事を特徴とする不定形重合体粒子の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の不定形重合体粒子製造方
    法において、ビニル系単量体の添加量が下記の式を満た
    す事を特徴とする不定形重合体粒子の製造方法。 Vm≦Sa6.869×10-7 式中、Vm:モノマー臨界添加量(m3)、Sa:シード粒
    子の総表面積(m2
  6. 【請求項6】 請求項1記載の不定形重合体粒子製造方
    法において、水溶性カルボン酸は1×105〜1×101mol
    /lの濃度である事を特徴とする不定形重合体粒子の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の不定形重合体粒子製造方
    法において、第2所要撹拌動力継続時間が下記式を満た
    す事を特徴とする不定形重合体粒子の製造方法。 0<P2×t≦600 式中、P2は第2所要撹拌動力、tは第2所要撹拌動力
    継続時間(sec)を表す。
  8. 【請求項8】 請求項2記載の固体成分複合不定形重合
    体粒子の製造方法において、重合転化率が少なくとも70
    %を越えた時点で、水に無限溶解し且重合体を溶解しな
    い溶媒を少なくとも全体の50%以上添加し加熱する事を
    特徴とする固体成分複合不定形重合体粒子の製造法。
  9. 【請求項9】 重合体核粒子を含む水性媒体中に少なく
    とも一種のビニル系単量体及び少なくとも一種の水溶性
    ラジカル重合開始剤を添加し重合を行うシード重合法に
    おいて、界面活性剤の実質的不存在下、該重合の重合転
    化率が20〜80%の間に、水溶性カルボン酸の存在下に重
    合槽の単位容積当たりの攪拌所要動力を初期値の3〜50
    倍に上昇し第2所要攪拌動力で一定時間反応を行った
    後、初期所要攪拌動力に戻し重合を完結させる事を特徴
    とする不定形重合体粒子の製造方法を用い、初期所要攪
    拌動力から第2所要攪拌動力に変更した時点で、固体成
    分分散液を添加した固体成分複合不定形重合体粒子を用
    いる事を特徴とする静電荷像現像用トナー。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010043187A (ja) * 2008-08-13 2010-02-25 Soken Chem & Eng Co Ltd 帯電性着色樹脂微粒子およびその製造方法
JP2015120768A (ja) * 2013-12-20 2015-07-02 コニカミノルタ株式会社 有機無機複合材料の製造方法および光学材料

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