JPH08169258A - ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents
ヘッドアップディスプレイ装置Info
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- JPH08169258A JPH08169258A JP6315180A JP31518094A JPH08169258A JP H08169258 A JPH08169258 A JP H08169258A JP 6315180 A JP6315180 A JP 6315180A JP 31518094 A JP31518094 A JP 31518094A JP H08169258 A JPH08169258 A JP H08169258A
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Links
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Landscapes
- Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
- Instrument Panels (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【構成】ホログラムコンバイナー22が、車内側ガラス
23と、情報表示源からの光がホログラムコンバイナー
22によって観察者に向けて回折される回折光のスペク
トルの、中心波長と半値幅とで定まる回折波長域の光を
吸収する車外側ガラス24とが、ポリビニルブチラール
(PVB)からなる中間膜25を介して積層された安全
合わせガラス内に封入されているヘッドアップディスプ
レイ装置。 【効果】可視光線透過率を法規の70%以上に保ちつ
つ、フレアー光の低減されたヘッドアップディスプレイ
装置を得ることができる。
23と、情報表示源からの光がホログラムコンバイナー
22によって観察者に向けて回折される回折光のスペク
トルの、中心波長と半値幅とで定まる回折波長域の光を
吸収する車外側ガラス24とが、ポリビニルブチラール
(PVB)からなる中間膜25を介して積層された安全
合わせガラス内に封入されているヘッドアップディスプ
レイ装置。 【効果】可視光線透過率を法規の70%以上に保ちつ
つ、フレアー光の低減されたヘッドアップディスプレイ
装置を得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヘッドアップディスプ
レイ装置(以下HUDとする)に関し、特に車両外から
のフレアー光を低減したHUDに関する。
レイ装置(以下HUDとする)に関し、特に車両外から
のフレアー光を低減したHUDに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車内等の運転者に情報を表示する方
法として、HUDが最近用いられるようになっている。
これは、液晶表示装置等の情報投射手段から投射された
光学的情報を、自動車の風防ガラス等に組み込まれたホ
ログラムやハーフミラー等からなるコンバイナーに映
し、運転者が運転状態からほとんど視点を動かすことな
く情報を読み取れるようにしたものである。
法として、HUDが最近用いられるようになっている。
これは、液晶表示装置等の情報投射手段から投射された
光学的情報を、自動車の風防ガラス等に組み込まれたホ
ログラムやハーフミラー等からなるコンバイナーに映
し、運転者が運転状態からほとんど視点を動かすことな
く情報を読み取れるようにしたものである。
【0003】特に、コンバイナーとしてホログラムを用
いたものは、運転者に向かって光学的情報を回折する機
能とともにレンズ機能等を併せ持つことができるので、
光学的情報を運転者の視野方向に回折したり、あるい
は、他にレンズ等の光学系を使用せず、任意の位置に結
像したりすることが可能であり、また、前景輝度を損な
わずに高輝度の表示像が得られるという特徴があるた
め、HUDのコンバイナーとしては有効である。
いたものは、運転者に向かって光学的情報を回折する機
能とともにレンズ機能等を併せ持つことができるので、
光学的情報を運転者の視野方向に回折したり、あるい
は、他にレンズ等の光学系を使用せず、任意の位置に結
像したりすることが可能であり、また、前景輝度を損な
わずに高輝度の表示像が得られるという特徴があるた
め、HUDのコンバイナーとしては有効である。
【0004】図6は、従来のHUDの一例を示す概念図
である。光源46から発し、レンズ系44を介して透過
型液晶表示素子45を通過した表示すべき情報を含む光
43は、車体の風防ガラス47に備えられたホログラム
42に照射され、回折されて運転者に観察位置41で視
認される。
である。光源46から発し、レンズ系44を介して透過
型液晶表示素子45を通過した表示すべき情報を含む光
43は、車体の風防ガラス47に備えられたホログラム
42に照射され、回折されて運転者に観察位置41で視
認される。
【0005】上記レンズ系44はコリメーターとしての
機能を持つものであり、また、この機能はホログラム4
2に持たせることもでき、速度表示48、警告表示49
の表示像を遠方に結像させることも可能になる。
機能を持つものであり、また、この機能はホログラム4
2に持たせることもでき、速度表示48、警告表示49
の表示像を遠方に結像させることも可能になる。
【0006】また、ホログラム42は波長選択機能を持
つので、希望する色の像が表示可能となる。通常その色
は単一であることが多いが、多重露光による多色表示も
可能であり、表示情報の量と質を向上できる。例えば、
速度表示48を緑色、警告表示49を赤色とすることに
よって、運転者に対してより的確に情報を伝達すること
が可能となる。
つので、希望する色の像が表示可能となる。通常その色
は単一であることが多いが、多重露光による多色表示も
可能であり、表示情報の量と質を向上できる。例えば、
速度表示48を緑色、警告表示49を赤色とすることに
よって、運転者に対してより的確に情報を伝達すること
が可能となる。
【0007】かかるホログラフィックコンバイナーとし
ては、通常、反射型のホログラムが用いられるが、反射
ホログラムの作製においては、ホログラムの感光材料面
の一方の面から参照光、他方の面から物体光を照射し
て、回折格子を作製する。
ては、通常、反射型のホログラムが用いられるが、反射
ホログラムの作製においては、ホログラムの感光材料面
の一方の面から参照光、他方の面から物体光を照射し
て、回折格子を作製する。
【0008】ホログラムの感光材料内部では、これら2
つのレーザー光が干渉して光の明暗の干渉縞が生じ、そ
れが感光材料の屈折率または密度などの物性の違いに基
づく回折格子として記録される。この種の反射型ホログ
ラムにおいては、光の入射角度と反射回折角度が異なる
場合、その回折格子面はホログラム表面に対して傾いて
おり、表面と平行ではない。
つのレーザー光が干渉して光の明暗の干渉縞が生じ、そ
れが感光材料の屈折率または密度などの物性の違いに基
づく回折格子として記録される。この種の反射型ホログ
ラムにおいては、光の入射角度と反射回折角度が異なる
場合、その回折格子面はホログラム表面に対して傾いて
おり、表面と平行ではない。
【0009】図5は風防ガラス内部に封入したホログラ
ムを示す概念断面図である。22はコンバイナーとして
機能する反射型ホログラムである。ホログラム22の内
部には図に示すような表面に対して傾きを持った回折格
子が形成されている。ホログラム22は風防ガラスの車
内側ガラス23に備えられ、ポリビニルブチラール(P
VB)よりなる中間膜25と共に、車外側ガラス24の
内側に封入され安全合わせガラスを構成している。中間
膜25とホログラム22の界面21は、中間膜中に含ま
れる可塑剤によりホログラムの特性が影響を受けないよ
うな保護層となっている。
ムを示す概念断面図である。22はコンバイナーとして
機能する反射型ホログラムである。ホログラム22の内
部には図に示すような表面に対して傾きを持った回折格
子が形成されている。ホログラム22は風防ガラスの車
内側ガラス23に備えられ、ポリビニルブチラール(P
VB)よりなる中間膜25と共に、車外側ガラス24の
内側に封入され安全合わせガラスを構成している。中間
膜25とホログラム22の界面21は、中間膜中に含ま
れる可塑剤によりホログラムの特性が影響を受けないよ
うな保護層となっている。
【0010】情報表示源より放射された情報を含む光2
6は車内側ガラス23に対して角度θ1 で入射し、空気
とガラスの屈折率の差により屈折しガラス内部ではθ
1 ’の角度となる。ガラス内部に入った光はホログラム
22によって運転者方向に反射回折される。ホログラム
内部の回折格子は表面に対して傾いているため、回折光
のガラス内部角はθ2 ’となりガラス表面で屈折して車
内側では角度θ2 で出射し光27として運転者等の観察
者に視認される。一般にθ1 とθ2 は車外側ガラス表面
での反射光による二重像を防ぐため異なっており、また
乗用車では光源、コンバイナー、ドライバーの位置関係
によりθ1 <θ2 となっている。
6は車内側ガラス23に対して角度θ1 で入射し、空気
とガラスの屈折率の差により屈折しガラス内部ではθ
1 ’の角度となる。ガラス内部に入った光はホログラム
22によって運転者方向に反射回折される。ホログラム
内部の回折格子は表面に対して傾いているため、回折光
のガラス内部角はθ2 ’となりガラス表面で屈折して車
内側では角度θ2 で出射し光27として運転者等の観察
者に視認される。一般にθ1 とθ2 は車外側ガラス表面
での反射光による二重像を防ぐため異なっており、また
乗用車では光源、コンバイナー、ドライバーの位置関係
によりθ1 <θ2 となっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】かかるホログラムHU
Dを備えた車両に、点線で示した外部光28が入射する
とき、その入射角θinがある特定の角度である場合に外
部光は車内側ガラスの表面に対しθ1 ’で到達し再びθ
1 ’でガラス内部方向に反射する。この角度は情報を含
む光26のガラス内部での角度と同じであるため、外部
光はホログラム22によって反射回折され車内側ガラス
表面から角度θ2 で出射することになり、情報を含む光
27と共に29のように運転者等の観察者に到達する。
この外部光によるノイズ光をフレアー光と呼ぶ。
Dを備えた車両に、点線で示した外部光28が入射する
とき、その入射角θinがある特定の角度である場合に外
部光は車内側ガラスの表面に対しθ1 ’で到達し再びθ
1 ’でガラス内部方向に反射する。この角度は情報を含
む光26のガラス内部での角度と同じであるため、外部
光はホログラム22によって反射回折され車内側ガラス
表面から角度θ2 で出射することになり、情報を含む光
27と共に29のように運転者等の観察者に到達する。
この外部光によるノイズ光をフレアー光と呼ぶ。
【0012】このようなフレアー光が発生すると車外か
らの光の入射角度によって、明るいむらとして見えた
り、スポット状の輝点として見えたりして、HUDの表
示像の視認性を低下させるなどの悪影響をもたらす。特
に太陽光がフレアー光として観察されると輝度が高いた
め眩惑を起こす可能性もあり安全上も問題があった。ま
た、夜間では周囲が暗いため昼間には気付かないような
街路灯などの弱い光も、フレアー光として観察されてし
まい運転する際に非常に目障りであった。このフレアー
光は太陽や街路灯などの外部の光源を直線的に見るのと
は異なる角度で観察されるため、1つの光源が複数個に
見えることとなりまことに目障りな存在であった。
らの光の入射角度によって、明るいむらとして見えた
り、スポット状の輝点として見えたりして、HUDの表
示像の視認性を低下させるなどの悪影響をもたらす。特
に太陽光がフレアー光として観察されると輝度が高いた
め眩惑を起こす可能性もあり安全上も問題があった。ま
た、夜間では周囲が暗いため昼間には気付かないような
街路灯などの弱い光も、フレアー光として観察されてし
まい運転する際に非常に目障りであった。このフレアー
光は太陽や街路灯などの外部の光源を直線的に見るのと
は異なる角度で観察されるため、1つの光源が複数個に
見えることとなりまことに目障りな存在であった。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決すべくなされたものであり、以下のような特徴を
持つHUDを提供するものである。
を解決すべくなされたものであり、以下のような特徴を
持つHUDを提供するものである。
【0014】光源と表示すべき情報を表示する表示体と
を少なくとも備えて表示すべき情報を光として発生する
情報表示源と、車両の風防ガラスに備えられていて前記
光を車両内の観察者に向けて回折する、ホログラムより
なるコンバイナーとを少なくとも備えたHUDにおい
て、前記情報表示源からコンバイナーに向けて発せられ
た光が車両内の観察者に向かって回折されるときの、回
折スペクトルの中心波長と半値幅とで定まる回折波長域
の光の近傍の特定の狭い波長域の光を吸収する光吸収体
が、コンバイナーの車外側に配されていることを特徴と
するHUD、または、光源と表示すべき情報を表示する
表示体とを少なくとも備えて表示すべき情報を光として
発生する情報表示源と、車両の風防ガラスに備えられて
いて前記光を車両内の観察者に向けて回折する、ホログ
ラムよりなるコンバイナーとを少なくとも備えたHUD
において、前記コンバイナーは、情報表示源からコンバ
イナーに向けて発せられた光が車両内の観察者に向かっ
て回折されるときの、回折スペクトルの中心波長と半値
幅とで定まる回折波長域の光の近傍の特定の狭い波長域
の光を吸収する機能を有することを特徴とするHUDを
提供するものである。
を少なくとも備えて表示すべき情報を光として発生する
情報表示源と、車両の風防ガラスに備えられていて前記
光を車両内の観察者に向けて回折する、ホログラムより
なるコンバイナーとを少なくとも備えたHUDにおい
て、前記情報表示源からコンバイナーに向けて発せられ
た光が車両内の観察者に向かって回折されるときの、回
折スペクトルの中心波長と半値幅とで定まる回折波長域
の光の近傍の特定の狭い波長域の光を吸収する光吸収体
が、コンバイナーの車外側に配されていることを特徴と
するHUD、または、光源と表示すべき情報を表示する
表示体とを少なくとも備えて表示すべき情報を光として
発生する情報表示源と、車両の風防ガラスに備えられて
いて前記光を車両内の観察者に向けて回折する、ホログ
ラムよりなるコンバイナーとを少なくとも備えたHUD
において、前記コンバイナーは、情報表示源からコンバ
イナーに向けて発せられた光が車両内の観察者に向かっ
て回折されるときの、回折スペクトルの中心波長と半値
幅とで定まる回折波長域の光の近傍の特定の狭い波長域
の光を吸収する機能を有することを特徴とするHUDを
提供するものである。
【0015】
【作用】本発明によるHUDを用いれば、フレアー光の
原因となる外部光が入射しても、コンバイナーより車外
側に設けた光吸収体、またはコンバイナー自体がホログ
ラムの回折波長域の光をあらかじめほとんど吸収してし
まうため、車内側ガラスの表面で反射しホログラムコン
バイナーで回折されて運転者等の観察者に到達する光は
ほとんど無くなるので、有効にフレアー光を低減でき
る。
原因となる外部光が入射しても、コンバイナーより車外
側に設けた光吸収体、またはコンバイナー自体がホログ
ラムの回折波長域の光をあらかじめほとんど吸収してし
まうため、車内側ガラスの表面で反射しホログラムコン
バイナーで回折されて運転者等の観察者に到達する光は
ほとんど無くなるので、有効にフレアー光を低減でき
る。
【0016】また、本発明による光吸収体またはホログ
ラムの光吸収波長域は、JIS R−3211で定める
自動車の風防ガラスの可視光線透過率が70%以上とい
う規定を満足するに十分な狭さであるため、可視光全体
の光に対してはわずかに影響を与えるだけであって、法
規を十分に満足することができる。
ラムの光吸収波長域は、JIS R−3211で定める
自動車の風防ガラスの可視光線透過率が70%以上とい
う規定を満足するに十分な狭さであるため、可視光全体
の光に対してはわずかに影響を与えるだけであって、法
規を十分に満足することができる。
【0017】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明における実施例
を説明する。図1は、本発明のHUDの一例を示す概念
図である。風防ガラス7の下方には情報表示源が備えら
れており、この情報表示源は熱陰極管を用いた光源6か
ら発した光がコリメーターであるレンズ系4を介し、透
過型カラー液晶表示素子からなる表示体5を通過した表
示すべき情報を光3として発するものである。この光3
は、車体の風防ガラス7に備えられたホログラムからな
るコンバイナー2に照射されて、回折され、運転者に観
察位置1で視認される。
を説明する。図1は、本発明のHUDの一例を示す概念
図である。風防ガラス7の下方には情報表示源が備えら
れており、この情報表示源は熱陰極管を用いた光源6か
ら発した光がコリメーターであるレンズ系4を介し、透
過型カラー液晶表示素子からなる表示体5を通過した表
示すべき情報を光3として発するものである。この光3
は、車体の風防ガラス7に備えられたホログラムからな
るコンバイナー2に照射されて、回折され、運転者に観
察位置1で視認される。
【0018】上記レンズ系4はコリメーターとしての機
能を持つものであり、また、この機能はホログラムに持
たせることもでき、速度表示8、警告表示9の表示像を
遠方に結像させることも可能となる。
能を持つものであり、また、この機能はホログラムに持
たせることもでき、速度表示8、警告表示9の表示像を
遠方に結像させることも可能となる。
【0019】また、必要に応じて表示体5とコンバイナ
ー2との間に収差補正用の別のホログラムやレンズ等を
配してもよい。
ー2との間に収差補正用の別のホログラムやレンズ等を
配してもよい。
【0020】また、ホログラムは波長選択機能を持つの
で、希望する色の像が表示可能であり、さらに、多重露
光や複数枚のホログラムの積層によって多色表示が可能
となり、表示情報の量と質の向上ができる。本実施例で
は情報表示源から発する光のうち、グリーンとアンバー
色(橙色)に対応する530nmと580nmの光を観
察者に向けて回折する多重露光のホログラムを用い、速
度表示8を緑色、警告表示9をアンバー色として表示し
た。その結果、運転者に対してより的確に情報を伝達す
ることが可能となる。
で、希望する色の像が表示可能であり、さらに、多重露
光や複数枚のホログラムの積層によって多色表示が可能
となり、表示情報の量と質の向上ができる。本実施例で
は情報表示源から発する光のうち、グリーンとアンバー
色(橙色)に対応する530nmと580nmの光を観
察者に向けて回折する多重露光のホログラムを用い、速
度表示8を緑色、警告表示9をアンバー色として表示し
た。その結果、運転者に対してより的確に情報を伝達す
ることが可能となる。
【0021】本実施例で用いた風防ガラスの要部断面図
を図2に示す。ホログラムコンバイナー22は、2枚の
ガラス板(車外側ガラス24と車内側ガラス23)がポ
リビニルブチラール(PVB)からなる中間膜25を介
して積層された安全合わせガラス内に封入されており、
車内側ガラス23側に配されている。中間膜25とホロ
グラム22の間には中間膜中に含まれる可塑剤の影響か
らホログラムを守るため、ポリビニルアルコール(PV
A)よりなる保護膜が備えられている。本実施例におけ
る車外側ガラス24は、色付きのソーダライムガラスに
Nd2O3 がドープされたものである。この車外側ガラ
ス24の吸収スペクトルは図3の通りであり、ホログラ
ムの回折波長域の近傍の530nmおよび580nm付
近に吸収帯がある。そのため、外部入射光の波長成分の
うち530nmおよび580nm付近の光を選択的に吸
収することが可能であり、観察者の位置ではフレアー光
はほとんど観察されず、フレアー光を有効に低減するこ
とができた。
を図2に示す。ホログラムコンバイナー22は、2枚の
ガラス板(車外側ガラス24と車内側ガラス23)がポ
リビニルブチラール(PVB)からなる中間膜25を介
して積層された安全合わせガラス内に封入されており、
車内側ガラス23側に配されている。中間膜25とホロ
グラム22の間には中間膜中に含まれる可塑剤の影響か
らホログラムを守るため、ポリビニルアルコール(PV
A)よりなる保護膜が備えられている。本実施例におけ
る車外側ガラス24は、色付きのソーダライムガラスに
Nd2O3 がドープされたものである。この車外側ガラ
ス24の吸収スペクトルは図3の通りであり、ホログラ
ムの回折波長域の近傍の530nmおよび580nm付
近に吸収帯がある。そのため、外部入射光の波長成分の
うち530nmおよび580nm付近の光を選択的に吸
収することが可能であり、観察者の位置ではフレアー光
はほとんど観察されず、フレアー光を有効に低減するこ
とができた。
【0022】本実施例ではNd2 O3 をドープした車外
側ガラス24を外部光吸収体として用いたが、本発明は
必ずしもこれに限られるものではない。ドープする材料
としてはガラス中において、ホログラムの回折波長域の
光を吸収するものであれば良く、用いるホログラムに応
じて選択すればよい。遷移金属や貴土類金属の酸化物な
どが好ましく用いられる。例えば、Cr2 O3 、Tb2
O3 、Ho2 O3 などが考えられる。また、本実施例で
は車外側ガラスを光吸収体として用いたが、車内側ガラ
スを光吸収体として用いてもよい。ただし、その場合情
報を含む光をも減衰してしまうため、目的の表示輝度、
光源の輝度やホログラムの回折効率等を勘案し、吸収の
程度を最適化する必要がある。
側ガラス24を外部光吸収体として用いたが、本発明は
必ずしもこれに限られるものではない。ドープする材料
としてはガラス中において、ホログラムの回折波長域の
光を吸収するものであれば良く、用いるホログラムに応
じて選択すればよい。遷移金属や貴土類金属の酸化物な
どが好ましく用いられる。例えば、Cr2 O3 、Tb2
O3 、Ho2 O3 などが考えられる。また、本実施例で
は車外側ガラスを光吸収体として用いたが、車内側ガラ
スを光吸収体として用いてもよい。ただし、その場合情
報を含む光をも減衰してしまうため、目的の表示輝度、
光源の輝度やホログラムの回折効率等を勘案し、吸収の
程度を最適化する必要がある。
【0023】なお、ホログラムは通常数10mmから数
100mm角程度の面積で、数μmから数10μm程度
の厚みである。このようなホログラムは、リップマンタ
イプ等の体積・位相型のホログラムが高い回折効率を得
られるという点で望ましいが、エンボスタイプ、レイン
ボータイプ等のホログラムと呼ばれるものを広く用いる
ことができる。また、ホログラム材料としては、ポリビ
ニルカルバゾールやアクリル系などのフォトポリマー、
重クロム酸ゼラチン、光レジスト、銀塩など種々の感光
材料を用いることができる。
100mm角程度の面積で、数μmから数10μm程度
の厚みである。このようなホログラムは、リップマンタ
イプ等の体積・位相型のホログラムが高い回折効率を得
られるという点で望ましいが、エンボスタイプ、レイン
ボータイプ等のホログラムと呼ばれるものを広く用いる
ことができる。また、ホログラム材料としては、ポリビ
ニルカルバゾールやアクリル系などのフォトポリマー、
重クロム酸ゼラチン、光レジスト、銀塩など種々の感光
材料を用いることができる。
【0024】本実施例ではコンバイナーとして横150
mm×縦200mmの大きさで、厚さが20μmのアク
リル系フォトポリマーよりなる感光材料を用い、体積位
相型の反射型ホログラムを用いた。
mm×縦200mmの大きさで、厚さが20μmのアク
リル系フォトポリマーよりなる感光材料を用い、体積位
相型の反射型ホログラムを用いた。
【0025】かかるホログラムは風防ガラスに備えられ
るものであり、例えば風防ガラスの表面(車両外表面)
や車両内側表面に備えられてもよいが、特にホログラム
の保護の点に鑑みて、本実施例のように合わせガラスで
ある風防ガラスの内部に封入して用いることが好まし
い。
るものであり、例えば風防ガラスの表面(車両外表面)
や車両内側表面に備えられてもよいが、特にホログラム
の保護の点に鑑みて、本実施例のように合わせガラスで
ある風防ガラスの内部に封入して用いることが好まし
い。
【0026】本発明における情報表示源は光を発して表
示する機能を持つものであり、液晶表示素子等のいわゆ
る受光型表示素子からなる表示体に熱陰極管(HC
T)、冷陰極管、蛍光表示管(VF)、ハロゲンラン
プ、LEDなどからなる光源から発した光を照射するも
のであり、また、これらの機能を併せ持つものであって
もよい。
示する機能を持つものであり、液晶表示素子等のいわゆ
る受光型表示素子からなる表示体に熱陰極管(HC
T)、冷陰極管、蛍光表示管(VF)、ハロゲンラン
プ、LEDなどからなる光源から発した光を照射するも
のであり、また、これらの機能を併せ持つものであって
もよい。
【0027】本発明におけるコンバイナーをカラー表示
に用いる場合、この液晶表示素子としては、カラーフィ
ルターと透過型のツイストネマチック型液晶素子や、ス
ーパーツイストネマチック型液晶表示素子等からなるカ
ラー液晶表示素子等が好ましく使用でき、一つの光源か
ら発せられた光を所望の色の光として照射することがで
きる。
に用いる場合、この液晶表示素子としては、カラーフィ
ルターと透過型のツイストネマチック型液晶素子や、ス
ーパーツイストネマチック型液晶表示素子等からなるカ
ラー液晶表示素子等が好ましく使用でき、一つの光源か
ら発せられた光を所望の色の光として照射することがで
きる。
【0028】このようにして複数の色の光は、同一の情
報表示源から発することができ、これら複数の色の光が
同時に表示される場合には表示像が重なって表示され、
逆にこの表示像の重なりを防ぐためには、必要に応じて
カラーフィルターと光源の組み合わせによって、あるい
はカラー液晶表示素子を制御することによって、複数の
色の光が同時に照射されないようにしてもよい。
報表示源から発することができ、これら複数の色の光が
同時に表示される場合には表示像が重なって表示され、
逆にこの表示像の重なりを防ぐためには、必要に応じて
カラーフィルターと光源の組み合わせによって、あるい
はカラー液晶表示素子を制御することによって、複数の
色の光が同時に照射されないようにしてもよい。
【0029】また、それとは別に、受光型表示素子を用
いず、上記の光源自体をパターン化して配列し特定の情
報を光として発生するものであってもよい。受光型表示
素子に上記光源を併用したものの場合は、この受光型表
示素子と光源との間にレンズ系や曲面反射鏡等の適当な
光平行化手段、導光板等の適当な導光手段を配置しても
よい。さらに、ホログラムに光が投射されるまでの光径
路内に、必要に応じて、光偏光手段、あるいは、KNO
3 等の非線形光学素子を配置してもよい。
いず、上記の光源自体をパターン化して配列し特定の情
報を光として発生するものであってもよい。受光型表示
素子に上記光源を併用したものの場合は、この受光型表
示素子と光源との間にレンズ系や曲面反射鏡等の適当な
光平行化手段、導光板等の適当な導光手段を配置しても
よい。さらに、ホログラムに光が投射されるまでの光径
路内に、必要に応じて、光偏光手段、あるいは、KNO
3 等の非線形光学素子を配置してもよい。
【0030】次に本発明における別の実施例を示す。本
実施例では、図2における保護膜21として、ポリビニ
ルアルコールにシアニン系の色素を含有させたものを用
いた。その吸収スペクトルおよび構造式をを図4に示
す。色素含有量が少ないときは、Mで示す単量体の吸収
スペクトルが主体である。吸収波長の中心は550nm
付近にあり、主に緑色の表示を用いるホログラムの回折
波長域の光を選択的に吸収することができ、フレアー光
を有効に低減することができた。
実施例では、図2における保護膜21として、ポリビニ
ルアルコールにシアニン系の色素を含有させたものを用
いた。その吸収スペクトルおよび構造式をを図4に示
す。色素含有量が少ないときは、Mで示す単量体の吸収
スペクトルが主体である。吸収波長の中心は550nm
付近にあり、主に緑色の表示を用いるホログラムの回折
波長域の光を選択的に吸収することができ、フレアー光
を有効に低減することができた。
【0031】今回用いた単量体の吸収スペクトルは半値
幅が約50nmと広いため、可視光線透過率を確保する
ためには、その濃度を低く押さえねばならなかった。そ
こで、ホログラムの回折波長域の光のみを更に効率的に
吸収させるには、色素濃度を増加させ数分子以上の色素
分子を会合させたJ会合体を形成させると、図4のJで
示すような半値幅の狭い吸収スペクトルを得ることがで
きる。ただし、J会合体の吸収スペクトルの中心波長は
単量体に比べ長波長側にシフトする傾向があるので、も
ともとの単量体としては吸収スペクトルの中心波長がよ
り短波長の色素を選択する必要がある。色素の吸収スペ
クトルの半値幅を狭くする方法としては、色素を含有さ
せた樹脂フィルムを延伸し内部の色素分子を配向させる
方法も考えられる。
幅が約50nmと広いため、可視光線透過率を確保する
ためには、その濃度を低く押さえねばならなかった。そ
こで、ホログラムの回折波長域の光のみを更に効率的に
吸収させるには、色素濃度を増加させ数分子以上の色素
分子を会合させたJ会合体を形成させると、図4のJで
示すような半値幅の狭い吸収スペクトルを得ることがで
きる。ただし、J会合体の吸収スペクトルの中心波長は
単量体に比べ長波長側にシフトする傾向があるので、も
ともとの単量体としては吸収スペクトルの中心波長がよ
り短波長の色素を選択する必要がある。色素の吸収スペ
クトルの半値幅を狭くする方法としては、色素を含有さ
せた樹脂フィルムを延伸し内部の色素分子を配向させる
方法も考えられる。
【0032】本実施例では色素としてシアニン系の色素
を用いたが、色素としてはこれに限られるものではな
く、ホログラムの回折波長域の光を選択的に吸収するも
ので有れば良い。また、本実施例では保護膜としてポリ
ビニルアルコールを用いたが、その材質としてはPVB
中の可塑剤がホログラムに移行するの防ぐ物質であり、
またその屈折率がガラスの屈折率に近い材料であればよ
い。
を用いたが、色素としてはこれに限られるものではな
く、ホログラムの回折波長域の光を選択的に吸収するも
ので有れば良い。また、本実施例では保護膜としてポリ
ビニルアルコールを用いたが、その材質としてはPVB
中の可塑剤がホログラムに移行するの防ぐ物質であり、
またその屈折率がガラスの屈折率に近い材料であればよ
い。
【0033】また、本実施例では、光吸収のための色素
を保護膜21中に含有させたが、必ずしもそれに限られ
るものではなく、中間膜25やホログラム22に含有さ
せてもよい。ホログラムに光吸収の機能を持たせる場合
は情報を含む光をも減衰してしまうため、目的の表示輝
度、光源の輝度やホログラムの回折効率等を勘案し、吸
収の程度を最適化することが好ましい。
を保護膜21中に含有させたが、必ずしもそれに限られ
るものではなく、中間膜25やホログラム22に含有さ
せてもよい。ホログラムに光吸収の機能を持たせる場合
は情報を含む光をも減衰してしまうため、目的の表示輝
度、光源の輝度やホログラムの回折効率等を勘案し、吸
収の程度を最適化することが好ましい。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、フレアー光の原因とな
る外部光が入射しても、コンバイナーより車外側に設け
た光吸収体、またはコンバイナー自体がホログラムの回
折波長域の光をあらかじめほとんど吸収してしまうた
め、車内側ガラスの表面で反射しホログラムコンバイナ
ーで回折されて運転者等の観察者に到達する光はほとん
ど無くなるので、有効にフレアー光を低減できる。ま
た、本発明による光吸収体またはホログラムの光吸収波
長域は、ホログラムの回折波長の光の近傍の特定の狭い
波長域の光であるため、可視光全体の光に対してはわず
かに影響を与えるだけである。従って、自動車の風防ガ
ラスに要求される可視光線透過率が70%以上という法
規も十分満足することが可能である。
る外部光が入射しても、コンバイナーより車外側に設け
た光吸収体、またはコンバイナー自体がホログラムの回
折波長域の光をあらかじめほとんど吸収してしまうた
め、車内側ガラスの表面で反射しホログラムコンバイナ
ーで回折されて運転者等の観察者に到達する光はほとん
ど無くなるので、有効にフレアー光を低減できる。ま
た、本発明による光吸収体またはホログラムの光吸収波
長域は、ホログラムの回折波長の光の近傍の特定の狭い
波長域の光であるため、可視光全体の光に対してはわず
かに影響を与えるだけである。従って、自動車の風防ガ
ラスに要求される可視光線透過率が70%以上という法
規も十分満足することが可能である。
【図1】本発明のHUDの一例を示す概念図
【図2】本発明のHUDの一例を示す要部断面図
【図3】本発明の第一の実施例における光吸収体の吸収
スペクトル図
スペクトル図
【図4】本発明の第二の実施例における光吸収体の吸収
スペクトル図
スペクトル図
【図5】風防ガラス内部に封入したホログラムおよびフ
レアー光の発生メカニズムを説明する概念断面図
レアー光の発生メカニズムを説明する概念断面図
【図6】従来のHUDを示す概念図
1:運転者の観察位置 2:コンバイナー 3:情報を含む光 4:レンズ系 5:表示素子 6:光源 7:風防ガラス 8:速度表示 9:警告表示 10:外部入射光
Claims (3)
- 【請求項1】光源と表示すべき情報を表示する表示体と
を少なくとも備えて表示すべき情報を光として発生する
情報表示源と、車両の風防ガラスに備えられていて前記
光を車両内の観察者に向けて回折する、ホログラムより
なるコンバイナーとを少なくとも備えたヘッドアップデ
ィスプレイ装置において、前記情報表示源からコンバイ
ナーに向けて発せられて車両内の観察者に向かって回折
された光の回折スペクトルの、中心波長と半値幅とで定
まる回折波長域の光の近傍の、特定の狭い波長域の光を
吸収する光吸収体が、コンバイナーの車外側および車内
側のうち少なくとも一方に配されていることを特徴とす
るヘッドアップディスプレイ装置。 - 【請求項2】光源と表示すべき情報を表示する表示体と
を少なくとも備えて表示すべき情報を光として発生する
情報表示源と、車両の風防ガラスに備えられていて前記
光を車両内の観察者に向けて回折する、ホログラムより
なるコンバイナーとを少なくとも備えたヘッドアップデ
ィスプレイ装置において、前記コンバイナーは、情報表
示源からコンバイナーに向けて発せられて車両内の観察
者に向かって回折された光の回折スペクトルの、中心波
長と半値幅とで定まる回折波長域の光の近傍の、特定の
狭い波長域の光を吸収する機能を有することを特徴とす
るヘッドアップディスプレイ装置。 - 【請求項3】前記ヘッドアップディスプレイ装置におい
て、吸収体またはホログラムが吸収する特定の狭い波長
域とは、JIS R−3211で定める風防ガラスの可
視光線透過率を70%以上確保するに十分な狭さである
ことを特徴とする請求項1または2のヘッドアップディ
スプレイ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6315180A JPH08169258A (ja) | 1994-12-19 | 1994-12-19 | ヘッドアップディスプレイ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6315180A JPH08169258A (ja) | 1994-12-19 | 1994-12-19 | ヘッドアップディスプレイ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08169258A true JPH08169258A (ja) | 1996-07-02 |
Family
ID=18062391
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6315180A Pending JPH08169258A (ja) | 1994-12-19 | 1994-12-19 | ヘッドアップディスプレイ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08169258A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020188078A1 (en) * | 2019-03-21 | 2020-09-24 | Central Glass Co., Ltd. | Glazing having lighting capabilities |
US10800143B2 (en) | 2014-03-07 | 2020-10-13 | Corning Incorporated | Glass laminate structures for head-up display system |
-
1994
- 1994-12-19 JP JP6315180A patent/JPH08169258A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10800143B2 (en) | 2014-03-07 | 2020-10-13 | Corning Incorporated | Glass laminate structures for head-up display system |
WO2020188078A1 (en) * | 2019-03-21 | 2020-09-24 | Central Glass Co., Ltd. | Glazing having lighting capabilities |
US11953713B2 (en) | 2019-03-21 | 2024-04-09 | Acr Ii Glass America Inc. | Glazing having lighting capabilities |
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