JPH0725718B2 - 安息香酸ソーダの製造方法 - Google Patents

安息香酸ソーダの製造方法

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JPH0725718B2
JPH0725718B2 JP27319887A JP27319887A JPH0725718B2 JP H0725718 B2 JPH0725718 B2 JP H0725718B2 JP 27319887 A JP27319887 A JP 27319887A JP 27319887 A JP27319887 A JP 27319887A JP H0725718 B2 JPH0725718 B2 JP H0725718B2
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benzoic acid
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sodium benzoate
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正弘 木村
照雄 吉田
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明はキャビア、清涼飲料、醤油等の食品及びタバコ
の防腐剤、解熱剤、膀胱炎、扁挑腺炎等の医薬、過酸化
ベンゾイル等の合成原料として、各種分野で巾広く使用
されている安息香酸ソーダの製造法に関するものであ
り、食品、医薬、有機合成化学工業等において広く用い
られるものである。
[従来の技術] 安息香酸ソーダはカセイソーダ水溶液又は炭酸ソーダ水
溶液と安息香酸との中和反応液を濃縮晶析又は蒸発乾固
して製造される。(第3版食品添加物公定書注解66頁
食品添加物公定書注解編集委員会編 金原出版(株)19
74年発行) [発明が解決しようとする問題点] 安息香酸は一般的には固体で取引されているため、カセ
イソーダと安息香酸の中和反応を行う場合は、市販のカ
セイソーダ水溶液に市販の固体の安息香酸を添加溶解し
て反応させる方法が行われている。この反応において、
水溶液中のカセイソーダを中和する量(以下中和量とい
う)に等しい量の安息香酸を一度或いは二度以上に分け
て添加した場合、中和反応が完結するまでの時間が長
く、さらに安息香酸の添加によるpHの変化が緩やかであ
るため、中和反応が完了したか否かをpH測定により測定
することが困難であるという問題がある。
本発明者は、上記問題点を解消し、食品添加物、医薬、
合成原料として巾広く使用されている安息香酸ソーダを
短時間で、効率よく、容易に製造することができる方法
について種々検討した。
(ロ)発明の構成 [問題点を解決するための手段] 本発明は、カセイソーダ水溶液と安息香酸との中和反応
により安息香酸ソーダを得る方法において、カセイソー
ダ水溶液に水溶液中のカセイソーダを中和する必要な理
論量より多く1.05重量倍以下であり、かつ生成液である
安息香酸ソーダ水溶液への飽和溶解量以下の安息香酸を
溶解した後、過剰の安息香酸をカセイソーダ水溶液の添
加により中和して中和反応を完了させることを特徴とす
る安息香酸ソーダの製造方法に関するものである。
本発明における安息香酸としては、トルエンの酸化反応
により得られるものの他、一般的に市販されている安息
香酸も使用できる。又もう一方の原料であるカセイソー
ダ水溶液も、通常の食塩の電気分解で得られるカセイソ
ーダ水溶液あるいは市販のカセイソーダを水に溶解して
得られる水溶液のいずれを用いても良い。
本発明において用いられるカセイソーダ水溶液の濃度
は、中和反応により生成する安息香酸ソーダが水溶液か
ら析出することがない濃度、即ち約15重量%以下である
ことが好ましい。これは、安息香酸ソーダの水への溶解
度が20〜60℃では約38重量%とほぼ一定であることによ
る。
もし、カセイソーダ水溶液の濃度が約15重量%より高い
と、安息香酸の添加が終了する前に、水溶液における安
息香酸ソーダの濃度が飽和溶解度より高くなり、水溶液
から安息香酸ソーダが析出する。析出した安息香酸ソー
ダの結晶は、結晶相互間に水を取込み、その濃度が5%
以上になると中和反応液をゼリー状となし、反応液の攪
拌、取り出し等の取り扱いを難しくする。又、水中に浮
遊する固体が、水溶液から析出した安息香酸ソーダかあ
るいは未反応の安息香酸かを判別することはできないの
で、反応の進行状況を的確に把握することを困難にする
(E.C.Clarke,Can.J.Chem.,1974,52,3281)。
中和反応は、あらかじめ濃度を調整したカセイソーダ水
溶液を室温〜60℃に保ち、攪拌しながら安息香酸を添加
して行なう。この反応は、安息香酸が水に溶解した後始
めて進行し、安息香酸の水への溶解度は温度の上昇につ
れて増加するので、40〜60℃に加温して反応を行なうこ
とが、より短時間で反応を完結させるために望ましい。
中和反応に際し、第一段階として水溶液中のカセイソー
ダに対してその中和に必要な理論量より多い安息香酸を
添加するが、その量は、中和するに必要な理論量より多
く1.05重量倍以下であり、かつ反応生成液である安息香
酸ソーダ水溶液への飽和溶解量以下である。
安息香酸の添加量がカセイソーダに対して中和量より少
ないと、中和反応が完了しないため、再度不足分を追加
する必要があり、また、安息香酸の添加量がカセイソー
ダに対する中和量に等しいとき、中息香酸の添加量を中
和量より多くした場合に比較して、中和反応を完了させ
るのに要する時間が長くなるうえ、反応の完了の把握が
困難である。
本反応においては、カセイソーダ水溶液に添加された安
息香酸はカセイソーダと反応してこれを消費し、最終的
には安息香酸ソーダ水溶液を形成する。この場合におい
て、反応生成液である安息香酸ソーダ水溶液に対して飽
和溶解量を超える安息香酸を添加すると、未溶解の安息
香酸が反応液中に浮遊することとなり、このような状態
においては、後のカセイソーダ水溶液の添加による中和
反応の際に、未溶解の安息香酸が残留するため、結局中
和反応の完了に要する時間が長くなるという好ましくな
い状況をもたらす。
安息香酸はカセイソーダ水溶液に一度に添加してもよい
し、分割して供給してもよい。しかし、反応液の飛散に
よる薬症の防止及び中和反応熱による反応液温度の異常
な上昇を防止できる点で、安息香酸を多量に添加するよ
りも、分割して添加する方が効果的である。
上記の様に中和するに必要な理論量より多く1.05重量倍
以下であり、かつ生成液である安息香酸ソーダ水溶液へ
の飽和溶解量以下の安息香酸を添加した後、反応の第二
段階として反応液に溶解している過剰の安息香酸をカセ
イソーダ水溶液により中和して反応を完了させる。この
とき用いるカセイソーダ水溶液の濃度を低くすること
は、過剰の安息香酸を中和するのに必要な微量のカセイ
ソーダを添加する操作を容易にするため好ましい方法で
ある。
反応の制御及び終点の確認は反応液の水素イオン濃度に
基づいて行なうのが最も簡便な方法である。中和反応液
の水素イオン濃度は反応液の温度と生成安息香酸ソーダ
の濃度により変化し、50℃では、安息香酸ソーダ濃度10
重量%でpH8.00、20重量%でpH8.32、30重量%でpH8.6
4、35重量%でpH8.98となるため、あらかじめ生成する
安息香酸ソーダの濃度を計算し、その濃度に応じたpHに
なるように、カセイソーダ水溶液を加えて反応を完結さ
せることは好ましい方法である。
このようにして得られた安息香酸ソーダ水溶液を濃縮晶
析または蒸発乾固することにより安息香酸ソーダ結晶が
得られる。又、必要に応じて得られた安息香酸ソーダ結
晶を造粒して製品とする。
[作用] 安息香酸とカセイソーダの反応はイオン反応であり、安
息香酸がカセイソーダ水溶液に溶解した後始めて反応が
進行する。カセイソーダと溶解した安息香酸の反応は中
和反応であるため非常に早いことから、全体の反応速度
は安息香酸のカセイソーダ水溶液への溶解速度に左右さ
れているものと推定される。
あらかじめカセイソーダに対する中和するに必要な理論
量より多く1.05重量倍以下であり、かつ生成液である安
息香酸ソーダ水溶液への飽和溶解量以下の安息香酸を添
加すると、安息香酸の反応液への溶解速度は、初めに中
和量以下の安息香酸を加えた場合よりも速くなるものと
思われ、カセイソーダと中和量の安息香酸が反応し、過
剰の安息香酸が反応液に溶解している状態を短時間に形
成し、過剰の安息香酸が溶解している安息香酸ソーダ水
溶液をカセイソーダ水溶液で中和することによって、非
常に速やかに、かつ容易に反応を完結させることができ
るため、全体として中和反応に要する時間は著しく短縮
させることになる。
[実施例] 以下実施例にて本発明を具体的に説明する。
実施例1 反応進行状況を追跡するためのpH計を取り付けた反応容
器内の水252重量部に攪拌しながら48.5重量%カセイソ
ーダ水溶液100重量部を加え、40℃に保持した。該カセ
イソーダ水溶液に中和量の1.03倍に相当する安息香酸15
2重量部を一度に加えpHの変化を測定した。安息香酸添
加後5.2分でpH6.5となり、以後13.5重量%カセイソーダ
水溶液でpH9まで戻し反応を完結させ、濃度34.9重量%
の安息香酸ソーダ水溶液513重量部を得た。このとき、
反応に要した時間は合計12分であった。
実施例2 反応を追跡するためのpH計を取り付けた反応容器内の水
252重量部に攪拌しながら48.5重量%カセイソーダ水溶
液100重量部を加え、50℃に保持した。該カセイソーダ
水溶液に中和量の1.03倍に相当する安息香酸152重量部
を一度に加えpHの変化を測定した。安息香酸添加後3.1
分でpH6.8となり、以後13.5重量%カセイソーダ水溶液
でpH9まで戻し反応を完結させた。このとき、反応に要
した時間は合計10.5分であった。
比較例 反応を追跡するためのpH計を取り付けた反応容器内の水
252重量部に攪拌しながら48.5重量%カセイソーダ水溶
液100重量部を加え、40℃に保持した。カセイソーダに
対して中和量に相当する安息香酸148重量部を一度に加
えpHの変化を測定した。このとき、安息香酸の添加終了
時から20分後にpH8.8となり、中和反応に長時間を要し
た。
(ハ)発明の効果 本発明によれば、安息香酸とカセイソーダの中和反応に
よる安息香酸ソーダの製造を、短時間でかつ容易に行な
うことができ、この結果安息香酸ソーダを経済的に製造
することが可能となり、安息香酸ソーダを使用する食
品、医薬、有機合成化学業界に寄与すること大である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カセイソーダ水溶液と安息香酸との中和反
    応により安息香酸ソーダを得る方法において、カセイソ
    ーダ水溶液に水溶液中のカセイソーダを中和する必要な
    理論量より多く1.05重量倍以下であり、かつ反応生成液
    である安息香酸ソーダ水溶液への飽和溶解量以下の安息
    香酸を溶解した後、過剰の安息香酸をカセイソーダ水溶
    液の添加により中和して中和反応を完了させることを特
    徴とする安息香酸ソーダの製造方法。
JP27319887A 1987-10-30 1987-10-30 安息香酸ソーダの製造方法 Expired - Lifetime JPH0725718B2 (ja)

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