JPH07257227A - ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents

ヘッドアップディスプレイ装置

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JPH07257227A
JPH07257227A JP6051976A JP5197694A JPH07257227A JP H07257227 A JPH07257227 A JP H07257227A JP 6051976 A JP6051976 A JP 6051976A JP 5197694 A JP5197694 A JP 5197694A JP H07257227 A JPH07257227 A JP H07257227A
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JP
Japan
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light
hologram
display
windshield
combiner
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Application number
JP6051976A
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English (en)
Inventor
Tomomi Takase
知美 高瀬
Norihito Nakazawa
伯人 中沢
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】光源6と表示体5とを備えて表示すべき情報を
含む光3を発する発光表示手段と、車両の風防ガラス7
に備えられ光3を運転者の観察位置1に向けて回折する
コンバイナー12とを備えたヘッドアップディスプレイ
装置において、コンバイナー12として紫外線安定剤を
含むホログラムを用いる、または、コンバイナーより車
外側に紫外線吸収体を設ける。 【効果】コンバイナーの太陽光による黄変および可視光
線透過率の低下を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヘッドアップディスプ
レイ装置(以下HUDとする)装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車内等の運転者に情報を表示する方
法として、HUDが最近用いられるようになっている。
これは、液晶表示装置等の情報投射手段から投射された
光学的情報を、自動車の風防ガラス等に組み込まれたホ
ログラムやハーフミラー等からなるコンバイナーに映
し、運転者が運転状態からほとんど視点を動かすことな
く情報を読み取れるようにしたものである。
【0003】特に、コンバイナーとしてホログラムを用
いたものは、運転者に向かって光学的情報を回折する機
能とともにレンズ機能等を併せ持つことができるので、
光学的情報を運転者の視野方向に回折したり、あるい
は、他にレンズ等の光学系を使用せず、任意の位置に結
像したりすることが可能であり、また、回折スペクトル
の半値幅が狭いため、前景輝度を損なわずに高輝度の表
示像が得られるという特徴を持ち、HUDのコンバイナ
ーとしては有効である。
【0004】図8は、従来のHUDの一例を示す概念的
断面図である。光源6から発し、レンズ系4を介して透
過型液晶表示素子5を通過した表示すべき情報を含む光
3は、車体の風防ガラス7に備えられたホログラム2に
照射され、回折されて運転者に観察位置1で視認され
る。
【0005】上記レンズ系4はコリメーターとしての機
能を持つものであり、また、この機能はホログラム2に
持たせることもでき、また、ホログラム2に倍率を持た
せれば、速度表示8、警告表示9の表示像を遠方に結像
させることも可能になる。
【0006】また、ホログラム2は波長選択機能を持つ
ので、希望する色の像が表示可能となる。通常その色は
単一であることも多いが、多重露光したホログラムによ
る多色表示も可能であり、表示情報の量と質を向上でき
る。例えば、速度表示8を緑色、警告表示9を赤色とす
ることによって、運転者に対してより的確に情報を伝達
することが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般にホログラムの材
料は紫外光域に吸収帯を持つものが多い。その吸収帯
は、わずかながら可視光域(特に青色領域)まで伸びて
いるため、ホログラムは若干黄色味を帯びてみえる。材
料の黄色味を定量化する方法に黄色度YIがある。YI
は、日本工業規格(以下JISとする)のK7103で
規定するもので、材料の透過スペクトルから計算され
る。YIが大きい程黄色味の程度が強いことを表わす。
このようなホログラムを太陽光(特に、360nm付近
より短波長の紫外光)に曝露した場合、更にYIが増加
することが実験より分かった。このように、YIの高い
ホログラムを風防ガラスに備えると見映えが非常に悪く
なるという問題があった。
【0008】また、自動車用風防ガラスの可視光線透過
率(以下Tvとする)は、JISのR3211により7
0%以上と規定されているが、ホログラフィックコンバ
イナーを風防ガラスに備えた場合、ホログラム材料によ
る光吸収のためTvが減少してしまうという問題があっ
た。特に、複数の波長で露光したホログラムを用いた場
合、かろうじてこの規格をクリアーできるレベルであっ
た。このホログラムを備えた風防ガラスを車両に搭載し
太陽光に曝露すると、上記のようにYIの増加が起こ
り、それに伴ってTvの低下が起こるためJIS規格を
満足できなくなる可能性がある。特に、車両に搭載され
たホログラムは長期間太陽光に曝露されるため、長期的
な信頼性の点で実用上の問題となっていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決すべくなされたものであり、光源と表示すべき情
報を表示する表示体とを少なくとも備えて表示すべき情
報を光として発生する発光表示手段と、車両の風防ガラ
スに備えられていて前記光を車両内の観察者の観察位置
に向けて回折するホログラムよりなるコンバイナーとを
少なくとも備えたヘッドアップディスプレイ装置におい
て、前記コンバイナーは紫外線安定剤を含むことを特徴
とするヘッドアップディスプレイ装置(以下、『第一の
発明』という)、を提供するものである。
【0010】また、本発明は、光源と表示すべき情報を
表示する表示体とを少なくとも備えて表示すべき情報を
光として発生する発光表示手段と、車両の風防ガラスに
備えられていて前記光を車両内の観察者の観察位置に向
けて回折するホログラムよりなるコンバイナーとを少な
くとも備えたヘッドアップディスプレイ装置において、
前記コンバイナーより車外側に紫外域の光を吸収する紫
外線吸収体を備えていることを特徴とするヘッドアップ
ディスプレイ装置(以下、『第二の発明』という)、を
提供するものである。
【0011】図1は、第一の発明にかかるHUDの一例
を示す概念的断面図である。風防ガラス7の下方には発
光表示手段が備えられており、この発光表示手段は熱陰
極管を用いた光源6から発した光がコリメーターである
レンズ系4を介し、透過型カラ−液晶表示素子からなる
表示体5を通過した表示すべき情報を光3として発する
ものである。この光3は、車体の風防ガラス7に備えら
れたホログラムからなるコンバイナー12に照射され
て、回折され、運転者に観察位置1で視認される。上記
のホログラムには紫外線安定剤が含有されている。
【0012】上記レンズ系4はコリメーターとしての機
能を持つものであり、また、この機能はホログラム12
に持たせることもでき、また、ホログラム12に倍率を
持たせれば、速度表示8、警告表示9の表示像を遠方に
結像させることも可能となる。必要に応じて表示体5と
コンバイナー12との間に収差補正用の別のホログラム
やレンズ等を配してもよい。
【0013】ホログラムは波長選択機能を持つので、希
望する色の像が表示可能であり、さらに、多重露光や複
数枚のホログラムの積層によって多色表示が可能とな
り、表示情報の量と質の向上ができる。たとえば、熱陰
極管の発光ピ−ク波長に対応する545nmと612n
mの光を回折する多重露光のホログラムを用い、速度表
示8を緑色、警告表示9を緑色と赤色とを混合しアンバ
ーコリメーター等として表示することができ、その結
果、運転者に対してより的確に情報を伝達することが可
能となる。
【0014】図2は図1にかかるHUDの風防ガラスの
拡大断面図である。風防ガラスは車内側ガラス板20、
ポリビニルブチラール等からなる中間膜21、車外側ガ
ラス板22よりなり、安全合わせガラスを構成してい
る。コンバイナー12には紫外線安定剤が含まれてお
り、このコンバイナー12は中間膜21と車内側ガラス
20との間に封入されている。中間膜21とコンバイナ
ー12の界面23は、中間膜中に含まれる可塑剤により
ホログラムの特性が影響を受けないような保護層となっ
ている。かかる保護層としては、ポリビニルアルコール
フィルム等を用いることができる。
【0015】一般に、光(特に紫外線)による材料の劣
化の主な原因は、光酸化反応によるものであるといわれ
ている。光酸化反応とは、開始−伝搬−連鎖分岐という
一連の反応からなるものである。連鎖分岐が起こると分
子内にラジカルが発生し、これが酸素と結合し、ペルオ
キシラジカルを経てヒドロペルオキシドを生成する。こ
のヒドロペルオキシドは、ラジカルの解離を起こした
り、ペルオキシラジカルとオキシラジカルを再生したり
する連鎖反応を繰り返し酸化を進め、材料の劣化が進行
する。
【0016】紫外線安定剤は紫外線吸収剤、消光剤、酸
化防止剤の総称であり、ホログラム中に含有させると、
紫外域の光を吸収、光励起発色団を消光、或いは、連鎖
分岐により生じた遊離ラジカルを補足するなどの複数の
作用機構を持つ。放射による影響を抑える紫外線吸収剤
やエネルギー移動により光励起された発色団を不活性化
する消光剤は主に開始反応を、また、酸化防止剤は連鎖
分岐後の酸化反応を、それぞれ遅延、或いは阻止する。
また、紫外線安定剤は単独で用いるだけではなく組み合
わせて用いることで、更に相乗効果が期待できる。従っ
て、図2に示したような構造のHUDを太陽光に曝露し
た場合、紫外線安定剤による化学作用の遅延や阻止によ
り効果的に材料の劣化を防止することができ、YIの増
加を防ぐことができる。
【0017】紫外線吸収剤としては、サリチル酸誘導体
としてサリチル酸フェニル、サリチル酸p−t−ブチル
フェニルなど、2−ベンゾフェノン誘導体として2,4
−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
オクトキシベンゾフェノン、2,2' −ジヒドロキシ−
4,4' −ジメトキシベンゾフェノンなど、2−(2’
−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール誘導体とし
て2−(2' −ヒドロキシ−5' −メチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール、2−(2' −ヒドロキシ−3' ,
5' −ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2' −ヒドロキシ−3' −t−ブチル−5' −メ
チルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなど、
シアノアクリレート誘導体として2−エチルヘキシル−
2−シアノ−3,3' −ジフェニルアクリレート、エチ
ル−2−シアノ−3,3' −ジフェニルアクリレートな
ど、更に、安息香酸誘導体、ケイ酸誘導体、クマリン誘
導体などが挙げられる。
【0018】また、消光剤としてはヒンダードアミン系
やニッケルビス(オクチルフェニル)スルフィド、2,
2' −チオビス(4−t−オクチルフェノラート)−n
−ブチルアミンニッケル、ニッケル錯体−3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル・リン酸モノエチ
レート、ニッケルジブチルジチオカルバメートなどのニ
ッケル錯体などが挙げられる。
【0019】また、酸化防止剤として用いられるものと
しては、ラジカルに水素を与えて安定化させるラジカル
受容体型(ラジカル連鎖禁止型)のアミン系誘導体やア
ルキルフェノール類、ヒドロキノン誘導体、光酸化反応
により生成するヒドロペルオキシドを安定なヒドロオキ
シドに変える過酸化物安定化型の硫黄系、リン系化合物
などが挙げられる。
【0020】図3は、第二の発明にかかるHUDの一例
を示す概念的断面図である。風防ガラス7の下方には発
光表示手段が備えられており、この発光表示手段は熱陰
極管を用いた光源6から発した光がコリメーターである
レンズ系4を介し、透過型カラ−液晶表示素子からなる
表示体5を通過した表示すべき情報を光3として発する
ものである。この光3は、車体の風防ガラス7に備えら
れたホログラムからなるコンバイナー2に照射されて、
回折され、運転者に観察位置1で視認される。コンバイ
ナー2の車外側には紫外線吸収体10が備えられてい
る。
【0021】前述の第一の発明の場合と同様に、上記レ
ンズ系4はコリメーターとしての機能を持つものであ
り、また、この機能はホログラムに持たせることもで
き、また、ホログラムに倍率を持たせれば、速度表示
8、警告表示9の表示像を遠方に結像させることも可能
となる。また、必要に応じて表示体5とコンバイナー2
との間に収差補正用の別のホログラムやレンズ等を配し
てもよい。
【0022】また、ホログラムは波長選択機能を持つの
で、希望する色の像が表示可能であり、さらに、多重露
光や複数枚のホログラムの積層によって多色表示が可能
となり、表示情報の量と質の向上ができる。たとえば、
熱陰極管の発光ピーク波長に対応する545nmと61
2nmの光を回折する多重露光のホログラムを用い、速
度表示8を緑色、警告表示9を緑色と赤色とを混合しア
ンバー色(橙色)等として表示することができ、その結
果、運転者に対してより的確に情報を伝達することが可
能である。
【0023】図4は図3にかかるHUDの風防ガラスの
拡大断面図である。風防ガラスは車内側ガラス板20、
ポリビニルブチラール等よりなる中間膜21、車外側ガ
ラス板22よりなり、安全合わせガラスを構成してい
る。ホログラムからなるコンバイナー2の車外側には紫
外線吸収体10が備えられ、車内側ガラス20と中間膜
21の間に封入されている。中間膜21とコンバイナー
2の界面23は中間膜中に含まれる可塑剤によりホログ
ラムの特性が影響を受けないような保護層となってい
る。かかる保護層としては、ポリビニルアルコールフィ
ルム等を用いることができる。
【0024】このような構造のHUDを太陽光に曝露し
た場合、コンバイナーには紫外線吸収体により紫外域の
光がカットされた可視域の光のみが照射されるので、Y
Iの増加を防ぐことができる。
【0025】図5は第二の発明にかかるHUDの別の一
例の風防ガラスの拡大断面図である。この場合は、中間
膜30中に紫外線吸収剤を含有させ、中間膜30そのも
のを紫外線吸収体としている。その他の構成は図4の場
合と同様である。このような構造の場合も、コンバイナ
ー2には紫外域の光がカットされた可視光のみが照射さ
れるので、YIの増加およびTvの低下を防ぐことがで
きる。
【0026】紫外線吸収体の備え方は、図4、図5に示
した例に限定されるものではなく、ホログラムより車外
側に位置するものであれば同様の効果を得ることができ
る。例えば、上記ホログラムの保護層として紫外線吸収
剤を含んだポリエステルフィルムやポリビニルアルコー
ルフィルムなどを用いてもよい。また、車外側ガラス2
2として紫外線吸収ガラスを用いても同様の効果を得る
ことができる。
【0027】また、紫外線吸収剤としては一般的に用い
られているものが広く応用できる。例えば、サリチル酸
誘導体、2−ヒドロキシベンゾフェノン誘導体、安息香
酸誘導体、ケイ酸誘導体、クマリン誘導体など、第一の
発明における紫外線吸収剤に関して上述したものを用い
ることができる。
【0028】以下、第一の発明および第二の発明に関し
て共通の事項について説明する。ホログラムは通常数1
0mmから数100mm角程度の面積で、数μmから数
10μm程度の厚みである。このようなホログラムは、
リップマンタイプ等の体積・位相型のホログラムが高い
回折効率を得られるという点で望ましいが、エンボスタ
イプ、レインボータイプ等のホログラムと呼ばれるもの
を広く用いることができる。また、ホログラム材料とし
ては、ポリビニルカルバゾールやアクリル系などのフォ
トポリマ、重クロム酸ゼラチン、光レジスト、銀塩など
種々の感光材料を用いることができる。
【0029】かかるホログラムは風防ガラスに備えられ
るものであり、例えば風防ガラスの表面(車外側表面や
車内側表面)に備えられてもよいが、特にホログラムの
保護の点に鑑みて、本実施例のように合わせガラスであ
る風防ガラスの内部に封入して用いることが好ましい。
当然のことながら、第二の発明において、ホログラムが
風防ガラス表面に備えられている場合においても、紫外
線吸収体はホログラムより車外側に備えられていなけれ
ばならない。
【0030】本発明における発光表示手段は光を発して
表示する機能を持つものであり、液晶表示素子等のいわ
ゆる受光型表示素子からなる表示体に熱陰極管(HC
T)、冷陰極管、蛍光表示管(VF)、ハロゲンラン
プ、LEDなどからなる光源から発した光を照射するも
のであり、また、これらの機能を併せ持つものであって
もよい。
【0031】本発明におけるコンバイナーをカラ表示に
用いる場合、この液晶表示素子としては、カーラフィル
ターと透過型のツイストネマチック型液晶素子や、スー
パーツイストネマチック型液晶表示素子等からなるカラ
液晶表示素子等が好ましく使用でき、一つの光源から発
せられた光を所望の色の光として照射することができ
る。
【0032】このようにして複数の色の光は、同一の発
光表示手段から発することができ、これら複数の色の光
が同時に表示される場合には表示像が重なって表示さ
れ、逆にこの表示像の重なりを防ぐためには、必要に応
じてカラーフィルターと光源の組み合わせによって、あ
るいはカラー液晶表示素子を制御することによって、複
数の色の光が同時に照射されないようにしてもよい。
【0033】また、それとは別に、受光型表示素子を用
いず、上記の光源自体をパターン化して配列し特定の情
報を光として発生するものであってもよい。受光型表示
素子に上記光源を併用したものの場合は、この受光型表
示素子と光源との間にレンズ系や曲面反射鏡等の適当な
光平行化手段、導光板等の適当な導光手段を配置しても
よい。さらに、ホログラムに光が投射されるまでの光径
路内に、必要に応じて、光偏光手段、あるいは、KNO
3 等の非線形光学素子を配置してもよい。
【0034】また本発明のHUDをカラ表示とする場
合、コンバイナーから表示像までの距離は各色で同一と
すれば同一平面内にカラー表示ができ、また、色によっ
て変えた場合には表示色によって表示像の観察される距
離の異なる立体的な像を得ることができる。
【0035】なお、以上、反射型のホログラムよりなる
コンバイナーについて述べたが、透過型のホログラムで
あっても同様の効果を得ることができる。
【0036】
【実施例】
[実施例1]図6は、紫外線安定剤を含まないホログラ
ムに太陽光全域を照射した場合と、図2のHUDにおい
て紫外線安定剤として2−ヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノンを含むホログラムに太陽光を照射した場合
のYIの変化の様子を示す。この結果から、紫外線安定
剤を含まない従来のホログラムに太陽光全域の光を照射
した場合には、YIは一旦減少するものの曝露時間と共
に増加してしまうことがわかる。一方、ホログラムに紫
外線安定剤を含ませた第一の発明によるホログラムの方
は、YIの増加が防止されており、更にYIを最大4%
程度低減することもできた。なお、本実施例ではコンバ
イナーとして横150mm×縦200mmの大きさで、
厚さが20μmのアクリル系フォトポリマーよりなる感
光材料を用い、体積位相型の反射型ホログラムを用い
た。
【0037】[実施例2]図7は、従来のホログラムに
太陽光全域を照射した場合と、図4のHUDのように紫
外線吸収体10を用いることにより紫外線をカットして
結果的に可視光のみを照射した場合のYIの変化の様子
を示す。この結果から、太陽光全域の光を照射した場合
には、YIは一旦減少するものの曝露時間と共に増加し
てしまうことがわかる。一方、紫外線吸収体10を用い
ることによりYIの増加を防ぐだけでなく、YIを最大
5%程度低減することもできた。なお、本実施例ではコ
ンバイナー2として横150mm×縦200mmの大き
さで、厚さが20μmのアクリル系フォトポリマーより
なる感光材料を用い、体積位相型の反射型ホログラムを
用いた。また、紫外線吸収体10として、2−ヒドロキ
シ−4−メトキシベンゾフェノンを含むポリビニルアル
コールフィルムを用いた。
【0038】
【発明の効果】第一の発明によるHUDを用いれば、コ
ンバイナー自身に紫外域の光による光酸化反応の開始を
遅延、或いは阻止する紫外線安定剤が含まれているた
め、車両搭載後、長期間太陽光に曝露された場合でも、
紫外域の光が照射されて生ずる光酸化反応が遅延、ある
いいは阻止されるので、ホログラムの黄色度YIの増加
を防ぎ、場合によっては、むしろ可視光の照射によりY
Iを低減することもでき、見映えの良いHUDを実現す
ることができる。従って、長期間の太陽光曝露(特に紫
外域の光)によるYIの増加を防止し、JIS規格を十
分に満足するTv値を確保可能な長期的信頼性のあるH
UDが実現できる。
【0039】第二の発明によれば、ホログラムよりなる
コンバイナーの車外側に紫外域の光を吸収する紫外線吸
収体が備えられているため、太陽光に曝露した際、コン
バイナーには紫外域の光がカットされた可視光のみが透
過して照射されるので、ホログラムの黄色度YIの増加
を防ぎ、場合によってはYIを減少させることもでき、
見映えの良いHUDを実現することができる。従って、
長期間の太陽光曝露(特に紫外域の光)によるYIの増
加を防止し、JIS規格を十分に満足するTv値を確保
可能な長期的信頼性のあるHUDが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の発明にかかるHUDの一例を示す概念的
断面図
【図2】図1にかかるHUDの風防ガラスの拡大断面図
【図3】第二の発明にかかるHUDの一例を示す概念的
断面図
【図4】図3にかかるHUDの風防ガラスの拡大断面図
【図5】第二の発明にかかるHUDの別の一例の風防ガ
ラスの拡大断面図
【図6】実施例1におけるYIの変化を示すグラフ
【図7】実施例2におけるYIの変化を示すグラフ
【図8】従来のHUDの一例を示す概念的断面図
【符号の説明】
1:運転者の観察位置 2:ホログラムからなるコンバイナー 3:情報を含む光 4:レンズ系 5:表示体 6:光源 7:風防ガラス 8:速度表示 9:警告表示 10:紫外線吸収体 12:紫外線吸収剤を含むホログラムからなるコンバイ
ナー 20:車内側ガラス板 21:中間膜 22:車外側ガラス板 23:中間膜とホログラムの界面 30:紫外線吸収体を含む中間膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源と表示すべき情報を表示する表示体と
    を少なくとも備えて表示すべき情報を光として発生する
    発光表示手段と、車両の風防ガラスに備えられていて前
    記光を車両内の観察者の観察位置に向けて回折するホロ
    グラムよりなるコンバイナーとを少なくとも備えたヘッ
    ドアップディスプレイ装置において、前記ホログラムは
    紫外線安定剤を含むことを特徴とするヘッドアップディ
    スプレイ装置。
  2. 【請求項2】前記紫外線安定剤は、紫外線吸収剤、消光
    剤、および酸化防止剤のうち少なくとも1種を含むこと
    を特徴とする請求項1のヘッドアップディスプレイ装
    置。
  3. 【請求項3】光源と表示すべき情報を表示する表示体と
    を少なくとも備えて表示すべき情報を光として発生する
    発光表示手段と、車両の風防ガラスに備えられていて前
    記光を車両内の観察者の観察位置に向けて回折するホロ
    グラムよりなるコンバイナーとを少なくとも備えたヘッ
    ドアップディスプレイ装置において、前記コンバイナー
    より車外側に紫外域の光を吸収する紫外線吸収体を備え
    ていることを特徴とするヘッドアップディスプレイ装
    置。
JP6051976A 1994-03-23 1994-03-23 ヘッドアップディスプレイ装置 Pending JPH07257227A (ja)

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