JPH07253504A - 無機質組成物の製造方法、積層体の製造方法及びペン入力パネル用保護材料の製造方法 - Google Patents
無機質組成物の製造方法、積層体の製造方法及びペン入力パネル用保護材料の製造方法Info
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- JPH07253504A JPH07253504A JP7314794A JP7314794A JPH07253504A JP H07253504 A JPH07253504 A JP H07253504A JP 7314794 A JP7314794 A JP 7314794A JP 7314794 A JP7314794 A JP 7314794A JP H07253504 A JPH07253504 A JP H07253504A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 基材上に耐擦傷性に優れた多孔質の被膜を積
層するのに適した無機質組成物を容易に製造し得る方法
を提供する。 【構成】 Si(OR)4 (式中、Rは炭素数1〜5の
アルキル基)で表されるアルコキシシラン1モル、pH
が10.0〜12.0の塩基性水溶液2〜8モル及び有
機溶媒10〜30モルを混合して得られる縮合組成物
(A)と、(R2 ) n Si(OR1 )4-n (式中、R1
およびR2 は炭素数1〜5のアルキル基、nは0〜3の
整数)で表されるアルコキシシラン1モル、pHが0〜
2.6の酸性水溶液3〜8モル及び有機溶媒10〜30
モルとを混合して得られる縮合組成物(B)とを、A/
B=0.4〜2.4(重量比)で混合する。
層するのに適した無機質組成物を容易に製造し得る方法
を提供する。 【構成】 Si(OR)4 (式中、Rは炭素数1〜5の
アルキル基)で表されるアルコキシシラン1モル、pH
が10.0〜12.0の塩基性水溶液2〜8モル及び有
機溶媒10〜30モルを混合して得られる縮合組成物
(A)と、(R2 ) n Si(OR1 )4-n (式中、R1
およびR2 は炭素数1〜5のアルキル基、nは0〜3の
整数)で表されるアルコキシシラン1モル、pHが0〜
2.6の酸性水溶液3〜8モル及び有機溶媒10〜30
モルとを混合して得られる縮合組成物(B)とを、A/
B=0.4〜2.4(重量比)で混合する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基材上に耐擦傷性に優
れた多孔質の被膜を形成するのに適した無機質組成物の
製造方法、基材上に耐擦傷性に優れ反射防止効果の高い
多孔質の被膜が形成された積層体の製造方法及びペン入
力パネル用保護材料の製造方法に関する。
れた多孔質の被膜を形成するのに適した無機質組成物の
製造方法、基材上に耐擦傷性に優れ反射防止効果の高い
多孔質の被膜が形成された積層体の製造方法及びペン入
力パネル用保護材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラスは、カラーテレビのブラウン管
や、自動車のフロントガラス、太陽電池などに広く用い
られているが、ガラス表面で外部光線が反射すると、映
り込みのために画像や内部物体が見え難くなったり、太
陽電池のエネルギー変換効率が低くなったりする。この
問題を解決するためにガラスに低屈折率の反射防止用多
孔質薄膜を積層させて積層体とし、外部光線の反射を低
減させる方法がある。この積層体を作製する方法として
は、例えば、水または有機溶媒で分散したコロイダルシ
リカにアルコキシシランを混合し、アルコールに溶解し
た混合液を加水分解し部分重縮合させたゾル溶液からな
る組成物を、ガラスに塗布、熱処理し、硬化時のシリカ
ゾルとコロイダルシリカの熱収縮の差異を利用して多孔
化された薄膜を形成させる方法(特開昭62−1704
4号公報)があるが、この方法には、コロイダルシリカ
をアルコキシシランに均一に分散させる工程が必要なこ
と、および分散をよくするために、高性能な装置を必要
とすることなどの問題点がある。
や、自動車のフロントガラス、太陽電池などに広く用い
られているが、ガラス表面で外部光線が反射すると、映
り込みのために画像や内部物体が見え難くなったり、太
陽電池のエネルギー変換効率が低くなったりする。この
問題を解決するためにガラスに低屈折率の反射防止用多
孔質薄膜を積層させて積層体とし、外部光線の反射を低
減させる方法がある。この積層体を作製する方法として
は、例えば、水または有機溶媒で分散したコロイダルシ
リカにアルコキシシランを混合し、アルコールに溶解し
た混合液を加水分解し部分重縮合させたゾル溶液からな
る組成物を、ガラスに塗布、熱処理し、硬化時のシリカ
ゾルとコロイダルシリカの熱収縮の差異を利用して多孔
化された薄膜を形成させる方法(特開昭62−1704
4号公報)があるが、この方法には、コロイダルシリカ
をアルコキシシランに均一に分散させる工程が必要なこ
と、および分散をよくするために、高性能な装置を必要
とすることなどの問題点がある。
【0003】また、近年、透明プラスチック材料が、軽
量性、易加工性、耐衝撃性の特徴を生かし、ガラスに代
わって、光学レンズ、メガネレンズ、建築物の窓等に広
く利用されているが、耐擦傷性に乏しくハードコーティ
ング処理を必要としている。さらに、ガラス同様反射防
止薄膜を積層させて積層体とし、外部光線の反射を低減
させる必要がある。この積層体を作製する方法として
は、例えば、フッ素樹脂系の材料を透明プラスチック材
料に塗布、熱処理して薄膜を形成させる方法(特開平2
−123771号公報)があるが、このフッ素樹脂系の
材料は強度面で問題があり、メガネレンズ等の耐擦傷性
が要求される用途には用いにくいという問題点がある。
量性、易加工性、耐衝撃性の特徴を生かし、ガラスに代
わって、光学レンズ、メガネレンズ、建築物の窓等に広
く利用されているが、耐擦傷性に乏しくハードコーティ
ング処理を必要としている。さらに、ガラス同様反射防
止薄膜を積層させて積層体とし、外部光線の反射を低減
させる必要がある。この積層体を作製する方法として
は、例えば、フッ素樹脂系の材料を透明プラスチック材
料に塗布、熱処理して薄膜を形成させる方法(特開平2
−123771号公報)があるが、このフッ素樹脂系の
材料は強度面で問題があり、メガネレンズ等の耐擦傷性
が要求される用途には用いにくいという問題点がある。
【0004】ところで、ガラスや透明プラスチックス材
料が外部光線を反射する原因は、光が媒体から別の物質
に入射される際、その屈折率の差により界面で反射する
からである。上記の場合では、媒体となる空気の屈折率
と基材であるガラスや透明プラスチックス材料の屈折率
が異なるため、その界面で光の反射および損失が起こ
る。
料が外部光線を反射する原因は、光が媒体から別の物質
に入射される際、その屈折率の差により界面で反射する
からである。上記の場合では、媒体となる空気の屈折率
と基材であるガラスや透明プラスチックス材料の屈折率
が異なるため、その界面で光の反射および損失が起こ
る。
【0005】上記の光の反射および損失を軽減させるた
めに、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ
リング法などを用いて屈折率の異なる薄膜を多層積層さ
せる方法があった。この方法は膜厚制御や、広い波長範
囲で反射防止効果が得られる等の利点があるが、ある限
られた空間で薄膜を製造するため大面積の基材には適さ
ず、コストの点で工業的に不向きであり、また、複雑な
形状の基材には適用できないという問題点があった。
めに、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ
リング法などを用いて屈折率の異なる薄膜を多層積層さ
せる方法があった。この方法は膜厚制御や、広い波長範
囲で反射防止効果が得られる等の利点があるが、ある限
られた空間で薄膜を製造するため大面積の基材には適さ
ず、コストの点で工業的に不向きであり、また、複雑な
形状の基材には適用できないという問題点があった。
【0006】ある基材の反射率を0にするための薄膜の
積層条件は(1)、(2)式で表現される。 n1 =(no ns )0.5 ・・・(1) n1 t1 =(λ/4),(3λ/4),(5λ/4)・・・(2) no :空気の屈折率(no =1である)、ns :基材の
屈折率、n1 : 薄膜の屈折率、t1 :薄膜の膜厚、
λ:入射光波長 このように、基材の屈折率に応じて、積層する薄膜の屈
折率と膜厚を制御する必要がある。
積層条件は(1)、(2)式で表現される。 n1 =(no ns )0.5 ・・・(1) n1 t1 =(λ/4),(3λ/4),(5λ/4)・・・(2) no :空気の屈折率(no =1である)、ns :基材の
屈折率、n1 : 薄膜の屈折率、t1 :薄膜の膜厚、
λ:入射光波長 このように、基材の屈折率に応じて、積層する薄膜の屈
折率と膜厚を制御する必要がある。
【0007】薄膜の屈折率を制御する方法に関する従来
技術としては、シランカップリング剤、各種の酸化物
ゾル及びエポキシ樹脂からなる組成物を基材に塗布し、
硬化後、酸またはアルカリ水溶液に浸漬して酸化物ゾル
を選択的に溶出させ、薄膜を多孔質化する方法(特開平
1−312501号公報)、シリコンアルコキシドに
MgF2 の微粒子を分散させたものを、基材に塗布し薄
膜化するもの(特開平2−256001号公報)、シ
リコンアルコキシドとポリエーテルと有機溶媒とよりな
る組成物を基材に塗布し、次いで膜中のポリエーテルを
有機溶媒で溶出させ、薄膜を多孔質化する方法(特開平
3−199043号公報)等があった。
技術としては、シランカップリング剤、各種の酸化物
ゾル及びエポキシ樹脂からなる組成物を基材に塗布し、
硬化後、酸またはアルカリ水溶液に浸漬して酸化物ゾル
を選択的に溶出させ、薄膜を多孔質化する方法(特開平
1−312501号公報)、シリコンアルコキシドに
MgF2 の微粒子を分散させたものを、基材に塗布し薄
膜化するもの(特開平2−256001号公報)、シ
リコンアルコキシドとポリエーテルと有機溶媒とよりな
る組成物を基材に塗布し、次いで膜中のポリエーテルを
有機溶媒で溶出させ、薄膜を多孔質化する方法(特開平
3−199043号公報)等があった。
【0008】上記の方法は、酸化物ゾルの溶解度が低
いため溶出に時間がかかること、組成物の濃度を上げる
と薄膜の強度が低下すること、膜厚方向に屈折率分布が
生じ易いこと等の問題点があった。上記の方法は、M
gF2 の微粒子を分散させる工程が必要なこと、分散を
よくするために高性能な装置を必要とすること、制御で
きる屈折率の範囲が1.34〜1.46の範囲であり狭
くまたその精度も悪いこと等の問題点があった。上記
の方法は、ポリエーテルの有機溶媒への溶解度が低いた
め溶出に時間がかかること、薄膜が有機溶媒により膨潤
し薄膜強度が低下すること、膜厚方向に屈折率分布が生
じ易いこと等の問題点があった。
いため溶出に時間がかかること、組成物の濃度を上げる
と薄膜の強度が低下すること、膜厚方向に屈折率分布が
生じ易いこと等の問題点があった。上記の方法は、M
gF2 の微粒子を分散させる工程が必要なこと、分散を
よくするために高性能な装置を必要とすること、制御で
きる屈折率の範囲が1.34〜1.46の範囲であり狭
くまたその精度も悪いこと等の問題点があった。上記
の方法は、ポリエーテルの有機溶媒への溶解度が低いた
め溶出に時間がかかること、薄膜が有機溶媒により膨潤
し薄膜強度が低下すること、膜厚方向に屈折率分布が生
じ易いこと等の問題点があった。
【0009】また、本発明は、ペン入力パネル用保護材
料の製造方法も提供するものである。ペン入力パネル用
保護材料とは、ペン入力パネルの表面の保護に使用され
る材料である。ペン入力パネルとは、ペンでディスプレ
ー面上に文字や図形を入力できる、タブレットを用いた
パネルのことであり、パソコンや携帯用電子手帳、ワー
プロ等に利用されている。
料の製造方法も提供するものである。ペン入力パネル用
保護材料とは、ペン入力パネルの表面の保護に使用され
る材料である。ペン入力パネルとは、ペンでディスプレ
ー面上に文字や図形を入力できる、タブレットを用いた
パネルのことであり、パソコンや携帯用電子手帳、ワー
プロ等に利用されている。
【0010】上記ペン入力パネルのタブレットの位置検
出方式には、電磁誘導方式、抵抗膜方式、静電結合方式
等があり、パソコンには電磁誘導方式、電子手帳には抵
抗膜方式が用いられている。
出方式には、電磁誘導方式、抵抗膜方式、静電結合方式
等があり、パソコンには電磁誘導方式、電子手帳には抵
抗膜方式が用いられている。
【0011】電磁誘導方式のタブレットを用いたペン入
力パネルは、一般的に図1の構成である。1は保護膜も
しくは表面処理層、2はガラスもしくはアクリル板で作
製された保護材料、3はLCD(液晶表示素子)ユニッ
ト、4は格子状にアンテナ回路を形成したセンサー板、
5はプリント配線板等、6は支持板である。
力パネルは、一般的に図1の構成である。1は保護膜も
しくは表面処理層、2はガラスもしくはアクリル板で作
製された保護材料、3はLCD(液晶表示素子)ユニッ
ト、4は格子状にアンテナ回路を形成したセンサー板、
5はプリント配線板等、6は支持板である。
【0012】入力は、ポリアセタール樹脂製のペン先を
有する電子ペンより発生する電磁波を、センサー板4内
のアンテナが受信して、ペン先が存在する画面上の位置
を検出する方式である。。このような操作の連続により
文字や図形を描いたり、情報の入力が可能となる。
有する電子ペンより発生する電磁波を、センサー板4内
のアンテナが受信して、ペン先が存在する画面上の位置
を検出する方式である。。このような操作の連続により
文字や図形を描いたり、情報の入力が可能となる。
【0013】抵抗膜方式のタブレットを用いたペン入力
パネルは、一般的に図2の構成である。7は保護膜、8
はポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレート
フィルム等の上部透明シート、9は上記の透明シートに
スパッタリング法や真空蒸着法等により導電材料を塗布
することにより得られた透明導電性薄膜、10はドット
スペーサー、11はポリエステルフィルム、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム等の下部透明シート、12は
ガラス等の支持基材である。
パネルは、一般的に図2の構成である。7は保護膜、8
はポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレート
フィルム等の上部透明シート、9は上記の透明シートに
スパッタリング法や真空蒸着法等により導電材料を塗布
することにより得られた透明導電性薄膜、10はドット
スペーサー、11はポリエステルフィルム、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム等の下部透明シート、12は
ガラス等の支持基材である。
【0014】入力方法としては、まず、利用者がアセタ
ール樹脂等で作製されたペンで保護膜7を有する上部透
明シート8上に入力したい文字や図形を描く。上部透明
シート8と下部透明シート11が接触することにより電
流が流れ、コンピュータはその際の抵抗値より瞬時に、
水平方向、垂直方向を感知し、その映像を画面に表示す
る。このような操作の連続により文字や図形を描いた
り、情報の入力が可能となる。
ール樹脂等で作製されたペンで保護膜7を有する上部透
明シート8上に入力したい文字や図形を描く。上部透明
シート8と下部透明シート11が接触することにより電
流が流れ、コンピュータはその際の抵抗値より瞬時に、
水平方向、垂直方向を感知し、その映像を画面に表示す
る。このような操作の連続により文字や図形を描いた
り、情報の入力が可能となる。
【0015】従来、これらのペン入力パネルは、入力作
業による傷付き防止のための保護膜1もしくは保護膜7
と、入力用ペンとの間に適当な摩擦が無かったため、滑
り易く書き味感に欠けるものであった。
業による傷付き防止のための保護膜1もしくは保護膜7
と、入力用ペンとの間に適当な摩擦が無かったため、滑
り易く書き味感に欠けるものであった。
【0016】抵抗膜方式のタブレットを用いたペン入力
パネルに関しては、この書き味感を良くするために、ド
ットスペーサー10のドット径およびドット高さを調節
し、書き味感を改善したものがある(特開平4−62
3)。ドット径およびドット高さは、基本的には小さい
方が入力に対する分解能が良くなる。従って、上記ドッ
トスペーサーの径および高さで書き味感を得るために
は、ある程度の大きさが必要であり、そのために分解能
が犠牲になる可能性がある。また、入力用ペンと直接接
触する部分は、保護膜7なのでその間のすべり感は充分
に改善されたとは言えず、紙に鉛筆で記入するような書
き味感は得られない。
パネルに関しては、この書き味感を良くするために、ド
ットスペーサー10のドット径およびドット高さを調節
し、書き味感を改善したものがある(特開平4−62
3)。ドット径およびドット高さは、基本的には小さい
方が入力に対する分解能が良くなる。従って、上記ドッ
トスペーサーの径および高さで書き味感を得るために
は、ある程度の大きさが必要であり、そのために分解能
が犠牲になる可能性がある。また、入力用ペンと直接接
触する部分は、保護膜7なのでその間のすべり感は充分
に改善されたとは言えず、紙に鉛筆で記入するような書
き味感は得られない。
【0017】さらに、従来この種の保護膜1もしくは保
護膜7の材料には、SiO2 系やSiO2 と有機膜を積
層したものが用いられていた(特開平4−171521
号公報)。これらの膜には、表面状態が緻密なために、
入力時にペンが滑り易く書き味感に乏しいこと、屈折率
が高いために(SiO2 の屈折率は1.46)、外部光
線の映り込みなどで、画面が見えにくいこと等の問題点
があった。
護膜7の材料には、SiO2 系やSiO2 と有機膜を積
層したものが用いられていた(特開平4−171521
号公報)。これらの膜には、表面状態が緻密なために、
入力時にペンが滑り易く書き味感に乏しいこと、屈折率
が高いために(SiO2 の屈折率は1.46)、外部光
線の映り込みなどで、画面が見えにくいこと等の問題点
があった。
【0018】現在、保護材料2、上部透明フィルム8に
用いられる部材の屈折率は1.5〜1.6の範囲のもの
が多いので、前記の(1)、(2)式で計算すると、積
層する薄膜の屈折率としては、1.22〜1.26の範
囲のものが必要とされる。現在このような低屈折率を有
し、しかも安定した材料は無く、できる限り積層させる
薄膜の屈折率を低下させ、反射率を減少させているのが
現状である。これら低屈折率材料では特開昭61−24
7743号公報に提案されたフッ素樹脂系の材料がある
が、この材料は強度面で問題があり、保護膜としては用
いることはできず、またフッ素による低摩擦性のため
に、書き味感の改良は得られない。
用いられる部材の屈折率は1.5〜1.6の範囲のもの
が多いので、前記の(1)、(2)式で計算すると、積
層する薄膜の屈折率としては、1.22〜1.26の範
囲のものが必要とされる。現在このような低屈折率を有
し、しかも安定した材料は無く、できる限り積層させる
薄膜の屈折率を低下させ、反射率を減少させているのが
現状である。これら低屈折率材料では特開昭61−24
7743号公報に提案されたフッ素樹脂系の材料がある
が、この材料は強度面で問題があり、保護膜としては用
いることはできず、またフッ素による低摩擦性のため
に、書き味感の改良は得られない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの問
題点を解決するものであり、その目的は、基材上に耐擦
傷性に優れた多孔質の被膜を積層するのに適した無機質
組成物を容易に製造し得る方法、基材上に耐擦傷性に優
れ反射防止効果の高い多孔質の被膜が形成された積層体
を容易に製造し得る方法、及び耐擦傷性に優れ、書き味
感がよく且つ高度に反射防止されたペン入力パネル用保
護材料の製造方法を提供することにある。
題点を解決するものであり、その目的は、基材上に耐擦
傷性に優れた多孔質の被膜を積層するのに適した無機質
組成物を容易に製造し得る方法、基材上に耐擦傷性に優
れ反射防止効果の高い多孔質の被膜が形成された積層体
を容易に製造し得る方法、及び耐擦傷性に優れ、書き味
感がよく且つ高度に反射防止されたペン入力パネル用保
護材料の製造方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の無機質組成物の
製造方法で用いられる縮合組成物(A)は、一般式Si
(OR)4 (式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基)で
表されるアルコキシシラン、塩基性水溶液及び有機溶媒
を混合し、アルコキシシランを部分加水分解、重縮合さ
せて得られる。
製造方法で用いられる縮合組成物(A)は、一般式Si
(OR)4 (式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基)で
表されるアルコキシシラン、塩基性水溶液及び有機溶媒
を混合し、アルコキシシランを部分加水分解、重縮合さ
せて得られる。
【0021】上記の一般式Si(OR)4 で表されるア
ルコキシシランにおいて、Rは、炭素数が多くなると、
無機質組成物の安定性が低下して長期安定性が悪くなる
ので、炭素数1〜5のアルキル基に限定され、例えば、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピ
ル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブ
チル基などが挙げられる。
ルコキシシランにおいて、Rは、炭素数が多くなると、
無機質組成物の安定性が低下して長期安定性が悪くなる
ので、炭素数1〜5のアルキル基に限定され、例えば、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピ
ル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブ
チル基などが挙げられる。
【0022】Si(OR)4 で表されるアルコキシシラ
ンとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエ
トキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ
−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシ
ラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−te
rt−ブトキシシランなどが挙げられ、加水分解、重縮
合における反応性の点から、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシランが好ましく、テトラエトキシシラン
が特に好ましい。
ンとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエ
トキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ
−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシ
ラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−te
rt−ブトキシシランなどが挙げられ、加水分解、重縮
合における反応性の点から、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシランが好ましく、テトラエトキシシラン
が特に好ましい。
【0023】上記塩基性水溶液とは、塩基種を蒸留水中
に溶解させた、pHが10.0〜12.0のものをい
う。塩基種は、塩基性水溶液のpHを10.0〜12.
0に調整できるものであれば、特に限定されず、例え
ば、アンモニア、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム
等が挙げられ、pHの調整が容易なので、アンモニアが
好ましい。
に溶解させた、pHが10.0〜12.0のものをい
う。塩基種は、塩基性水溶液のpHを10.0〜12.
0に調整できるものであれば、特に限定されず、例え
ば、アンモニア、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム
等が挙げられ、pHの調整が容易なので、アンモニアが
好ましい。
【0024】塩基性水溶液のpHは、低くなると、得ら
れるコロイダルシリカの分子量が低下し、反射防止被膜
の形成が困難となり、若しくは、二酸化炭素で超臨界乾
燥する際、被膜に亀裂が生じ、又は、高くなると、得ら
れる縮合組成物(A)の安定性が低下するので、10.
0〜12.0に限定され、10.3〜11.5が好まし
く、10.8〜11.4が特に好ましい。
れるコロイダルシリカの分子量が低下し、反射防止被膜
の形成が困難となり、若しくは、二酸化炭素で超臨界乾
燥する際、被膜に亀裂が生じ、又は、高くなると、得ら
れる縮合組成物(A)の安定性が低下するので、10.
0〜12.0に限定され、10.3〜11.5が好まし
く、10.8〜11.4が特に好ましい。
【0025】塩基性水溶液は、多いと、縮合組成物
(A)の安定性が低下し、又、少ないと、得られるコロ
イダルシリカの分子量が低下し、反射防止被膜の形成が
困難となるので、Si(OR)4 で表されるアルコキシ
シラン1モルに対して、2〜8モル添加され、3〜4モ
ル添加するのが好ましい。
(A)の安定性が低下し、又、少ないと、得られるコロ
イダルシリカの分子量が低下し、反射防止被膜の形成が
困難となるので、Si(OR)4 で表されるアルコキシ
シラン1モルに対して、2〜8モル添加され、3〜4モ
ル添加するのが好ましい。
【0026】有機溶媒は、Si(OR)4 で表されるア
ルコキシシランおよび塩基性水溶液と相溶性のあるもの
であれば特に限定されるものではなく、例えば、メチル
アルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、エトキシエチルアルコール、アリルアルコール等が
挙げられるが、特にイソプロピルアルコールが好まし
い。
ルコキシシランおよび塩基性水溶液と相溶性のあるもの
であれば特に限定されるものではなく、例えば、メチル
アルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、エトキシエチルアルコール、アリルアルコール等が
挙げられるが、特にイソプロピルアルコールが好まし
い。
【0027】有機溶媒の添加量は、多いと、得られるコ
ロイダルシリカの分子量が低下し、反射防止被膜の形成
が困難となり、又、少ないと、縮合組成物(A)の安定
性が低下するので、Si(OR)4 で表されるアルコキ
シシラン1モルに対して10〜30モルに限定され、無
機質組成物の安定性の点から、アルコキシシラン1モル
に対して13〜18モルが好ましい。
ロイダルシリカの分子量が低下し、反射防止被膜の形成
が困難となり、又、少ないと、縮合組成物(A)の安定
性が低下するので、Si(OR)4 で表されるアルコキ
シシラン1モルに対して10〜30モルに限定され、無
機質組成物の安定性の点から、アルコキシシラン1モル
に対して13〜18モルが好ましい。
【0028】縮合組成物(A)の調製方法は、特に限定
されず、例えば、Si(OR)4 で表されるアルコキシ
シラン、塩基性水溶液及び有機溶媒を、攪拌機に供給し
混合し製造する方法が挙げられる。攪拌機としては、特
に限定されるわけではなく、マグネチックスターラーの
ような簡便な攪拌機で十分である。
されず、例えば、Si(OR)4 で表されるアルコキシ
シラン、塩基性水溶液及び有機溶媒を、攪拌機に供給し
混合し製造する方法が挙げられる。攪拌機としては、特
に限定されるわけではなく、マグネチックスターラーの
ような簡便な攪拌機で十分である。
【0029】縮合組成物(A)を調製する際の温度は、
高いと、縮合組成物(A)の安定性が低下し、又、低い
と、重縮合反応が不充分となるので、10〜30℃で行
うのが好ましく、20〜25℃が特に好ましい。
高いと、縮合組成物(A)の安定性が低下し、又、低い
と、重縮合反応が不充分となるので、10〜30℃で行
うのが好ましく、20〜25℃が特に好ましい。
【0030】縮合組成物(A)を調製する際の時間は、
長いと、縮合組成物(A)の安定性が低下し、又、短い
と、重縮合反応の反応速度が低下するので、1〜10時
間が好ましく、2〜4時間が特に好ましい。従って、縮
合組成物(A)の調製は、10〜30℃で、1〜10時
間行うのが好ましく、20〜25℃で、2〜4時間行う
のが特に好ましい。
長いと、縮合組成物(A)の安定性が低下し、又、短い
と、重縮合反応の反応速度が低下するので、1〜10時
間が好ましく、2〜4時間が特に好ましい。従って、縮
合組成物(A)の調製は、10〜30℃で、1〜10時
間行うのが好ましく、20〜25℃で、2〜4時間行う
のが特に好ましい。
【0031】本発明の無機質組成物の製造方法で用いら
れる縮合組成物(B)は、一般式(R2 )n Si(OR
1 )4-n (式中、R1 およびR2 は炭素数1〜5のアル
キル基、nは0〜3の整数)で表されるアルコキシシラ
ン、酸性水溶液及び有機溶媒を混合し、アルコキシシラ
ンを部分加水分解、重縮合させて得られる。
れる縮合組成物(B)は、一般式(R2 )n Si(OR
1 )4-n (式中、R1 およびR2 は炭素数1〜5のアル
キル基、nは0〜3の整数)で表されるアルコキシシラ
ン、酸性水溶液及び有機溶媒を混合し、アルコキシシラ
ンを部分加水分解、重縮合させて得られる。
【0032】上記の一般式(R2 )n Si(OR1 )
4-n で表されるアルコキシシランにおいて、R1 および
R2 は、炭素数が多くなると、無機質組成物の安定性が
低下して長期安定性が悪くなるので、炭素数1〜5のア
ルキル基に限定され、例えば、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、s
ec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられ
る。なお、nは0〜3の整数を示す。
4-n で表されるアルコキシシランにおいて、R1 および
R2 は、炭素数が多くなると、無機質組成物の安定性が
低下して長期安定性が悪くなるので、炭素数1〜5のア
ルキル基に限定され、例えば、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、s
ec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられ
る。なお、nは0〜3の整数を示す。
【0033】(R2 )n Si(OR1 )4-n で表される
アルコキシシランは、特に限定されず、例えば、テトラ
メトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−
プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラ
ン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブ
トキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、モ
ノメチルトリメトキシシラン、モノメチルトリエトキシ
シラン、モノメチルトリ−n−プロポキシシラン、モノ
メチルトリ−iso−プロポキシシラン、モノメチルト
リ−n−ブトキシシラン、モノメチルトリ−sec−ブ
トキシシラン、モノメチルトリ−tert−ブトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシ
シラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−
プロポキシシラン、ジメチルジ−iso−プロポキシシ
ラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジメチルジ−
sec−ブトキシシラン、ジメチルジ−tert−ブト
キシシラン、ジエチルジエトキシシラン、トリメチルモ
ノメトキシシラン、トリメチルモノエトキシシラン、ト
リメチルモノ−n−プロポキシシラン、トリメチルモノ
−iso−プロポキシシラン、トリメチルモノ−n−ブ
トキシシラン、トリメチルモノ−sec−ブトキシシラ
ン、トリメチルモノ−tert−ブトキシシラン、トリ
エチルエトキシシランなどが挙げられ、反応性の点から
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、モノメ
チルトリエトキシシランが好ましく、特に、テトラエト
キシシランが好ましい。
アルコキシシランは、特に限定されず、例えば、テトラ
メトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−
プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラ
ン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブ
トキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、モ
ノメチルトリメトキシシラン、モノメチルトリエトキシ
シラン、モノメチルトリ−n−プロポキシシラン、モノ
メチルトリ−iso−プロポキシシラン、モノメチルト
リ−n−ブトキシシラン、モノメチルトリ−sec−ブ
トキシシラン、モノメチルトリ−tert−ブトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシ
シラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−
プロポキシシラン、ジメチルジ−iso−プロポキシシ
ラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジメチルジ−
sec−ブトキシシラン、ジメチルジ−tert−ブト
キシシラン、ジエチルジエトキシシラン、トリメチルモ
ノメトキシシラン、トリメチルモノエトキシシラン、ト
リメチルモノ−n−プロポキシシラン、トリメチルモノ
−iso−プロポキシシラン、トリメチルモノ−n−ブ
トキシシラン、トリメチルモノ−sec−ブトキシシラ
ン、トリメチルモノ−tert−ブトキシシラン、トリ
エチルエトキシシランなどが挙げられ、反応性の点から
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、モノメ
チルトリエトキシシランが好ましく、特に、テトラエト
キシシランが好ましい。
【0034】上記酸性水溶液は、酸性種を蒸留水中に溶
解させた、pHが0〜2.6のものをいう。酸性種は、
酸性水溶液のpHを、0〜2.6に調整できるものであ
れば、特に限定されず、例えば、塩酸、硝酸、硫酸等が
挙げられ、塩酸、硝酸が好ましく、塩酸が特に好まし
い。
解させた、pHが0〜2.6のものをいう。酸性種は、
酸性水溶液のpHを、0〜2.6に調整できるものであ
れば、特に限定されず、例えば、塩酸、硝酸、硫酸等が
挙げられ、塩酸、硝酸が好ましく、塩酸が特に好まし
い。
【0035】酸性水溶液のpHは、高いと、アルコキシ
シランの加水分解が不十分となるので、0〜2.6に限
定され、又、低すぎると、縮合組成物(B)の安定性が
低下することがあり、又、高すぎると、アルコキシシラ
ンの加水分解が不充分となることがあるので、1.0〜
1.7が好ましく、1.1〜1.2が、特に好ましい。
シランの加水分解が不十分となるので、0〜2.6に限
定され、又、低すぎると、縮合組成物(B)の安定性が
低下することがあり、又、高すぎると、アルコキシシラ
ンの加水分解が不充分となることがあるので、1.0〜
1.7が好ましく、1.1〜1.2が、特に好ましい。
【0036】酸性水溶液の添加量は、多いと、縮合組成
物(B)の安定性が低下し、又、少ないと、アルコキシ
シランの加水分解が不十分となり、更に、得られる無機
質組成物の基材への塗布が困難となるので、(R2 )n
Si(OR1 )4-n で表されるアルコキシシラン1モル
に対して3〜8モルに限定され、4〜7モルが好まし
い。
物(B)の安定性が低下し、又、少ないと、アルコキシ
シランの加水分解が不十分となり、更に、得られる無機
質組成物の基材への塗布が困難となるので、(R2 )n
Si(OR1 )4-n で表されるアルコキシシラン1モル
に対して3〜8モルに限定され、4〜7モルが好まし
い。
【0037】上記有機溶媒は、(R2 )n Si(O
R1 )4-n で表されるアルコキシシラン及び酸性水溶液
に相溶するものであれば、特に限定されず、例えば、縮
合組成物(A)の製造に用いられるものと同様のものが
用いられ、有機溶媒の添加量は、、多いと、アルコキシ
シランが十分に加水分解されず、又、少ないと、縮合組
成物(B)の安定性が低下するので、(R2 )n Si
(OR1 )4-n で表されるアルコキシシラン1モルに対
して、10〜30モルに限定され、13〜18モルが好
ましい。
R1 )4-n で表されるアルコキシシラン及び酸性水溶液
に相溶するものであれば、特に限定されず、例えば、縮
合組成物(A)の製造に用いられるものと同様のものが
用いられ、有機溶媒の添加量は、、多いと、アルコキシ
シランが十分に加水分解されず、又、少ないと、縮合組
成物(B)の安定性が低下するので、(R2 )n Si
(OR1 )4-n で表されるアルコキシシラン1モルに対
して、10〜30モルに限定され、13〜18モルが好
ましい。
【0038】縮合組成物(B)の調製方法は、特に限定
されず、例えば、(R2 )n Si(OR1 )4-n で表さ
れるアルコキシシラン、酸性水溶液及び有機溶媒を、攪
拌機に供給し混合し調製する方法が挙げられる。攪拌機
としては、特に限定されるわけではなく、マグネチック
スターラーのような簡便な攪拌機で十分である。
されず、例えば、(R2 )n Si(OR1 )4-n で表さ
れるアルコキシシラン、酸性水溶液及び有機溶媒を、攪
拌機に供給し混合し調製する方法が挙げられる。攪拌機
としては、特に限定されるわけではなく、マグネチック
スターラーのような簡便な攪拌機で十分である。
【0039】縮合組成物(B)を調製する際の温度は、
高いと、縮合組成物(B)の安定性が低下し、又、低い
と、重縮合反応が不充分となるので、10〜30℃で行
うのが好ましく、20〜25℃が特に好ましい。
高いと、縮合組成物(B)の安定性が低下し、又、低い
と、重縮合反応が不充分となるので、10〜30℃で行
うのが好ましく、20〜25℃が特に好ましい。
【0040】縮合組成物(B)を製造する際の時間は、
長いと、縮合組成物(B)の安定性が低下し、又、短い
と、十分な分子量が得られないので、1〜10時間が好
ましく、2〜4時間が特に好ましい。従って、縮合組成
物(B)の製造は、10〜30℃で、1〜10時間行う
のが好ましく、20〜25℃で、2〜4時間行うのが特
に好ましい。
長いと、縮合組成物(B)の安定性が低下し、又、短い
と、十分な分子量が得られないので、1〜10時間が好
ましく、2〜4時間が特に好ましい。従って、縮合組成
物(B)の製造は、10〜30℃で、1〜10時間行う
のが好ましく、20〜25℃で、2〜4時間行うのが特
に好ましい。
【0041】本発明の無機質組成物の製造方法は、上記
縮合組成物(A)及び縮合組成物(B)を、重量比A/
B=0.4〜2.4で混合する。
縮合組成物(A)及び縮合組成物(B)を、重量比A/
B=0.4〜2.4で混合する。
【0042】縮合組成物(A)が、多いと、得られる被
膜と基材との密着性が低下し、又、少ないと、得られる
被膜の多孔率が低下し、得られる積層体の反射防止効果
が低下し、若しくは、二酸化炭素による処理により、得
られる被膜に亀裂が生じるので、縮合組成物(A)と縮
合組成物(B)の重量比は、0.4〜2.4に限定さ
れ、無機質組成物の安定性及び被膜と基材の密着性の向
上のため、1.5〜2.3が好ましい。
膜と基材との密着性が低下し、又、少ないと、得られる
被膜の多孔率が低下し、得られる積層体の反射防止効果
が低下し、若しくは、二酸化炭素による処理により、得
られる被膜に亀裂が生じるので、縮合組成物(A)と縮
合組成物(B)の重量比は、0.4〜2.4に限定さ
れ、無機質組成物の安定性及び被膜と基材の密着性の向
上のため、1.5〜2.3が好ましい。
【0043】縮合組成物(A)と縮合組成物(B)を混
合する際の温度は、高いと、得られる無機質組成物の安
定性が低下し、又、低いと、コロイダルシリカとシリカ
ゾルの重縮合が困難となり、得られる被膜の反射防止効
果が低下するので、−10〜30℃で行うのが好まし
く、−8〜25℃が特に好ましい。
合する際の温度は、高いと、得られる無機質組成物の安
定性が低下し、又、低いと、コロイダルシリカとシリカ
ゾルの重縮合が困難となり、得られる被膜の反射防止効
果が低下するので、−10〜30℃で行うのが好まし
く、−8〜25℃が特に好ましい。
【0044】縮合組成物(A)と縮合組成物(B)を混
合する時間は、短いと、コロイダルシリカとシリカゾル
の重縮合が不十分となり、得られる被膜の反射防止効果
が低下し、又、長いと、ゾルの安定性が低下するので、
0.5〜4時間が好ましく、特に2〜3時間が好まし
い。従って、縮合組成物(A)と縮合組成物(B)の混
合は、−10〜30℃で、0.5〜4時間行うのが好ま
しく、−8〜25℃で、2〜3時間行うのが特に好まし
い。
合する時間は、短いと、コロイダルシリカとシリカゾル
の重縮合が不十分となり、得られる被膜の反射防止効果
が低下し、又、長いと、ゾルの安定性が低下するので、
0.5〜4時間が好ましく、特に2〜3時間が好まし
い。従って、縮合組成物(A)と縮合組成物(B)の混
合は、−10〜30℃で、0.5〜4時間行うのが好ま
しく、−8〜25℃で、2〜3時間行うのが特に好まし
い。
【0045】縮合組成物(A)と縮合組成物(B)を混
合する方法は、特に限定されず、例えば、縮合組成物
(A)及び縮合組成物(B)を、攪拌機に供給し攪拌混
合し製造する方法が挙げられる。攪拌機としては、特に
限定されるわけではなく、マグネチックスターラーのよ
うな簡便な攪拌機で十分である。
合する方法は、特に限定されず、例えば、縮合組成物
(A)及び縮合組成物(B)を、攪拌機に供給し攪拌混
合し製造する方法が挙げられる。攪拌機としては、特に
限定されるわけではなく、マグネチックスターラーのよ
うな簡便な攪拌機で十分である。
【0046】本発明2の積層体の製造方法は、本発明の
製造方法で得られる無機質組成物を基材上に塗布し、硬
化させるという工程からなる方法である。
製造方法で得られる無機質組成物を基材上に塗布し、硬
化させるという工程からなる方法である。
【0047】上記の基材としては、無機質組成物の塗装
が可能な基材であれば特に限定されず、例えば、ケイ酸
ガラス、ケイ酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カ
リ石灰ガラス、鉛石灰ガラス、バリウムガラス、ホウケ
イ酸ガラス等のケイ酸塩ガラス等からなる無機基材、ポ
リカーボネート、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ
スチレン、ポリエステル、ポリウレタン等からなる有機
基材が挙げられる。
が可能な基材であれば特に限定されず、例えば、ケイ酸
ガラス、ケイ酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カ
リ石灰ガラス、鉛石灰ガラス、バリウムガラス、ホウケ
イ酸ガラス等のケイ酸塩ガラス等からなる無機基材、ポ
リカーボネート、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ
スチレン、ポリエステル、ポリウレタン等からなる有機
基材が挙げられる。
【0048】無機基材においては、ケイ酸ガラス、ケイ
酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガラスが好ましい。有機
基材においては、ポリカーボネート、アクリル樹脂が好
ましい。また、基材の形状は、特に限定されるものでは
ない。
酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガラスが好ましい。有機
基材においては、ポリカーボネート、アクリル樹脂が好
ましい。また、基材の形状は、特に限定されるものでは
ない。
【0049】無機質組成物の塗装方法は、特に限定され
ず、例えば、刷毛、スプレーコート、ディップコート、
スピンコート、ロールコート、流し塗り等による塗布方
法等が挙げられる。なお、塗布は、大気中の湿度が高い
と、得られる被膜が白濁するので、大気中の相対湿度5
0%以下で行うのが好ましい。
ず、例えば、刷毛、スプレーコート、ディップコート、
スピンコート、ロールコート、流し塗り等による塗布方
法等が挙げられる。なお、塗布は、大気中の湿度が高い
と、得られる被膜が白濁するので、大気中の相対湿度5
0%以下で行うのが好ましい。
【0050】無機質組成物を基材上に塗布する際、膜厚
は、特に限定されないが、反射防止効果を得たい波長
と、以下の関係となる被膜が得られる様に無機質組成物
を塗布することは、反射防止効果の向上を図ることがで
き、好適である。
は、特に限定されないが、反射防止効果を得たい波長
と、以下の関係となる被膜が得られる様に無機質組成物
を塗布することは、反射防止効果の向上を図ることがで
き、好適である。
【0051】
【数1】
【0052】d:被膜の膜厚 λ:反射防止効果を得たい波長 n:被膜の屈折率 m:0又は自然数
【0053】なお、無機質組成物を塗布する際、必要に
応じて、溶媒により希釈し、無機質組成物の粘度を調整
することは、無機質組成物の基材上への塗布効率が向上
し好適である。
応じて、溶媒により希釈し、無機質組成物の粘度を調整
することは、無機質組成物の基材上への塗布効率が向上
し好適である。
【0054】かかる場合、用いられる溶媒は、無機質組
成物と相溶性を有するものであれば、特に限定されず、
例えば、イソプロピルアルコール、エトキシエタノー
ル、アリルアルコール等が挙げられ、得られる被膜の多
孔性の向上の点から、イソプロピルアルコール、エトキ
シエタノールが好ましい。
成物と相溶性を有するものであれば、特に限定されず、
例えば、イソプロピルアルコール、エトキシエタノー
ル、アリルアルコール等が挙げられ、得られる被膜の多
孔性の向上の点から、イソプロピルアルコール、エトキ
シエタノールが好ましい。
【0055】上記硬化方法としては、特に限定されるも
のではなく、室温にて自然乾燥して硬化させてもよい
し、加熱乾燥して硬化させてもよい。例えば、無機質組
成物を上記の方法で、基材としてケイ酸ガラスの表面に
積層し、室温で自然乾燥を行った後、60〜300℃の
温度で硬化させると、無機質組成物中のシリカゾルが硬
化したシリコンマトリックスとコロイダルシリカの収縮
率の差異により多孔質化された、反射防止性の被膜が形
成された積層体が得られる。また、例えば、基材として
プラスチックス製品の表面に積層し、室温で自然乾燥を
行った後、60〜150℃、好ましくは、80〜100
℃の温度で硬化させると、同様に多孔質化された、反射
防止性の被膜が形成された積層体が得られる。
のではなく、室温にて自然乾燥して硬化させてもよい
し、加熱乾燥して硬化させてもよい。例えば、無機質組
成物を上記の方法で、基材としてケイ酸ガラスの表面に
積層し、室温で自然乾燥を行った後、60〜300℃の
温度で硬化させると、無機質組成物中のシリカゾルが硬
化したシリコンマトリックスとコロイダルシリカの収縮
率の差異により多孔質化された、反射防止性の被膜が形
成された積層体が得られる。また、例えば、基材として
プラスチックス製品の表面に積層し、室温で自然乾燥を
行った後、60〜150℃、好ましくは、80〜100
℃の温度で硬化させると、同様に多孔質化された、反射
防止性の被膜が形成された積層体が得られる。
【0056】本発明3の積層体の製造方法は、本発明2
の積層体の製造方法における無機質組成物および基材
を、それぞれ、有機溶媒の沸点が60℃以上である無機
質組成物および無機基材に限定し、更に、硬化工程を1
0〜60℃で放置した後、超臨界状態の二酸化炭素で超
臨界乾燥し、次いで80〜600℃に加熱して硬化させ
るという工程に限定した製造方法である。
の積層体の製造方法における無機質組成物および基材
を、それぞれ、有機溶媒の沸点が60℃以上である無機
質組成物および無機基材に限定し、更に、硬化工程を1
0〜60℃で放置した後、超臨界状態の二酸化炭素で超
臨界乾燥し、次いで80〜600℃に加熱して硬化させ
るという工程に限定した製造方法である。
【0057】本発明3の製造方法で用いられる、有機溶
媒の沸点が60℃以上である無機質組成物は、本発明の
無機質組成物の製造方法において、縮合組成物(A)お
よび縮合組成物(B)の調製に用いられる有機溶媒のう
ち、1気圧下の沸点が60℃以上である有機溶媒だけが
用いられて製造されたものである。
媒の沸点が60℃以上である無機質組成物は、本発明の
無機質組成物の製造方法において、縮合組成物(A)お
よび縮合組成物(B)の調製に用いられる有機溶媒のう
ち、1気圧下の沸点が60℃以上である有機溶媒だけが
用いられて製造されたものである。
【0058】上記有機溶媒の沸点としては、低いと、得
られる被膜の多孔質化が図りにくいので、1気圧下の沸
点が60℃以上のものに限定され、1気圧下の沸点が9
0〜200℃が好ましい。
られる被膜の多孔質化が図りにくいので、1気圧下の沸
点が60℃以上のものに限定され、1気圧下の沸点が9
0〜200℃が好ましい。
【0059】上記の1気圧下の沸点が60℃以上である
有機溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール、
エトキシエタノール、アリルアルコール等が挙げられ、
得られる被膜の多孔性の向上の点から、イソプロピルア
ルコール、エトキシエタノールが好ましい。
有機溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール、
エトキシエタノール、アリルアルコール等が挙げられ、
得られる被膜の多孔性の向上の点から、イソプロピルア
ルコール、エトキシエタノールが好ましい。
【0060】上記の無機基材としては、無機質組成物の
塗装が可能な無機基材であれば特に限定されず、例え
ば、本発明2の説明で例示したものが挙げられる。ま
た、基材の形状は、特に限定されるものではない。
塗装が可能な無機基材であれば特に限定されず、例え
ば、本発明2の説明で例示したものが挙げられる。ま
た、基材の形状は、特に限定されるものではない。
【0061】本発明3の製造方法は、上記の無機質組成
物を無機基材上に塗布し、次いで、得られた塗布物を放
置した後、更に、超臨界状態の二酸化炭素で超臨界乾燥
する。
物を無機基材上に塗布し、次いで、得られた塗布物を放
置した後、更に、超臨界状態の二酸化炭素で超臨界乾燥
する。
【0062】上記塗布物を放置する際、温度は、高い
と、有機溶媒の気化が進み過ぎ、被膜の緻密化が生じ、
超臨界状態の二酸化炭素による処理の効果が低下し、
又、低いと、コロイダルシリカとシリカゾルの重縮合が
不充分となり、得られる反射防止被膜の強度が低下する
ので、10〜60℃に限定され、20〜30℃が好まし
い。
と、有機溶媒の気化が進み過ぎ、被膜の緻密化が生じ、
超臨界状態の二酸化炭素による処理の効果が低下し、
又、低いと、コロイダルシリカとシリカゾルの重縮合が
不充分となり、得られる反射防止被膜の強度が低下する
ので、10〜60℃に限定され、20〜30℃が好まし
い。
【0063】又、塗布物を放置する際、放置時間は、長
いと、被膜中の有機溶媒の気化が進行し過ぎ、被膜の反
射防止効果が低下し、又、短いと、コロイダルシリカと
シリカゾルの重縮合反応が進行せず、得られる被膜の強
度が低下するので、10分〜2時間が好ましく、0.5
〜1時間が特に好ましい。
いと、被膜中の有機溶媒の気化が進行し過ぎ、被膜の反
射防止効果が低下し、又、短いと、コロイダルシリカと
シリカゾルの重縮合反応が進行せず、得られる被膜の強
度が低下するので、10分〜2時間が好ましく、0.5
〜1時間が特に好ましい。
【0064】本発明3で用いられる超臨界状態の二酸化
炭素とは、臨界温度以上及び臨界圧力以上にある二酸化
炭素をいう。なお、二酸化炭素の臨界温度は31.05
℃、臨界圧力は7.38MPaである。
炭素とは、臨界温度以上及び臨界圧力以上にある二酸化
炭素をいう。なお、二酸化炭素の臨界温度は31.05
℃、臨界圧力は7.38MPaである。
【0065】超臨界状態の二酸化炭素で超臨界乾燥する
際の条件は、二酸化炭素の超臨界状態を実現できる条件
であれば、効果は変わらないので、特に限定されない。
際の条件は、二酸化炭素の超臨界状態を実現できる条件
であれば、効果は変わらないので、特に限定されない。
【0066】超臨界状態の二酸化炭素で超臨界乾燥する
とは、超臨界状態の二酸化炭素に、塗布物上に形成され
た被膜中の水、有機溶媒を拡散させた後、二酸化炭素の
圧力を減圧し、乾燥させることである。
とは、超臨界状態の二酸化炭素に、塗布物上に形成され
た被膜中の水、有機溶媒を拡散させた後、二酸化炭素の
圧力を減圧し、乾燥させることである。
【0067】本発明3の製造方法は、次いで、上記のよ
うにして超臨界乾燥された塗布物を加熱し、基材上に反
射防止性の被膜が形成された積層体を得る。上記の加熱
方法は、特に限定されず、例えば、オーブンで加熱する
方法が挙げられる。
うにして超臨界乾燥された塗布物を加熱し、基材上に反
射防止性の被膜が形成された積層体を得る。上記の加熱
方法は、特に限定されず、例えば、オーブンで加熱する
方法が挙げられる。
【0068】本発明3の積層体の製造方法において、硬
化工程の加熱温度は、高いと、被膜の緻密化が生じ、得
られる被膜の反射防止効果が低下し又、低いと、得られ
る被膜の強度が低下するので、80〜600℃に限定さ
れ、100〜300℃が特に好ましい。
化工程の加熱温度は、高いと、被膜の緻密化が生じ、得
られる被膜の反射防止効果が低下し又、低いと、得られ
る被膜の強度が低下するので、80〜600℃に限定さ
れ、100〜300℃が特に好ましい。
【0069】本発明4の積層体の製造方法は、本発明3
の積層体の製造方法における無機基材の代わりに、有機
基材を用い、さらに本発明3の製造方法における硬化工
程の加熱温度を80〜600℃とすることの代わりに、
加熱温度80〜120℃とすることの他は本発明3の製
造方法と同様である。
の積層体の製造方法における無機基材の代わりに、有機
基材を用い、さらに本発明3の製造方法における硬化工
程の加熱温度を80〜600℃とすることの代わりに、
加熱温度80〜120℃とすることの他は本発明3の製
造方法と同様である。
【0070】上記の有機基材としては、無機質組成物の
塗装が可能な有機基材であれば特に限定されず、例え
ば、本発明2の説明で例示したものが挙げられる。ま
た、基材の形状は、特に限定されるものではない。
塗装が可能な有機基材であれば特に限定されず、例え
ば、本発明2の説明で例示したものが挙げられる。ま
た、基材の形状は、特に限定されるものではない。
【0071】本発明4の積層体の製造方法において、硬
化工程の加熱温度は、高いと、有機基材が変形し、又、
低いと、得られる被膜の強度が低下するので、80〜1
20℃に限定され、90〜100℃が好ましい。
化工程の加熱温度は、高いと、有機基材が変形し、又、
低いと、得られる被膜の強度が低下するので、80〜1
20℃に限定され、90〜100℃が好ましい。
【0072】本発明5の積層体の製造方法は、本発明2
〜4の積層体の製造方法における基材を、屈折率が1.
5〜1.9である基材に限定した製造方法である。
〜4の積層体の製造方法における基材を、屈折率が1.
5〜1.9である基材に限定した製造方法である。
【0073】本発明5の積層体の製造方法に用いられる
無機質組成物は、本発明2の積層体の製造方法で用いら
れる無機質組成物と同様に、一般式Si(OR)4 で表
されるアルコキシシラン1モル、pHが10.0〜1
2.0の塩基性水溶液2〜8モル及び有機溶媒10〜3
0モルを混合して得られる縮合組成物(A)と、一般式
(R2 )n Si(OR1 )4-n で表されるアルコキシシ
ラン1モル、pHが0〜2.6の酸性水溶液3〜8モル
及び有機溶媒10〜30モルとを混合して得られる縮合
組成物(B)とを、A/B=0.4〜2.4(重量比)
で混合して得られる無機質組成物である。
無機質組成物は、本発明2の積層体の製造方法で用いら
れる無機質組成物と同様に、一般式Si(OR)4 で表
されるアルコキシシラン1モル、pHが10.0〜1
2.0の塩基性水溶液2〜8モル及び有機溶媒10〜3
0モルを混合して得られる縮合組成物(A)と、一般式
(R2 )n Si(OR1 )4-n で表されるアルコキシシ
ラン1モル、pHが0〜2.6の酸性水溶液3〜8モル
及び有機溶媒10〜30モルとを混合して得られる縮合
組成物(B)とを、A/B=0.4〜2.4(重量比)
で混合して得られる無機質組成物である。
【0074】本発明5の積層体の製造方法に用いられる
無機質組成物の製造に使用される縮合組成物(A)の調
製において、塩基性水溶液のpHは10.0〜12.0
に限定されるが、被膜の屈折率の制御の点から、10.
3〜11.5が好ましく、10.8〜11.4が特に好
ましい。
無機質組成物の製造に使用される縮合組成物(A)の調
製において、塩基性水溶液のpHは10.0〜12.0
に限定されるが、被膜の屈折率の制御の点から、10.
3〜11.5が好ましく、10.8〜11.4が特に好
ましい。
【0075】塩基性水溶液は、Si(OR)4 で表され
るアルコキシシラン1モルに対して、2〜8モルに限定
されるが、被膜の屈折率の制御の点から、3〜4モル添
加するのが好ましい。
るアルコキシシラン1モルに対して、2〜8モルに限定
されるが、被膜の屈折率の制御の点から、3〜4モル添
加するのが好ましい。
【0076】本発明5の積層体の製造方法に用いられる
無機質組成物の製造に使用される縮合組成物(B)の調
製において、酸性水溶液のpHは0〜2.6に限定され
るが、被膜の屈折率の制御の点から、0.5〜2.0が
好ましく、1.0〜1.7が特に好ましい。
無機質組成物の製造に使用される縮合組成物(B)の調
製において、酸性水溶液のpHは0〜2.6に限定され
るが、被膜の屈折率の制御の点から、0.5〜2.0が
好ましく、1.0〜1.7が特に好ましい。
【0077】本発明5の積層体の製造方法に用いられる
無機質組成物は、上記縮合組成物(A)及び縮合組成物
(B)を、重量比A/B=0.4〜2.4で混合して得
られるものに限定されるが、被膜の屈折率の制御の点か
ら、0.7〜2.4が好ましく、1.5〜2.3が特に
好ましい。
無機質組成物は、上記縮合組成物(A)及び縮合組成物
(B)を、重量比A/B=0.4〜2.4で混合して得
られるものに限定されるが、被膜の屈折率の制御の点か
ら、0.7〜2.4が好ましく、1.5〜2.3が特に
好ましい。
【0078】縮合組成物(A)と縮合組成物(B)を混
合する際の温度は、高いと、得られる無機質組成物の安
定性が低下し、又、低いと、ゾル作製に時間がかかり、
また、縮合組成物(A)と縮合組成物(B)を混合する
際の時間は、長いと、得られる無機質組成物の安定性が
低下し、短いと、コロイダルシリカとシリカゾルの重縮
合反応が進行せず、被膜の屈折率の制御を十分に行えな
くなるので、比較的高温条件で混合する場合は、温度は
0〜30℃、好ましくは、10〜25℃で、時間は0.
5〜3時間、好ましくは1〜2時間が良い。また、低温
条件で混合する場合は、温度は−10〜0℃、好ましく
は、−8〜−4℃で、時間は3〜240時間、好ましく
は24〜100時間が良い。
合する際の温度は、高いと、得られる無機質組成物の安
定性が低下し、又、低いと、ゾル作製に時間がかかり、
また、縮合組成物(A)と縮合組成物(B)を混合する
際の時間は、長いと、得られる無機質組成物の安定性が
低下し、短いと、コロイダルシリカとシリカゾルの重縮
合反応が進行せず、被膜の屈折率の制御を十分に行えな
くなるので、比較的高温条件で混合する場合は、温度は
0〜30℃、好ましくは、10〜25℃で、時間は0.
5〜3時間、好ましくは1〜2時間が良い。また、低温
条件で混合する場合は、温度は−10〜0℃、好ましく
は、−8〜−4℃で、時間は3〜240時間、好ましく
は24〜100時間が良い。
【0079】本発明5に用いられる基材としては、無機
質組成物の塗装が可能な基材で、屈折率が1.5〜1.
9である基材であれば特に限定されず、例えば、本発明
2の積層体の製造方法の説明において例示した無機基材
や有機基材が挙げられる。
質組成物の塗装が可能な基材で、屈折率が1.5〜1.
9である基材であれば特に限定されず、例えば、本発明
2の積層体の製造方法の説明において例示した無機基材
や有機基材が挙げられる。
【0080】無機基材においては、ケイ酸ガラス、ケイ
酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガラスが好ましい。有機
基材においては、ポリカーボネートなどが好ましい。ま
た、基材の形状は、特に限定されるものではない。
酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガラスが好ましい。有機
基材においては、ポリカーボネートなどが好ましい。ま
た、基材の形状は、特に限定されるものではない。
【0081】上記無機質組成物の塗装方法は、特に限定
されず、例えば、刷毛、スプレーコート、ディップコー
ト、スピンコート、ロールコート、流し塗り等による塗
布方法等が挙げられるが、膜厚を制御するにはディップ
コート及びスピンコートが好ましい。ディップコートの
場合は、無機質組成物の粘度と基材の引き上げ速度、ス
ピンコートの場合は、無機質組成物の粘度と基材の回転
速度を制御することにより、膜厚を制御することが可能
である。
されず、例えば、刷毛、スプレーコート、ディップコー
ト、スピンコート、ロールコート、流し塗り等による塗
布方法等が挙げられるが、膜厚を制御するにはディップ
コート及びスピンコートが好ましい。ディップコートの
場合は、無機質組成物の粘度と基材の引き上げ速度、ス
ピンコートの場合は、無機質組成物の粘度と基材の回転
速度を制御することにより、膜厚を制御することが可能
である。
【0082】上記硬化方法としては、特に限定されるも
のではなく、室温にて自然乾燥して硬化させてもよい
し、加熱乾燥して硬化させてもよい。乾燥硬化温度は、
基材によって異なり、基材がガラス等の無機基材の場合
は、80℃から基材の融点の範囲が好ましい。乾燥硬化
温度が80℃未満になると、得られた被膜を反射防止ハ
ードコートとして用いる場合、十分な耐擦傷性を得にく
い。基材がプラスチックス等の有機基材の場合は、80
〜100℃が好ましい。乾燥硬化温度が80℃未満で
は、得られた被膜を反射防止ハードコートとして用いる
場合、十分な耐擦傷性を得にくく、又、100℃を超え
ると、基材が変形する恐れがある。
のではなく、室温にて自然乾燥して硬化させてもよい
し、加熱乾燥して硬化させてもよい。乾燥硬化温度は、
基材によって異なり、基材がガラス等の無機基材の場合
は、80℃から基材の融点の範囲が好ましい。乾燥硬化
温度が80℃未満になると、得られた被膜を反射防止ハ
ードコートとして用いる場合、十分な耐擦傷性を得にく
い。基材がプラスチックス等の有機基材の場合は、80
〜100℃が好ましい。乾燥硬化温度が80℃未満で
は、得られた被膜を反射防止ハードコートとして用いる
場合、十分な耐擦傷性を得にくく、又、100℃を超え
ると、基材が変形する恐れがある。
【0083】本発明6のペン入力パネル用保護材料の製
造方法は、本発明の製造方法で得られる無機質組成物を
透明な基材上に塗布し、硬化させる。
造方法は、本発明の製造方法で得られる無機質組成物を
透明な基材上に塗布し、硬化させる。
【0084】本発明6のペン入力パネル用保護材料の製
造方法に用いられる無機質組成物の製造に使用される縮
合組成物(A)の調製において、塩基性水溶液のpHは
10.0〜12.0に限定されるが、得られる被膜の屈
折率の点から、10.3〜11.5が好ましく、10.
8〜11.4が特に好ましい。
造方法に用いられる無機質組成物の製造に使用される縮
合組成物(A)の調製において、塩基性水溶液のpHは
10.0〜12.0に限定されるが、得られる被膜の屈
折率の点から、10.3〜11.5が好ましく、10.
8〜11.4が特に好ましい。
【0085】塩基性水溶液は、Si(OR)4 で表され
るアルコキシシラン1モルに対して、2〜8モルに限定
されるが、得られる被膜の屈折率の点から、3〜4モル
添加するのが好ましい。
るアルコキシシラン1モルに対して、2〜8モルに限定
されるが、得られる被膜の屈折率の点から、3〜4モル
添加するのが好ましい。
【0086】本発明6のペン入力パネル用保護材料の製
造方法に用いられる無機質組成物の製造に使用される縮
合組成物(B)の調製において、酸性水溶液のpHは0
〜2.6に限定されるが、得られる被膜の屈折率の点か
ら、1.0〜1.7が特に好ましい。
造方法に用いられる無機質組成物の製造に使用される縮
合組成物(B)の調製において、酸性水溶液のpHは0
〜2.6に限定されるが、得られる被膜の屈折率の点か
ら、1.0〜1.7が特に好ましい。
【0087】本発明6のペン入力パネル用保護材料の製
造方法に用いられる透明な基材としては、透明な基材で
あれば、特に限定されず無機基材または有機基材が挙げ
られ、無機基材としては、例えばガラス板が挙げられ、
有機基材としては、ポリエチレンテレフタレート等のプ
ラスチックフィルム、アクリル樹脂等のプラスチック板
等が挙げられる。
造方法に用いられる透明な基材としては、透明な基材で
あれば、特に限定されず無機基材または有機基材が挙げ
られ、無機基材としては、例えばガラス板が挙げられ、
有機基材としては、ポリエチレンテレフタレート等のプ
ラスチックフィルム、アクリル樹脂等のプラスチック板
等が挙げられる。
【0088】本発明6のペン入力パネル用保護材料の製
造方法において、無機質組成物の塗装に際して、ディッ
プコート法で行う場合は、基材の両面が塗装されないよ
うに、基材の片面をマスキングしておくのが良い。
造方法において、無機質組成物の塗装に際して、ディッ
プコート法で行う場合は、基材の両面が塗装されないよ
うに、基材の片面をマスキングしておくのが良い。
【0089】本発明6のペン入力パネル用保護材料の製
造方法において、塗装された無機質組成物の硬化方法と
しては、特に限定されるものではなく、室温にて自然乾
燥して硬化させてもよいし、加熱乾燥して硬化させても
よい。乾燥硬化温度は、基材によって異なり、基材がガ
ラス等の無機基材の場合は、80℃から基材の融点の範
囲が好ましい。乾燥硬化温度が80℃未満では、十分な
耐擦傷性を有するペン入力パネル用保護材料を得にくく
なる。基材がプラスチックス等の有機基材の場合は、8
0〜100℃が好ましい。乾燥硬化温度が80℃未満で
は、十分な耐擦傷性を有するペン入力パネル用保護材料
を得にくくなり、又、100℃を超えると、基材が変形
する恐れがある。
造方法において、塗装された無機質組成物の硬化方法と
しては、特に限定されるものではなく、室温にて自然乾
燥して硬化させてもよいし、加熱乾燥して硬化させても
よい。乾燥硬化温度は、基材によって異なり、基材がガ
ラス等の無機基材の場合は、80℃から基材の融点の範
囲が好ましい。乾燥硬化温度が80℃未満では、十分な
耐擦傷性を有するペン入力パネル用保護材料を得にくく
なる。基材がプラスチックス等の有機基材の場合は、8
0〜100℃が好ましい。乾燥硬化温度が80℃未満で
は、十分な耐擦傷性を有するペン入力パネル用保護材料
を得にくくなり、又、100℃を超えると、基材が変形
する恐れがある。
【0090】
【作用】本発明の無機質組成物の製造方法では、縮合組
成物(A)では、アルコシシランの重縮合がかなり進み
コロイダルシリカが形成されており、縮合組成物(B)
では、アルコキシシランの重縮合が比較的進まず、シリ
カゾルの段階で抑えられており、この両者の混合物であ
る無機質組成物は、コロイダルシリカとシリカゾルの混
合物となっている。本発明2の積層体の製造方法は、本
発明の製造方法で得られる無機質組成物を、基材上に塗
布、硬化させることにより、シリカゾルとコロイダルシ
リカの重縮合反応を進行させ、シリカゾルとコロイダル
シリカの収縮率の差異により多孔化された被膜を得るこ
とができる。
成物(A)では、アルコシシランの重縮合がかなり進み
コロイダルシリカが形成されており、縮合組成物(B)
では、アルコキシシランの重縮合が比較的進まず、シリ
カゾルの段階で抑えられており、この両者の混合物であ
る無機質組成物は、コロイダルシリカとシリカゾルの混
合物となっている。本発明2の積層体の製造方法は、本
発明の製造方法で得られる無機質組成物を、基材上に塗
布、硬化させることにより、シリカゾルとコロイダルシ
リカの重縮合反応を進行させ、シリカゾルとコロイダル
シリカの収縮率の差異により多孔化された被膜を得るこ
とができる。
【0091】本発明3および本発明4の積層体の製造方
法は、本発明の製造方法で得られる無機質組成物を、基
材上に塗布、放置することにより、シリカゾルとコロイ
ダルシリカの重縮合反応を進行させ、シリカゾルとコロ
イダルシリカの収縮率の差異により多孔化された被膜を
得ることができる。次いで、塗布物を放置した後、更
に、被膜中に有機溶媒、水を残存させた状態で、超臨界
状態の二酸化炭素で超臨界乾燥することにより、被膜に
細孔を残しつつ、被膜中の有機溶媒、水の気化を完全に
行うことが可能となる。更に、乾燥された塗布物を加熱
することにより、基材と被膜との結合が強固となる。
法は、本発明の製造方法で得られる無機質組成物を、基
材上に塗布、放置することにより、シリカゾルとコロイ
ダルシリカの重縮合反応を進行させ、シリカゾルとコロ
イダルシリカの収縮率の差異により多孔化された被膜を
得ることができる。次いで、塗布物を放置した後、更
に、被膜中に有機溶媒、水を残存させた状態で、超臨界
状態の二酸化炭素で超臨界乾燥することにより、被膜に
細孔を残しつつ、被膜中の有機溶媒、水の気化を完全に
行うことが可能となる。更に、乾燥された塗布物を加熱
することにより、基材と被膜との結合が強固となる。
【0092】本発明5の積層体の製造方法は、本発明の
製造方法で得られる無機質組成物を使用して得られる被
膜の屈折率を1.26〜1.38の範囲で制御できるの
で、屈折率が1.5〜1.9の基材の反射率を0に近づ
けることができる。本発明6の製造方法により得られた
ペン入力パネル用保護材料は、表面の被膜がスチールウ
ール等の硬い材料で摩擦しても傷が付きにくく、引っ掻
き傷による外観低下を起こし難い。また、表面に微細な
凹凸があるため、アセタール樹脂等の入力用ペンに適合
する摩擦係数を有するので、紙上に鉛筆で記入するよう
な書き味感を有する。また、被膜が多孔質であり、低い
屈折率を有するので、外部光線の映りこみを防止でき
る。
製造方法で得られる無機質組成物を使用して得られる被
膜の屈折率を1.26〜1.38の範囲で制御できるの
で、屈折率が1.5〜1.9の基材の反射率を0に近づ
けることができる。本発明6の製造方法により得られた
ペン入力パネル用保護材料は、表面の被膜がスチールウ
ール等の硬い材料で摩擦しても傷が付きにくく、引っ掻
き傷による外観低下を起こし難い。また、表面に微細な
凹凸があるため、アセタール樹脂等の入力用ペンに適合
する摩擦係数を有するので、紙上に鉛筆で記入するよう
な書き味感を有する。また、被膜が多孔質であり、低い
屈折率を有するので、外部光線の映りこみを防止でき
る。
【0093】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。なお、結
果に示した積層体に関する各物性の評価方法は次の通り
であった。
果に示した積層体に関する各物性の評価方法は次の通り
であった。
【0094】(1) 反射率 分光光度計(島津製作所社製、商品名「UV−3101
PC」)を用いて、反射防止被膜が形成されていない基
材の光線透過率を400〜800nmの範囲で測定し、
その最大透過率(TB )と、基材の屈折率より算出した
両面最小反射率(RE )とから、次式により基材の吸収
率(α)を算出する。 α=100−(TB +RE ) 次に、反射防止被膜を積層した積層体の光線透過率を4
00〜800nmの範囲で測定し、その最大透過率(T
S )と、上式で得られた基材の吸収率(α)とから、次
式により片面最小反射率(R)を算出する。 R=〔100−(TS +α)〕/2
PC」)を用いて、反射防止被膜が形成されていない基
材の光線透過率を400〜800nmの範囲で測定し、
その最大透過率(TB )と、基材の屈折率より算出した
両面最小反射率(RE )とから、次式により基材の吸収
率(α)を算出する。 α=100−(TB +RE ) 次に、反射防止被膜を積層した積層体の光線透過率を4
00〜800nmの範囲で測定し、その最大透過率(T
S )と、上式で得られた基材の吸収率(α)とから、次
式により片面最小反射率(R)を算出する。 R=〔100−(TS +α)〕/2
【0095】(2) 鉛筆硬度 得られた積層体の反射防止被膜を、JIS K 540
0に準じて測定して評価した。
0に準じて測定して評価した。
【0096】(3) 耐擦傷性試験 得られた積層体の反射防止被膜の表面を、ネルの布で、
1000g/cm2 の荷重をかけて、往復100回摩擦
し、表面の傷の有無を肉視した。 (判定基準) ○:傷は確認できなかった。 ×:傷が確認できたか、もしくは膜が剥離していた。
1000g/cm2 の荷重をかけて、往復100回摩擦
し、表面の傷の有無を肉視した。 (判定基準) ○:傷は確認できなかった。 ×:傷が確認できたか、もしくは膜が剥離していた。
【0097】(実施例1〜6、比較例1〜9)表1およ
び表2に示すそれぞれ所定量のテトラエトキシシラン、
アンモニアによりpHが調整された塩基性水溶液および
イソプロピルアルコールを、マグネチックスターラーに
供給、800rpmで2時間、20℃で混合し、縮合組
成物(A)を得た。
び表2に示すそれぞれ所定量のテトラエトキシシラン、
アンモニアによりpHが調整された塩基性水溶液および
イソプロピルアルコールを、マグネチックスターラーに
供給、800rpmで2時間、20℃で混合し、縮合組
成物(A)を得た。
【0098】表1および表2に示すそれぞれ所定量のテ
トラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、塩酸
によりpHが調整された酸性水溶液、イソプロピルアル
コールを、マグネチックスターラーに供給、800rp
mで2時間、20℃で混合し、縮合組成物(B)を得
た。
トラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、塩酸
によりpHが調整された酸性水溶液、イソプロピルアル
コールを、マグネチックスターラーに供給、800rp
mで2時間、20℃で混合し、縮合組成物(B)を得
た。
【0099】得られた縮合組成物(A)および縮合組成
物(B)を、表1および表2に示す重量比(縮合組成物
(A)/縮合組成物(B))で、マグネチックスターラ
ーに供給、800rpmで2時間、20℃で混合し、無
機質組成物を得た。
物(B)を、表1および表2に示す重量比(縮合組成物
(A)/縮合組成物(B))で、マグネチックスターラ
ーに供給、800rpmで2時間、20℃で混合し、無
機質組成物を得た。
【0100】積層体の製造:調製した無機質組成物に、
スライドガラス(NAKARAI社製、S−2111、
76mm×26mm×1mm)を浸漬し、100〜30
0mm/分の速度で引き上げた後、室温で10分間乾燥
させ、さらに80℃で30分硬化させて反射防止被膜が
形成されたスライドガラスを得た。得られた積層体を用
いて、前記測定法に基づき、各物性を評価し、結果を表
1および表2に示した。
スライドガラス(NAKARAI社製、S−2111、
76mm×26mm×1mm)を浸漬し、100〜30
0mm/分の速度で引き上げた後、室温で10分間乾燥
させ、さらに80℃で30分硬化させて反射防止被膜が
形成されたスライドガラスを得た。得られた積層体を用
いて、前記測定法に基づき、各物性を評価し、結果を表
1および表2に示した。
【0101】なお、比較例2は、縮合組成物(B)の調
製時の酸性水溶液の添加量が少なすぎるため、および比
較例6は、縮合組成物(A)と縮合組成物(B)の混合
比が大きすぎるため、塗布できなかった。また、比較例
4は、縮合組成物(A)の調製時の塩基性水溶液のpH
が高すぎるため、および比較例8は、縮合組成物(A)
の調製時の有機溶剤量が少なすぎるため、縮合組成物
(A)がゲル化し無機質組成物を製造できなかった。
製時の酸性水溶液の添加量が少なすぎるため、および比
較例6は、縮合組成物(A)と縮合組成物(B)の混合
比が大きすぎるため、塗布できなかった。また、比較例
4は、縮合組成物(A)の調製時の塩基性水溶液のpH
が高すぎるため、および比較例8は、縮合組成物(A)
の調製時の有機溶剤量が少なすぎるため、縮合組成物
(A)がゲル化し無機質組成物を製造できなかった。
【0102】(比較例10)実施例1における無機質組
成物の代わりに、フッ素系樹脂(旭硝子社製、商品名
「サイトップ CTL−102A」)を使用した他は、
実施例1と同様にして積層体を得た。得られた積層体を
用いて、前記測定法に基ずき、各物性を評価し、結果を
表2に示した。
成物の代わりに、フッ素系樹脂(旭硝子社製、商品名
「サイトップ CTL−102A」)を使用した他は、
実施例1と同様にして積層体を得た。得られた積層体を
用いて、前記測定法に基ずき、各物性を評価し、結果を
表2に示した。
【0103】
【表1】
【0104】
【表2】
【0105】(実施例7〜12、比較例11〜16)表
3および表4に示すそれぞれ所定量のテトラエトキシシ
ラン、アンモニアによりpHが調整された塩基性水溶
液、イソプロピルアルコール(沸点1気圧下、82.4
℃)、ジエチルエーテル(沸点1気圧下、35℃)を、
マグネチックスターラーに供給、800rpmで2時
間、20℃で混合し、縮合組成物(A)を得た。
3および表4に示すそれぞれ所定量のテトラエトキシシ
ラン、アンモニアによりpHが調整された塩基性水溶
液、イソプロピルアルコール(沸点1気圧下、82.4
℃)、ジエチルエーテル(沸点1気圧下、35℃)を、
マグネチックスターラーに供給、800rpmで2時
間、20℃で混合し、縮合組成物(A)を得た。
【0106】表3および表4に示すそれぞれ所定量のテ
トラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、塩酸
によりpHが調整された酸性水溶液、イソプロピルアル
コール、ジエチルエーテルを、マグネチックスターラー
に供給、800rpmで2時間、20℃で混合し、縮合
組成物(B)を得た。
トラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、塩酸
によりpHが調整された酸性水溶液、イソプロピルアル
コール、ジエチルエーテルを、マグネチックスターラー
に供給、800rpmで2時間、20℃で混合し、縮合
組成物(B)を得た。
【0107】得られた縮合組成物(A)および縮合組成
物(B)を、表3および表4に示す重量比(縮合組成物
(A)/縮合組成物(B))で、マグネチックスターラ
ーに供給、800rpmで2時間、20℃で混合し、無
機質組成物を得た。
物(B)を、表3および表4に示す重量比(縮合組成物
(A)/縮合組成物(B))で、マグネチックスターラ
ーに供給、800rpmで2時間、20℃で混合し、無
機質組成物を得た。
【0108】上記の無機質組成物中に、表3および表4
に示す基材〔スライドガラス(NAKARAI社製、S
−2111、76mm×26mm×1mm)、またはポ
リカーボネート樹脂板(帝人社製、商品名「テイジンパ
ンライト」、100mm×40mm×1mm)〕を浸漬
し、100〜300mm/分の速度で引き上げ、基材の
両面に無機質組成物が塗布された、塗布物を得た。
に示す基材〔スライドガラス(NAKARAI社製、S
−2111、76mm×26mm×1mm)、またはポ
リカーボネート樹脂板(帝人社製、商品名「テイジンパ
ンライト」、100mm×40mm×1mm)〕を浸漬
し、100〜300mm/分の速度で引き上げ、基材の
両面に無機質組成物が塗布された、塗布物を得た。
【0109】得られた塗布物を40℃で、1.5時間放
置した後、二酸化炭素超臨界抽出用オートクレーブに供
給し、40℃、9.0MPaの二酸化炭素で処理し、乾
燥塗布物を得た。
置した後、二酸化炭素超臨界抽出用オートクレーブに供
給し、40℃、9.0MPaの二酸化炭素で処理し、乾
燥塗布物を得た。
【0110】得られた乾燥塗布物を、オーブンに供給
し、表3および表4に示す温度で、30分加熱し、積層
体を製造した。
し、表3および表4に示す温度で、30分加熱し、積層
体を製造した。
【0111】得られた積層体を用いて、前記測定法に基
ずき、各物性を評価し、結果を表5に示した。
ずき、各物性を評価し、結果を表5に示した。
【0112】
【表3】
【0113】
【表4】
【0114】
【表5】
【0115】(比較例17)実施例7における無機質組
成物の代わりに、フッ素系樹脂(旭硝子社製、商品名
「サイトップ CTL−102A」)を使用した他は、
実施例7と同様にして積層体を得た。得られた積層体を
用いて、前記測定法に基ずき、各物性を評価し、結果を
表5に示した。
成物の代わりに、フッ素系樹脂(旭硝子社製、商品名
「サイトップ CTL−102A」)を使用した他は、
実施例7と同様にして積層体を得た。得られた積層体を
用いて、前記測定法に基ずき、各物性を評価し、結果を
表5に示した。
【0116】以下の実施例13−1〜15−8および比
較例18−1〜31−6は、本発明5の積層体の製造方
法に関する実施例および比較例である。なお、結果に示
した本発明5の積層体に関する各物性の評価方法は次の
通りであった。
較例18−1〜31−6は、本発明5の積層体の製造方
法に関する実施例および比較例である。なお、結果に示
した本発明5の積層体に関する各物性の評価方法は次の
通りであった。
【0117】(1) 屈折率 得られた積層体の反射防止被膜を、自動エリプソメータ
ー(溝尻光学工業所製、商品名「DVA−36LP」)
を用いて測定した。なお、実験誤差、測定精度を考慮す
ると、屈折率の誤差範囲は±0.01である。 (2) 耐擦傷性試験 得られた積層体の反射防止被膜の表面を、木綿の布で、
500g/cm2 の荷重をかけて、往復300回摩擦
し、表面の傷の有無を肉視した。 (判定基準) ○:傷は確認できなかった。 △:傷が確認できた。 ×:被膜が剥離していた。
ー(溝尻光学工業所製、商品名「DVA−36LP」)
を用いて測定した。なお、実験誤差、測定精度を考慮す
ると、屈折率の誤差範囲は±0.01である。 (2) 耐擦傷性試験 得られた積層体の反射防止被膜の表面を、木綿の布で、
500g/cm2 の荷重をかけて、往復300回摩擦
し、表面の傷の有無を肉視した。 (判定基準) ○:傷は確認できなかった。 △:傷が確認できた。 ×:被膜が剥離していた。
【0118】(実施例13−1〜13−20)テトラエ
トキシシラン1モル、イソプロピルアルコール15モル
および表6に示す所定量の、pHが11.4にアンモニ
アで調整された塩基性水溶液を、マグネチックスターラ
ーに供給、800rpmで2時間、20℃で混合し、縮
合組成物(A)を得た。
トキシシラン1モル、イソプロピルアルコール15モル
および表6に示す所定量の、pHが11.4にアンモニ
アで調整された塩基性水溶液を、マグネチックスターラ
ーに供給、800rpmで2時間、20℃で混合し、縮
合組成物(A)を得た。
【0119】テトラエトキシシラン1モル、イソプロピ
ルアルコール15モルおよび表6に示す所定量の、pH
が1.2に塩酸で調整された酸性水溶液を、マグネチッ
クスターラーに供給、800rpmで2時間、20℃で
混合し、縮合組成物(B)を得た。
ルアルコール15モルおよび表6に示す所定量の、pH
が1.2に塩酸で調整された酸性水溶液を、マグネチッ
クスターラーに供給、800rpmで2時間、20℃で
混合し、縮合組成物(B)を得た。
【0120】得られた縮合組成物(A)および縮合組成
物(B)を、重量比(縮合組成物(A)/縮合組成物
(B))1.5となるように、マグネチックスターラー
に供給、800rpmで2時間、20℃で混合し、無機
質組成物を得た。
物(B)を、重量比(縮合組成物(A)/縮合組成物
(B))1.5となるように、マグネチックスターラー
に供給、800rpmで2時間、20℃で混合し、無機
質組成物を得た。
【0121】積層体の製造:得られた無機質組成物に、
スライドガラス(NAKARAI社製、S−2111、
76mm×26mm×1mm、屈折率1.52)を浸漬
し、100mm/分の速度で引き上げ膜厚0.2μmと
した後、25℃で10分間乾燥させ、さらに表6に示す
温度で30分間硬化させて屈折率制御被膜が形成された
スライドガラスを得た。得られた積層体を用いて、前記
測定法に基づき、各物性を評価し、結果を表6に示し
た。
スライドガラス(NAKARAI社製、S−2111、
76mm×26mm×1mm、屈折率1.52)を浸漬
し、100mm/分の速度で引き上げ膜厚0.2μmと
した後、25℃で10分間乾燥させ、さらに表6に示す
温度で30分間硬化させて屈折率制御被膜が形成された
スライドガラスを得た。得られた積層体を用いて、前記
測定法に基づき、各物性を評価し、結果を表6に示し
た。
【0122】
【表6】
【0123】(実施例14−1〜14−8)テトラエト
キシシラン1モル、イソプロピルアルコール20モルお
よび表7に示す所定量の、pHが11.1にアンモニア
で調整された塩基性水溶液を、マグネチックスターラー
に供給、800rpmで3時間、20℃で混合し、縮合
組成物(A)を得た。
キシシラン1モル、イソプロピルアルコール20モルお
よび表7に示す所定量の、pHが11.1にアンモニア
で調整された塩基性水溶液を、マグネチックスターラー
に供給、800rpmで3時間、20℃で混合し、縮合
組成物(A)を得た。
【0124】テトラエトキシシラン1モル、イソプロピ
ルアルコール25モルおよび表7に示す所定量の、pH
が1.8に塩酸で調整された酸性水溶液を、マグネチッ
クスターラーに供給、800rpmで4時間、20℃で
混合し、縮合組成物(B)を得た。
ルアルコール25モルおよび表7に示す所定量の、pH
が1.8に塩酸で調整された酸性水溶液を、マグネチッ
クスターラーに供給、800rpmで4時間、20℃で
混合し、縮合組成物(B)を得た。
【0125】得られた縮合組成物(A)および縮合組成
物(B)を、重量比(縮合組成物(A)/縮合組成物
(B))0.8となるように、マグネチックスターラー
に供給、800rpmで1.5時間、15℃で混合し、
無機質組成物を得た。
物(B)を、重量比(縮合組成物(A)/縮合組成物
(B))0.8となるように、マグネチックスターラー
に供給、800rpmで1.5時間、15℃で混合し、
無機質組成物を得た。
【0126】積層体の製造:得られた無機質組成物に、
スライドガラス(NAKARAI社製、S−2111、
76mm×26mm×1mm、屈折率1.52)を浸漬
し、200mm/分の速度で引き上げ膜厚0.2μmと
した後、25℃で10分間乾燥させ、さらに80℃で3
0分間硬化させて屈折率制御被膜が形成されたスライド
ガラスを得た。得られた積層体を用いて、前記測定法に
基づき、各物性を評価し、結果を表7に示した。
スライドガラス(NAKARAI社製、S−2111、
76mm×26mm×1mm、屈折率1.52)を浸漬
し、200mm/分の速度で引き上げ膜厚0.2μmと
した後、25℃で10分間乾燥させ、さらに80℃で3
0分間硬化させて屈折率制御被膜が形成されたスライド
ガラスを得た。得られた積層体を用いて、前記測定法に
基づき、各物性を評価し、結果を表7に示した。
【0127】(実施例15−1〜15−8)テトラエト
キシシラン1モル、イソプロピルアルコール13モルお
よび表7に示す所定量の、pHが11.5にアンモニア
で調整された塩基性水溶液を、マグネチックスターラー
に供給、800rpmで2時間、20℃で混合し、縮合
組成物(A)を得た。
キシシラン1モル、イソプロピルアルコール13モルお
よび表7に示す所定量の、pHが11.5にアンモニア
で調整された塩基性水溶液を、マグネチックスターラー
に供給、800rpmで2時間、20℃で混合し、縮合
組成物(A)を得た。
【0128】テトラエトキシシラン1モル、イソプロピ
ルアルコール18モルおよび表7に示す所定量の、pH
が1.0に塩酸で調整された酸性水溶液を、マグネチッ
クスターラーに供給、800rpmで3時間、20℃で
混合し、縮合組成物(B)を得た。
ルアルコール18モルおよび表7に示す所定量の、pH
が1.0に塩酸で調整された酸性水溶液を、マグネチッ
クスターラーに供給、800rpmで3時間、20℃で
混合し、縮合組成物(B)を得た。
【0129】得られた縮合組成物(A)および縮合組成
物(B)を、重量比(縮合組成物(A)/縮合組成物
(B))1.0となるように、マグネチックスターラー
に供給、800rpmで8時間、−5℃で混合し、無機
質組成物を得た。
物(B)を、重量比(縮合組成物(A)/縮合組成物
(B))1.0となるように、マグネチックスターラー
に供給、800rpmで8時間、−5℃で混合し、無機
質組成物を得た。
【0130】積層体の製造:得られた無機質組成物に、
ポリカーボネート樹脂板(帝人社製、商品名「テイジン
パンライト」、100mm×40mm×1mm、屈折率
1.59)を浸漬し、100mm/分の速度で引き上げ
膜厚0.2μmとした後、25℃で10分間乾燥させ、
さらに80℃で30分間硬化させて屈折率制御被膜が形
成されたポリカーボネート樹脂板を得た。得られた積層
体を用いて、前記測定法に基づき、各物性を評価し、結
果を表7に示した。
ポリカーボネート樹脂板(帝人社製、商品名「テイジン
パンライト」、100mm×40mm×1mm、屈折率
1.59)を浸漬し、100mm/分の速度で引き上げ
膜厚0.2μmとした後、25℃で10分間乾燥させ、
さらに80℃で30分間硬化させて屈折率制御被膜が形
成されたポリカーボネート樹脂板を得た。得られた積層
体を用いて、前記測定法に基づき、各物性を評価し、結
果を表7に示した。
【0131】
【表7】
【0132】(比較例18−1および18−2)実施例
13−1および13−17において、縮合組成物(A)
の調製の際の塩基性水溶液のpHを13.0にした他
は、実施例13−1および13−17と同様にしてそれ
ぞれ比較例18−1および18−2の縮合組成物(A)
を調製したところ、縮合組成物(A)がゲル化し無機質
組成物を製造できなかった。
13−1および13−17において、縮合組成物(A)
の調製の際の塩基性水溶液のpHを13.0にした他
は、実施例13−1および13−17と同様にしてそれ
ぞれ比較例18−1および18−2の縮合組成物(A)
を調製したところ、縮合組成物(A)がゲル化し無機質
組成物を製造できなかった。
【0133】(比較例19−1および19−2)実施例
13−1および13−17において、縮合組成物(A)
の調製の際のイソプロピルアルコールの使用量を7モル
にした他は、実施例13−1および13−17と同様に
してそれぞれ比較例19−1および19−2の縮合組成
物(A)を調製したところ、縮合組成物(A)が白濁し
たので無機質組成物を製造できなかった。
13−1および13−17において、縮合組成物(A)
の調製の際のイソプロピルアルコールの使用量を7モル
にした他は、実施例13−1および13−17と同様に
してそれぞれ比較例19−1および19−2の縮合組成
物(A)を調製したところ、縮合組成物(A)が白濁し
たので無機質組成物を製造できなかった。
【0134】(比較例20−1〜20−4)実施例13
−1〜13−4において、縮合組成物(B)の調製の際
のイソプロピルアルコールの使用量を7モルにした他
は、実施例13−1〜13−4と同様にしてそれぞれ比
較例20−1〜20−4の縮合組成物(B)を調製した
ところ、縮合組成物(B)が白濁したので無機質組成物
を調製できなかった。
−1〜13−4において、縮合組成物(B)の調製の際
のイソプロピルアルコールの使用量を7モルにした他
は、実施例13−1〜13−4と同様にしてそれぞれ比
較例20−1〜20−4の縮合組成物(B)を調製した
ところ、縮合組成物(B)が白濁したので無機質組成物
を調製できなかった。
【0135】(比較例21−1〜21−4)実施例13
−1〜13−4において、縮合組成物(A)と縮合組成
物(B)の混合時の重量比(縮合組成物(A)/縮合組
成物(B))を4.0とした他は、実施例13−1〜1
3−4と同様にしてそれぞれ比較例21−1〜21−4
の無機質組成物を調製したところ、基材に塗布すること
ができなかった。
−1〜13−4において、縮合組成物(A)と縮合組成
物(B)の混合時の重量比(縮合組成物(A)/縮合組
成物(B))を4.0とした他は、実施例13−1〜1
3−4と同様にしてそれぞれ比較例21−1〜21−4
の無機質組成物を調製したところ、基材に塗布すること
ができなかった。
【0136】(比較例22−1〜22−12)実施例1
3−1において、塩基性水溶液を表8に示す所定量使用
したことの他は、実施例13−1と同様にして、縮合組
成物(A)を得た。実施例13−1において、酸性水溶
液を表8に示す所定量使用したことの他は、実施例13
−1と同様にして、縮合組成物(B)を得た。
3−1において、塩基性水溶液を表8に示す所定量使用
したことの他は、実施例13−1と同様にして、縮合組
成物(A)を得た。実施例13−1において、酸性水溶
液を表8に示す所定量使用したことの他は、実施例13
−1と同様にして、縮合組成物(B)を得た。
【0137】得られた縮合組成物(A)および縮合組成
物(B)を、重量比(縮合組成物(A)/縮合組成物
(B))0.3となるように混合したことの他は、実施
例13−1と同様にして、無機質組成物を得た。
物(B)を、重量比(縮合組成物(A)/縮合組成物
(B))0.3となるように混合したことの他は、実施
例13−1と同様にして、無機質組成物を得た。
【0138】得られた無機質組成物を用いて、実施例1
3−1と同様にして、積層体を得た。得られた積層体を
用いて、前記測定法に基づき、各物性を評価し、結果を
表8に示した。
3−1と同様にして、積層体を得た。得られた積層体を
用いて、前記測定法に基づき、各物性を評価し、結果を
表8に示した。
【0139】
【表8】
【0140】(比較例23−1および23−2)実施例
13−1および13−17において、縮合組成物(A)
の調製の際の塩基性水溶液の使用量を10モルにした他
は、実施例13−1および13−17と同様にしてそれ
ぞれ比較例23−1および23−2の縮合組成物(A)
を調製したところ、縮合組成物(A)がゲル化し無機質
組成物を調製できなかった。
13−1および13−17において、縮合組成物(A)
の調製の際の塩基性水溶液の使用量を10モルにした他
は、実施例13−1および13−17と同様にしてそれ
ぞれ比較例23−1および23−2の縮合組成物(A)
を調製したところ、縮合組成物(A)がゲル化し無機質
組成物を調製できなかった。
【0141】(比較例24−1〜24−20)実施例1
3−1〜13−20において、縮合組成物(B)の調製
の際の酸性水溶液の使用量を10モルにした他は、実施
例13−1〜13−20と同様にしてそれぞれ比較例2
4−1〜24−20の積層体を得たところ、被膜が白濁
した積層体しか得られなかった。
3−1〜13−20において、縮合組成物(B)の調製
の際の酸性水溶液の使用量を10モルにした他は、実施
例13−1〜13−20と同様にしてそれぞれ比較例2
4−1〜24−20の積層体を得たところ、被膜が白濁
した積層体しか得られなかった。
【0142】(比較例25−1〜25−6)実施例13
−1において、塩基性水溶液を1モル使用したことの他
は、実施例13−1と同様にして、縮合組成物(A)を
得た。実施例13−1において、酸性水溶液を表9に示
す所定量使用したことの他は、実施例13−1と同様に
して、縮合組成物(B)を得た。
−1において、塩基性水溶液を1モル使用したことの他
は、実施例13−1と同様にして、縮合組成物(A)を
得た。実施例13−1において、酸性水溶液を表9に示
す所定量使用したことの他は、実施例13−1と同様に
して、縮合組成物(B)を得た。
【0143】得られた縮合組成物(A)および縮合組成
物(B)を、実施例13−1と同様にして混合して無機
質組成物を得た。
物(B)を、実施例13−1と同様にして混合して無機
質組成物を得た。
【0144】得られた無機質組成物を用いて、実施例1
3−1と同様にして、積層体を得た。得られた積層体を
用いて、前記測定法に基づき、各物性を評価し、結果を
表9に示した。
3−1と同様にして、積層体を得た。得られた積層体を
用いて、前記測定法に基づき、各物性を評価し、結果を
表9に示した。
【0145】
【表9】
【0146】(比較例26−1および26−2)実施例
13−1および13−17において、酸性水溶液を1モ
ル使用したことの他は、実施例13−1および13−1
7と同様にして、それぞれ比較例26−1および26−
2の無機質組成物を調製したところ、基材に塗布するこ
とができなかった。
13−1および13−17において、酸性水溶液を1モ
ル使用したことの他は、実施例13−1および13−1
7と同様にして、それぞれ比較例26−1および26−
2の無機質組成物を調製したところ、基材に塗布するこ
とができなかった。
【0147】(比較例27−1〜27−12)実施例1
3−1において、縮合組成物(A)の調製の際の塩基性
水溶液のpHを9.0にし、その使用量を表10に示す
所定量使用したことの他は、実施例13−1と同様にし
て、縮合組成物(A)を得た。実施例13−1におい
て、酸性水溶液を表10に示す所定量使用したことの他
は、実施例13−1と同様にして、縮合組成物(B)を
得た。
3−1において、縮合組成物(A)の調製の際の塩基性
水溶液のpHを9.0にし、その使用量を表10に示す
所定量使用したことの他は、実施例13−1と同様にし
て、縮合組成物(A)を得た。実施例13−1におい
て、酸性水溶液を表10に示す所定量使用したことの他
は、実施例13−1と同様にして、縮合組成物(B)を
得た。
【0148】得られた縮合組成物(A)および縮合組成
物(B)を、実施例13−1と同様にして混合して無機
質組成物を得た。
物(B)を、実施例13−1と同様にして混合して無機
質組成物を得た。
【0149】得られた無機質組成物を用いて、実施例1
3−1と同様にして、積層体を得た。得られた積層体を
用いて、前記測定法に基づき、各物性を評価し、結果を
表10に示した。
3−1と同様にして、積層体を得た。得られた積層体を
用いて、前記測定法に基づき、各物性を評価し、結果を
表10に示した。
【0150】
【表10】
【0151】(比較例28−1〜28−20)実施例1
3−1〜13−20において、縮合組成物(B)の調製
の際の酸性水溶液のpHを3.0にした他は、実施例1
3−1〜13−20と同様にしてそれぞれ比較例28−
1〜28−20の積層体を得たところ、被膜が白濁した
積層体しか得られなかった。
3−1〜13−20において、縮合組成物(B)の調製
の際の酸性水溶液のpHを3.0にした他は、実施例1
3−1〜13−20と同様にしてそれぞれ比較例28−
1〜28−20の積層体を得たところ、被膜が白濁した
積層体しか得られなかった。
【0152】(比較例29−1〜29−12)実施例1
3−1において、縮合組成物(A)の調製の際のイソプ
ロピルアルコールの使用量を50モルにし、塩基性水溶
液の使用量を表11に示す所定量使用したことの他は、
実施例13−1と同様にして、縮合組成物(A)を得
た。実施例13−1において、縮合組成物(B)の調製
の際のイソプロピルアルコールの使用量を50モルに
し、酸性水溶液の使用量を表11に示す所定量使用した
ことの他は、実施例13−1と同様にして、縮合組成物
(B)を得た。
3−1において、縮合組成物(A)の調製の際のイソプ
ロピルアルコールの使用量を50モルにし、塩基性水溶
液の使用量を表11に示す所定量使用したことの他は、
実施例13−1と同様にして、縮合組成物(A)を得
た。実施例13−1において、縮合組成物(B)の調製
の際のイソプロピルアルコールの使用量を50モルに
し、酸性水溶液の使用量を表11に示す所定量使用した
ことの他は、実施例13−1と同様にして、縮合組成物
(B)を得た。
【0153】得られた縮合組成物(A)および縮合組成
物(B)を、実施例13−1と同様にして混合して無機
質組成物を得た。
物(B)を、実施例13−1と同様にして混合して無機
質組成物を得た。
【0154】得られた無機質組成物を用いて、実施例1
3−1と同様にして、積層体を得た。得られた積層体を
用いて、前記測定法に基づき、各物性を評価し、結果を
表11に示した。
3−1と同様にして、積層体を得た。得られた積層体を
用いて、前記測定法に基づき、各物性を評価し、結果を
表11に示した。
【0155】
【表11】
【0156】(比較例30−1〜30−3)特開平2−
256001号公報に従い、平均粒径150オングスト
ロームのMgF2 の表12に示した所定量、テトラエト
キシシラン5g、濃塩酸0.1gおよびエタノール3g
を混合し均一溶液とした。この溶液に実施例13−1と
同様のスライドガラスを浸漬し、100mm/分の速度
で引き上げ積層体を得た。得られた積層体を用いて、前
記測定法に基づき、各物性を評価し、結果を表12に示
した。
256001号公報に従い、平均粒径150オングスト
ロームのMgF2 の表12に示した所定量、テトラエト
キシシラン5g、濃塩酸0.1gおよびエタノール3g
を混合し均一溶液とした。この溶液に実施例13−1と
同様のスライドガラスを浸漬し、100mm/分の速度
で引き上げ積層体を得た。得られた積層体を用いて、前
記測定法に基づき、各物性を評価し、結果を表12に示
した。
【0157】
【表12】
【0158】(比較例31−1〜31−6)特開平3−
199043号公報に従い、メチルトリエトキシシラン
17.83g、エタノール13.82gおよび1−ブタ
ノール22.24gを混合し均一溶液とした。この溶液
に水10.8gとリン酸0.49gを加え、更に60分
間攪拌した。得られた溶液に、エタノール13.82
g、1−ブタノール22.24g、ポリエチレングリコ
ール3.30gを加え、更に10分間混合した。得られ
た溶液に実施例13−1と同様のスライドガラスを浸漬
し、ゆっくりと引き上げ、室温で10分間乾燥後、エタ
ノール中に浸漬し、超音波振動をかけてポリエチレング
リコールを溶出させた。溶出時間を表13に示したよう
に10〜60分の範囲で変化させて積層体を得た。得ら
れた積層体を用いて、前記測定法に基づき、各物性を評
価し、結果を表13に示した。
199043号公報に従い、メチルトリエトキシシラン
17.83g、エタノール13.82gおよび1−ブタ
ノール22.24gを混合し均一溶液とした。この溶液
に水10.8gとリン酸0.49gを加え、更に60分
間攪拌した。得られた溶液に、エタノール13.82
g、1−ブタノール22.24g、ポリエチレングリコ
ール3.30gを加え、更に10分間混合した。得られ
た溶液に実施例13−1と同様のスライドガラスを浸漬
し、ゆっくりと引き上げ、室温で10分間乾燥後、エタ
ノール中に浸漬し、超音波振動をかけてポリエチレング
リコールを溶出させた。溶出時間を表13に示したよう
に10〜60分の範囲で変化させて積層体を得た。得ら
れた積層体を用いて、前記測定法に基づき、各物性を評
価し、結果を表13に示した。
【0159】
【表13】
【0160】以下の実施例16〜21および比較例32
〜38は、本発明6のペン入力パネル用保護材料の製造
方法に関する実施例および比較例である。なお、結果に
示したペン入力パネル用保護材料に関する各物性の評価
方法は次の通りであった。
〜38は、本発明6のペン入力パネル用保護材料の製造
方法に関する実施例および比較例である。なお、結果に
示したペン入力パネル用保護材料に関する各物性の評価
方法は次の通りであった。
【0161】(1) 屈折率 得られたペン入力パネル用保護材料の被膜を、自動エリ
プソメーター(溝尻光学工業所製、商品名「DVA−3
6LP」)を用いて測定した。なお、実験誤差、測定精
度を考慮すると、屈折率の誤差範囲は±0.01であ
る。 (2) 表面形状測定 得られたペン入力パネル用保護材料の被膜の表面を、表
面形状測定機(日本真空技術社製、商品名「DEKTA
K−303」)で測定した。表面凹凸は、図3に示した
凹凸幅aと凹凸高さbによって表した。
プソメーター(溝尻光学工業所製、商品名「DVA−3
6LP」)を用いて測定した。なお、実験誤差、測定精
度を考慮すると、屈折率の誤差範囲は±0.01であ
る。 (2) 表面形状測定 得られたペン入力パネル用保護材料の被膜の表面を、表
面形状測定機(日本真空技術社製、商品名「DEKTA
K−303」)で測定した。表面凹凸は、図3に示した
凹凸幅aと凹凸高さbによって表した。
【0162】(実施例16〜21、比較例32〜36)
表14および表15に示すそれぞれ所定量のテトラエト
キシシラン、アンモニアによりpHが調整された塩基性
水溶液およびイソプロピルアルコールを、マグネチック
スターラーに供給、800rpmで2時間、20℃で混
合し、縮合組成物(A)を得た。
表14および表15に示すそれぞれ所定量のテトラエト
キシシラン、アンモニアによりpHが調整された塩基性
水溶液およびイソプロピルアルコールを、マグネチック
スターラーに供給、800rpmで2時間、20℃で混
合し、縮合組成物(A)を得た。
【0163】表14および表15に示すそれぞれ所定量
のテトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、
塩酸によりpHが調整された酸性水溶液、イソプロピル
アルコールを、マグネチックスターラーに供給、800
rpmで2時間、20℃で混合し、縮合組成物(B)を
得た。
のテトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、
塩酸によりpHが調整された酸性水溶液、イソプロピル
アルコールを、マグネチックスターラーに供給、800
rpmで2時間、20℃で混合し、縮合組成物(B)を
得た。
【0164】得られた縮合組成物(A)および縮合組成
物(B)を、表14および表15に示す重量比(縮合組
成物(A)/縮合組成物(B))で、マグネチックスタ
ーラーに供給、800rpmで2時間、20℃で混合
し、無機質組成物を得た。
物(B)を、表14および表15に示す重量比(縮合組
成物(A)/縮合組成物(B))で、マグネチックスタ
ーラーに供給、800rpmで2時間、20℃で混合
し、無機質組成物を得た。
【0165】ペン入力パネル用保護材料の製造:得られ
た無機質組成物に、ポリエチレンテレフタレートフィル
ム(東レ社製、商品名「ルミナー」、100mm×40
mm×0.25mm)を浸漬し、100mm/分の速度
で引き上げた後、室温で10分間乾燥させ、さらに80
℃で30分硬化させてペン入力パネル用保護材料を得
た。得られたペン入力パネル用保護材料を用いて、前記
測定法に基づき、各物性を評価し、結果を表14および
表15に示した。
た無機質組成物に、ポリエチレンテレフタレートフィル
ム(東レ社製、商品名「ルミナー」、100mm×40
mm×0.25mm)を浸漬し、100mm/分の速度
で引き上げた後、室温で10分間乾燥させ、さらに80
℃で30分硬化させてペン入力パネル用保護材料を得
た。得られたペン入力パネル用保護材料を用いて、前記
測定法に基づき、各物性を評価し、結果を表14および
表15に示した。
【0166】(比較例37)実施例16における無機質
組成物の代わりに、フッ素系樹脂(旭硝子社製、商品名
「サイトップ CTL−102A」)を使用した他は、
実施例16と同様にしてペン入力パネル用保護材料を得
た。得られたペン入力パネル用保護材料を用いて、前記
測定法に基ずき、各物性を評価し、結果を表15に示し
た。
組成物の代わりに、フッ素系樹脂(旭硝子社製、商品名
「サイトップ CTL−102A」)を使用した他は、
実施例16と同様にしてペン入力パネル用保護材料を得
た。得られたペン入力パネル用保護材料を用いて、前記
測定法に基ずき、各物性を評価し、結果を表15に示し
た。
【0167】(比較例38)実施例16と同様のポリエ
チレンテレフタレートフィルムに、真空蒸着法(真空
度、1.3×10-4Torr)を用いて、SiO2 薄膜
を1μmの厚さで積層してペン入力パネル用保護材料を
得た。得られたペン入力パネル用保護材料を用いて、前
記測定法に基ずき、各物性を評価し、結果を表15に示
した。
チレンテレフタレートフィルムに、真空蒸着法(真空
度、1.3×10-4Torr)を用いて、SiO2 薄膜
を1μmの厚さで積層してペン入力パネル用保護材料を
得た。得られたペン入力パネル用保護材料を用いて、前
記測定法に基ずき、各物性を評価し、結果を表15に示
した。
【0168】
【表14】
【0169】
【表15】
【0170】
【発明の効果】本発明の無機質組成物の製造方法の構成
は上記の通りであり、縮合組成物(A)及び(B)を調
製するのに、混合装置としてマグネチックスターラーな
どのような簡便な攪拌機で十分であり、又、無機質組成
物の製造も同様に、均一にコロイダルシリカをアルコキ
シシランに分散させるのが容易であるため、混合装置と
してマグネチックスターラーなどのような簡便な攪拌機
で十分であり、高性能な装置を必要としない。従って、
この無機質組成物の製造方法は製造が容易であり、得ら
れた無機質組成物は基材上に塗布し、硬化させると、耐
擦傷性に優れた多孔質の被膜を与えるので、例えば、反
射防止体等として使用される積層体の製造に好適に使用
される。
は上記の通りであり、縮合組成物(A)及び(B)を調
製するのに、混合装置としてマグネチックスターラーな
どのような簡便な攪拌機で十分であり、又、無機質組成
物の製造も同様に、均一にコロイダルシリカをアルコキ
シシランに分散させるのが容易であるため、混合装置と
してマグネチックスターラーなどのような簡便な攪拌機
で十分であり、高性能な装置を必要としない。従って、
この無機質組成物の製造方法は製造が容易であり、得ら
れた無機質組成物は基材上に塗布し、硬化させると、耐
擦傷性に優れた多孔質の被膜を与えるので、例えば、反
射防止体等として使用される積層体の製造に好適に使用
される。
【0171】本発明2の積層体の製造方法の構成は上記
の通りであり、反射防止体等として使用される積層体を
容易に製造することができる。又、得られた積層体の表
面には、均一にコロイダルシリカが分散された、アルコ
キシシランの重縮合組成物からなる、スチールウールな
どの硬い材料で摩擦しても傷が付き難く、引っ掻き傷に
よる外観低下をおこし難い、耐擦傷性に優れ、反射防止
効果の高い多孔質の被膜が形成される。
の通りであり、反射防止体等として使用される積層体を
容易に製造することができる。又、得られた積層体の表
面には、均一にコロイダルシリカが分散された、アルコ
キシシランの重縮合組成物からなる、スチールウールな
どの硬い材料で摩擦しても傷が付き難く、引っ掻き傷に
よる外観低下をおこし難い、耐擦傷性に優れ、反射防止
効果の高い多孔質の被膜が形成される。
【0172】従って、本発明2の積層体の製造方法を用
いて得られた積層体は、例えば、メガネレンズ、ゴーグ
ル、コンタクトレンズ等のメガネ分野;車の窓、インパ
ネメーター、ナビゲーションシステム等の自動車分野;
窓ガラス等の住宅・建築分野;太陽電池、光電池、レー
ザー等のエネルギー分野;ノートパソコン、電子手帳、
液晶テレビ、車載用テレビ、液晶ビデオ、プロジェクシ
ョンテレビ、光ファイバー、光ディスク等の電子情報機
器分野;照明グローブ、蛍光灯、鏡、時計等の家庭用品
分野;ショーケース、額、半導体リソグラフィー、コピ
ー機器等の業務用分野;液晶ゲーム機器、パチンコ台ガ
ラス、ゲーム機等の娯楽分野等の分野の材料に用いられ
得る。これらのうち、特に、メガネレンズ、車の窓、イ
ンパネメーター、ナビゲーションシステム、太陽電池、
光電池、レーザー、ノートパソコン、電子手帳、液晶テ
レビ、車載用テレビ、液晶ビデオ、プロジェクションテ
レビ、光ディスク、蛍光灯、液晶ゲーム機器等の材料に
好適に用いられ得る。
いて得られた積層体は、例えば、メガネレンズ、ゴーグ
ル、コンタクトレンズ等のメガネ分野;車の窓、インパ
ネメーター、ナビゲーションシステム等の自動車分野;
窓ガラス等の住宅・建築分野;太陽電池、光電池、レー
ザー等のエネルギー分野;ノートパソコン、電子手帳、
液晶テレビ、車載用テレビ、液晶ビデオ、プロジェクシ
ョンテレビ、光ファイバー、光ディスク等の電子情報機
器分野;照明グローブ、蛍光灯、鏡、時計等の家庭用品
分野;ショーケース、額、半導体リソグラフィー、コピ
ー機器等の業務用分野;液晶ゲーム機器、パチンコ台ガ
ラス、ゲーム機等の娯楽分野等の分野の材料に用いられ
得る。これらのうち、特に、メガネレンズ、車の窓、イ
ンパネメーター、ナビゲーションシステム、太陽電池、
光電池、レーザー、ノートパソコン、電子手帳、液晶テ
レビ、車載用テレビ、液晶ビデオ、プロジェクションテ
レビ、光ディスク、蛍光灯、液晶ゲーム機器等の材料に
好適に用いられ得る。
【0173】本発明3および本発明4の積層体の製造方
法の構成は上記の通りであり、上述の本発明2の効果を
全て奏する。更に、本発明3および本発明4の製造方法
によると、無機質組成物を、基材上に塗布、放置した
後、被膜中に有機溶媒、水を残存させた状態で、超臨界
状態の二酸化炭素で超臨界乾燥するので、被膜に細孔を
残しつつ、被膜中の有機溶媒、水の気化を完全に行うこ
とが可能となり、次いで、乾燥された被膜を加熱するの
で、基材と被膜との結合が強固となる。
法の構成は上記の通りであり、上述の本発明2の効果を
全て奏する。更に、本発明3および本発明4の製造方法
によると、無機質組成物を、基材上に塗布、放置した
後、被膜中に有機溶媒、水を残存させた状態で、超臨界
状態の二酸化炭素で超臨界乾燥するので、被膜に細孔を
残しつつ、被膜中の有機溶媒、水の気化を完全に行うこ
とが可能となり、次いで、乾燥された被膜を加熱するの
で、基材と被膜との結合が強固となる。
【0174】本発明5の積層体の製造方法の構成は上記
の通りであり、上述の本発明2〜4の効果を全て奏す
る。更に、本発明5の積層体の製造方法によると、無機
質組成物を使用して得られる被膜の屈折率を1.26〜
1.38の範囲で制御できるので、屈折率が1.5〜
1.9の基材の反射率を0に近づけることができる。
の通りであり、上述の本発明2〜4の効果を全て奏す
る。更に、本発明5の積層体の製造方法によると、無機
質組成物を使用して得られる被膜の屈折率を1.26〜
1.38の範囲で制御できるので、屈折率が1.5〜
1.9の基材の反射率を0に近づけることができる。
【0175】本発明6のペン入力パネル用保護材料の製
造方法の構成は上記の通りであり、得られたペン入力パ
ネル用保護材料は、表面の被膜がスチールウール等の硬
い材料で摩擦しても傷が付きにくく、引っ掻き傷による
外観低下を起こし難い。また、表面に微細な凹凸がある
ため、アセタール樹脂等の入力用ペンに適合する摩擦係
数を有するので、紙上に鉛筆で記入するような書き味感
を有する。また、被膜が多孔質であり、低い屈折率を有
するので、外部光線の映りこみを防止できる。従って、
ペン入力パネル用の保護材料として好適である。
造方法の構成は上記の通りであり、得られたペン入力パ
ネル用保護材料は、表面の被膜がスチールウール等の硬
い材料で摩擦しても傷が付きにくく、引っ掻き傷による
外観低下を起こし難い。また、表面に微細な凹凸がある
ため、アセタール樹脂等の入力用ペンに適合する摩擦係
数を有するので、紙上に鉛筆で記入するような書き味感
を有する。また、被膜が多孔質であり、低い屈折率を有
するので、外部光線の映りこみを防止できる。従って、
ペン入力パネル用の保護材料として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】電磁誘導方式のタブレットを用いたペン入力パ
ネルの構成を示す断面図である。
ネルの構成を示す断面図である。
【図2】抵抗膜方式のタブレットを用いたペン入力パネ
ルの構成を示す断面図である。
ルの構成を示す断面図である。
【図3】表面形状測定機で測定した表面凹凸を表す図で
ある。
ある。
1 保護膜もしくは表面処理層 2 保護材料 3 LCD(液晶表示素子)ユニット 4 センサー板 5 プリント配線板 6 支持板 7 保護膜 8 上部透明シート 9 透明導電性薄膜 10 ドットスペーサー 11 下部透明シート 12 支持基材 a 凹凸幅 b 凹凸高さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 1/10
Claims (6)
- 【請求項1】 一般式Si(OR)4 (式中、Rは炭素
数1〜5のアルキル基)で表されるアルコキシシラン1
モル、pHが10.0〜12.0の塩基性水溶液2〜8
モル及び有機溶媒10〜30モルを混合して得られる縮
合組成物(A)と、一般式(R2 )n Si(OR1 )
4-n (式中、R1 およびR2 は炭素数1〜5のアルキル
基、nは0〜3の整数)で表されるアルコキシシラン1
モル、pHが0〜2.6の酸性水溶液3〜8モル及び有
機溶媒10〜30モルとを混合して得られる縮合組成物
(B)とを、 A/B=0.4〜2.4(重量比)で混合することを特
徴とする無機質組成物の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の製造方法で得られる無機
質組成物を基材上に塗布し、硬化させることを特徴とす
る積層体の製造方法。 - 【請求項3】 有機溶媒の沸点が60℃以上である請求
項1記載の製造方法で得られる無機質組成物を無機基材
上に塗布し、10〜60℃で放置した後、超臨界状態の
二酸化炭素で超臨界乾燥し、次いで80〜600℃に加
熱して硬化させることを特徴とする積層体の製造方法。 - 【請求項4】 有機溶媒の沸点が60℃以上である請求
項1記載の製造方法で得られる無機質組成物を有機基材
上に塗布し、10〜60℃で放置した後、超臨界状態の
二酸化炭素で超臨界乾燥し、次いで80〜120℃に加
熱して硬化させることを特徴とする積層体の製造方法。 - 【請求項5】 基材の屈折率が1.5〜1.9である請
求項2〜4記載の積層体の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1記載の製造方法で得られる無機
質組成物を透明な基材上に塗布し、硬化させることを特
徴とするペン入力パネル用保護材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07314794A JP3491952B2 (ja) | 1993-12-22 | 1994-04-12 | 無機質組成物の製造方法、積層体の製造方法及びペン入力パネル用保護材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32468093 | 1993-12-22 | ||
JP6-7630 | 1994-01-27 | ||
JP5-324680 | 1994-01-27 | ||
JP763094 | 1994-01-27 | ||
JP07314794A JP3491952B2 (ja) | 1993-12-22 | 1994-04-12 | 無機質組成物の製造方法、積層体の製造方法及びペン入力パネル用保護材料の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07253504A true JPH07253504A (ja) | 1995-10-03 |
JP3491952B2 JP3491952B2 (ja) | 2004-02-03 |
Family
ID=27277690
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07314794A Expired - Fee Related JP3491952B2 (ja) | 1993-12-22 | 1994-04-12 | 無機質組成物の製造方法、積層体の製造方法及びペン入力パネル用保護材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3491952B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009075583A (ja) * | 2007-08-28 | 2009-04-09 | Hoya Corp | シリカエアロゲル膜の製造方法、反射防止膜及び光学素子 |
WO2014061718A1 (ja) * | 2012-10-17 | 2014-04-24 | 株式会社ダイセル | 透明フィルム及びその使用方法並びにタッチパネル |
WO2014163189A1 (ja) * | 2013-04-05 | 2014-10-09 | 積水化学工業株式会社 | 積層バリアシート |
JP2015049904A (ja) * | 2013-08-30 | 2015-03-16 | インテル・コーポレーション | タッチスクリーンディスプレイ |
-
1994
- 1994-04-12 JP JP07314794A patent/JP3491952B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009075583A (ja) * | 2007-08-28 | 2009-04-09 | Hoya Corp | シリカエアロゲル膜の製造方法、反射防止膜及び光学素子 |
WO2014061718A1 (ja) * | 2012-10-17 | 2014-04-24 | 株式会社ダイセル | 透明フィルム及びその使用方法並びにタッチパネル |
JP2014097649A (ja) * | 2012-10-17 | 2014-05-29 | Daicel Corp | 透明フィルム及びその使用方法並びにタッチパネル |
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