JPH07331111A - 顔料複合重合体粒子とその製造方法 - Google Patents

顔料複合重合体粒子とその製造方法

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JPH07331111A
JPH07331111A JP6122642A JP12264294A JPH07331111A JP H07331111 A JPH07331111 A JP H07331111A JP 6122642 A JP6122642 A JP 6122642A JP 12264294 A JP12264294 A JP 12264294A JP H07331111 A JPH07331111 A JP H07331111A
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pigment
composite polymer
polymer particles
monomer
dispersion
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JP6122642A
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Kenji Hayashi
健司 林
Mikio Kamiyama
幹夫 神山
Tomoe Kikuchi
智江 菊地
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 顔料によっては水系への分散性が悪く、顔料
含有重合体粒子を調製すると、分散安定性に乏しく凝集
を起こしやすく、その結果粒径の制御性の乏しいという
問題を解決する。また、顔料によっては親油性が乏しく
重合時に顔料が凝集を起こし重合体粒子への含有が困難
であり、顔料含有重合体粒子を生成することができない
という問題を解決する。 【構成】 界面活性剤の存在下に顔料を水相中に分散し
少なくとも一種の疎水性単量体を含む単量体成分を水溶
性ラジカル重合開始剤により水系析出重合し得られる顔
料複合重合体粒子において、該顔料を表面改質剤で表面
処理する事を特徴とする顔料複合重合体粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面改質剤により表面
処理された顔料を用いた顔料含有重合体粒子およびその
製造法、電子写真用トナー並びに免疫学的診断薬用担体
に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真用トナーを構成する着色重合体
粒子や免疫学的診断試薬用担体に利用される着色重合体
粒子はその粒径が出来る限り小さい物が望まれる。例え
ば電子写真用トナーの分野においては、小粒径の着色重
合体粒子を複数個会合させ、それを加熱融着させること
でトナー粒子を合成することにより、従来からの混練粉
砕法では得られにくかった、小粒径で且つ粒度分布の狭
いトナーを得ることが期待されるだけでなく顔料の分散
性の高い従って画像の透明性の高いものが得られ、更に
トナー形状の制御が容易になることが期待される。しか
し、これは、従来の混練粉砕法では望むべくもなかっ
た。
【0003】また免疫学的診断試薬用担体においては、
凝集像の鮮明さ、免疫凝集反応の速度の観点から着色重
合体粒子であって且つ小粒径であることが望まれてい
る。この為には、重合体粒子自体十分な分散安定性を有
しており、且つ着色剤である顔料を複合化させる工程で
安定であることが重要である。また電子写真用トナーと
しては粒子の会合工程で不必要な凝集を誘発しないこと
が必要であり、免疫学的診断試薬用担体としては免疫学
的活性種例えば抗原、抗体等の感作時に安定である必要
があり、また長期保存していても分散状態が変化しない
貯蔵安定性が十分ある必要がある。
【0004】しかしながら、顔料によっては水系への分
散性が悪く従来方法で顔料含有重合体粒子を調製する
と、分散安定性に乏しく凝集を起こしやすく、その結果
粒径の制御性の乏しいという欠点があることを見いだし
た。また、顔料によっては親油性が乏しく重合時に顔料
が凝集を起こし重合体粒子への含有が困難であり、顔料
含有重合体粒子を生成することができないという欠点が
あることを見いだした。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの目的を達成す
る為に、発明者らは顔料を臨界ミセル形成濃度(以下C
MCと略記する。)以上の界面活性剤の存在下に、水相
中で一定粒径以下に分散を行った後これをCMC以下に
希釈を行い単量体を添加し、水系析出重合を行い得られ
る顔料複合重合体粒子を用いることを見いだした。また
これらを電子写真用トナーとして用いる際には、顔料複
合重合体粒子分散液を臨界凝集濃度以上の電解質を添加
し該粒子を会合させ、更に水に無限溶解する有機溶媒を
添加し重合体粒子のガラス転移温度の−5℃以下から+
50℃以上の温度範囲で加熱融着することで、任意の粒径
を有し且つ粒度分布が狭く、更に粒子形状の制御が容易
な方法を見いだした。
【0006】しかしながら顔料によっては、上記方法で
顔料複合重合体粒子を調製すると、分散安定性に乏しく
不望の凝集を惹起しやすく、その結果粒径の制御性の乏
しいという欠点があることを見いだした。またこの粒子
は免疫学的活性種を粒子表面に固定化する際に、各種p
H緩衝剤と混合すると同様に分散安定性が著しく劣化す
るという欠点を有することを見いだした。
【0007】本発明の課題は上記欠点を解決し、十分な
分散安定性を有する顔料複合重合体粒子を得、更にこれ
を用いた制御された粒径、粒度分布を有する電子写真用
トナーを得る方法を確立することである。
【0008】即ち、具体的にいうと本発明の第1の目的
は、安定した顔料複合重合体粒子を提供することにあ
る。
【0009】本発明の第二の目的は、優れた分光特性を
有し、耐光性、耐退色性に優れ微小粒径の顔料を含む顔
料複合重合体粒子を提供することにある。
【0010】本発明の第三の目的は、優れた分光特性を
有し、耐光性、耐退色性に優れ顔料の分散性が向上され
た電子写真トナーを提供することにある。
【0011】本発明のその他の目的として、凝集像の観
察が容易で安定性に優れた免疫学的診断試薬用担体を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は下記構成
のいずれかをとることにより達成される。
【0013】(1) 界面活性剤の存在下に顔料を水相
中に分散し少なくとも一種の疎水性単量体を含む単量体
成分を水溶性ラジカル重合開始剤により水系析出重合し
得られる顔料複合重合体粒子において、該顔料を表面改
質剤で表面処理する事を特徴とする顔料複合重合体粒
子。
【0014】(2) 上記顔料がキナクリドン誘導体で
あることを特徴とする(1)に記載の顔料複合重合体粒
子。
【0015】(3) 上記表面改質剤で表面処理された
顔料が水相中で、該顔料の1次粒子径の10倍以下の粒径
を有する分散凝集粒子であることを特徴とする(1)に
記載の顔料複合重合体粒子。
【0016】(4) 上記表面改質剤で表面処理された
顔料が界面活性剤の存在下に分散された水系内におい
て、少なくとも1種以上の疎水性単量体と少なくとも1
種以上の親水性単量体を含み、該疎水性単量体が99.9乃
至85重量パーセントで且つ親水性単量体が0.1乃至15重
量パーセントである単量体成分を水系析出重合する事に
より得られ、上記界面活性剤濃度が臨界ミセル形成濃度
(CMC)以下の範囲であることを特徴とする(1)に
記載の顔料複合重合体粒子。
【0017】(5) 上記親水性単量体が該顔料複合重
合体粒子の粒子表面にイオン性解離基を導入し得る単量
体であることを特徴とする(1)に記載の顔料複合重合
体粒子。
【0018】(6) 上記イオン性解離基を含む親水性
単量体が、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、第
1・2・3級アミノ基、第4級アンモニウム塩基を含む
単量体から選択される少なくとも一種の親水性単量体単
位であることを特徴とする(5)に記載の顔料複合重合
体粒子。
【0019】(7) (1)〜(6)に記載の顔料複合
重合体粒子の製造方法であって、表面改質剤で表面処理
された顔料を、臨界ミセル形成濃度(CMC)以上の濃
度で水系分散する顔料分散工程、前記顔料分散液を臨界
ミセル濃度以下まで希釈し希釈分散液を調製する希釈工
程、前記希釈顔料分散液に単量体と重合開始剤を添加し
水系析出重合を行う重合工程を含むことを特徴とする顔
料複合重合体粒子の製造方法。
【0020】(8) 前記重合工程において重合開始剤
の濃度をa(mol/l)、単量体成分の濃度をb(mol/
l)とした時、以下の式(1)及び(2)を満足するこ
とを特徴とする(7)に記載の顔料複合重合体粒子の製
造方法。
【0021】0.001≦a≦0.03 式(1) 0.001≦a/b≦0.10 式(2) (9) (1)〜(6)のいずれか記載の顔料複合重合
体粒子を複数個会合、融着させて得られることを特徴と
する電子写真用トナー。
【0022】(10) 前記顔料複合重合体粒子のイオン
解離性基を含む単量体単位の一部または全部が解離され
たことを特徴とする(9)に記載の電子写真用トナー。
【0023】(11) (1)〜(6)のいずれか記載の
電子写真用トナーの製造方法において、顔料複合重合体
粒子分散液に該分散液に対し臨界凝集濃度以上の電解質
を添加する凝集工程、更に水に無限溶解する有機溶媒を
添加する工程、該分散液を重合体粒子のガラス転移温度
の−5℃から+50℃の温度で加熱融着する工程からなる
電子写真用トナーの製造方法。
【0024】(12) (1)〜(6)のいずれか記載の
顔料複合重合体粒子を用いることを特徴とする生理活性
物質固定用担体。
【0025】(13) (1)〜(6)のいずれか記載の
顔料複合重合体粒子を複数個会合、融着させた非球形粒
子を用いることを特徴とする生理活性物質固定用担体。
【0026】(14) 前記生理活性物質が抗原、抗体、
レセプター、デオキシリボ核酸、リボ核酸から選択され
る少なくとも一種であることを特徴とする(12)、(1
3)に記載の生理活性物質固定用担体。
【0027】
【作用】以下に本発明の詳細を説明する。
【0028】顔料の表面処理剤としては、従来公知のも
のを使用することができる。具体的には、シラン化合
物、チタン化合物アルミニウム化合物等が好ましく用い
ることができる。
【0029】シラン化合物としては、メチルトリメトキ
シシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルフェニ
ルジメトキシシタン、ジフェニルジメトキシシラン、等
のアルコキシシラン、ヘキサメチルジシロザン等のシリ
ザン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニル
トリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-ウレイ
ドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0030】チタン化合物としては、例えば、味の素社
製の「プレンアクト」と称する商品名で市販されている
TTS、9S、38S、41B、46B、55、138S、238S
等、日本曹達社製の市販品A−1、B−1、TOT、T
ST、TAA、TAT、TLA、TOG、TBSTA、
A−10、TBT、B−2、B−4、B−7、B−1
0、TBSTA−400、TTS、TOA−30、TS
DMA、TTAB、TTOP等が挙げられる。
【0031】アルミニウム化合物としては、例えば、味
の素社製の「プレンアクトAL−M」等が挙げられる。
【0032】これらの表面改質剤の使用量は、顔料粒子
に対して0.01〜20重量%とされ、好ましくは1〜15重量
%とされる。
【0033】顔料の表面改質法は、溶媒中に顔料を分散
し、その中に表面改質剤を添加した後昇温し反応を行
う。反応終了後、ろ過し同一の溶媒で洗浄ろ過を繰り返
し乾燥させ表面改質剤で処理された顔料を得る。
【0034】本発明で用いられる顔料は、特にマゼンタ
顔料であり、更にキナクリドン誘導体顔料が挙げられ
る。キナクリドン誘導体顔料としては例えばC.I.ピ
グメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド
202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピ
グメントレッド207、C.I.ピグメントレッド20
9、C.I.ピグメントレッド122等が挙げられる。
【0035】これら顔料は常法に従い、CMC以上の界
面活性剤存在下水相中で分散される。分散方法は特に限
定されないが、例えば超音波分散法、サンドスターラー
分散法、加圧分散法等が挙げられる。これらは必要に応
じて適宜選択される。
【0036】界面活性剤としては、アニオン性界面活性
剤、カチオン性界面活性剤等の中から適宜選択される。
例えばドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム、ドデシルトリメチルアンモニウムク
ロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロラ
イド等が挙げられる。好ましくはドデシル硫酸ナトリウ
ムが挙げられる。
【0037】本発明に用いられる界面活性剤の量はCM
Cに対し0.8乃至3倍濃度で用いられる。この界面活性
剤は顔料分散時に全てを添加しても良いし、又分散時の
発泡による操作性の低下を防止する意味からその一部を
重合時に添加しても良い。
【0038】この様にして分散された顔料分散粒子は、
顔料粒子の一次粒子径の10倍以下である事が好ましい。
顔料粒子の分散粒径が一次粒子の10倍以上の大きさにな
ると、本発明に係る重合が進み難くなり、凝集塊の生成
時の不望の現象を起こし安定して顔料複合重合粒子の生
成が困難となる。好ましくは顔料の分散粒径としては、
平均粒径で一次粒子径の5倍以下、更に好ましくは3倍
以下である。
【0039】疎水性単量体としては、従来公知のものを
用いることができ、特にラジカル重合性のものが良好で
ある。要求される特性を満たすように、1種または2種
以上のものを組み合わせて用いることができる。
【0040】具体的には、モノビニル芳香族系単量体、
(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル
系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系
単量体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン
系単量体、ポリビニル系単量体等のラジカル重合性単量
体を好ましく用いることが出来る。
【0041】ビニル芳香族系単量体としては、例えば、
スチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メ
チルスチレン、p-メトキシスチレン、p-フェニルスチレ
ン、p-クロロスチレン、p-エチルスチレン、p-n-ブチル
スチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチ
レン、p-n-オクチルスチレン、p-n-ノニルスチレン、p-
n-デシルスチレン、p-n-ドデシルスチレン、2,4-ジメチ
ルスチレン、3,4-ジクロロスチレン等のスチレン系単量
体およびその誘導体が挙げられる。
【0042】(メタ)アクリル酸エステル系単量体とし
ては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、アクリル酸
シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸ヘキシル、メタクリル酸-2-エチルヘキシル、
β-ヒドロキシアクリル酸エチル、γ-アミノアクリル酸
プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメ
チルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル
等が挙げられる。
【0043】ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が挙げ
られる。
【0044】ビニルエーテル系単量体としては、ビニル
メチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブ
チルエーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられ
る。
【0045】オレフィン系単量体としては、エチレン、
プロピレン、イソブチレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-
メチル-1-ペンテン等のモノオレフィン系単量体、ブタ
ジエン、イソプレン、クロロプレン等のジオレフィン系
単量体等が挙げられる。
【0046】これら疎水性単量体は、単独であるいは2
種類以上組み合わせて用いることができる。
【0047】また、親水性単量体は、該顔料含有重合体
粒子表面にイオン性解離基を導入しうる単量体である、
カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、第1・2・3
級アミノ基、第4級アンモニウム塩基を含む単量体から
選択される少なくとも一種の親水性単量体であることが
好ましい。
【0048】カルボン酸基を有する単量体としては、ア
クリル酸、メタクリル酸、フマール酸、マレイン酸、イ
タコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、
マレイン酸モノオクチルエステル等が挙げられる。
【0049】スルホン酸基を有する単量体としては、ス
ルホン酸スチレン、アリルスルホコハク酸、アリルスル
ホコハク酸オクチル等が挙げられる。
【0050】四級アンモニウム塩を有する単量体として
は、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミ
ノエチルメタアクリレート、ジエチルアミノエチルアク
リレート、ジエチルアミノエチルメタアクリレート、3-
ジメチルアミノフェニルアクリレート、2-ヒドロキシ-3
-メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩
等が挙げられる。
【0051】これらの親水性単量体は、単独であるいは
2種以上組み合わせて用いることができる。
【0052】単量体成分として親水性単量体が含まれて
いることにより、水系析出重合時における重合速度が大
きくなり、重合体の分子量制御が容易になる。さらに、
重合体中にイオン性解離基を導入させる結果、電子写真
トナーとして用いる場合において、荷電制御剤など添加
しなくても帯電性の制御を図ることができる。
【0053】本発明に係る単量体は、疎水性単量体が約
99.9乃至約85重量パーセントで且つ親水性単量体が約0.
1乃至約15重量パーセントの範囲で適宜選択される。
【0054】さらに、重合粒子の特性を改良するために
架橋性単量体を添加しても良い。架橋性単量体として
は、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニル
エーテル、ジエチレングリコールメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコ
ールジメタクリレート、フタル酸ジアリル等の不飽和結
合を2個以上有するものが挙げられる。
【0055】単量体成分として架橋性単量体が含まれて
いることにより、得られる顔料含有重合体粒子におい
て、強度などの特性を向上させることができる。
【0056】本発明の顔料複合重合体粒子の製造法とし
ては、顔料を表面改質剤で表面処理する顔料表面処理工
程、臨界ミセル形成濃度(CMC)以上の界面活性剤の
存在下で顔料を分散する顔料分散工程、顔料分散液中の
顔料を重合時の濃度に調整し且つ界面活性剤を重合時の
所望の濃度に調整する調整工程、さらにこの濃度調整し
た分散液に所定量の単量体及び重合開始剤を添加し水系
析出重合を行う重合工程に分かれ、上記の工程を経るこ
とによって得られる。
【0057】水系析出重合に用いられる疎水性及び親水
性単量体は、前記顔料粒子を表面処理するのに用いたも
のと同様のものを用いることができる。
【0058】界面活性剤としては、ドデシル硫酸ナトリ
ウム、ドデシルベンセンスルホン酸ナトリウム、アリー
ルアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3-ジ
スルホンシフェニル尿素-4,4-ジアゾ-ビス-アミノ-8-ナ
フトール-6-スルホン酸ナトリウム、オルト-カルボキシ
ベンゼン-アゾ-ジメチルアニリン、2,2,5,5-テトラメチ
ル-トリフェニルメタン-4,4-ジアゾ-ビス-β-ナフトー
ル-6-スルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩;テト
ラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウ
ム、オクチル硫酸ナトリウムなどの硫酸エステル塩;オ
レイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン
酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナト
リウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム
などの脂肪族塩などを挙げることができる。
【0059】水系析出重合反応を開始するために用いる
重合開始剤としては、水溶性のラジカル重合開始剤、例
えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸
塩;4,4-アゾビス-4-シアノ吉草酸およびその塩、2,2-
アゾビス(2-アミノジプロパン)塩などのアゾ系化合
物;パーオキサイド化合物などを好適に用いることがで
きる。また、上記の重合開始剤と還元剤と組み合わせ、
重合活性の大きいレドックス系の重合開始剤として用い
てもよい。レドックス系の重合開始剤を用いることによ
り、低温下での重合反応が可能となり、更に重合時間の
短縮が期待できる。
【0060】水系析出重合の反応系に於ける重合開始剤
の濃度としては、重合開始剤濃度が0.001〜0.03モル/
lであることが好ましく、更に好ましくは0.003〜0.025
モル/lとされる。また、重合開始剤濃度をa(モル/
l)、単量体成分の濃度をb(モル/l)とするとき、
「a/b」の値が0.001〜0.10の範囲にあることが好ま
しい。重合開始剤の濃度が過少である場合には、ラジカ
ル生成量が少ないため、重合反応が完了せずモノマーが
残存する。一方、重合開始剤の濃度が過大である場合に
は、ソープフリー重合が起こり、顔料を含有しない重合
体が生成し、重合体と顔料との相分離が起こるので好ま
しくない。
【0061】これら重合体の分子量及び分子量分布は目
的に応じて種々の範囲で用いることが可能であるが、電
子写真用トナーとして用いる場合には、重量平均分子量
(Mwと略記する)は0.5万から50万、好ましくは1万か
ら30万が用いられる。 分子量分布の指標としては、一
般に重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mnと略記す
る)が1.5から20、好ましくは1.8から15である。
【0062】分子量及び分子量分布の制御には、重合開
始剤添加量及び重合反応系への連鎖移動剤の添加により
任意に達成される。連鎖移動剤としては、一般的にチオ
ール化合物、例えばドデカンチオール等が用いられる
が、用いる単量体に対する連鎖移動定数により適宜選択
することが可能である。
【0063】電子写真用トナーとして用いる場合、本発
明の顔料複合重合体粒子を複数個会合し更にこの会合粒
子を重合体のTgの−5℃から+50℃の範囲の温度で粒
子間を加熱融着させることが必要である。この様な方法
は、例えば特開昭60-220358号に開示された様に、乳化
重合で生成した重合体粒子及び顔料(着色剤)混合分散
液を塩析剤により塩析し、トナーとする方法がある。し
かしながらこの方法は、所謂急速凝集と称せられる方法
で粒径の制御が困難で且つ粒度分布が非常に広くなり易
いことが知られている。このため、凝集粒子生成後何ら
かの方法を用い粒度分布を狭くする工程が必須であり、
このため作業性に著しく欠けるという欠点を有してい
る。
【0064】一方、本発明の方法は粒径、粒度分布の制
御性に優れ粒子生成後は瀘過工程、洗浄工程、乾燥工程
を経るだけで電子写真用トナーとして十分使用に耐える
ものとして利用できるという優れた方法である。
【0065】本発明の顔料複合重合体粒子を用いて複数
個会合し、更にこの会合粒子を重合体Tg近傍で加熱す
ることにより、会合粒子の一次粒子間融着を行い電子写
真用トナーとする方法である。この方法は、特開平5-11
5572号に細述されている。
【0066】この方法は顔料複合重合体粒子分散液に対
し 水溶性金属塩又はその水溶液を添加する工程 水に対して無限溶解する有機溶媒を添加する工程 重合体のTgに対し−5℃から+50℃の範囲の温度
で粒子間を加熱融着する工程 からなる。
【0067】水溶性金属塩又はその水溶液として用いら
れる金属塩の具体例としては1価の金属塩として塩化ナ
トリウム、塩化カリウム、塩化リチウム等、2価の金属
塩として塩化カルシウム、塩化亜鉛等、3価の金属塩と
しては、塩化アルミニウム等を用いることが可能であ
る。但し本発明はこれに限定されるものではない。この
金属塩は顔料複合重合体粒子分散液に対し、顔料複合重
合体粒子が凝集を起こし始める最低濃度である臨界凝集
濃度以上が添加される。臨界凝集濃度の決定は当該業者
においては容易であるが、例えば目的とする顔料複合重
合体粒子分散液に対し、使用する金属塩を各種濃度で添
加し凝集粒子の生成する最低濃度を求める方法がある。
【0068】又同様に目的とする顔料複合重合体粒子分
散液に対し、使用する金属塩を各種濃度で添加しこのゼ
ータ電位を測定し、ゼータ電位が低下しだす塩濃度を臨
界凝集濃度とする方法もある。
【0069】更に、より粒径及び粒度分布の制御性を向
上させるために、顔料複合重合体粒子のイオン性解離基
の一部または全部を解離状態にし、同様の操作を行うこ
とで達成できる。
【0070】この金属塩を混合した凝集状態の顔料複合
重合体粒子分散液に対し、水に無限溶解する有機溶媒が
添加される。その作用機構は明らかでないが、上記有機
溶媒を添加することで安定した粒度分布の狭い会合粒子
が生成する。この水に無限溶解する有機溶媒としては、
例えばメタノール、エタノール、n-プロピルアルコー
ル、iso-プロピルアルコール、ジオキサン、アセトニト
リル等が挙げられる。好ましくはiso-プロピルアルコー
ルが用いられる。又、本発明に係る水に無限溶解する有
機溶媒の添加量は、顔料複合重合体粒子分散液に対し5
容量パーセントから300容量パーセントの範囲から選択
される。この状態で、撹拌下顔料複合重合体粒子の重合
体のガラス転移温度(Tg)に対し−5℃から50℃の温
度条件で一定時間加熱することでトナー粒子を合成する
ことが可能である。
【0071】この方法は、金属塩、水に無限溶解する有
機溶媒の添加量、加熱温度、加熱時間等を適宜変化させ
ることで平均粒径、粒度分布、粒子形状を変化させるこ
とが可能である。
【0072】加熱温度は重合体のTgに対し−5℃から
+50℃の範囲、好ましくは0℃から40℃の範囲で適宜選
択される。又、一般的に金属塩の添加量を増加させると
平均粒径は大きくなる傾向にあり、有機溶媒の添加量を
増加した場合も大きくなる傾向にあり、更に粒子形状は
真球に近い形になる傾向にある。又、加熱温度を上昇さ
せると、粒径の成長速度が早くなると共に粒子形状は真
球に近い形になる傾向にある。又、加熱温度の上昇は、
粒子間の融着を進行させ機械的強度が増す傾向にある。
これらの条件を適宜選択することで所望の平均粒径、粒
度分布、粒子形状の粒子を得ることが可能である。
【0073】この粒子を電子写真用トナーとして用いる
場合、その粒子形状は問題となる。特に真球粒子はクリ
ーニング性に問題があると言われている。粒子の形状
は、非球形化度として表すことができる。非球形化度は
以下の式により定義される。
【0074】即ち、 非球形化度=(粒子のBET比表面積)/ (粒子の平均粒径を真球として換算した時の表面積) で示される。
【0075】非球形化度が1の場合真球を表し、この数
値が大きい程非球形粒子となる。電子写真用トナーとし
ては、非球形化度が1から15まで用いることが可能であ
る。更に好ましくは1.1から10である。あまり非球形化
度が小さく真球の場合、電子写真プロセスにおけるクリ
ーニング工程に対する適性が少なく用いにくい。一方、
あまり非球形化度が大きくなると現像器内で撹拌される
ことで粒子の破砕、微粉の生成、更に選択現像による画
質低下が懸念される。
【0076】本発明の非球形粒子には必要に応じて、定
着性改良剤、帯電制御剤等を組み込むことが可能であ
る。これらは予め水相へ微粒子として分散した水性分散
液とし、必要に応じて非球形反応時に本発明のキナクリ
ドン誘導体顔料複合重合体粒子分散液に混和し、本発明
の方法、すなわち特願平5-115572号に記載の方法に従い
合成することが可能である。
【0077】定着性改良剤としては、公知のものが用い
られる。一般的にはポリオレフィン系ワックスが用いら
れる。例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロ
ピレン、酸化処理されたポリエチレン及びポリプロピレ
ン等が挙げられる。
【0078】これらは常法に従い、熔融した後分散剤存
在下水中に分散され、必要に応じてアルカリ変性された
エマルジョンの形で用いられる。これらは商品名「HITE
C」(東邦化学工業(株)社製)の名称で市販されているポ
リエチレン又はポリプロピレンワックスエマルジョンを
用いることも可能である。
【0079】更に定着性改良剤の本発明の非球形粒子へ
の導入は、 キナクリドン誘導体と同時に水相中に分散を行い、重
合を行うことで複合粒子を作成し、この複合粒子を非球
形化反応で非球形粒子とする方法 キナクリドン誘導体を含む重合体粒子に対し、定着性
改良剤を有機溶媒に溶解した溶液を、シード重合と同様
に、粒子内に膨潤吸収させ、この粒子を会合反応に用い
る方法 キナクリドン誘導体を含む重合体粒子を非球形化反応
を用い非球形粒子を調製する際に、ワックスエマルジョ
ンとして同時に会合させる方法 が挙げられる。
【0080】これらの方法は、定着性改良剤を非球形粒
子に組み込む方法として好ましいが、より好ましくは
及びの方法が、容易に且つ必要量の定着性改良剤を非
球形粒子内に導入可能なものとして挙げられる。定着性
改良剤はバインダーである重合体に対し0.1から20重量
パーセント、好ましくは0.5から15重量パーセント含有
することが可能である。
【0081】本発明の非球形粒子の帯電制御は、顔料複
合重合体粒子表面に存在するイオン解離性基により付与
される。しかしながら必要に応じて顔料複合重合体粒子
内或いは非球形粒子内に帯電制御剤を含有させることで
もその目的を達成することが可能である。
【0082】帯電制御剤は例えばプラス帯電性としてニ
グロシン系の電子供与性染料、ナフテン酸又は高級脂肪
酸の金属塩、アルコキシ化アミン、第四級アンモニウム
塩、アルキルアミド、金属錯体、顔料、フッ素処理活性
剤等、マイナス帯電性として電子受容性の金属錯体、塩
素化パラフィン、塩素化ポリエステル、銅フタロシアニ
ンのスルホニルアミン等が挙げられる。更にクロムイエ
ロー、アニリンブルー及びアゾ系含金属染料等が挙げら
れる。これらは前記定着性改良剤と同様の方法で非球形
粒子に組み込むことが可能である。
【0083】これら本発明の非球形粒子はそのまま単独
でも電子写真用トナーとして用いられるが、トナーとし
ての特性を向上させるために、種々の添加剤を添加する
ことができる。例えば添加剤の具体例として流動性付与
剤が挙げられる。流動性付与剤としてはシリカ、酸化チ
タン、酸化アルミニウム及びこれらの疎水化処理物の微
粒子、高分子ラテックスから由来する疎水性単量体単位
から構成される有機高分子微粒子が挙げられる。流動性
付与剤はトナー100重量部に対し0.01から20重量部添加
されることが好ましく、更に0.1から10重量部添加され
ることが好ましい。
【0084】別の添加剤としては、一つの具体例として
滑剤も挙げられる。滑剤としては、ステアリン酸のカド
ミウム、バリウム、ニッケル、コバルト、ストロンチュ
ウム、銅、マグネシウム、カルシウム等、オレイン酸の
亜鉛、マンガン、鉄、コバルト、銅、鉛、マグネシウム
塩、パルミチン酸の亜鉛、マンガン、コバルト、銅、マ
グネシウム、ケイ素、カルシウム等、リノール酸の亜
鉛、コバルト、カルシウム塩、リシノール酸の亜鉛、カ
ドミウム、カプリル酸の鉛塩、カプロン酸の鉛塩等の高
級脂肪酸の金属塩を挙げることができる。これらも適宜
添加することができる。
【0085】(生理活性物質固定化担体)本発明のキナ
クリドン誘導体顔料複合重合体粒子は、生理活性物質の
担体として用い免疫診断試薬として有用に用いることが
可能である。生理活性物質としては、酵素、抗原、抗
体、レセプター、デオキシリボ核酸、リボ核酸等が挙げ
られる。但しデオキシリボ核酸、リボ核酸の場合、1本
鎖デオキシリボ核酸、1本鎖リボ核酸を固定しこの相補
的に結合する1本鎖デオキシリボ核酸、1本鎖リボ核酸
を検出することができる。これらは必要に応じて本発明
のキナクリドン誘導体顔料複合重合体粒子表面に公知の
方法で固定化することで用いられる。特に本発明のキナ
クリドン誘導体顔料複合重合体粒子はマゼンタに着色さ
れ、従来からのラテックス試薬の白色や一部の染料染色
ラテックス試薬と比較し、該試薬を希釈した場合でもよ
りはっきりとした凝集像を観察することが可能であると
いう長所を有している。
【0086】生理活性物質の固定化は、物理吸着法、化
学結合法が挙げられる。物理吸着法の場合、本発明のキ
ナクリドン誘導体顔料複合重合体粒子は疎水性表面、特
にスチレン単位を表面に有することにより安定した吸着
能を有する。化学結合法を用いる場合、生理活性物質中
のカルボキシル基、アミノ基、チオール基等の官能基を
用い、公知の2官能性試薬と反応する官能基、例えばア
ミノ基、カルボキシル基、チオール基、エポキシ基等を
導入することで達成できる。
【0087】一方、本発明の非球形粒子も同様に用いる
ことが可能である。特に非球形粒子は、表面積を自由に
変化させることが可能であり、真球に比較し大きな表面
積を取ることが可能であり、生理活性物質の固定化量を
多くし、反応速度を上げることができるという長所を有
している。
【0088】本発明のキナクリドン誘導体顔料複合重合
体粒子を用いる場合の平均粒径は0.1μmから1.5μmが用
いられる。本発明の非球形粒子を用いる場合一次粒子の
2倍から10倍、0.35μmから3μmが好ましい。
【0089】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0090】実施例−1 〔顔料の表面改質方法〕内容積500mlの円筒型セパラブ
ルフラスコにn-ヘキサン200mlとマゼンタ顔料(ジメチ
ルキナクリドン:C.I.ピグメントレッド122、商
品名;KET RED 309[大日本インキ化学工業
(株)より入手])20gを添加し、アルミニウム化合物
の表面改質剤(商品名;プレンアクトAL−M[味の素
(株)製])をマゼンタ顔料に対して2重量%添加し
て、窒素気流下200rpmの撹拌速度で撹拌しつつ、フラス
コ内を68℃まで昇温させた。この状態で2時間反応を継
続し、2時間後に反応を終了する。処理したマゼンタ顔
料はろ過し同一の溶媒で洗浄ろ過を繰り返し減圧下120
℃で乾燥させる。このマゼンタ顔料をM−1とした。
【0091】又表面改質剤をシラン化合物であるメチル
トリメトキシシラン(東芝シリコン(株)製)、チタン
化合物としてプレンアクトTTS(味の素(株)製)を
使用し上記表面改質法と同様な操作を行い表面改質顔料
を用意した。このマゼンタ顔料をそれぞれM−2、3と
した。
【0092】更に市販のマゼンタ顔料としてKET R
ED 316(ジメチルキナクリドン:C.I.ピグメ
ントレッド122[大日本インキ化学工業(株)より入
手])及びPINK E02 Toner Grade
(ジメチルキナクリドン:C.I.ピグメントレッド1
22[ヘキストジャパン(株)より入手])を使用し上
記表面改質法と同様な操作を行い表面改質顔料を用意し
た。このマゼンタ顔料をそれぞれM−4、5とした。
【0093】更に比較として表面改質を行わないKET
RED 309(ジメチルキナクリドン:C.I.ピ
グメントレッド122、[大日本インキ化学工業(株)
より入手])を用意した。このマゼンタ顔料をそれぞれ
M−6とした。
【0094】〔顔料分散液の調製〕処理したマゼンタ顔
料26.67gに対してドデシル硫酸ナトリウム3.6335g、
脱気イオン交換水250mlを混和した後、加圧型分散機M
INI−LAB Type8.30H(ラーニー(RANN
IE)社製)を用い、600barの圧力で1時間分散を行っ
た後、分散液を電気泳動光散乱光度計ELS−800
(大塚電子(株)製)を用い粒径及び粒度分布を測定し
た。結果を表1に示す。
【0095】
【表1】
【0096】〔着色重合体粒子の合成〕内容積500mlの
セパラブルフラスコに温度センサー、窒素導入管、撹拌
装置(ディスクタービン型撹拌羽根付き)を装着した重
合反応装置に、上記した処方で分散した顔料分散液15ml
と脱気したイオン交換水235mlとスチレンモノマー25.33
gとn-ブチルアクリレートモノマー4.75gとメタクリル
酸1.58gとt-ドデシルメルカプタン0.2gを加え、窒素
気流下500rpmで撹拌しつつ、フラスコ内を70℃まで昇温
させた。70℃まで内温が上がったところで、過硫酸カリ
ウム0.76gを脱気イオン交換蒸留水50mlに溶解した重合
開始剤溶液を添加し、重合を7時間行った後室温まで冷
却し完結させた。生成した粒子を電気泳動光散乱光度計
ELS−800(大塚電子(株)製)を用い平均粒径、
粒度分布を測定し、更に乾燥後GPC HLC−802
0(東ソー(株))を用い分子量、分子量分布の測定を
行った。又凝集物をろ過で分取し仕込モノマー量から凝
集物生成率を出した。結果を表2に示す。
【0097】
【表2】
【0098】以上の結果より、表面改質を行わない顔料
(M−6)は凝集物の生成率が多く重合安定性が悪く実
用上適さない事が明らかである。
【0099】〔非球形粒子の合成〕上記本発明の顔料複
合重合体粒子分散液P−1〜5及び比較顔料複合重合体
粒子分散液P−6を用いて非球形粒子を合成した。各々
の分散液中の粒子表面にカルボン酸イオンを生成させる
ために、5N−水酸化ナトリウム水溶液を用いpH=7
に調整した。pH調整後粒度分布測定装置ELS−80
0(大塚電子(株)製)を用い平均粒径、粒度分布を測
定した。結果を表3に示す。
【0100】
【表3】
【0101】但し、P−6に関してはpH調整後の粒径
が粒度分布測定装置ELS−800(大塚電子(株)
製)の測定限界を越えていた為レーザー回折粒度測定装
置SALD−1100(島津製作所(製))を用い測定
を行った。本発明の顔料複合重合体粒子分散液は当然p
H調整前後で粒径変化は無い。即ち、十分重合安定性が
ある事を示している。一方比較顔料複合重合体粒子分散
液はpH調整により本来粒子表面にカルボン酸イオンが
生成し、分散安定性が更に付与されるにも拘らず、新た
に20μm付近に凝集粒子のピークが観察され結果として
平均粒径が大きくなっている。
【0102】更に、ELS−800を用い電解質を塩化
カリウムとして臨界凝集濃度を測定したところ、本発明
の顔料複合重合体粒子分散液P−1〜5は、0.067mol/
lであった。比較顔料複合重合体粒子分散液P−6は、
0mol/lであった。この為P−1〜5及びP−6に対
し電解質の最終濃度が0.6mol/lになるように設定し
た。又、比較顔料複合重合体粒子分散液P−6は併せて
電解質を無添加のまま反応も行った。上記非球形粒子を
本発明の非球形粒子NS−001〜005、比較非球形
粒子−001,002とした。以下に非球形反応を記
す。
【0103】500mlの撹拌装置、冷却管、温度センサー
付き4頭セパラブルフラスコに上記pH調整済み顔料複
合重合体粒子分散液150mlを入れ、室温下250rpmで撹拌
する。ここに塩化カリウム11.86gを蒸留水に溶解した
塩化カリウム水溶液を添加し、次いでイソプロパノール
35mlを添加した。
【0104】この混合液を85℃まで昇温し、6時間反応
を行い室温まで冷却した。この反応液をレーザー回折粒
度測定装置SALD−1100(島津製作所(製))を
用い粒径、粒度分布の測定を行った。更に、非球形粒子
を濾過後、蒸留水に懸濁分散後、1N−水酸化ナトリウ
ム水溶液を用いpH=13まで調整しカルボン酸を完全解
離状態にした後、洗浄を繰り返し電解質等の夾雑物を除
去した後乾燥を行い粉体として取りだした。
【0105】この粉体のBET比表面積を測定し、レー
ザー回折粒度測定装置SALD−1100で測定した平
均粒径から不定形化度を算出した。結果を表4に示す。
【0106】
【表4】
【0107】以上表4により明かな如く、本発明の非球
形粒子は微粒子化が可能であり粒度分布も狭いものであ
る。一方比較非球形粒子は粒径が大きく、また粒径の微
粒化に限界がありさらに微粒化使用とすると粒度分布が
広くなり粒径、粒度分布の制御が困難であることがわか
る。
【0108】実施例−2 マゼンタ顔料(ジメチルキナクリドン:C.I.ピグメ
ントレッド122、商品名;KET RED 309
[大日本インキ化学工業(株)より入手])、アルミニ
ウム化合物の表面改質剤(商品名;プレンアクトAL−
M[味の素(株)製])を使用し、アルミニウム化合物
の表面改質剤濃度をマゼンタ顔料に対して5、10、15重
量%と変化させ実施例−1と同様にマゼンタ顔料の表面
改質を行った。それぞれの顔料をM−7,8,9とし
た。また、再比較として表面改質剤濃度をマゼンタ顔料
に対して0重量%添加とし、この顔料をM−10とした。
【0109】顔料M−7〜10を用い、実施例−1と同様
に顔料分散液を調整した。この顔料分散液の顔料分散粒
径と粒度分布を測定した。結果を表1に示す。
【0110】上記顔料分散液を使用し、実施例−1と同
様に顔料複合重合体粒子分散液P−7〜10を合成した。
生成した粒子の粒径、粒度分布、更に分子量、分子量分
布、凝集物生成率の測定を行った。結果を表2に示す。
この結果より、表面改質剤濃度0重量%で表面改質を行
なわなかった顔料(M−10)を用いた顔料複合重合体粒
子分散液は、凝集物の生成率が多く重合安定性が悪いた
め実用上適さない事が明らかである。
【0111】上記顔料複合重合体粒子分散液P−7〜9
を用い、実施例−1と同様に非球形粒子の合成を行っ
た。上記非球形粒子を本発明の非球形粒子NS−006
〜008とした。実施例−1と同様に測定した結果を表
4に示す。表4より、本発明の非球形粒子の微粒子化が
可能であり粒度分布も狭いものである。
【0112】実施例−3 マゼンタ顔料(ジメチルキナクリドン:C.I.ピグメ
ントレッド122、商品名;KET RED 309
[大日本インキ化学工業(株)より入手])を使用し、
表面改質剤としてシラン化合物の表面改質剤(商品名;
TSL8111[東芝シリコーン(株)製])と、チタ
ン化合物の表面改質剤(商品名;KR TTS[味の素
(株)製])を使用し、表面改質剤濃度をマゼンタ顔料
に対して2重量%とし実施例−1と同様にマゼンタ顔料
の表面改質を行った。それぞれの顔料をM−11,12とし
た。
【0113】顔料M−11,12を使用し、実施例−1と同
様に顔料分散液を調製した。この顔料分散液の顔料分散
粒径と粒度分布を測定した。結果を表1に示す。
【0114】上記顔料分散液を使用し、実施例−1と同
様に顔料複合重合体粒子分散液P−11,12を合成した。
生成した粒子の粒径、粒度分布、更に分子量、分子量分
布、凝集物生成率の測定を行った。結果を表2に示す。
この結果より、表面改質剤を変更しても安定した着色重
合体粒子を生成できる。
【0115】上記顔料複合重合体粒子分散液P−11,12
を用い、実施例と同様に非球形粒子の合成を行った。上
記非球形粒子を本発明の非球形粒子NS−009〜01
0とした。実施例−1と同様に測定した結果を表4に示
す。表4より、本発明の非球形粒子の微粒子化が可能で
あり粒度分布も狭いものである。
【0116】実施例−4 本発明のマゼンタ顔料分散液M−1を用いて界面活性剤
の量及び重合開始剤の量を変化させて重合を行った。重
合は撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を
付けた500mlのセパラブルフラスコに脱気済みイオン交
換蒸留水を235ml、分散液M−1を15ml加え、ここにド
デシル硫酸ナトリウムを添加溶解し、さらにスチレンモ
ノマー25.33gとn-ブチルアクリレートモノマー4.75g
とメタクリル酸1.58gとt-ドデシルメルカプタン0.2g
を加え、窒素気流下500rpmの撹拌速度で撹拌しつつ、内
温を70℃に昇温させた。内温が70℃になった時点で、添
加量を変化させた過硫酸カリウムを脱気イオン交換蒸留
水50mlに溶解した重合開始剤溶液を添加し、7時間重合
させた後室温まで冷却した。この重合体粒子は、粒度分
布測定装置ELS−800(大塚電子(株)製)を用い
平均粒径、粒度分布を測定しさらに乾燥後分子量及び分
子量分布の測定を行った。また凝集物をろ過で分取し仕
込みモノマー量から凝集物生成率を出した。条件表及び
その結果を表5に示す。
【0117】
【表5】
【0118】以上表5で明かなごとく、重合開始剤量、
界面活性剤量、[重合開始剤濃度]/[モノマー濃度]
比(a/b)が本発明の範囲のP−13〜16は、安定した
粒径、粒度を示し凝集物の生成も非常に少ない。さらに
生成重合体の分子量及び分子量分布も安定している。一
方、重合開始剤量、界面活性剤量、[重合開始剤濃度]
/[モノマー濃度]比(=a/b)が本発明の範囲外で
あるP−17〜19はそれぞれ問題がある。界面活性剤の濃
度が高いP−17は顔料とポリマー粒子が相分離してい
る。またa/bが本発明の範囲より小さいP−18は重合
が完結しない。逆に重合開始剤濃度の高いP−19は顔料
とポリマー粒子が相分離を起こしている。
【0119】実施例−5 比較の非球形粒子としてP−6のマゼンタ顔料複合重合
体粒子をpH=6.5に調整した後、500mlの撹拌装置、冷
却管、温度センサー付き4頭セパラブルフラスコに上記
pH調整済み顔料複合重合体粒子分散液150mlを入れ、室
温下250rpmで撹拌した。さらにイソプロパノール35mlを
添加した。この混合液を85℃まで昇温し、6時間反応を
行い室温まで冷却した。この反応液をレーザー回折粒度
測定装置SALD−100(島津製作所(製))を用い
粒径,粒度分布の測定を行った。さらに非球形粒子をろ
過後、蒸留水に懸濁分散し1N−水酸化ナトリウム水溶
液を用いpH=13まで調整しカルボン酸を完全解離状態
にした後、洗浄を繰り返し電解質などの夾雑物を除去し
その後乾燥を行い粉体として取り出した。
【0120】この粉体のBET比表面積を測定しレーザ
ー回折粒度測定装置SALD−1100で測定した平均
粒径から不定形化度を算出した。この非球形粒子の平均
粒径はd50=5.21μm,CV=0.91,非球形化度は4.51
であった。
【0121】前記実施例1の非球形粒子NS−001〜
010を本発明のトナー(1)〜(10)とし上記非球形
粒子を比較トナー(1)とし、平均粒径50μmのフェラ
イト粒子にスチレン/メチルメタクリレート共重合でコ
ートしたキャリアとトナー濃度5%で混合し、異なる環
境下で振とうを行い帯電量を測定した。
【0122】結果は以下の表6に示した。
【0123】
【表6】
【0124】以上の結果の如く、本発明のトナーの帯電
量は環境により差が認められない安定したものであっ
た。一方、比較のトナーは環境による差が大きく不安定
なものである事がわかる。
【0125】実施例−6 上記本発明のトナー(1)〜(10)及び比較トナーにシ
リカ2重量パーセント、酸化チタン1重量パーセントの
割合で添加混合し、このトナー5重量部にメタクリル酸
メチル/スチレン共重合体(MMA/St=7/3)に
より表面被覆した樹脂被覆フェライト粒子(平均粒径50
μm:キャリア)を95重量部とを混合し本発明の現像剤
(1)〜(10)及び比較現像剤(1)を調製した。
【0126】上記現像剤を用い、熱ローラー定着器とク
リーニングブレードを備えた電子写真複写機『U−BI
X3032』(コニカ(株)社製)によりコピー像を形
成する実写テストを行い下記項目に関して評価した。
【0127】(1)解像度 細線チャートのコピー画像を形成し、識別可能な細線の
1mm当たりの本数で判定した。
【0128】(2)かぶり 常温常湿環境下(温度20℃、相対湿度60%)で連続して
コピー画像を形成し「サクラデンシトメーターPDA−
60」(コニカ(株)社製)により白地部分の各色の反
射濃度を測定し、当該反射濃度が0.02を超えた時点のコ
ピー枚数でかぶりを判定した。
【0129】(3)オフセット発生温度 定着ローラーの設定温度を段階的に変化させコピー画像
を形成し、ホットオフセットに起因するトナー汚れが発
生した時点の定着ローラーの設定温度を測定し、これを
示した。
【0130】(4)トナーの着色度 白色ラベルにトナーを単層に貼付け、このトナー層を
「サクラデンシトメーターPDA−60」(コニカ
(株)社製)を用い各色の反射濃度を測定し、当該反射
濃度が1.3以上を○、1.3以下を×とした。
【0131】(5)クリーニング性 感光体表面を目視で観察し、クリーニング不良が発生し
た時点のコピー回数で評価した。
【0132】(6)粒径分布の変化 体積平均径の1/3以下のトナーの個数%の推移により
評価した。実写テストにおいて経時で粒度分布を測定
し、スタート時、かぶり発生時又は5万コピー時の体積
平均径の1/3以下のトナーの個数%を示した。測定は
レーザー回折式粒径測定装置SALD-1100(島津製作所
製)を用いた。
【0133】(7)透過率の測定 膜厚50ミクロンの透明ポリエチレンテレフタルシートに
反射濃度で1.0になるよう本発明のトナーをのせポット
プレートで溶融定着を行った後、分光光度計を用い透過
率を測定した。
【0134】結果は以下の表7に示す。
【0135】
【表7】
【0136】以上の結果より本発明のマゼンタトナーは
解像度、カブリ、反射濃度、クリーニング特性が良好で
あり、さらにコピー時の粒径変化が非常に少ない安定し
た現像剤である。また透明シート上に定着させた時の透
過率も非常に高いことがわかる。一方、比較現像剤は本
発明の現像剤に対しすべての面で劣り、さらに透過率も
低いことがわかる。
【0137】実施例−7 実施例1の顔料分散液M−1を用い実施例1の合成例で
モノマーをスチレン95.5重量%、アクリル酸0.5%とし
た以外は全く同一の条件で重合を行いマゼンタ粒子を得
た。これを電気泳動光散乱光度計ELS−800(大塚電子
(株)製)を用い平均粒径(d50)及び変動係数(CV)
を測定した。結果はd50=0.36μm、CV=0.60であっ
た。またこの顔料複合重合体粒子の塩化カリウムによる
臨界凝集濃度は0.045mol/lであった。又、この顔料複
合重合体粒子分散液を用い実施例2に従い、塩化カリウ
ムの添加量を0.06mol/lに変え85℃,3時間反応させ
た。この平均粒径はレーザー回折粒度分布測定装置SALD
−1100(島津製作所(株)製)を用い測定しd50=0.88μ
m,CV=0.52であった。又、この粒子の非球形化度は
5.76であった。この粒子を分画分子量1万のセルロース
透析バックを用い透析を行い夾雑物を除去した後、限外
瀘過を行い固形分濃度5%に調節を行い、0.3Mリン酸
塩緩衡液(含0.9%塩化ナトリウム)で緩衡を行った
後、坑α-フェトプロテイン抗体(1gG分画)を添加
し表面に物理吸着を行った。一方、比較として、平均粒
径d50=0.3μm,CV=0.63及びd50=0.85μm,CV
=0.51のポリスチレンラテックスを同様に抗α-フェト
プロテイン抗体(1gG分画)を感作させた。さらに牛
血清アルブミンで未吸着部分を吸着させた。
【0138】これを固形分濃度0.2%に0.3Mリン酸塩緩
衡液(含0.9%塩化ナトリウム)で希釈しα-フェトプロ
テイン(AFP)用免疫診断試薬とした。精製したヒト
α-フェトプロテイン(ダコ社より入手)を不活性化ヒ
ト血清を用いAFPの希釈系列を作製した。各AFP標
準血清を25μlとα-フェトプロテイン(AFP)より免
疫診断試薬を25μlを分取し、マイクロプレート上で混
和し、室温下1時間静置し、その凝集像を観察した。凝
集が確認できた陽性を(+)、確認できないものを
(−)、判定できないものを(±)として表した。結果
を表8に示す。
【0139】
【表8】
【0140】以上の如く本発明の試薬は、検出感度が7.
8ng/mlと鋭敏であり、又抗体の高濃度領域においても
プロゾーン現象は認められない。又凝集像ははっきりと
して判定しやすく、凝集像判定が可能になるのはすべて
の領域で30分以内と非常に速い速度であり優れた診断試
薬である。
【0141】一方、比較試薬の検出感度は15.6ng/mlと
低く、又比較試薬(2)においてはAFP−1000ng/mlで
プロゾーン現象が現れており診断試薬として問題があ
る。又凝集像判定までの時間はほぼ1時間、低濃度領域
では1時間を越えるものもあり、反応速度性は遅い。
【0142】
【発明の効果】本発明により、従来顔料によっては水系
への分散性が悪く、顔料含有重合体粒子を調製すると、
分散安定性に乏しく凝集を起こしやすく、その結果粒径
の制御性の乏しいという問題を解決することが出来る。
また、顔料によっては親油性が乏しく重合時に顔料が凝
集を起こし重合体粒子への含有が困難であり、顔料含有
重合体粒子を生成することができないという問題を解決
することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/545 B G03G 9/09 9/087

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 界面活性剤の存在下に顔料を水相中に分
    散し少なくとも一種の疎水性単量体を含む単量体成分を
    水溶性ラジカル重合開始剤により水系析出重合し得られ
    る顔料複合重合体粒子において、該顔料を表面改質剤で
    表面処理する事を特徴とする顔料複合重合体粒子。
  2. 【請求項2】 上記顔料がキナクリドン誘導体であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の顔料複合重合体粒子。
  3. 【請求項3】 上記表面改質剤で表面処理された顔料が
    水相中で、該顔料の1次粒子径の10倍以下の粒径を有す
    る分散凝集粒子であることを特徴とする請求項1記載の
    顔料複合重合体粒子。
  4. 【請求項4】 上記表面改質剤で表面処理された顔料が
    界面活性剤の存在下に分散された水系内において、少な
    くとも1種以上の疎水性単量体と少なくとも1種以上の
    親水性単量体を含み、該疎水性単量体が99.9乃至85重量
    パーセントで且つ親水性単量体が0.1乃至15重量パーセ
    ントである単量体成分を水系析出重合する事により得ら
    れ、上記界面活性剤濃度が臨界ミセル形成濃度(CM
    C)以下の範囲であることを特徴とする請求項1記載の
    顔料複合重合体粒子。
  5. 【請求項5】 上記親水性単量体が該顔料複合重合体粒
    子の粒子表面にイオン性解離基を導入し得る単量体であ
    ることを特徴とする請求項1記載の顔料複合重合体粒
    子。
  6. 【請求項6】 上記イオン性解離基を含む親水性単量体
    が、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、第1・2
    ・3級アミノ基、第4級アンモニウム塩基を含む単量体
    から選択される少なくとも一種の親水性単量体単位であ
    ることを特徴とする請求項5記載の顔料複合重合体粒
    子。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6記載の顔料複合重合体粒
    子の製造方法であって、表面改質剤で表面処理された顔
    料を、臨界ミセル形成濃度(CMC)以上の濃度で水系
    分散する顔料分散工程、前記顔料分散液を臨界ミセル濃
    度以下まで希釈し希釈分散液を調製する希釈工程、前記
    希釈顔料分散液に単量体と重合開始剤を添加し水系析出
    重合を行う重合工程を含むことを特徴とする顔料複合重
    合体粒子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記重合工程において重合開始剤の濃度
    をa(mol/l)、単量体成分の濃度をb(mol/l)と
    した時、以下の式(1)及び(2)を満足することを特
    徴とする請求項7記載の顔料複合重合体粒子の製造方
    法。 0.001≦a≦0.03 式(1) 0.001≦a/b≦0.10 式(2)
  9. 【請求項9】 請求項1乃至6のいずれか記載の顔料複
    合重合体粒子を複数個会合、融着させて得られることを
    特徴とする電子写真用トナー。
  10. 【請求項10】 前記顔料複合重合体粒子のイオン解離
    性基を含む単量体単位の一部または全部が解離されたこ
    とを特徴とする請求項9記載の電子写真用トナー。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至6のいずれか記載の電子
    写真用トナーの製造方法において、顔料複合重合体粒子
    分散液に該分散液に対し臨界凝集濃度以上の電解質を添
    加する凝集工程、更に水に無限溶解する有機溶媒を添加
    する工程、該分散液を重合体粒子のガラス転移温度の−
    5℃から+50℃の温度で加熱融着する工程からなる電子
    写真用トナーの製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至6のいずれか記載の顔料
    複合重合体粒子を用いることを特徴とする生理活性物質
    固定用担体。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至6のいずれか記載の顔料
    複合重合体粒子を複数個会合、融着させた非球形粒子を
    用いることを特徴とする生理活性物質固定用担体。
  14. 【請求項14】 前記生理活性物質が抗原、抗体、レセ
    プター、デオキシリボ核酸、リボ核酸から選択される少
    なくとも一種であることを特徴とする請求項12、13記載
    の生理活性物質固定用担体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004061016A1 (ja) * 2002-12-27 2004-07-22 Canon Kabushiki Kaisha 分散性色材とその製造方法、それを用いた水性インク、インクタンク、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法及びインクジェット記録画像
WO2016117054A1 (ja) * 2015-01-21 2016-07-28 コニカミノルタ株式会社 蛍光観察に使用する蛍光体集積ナノ粒子
JP2019174492A (ja) * 2019-07-22 2019-10-10 コニカミノルタ株式会社 蛍光観察に使用する蛍光体集積ナノ粒子

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