JPH07256803A - フェノール樹脂積層体、及びこれを用いたフェノール樹脂 成形体の製造方法 - Google Patents

フェノール樹脂積層体、及びこれを用いたフェノール樹脂 成形体の製造方法

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JPH07256803A
JPH07256803A JP6050753A JP5075394A JPH07256803A JP H07256803 A JPH07256803 A JP H07256803A JP 6050753 A JP6050753 A JP 6050753A JP 5075394 A JP5075394 A JP 5075394A JP H07256803 A JPH07256803 A JP H07256803A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量で強度に優れており、且つ断熱性が向上
した成形体が得られるフェノール樹脂積層体と、このフ
ェノール樹脂積層体を用いて得られるフェノール樹脂成
形体の製造方法を提供する。 【構成】 上下に開口したセル21を有するハニカム状
シート材2の層の上下に、発泡剤を含有したフェノール
樹脂初期縮合物とガラス繊維のチョップドストランドと
からなるSMCの層1aを形成してなるフェノール樹脂
積層体。このフェノール樹脂積層体を用いて得られるフ
ェノール樹脂成形体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の内装材等の自
動車部品、その他種々の成形品等の材料に用いられるフ
ェノール樹脂積層体とこれを用いて得られるフェノール
樹脂成形体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂初期縮合物とガラス繊維
からなるSMC(シートモールディングコンパウンド)
を加熱加圧成形して所望の形状に成形して得られるフェ
ノール樹脂成形体が、自動車の内装材、自動車外板、ス
ポイラー等の自動車部品、浴室内壁パネル、天井材等の
住宅部品、OA機器カバー等の各種カバー等に広く用い
られている。特に自動車の内装材等には、発泡剤を含有
したSMCを加熱加圧成形して得られる、低比重のフェ
ノール樹脂成形体が用いられている。この低比重のフェ
ノール樹脂成形体は、軽量であって且つ強度に優れてい
るが、自動車の内装材としては、さらに断熱性の向上が
求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、軽
量で強度に優れており、且つ断熱性が向上した成形体が
得られるフェノール樹脂積層体と、このフェノール樹脂
積層体を用いて得られるフェノール樹脂成形体の製造方
法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
フェノール樹脂積層体は、上下に開口したセル(21)
を有するハニカム状シート材(2)の層の上下に、発泡
剤を含有したフェノール樹脂初期縮合物とガラス繊維の
チョップドストランドとからなるSMCの層(1a)を
形成してなることを特徴とする。
【0005】請求項2に係るフェノール樹脂積層体は、
上記ハニカム状シート材(2)のセル(21)の上下に
開口した孔の径の最長距離が、3乃至30mmであるこ
とを特徴とする。
【0006】請求項3に係るフェノール樹脂積層体は、
上記SMCの層(1a)の上下表面側に不織布(3)の
層が形成されていることを特徴とする。
【0007】請求項4に係るフェノール樹脂成形体の製
造方法は、上記フェノール樹脂積層体を加熱加圧成形す
ることを特徴とする。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。図3は、
本発明のフェノール樹脂積層体の一例を示す一部を破断
した斜視図であり、図1(a)は、図3に示したフェノ
ール樹脂積層体の断面図である。図に示す如く、本発明
のフェノール樹脂積層体を構成するハニカム状シート材
(2)の層の上下には、SMCの層(1a)が形成され
ている。このフェノール樹脂積層体は、例えば、上記ハ
ニカム状シート材(2)の上下をSMC(1)で挟むと
形成することができる。このとき上記フェノール樹脂積
層体のSMCの層(1a)は、上記SMC(1)をハニ
カム状シート材(2)の層の上下両面に一枚ずつ積層し
てなるものであっても、複数枚ずつ積層してなるもので
あっても構わない。
【0009】上記SMCの層(1a)を形成するSMC
(1)は、発泡剤を含有したフェノール樹脂初期縮合物
とガラス繊維のチョップドストランドとからなるシート
である。上記SMC(1)を構成するフェノール樹脂初
期縮合物に用いるフェノール樹脂としては、フェノー
ル、アルキルフェノール、ビフェノール、ビスフェノー
ルA,ビスフェノールF等の各種フェノール化合物とホ
ルムアルデヒドとの反応によって得られるノボラック型
あるいはレゾール型のフェノール樹脂を用いることがで
きる。また、上記フェノール樹脂初期縮合物には、発泡
剤が含有されている。この発泡剤としては、例えば、ジ
ニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)等のニト
ロソテトラミン類、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p
−トルエンスルホニルヒドラジド、p,p’−オキシビ
スベンゼンスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒドラ
ジド類、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボン
アミド等のアゾ化合物類などの中から適宜選んで用いる
ことができる。さらに、上記フェノール樹脂初期縮合物
には、硬化剤、硬化促進剤、発泡助剤、難燃剤、粘度調
整剤、着色剤、整泡剤、界面活性剤、充填剤等の添加剤
を適宜加えてもよい。
【0010】上記SMCの層(1a)を構成するガラス
繊維のチョップドストランドとしては、繊維長が0.5
乃至300mmのものを用いることができ、好ましくは
10乃至50mmのものを用いるとよい。
【0011】上記SMCの層(1a)を形成する上記S
MC(1)の製造方法の一例を説明すると、例えば、ポ
リプロピレン、ポリエステル、ビニール等からなる離型
フィルムの上に、上述のフェノール樹脂と発泡剤と適当
な添加剤とを混合してなるフェノール樹脂組成物を塗布
し、このフェノール樹脂組成物の上に上記ガラス繊維の
チョップドストランドを散布し、さらにその上に上記離
型フィルムを載せたシートを、室温乃至70℃、好まし
くは30乃至50℃の範囲で1乃至7日間一次硬化させ
ると、上記フェノール樹脂組成物がBステージ状態のフ
ェノール樹脂初期縮合物となった、離型フィルム付きの
SMC(1)が得られる。上記SMC(1)は、上記離
型フィルムを剥離して使用されるものである。本発明の
SMCの層(1a)を形成する上記SMC(1)は、繊
維比率が5乃至50重量%(樹脂比率が95乃至50重
量%)の範囲のものが好ましい。さらに、上記SMC
(1)は、目付量が200乃至2000g/m2 の範囲
のものを用いるのが好ましい。
【0012】上記ハニカム状シート材(2)は、上下に
開口したセル(21)を有しており、このセル(21)
の上下に開口した孔の径の最長距離が、3乃至30mm
であることが好ましい。上記セル(21)の孔径が3m
m未満であると、ハニカム状シート材(2)の比重が大
きくなって、好ましくない。また、本発明のフェノール
樹脂積層体を加熱加圧成形したときに、溶融した上記S
MCの層(1a)を構成するフェノール樹脂初期縮合物
が、上記セル(21)内に浸入しにくくなる。上記セル
(21)の孔径が30mmを越えると、ハニカム状シー
ト材(2)の強度が低下する。上記ハニカム状シート材
(2)としては、例えば、紙、アルミニウム、ポリ塩化
ビニル、ポリプロピレン等からなるものを用いることが
できる。
【0013】図1(b)は本発明のフェノール樹脂成形
体の製造方法によって得られるフェノール樹脂成形体の
一例を示す断面図である。このフェノール樹脂成形体
は、上記フェノール樹脂積層体を加熱加圧成形すると得
られるものである。すなわち、上記フェノール樹脂積層
体を所定形状を有する成形金型にセットして加熱加圧成
形すると、上記SMCの層(1a)を構成するフェノー
ル樹脂初期縮合物が溶融して上記ハニカム状シート材
(2)のセル(21)内部に浸入し、このフェノール樹
脂初期縮合物が二次硬化してSMCの層(1b)を形成
する。その結果、このSMCの層(1b)とハニカム状
シート材(2)とが一体化したフェノール樹脂成形体が
得られる。このとき、ハニカム状シート材(2)のセル
(21)内の空気(22)は逃げ場を失ってセル(2
1)内に閉じ込められ、ハニカム状シート材(2)の層
に多量の空気(22)が含有される。したがって、この
ハニカム状シート材(2)の層によって、上記フェノー
ル樹脂成形体は軽量化がはかられるとともに、断熱性を
付与される。また、該フェノール樹脂成形体は、上記ハ
ニカム状シート材(2)が、セル(21)が上下に開口
した、構造的に上下方向からの負荷に対して頑強な形状
をしていることより、優れた強度を有している。本発明
のフェノール樹脂成形体の製造方法は、該フェノール樹
脂成形体の所望する厚み又は重量に応じて上記フェノー
ル樹脂積層体を複数枚積層して用いることもできる。ま
た、加熱加圧成形の成形条件は、金型温度が130〜1
90℃、圧力が400kg/cm2 までの範囲で行うと
良い。
【0014】図2(c)は本発明のフェノール樹脂積層
体の他の一例を示す断面図である。このフェノール樹脂
積層体は、図2(c)に示す如く、ハニカム状シート材
(2)の層の上下両面に形成された上記SMCの層(1
a)のさらに上下表面側に不織布(3)の層が形成され
ている。この図2(c)に示す如きフェノール樹脂積層
体は、上記SMC(1)の層のさらに上下表面側に不織
布(3)をそれぞれ積層して形成することができる。さ
らに、このフェノール樹脂積層体を上述の如く加熱加圧
成形すると、図2(d)に示す如く、表面に上記不織布
(3)の層が形成されたフェノール樹脂成形体を得るこ
とができる。すなわち、該フェノール樹脂積層体におい
ては、上記不織布(3)を化粧面として有するフェノー
ル樹脂成形体を一回の成形で得ることができ、化粧面を
後で糊付け等して接着する手間が省ける。
【0015】
【作用】本発明の請求項1に係るフェノール樹脂積層体
は、上下に開口したセル(21)を有するハニカム状シ
ート材(2)の層の上下に、発泡剤を含有したフェノー
ル樹脂初期縮合物とガラス繊維のチョップドストランド
とからなるSMCの層(1a)を形成してなるので、該
フェノール樹脂積層体を加熱加圧成形して得られるフェ
ノール樹脂成形体は、上記SMCの層(1a)と上記ハ
ニカム状シート材の層が、このハニカム状シート材のセ
ル内に空気を抱き込んだ状態で一体化する。すなわち、
加熱されて溶融した上記SMCの層(1a)を構成する
上記フェノール樹脂初期縮合物が、上記ハニカム状シー
ト材(2)のセル(21)内に該セル(21)の上下の
開口から浸入して硬化するので、セル(21)内の空気
は逃げ場を失ってセル(21)内に閉じ込められる。し
たがって、上記フェノール樹脂成形体は軽量であり、空
気を多量に含有するハニカム状シート材(2)の層が優
れた断熱効果を奏する。また、該フェノール樹脂成形体
は、上記ハニカム状シート材(2)がセル(21)が上
下に開口した構造的に上下方向からの負荷に対して頑強
な形状をしていることより、優れた強度を有している。
【0016】請求項2に係るフェノール樹脂積層体は、
上記ハニカム状シート材(2)のセル(21)の上下に
開口した孔の径の最長距離が、3乃至30mmの範囲内
であるので、該フェノール樹脂積層体を加熱加圧成形す
ると、軽量化と優れた強度を両立したフェノール樹脂成
形体が得られる。
【0017】請求項3に係るフェノール樹脂積層体は、
上記SMCの層(1a)の上下表面側に不織布(3)の
層が形成されているので、上記不織布(3)を化粧面と
して有するフェノール樹脂成形体を一回の成形で得るこ
とができ、化粧面を後で糊付け等して接着する手間が省
ける。
【0018】請求項4に係るフェノール樹脂成形体の製
造方法は、上記フェノール樹脂積層体を加熱加圧成形す
るので、得られたフェノール樹脂成形体は、軽量で強度
に優れており、且つ断熱性が向上する。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (フェノール樹脂組成物の調整)レゾール型液状フェノ
ール樹脂100重量部、離型剤としてステアリン酸亜鉛
を4重量部、発泡剤としてジニトロソペンタメチレンテ
トラミン(DPT)を3重量部、及び界面活性剤として
ポリエーテル変性シリコーンを2重量部配合してフェノ
ール樹脂組成物を得た。このフェノール樹脂組成物を下
記の実施例、及び比較例に用いた。 (実施例1)上記フェノール樹脂組成物をポリエステル
製の離型フィルムの上に塗布し、その上面から繊維長が
平均25mmのガラス繊維を散布し、さらにその上に上
記離型フィルムを載せて得られた離型フィルム付きシー
トを、40℃、2日間一次硬化させて上記レゾール型液
状フェノール樹脂がBステージ状態となった、繊維比率
が30重量%、樹脂比率が70重量%で、目付量が90
0g/m2 の離型フィルム付きSMCを得た。このSM
Cを離型フィルムを剥がした後、目付量200g/
2 、セルサイズ13mmの、紙製のハニカム状シート
材の上下両面に積層してフェノール樹脂積層体を形成し
た。このフェノール樹脂積層体をプレス成形機にセット
し、170℃、10kg/cm2 、120秒の成形条件
で加熱加圧成形して、厚み5.0mmの平板状のフェノ
ール樹脂成形体を得た。 (実施例2)上記フェノール樹脂組成物をポリエステル
製の離型フィルムの上に塗布し、その上面から繊維長が
平均25mmのガラス繊維を散布し、さらにその上に上
記離型フィルムを載せて得られた離型フィルム付きシー
トを、40℃、2日間一次硬化させて上記レゾール型液
状フェノール樹脂がBステージ状態となった、繊維比率
が30重量%、樹脂比率が70重量%で、目付量が14
00g/m2 の離型フィルム付きSMCを得た。このS
MCを離型フィルムを剥がした後、目付量200g/m
2 、セルサイズ13mmの、紙製のハニカム状シート材
の上下両面に積層し、さらに、上記SMCの上下表面側
に目付量30g/m2 のポリエステル繊維不織布を積層
してフェノール樹脂積層体を形成した。このフェノール
樹脂積層体をプレス成形機にセットし、170℃、10
kg/cm2 、120秒の成形条件で加熱加圧成形し
て、厚み5.0mmの平板状のフェノール樹脂成形体を
得た。 (実施例3)上記フェノール樹脂組成物をポリエステル
製の離型フィルムの上に塗布し、その上面から繊維長が
平均25mmのガラス繊維を散布し、さらにその上に上
記離型フィルムを載せて得られた離型フィルム付きシー
トを、40℃、2日間一次硬化させて上記レゾール型液
状フェノール樹脂がBステージ状態となった、繊維比率
が30重量%、樹脂比率が70重量%で、目付量が50
0g/m2 の離型フィルム付きSMCを得た。このSM
Cを離型フィルムを剥がした後、目付量200g/
2 、セルサイズ13mmの、紙製のハニカム状シート
材の上下両面に積層し、さらに、上記SMCの上下表面
側に目付量30g/m2 のポリエステル繊維不織布を積
層してフェノール樹脂積層体を形成した。このフェノー
ル樹脂積層体をプレス成形機にセットし、170℃、1
0kg/cm2 、120秒の成形条件で加熱加圧成形し
て、厚み100mmの平板状のフェノール樹脂成形体を
得た。 (比較例1)上記フェノール樹脂組成物をポリエステル
製離型フィルムの上に塗布し、その上面から繊維長が平
均25mmのガラス繊維を散布し、さらにその上に上記
離型フィルムを載せて得られた離型フィルム付きシート
を、40℃、2日間一次硬化させて上記レゾール型液状
フェノール樹脂がBステージ状態となった、繊維比率が
30重量%、樹脂比率が70重量%で、目付量が300
0g/m2 の離型フィルム付きSMCを得た。このSM
Cを離型フィルムを剥がした後、プレス成形機にセット
し、170℃、10kg/cm2 、120秒の成形条件
で加熱加圧成形して、厚み5.0mmの平板状のフェノ
ール樹脂成形体を得た。 (性能の評価)上記実施例1乃至実施例3と比較例1及
び比較例2で得られたフェノール樹脂成形体の比重を測
定し、曲げ試験、及び断熱性試験を行った。上記曲げ試
験は、図4に示す如く、ASTMの曲げ強さの試験法に
おいて、得られたフェノール樹脂成形体を切り出して形
成した試験片(7)を支持台(8)(8)上にスパン1
00mmに調節して載せ、この試験片(7)の中央部に
上方から荷重速度50mm/分で押圧して、曲げ強度、
及び曲げ弾性率を測定した 上記断熱性試験は、図5に示す如き、得られたフェノー
ル樹脂成形体を切り出して形成した試験片(4)を遠赤
外線照射器(6)に対向する位置に設置し、この試験片
(4)と遠赤外線照射器(6)の間に鉄板(5)を試験
片(4)と平行に挿入した装置を用いて行った。すなわ
ち、上記遠赤外線照射器(6)から鉄板(5)に向かっ
て遠赤外線を照射して鉄板(5)を加熱し、この加熱さ
れた鉄板(5)の輻射熱によって加熱される試験片
(4)の鉄板側の表面(A)と裏面(B)の温度をそれ
ぞれ測定し、その温度差によって評価した。このとき、
上記試験片(4)の表面(A)と裏面(B)の温度差が
大きいと、表面(A)側から裏面(B)側へ伝熱されに
くいものであって、したがって、断熱性が大きいと評価
できるものである。測定は、上記試験片(4)の表面
(A)の温度を80℃に加熱したときの裏面(B)の温
度を測定し、このときの温度差で評価した。
【0020】これら測定結果を(表1)に示す。
【0021】
【表1】
【0022】(表1)から、実施例1乃至実施例3は比
較例1と比べて断熱性試験において、加熱されている表
面(A)とその裏面(B)との温度差が大きく、断熱性
が向上していることがわかる。その他の性能を比較する
と、実施例1及び実施例2は比較例1と比較して、比重
において同等若しくはそれ以上に軽量であって、且つ曲
げ強度及び曲げ弾性率においても同等若しくはそれ以上
の値を示しており、同等以上の強度を備えていることが
わかる。実施例3は比較例1と比較して、曲げ強度に若
干の劣化が見られるものの、曲げ弾性率は向上してお
り、比重に至っては大幅に軽量化され、断熱性は実施例
中で最も向上している。
【0023】以上の結果から、実施例1乃至実施例3は
比較例1と比較してほぼ同等若しくはそれ以上の強度及
び軽量さを保ちつつ、断熱性を向上させることができる
ものであった。
【0024】
【発明の効果】本発明の請求項1に係るフェノール樹脂
積層体は、上下に開口したセル(21)を有するハニカ
ム状シート材(2)の層の上下に、発泡剤を含有したフ
ェノール樹脂初期縮合物とガラス繊維のチョップドスト
ランドとからなるSMCの層(1a)を形成してなるの
で、該フェノール樹脂積層体を加熱加圧成形して得られ
るフェノール樹脂成形体は、上記SMCの層(1a)と
上記ハニカム状シート材の層が、このハニカム状シート
材のセル内に空気を抱き込んだ状態で一体化する。すな
わち、加熱されて溶融した上記SMCの層(1a)を構
成する上記フェノール樹脂初期縮合物が、上記ハニカム
状シート材(2)のセル(21)内に該セル(21)の
上下の開口から浸入して硬化するので、セル(21)内
の空気は逃げ場を失ってセル(21)内に閉じ込められ
る。したがって、上記フェノール樹脂成形体は軽量であ
り、空気を多量に含有するハニカム状シート材(2)の
層が優れた断熱効果を奏する。また、該フェノール樹脂
成形体は、上記ハニカム状シート材(2)がセル(2
1)が上下に開口した構造的に上下方向からの負荷に対
して頑強な形状をしていることより、優れた強度を有し
ている。
【0025】請求項2に係るフェノール樹脂積層体は、
上記ハニカム状シート材(2)のセル(21)の上下に
開口した孔の径の最長距離が、3乃至30mmの範囲内
であるので、該フェノール樹脂積層体を加熱加圧成形す
ると、軽量化と優れた強度を両立したフェノール樹脂成
形体が得られる。
【0026】請求項3に係るフェノール樹脂積層体は、
上記SMCの層(1a)の上下表面側に不織布(3)の
層が形成されているので、上記不織布(3)を化粧面と
して有するフェノール樹脂成形体を一回の成形で得るこ
とができ、化粧面を後で糊付け等して接着する手間が省
ける。
【0027】請求項4に係るフェノール樹脂成形体の製
造方法は、上記フェノール樹脂積層体を加熱加圧成形す
るので、得られたフェノール樹脂成形体は、軽量で強度
に優れており、且つ断熱性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明のフェノール樹脂積層体の一
例を示す断面図であり、(b)は(a)に示すフェノー
ル樹脂積層体を用いて得られるフェノール樹脂成形体を
示す断面図である。
【図2】(c)は、本発明のフェノール樹脂積層体の他
の一例を示す断面図であり、(d)は(c)に示すフェ
ノール樹脂積層体を用いて得られるフェノール樹脂成形
体を示す断面図である。
【図3】本発明のフェノール樹脂積層体の一例を示す一
部を破断した斜視図である。
【図4】本発明の実施例における曲げ試験の測定方法を
示す側面図である。
【図5】本発明の実施例における断熱性試験の測定方法
を示す側面図である。
【符号の説明】
1 SMC 1a SMCの層 1b SMCの層 2 ハニカム状シート材 21 セル 3 不織布
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/42 7421−4F // B60R 13/02 Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下に開口したセル(21)を有するハ
    ニカム状シート材(2)の層の上下に、発泡剤を含有し
    たフェノール樹脂初期縮合物とガラス繊維のチョップド
    ストランドとからなるSMCの層(1a)を形成してな
    ることを特徴とするフェノール樹脂積層体。
  2. 【請求項2】 上記ハニカム状シート材(2)のセル
    (21)の上下に開口した孔の径の最長距離が、3乃至
    30mmであることを特徴とする請求項1記載のフェノ
    ール樹脂積層体。
  3. 【請求項3】 上記SMCの層(1a)の上下表面側に
    不織布(3)の層が形成されていることを特徴とする請
    求項1又は請求項2記載のフェノール樹脂積層体。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3いずれか記載のフ
    ェノール樹脂積層体を加熱加圧成形することを特徴とす
    るフェノール樹脂成形体の製造方法。
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