JPH07256571A - 搬送車における物品片持ち担持装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 搬送車に担持されて移動する物品に対する部
品組立て作業性を向上させる。 【構成】 搬送車上の昇降部材（１０）の前面に傾動部
材９を取付け、傾動部材に立面内で回転する物品担持部
材（１４）を取付け、担持部材に物品（Ｅ）を支持さ
せ、物品（Ｅ）を昇降、傾動、回動可能に片持ち担持し
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、搬送車に支持された物
品に対する部品の組付け又は加工等の作業を作業工程の
流れの中で行うに適した物品の担持装置であって、物品
は、例えば、自動車、自動二輪車等の車両用エンジン、
トランスミッション、装備機器等ばかりでなく、農機
具、複写機器、家庭電化製品等の小型、中型の機器等が
挙げられる。

【０００２】

【従来の技術】従来の無軌道搬送車、特に車両等のエン
ジン組立て工程で使用される無人搬送車Ｖは、図５に斜
視図で示す如く、上面の載荷台Ｍ上にエンジンを搭載固
定し、組立て工程の各組立て作業位置を経て次工程へ移
動するために使用されるものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来技術においては、エンジン等を載荷台Ｍの上面に搭載
しているために、エンジン等の上部、前後部および左右
側部に部品を組付ける作業においては作業者が搬送車の
周辺を移動し乍ら載荷台Ｍ上のエンジン等に手を延ばし
て組付けねばならなかった。しかも、エンジン等の上面
および前後左右の下部側面は作業者が不自然な姿勢での
組付け作業を強いられ、作業性がきわめて悪いという欠
点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上述し
た従来技術の課題を解決するための、エンジン等を搬送
車の立面に片持ち担持させ、しかも、担持されたエンジ
ン等を昇降、回転および傾動可能にしたものであって、
車台上に駆動ねじ軸を立設し、該ねじ軸に螺合するナッ
ト部材に傾動レバーを介して傾動部材を連結するととも
に横軸ピンを介して該傾動部材を昇降部材に傾動自在に
支持し、該傾動部材の傾動面に突出した回転駆動横軸に
物品片持ち担持部材を設け、前記昇降部材を車台上枠体
に係脱する傾動ロックプランジャおよびナット部材を昇
降部材に係脱する昇降ロックプランジャを夫々設けた物
品片持ち担持装置である。

【０００５】

【作用】昇降部材の立面に物品片持ち担持部材を設ける
ことによって、該担持部材に治具を介して取付けたエン
ジン等の物品を最適の作業位置高さに昇降し、該担持部
材を横軸を中心に回動させそして傾動させることによっ
て、該エンジン等に対する部品取付け個所を作業性のよ
い高さおよび向きに位置させるものである。

【０００６】

【実施例】図１は、本発明の物品片持ち担持装置を一部
断面で示した搬送車側面図であって矢印Ｄ方向に走行
し、搬送車１の車台前後には夫々走行車輪Ｗ１およびＷ
２を取付け、車台中央後部側にはバッテリ等を含む駆動
装置および制御装置等を収納した筐体２が搭載され、該
筐体２上には昇降台３上のローラコンベヤを介して部品
棚４が搭載されている。

【０００７】台車前部側にはモータＭ１で駆動される駆
動ねじ軸５の上下端を回動自在に立設支承した枠体６が
搭載され、該駆動ねじ軸５に螺合するナット部材７に傾
動レバー８を介して連結されている傾動部材９は前記ね
じ軸５を遊挿した昇降部材１０に横軸ピンＰにより回動
自在に軸支され、該昇降部材１０には、図２に示すよう
な昇降ロックプランジャ１１と傾動ロックプランジャ１
２を有するソレノイド作動プランジャボデー１１Ａと１
２Ａとが取付けられ、昇降ロックプランジャ１１はナッ
ト部材７に形成したロック穴７Ａに挿脱し、該プランジ
ャ１１がナット部材７のロック穴７Ａに挿入したとき
は、ナット部材７と昇降部材１０とは一体になって昇降
し、離脱時にはナット部材７のみが昇降して傾動部材９
を傾動レバー８を介して横軸ピンＰを中心に傾動させ
る。そして、該傾動時に昇降部材１０を遊動させないよ
うに傾動ロックプランジャ１２が枠体６の直立壁面に凹
設したロック穴６Ａに挿通する。そして、昇降枠体１０
の昇降時には該プランジャ１２はロック穴６Ａより離脱
させる。

【０００８】傾動部材９の前部立面に突設した回転横軸
１３は該傾動部材９に取付けたモータＭ２によって回転
駆動され、該回転横軸１３の先端部には、物品を片持ち
担持する物品片持ち担持部材１４が取付けられている。
したがって、物品片持ち担持部材１４に担持された物品
は、昇降部材１０により昇降動し、図３に示すように傾
動部材９により傾動し、回転横軸１３により回動するこ
とになる。また、昇降部材１０は枠体６に固設した昇降
案内レールＧに嵌合滑動する案内部材１５Ａおよび１５
Ｂを有している。

【０００９】図４（Ａ）および（Ｂ）に示すように、物
品片持ち担持部材１４に突設した複数の段付き取付け軸
１６には取付け治具１７が係止懸架され、該治具１７に
は、例えば自動車用エンジンのような物品Ｅが片持ち支
持されている。そして、物品片持ち担持部材１４には治
具１７が回転時に取付け軸１６の係止懸架状態から浮動
離脱しないように浮動防止レバー１８が取付けられ、該
レバー１８の先端は図４（Ａ）に図示の如く治具１７の
内周面１７Ａに当接している。

【００１０】

【発明の効果】昇降ロックプランジャ１１をロック作動
させて昇降部材とナット部材をロックするとともに、傾
動ロックプランジャを後退させて昇降部材と枠体とをア
ンロックにしてねじ軸を回転させると、ナット部材とと
もに昇降部材が昇降するから、物品片持ち担持部材に担
持された物品を作業し易い高さ位置に昇降させることが
でき、また、物品片持ち担持部材が回転できるから物品
の両側面および底面を回動によって上面に位置させて物
品の施工作業部分を常に最適作業姿勢で施工することが
でき、また、傾動部材を傾動させて物品の前面を上向き
に傾斜させることによって作業性をさらに増大させるこ
とができる。

【００１１】また、物品を立面で片持ち担持することに
よって、作業者が物品の近くを移動し易くなり、また、
物品の三方から施工作業が行えるから同時に複数の作業
者による施工が可能になり、作業能率の著しい向上を図
ることができる等、自動車エンジンの組立て作業等にお
いて著大な効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一部断面による概略正面図である。

【図２】本発明の物品片持ち担持部材を省略した要部概
略側面図である。

【図３】図１の物品傾動説明図である。

【図４】（Ａ）は本発明の物品片持ち担持部材の概略正
面図、（Ｂ）は（Ａ）のＢ−Ｂ線側面図である。

【図５】従来例の搬送車の斜視図である。

【符号の説明】

１ 搬送車 ５ 駆動ねじ軸 ６ 車台上枠体 ７ ナット部材 ８ 傾動レバー ９ 傾動部材 １０ 昇降部材 １１ 昇降ロックプランジャ １２ 傾動ロックプランジャ １３ 回転横軸 １４ 物品片持ち担持部材

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車台上枠体に駆動ねじ軸を立設し、該ね
   じ軸に螺合する昇降部材の立面に物品片持ち担持部材を
   設けた搬送車における物品片持ち担持装置。
2. 【請求項２】 物品片持ち担持部材を昇降部材の立面に
   突出した回転横軸に設けた請求項１記載の物品片持ち担
   持装置。
3. 【請求項３】 物品片持ち担持部材を昇降部材に軸支し
   た傾動部材に設けた請求項１記載の物品片持ち担持装
   置。
4. 【請求項４】 昇降部材に軸支した傾動部材の傾動面に
   突出した回転駆動横軸に物品片持ち担持部材を設けた請
   求項１記載の物品片持ち担持装置。
5. 【請求項５】 車台上に駆動ねじ軸を立設し、該ねじ軸
   に螺合するナット部材に傾動レバーを介して傾動部材を
   連結するとともに横軸ピンを介して該傾動部材を昇降部
   材に吊持し、該傾動部材の傾動面に突出した回転駆動横
   軸に物品片持ち担持部材を設け、前記昇降部材を車台上
   枠体に係脱する傾動ロックプランジャおよびナット部材
   を昇降部材に係脱する昇降ロックプランジャを夫々設け
   た物品片持ち担持装置。
6. 【請求項６】 搬送車を無軌道無人搬送車とした請求項
   １ないし請求項５記載の物品片持ち担持装置。