JPH07258295A - プロスタグランジンd受容体、その製造方法、その受容体をコードするdna、そのdnaからなるベクターおよびそのベクターで形質転換された宿主細胞 - Google Patents
プロスタグランジンd受容体、その製造方法、その受容体をコードするdna、そのdnaからなるベクターおよびそのベクターで形質転換された宿主細胞Info
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Abstract
体、その製造方法、その受容体をコードするDNA、そ
のDNA配列に選択的にハイブリダイズするフラグメン
ト、そのDNAからなる複製または発現ベクターおよび
そのベクターで形質転換された宿主細胞。 【効果】本発明のポリペプチドは、それ自体、PGD2
と特異的に結合するのでPGD2 の過剰産生によって生
ずる疾患の予防あるいは治療剤、例えば、免疫賦活剤、
出血傾向の抑制剤等として用いることができる。また、
PGD2 のアゴニストまたはアンタゴニスト活性を有す
る物質のスクリーニングに用いられる。
Description
ランジンD受容体、その製造方法、その該受容体をコー
ドするDNA、そのDNAからなる複製または発現ベク
ターおよびそのベクターで形質転換された宿主細胞に関
する。
キサン(TX)およびロイコトリエン(LT)ようなプ
ロスタノイドは、アラキドン酸の酸化代謝物のひとつの
ファミリーであり、生体内で局所ホメオスタシスを維持
するために種々の生理作用を発揮している(Annu. Rev.
Biochem. 47, 997 (1978)、The Pharmacological Basi
s of Therapeutics (Gilman, A. G., Good-man, L.
S., Rall, T. W., and Murad, F., eds) 7th Ed., pp 6
60, Macmillan Publishing Co., New York (1985)およ
び Annu. Rev. Pharm. Tox.,10, 213 (1989) 参照のこ
と)。それらの生理作用はそれぞれのプロスタノイドに
特有の細胞膜受容体によって制御されている(Comprehe
nsive Medicinal Chemistry (Hansch, C., Sammes, P.
G., Taylor,J. B. and Emmett, J. C. eds), 3 ,643, P
ergamon, Oxford (1990) 参照のこと)。
ンジンD2 (PGD2 )は、哺乳動物の多くの組織や細
胞中で、種々の生理学的刺激および病理学的刺激によっ
て、アラキドン酸から合成され(Arch. Biochem. Bioph
ys., 260, 521-531 (1988))、それらの機能を調節する
ために種々の生理活性を発揮している(Prostaglandin
s, 35, 277-300 (1988))。例えば、PGD2 は血小板
凝集時に生成され、ネガティブフィードバックモジュレ
ータとして作用している(Prostaglandins, 16,373-388
(1978))。また血管、胃および子宮の平滑筋を弛緩し
(Brit. J. Pharmacol.,85 ,367-375 (1985), Circulat
ion Res., 71, 1305-1313 (1992), Eur. J. Pharmaco
l., 81, 141-143 (1982))、白血球の活性化を抑制し
(Brit. J. Pharmacol., 108, 1051-1054 (1993))、自
律神経または知覚神経の伝達を調節するために末梢神経
に作用する(Am. J. Physiol., 260, G904-G910 (199
1), Brit.J. Pharmacol., 108, 185-190 (1993))。さ
らにPGD2 は免疫反応で重要な役割を果たすために、
肥満細胞やマクロファージ系細胞によって放出される
(J. Immunol., 129, 1627-1631 (1982), J. Immunol.,
143, 2982-2989 (1989))。中枢神経系においては、P
GD2 は、睡眠を生理学的にコントロールしているので
はないかと考えられている(FASEB J., 5 ,2575-2581
(1991) )。
いては大いに注目されているが、PGD2 の受容体を同
定し、解析するための薬理学的、生化学的研究は遅れて
いる。その理由としては、PGD2 は比較的高濃度(1
0nMから1μM)でその作用を発揮すること(Prosta
glandins, 16, 373-388 (1978))、他のプロスタグラン
ジン類(PGs)と同様に、他のプロスタノイドの受容
体とクロスリアクションすること(Prostaglandins, 3
5, 277-300 (1988), Comprehensive MedicinalChemistr
y, 3, 643-714 (1989))、およびその顕著な生理作用に
もかかわらず組織中の受容体の数が少ないことが挙げら
れる。従って、PGD受容体の性質、分布、局在化につ
いては現在まで不明である。
DNAが単離され、それらの一次構造が明らかになっ
た。具体的には、TXA2 (Nature, 349, 617-620 (19
91), Biochem. Biophys. Res. Commun., 184, 1197-120
3 (1992))、PGE受容体のEP1、EP2およびEP
3サブタイプ(J. Biol. Chem., 267 ,6463-6466 (199
2),J. Biol. Chem., 268, 7759-7762 (1993), J. Biol.
Chem., 268 , 20175-20178 (1993))、PGI (J. Biol.
Chem., (1994))、およびPGF(J. Biol. Chem., 26
9 , 1356-1360 (1994))の各受容体である。さらに、ヒ
トTXA2 受容体の遺伝子構造も明らかにされた(J. B
iol. Chem., 268 , 25253-25259 (1993))。これらの研
究によって、プロスタノイドの受容体は、ロドプシンタ
イプG−プロテイン共役受容体スーパーファミリーのサ
ブファミリーを構成していることが判明した(Annu. Re
v. Neurosci., 12, 67-83 (1989))。これらの研究で得
られた情報をもとに、本発明者等は、リバーストランス
クリプション−ポリメラーゼチェインリアクション(Re
verse Transcription-Polymerase Chain Reaction, RT-
PCR )法によってマウスPGD受容体をコードするcD
NAを単離することに成功した。さらに単離されたクロ
ーンのシークエンスを解析し、またCHO細胞で発現さ
せて分析した結果、それがマウスPGD受容体をコード
していることを明らかにして本発明を完成した。
0)に登録されている既知のポリペプチドのアミノ酸配
列を調査したが、本発明のポリペプチドと同一の配列を
有しているものはまったく無かった。さらに、ジーンバ
ンク(GenBank Release 70.0)に登録されているヌクレ
オチド配列も調査したが、本発明のポリペプチドをコー
ドするcDNAと同一の配列は見つからなかった。従っ
て、本発明のポリペプチドはまったく新規なものである
ことが確認された。
動物のPGD受容体に関する。ここでPGDとは、PG
D1 、PGD2 等のPGD類似体が挙げられるが、好ま
しくは、PGD2 である。また、哺乳動物としては、ヒ
ト、マウス、ラット等が挙げられる。本発明の一態様と
しては、マウスのPGD受容体に関する。具体的には、
配列番号1で示されるアミノ酸配列を含むポリペプチ
ド、そのホモローグ、その配列のフラグメント、および
そのホモローグに関する。本発明はさらにそれらのポリ
ペプチドをコードするDNAに関する。より具体的に
は、配列番号2または3で示される塩基配列を有するD
NA、および配列番号2または3で示される塩基配列に
選択的にハイブリダイズするフラグメントを有するDN
Aに関する。
れるアミノ酸配列を含むポリペプチド、(2)前記
(1)に記載したポリペプチドをコードするDNA、
(3)配列番号2で示される塩基配列を有するDNA、
および(4)配列番号3で示される塩基配列を有するD
NAに関する。
ポリペプチドとは、配列番号1で示されるアミノ酸配列
からなるポリペプチドだけでなく、そのポリペプチドの
N末端および/またはC末端に、配列番号1で示される
アミノ酸数の20%、より好ましくは5%以内の別個の
ポリペプチドを付加したポリペプチドを意味する。
れるアミノ酸配列を含むポリペプチドとは、一般に、生
産時のポリペプチドの90%以上、例えば95、98ま
たは99%が配列番号1で示されるアミノ酸配列を含む
ポリペプチドであることを意味する。
ポリペプチドのホモローグとは、一般に少なくとも50
個、好ましくは少なくとも100個、例えば150、2
00または250個の連続したアミノ酸領域で、少なく
とも70%、好ましくは少なくとも80または90%、
より好ましくは95%以上相同性のあるものであり、そ
のようなホモローグは、以後本発明ポリペプチドとして
記載される。
列を含むポリペプチドのフラグメント、またはそれらの
ホモローグのフラグメントとは、少なくとも10アミノ
酸、好ましくは少なくとも15アミノ酸、例えば20、
25、30、40、50または60アミノ酸部分を意味
する。
有するDNAに選択的にハイブリダイズするDNAと
は、一般に、少なくとも50個、好ましくは少なくとも
100個、例えば150、200または250個の連続
した塩基配列領域で、少なくとも70%、好ましくは少
なくとも80または90%、より好ましくは95%以上
の相同性のあるものであり、そのようなDNAは、以後
本発明のDNAとして記載される。
有するDNAのフラグメントとは、少なくとも10塩
基、好ましくは少なくとも15塩基、例えば20、2
5、30または40塩基部分を意味し、そのようなフラ
グメントも本発明のDNAに含まれる。
法あるいは当業者に公知の方法によって取得することが
できる。
なる複製または発現ベクターが含まれる。ベクターとし
ては、例えば、ori領域と、必要により上記DNAの
発現のためのプロモーター、プロモーターの制御因子な
どからなるプラスミド、ウィルスまたはファージベクタ
ーが挙げられる。ベクターはひとつまたはそれ以上の選
択的マーカー遺伝子、例えばアンピシリン耐性遺伝子を
含んでいてもよい。
で示される塩基配列、またはそれらのオープンリーディ
ングフレームを有するDNAを含む本発明のDNAを複
製または発現させるためのベクターで形質転換された宿
主細胞も含まれる。細胞としては、例えば細菌、酵母、
昆虫細胞または哺乳動物細胞が挙げられる。
ドを発現させるための条件下で、本発明の宿主細胞を培
養することからなる本発明のポリペプチドの製造方法も
含まれる。
1で示されたアミノ酸配列を有するもの以外に、その一
部が欠損したもの(例えば、成熟蛋白中、生物活性の発
現に必須な部分だけからなるポリペプチド)、その一部
が他のアミノ酸と置換したもの(例えば、物性の類似し
たアミノ酸に置換したもの)、およびその一部に他のア
ミノ酸が付加または挿入されたものも含まれる。
酸をコードするコドンは1〜6種類(例えば、メチオニ
ン(Met)は1種類、ロイシン(Leu)は6種類)
知られている。従って、ポリペプチドのアミノ酸配列を
変えることなくDNAの塩基配列を変えることができ
る。
それぞれ配列番号1で示されるポリペプチドをコードす
るすべての塩基配列群が含まれる。塩基配列を変えるこ
とによって、ポリペプチドの生産性が向上することがあ
る。
されるDNAの一態様であり、天然型配列を表わす。
されるDNAに天然の非翻訳部分を加えた配列を示す。
NAの作製は、以下の方法に従って行なわれる。すなわ
ち、(i) 本発明のポリペプチドが産生される細胞から
mRNAを分離し、(ii) 該mRNAからファーストス
トランド(1本鎖DNA)、次いでセカンドストランド
(2本鎖DNA)を合成し(cDNAの作製)、(iii)
該cDNAを適当なプラスミドベクターに組み込み、(i
v) 得られた組換えベクターで宿主細胞を形質転換し
(cDNAライブラリーの作製)、(v) 得られたcD
NAライブラリーより、ハイブリダイゼーション法によ
り目的とするDNA含有プラスミドを単離し、(vi) 目
的とするDNAの塩基配列を決定することによって作製
することができる。
動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、ウシ等)の組織
中、PGD受容体を発現していると考えられる組織、好
ましくは、肺、血管、白血球等の組織細胞より、Okayam
a, H. 等の方法(Method inEnzymology, 154 , 3(1987)
に記載)、Chirgwin, J. M. 等の方法(Biochem.,18,
5294 (1979) に記載)等の方法に従って行なわれる。(i
i)、(iii) および(iv)の工程はcDNAライブラリー作
製の工程であり、改変した Gubler & Hoffman法(Gen
e, 25, 263(1983) に記載)に準じて行なわれる。(iii)
の工程で用いられるプラスミドベクターとしては大腸
菌内で機能するもの(例えば、pBR322)や枯草菌
内で機能するもの(例えば、pUB110)が多数知ら
れているが、好適には、大腸菌内で機能するλ−ZAP
IIが用いられる。(iv)の工程で用いられる宿主細胞は既
に多くのものが知られており、いずれを用いてもよい
が、好ましくはDH5のコンピテントセル(Gene, 96,
23(1990)記載の方法により調製される。)である。最近
では、各動物の種々の組織のcDNAライブラリーが既
に市販されている。これらの市販のcDNAライブラリ
ーも好適に用いられる。工程(v) は、それ自体公知であ
り、例えば、プラークハイブリダイゼーション法、コロ
ニーハイブリダイゼーション法(Gene, 10, 63 (1980)
に記載)等によって行われる。また、適当なプローブと
しては、異種動物のPGD受容体のDNAまたはそのフ
ラグメントまたは該DNAとホモロジーを有するDNA
が用いられる。工程(vi)はそれ自体公知であり、例えば
ジデオキシ・ターミネーター(dideoxy terminator)法
やマキサム・ギルバート(Maxam-Gilbert )法により行
なわれる。
が、一旦確定されると、その後は、化学合成によって、
またはPCR(polymerase chain reaction )法によっ
て、あるいは該塩基配列の断片をプローブとしたハイブ
リダイズ法によって、本発明のDNAを得ることができ
る。さらに、本DNAを含有するベクターDNAを適当
な宿主に導入し、これを増殖させることによって、目的
とする本発明DNAを必要量得ることができる。もちろ
ん、本発明のDNAは、以下の実施例に記載した方法に
よっても製造することができる。
得する方法としては、(1)生体または培養細胞から精
製単離する方法、(2)ペプチド合成する方法、または
(3)遺伝子組換え技術を用いて生産する方法、などが
挙げられるが、工業的には(3)に記載した方法が好ま
しい。
生産するための発現系(宿主−ベクター系)としては、
例えば、細菌、酵母、昆虫細胞および哺乳動物細胞の発
現系が挙げられる。
白部分をコードするDNA(例えば、配列番号2で示さ
れる塩基配列をコードするDNA)を、適当なプロモー
ター(例えば、trpプロモーター、lacプロモータ
ー、λPLプロモーター、T7プロモーター等)の下流
に接続し、大腸菌内で機能するベクター(例えば、pB
R322、pUC18、pUC19等)に挿入して発現
ベクターを作製する。次に、この発現ベクターで形質転
換した大腸菌(例えば、E.coli DH1、E.coli JM
109、E.coli HB101株等)を適当な培地で培養
して、その菌体より目的とするポリペプチドを得ること
ができる。また、バクテリアのシグナルペプチド(例え
ば、pelBのシグナルペプチド)を利用すれば、ペリ
プラズム中に目的とするポリペプチドを分泌することも
できる。さらに、他のポリペプチドとのヒュージョンプ
ロテイン(fusion protein)を生産することもできる。
は、例えば、配列番号3で示される塩基配列をコードす
るDNAを適当なベクター(例えば、レトロウイルスベ
クター、パピローマウイルスベクター、ワクシニアウイ
ルスベクター、SV40系ベクター等)中の適当なプロ
モーター(例えば、SV40プロモーター、LTRプロ
モーター、メタロチオネインプロモーター等)の下流に
挿入して発現ベクターを作製する。次に、得られた発現
ベクターで適当な哺乳動物細胞(例えば、サルCOS−
7細胞、チャイニーズハムスターCHO細胞、マウスL
細胞等)を形質転換し、形質転換体を適当な培地で培養
することによって、その培養液中に目的とするポリペプ
チドが分泌される。以上のようにして得られたポリペプ
チドは、一般的な生化学的方法によって単離精製するこ
とができる。
GD、とりわけPGD2 と特異的に結合するのでPGD
2 の過剰産生によって生ずる疾患の予防あるいは治療
剤、例えば、免疫賦活剤、出血傾向の抑制剤等として用
いることができる。また、PGD2 のアゴニストまたは
アンタゴニスト活性を有する物質のスクリーニングに用
いられる。
抗体またはモノクローナル抗体を用いて、生体における
該ポリペプチドの定量が行なえ、これによって該ポリペ
プチドと疾患との関係の研究あるいは疾患の診断等に利
用することができる。ポリクローナル抗体およびモノク
ローナル抗体は該ポリペプチドあるいはその断片を抗原
として用いて常法により作製することができる。
れる本発明のポリペプチドを生産する際の重要かつ必須
の鋳型となるだけでなく、遺伝病の診断や治療に利用で
きる。また、本発明のDNAをプローブとしてジェノミ
ック(genomic )DNAを分離できる。同様にして、本
発明DNAと相同性の高いヒトの関連ポリペプチドの遺
伝子、またヒト以外の生物における本発明ポリペプチド
と相同性の高いポリペプチドの遺伝子を分離することも
可能である。
に説明するが、これらは本発明の範囲を制限するもので
はない。
クローニング (1)RT−PCR法による、種々のプロスタノイド受
容体と相同性を示すマウス胸腺cDNAフラグメントの
増幅 一本鎖cDNAをマウス胸腺由来全RNAから、ランダ
ムヘキサヌクレオチドをプライマーとして用いて合成し
た。PCRのプライマーとしては、種々のプロスタノイ
ド受容体で高度に保存されているアミノ酸配列に相当す
るオリゴヌクレオチドを合成して用いた。すなわち、2
番目の細胞外ループ領域中のGlyThrTrpCys
Phe(Ile/Leu)および7番目の膜貫通領域中
のAspProTrpIle(Tyr/Phe)(Il
e/Leu)に相当する、それぞれ以下に示す合成ヌク
レオチドを用いた。
そして70℃、1分間で35回行なった。増幅されたc
DNAフラグメントは、pBluescript SK II (+) (Strat
agene 社製) ベクターにサブクローニングした。ランダ
ムにピックアップしたクローンについてシークエンシン
グした結果、フラグメントPG25は、他のプロスタノ
イド受容体の5番目と6番目の膜貫通領域と高い相同性
を有するシークエンスを含んでいた。
スジェノミックライブラリーのスクリーニング マウスジェノミックライブラリー、λFIXII(Strata
gene社製)中の2×105 のクローンを、32Pでラベル
したPG25フラグメントをプローブとしてプラークハ
イブリダイゼーションによってスクリーニングした。ハ
イブリダイゼーションは、5×Denhardt's溶液(0.1 %
Ficoll 、0.1 %ポリビニルピロリドン( polyvinylpy
rrolidone )および0.1 %ウシ血清アルブミン)と0.5
%SDS(sodium dodecyl sulfate)を含有する6×S
SC(900mM NaCl,90mMクエン酸ナトリ
ウム)中、58℃で15時間行ない、ハイブリダイゼー
ション後、フィルターは、65℃で30分間、1%SD
S含有 0.2×SSCで2回洗浄した。4個のポジティブ
クローンが単離された。最長クローンのインサートは1
3kbであった。サザンブロットハイブリダイゼーショ
ンにより、ふたつのXbaIフラグメント( 3.3kbp
および6kbp)がプローブにハイブリダイズすること
が見出された。これらのフラグメントはそれぞれサブク
ローニングし、塩基配列を決定した。核酸の塩基配列
は、ジデオキシ塩基配列決定法(dideoxy chain termin
ation method)により行なった。
築 前記(1)および(2)より、PG25は、ふたつのエ
クソンにまたがっていることが判った。そこで、PG2
5の5′上流と3′下流の配列を得るために、マウス肺
由来のcDNAライブラリー(Clontech社製)から、以
下のオリゴヌクレオチドを用いて、PCRを行った。
そして70℃、1分間で35回行なった。増幅されたc
DNAフラグメントを、pBluescript SK II (+) (Strat
agene 社製)ベクターにサブクローニングし、塩基配列
を決定した。得られたクローン(PGc1)は、824
bpからなり、ジェノミッククローンのエクソンに相当
することが判った。PGc1をNarIで消化し、消化
したフラグメントの3’部分をジェノミッククローンの
PstI−NarIフラグメントにライゲーションし、
1.2kbpのフラグメント、PGc9を構築した。ジェ
ノミッククローン、RT−PCR生成物、PG25、P
Gc1およびPGc9の関係を図1に示す(オープンリ
ーディングフレームは斜線で示される。)。このように
して、完全長cDNAに相当するクローンを得た。全長
の塩基配列を配列番号3に、また、オープンリーディン
グフレームの塩基配列を配列番号2に示す。さらに、オ
ープンリーディングフレームより推定されるアミノ酸配
列を配列番号1に示す。
受容体の発現と各種リガンドとのバインディングアッセ
イ マウスジヒドロ葉酸還元酵素(dhfr)遺伝子(Bioc
hem. Biophys. Res. Commun., 164 , 39 (1989) )をセ
レクションマーカーとして含む、真核細胞発現ベクタ
ー、pdKCR−dhfrにPGc9をサブクローン
し、得られたプラスミドDNA、pdKCR−dhfr
−PGc9をJ. Biol. Chem., 267 , 2437 (1992) に記
載の方法に従って、ジヒドロ葉酸還元酵素活性の欠損し
たCHO細胞(CHO−dhfr- )(Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA, 77, 4216 (1980) に記載)に形質転換し
た。ジヒドロ葉酸還元酵素を発現する細胞群は、10%
透析ウシ胎児血清を含有するα−MEM(−)培地(Ce
ll Culture Laboratories 社製)中で培養し、選択し
た。特異的な[ 3H]PGD2結合活性を示すクローン
がいくつか単離された。それらのクローンのうちの一
つ、CHO−Jを以下の実験に供した。
ペニシリンおよびストレプトマイシンを含有するα−M
EM(−)培地で培養した後、ホスフェートバッファー
セーラインで一度洗浄し、培養プレートから回収した
後、800×gで15分間遠心分離して沈降させた。得
られたセルペレットを10倍量のホモジネート用バッフ
ァー(25mM HEPES・NaOH(pH7.4 )、
1mM EDTA、5mM MgCl2 、250mM
d−マンニトール、2mM β−メルカプトエタノー
ル、1mM フェニルメチルスルホニルフルオライド、
1mM ベンズアミジン塩酸塩からなる)中に懸濁さ
せ、超音波処理してホモジネートした。得られたホモジ
ネートを、標識しない各リガンドの存在下または非存在
下、10nM[3H]PGD2 と4℃で60分間インキ
ュベートした。インキュベーション後、氷冷した洗浄用
バッファー(25mM HEPES・NaOH(pH7.
4 )、1mM EDTA、5mM MgCl2 、140
mM NaCl、5mM KClよりなる)を加えて反
応を停止し、素早くワットマン(Whatman )GF/C
グラスファイバーフィルターで濾過した。フィルターを
氷冷した洗浄用バッファーで4回洗浄した後、フィルタ
ー上の放射活性を液体シンチレーションカウンターで測
定した。標識していないPGD2 を200倍以上存在さ
せた時の、フィルターに結合した放射活性をもって非特
異的な結合とした。
するリガンドである[ 3H]PGD2 は、PGc9を発
現したCHO細胞の細胞膜に特異的に結合することが判
った。この結合のスキャッチャード(Scatchard )分析
の結果は、図2に示す。さらに、[ 3H]PGD2の特
異的結合に対する種々のプロスタノイドの阻害活性を図
2に示す。種々のプロスタノイドによる結合阻害は、P
GD2 >>BW245C=BWA868C>STA2 で
あり、Iloprost、PGE2 およびPGF2αには結合し
なかった。
物、PG25、PGc1およびPGc9の関係を示す図
である。オープンリーディングフレームは斜線で示され
る。
ェクトした細胞膜への結合に対する種々のリガンドの阻
害活性を示すグラフである。また、図中の図は、
[ 3H]PGD2 のスキャッチャード(Scatchard )分
析の結果を示す。
Claims (10)
- 【請求項1】 実質的に純粋な形である、哺乳動物のP
GD受容体。 - 【請求項2】 マウス由来のものである請求項1記載の
受容体。 - 【請求項3】 配列番号1で示されるアミノ酸配列を含
むポリペプチド、そのホモローグ、その配列のフラグメ
ント、およびそのホモローグである請求項2記載の受容
体。 - 【請求項4】 配列番号1で示されるアミノ酸配列から
なる請求項3記載のポリペプチド。 - 【請求項5】 請求項1、2、3または4に記載された
ポリペプチドをコードするDNA。 - 【請求項6】 配列番号2で示される塩基配列を有する
請求項5記載のDNA、またはその配列に選択的にハイ
ブリダイズするフラグメント。 - 【請求項7】 配列番号3で示される塩基配列を有する
請求項5記載のDNA、またはその配列に選択的にハイ
ブリダイズするフラグメント。 - 【請求項8】 請求項5から7のいずれかの項に記載の
DNAからなる複製または発現ベクター。 - 【請求項9】 請求項8記載の複製または発現ベクター
で形質転換された宿主細胞。 - 【請求項10】 請求項1から4のいずれかの項に記載
されたポリペプチドを発現させるための条件下で、請求
項9記載の宿主細胞を培養することからなるそのポリペ
プチドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07538294A JP3671403B2 (ja) | 1994-03-22 | 1994-03-22 | プロスタグランジンd受容体、その製造方法、その受容体をコードするdna、そのdnaからなるベクターおよびそのベクターで形質転換された宿主細胞 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP07538294A JP3671403B2 (ja) | 1994-03-22 | 1994-03-22 | プロスタグランジンd受容体、その製造方法、その受容体をコードするdna、そのdnaからなるベクターおよびそのベクターで形質転換された宿主細胞 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008504010A (ja) * | 2003-12-30 | 2008-02-14 | アベンティス・ファーマスーティカルズ・インコーポレイテツド | 新規のプロスタグランジン受容体タンパク質をコードする核酸およびその使用方法 |
JP4700620B2 (ja) * | 2003-12-30 | 2011-06-15 | アベンティス・ファーマスーティカルズ・インコーポレイテツド | 新規のプロスタグランジン受容体タンパク質をコードする核酸およびその使用方法 |
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