JPH07257226A - ヘッドアップディスプレイ - Google Patents

ヘッドアップディスプレイ

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Publication number
JPH07257226A
JPH07257226A JP6051973A JP5197394A JPH07257226A JP H07257226 A JPH07257226 A JP H07257226A JP 6051973 A JP6051973 A JP 6051973A JP 5197394 A JP5197394 A JP 5197394A JP H07257226 A JPH07257226 A JP H07257226A
Authority
JP
Japan
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light
hologram
combiner
color
vehicle
Prior art date
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Pending
Application number
JP6051973A
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English (en)
Inventor
Norihito Nakazawa
伯人 中沢
Yuji Aizawa
祐二 相澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH07257226A publication Critical patent/JPH07257226A/ja
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B27/00Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00
    • G02B27/0018Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00 with means for preventing ghost images

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  • Instrument Panels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】光源6と表示すべき情報を表示する表示体5と
を備えて情報を含む光3を発生する発光表示手段と、車
両の風防ガラス7に設けられ光3を車両内の観察者に向
けて回折するホログラムよりなるコンバイナー2とを備
えたヘッドアップディスプレイにおいて、コンバイナー
2と重ねてハーフミラー10を設ける。 【効果】外部の観察者に対して観察する角度による色変
化が少なくかつ無色に近い外観色調のHUDが得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヘッドアップディスプ
レイ(以下HUDとする)装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車内等の運転者に情報を表示する方
法として、HUDが最近用いられるようになっている。
これは、液晶表示装置等の情報投射手段から投射された
光学的情報を、自動車の風防ガラス等に組み込まれたホ
ログラムやハーフミラー等からなるコンバイナーに映
し、運転者が運転状態からほとんど視点を動かすことな
く情報を読み取れるようにしたものである。
【0003】特に、コンバイナーとしてホログラムを用
いたものは、運転者に向かって光学的情報を回折する機
能とともにレンズ機能等を併せ持つことができるので、
光学的情報を運転者の視野方向に回折したり、あるい
は、他にレンズ等の光学系を使用せず、任意の位置に結
像したりすることが可能であり、また、前景輝度を損な
わずに高輝度の表示像が得られるという特徴があるた
め、HUDのコンバイナーとしては有効である。
【0004】図11は、従来のHUDの一例を示す概念
的断面図である。光源46から発し、レンズ系44を介
して透過型液晶表示素子45を通過した表示すべき情報
を含む光43は、車体の風防ガラス47に備えられたホ
ログラム42に照射され、回折されて運転者に観察位置
41で視認される。
【0005】上記レンズ系44はコリメーターとしての
機能を持つものであり、また、この機能はホログラム4
2に持たせることもでき、速度表示48、警告表示49
の表示像を遠方に結像させることも可能になる。
【0006】また、ホログラム42は波長選択機能を持
つので、希望する色の像が表示可能となる。通常その色
は単一であることが多いが、多重露光による多色表示も
可能であり、表示情報の量と質を向上できる。例えば、
速度表示48を緑色、警告表示49を赤色とすることに
よって、運転者に対してより的確に情報を伝達すること
が可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
ホログラフィックHUDは特定の波長の光を回折するた
め、運転者がホログラムを通して外部を見た場合、その
透過光の色はホログラムの回折波長に対応する色(表示
色)の補色となる。すなわち、図7に示すように表示色
が緑のみである場合は、外部からの無色光22(白色光
とも呼ばれるが、以下総称して白色光のことを無色光と
呼ぶこととし、白色も無色と呼ぶこととする)はホログ
ラム21を透過する際に、ホログラム内部の回折格子に
一部反射回折され、反射光23は緑色となる。したがっ
て、透過光24はその補色であるマゼンダ(ピンクから
赤)となり運転者25に対して刺激的で不快な色と感ぜ
られる。またその結果背景の色調が影響を受けるため、
運転中における道路等の車外状況の視認性が損なわれ安
全上も問題があった。
【0008】一方、図8に示すように、車両外の観察者
35(歩行者や対向車の運転者等)に対しては外光32
の反射色はホログラム31内部の回折格子の回折波長の
角度依存性により、観察する角度によって赤色(正面付
近観察)33から緑色(斜め観察)34と大きく変化
し、やはり不快な印象を与え、コンバイナーひいてはそ
れを搭載する車両そのものの意匠性、商品性を損なうと
いう問題があった。
【0009】図10はこの反射色の色変化を表した色度
図である。色度図はJIS−Z8701で規定された色
度座標x、yによって色を定量的に表現するものであ
る。図10で光源として示す×点は無色を表す。ホログ
ラムの色はこの点に近いほど無色に近く観察者にとって
好ましい色となる。
【0010】ところが、従来のHUDに用いられる単色
のホログラムの反射光の色は、例えば図9の反射スペク
トルで示すような波長545nm、回折効率60%、半
値幅15nmのホログラムの場合は、図10の黒菱型印
のように変化する。すなわち、正面付近では赤色とな
り、斜めになるにしたがい橙色、黄色、緑色と大きく変
化することがわかる。正面から見た場合には刺激色であ
る赤色となり、斜めから見た場合は視感度の高いぎらぎ
らした緑色となり観察者に不快な印象を与える。
【0011】そこで、特開平4−110984号公報に
は、車両外の観察者に対する反射光の色調を改善すべ
く、表示に用いる第1のホログラムによる反射色の色調
を改善するため、第1のホログラムの反射色の補色に近
い色を反射する第2のホログラムを積層または多重露光
するHUDが開示されているが、2色のホログラムで構
成されているため、完全には色調を改善できない場合が
あった。特に表示色として頻繁に用いられる500〜5
60nmの緑色光については、補色に対応する波長の光
が存在しないため実際には反射色の色調を改善すること
は困難であるという欠点を有しており、また反射色の色
調のみの改善手段でしかなかった。
【0012】また、特開平3−179418号公報には
コンバイナーを通しての透過光の色調を改善するため、
表示用のホログラムの反射波長λ1の補色となる波長λ
2の光を反射または減衰させる光学素子を組み合わせる
HUDが開示されているが、上記の公知例と同様に2色
の構成で色補正しているため、緑色光に対しては完全に
は改善できないという同様の欠点を有しており、また透
過光の色調のみの改善手段でしかなかった。
【0013】また、特開平4−291221号公報に
は、緑色光に対してもコンバイナーの透過光の色調が改
善できるように、表示用のホログラムの反射波長λ1の
補色となる波長域の光を合成できる複数の波長域を反射
または減衰させる光学素子を組み合わせるHUDが開示
されているが、透過光の色調に対してのみの改善である
ため、ホログラムと観察者を結ぶ特定の角度でしか効果
がなく、車両外の観察者に対してはホログラムの反射光
の色調は必ずしも改善されていなかった。例えば開示さ
れている実施例では、530nmの光を回折するホログ
ラムの透過光の色調を改善するため、530nmの光の
補色を合成可能な460nm,630nmの光を回折す
るホログラムを用いており、回折効率約90%、半値幅
約10nmである透過特性図を示している。このホログ
ラムコンバイナーの反射色の色変化は図12のようにな
り、斜め観察では比較的無色に近いものの正面観察では
黄緑色に色づいてしまうことがわかる。
【0014】以上のように、ホログラフィックコンバイ
ナーの反射光および透過光の色調を改善するため、複数
のホログラムを用いることは提案されているが、ホログ
ラムは原理的に回折現象を利用しており、再生波長の角
度依存性があるため十分な色調改善効果が得られないと
いう問題点があった。
【0015】一方、コンバイナーとして反射率が可視光
領域でほぼ一定のハーフミラーを用いれば、その透過光
および反射光の色調をほとんど無色にすることができ
る。しかしながら、ハーフミラーを用いる場合には風防
ガラスの表裏面での反射光とハーフミラーによる反射光
が重なる。それらの反射光は風防ガラスの持つ有限な厚
みのためわずかにずれて重なるため、2重像あるいはそ
れ以上の多重像が発生し表示の視認性を著しく劣化させ
てしまうことになる。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決すべくなされたものであり、光源と表示すべき情
報を表示する表示体とを少なくとも備えて表示すべき情
報を光として発生する発光表示手段と、車両の風防ガラ
スに備えられていて前記光を車両内の観察者の観察位置
に向けて回折するホログラムよりなるコンバイナーとを
少なくとも備えたヘッドアップディスプレイにおいて、
前記ホログラムコンバイナーと重ねてハーフミラーを備
えるていることを特徴とするヘッドアップディスプレイ
を提供するものである。
【0017】図1は、本発明のHUDの一例を示す概念
的断面図である。風防ガラス7の下方には発光表示手段
が備えられており、この発光表示手段は熱陰極管を用い
た光源6から発した光がコリメーターであるレンズ系4
を介し、透過型カラー液晶表示素子からなる表示体5を
通過した表示すべき情報を光3として発するものであ
る。この光3は、車体の風防ガラス7に備えられたホロ
グラムからなるコンバイナー2に照射されて、回折さ
れ、運転者に観察位置1で視認される。また、ホログラ
ムコンバイナー2と重なる領域にハーフミラー10が備
えられている。
【0018】上記レンズ系4はコリメーターとしての機
能を持つものであり、また、この機能はホログラムに持
たせることもでき、速度表示8、警告表示9の表示像を
遠方に結像させることも可能となる。
【0019】また、必要に応じて表示体5とコンバイナ
ー2との間に収差補正用の別のホログラムやレンズ等を
配してもよい。
【0020】また、ホログラムは波長選択機能を持つの
で、希望する色の像が表示可能であり、さらに、多重露
光や複数枚のホログラムの積層を行えば多色表示が可能
となり、表示情報の量と質の向上ができる。例えば、速
度表示8を緑色、警告表示9を赤色、または緑色と赤色
とを混合しアンバー色(橙色)等とすることによって、
運転者に対してより的確に情報を伝達することが可能と
なる。
【0021】図2(a)および(b)は図1にかかるH
UDの具体的な構造の例を示す概略拡大断面図である。
風防ガラスは合わせガラス構造であり、車内側ガラス1
1と車外側ガラス12の間にポリビニルブチラール(P
VB)よりなる中間膜13が封入されている。車内側ガ
ラス11の内側にはハーフミラー15がコーティングさ
れており、その上にホログラムコンバイナー14が備え
られている。ハーフミラー15はホログラムと同じ大き
さであっても良いが、取り付けによる誤差に備えいかな
る角度からみてもホログラムコンバイナーとハーフミラ
ーが重なって見えるようにするため、ハーフミラーをわ
ずかに大きくすることが望ましい。また、ハーフミラー
の施す位置は図2(b)に示すように車内側ガラスの車
内側であってもよく、ハーフミラー15’とコンバイナ
ー14が直接重ならず空間的に離れていても両者の反射
光が重なり合えば同様の効果が得られる。図には示さな
いがハーフミラーが車外側ガラスの表面または裏面に施
されていてもその効果はもちろん同じである。
【0022】本発明のホログラムコンバイナーはコンバ
イナーを通して車両外から車両内に透過する外光の色
調、および車両外で観察されるコンバイナーによる外光
の反射光の色調を、いかなる角度から観察しても無色に
近づけるように選択した複数の色に対応する複数の波長
の光によって露光されたホログラムであることが好まし
い。こうすることにより、運転者に対しては補色の無い
透明な視界を与え安全性を高めることができる。
【0023】また本発明のHUDのコンバイナーとして
用いられるホログラムとしては図2(a)、(b)に示
したような、1枚のホログラム材料に、3原色に対応す
る3波長の光によって多重露光した単層の多重露光型ホ
ログラムでもよいが、単一の波長で露光したホログラム
を積層して用いてもよい。一般的には多重露光によるホ
ログラムを用いた方が、コストの点や積層による各波長
の像のズレ、また全体の厚さが増加することによる透過
率の低下などを防ぐ点で好ましい。
【0024】ここで、各ホログラムはその内部に作製さ
れる回折格子の傾きがすべて同一となるように露光され
たものであり、したがってこのようなホログラムからな
るコンバイナーに入射する光の入射角をすべての色の光
について同一とすることによって、ホログラムによって
回折される回折角もすべての色の光について同一となっ
ているのが好ましい。これらの角度が異なると、それぞ
れの色の光によって回折される方向が異なってしまうた
め、本来無色となるべきものが3色に分かれてしまい、
かえって観察者には不快な色と視認されてしまう。
【0025】かかる複数の色に対応する波長は、赤につ
いては580nm以上650nm以下、緑については5
00nm以上570nm以下、青については420nm
以上490nm以下とするのが好ましい。
【0026】このように各ホログラム内部の回折格子の
傾きがすべて同一となる反射型のホログラムを作製する
ためには、ホログラム感光材料の両側の面に照射される
レーザー光のホログラム感光材料に対する入射角を、感
光材料のそれぞれの面側において、すべての光について
同一であるようにすればよい。また、露光時のレーザー
光の入射角を同一としない場合でも、1つの波長のレー
ザー光がホログラム感光材料の両側へ入射する2つの角
度の関係を調整すれば、内部に形成される回折格子の傾
きを同一とすることができる。
【0027】また、ハーフミラーは、反射率が可視光線
の波長領域でほぼ一定であり、その平均反射率は高けれ
ば高いほど反射光の色調改善の効果が大きいが、逆に透
過率が減少し前方視界が遮られてしまうので、可視光線
透過率が法規で定める70%以上になるよう、反射率は
5%以上25%以下であることが好ましい。
【0028】また、ハーフミラーはの材質としては、屈
折率や耐久性等の点から金属酸化物の薄膜を好適に使用
でき、チタン、タンタル、シリコン等のアルコキシドな
どの有機金属材料を印刷し焼成するのが好ましい。ハー
フミラーの材質は金属酸化物だけでなく金属の薄膜など
でもよいし、また作製法については上記の湿式法に限ら
ず、蒸着法やスパッタ法、CVD法等を用いてもよい。
【0029】なお、ホログラムとしては、通常数10m
mから数100mm角程度の面積で、数μmから数10
μm程度の厚みであり、光回折機能を持つ。このような
ホログラムは、リップマンタイプ等の体積・位相型のホ
ログラムが高い回折効率を得られるという点で望ましい
が、エンボスタイプ、レインボータイプ等のホログラム
と呼ばれるものを広く用いることができる。また、ホロ
グラム材料としては、ポリビニルカルバゾールやアクリ
ル系などのフォトポリマー、重クロム酸ゼラチン、光レ
ジスト、銀塩など種々の感光材料を用いることができ
る。
【0030】かかるホログラムは風防ガラスに備えられ
るものであり、例えば風防ガラスの表面(車両外表面)
や車両内側表面に備えられてもよいが、特にホログラム
の保護の点に鑑みて、合わせガラスである風防ガラスの
内部に封入して用いることが好ましい。
【0031】本発明における発光表示手段は光を発して
表示する機能を持つものであり、液晶表示素子等のいわ
ゆる受光型表示素子からなる表示体に熱陰極管(HC
T)、冷陰極管、蛍光表示管(VF)、ハロゲンラン
プ、LEDなどからなる光源から発した光を照射するも
のであり、また、これらの機能を併せ持つものであって
もよい。
【0032】本発明におけるコンバイナーをカラー表示
に用いる場合、この液晶表示素子としては、カラーフィ
ルターと透過型のツイストネマチック型液晶素子や、ス
ーパーツイストネマチック型液晶表示素子等からなるカ
ラー液晶表示素子等が好ましく使用でき、一つの光源か
ら発せられた光を所望の色の光として照射することがで
きる。
【0033】このようにして複数の色の光は、同一の発
光表示手段から発することができ、これら複数の色の光
が同時に表示される場合には表示像が重なって表示さ
れ、逆にこの表示像の重なりを防ぐためには、必要に応
じてカラーフィルターと光源の組み合わせによって、あ
るいはカラー液晶表示素子を制御することによって、複
数の色の光が同時に照射されないようにしてもよい。
【0034】また、それとは別に、受光型表示素子を用
いず、上記の光源自体をパターン化して配列し特定の情
報を光として発生するものであってもよい。受光型表示
素子に上記光源を併用したものの場合は、この受光型表
示素子と光源との間にレンズ系や曲面反射鏡等の適当な
光平行化手段、導光板等の適当な導光手段を配置しても
よい。さらに、ホログラムに光が投射されるまでの光径
路内に、必要に応じて、光偏光手段、あるいは、KNO
3 等の非線形光学素子を配置してもよい。
【0035】また本発明のHUDをカラー表示とする場
合、コンバイナーから表示像までの距離は各色で同一と
すれば同一平面内にカラー表示ができ、また、色によっ
て変えた場合には表示色によって表示像の観察される距
離の異なる立体的な像を得ることができる。
【0036】
【実施例】
[実施例1]本実施例のホログラムは3波長の多重露光
型であり、1枚のホログラム材料に、3原色に対応する
3波長の光によって多重露光した単層のホログラムであ
る。各々の回折波長は光源として用いる熱陰極管の発光
波長に合わせてあり、波長612nm(赤色)、波長5
45nm(緑色)および波長433nm(青色)の光を
反射回折するように露光されたものである。半値幅は各
10nmである。回折効率についてはホログラム単独で
もできるだけその反射光および透過光の色調を無色に近
づけるように最適化した。その結果、(赤色:緑色:青
色)=(40%、60%、40%)程度が好ましいこと
が分かった。また、ハーフミラーの平均反射率は10%
とした。
【0037】ここで、ホログラムはその内部に作製され
る回折格子の傾きがすべて同一となるように露光された
ものであり、したがってこのようなホログラムからなる
コンバイナーに入射する光の入射角をすべての色の光に
ついて同一とすることによって、ホログラムによって回
折される回折角もすべての色の光について同一となって
いるものである。
【0038】図3はこのようにして作製した3色露光ホ
ログラムおよびハーフミラーの反射スペクトルである。
図4はそれらを角度を変えて観察した場合の外光反射色
の色変化を示す色度図である。図10の単色ホログラム
の場合、あるいは図12の3色ホログラムの場合と比較
して格段に色変化が少なく、いずれの観察角度でも色度
図の周辺部から離れ光源に近づき、その色調は無色に近
づいている。
【0039】また、この場合の透過色は近似的に反射色
と補色関係にあると考えられるので、ホログラムや風防
ガラスに色付きがない場合は、図3の光源×印に対する
点対称の位置に近い色調となる。すなわち、反射色の色
調が無色に近づけば透過色の色調も無色に近いものとな
る。以上のように、本発明によるホログラムは従来のホ
ログラムに比べ、反射色、透過色ともに色調を改善する
ことができた。
【0040】また、本実施例のホログラムを車両の風防
合わせガラスの内部に封入しコンバイナーとすることに
よって、外光反射色および透過色の色調の改善されたH
UDを実現することができた。また、本実施例では3色
表示のホログラムについて説明したが、4色以上の表示
のできるホログラムでも同様の効果を得ることができ
る。また、本発明におけるホログラムは、上記のような
反射型ホログラムに限らず、透過型ホログラムを用いた
HUDでもよい。
【0041】[実施例2]第2の実施例として、従来の
HUDでは反射色の色調が刺激的で図10のように大き
く変化する、単色のホログラムを用いる場合を示す。そ
の回折波長は波長545nm、回折効率は60%、半値
幅は15nmである。また、ハーフミラーの平均反射率
は20%とした。
【0042】図5は本実施例のホログラムおよびハーフ
ミラーの反射スペクトルである。図6はその外光反射色
の変化を示す色度図である。本実施例の外光反射色の変
化は、図10の従来のホログラムコンバイナーの反射色
変化と比べ格段に無色に近づいていることが分かる。
【0043】本実施例の場合、単色のホログラムを用い
ているためコンバイナーの透過光の色調は表示色の補色
となってしまい、実施例1ほどには改善されない。しか
し、ハーフミラーにより透過する外光強度が弱められて
いるので、その色付きは若干改善される。
【0044】また、本実施例のホログラムを車両の風防
合わせガラスの内部に封入しコンバイナーとすることに
よって、先の実施例同様外光反射色および透過色の色調
の改善されたHUDを実現することができた。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、コンバイナーとして用
いているホログラムに重ねてハーフミラーを備えている
ため、ホログラムコンバイナーの反射光はハーフミラー
によって反射された無色光と重なるため淡色化され、車
両外における外光の反射回折光の色調が従来のコンバイ
ナーに比べ格段に淡色化され無色に近づき、外部の観察
者に対しては観察する角度による色変化が少なくかつ無
色に近い外観色調のHUDが得られる。
【0046】また、車両外からコンバイナーを透過する
光の色調を無色に近づけるように、複数の波長で露光し
たホログラムを用いれば、運転者に対しては補色の無い
透明な視界を与え安全性を高めることができる。
【0047】さらに、本発明ではコンバイナーとしてハ
ーフミラーではなくホログラムを用いているため、2重
像の無いクリアーな表示像を提供することができる。
【0048】また複数の波長で露光したコンバイナーは
カラー表示のコンバイナーとしても利用することが可能
であるので、透過色および反射色が無色に近く2重像の
無いカラーHUDを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のHUDの一例を示す概念的断面図
【図2】本発明おけるHUDの具体的な構造の例を示す
概略拡大断面図
【図3】実施例1におけるホログラムとハーフミラーの
反射スペクトル図
【図4】実施例1におけるホログラムとハーフミラーの
外光反射色の色変化を示す色度図
【図5】実施例2におけるホログラムとハーフミラーの
反射スペクトル図
【図6】実施例2におけるホログラムとハーフミラーの
外光反射色の色変化を示す色度図
【図7】従来のホログラムの透過色を説明する概念図
【図8】従来のホログラムの反射色を説明する概念図
【図9】従来のホログラムの反射スペクトル図
【図10】従来のホログラムの外光反射色変化を示す色
度図
【図11】従来のHUDの一例を示す概念的断面図
【図12】従来の3色ホログラムの外光反射色変化を示
す色度図
【符号の説明】
1:運転者の観察位置 2:ホログラムコンバイナー 3:情報を含む光 4:レンズ系 5:表示体 6:光源 7:風防ガラス 8:速度表示 9:警告表示 10:ハーフミラー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源と表示すべき情報を表示する表示体と
    を少なくとも備えて表示すべき情報を光として発生する
    発光表示手段と、車両の風防ガラスに備えられていて前
    記光を車両内の観察者の観察位置に向けて回折するホロ
    グラムよりなるコンバイナーとを少なくとも備えたヘッ
    ドアップディスプレイにおいて、前記ホログラムコンバ
    イナーと重ねてハーフミラーを備えていることを特徴と
    するヘッドアップディスプレイ。
  2. 【請求項2】前記ハーフミラーの反射率は可視光線の波
    長領域でほぼ一定であり、その平均反射率が5%以上2
    5%以下であることを特徴とする請求項1のヘッドアッ
    プディスプレイ。
  3. 【請求項3】前記ホログラムコンバイナーはコンバイナ
    ーを通して車両外から車両内に透過する外光の色調、お
    よび車両外で観察されるコンバイナーによる外光の反射
    光の色調を、いかなる角度から観察しても無色に近づけ
    るように選択した複数の色に対応する複数の波長の光に
    よって露光されたホログラムであることを特徴とする請
    求項1または2のヘッドアップディスプレイ。
  4. 【請求項4】前記ホログラムコンバイナーは、複数の波
    長の光によって多重露光された1層のホログラムである
    か、または単一の波長または複数の波長の光によって露
    光された複数のホログラムを積層したものであることを
    特徴とする請求項3のヘッドアップディスプレイ。
  5. 【請求項5】前記コンバイナーへ入射する複数の色の光
    の入射角がすべて略同一であり、かつコンバイナーから
    回折される複数の色の光の回折角がすべて略同一である
    ことを特徴とする請求項3または4のヘッドアップディ
    スプレイ。
  6. 【請求項6】前記複数の色に対応する波長が、赤につい
    ては580nm以上650nm以下、緑については50
    0nm以上570nm以下、青については420nm以
    上490nm以下であることを特徴とする請求項3から
    5いずれか1項のヘッドアップディスプレイ。
JP6051973A 1994-03-23 1994-03-23 ヘッドアップディスプレイ Pending JPH07257226A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018158914A1 (ja) * 2017-03-02 2018-09-07 マクセルホールディングス株式会社 合わせガラス及びそれに用いる合わせガラス用光学フィルム
CN113966275A (zh) * 2020-05-18 2022-01-21 法国圣戈班玻璃厂 用于全息平视显示器的复合玻璃板

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