JPH07258124A - ハイドロフルオロカーボンの精製方法 - Google Patents

ハイドロフルオロカーボンの精製方法

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JPH07258124A
JPH07258124A JP6053789A JP5378994A JPH07258124A JP H07258124 A JPH07258124 A JP H07258124A JP 6053789 A JP6053789 A JP 6053789A JP 5378994 A JP5378994 A JP 5378994A JP H07258124 A JPH07258124 A JP H07258124A
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JP
Japan
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hydrofluorocarbons
hydrofluorocarbon
alkali metal
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JP6053789A
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English (en)
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Kazuya Oharu
一也 大春
Seisaku Kumai
清作 熊井
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH07258124A publication Critical patent/JPH07258124A/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C17/00Preparation of halogenated hydrocarbons
    • C07C17/38Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • C07C17/395Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by treatment giving rise to a chemical modification of at least one compound

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Abstract

(57)【要約】 【構成】対応するヨードフルオロカーボンを還元して得
られる炭素数2〜12のハイドロフルオロカーボンをア
ルカリ金属水酸化物で処理して精製する。 【効果】容易かつ簡便な方法で、ハイドロフルオロカー
ボンからヨウ素化合物等の不純物を除去できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハイドロフルオロカー
ボンの精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヨードフルオロカーボンを出発物質とし
てハイドロフルオロカーボンを液相反応で合成する方法
としては、亜鉛の存在下に還元する方法(J.Fluorine Ch
em.,6,297,1975)、グリニヤール試薬を用いた反応によ
り合成する方法(J.Fluorine Chem.,3,247,1973) 、水素
とラネーニッケル触媒を用いた液相還元反応により合成
する方法(Ger.Offen.2,060,041,J.Chem.Soc.,3761,195
3)、次亜リン酸ナトリウムとパラジウムまたは白金触媒
を用いた還元反応により合成する方法(J.Fluorine Che
m.,55,101,1991)、アルコール性KOHと反応させる方
法(J.Chem.Soc.,3761,1953) 、メタノール中でアルカリ
金属水酸化物と反応させる方法(EP 449,516A1)が提案
されている。また、特願平6−50816には、本発明
者等による合成方法として、ヨードフルオロカーボンを
還元剤の作用にもとに、気相で反応させる方法が記載さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法により合成
したハイドロフルオロカーボン中の粗液中には、通常の
場合、原料のヨードフルオロカーボン、反応により副生
した無機化合物、ヨウ素化合物、または有機化合物等が
混入しており、それらを除くために、水洗および蒸留に
よる精製が行われている。
【0004】通常の水洗や蒸留操作により、ハイドロフ
ルオカーボン中の有機化合物や無機化合物等の不純物を
除くことはできる。しかし、原料のヨードフルオロカー
ボンは、通常の場合、生成物のハイドロフルオロカーボ
ンと沸点がきわめて近いため蒸留による除去はきわめて
難しい。また原料から生成すると推定される種々の有機
ヨウ素化合物は、ごく少量の残留でも様々な悪影響の原
因となり得る。例えば、原料や有機ヨウ素化合物を少量
含むハイドロフルオロカーボンを、重合溶媒等に用いた
場合には、ポリマー中にヨウ素が連鎖移動し熱処理時に
着色するという問題を生ずる。また、ハイドロフルオロ
カーボンを医薬品の原料として用いようとする場合、有
機ヨウ素化合物の残留は、少量であっても毒性発現の恐
れがある。しかし、従来の操作で、問題となる不純物を
完全に除去することは難しく、蒸留を繰り返すことは経
済性の点でも問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ハイドロフ
ルオロカーボンの効率的な精製方法について鋭意検討を
行い、一般式Hnf H(ただし、式中、nは0または
1であり、nが0のとき、Rf は炭素数2〜12の直鎖
または分岐したポリフルオロアルキル基であり、nが1
のとき、Rf は炭素数2〜12の直鎖または分岐したポ
リフルオロアルキレン基である。)で表されるハイドロ
フルオロカーボンをアルカリ金属水酸化物で処理するこ
とによって、不純物を効率的に除去できることを見いだ
した。
【0006】すなわち、本発明は一般式Hnf H(た
だし、式中、nは0または1であり、nが0のとき、R
f は炭素数2〜12の直鎖または分岐したポリフルオロ
アルキル基であり、nが1のとき、Rf は炭素数2〜1
2の直鎖または分岐したポリフルオロアルキレン基であ
る。)で表されるハイドロフルオロカーボンを、アルカ
リ金属水酸化物で処理することを特徴とするハイドロフ
ルオロカーボンの精製方法を提供する。
【0007】本発明におけるハイドロフルオロカーボン
は、一般式Hnf Hで表される化合物である。ただ
し、式中、nは0または1である。nが0のとき、Rf
は炭素数2〜12の直鎖または分岐したポリフルオロア
ルキル基であり、炭素数3〜8の場合が好ましい。ま
た、nが1のとき、Rf は炭素数2〜12の直鎖または
分岐したポリフルオロアルキレン基であり、炭素数3〜
8の場合が好ましい。
【0008】Rf 基は(フッ素原子の数)/(フッ素原
子の数+水素元素の数)が80〜100%である場合の
ポリフルオロアルキル基またはポリフルオロアルキレン
基が好ましく、特にパーフルオロアルキル基またはパー
フルオロアルキレン基が好ましい。また、Rf 基は直鎖
の構造が好ましく、直鎖のパーフルオロアルキル基とし
ては、CF3 CF2 CF2 CF2 CF2 CF2 −である
場合が好ましく、直鎖のパーフルオロアルキレン基とし
ては、−CF2 CF2 CF2 CF2 −である場合が好ま
しい。
【0009】ハイドロフルオロカーボンの具体例として
は、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタンF(C
22 H、1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノ
ナフルオロブタンF(CF24 H、1,1,1,2,
2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオ
ロヘキサンF(CF26 H、1,1,1,2,2,
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ヘ
プタデカフルオロオクタンF(CF28 H、1,1,
1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンCF3
FHCF3 、1,1,1,2,3,3,4,4−オクタ
フルオロ−2−トリフルオロメチルブタン(CF32
CF(CF22 H、1,1,1,2,3,3,4,
4,5,5,6,6−ドデカフルオロ−2−トリフルオ
ロメチルヘキサン(CF32 CF(CF24 H、
1,1,2,2−テトラフルオロエタンH(CF22
H、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロ
ブタンH(CF24 H、1,1,2,2,3,3,
4,4,5,5,6,6−ドデカフルオロヘキサンH
(CF26 H等が挙げられる。
【0010】上記のハイドロフルオロカーボンの合成方
法は特に限定されないが、本発明の精製方法では、有機
ヨウ素化合物を効率的に除去できる利点があるため、ヨ
ードフルオロカーボンの還元反応により得られるハイド
ロフルオロカーボンを採用した場合には特に好ましく、
該ハイドロフルオロカーボン中の未反応原料や、原料由
来の有機ヨウ素化合物を効率的に除去できる。
【0011】ヨードフルオロカーボンを還元してハイド
ロフルオロカーボンを得ようとする場合、原料ヨードフ
ルオロカーボンは、一般式Inf Iで表すことができ
る。ただし、式中、nおよびRf は、上記と同様の意味
を表す。ヨードフルオロカーボンの還元反応によりハイ
ドロフルオロカーボンを合成する方法としては、特に限
定されず、従来の技術の項において例示した液相反応お
よび気相反応等が挙げられるが、本発明においては、気
相反応で還元するのが好ましい。
【0012】一般式Inf Iで表されるヨードフルオ
ロカーボンの具体例としては、1−ヨード−1,1,
2,2,2−ペンタフルオロエタンICF2 CF3 、1
−ヨード−1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナ
フルオロブタンI(CF24F、1−ヨード−1,
1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ト
リデカフルオロヘキサンI(CF26 F、1−ヨード
−1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,
7,7,8,8,8−ヘプタデカフルオロオクタンI
(CF28 F、2−ヨード−1,1,1,2,3,
3,3−ヘプタフルオロプロパンCF3 CFICF3
4−ヨード−1,1,1,2,3,3,4,4−オクタ
フルオロ−2−トリフルオロメチルブタン(CF32
CF(CF22I、6−ヨード−1,1,1,2,
3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフルオロ−2
−トリフルオロメチルヘキサン(CF32 CF(CF
24 I、1,2−ジヨード−1,1,2,2−テトラ
フルオロエタンI(CF22 I、1,4−ジヨード−
1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタ
ンI(CF24 I、1,6−ジヨード−1,1,2,
2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフルオロ
ヘキサンI(CF26 I、8−ヨード−1,1,1,
2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,
8,8−ヘプタデカフルオロオクタンI(CF28
等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0013】ヨードフルオロカーボンを気相で還元する
場合の還元剤としては、炭素原子に結合した水素原子を
有する有機化合物または水素が好ましい。有機化合物
は、炭化水素または酸素原子を含有する有機化合物が好
ましく、酸素原子を含有する有機化合物としては、ヒド
ロキシ基、カルボキシル基、エーテル基、カルボニル
基、カルボニルオキシ基、およびホルミル基からなる群
より選ばれる少なくとも1種の基を有する有機化合物が
好ましい。さらに、有機化合物としては、アルコール
類、カルボン酸類、カルボン酸誘導体類、アルデヒド
類、グリコール類、エーテル類、および炭化水素類から
なる群より選ばれる少なくとも1種の有機化合物が好ま
しい。
【0014】アルコール類としては、1価の炭化水素基
と水酸基を有する化合物を意味する。1価の炭化水素基
としては、アルキル基またはアリル基が好ましく、特に
アルキル基が好ましい。アルキル基の炭素数は1〜10
が好ましく、特に1〜6が好ましく、さらに1〜3が好
ましい。アルコール類の水酸基は1級水酸基または2級
水酸基が好ましく、特に、1級水酸基が好ましい。アル
コール類としては上記のアルキル基と1級水酸基を有す
る1級アルコール、または上記のアルキル基と2級水酸
基を有する2級アルコールが好ましく、特に、選択率に
優れることから1級アルコールが好ましい。
【0015】1級アルコールとしては、、メタノール、
エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、アリ
ルアルコール等が挙げられ、特に、反応性および生産性
に優れる点からメタノール、またはエタノールが好まし
い。また、2級アルコールとしては、2−プロパノー
ル、2−ブタノール等が好ましい。アルコール類は、1
級アルコールと2級アルコールの両方を用いてもよい。
両方を用いる場合の1級アルコールと2級アルコールの
各々の割合としては、特に限定されず、いずれの割合で
あってもよい。
【0016】カルボン酸類としては、カルボキシル基の
1個以上を有する芳香族化合物または脂肪族化合物を意
味し、カルボキシル基を1個有する場合が好ましい。カ
ルボン酸類としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、マロ
ン酸、コハク酸等が好ましく、副生成物が少ない点か
ら、特にギ酸が好ましい。カルボン酸誘導体類として
は、前記のカルボン酸のカルボキシル基と他の化合物と
の脱水反応により得られる化合物を意味する。例えば、
カルボン酸エステル、カルボン酸アミド等が挙げられ、
カルボン酸エステルが好ましい。
【0017】カルボン酸エステルとしては、前記カルボ
ン酸類のアルキルエステル等が好ましく、特にギ酸メチ
ル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、ギ酸ペンチル、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、
プロピオン酸メチル、マロン酸メチル、マロン酸ジエチ
ル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシ
ル等が好ましく、副生成物が少ない点から酢酸エチルが
好ましい。カルボン酸アミド等としては、ギ酸アミド、
酢酸アミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド等が好ましい。
【0018】アルデヒド類としてはホルミル基を有する
化合物を意味する。アルデヒド類としては、ホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド等が好ましい。エーテル類と
しては、1個の酸素原子に2個の炭化水素基が結合した
構造を1個以上含む化合物を意味する。炭化水素基とし
ては、脂肪族炭化水素基が好ましい。炭化水素基の炭素
数は1〜6程度が好ましく、特に1〜4がよい。エーテ
ル類としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、1,4−ジオキサン等が好ましい。
【0019】グリコール類としては、2個の水酸基が異
なる2個の炭素原子に結合した脂肪族化合物、または該
2個の水酸基の水素が、炭化水素基に置換した化合物を
意味する。グリコール類としては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、エチレングリコールジメチルエ
ーテル(グライム)、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル(ジグライム)、プロピレングリコールジメチル
エーテル等が好ましい。
【0020】ケトン類としては、カルボニル基が2個の
炭素と結合した化合物を意味する。ケトン類としてはア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、アセチルアセトン等が好ましい。炭化水素類として
は、脂肪族炭化水素、および芳香族炭化水素を意味す
る。脂肪族炭化水素としては、炭素数が1〜6程度の飽
和炭化水素が好ましく、特にメタン、エタン、プロパ
ン、ブタン等が好ましい。芳香族炭化水素としては、ベ
ンゼン環を含む化合物が好ましく、特にベンゼン環に置
換基が結合した化合物が好ましく、トルエン、キシレン
等が好ましい。
【0021】上記の還元剤のうち、特に、扱いやすさ、
反応性、および経済性の点から、アルコール類およびカ
ルボン酸類が好ましく、特にアルコール類が好ましい。
また、ヨードフルオロカーボンと上記の還元剤との割合
は、通常の場合には、原料のヨードフルオロカーボン中
のヨウ素原子1当量に対して、還元剤の1〜5当量程度
を使用するのが好ましい。
【0022】さらに、気相反応において、還元剤が水素
である場合には水素化触媒を存在させるのが好ましい。
一方、還元剤が上記の有機化合物である場合には、水素
化触媒を存在下あるいは無触媒下で実施する場合のいず
れであってもよいが、触媒の調整、反応器の構造の複雑
化、廃触媒の後処理等を考慮すると、むしろ無触媒下で
反応を実施するのが好ましい。
【0023】水素化触媒としては、特に限定されず、公
知の水素化触媒が選定され得る。これらのうち、本発明
においては、アルミナ、活性炭、ゼオライト、または8
族元素よりなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を
含む水素化触媒を存在させのが好ましく、特に、8族元
素より選ばれる少なくとも1種の元素を含む触媒を存在
させるのが好ましい。8族元素としては、パラジウム、
ルテニウム、ロジウム、白金、ニッケル、コバルト、イ
リジウム等が挙げられる。これらのうち、本発明におい
ては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金等の白
金族元素を含んでいることが、触媒の耐久性の点で好ま
しく、特にパラジウムを含む場合が好ましい。特に、パ
ラジウムに金や銀を混合あるいは合金化せしめた触媒
は、触媒耐久性だけでなく反応性も高くなるため好適で
ある。
【0024】さらに、本発明の水素化触媒としては、上
記の8族元素より選ばれる少なくとも1種を担体に担持
させた水素化触媒が好ましい。担体としては特に限定さ
れず、触媒の担体として通常用いられる担体が選定され
得る。例えば、アルミナ、活性炭、ゼオライト等のシリ
カ・アルミナ、またはジルコニア等が好ましく、特に入
手しやすさの点から活性炭が好ましい。また、水素化触
媒としては、パラジウムを担持した活性炭、パラジウム
と金との合金を担持した活性炭、白金を担持した活性炭
等が好ましい。8族元素の担持量としては、特に限定さ
れないが、触媒中に0.01〜20重量%担持させるの
が好ましく、特に1〜5重量%担持させるのが好まし
い。
【0025】また、気相反応においては不活性ガスを存
在させてもよい。不活性ガスとしては、窒素あるいは希
ガス類が挙げられる。希ガス類としては、アルゴン、ヘ
リウム、ネオン等が好ましく、特に、窒素あるいはヘリ
ウムが好ましい。不活性ガスを存在させる場合の量は、
特に限定されないが、多すぎる場合には収率が低下する
恐れがあるため、通常の場合、上記のヨードフルオロカ
ーボンと水素または有機化合物の気化物中に50体積%
程度以下を同伴させるのが好ましい。
【0026】上記の方法により得られたハイドロフルロ
オカーボンは、アルカリ水溶液を通過させて、無機の不
純物を除去したものを、本発明の方法で精製するのが好
ましい。アルカリ水溶液としては、アルカリ金属水酸化
物の水溶液が好ましく、特に、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウムの水溶液等が好ましい。また、アルカリ水溶
液を通過させたハイドロフルオロカーボンは、所望によ
りさらに蒸留して、つぎに本発明の方法で精製してもよ
い。
【0027】本発明は、ハイドロフルオロカーボンをア
ルカリ金属水酸化物で処理することが最大の特徴であ
る。本発明の精製方法は、不純物とハイドロフルオロカ
ーボンの沸点が近くて蒸留精製では除去し難い場合や、
有機ヨウ素化合物をほぼ完全に除去したい場合には特に
有効である。
【0028】アルカリ金属水酸化物としては、水酸化カ
リウム、水酸化ナトリウム等が好ましい。アルカリ金属
水酸化物の量としては、ハイドロフルオロカーボン中に
含まれる不純物の量によって適宜変更され得るが、通常
の場合、不純物の約1モル量に対して大過剰量が好まし
く、特に好ましくは約10倍モル以上の量がよい。
【0029】さらに、アルカリ金属水酸化物は溶媒とと
もに存在させるのが好ましい。溶媒としては、特に限定
されず、アルカリ金属水酸化物を溶解し得るものであれ
ば、特に限定されず、水または公知ないしは周知の有機
溶媒が採用され得る。これらのうち、除去しやすさの点
から有機溶媒が好ましく、特に構造中に酸素原子を含有
する有機溶媒が好ましい。
【0030】構造中に酸素原子を含有する有機溶媒とし
ては、アルコール類、エーテル類、ケトン類が好まし
く、これらは、上記の還元剤の場合と同様の化合物が例
示され得る。これらのうち、アルコール類としては、メ
タノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノ
ール、2−プロパノール、2−メチル−1−プロパノー
ル等が好ましく、特に、メタノール、エタノールが好ま
しい。エーテル類としては、ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコー
ルジメチルエーテル等が好ましく、ケトン類としては、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、アセチルアセトン等が好ましい。これらのうち、ア
ルカリ金属水酸化物の溶解性等の点からアルコール類が
好ましい。なお、上記の有機溶媒は、2種類以上の混合
物であってもよい。
【0031】有機溶媒は、上記の有機溶媒の1種あるい
は2種以上を用いる場合のいずれであってもよい。ま
た、有機溶媒の量は、特に限定されないが、アルカリ金
属水酸化物を完全に溶解できる量またはそれよりも多い
量が好適である。
【0032】処理温度は0〜200℃程度が好ましく、
特に溶媒を用いる場合には溶媒の還流温度付近の温度が
好ましい。該温度は、溶媒の有無や種類等によって適宜
変更され得る。また、圧力は減圧、常圧、または加圧の
いずれであってもよいが、通常は、常圧が好ましい。ま
た、処理時間は、0.1〜10時間程度が好ましく、特
に、0.1〜2時間がよい。
【0033】アルカリ金属水酸化物で処理せしめたハイ
ドロフルオロカーボンは、通常の場合、水で洗浄して生
成したアルカリ金属ヨウ化物等を除去し、高純度のもの
とせしめる。また、所望により蒸留精製することによ
り、さらに高純度のものとすることもできる。
【0034】本発明の精製方法により得られるハイドロ
フルオロカーボンは、従来用いられてきた塩素化炭化水
素、塩素化フッ素化炭化水素にくらべてオゾン層を破壊
する恐れがない等の利点を有するだけでなく、同様の用
途、例えば、発泡剤、冷媒、洗浄剤等にも用いることが
できる。特に、得られたハイドロフルオロカーボンに
は、有機ヨウ素化合物がほとんど含まれていないため、
重合反応の溶媒として用いた場合には、重合体を着色さ
せることなく、重合反応を行うことができる。
【0035】この場合の重合体としては特に限定されな
いが、含フッ素の重合体の場合には、溶解性に優れるた
め好ましい。例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テ
トラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエ
ーテルの共重合体、テトラフルオロエチレンとエチレン
の共重合体等のフッ素系の重合体が好ましい。
【0036】さらに、得られたハイドロフルオロカーボ
ンを出発物質としてブロモフルオロカーボン等を合成し
て、人工血液や造影剤として用いる場合においても、ヨ
ウ素化合物に由来すると推定される着色現象は認められ
ない利点がある。
【0037】
【実施例】以下に本発明を実施例を挙げて具体的に説明
するが、これらによって本発明が限定されるものではな
い。
【0038】[参考例]内径2.54cm、長さ100
cmのインコネル600製反応管を、電気炉で加熱し
た。I(CF26 Fとエタノールを、モル比1:2で
混合した液を予熱器で気化し常圧で反応管に導入した。
反応温度は380℃、反応管の滞留時間は30秒であっ
た。反応生成物は20重量%の水酸化カリウム水溶液を
通過させた後、−78℃に冷却したトラップに捕集し
た。回収した反応粗液中の反応生成物をガスクロマトグ
ラフ法で分析した結果、H(CF26 F(沸点71
℃)88.5%、ヨウ化エチル(沸点72℃)5.7
%、酢酸エチル(沸点77℃)3.5%、ジエチルエー
テル1.3%、未反応原料0.1%、その他0.9%が
含まれていた。
【0039】[実施例]撹拌機と還流冷却器と滴下ロー
トと温度計を備えた2リットルの4つ口フラスコに、メ
タノールの256g、2−プロパノールの30g、85
%水酸化カリウムの74.3g(1.13モル)を仕込
んだ。反応器を加熱し内温を60℃とした後、参考例で
得た反応粗液の1500gを1時間で滴下した。滴下終
了後2時間加熱還流を続けた。反応器を室温まで冷却し
た後、水300gを加え析出したヨウ化カリウムを溶か
した。反応粗液を二層分離し、フルオロカーボン層(下
層)をさらに500gの水で洗浄した。フルオロカーボ
ン層をガスクロマトグラフ法で分析したところ、H(C
26 Fの純度は98.3%であり、ヨウ化エチル、
酢酸エチルは検出されず、未反応の出発物質I(CF
26 Fは10ppm以下であった。つぎに、得られた
フルオロカーボン層を理論段数5段の蒸留塔を用いて蒸
留することにより純度が99.995%のH(CF2
6 Fを1240g得た。得られたH(CF26 Fを分
析した結果、未反応の出発物質はまったく検出されなか
った。
【0040】[比較例]参考例の反応粗液を理論段数2
0段の精製蒸留塔を用いて蒸留精製した。蒸留精製後の
反応粗液を分析した結果、ヨウ化エチルが検出された。
【0041】
【発明の効果】本発明の精製方法によれば、ハイドロフ
ルオロカーボンを効率的に精製し、高純度のものにでき
る。精製方法は、容易かつ簡便な方法であり、大量のハ
イドロフルオロカーボンを一度に処理できる方法である
ことから、工業的にも有利な方法である。特に、ハイド
ロフルオロカーボンと沸点が近く蒸留による分離が難し
いヨウ素化合物を含む場合や、ヨウ素化合物をほぼ完全
に除去したい場合に有用な方法である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式Hnf H(ただし、式中、nは0
    または1であり、nが0のとき、Rf は炭素数2〜12
    の直鎖または分岐したポリフルオロアルキル基であり、
    nが1のとき、Rf は炭素数2〜12の直鎖または分岐
    したポリフルオロアルキレン基である。)で表されるハ
    イドロフルオロカーボンを、アルカリ金属水酸化物で処
    理することを特徴とするハイドロフルオロカーボンの精
    製方法。
  2. 【請求項2】アルカリ金属水酸化物とともに有機溶媒を
    存在させる請求項1の精製方法。
  3. 【請求項3】有機溶媒がアルコール類である請求項2の
    精製方法。
  4. 【請求項4】一般式Hnf H(ただし、式中、nは0
    または1であり、nが0のとき、Rf は炭素数2〜12
    の直鎖または分岐したポリフルオロアルキル基であり、
    nが1のとき、Rf は炭素数2〜12の直鎖または分岐
    したポリフルオロアルキレン基である。)で表されるハ
    イドロフルオロカーボンが、一般式Inf I(ただ
    し、式中、nとRf は、上記と同じ意味である。)で表
    されるヨードフルオロカーボンを還元することによって
    得られたハイドロフルオロカーボンである請求項1〜3
    のいずれかの精製方法。
  5. 【請求項5】ヨードフルオロカーボンの還元において水
    素化触媒を存在させる請求項4の精製方法。
  6. 【請求項6】Rf がCF3 CF2 CF2 CF2 CF2
    2 −である請求項1〜5のいずれかの精製方法。
  7. 【請求項7】Rf が−CF2 CF2 CF2 CF2 −であ
    る請求項1〜5のいずれかの精製方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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