JPH07253442A - 加速度センサ - Google Patents
加速度センサInfo
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- JPH07253442A JPH07253442A JP7169894A JP7169894A JPH07253442A JP H07253442 A JPH07253442 A JP H07253442A JP 7169894 A JP7169894 A JP 7169894A JP 7169894 A JP7169894 A JP 7169894A JP H07253442 A JPH07253442 A JP H07253442A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】搬送波を用いず、ノイズが少なく、より小型で
信頼性の高い構成で、なおかつ一次元方向のみの加速度
を検出できる加速度センサを提供すること。 【構成】基板上に、可動部(MG)10として可動ゲートG1、
G2、保持用可動電極MVを設け、信号処理部を有した加速
度センサ100 の回路構成図の一例で、G1、G2が一方向の
加速度により差動電圧を発生させ、出力信号を保持用可
動電極に戻し、可動部に掛かる加速度力を相殺する静電
気力で可動部をバランスさせ、閉ループ制御で検出信号
を安定させる。可動部が検出回路の一部であり、小型化
して形成でき、差動で信号を検出するため一方向の加速
度のみを検出できる。電流変化を電圧差として検出する
ため搬送波を用いる必要がなく、対で可動ゲートFET が
形成されるので、温度ドリフトの影響がなく、同様に電
源変動の影響も差動信号によるので相殺でき、半導体装
置を簡素に構成できる。
信頼性の高い構成で、なおかつ一次元方向のみの加速度
を検出できる加速度センサを提供すること。 【構成】基板上に、可動部(MG)10として可動ゲートG1、
G2、保持用可動電極MVを設け、信号処理部を有した加速
度センサ100 の回路構成図の一例で、G1、G2が一方向の
加速度により差動電圧を発生させ、出力信号を保持用可
動電極に戻し、可動部に掛かる加速度力を相殺する静電
気力で可動部をバランスさせ、閉ループ制御で検出信号
を安定させる。可動部が検出回路の一部であり、小型化
して形成でき、差動で信号を検出するため一方向の加速
度のみを検出できる。電流変化を電圧差として検出する
ため搬送波を用いる必要がなく、対で可動ゲートFET が
形成されるので、温度ドリフトの影響がなく、同様に電
源変動の影響も差動信号によるので相殺でき、半導体装
置を簡素に構成できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、最近特に車両用の制御
装置、具体的にはエアバック、ABS(Antilock Brake
System) 、ナビゲータ・システム等や、あるいは、ヨー
レートセンシング、圧力検出等に用いられる加速度セン
サ(以下、Gセンサと記す)に関し、特に、可動ゲート
トランジスタを用いた半導体Gセンサに関する。
装置、具体的にはエアバック、ABS(Antilock Brake
System) 、ナビゲータ・システム等や、あるいは、ヨー
レートセンシング、圧力検出等に用いられる加速度セン
サ(以下、Gセンサと記す)に関し、特に、可動ゲート
トランジスタを用いた半導体Gセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用Gセンサに対し、小型、
低コストかつ高性能なものが求められており、マイクロ
マシニング技術による1チップGセンサが試作されてい
る。これは、半導体基板上に機械的な構造を形成して、
直接信号を電気回路で処理する構成とするものである。
そのようなものとして、例えば公表特許公報平4-504003
号がある。これは、保持用可動電極を構成して、この保
持用可動電極を用いて差動コンデンサを形成してサーボ
系を組み、搬送波を用いて、保持用可動電極にかかる加
速度を検出し、出力信号を得ている。
低コストかつ高性能なものが求められており、マイクロ
マシニング技術による1チップGセンサが試作されてい
る。これは、半導体基板上に機械的な構造を形成して、
直接信号を電気回路で処理する構成とするものである。
そのようなものとして、例えば公表特許公報平4-504003
号がある。これは、保持用可動電極を構成して、この保
持用可動電極を用いて差動コンデンサを形成してサーボ
系を組み、搬送波を用いて、保持用可動電極にかかる加
速度を検出し、出力信号を得ている。
【0003】また、本発明の出願者は特願平5-322353号
にて、コンデンサもしくはMISFET(Metal Insulator Sem
iconductor Field Effect Transistor) を検出素子と
し、静電気力で可動部を加速度力に対抗して発生させて
該可動部の変化を打ち消して保持する手段を備えた閉ル
ープ制御の加速度センサを提案している。さらに同様
に、特願平5-322348号で可動部の動きを該基板に対して
水平に動かして捩じれを防ぐ構成とし、MISFETの電流量
の変化で加速度を検出するようにしている。
にて、コンデンサもしくはMISFET(Metal Insulator Sem
iconductor Field Effect Transistor) を検出素子と
し、静電気力で可動部を加速度力に対抗して発生させて
該可動部の変化を打ち消して保持する手段を備えた閉ル
ープ制御の加速度センサを提案している。さらに同様
に、特願平5-322348号で可動部の動きを該基板に対して
水平に動かして捩じれを防ぐ構成とし、MISFETの電流量
の変化で加速度を検出するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の公
表特許の方法では、センシングデバイスが保持用可動電
極を有する差動コンデンサという構造であるため、出力
信号レベルが小さく、小型化が困難である。また上記の
特願平5-322353号の方法でもコンデンサを用いており、
また、検出という目的のためにサーボ系を組んではいる
が、搬送波などの高周波信号を用いるため、雑音レベル
が高い。そのため、ABSあるいはヨーレートセンサ等
の低加速度検出が必要なセンサとしては、上記の構成で
は十分な信号強度を得ることに問題がある。さらに、搬
送波発生回路が集積回路全体のおよそ40〜50% を占めて
おり、センサチップの小型化にも不利な要因となってい
るという問題がある。特願平5-322348号の方法では、MI
SFETの電流量の変化で加速度を検出するものの、基板に
垂直な方向と水平な方向との二次元の加速度を同時に検
出するために一次元方向のみの加速度が検出できない。
表特許の方法では、センシングデバイスが保持用可動電
極を有する差動コンデンサという構造であるため、出力
信号レベルが小さく、小型化が困難である。また上記の
特願平5-322353号の方法でもコンデンサを用いており、
また、検出という目的のためにサーボ系を組んではいる
が、搬送波などの高周波信号を用いるため、雑音レベル
が高い。そのため、ABSあるいはヨーレートセンサ等
の低加速度検出が必要なセンサとしては、上記の構成で
は十分な信号強度を得ることに問題がある。さらに、搬
送波発生回路が集積回路全体のおよそ40〜50% を占めて
おり、センサチップの小型化にも不利な要因となってい
るという問題がある。特願平5-322348号の方法では、MI
SFETの電流量の変化で加速度を検出するものの、基板に
垂直な方向と水平な方向との二次元の加速度を同時に検
出するために一次元方向のみの加速度が検出できない。
【0005】従って本発明の目的は、搬送波を用いず
に、ノイズが少なく、構成的により小型で信頼性が高
く、なおかつ一次元方向のみの加速度を検出できるGセ
ンサを提供することである。
に、ノイズが少なく、構成的により小型で信頼性が高
く、なおかつ一次元方向のみの加速度を検出できるGセ
ンサを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め本発明の構成は、基板面と所定の間隔で梁によって支
えられるとともに可動ゲート電極を有する可動部と、該
可動ゲート電極とMIS構造的に位置するソース・ドレ
イン電極とを備えてなり、加速度を検出する加速度セン
サにおいて、該可動ゲート電極が前記可動部の両側に対
向配置されて、同一特性のMIS型トランジスタの少な
くとも一つの対に形成され、対になった前記可動ゲート
電極を同一電位とし、前記可動部が加速度を受けて動か
された際に前記MIS型トランジスタの対が互いに反対
の動特性を示して差動出力信号を得る差動出力部を有
し、前記差動出力信号を積分して保持する積分部を有
し、前記積分部の出力信号に基づき、前記加速度に対抗
する大きさの静電気力で以て該可動部の変位を制御する
変位制御部を有することを特徴とする。
め本発明の構成は、基板面と所定の間隔で梁によって支
えられるとともに可動ゲート電極を有する可動部と、該
可動ゲート電極とMIS構造的に位置するソース・ドレ
イン電極とを備えてなり、加速度を検出する加速度セン
サにおいて、該可動ゲート電極が前記可動部の両側に対
向配置されて、同一特性のMIS型トランジスタの少な
くとも一つの対に形成され、対になった前記可動ゲート
電極を同一電位とし、前記可動部が加速度を受けて動か
された際に前記MIS型トランジスタの対が互いに反対
の動特性を示して差動出力信号を得る差動出力部を有
し、前記差動出力信号を積分して保持する積分部を有
し、前記積分部の出力信号に基づき、前記加速度に対抗
する大きさの静電気力で以て該可動部の変位を制御する
変位制御部を有することを特徴とする。
【0007】また関連発明の構成は、前記変位制御部
が、前記可動部の保持用可動電極と、前記基板上の第一
固定電極と第二固定電極とで構成され、無加速度時に、
該第一固定電極と該第二固定電極とが対で前記保持用可
動電極を挟み込んで均等な間隔を取って配置されている
ことを特徴とし、別の構成では、前記変位制御部が、前
記可動部に対して出力信号を帰還させることを特徴と
し、さらに別の構成では、前記第一固定電極、前記第二
固定電極間に所定バイアスを印加し、前記保持用可動電
極に前記出力信号を帰還させて、前記可動部に加速度が
加わって変位を生じた際に、該加速度と反対方向の静電
気力を前記保持用可動電極に発生させることを特徴とす
る。
が、前記可動部の保持用可動電極と、前記基板上の第一
固定電極と第二固定電極とで構成され、無加速度時に、
該第一固定電極と該第二固定電極とが対で前記保持用可
動電極を挟み込んで均等な間隔を取って配置されている
ことを特徴とし、別の構成では、前記変位制御部が、前
記可動部に対して出力信号を帰還させることを特徴と
し、さらに別の構成では、前記第一固定電極、前記第二
固定電極間に所定バイアスを印加し、前記保持用可動電
極に前記出力信号を帰還させて、前記可動部に加速度が
加わって変位を生じた際に、該加速度と反対方向の静電
気力を前記保持用可動電極に発生させることを特徴とす
る。
【0008】本発明のさらに別の構成は、出力信号を第
一固定電極に帰還させ、前記出力信号の極性を反転させ
た反転信号を第二固定電極に帰還させ、前記保持用可動
電極は所定電位として、前記可動部に加速度が加わって
変位を生じた際に、該加速度と反対方向の静電気力を前
記保持用可動電極に発生させることを特徴とする。
一固定電極に帰還させ、前記出力信号の極性を反転させ
た反転信号を第二固定電極に帰還させ、前記保持用可動
電極は所定電位として、前記可動部に加速度が加わって
変位を生じた際に、該加速度と反対方向の静電気力を前
記保持用可動電極に発生させることを特徴とする。
【0009】本発明の別の構成としてはまた、両持ち型
の梁が平行に複数で前記可動部を支え、前記基板面に対
して水平方向で、前記梁方向と直角なゲート方向に前記
可動ゲート電極の対が配置され、前記ゲート方向が加速
度検出方向であることや、前記可動部が一本の両持ち型
の梁の片側に配置されて前記基板面に垂直方向の加速度
を検知し、前記梁の両側に前記可動ゲート電極が該梁を
対称として等しく配置され、変位制御部が、該梁に対し
て対称で等しい面積を有する可動電極、および該可動電
極に面するとともに前記梁の位置を軸対称として等しい
面積に形成された基板面の第一固定電極および第二固定
電極とで構成されることを特徴とする。
の梁が平行に複数で前記可動部を支え、前記基板面に対
して水平方向で、前記梁方向と直角なゲート方向に前記
可動ゲート電極の対が配置され、前記ゲート方向が加速
度検出方向であることや、前記可動部が一本の両持ち型
の梁の片側に配置されて前記基板面に垂直方向の加速度
を検知し、前記梁の両側に前記可動ゲート電極が該梁を
対称として等しく配置され、変位制御部が、該梁に対し
て対称で等しい面積を有する可動電極、および該可動電
極に面するとともに前記梁の位置を軸対称として等しい
面積に形成された基板面の第一固定電極および第二固定
電極とで構成されることを特徴とする。
【0010】本発明の構成はさらに、前記差動出力部に
差動増幅器を有することとか、前記変位制御部が、保持
用可動電極と第一固定電極および第二固定電極との組に
よって複数組、前記可動部に設けられていること、可動
部に矩形穴部を有し、変位制御部の前記第一固定電極お
よび第二固定電極が矩形内部の淵に設けられていること
も特徴としている。
差動増幅器を有することとか、前記変位制御部が、保持
用可動電極と第一固定電極および第二固定電極との組に
よって複数組、前記可動部に設けられていること、可動
部に矩形穴部を有し、変位制御部の前記第一固定電極お
よび第二固定電極が矩形内部の淵に設けられていること
も特徴としている。
【0011】
【作用】可動部の可動ゲート自体が、該基板に対する一
方向の検出すべき加速度を受けて変位を生じ、回路の電
気的バランスを崩し、MIS型トランジスタ対に差動電
圧を発生させ、検出信号として出力する。この出力信号
を、可動部の一部を構成し、変位を制御する変位制御部
に戻すと、可動部に掛かる加速度の力を相殺する力が変
位制御部に発生し、可動部を中立位置でバランスさせ、
従って閉ループ制御で検出信号を安定させる。また信号
検出が差動となっていることから、可動部が水平方向以
外の加速度、特に該基板に対して垂直方向の加速度によ
り変位を生じたとしても同相の信号成分となるため、信
号には寄与しない。
方向の検出すべき加速度を受けて変位を生じ、回路の電
気的バランスを崩し、MIS型トランジスタ対に差動電
圧を発生させ、検出信号として出力する。この出力信号
を、可動部の一部を構成し、変位を制御する変位制御部
に戻すと、可動部に掛かる加速度の力を相殺する力が変
位制御部に発生し、可動部を中立位置でバランスさせ、
従って閉ループ制御で検出信号を安定させる。また信号
検出が差動となっていることから、可動部が水平方向以
外の加速度、特に該基板に対して垂直方向の加速度によ
り変位を生じたとしても同相の信号成分となるため、信
号には寄与しない。
【0012】また片持ち梁で質量部分を支える構造の可
動部では、梁部分が回動軸となって上下方向の加速度に
対して信号を発生し、梁部分を中心軸として対称に配置
されたMIS型トランジスタの対が差動電圧を発生し、
前述と同様な閉ループ制御で信号検出を行う。
動部では、梁部分が回動軸となって上下方向の加速度に
対して信号を発生し、梁部分を中心軸として対称に配置
されたMIS型トランジスタの対が差動電圧を発生し、
前述と同様な閉ループ制御で信号検出を行う。
【0013】
【発明の効果】加速度検出部である可動部が検出回路の
一部であり、そのまま小型化して形成でき、また差動で
信号を検出するため、一方向の加速度のみを検出でき
る。また電流変化を電圧差として検出するため搬送波を
用いる必要がなく、また基板の同一部分にペアでトラン
ジスタが形成されるので、温度ドリフトの影響がなく、
同様に電源ドリフトによる影響も差動信号によるので相
殺でき、半導体装置を簡素に構成できる。
一部であり、そのまま小型化して形成でき、また差動で
信号を検出するため、一方向の加速度のみを検出でき
る。また電流変化を電圧差として検出するため搬送波を
用いる必要がなく、また基板の同一部分にペアでトラン
ジスタが形成されるので、温度ドリフトの影響がなく、
同様に電源ドリフトによる影響も差動信号によるので相
殺でき、半導体装置を簡素に構成できる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説
明する。図1は、半導体基板面上に、加速度を検知する
部分である可動部(MG)10として可動ゲートG1、
G2、保持用可動電極MVを設け、信号を処理する部分
としてMIS型トランジスタの対11、12と、そのド
レイン出力を負荷15による電圧V1 、V2 の差動で受
けて差動出力信号を得る差動増幅部13、その差動出力
信号を積分して出力信号を出力する積分部14を有した
半導体加速度センサ(Gセンサ)100の基本的な回路
構成図の一例である。この可動部10を実現する外観の
一例として図2に、両持ちタイプの梁部23で支える構
成の可動部10の見取り図を示してある。ただし図2は
基板上に形成された可動部10に関する部分のみを描い
てある。
明する。図1は、半導体基板面上に、加速度を検知する
部分である可動部(MG)10として可動ゲートG1、
G2、保持用可動電極MVを設け、信号を処理する部分
としてMIS型トランジスタの対11、12と、そのド
レイン出力を負荷15による電圧V1 、V2 の差動で受
けて差動出力信号を得る差動増幅部13、その差動出力
信号を積分して出力信号を出力する積分部14を有した
半導体加速度センサ(Gセンサ)100の基本的な回路
構成図の一例である。この可動部10を実現する外観の
一例として図2に、両持ちタイプの梁部23で支える構
成の可動部10の見取り図を示してある。ただし図2は
基板上に形成された可動部10に関する部分のみを描い
てある。
【0015】可動ゲートG1、G2は電気的に同電位に
構成され、それぞれが同一形状なMISFET(MIS 型トラン
ジスタ、可動ゲートトランジスタ)11、12のゲート
電極となっており、かつ保持用可動電極MVも同電位に
なるように構成される。これら可動ゲートG1、G2、
および保持用可動電極MVは一体となった構造であり、
この可動部10が基板と平行で可動ゲートをG1、G2
を構成する方向(図2の矢印方向L)に働く加速度を検
知する。この可動部10は梁部23の一端に設けられた
基板上の絶縁部22の上に、固定部21で基板上部に支
えられている。可動ゲートG1、G2、および保持用可
動電極MVは、図2に示すように、力学的見地から可動
部10の方向Lに対して対称的に同一形状で配置されて
いる。そして、この可動ゲートG1、G2と保持用可動
電極に対して、基板から電位を供給するために、固定部
21、絶縁部22に設けられた基板とのコンタクト部
(図示しない)が形成されている。
構成され、それぞれが同一形状なMISFET(MIS 型トラン
ジスタ、可動ゲートトランジスタ)11、12のゲート
電極となっており、かつ保持用可動電極MVも同電位に
なるように構成される。これら可動ゲートG1、G2、
および保持用可動電極MVは一体となった構造であり、
この可動部10が基板と平行で可動ゲートをG1、G2
を構成する方向(図2の矢印方向L)に働く加速度を検
知する。この可動部10は梁部23の一端に設けられた
基板上の絶縁部22の上に、固定部21で基板上部に支
えられている。可動ゲートG1、G2、および保持用可
動電極MVは、図2に示すように、力学的見地から可動
部10の方向Lに対して対称的に同一形状で配置されて
いる。そして、この可動ゲートG1、G2と保持用可動
電極に対して、基板から電位を供給するために、固定部
21、絶縁部22に設けられた基板とのコンタクト部
(図示しない)が形成されている。
【0016】MISFET11、12は、基板内の半導体活性
領域24、25でソース・ドレイン電極が形成される。
このソース・ドレイン電極は可動ゲートG1、G2それ
ぞれに対して、それらの下部でチャネル部が一部重なっ
たMIS構造的配置、詳細には自己整合的配置に形成さ
れ、可動ゲートG1、G2の位置が動くと、その重なり
の面積が変化する構成となっている。そしてこれらのソ
ース・ドレイン電極24、25はMISFET11、12共に
同一の大きさで、可動ゲートが同じ重なり量であれば、
同一値の電流値が流れるように形成されている。このた
め、MISFET11、12の電源VDDは所定の定電圧が印加
される。
領域24、25でソース・ドレイン電極が形成される。
このソース・ドレイン電極は可動ゲートG1、G2それ
ぞれに対して、それらの下部でチャネル部が一部重なっ
たMIS構造的配置、詳細には自己整合的配置に形成さ
れ、可動ゲートG1、G2の位置が動くと、その重なり
の面積が変化する構成となっている。そしてこれらのソ
ース・ドレイン電極24、25はMISFET11、12共に
同一の大きさで、可動ゲートが同じ重なり量であれば、
同一値の電流値が流れるように形成されている。このた
め、MISFET11、12の電源VDDは所定の定電圧が印加
される。
【0017】また可動部10の下部の基板領域は、可動
部10に基板との間で静電気力が働くのを防ぐために、
可動部10と同一の電位となるように高濃度の不純物を
添加して活性領域20が設けられている。
部10に基板との間で静電気力が働くのを防ぐために、
可動部10と同一の電位となるように高濃度の不純物を
添加して活性領域20が設けられている。
【0018】二つのMISFET11、12の出力は、それぞ
れ電源VDDに接続された負荷15に接続されて電圧
V1 、V2 として取り出し、差動増幅部13に入力さ
れ、二つの出力の差ΔV=V1 −V2 を増幅する。通
常、このΔVは小さい信号値なので、増幅率Aは1以上
に取る。増幅された出力ΔVは積分部14に入力され、
積分された結果が出力信号V0 として出力される。そし
て出力された信号V0 は、可動部10の固定部21より
保持用可動電極MVにフィードバックされる構成となっ
ている。これらの電気的回路は可動部10を形成する半
導体基板に同時に従来の半導体プロセスで形成される。
れ電源VDDに接続された負荷15に接続されて電圧
V1 、V2 として取り出し、差動増幅部13に入力さ
れ、二つの出力の差ΔV=V1 −V2 を増幅する。通
常、このΔVは小さい信号値なので、増幅率Aは1以上
に取る。増幅された出力ΔVは積分部14に入力され、
積分された結果が出力信号V0 として出力される。そし
て出力された信号V0 は、可動部10の固定部21より
保持用可動電極MVにフィードバックされる構成となっ
ている。これらの電気的回路は可動部10を形成する半
導体基板に同時に従来の半導体プロセスで形成される。
【0019】なお図2に示す可動部10の外観は、実際
の寸法を反映しているものではなく、実際の形状は、検
出すべき目標とする加速度の程度や可動部の材質、材料
強度などにより、目的に合うように設計される。例え
ば、可動部10には半導体材料ばかりでなくタングステ
ン等の高融点金属を用いても良い。また、可動ゲートの
動きによって生じる差動電圧の大きさもソース・ドレイ
ンの寸法等によって決定されるので、目的に合う信号レ
ベルが得られるようにすればよい。
の寸法を反映しているものではなく、実際の形状は、検
出すべき目標とする加速度の程度や可動部の材質、材料
強度などにより、目的に合うように設計される。例え
ば、可動部10には半導体材料ばかりでなくタングステ
ン等の高融点金属を用いても良い。また、可動ゲートの
動きによって生じる差動電圧の大きさもソース・ドレイ
ンの寸法等によって決定されるので、目的に合う信号レ
ベルが得られるようにすればよい。
【0020】上記の可動部の構造を有する半導体Gセン
サの装置が、何の加速度も受けない状態では、可動部1
0にはMISFET11、12のドライブ点として、バイアス
電圧が電源VDDの半分の値VDD/2で供給されており、
MISFETの出力としての電圧V1 、V2 が等しい状態にな
っている。従って外力の働かない、つまり加速度の働か
ない状態ではΔV=0であり、出力信号V0 は無変化で
ある。ここで、出力信号V0 は可動部10にフィードバ
ックすることから可動部10のバイアス値VDD/2をゼ
ロ点としている。
サの装置が、何の加速度も受けない状態では、可動部1
0にはMISFET11、12のドライブ点として、バイアス
電圧が電源VDDの半分の値VDD/2で供給されており、
MISFETの出力としての電圧V1 、V2 が等しい状態にな
っている。従って外力の働かない、つまり加速度の働か
ない状態ではΔV=0であり、出力信号V0 は無変化で
ある。ここで、出力信号V0 は可動部10にフィードバ
ックすることから可動部10のバイアス値VDD/2をゼ
ロ点としている。
【0021】ここで、G1側に一定の大きさの加速度が
働きだしたとする(加速度の立ち上がりは無視する)
と、可動部10はG1側に力を受けて、梁の弾性力が抗
する所まで動こうとする。従って可動ゲートG1が動き
出すのでMISFET11の電流が大きくなり、V1 を下げ
る。MISFET12側のG2は逆の動きとなるので逆にV2
を上げる。そして差動電圧ΔVが−Δv1 を発生し、そ
れに見合って出力電圧がv0 という値であったのがv0
−v1 まで減少しようと変化する。その電圧が保持用可
動電極MVにフィードバックされているので、G1側に
変位した可動部10および保持用可動電極MVに対し
て、第一固定電極S1、第二固定電極S2にかけられた
バイアスにより、可動部10が移動した方向と反対側の
第二電極S2側に大きな静電気力が発生し、保持用可動
電極MVおよび可動部10をG2側のもともと中立位置
にあった位置まで動かそうとする。この一連の反応は電
気的なので機械的動きとほぼ同時、つまり加速度が働き
出すとそれに追従して静電気力を発生させる制御をしつ
つ出力信号を生じる。従って可動部10は殆ど動かずに
元のほぼ中立位置に戻る。従ってゲートG1、G2が元
の中立位置に戻るのでΔV=0となり、出力の積分値の
増大は止まってv0 −v1 のままとなる。もし加速度が
増大する変化で有れば、常に中立位置よりわずかに変位
した位置をとり続け、出力電圧も変化し続けることにな
る。
働きだしたとする(加速度の立ち上がりは無視する)
と、可動部10はG1側に力を受けて、梁の弾性力が抗
する所まで動こうとする。従って可動ゲートG1が動き
出すのでMISFET11の電流が大きくなり、V1 を下げ
る。MISFET12側のG2は逆の動きとなるので逆にV2
を上げる。そして差動電圧ΔVが−Δv1 を発生し、そ
れに見合って出力電圧がv0 という値であったのがv0
−v1 まで減少しようと変化する。その電圧が保持用可
動電極MVにフィードバックされているので、G1側に
変位した可動部10および保持用可動電極MVに対し
て、第一固定電極S1、第二固定電極S2にかけられた
バイアスにより、可動部10が移動した方向と反対側の
第二電極S2側に大きな静電気力が発生し、保持用可動
電極MVおよび可動部10をG2側のもともと中立位置
にあった位置まで動かそうとする。この一連の反応は電
気的なので機械的動きとほぼ同時、つまり加速度が働き
出すとそれに追従して静電気力を発生させる制御をしつ
つ出力信号を生じる。従って可動部10は殆ど動かずに
元のほぼ中立位置に戻る。従ってゲートG1、G2が元
の中立位置に戻るのでΔV=0となり、出力の積分値の
増大は止まってv0 −v1 のままとなる。もし加速度が
増大する変化で有れば、常に中立位置よりわずかに変位
した位置をとり続け、出力電圧も変化し続けることにな
る。
【0022】ここで加速度が無くなると、発生していた
静電気力はまだ残っているので、可動部10をG2側に
変位させ、V2 を下げてV1 を上げる動作をし、ΔVが
+Δv1 となり、出力電圧がv0 −v1 から電位を上げ
始め、静電気力も低下して可動部10を再び中立位置に
戻して、出力電圧を+v1 だけ増大させて止まる。つま
り、加速度がG1側にかかっている間は出力電圧v0 が
低下し、加速度が止むとその変化で元のv0 に戻る。従
って出力信号V0 は加速度がある間、加速度に比例した
変化を示して加速度が0になるとゼロ点(VDD/2)に
戻り、出力信号は加速度を表す信号となる。加速度が逆
のG2側に働く場合は逆の動作となり、出力電圧v0 が
上昇し、加速度が止まると元のv0 に戻る。
静電気力はまだ残っているので、可動部10をG2側に
変位させ、V2 を下げてV1 を上げる動作をし、ΔVが
+Δv1 となり、出力電圧がv0 −v1 から電位を上げ
始め、静電気力も低下して可動部10を再び中立位置に
戻して、出力電圧を+v1 だけ増大させて止まる。つま
り、加速度がG1側にかかっている間は出力電圧v0 が
低下し、加速度が止むとその変化で元のv0 に戻る。従
って出力信号V0 は加速度がある間、加速度に比例した
変化を示して加速度が0になるとゼロ点(VDD/2)に
戻り、出力信号は加速度を表す信号となる。加速度が逆
のG2側に働く場合は逆の動作となり、出力電圧v0 が
上昇し、加速度が止まると元のv0 に戻る。
【0023】差動出力を得るための、対になったMIS
型トランジスタは、位置的に半導体基板のほぼ同じ位置
に形成されることになるので、キャリア濃度が影響を生
じるトランジスタの温度はほぼ同じ値をとると見なすこ
とができ、温度による信号への影響は無視できる。また
車両などの使用環境では電源の変動が起こることがあ
り、加速度センサ自体の電源(図1のVDD)も変動を生
じることがあるが、検出方式を差動としてあるために、
電源の変動はほとんど信号に影響を生じない。なお、電
気的回路の宿命として、増幅部の誤差や積分部にゼロ点
ドリフトが発生するが、トリミング補正や補正回路を設
けること、あるいは定期的にゼロ点補正するなど通常の
電子回路技術の運用で対応でき、この点は理論的に本発
明と直接関係はないので、発明の効果の有効性を損なう
要因ではない。
型トランジスタは、位置的に半導体基板のほぼ同じ位置
に形成されることになるので、キャリア濃度が影響を生
じるトランジスタの温度はほぼ同じ値をとると見なすこ
とができ、温度による信号への影響は無視できる。また
車両などの使用環境では電源の変動が起こることがあ
り、加速度センサ自体の電源(図1のVDD)も変動を生
じることがあるが、検出方式を差動としてあるために、
電源の変動はほとんど信号に影響を生じない。なお、電
気的回路の宿命として、増幅部の誤差や積分部にゼロ点
ドリフトが発生するが、トリミング補正や補正回路を設
けること、あるいは定期的にゼロ点補正するなど通常の
電子回路技術の運用で対応でき、この点は理論的に本発
明と直接関係はないので、発明の効果の有効性を損なう
要因ではない。
【0024】(第二実施例)可動部10の加速度を相殺
するための静電気力を可動部10に発生させるための手
段は図1に示した構成に限らず、どのような構成であっ
てもよい。即ち、請求項4を実現する手段として、可動
部10に対する静電気力を働かせる構成として図4に示
す構造であっても効果は同様である。図3では、可動部
10の保持用可動電極MVに対する固定電極S1に出力
電圧をフィードバックし、固定電極S2に出力電圧を反
転した電圧を与えて、保持用可動電極MVは所定電位と
し、この保持用可動電極MVをに対して静電気力を生じ
させる。この構成では、加速度によりゲート電位が変わ
るということがないため、常に一定のドレイン電流が得
られる。従ってサーボ制御の帰還速度等も加速度に依存
しなくなるという利点がある。
するための静電気力を可動部10に発生させるための手
段は図1に示した構成に限らず、どのような構成であっ
てもよい。即ち、請求項4を実現する手段として、可動
部10に対する静電気力を働かせる構成として図4に示
す構造であっても効果は同様である。図3では、可動部
10の保持用可動電極MVに対する固定電極S1に出力
電圧をフィードバックし、固定電極S2に出力電圧を反
転した電圧を与えて、保持用可動電極MVは所定電位と
し、この保持用可動電極MVをに対して静電気力を生じ
させる。この構成では、加速度によりゲート電位が変わ
るということがないため、常に一定のドレイン電流が得
られる。従ってサーボ制御の帰還速度等も加速度に依存
しなくなるという利点がある。
【0025】(第三実施例)可動ゲートおよび保持用可
動電極の配置は、図2のみがその最良なものという訳で
はなく、可動部の加速度に対する応答度や制動など必要
に応じて四対配置の可動ゲートや六対配置の保持用可動
電極であってもよい。図4に示す模式的な各形状は、そ
の可動部のいくつかのバリエーションを示したものであ
る。図4(a)は、保持用可動電極MVを梁部とした構成
で、第一固定電極および第二固定電極は、梁を挟むよう
にして形成される。梁部は4か所あるので、力学的バラ
ンスから4か所とも形成する。また図4(b) は請求項9
に示す発明を実現するもので、可動部の中央に矩形の穴
部を設け、その内部に梁構造を形成して、それを挟み込
むように第一、第二固定電極を形成する場合である。図
4(c) は、請求項8の場合を反映して、可動ゲートを複
数構成し、保持用可動電極も複数形成した場合である。
これは信号が強く得られる構成とできる。いずれの場合
も、外形的構成は加速度の掛かる方向に対して力学的に
対称となるような構成とする。
動電極の配置は、図2のみがその最良なものという訳で
はなく、可動部の加速度に対する応答度や制動など必要
に応じて四対配置の可動ゲートや六対配置の保持用可動
電極であってもよい。図4に示す模式的な各形状は、そ
の可動部のいくつかのバリエーションを示したものであ
る。図4(a)は、保持用可動電極MVを梁部とした構成
で、第一固定電極および第二固定電極は、梁を挟むよう
にして形成される。梁部は4か所あるので、力学的バラ
ンスから4か所とも形成する。また図4(b) は請求項9
に示す発明を実現するもので、可動部の中央に矩形の穴
部を設け、その内部に梁構造を形成して、それを挟み込
むように第一、第二固定電極を形成する場合である。図
4(c) は、請求項8の場合を反映して、可動ゲートを複
数構成し、保持用可動電極も複数形成した場合である。
これは信号が強く得られる構成とできる。いずれの場合
も、外形的構成は加速度の掛かる方向に対して力学的に
対称となるような構成とする。
【0026】以上の他にも、加速度検出が一方向のみに
なる可動部の力学的構成であれば、本発明の特徴を備え
た効果を有することは言うまでもない。
なる可動部の力学的構成であれば、本発明の特徴を備え
た効果を有することは言うまでもない。
【0027】(第四実施例)図5(a) は可動部60の質
量部分(マス)62を片持ち梁部63で支える構造とし
てあり、従って、可動ゲートG1、G2は基板に垂直な
方向の加速度に反応して両持ち梁部分61を中心に回動
運動を起こし、可動ゲートが基板のソース・ドレイン部
との間隔を変化させて、キャリア濃度を変化させ、電流
を変化させる。可動部60には、回動軸となる両持ち梁
部分61の両側に、回動軸を対称として保持用可動電極
MVが形成してあり、基板側には第一固定電極S1、第
二固定電極S2が設けてある。この可動部60を横から
見たA-A'断面図が図5(b) である。保持用可動電極6
4、65は基板側に設けられた固定電極S1、S2によ
り静電気力を受け、回動と反対方向の回動力を得てバラ
ンスさせる。なお、この図5に示した構成は請求項6の
発明を反映するものであるが、この図5の形状に限ら
ず、全体的形状、例えば変位制御部の第一固定電極、第
二固定電極の形状および寸法等は、用いる材料や使用条
件等によって最適に決定され、梁の太さなども対象とす
る加速度の程度によって決定される。
量部分(マス)62を片持ち梁部63で支える構造とし
てあり、従って、可動ゲートG1、G2は基板に垂直な
方向の加速度に反応して両持ち梁部分61を中心に回動
運動を起こし、可動ゲートが基板のソース・ドレイン部
との間隔を変化させて、キャリア濃度を変化させ、電流
を変化させる。可動部60には、回動軸となる両持ち梁
部分61の両側に、回動軸を対称として保持用可動電極
MVが形成してあり、基板側には第一固定電極S1、第
二固定電極S2が設けてある。この可動部60を横から
見たA-A'断面図が図5(b) である。保持用可動電極6
4、65は基板側に設けられた固定電極S1、S2によ
り静電気力を受け、回動と反対方向の回動力を得てバラ
ンスさせる。なお、この図5に示した構成は請求項6の
発明を反映するものであるが、この図5の形状に限ら
ず、全体的形状、例えば変位制御部の第一固定電極、第
二固定電極の形状および寸法等は、用いる材料や使用条
件等によって最適に決定され、梁の太さなども対象とす
る加速度の程度によって決定される。
【0028】(第五実施例)第一実施例が基板に対して
水平方向の加速度を検出し、第三実施例が基板に対して
垂直方向の加速度を検出することから、これらを組み合
わせて一つのチップに形成すると三次元方向の加速度を
それぞれ独立に検出できる半導体Gセンサが形成でき
る。即ち、図6に示すように、直行するxyz軸に沿っ
て水平検出型Gセンサを直角関係に配置し、垂直検出型
Gセンサも同時に1チップに形成する。必要な演算部を
同時に周辺に形成することができるので、コンパクトな
1チップの立体的加速度検出Gセンサを実現することに
なる。これは加速度の各方向成分が独立して検知でき、
同時に各方向成分以外のノイズ分を相殺させることも可
能で、より精度ある加速度信号を得ることができる。ま
た図示しないが、第一実施例の水平検出型Gセンサ二つ
でxy平面方向の加速度が検出できるし、水平検出型と
垂直検出型との二つの組み合わせではxz方向(基板に
垂直な面の二方向)が検出できるなど、Gセンサ二つの
組み合わせで二方向検出可能であることはいうまでもな
い。
水平方向の加速度を検出し、第三実施例が基板に対して
垂直方向の加速度を検出することから、これらを組み合
わせて一つのチップに形成すると三次元方向の加速度を
それぞれ独立に検出できる半導体Gセンサが形成でき
る。即ち、図6に示すように、直行するxyz軸に沿っ
て水平検出型Gセンサを直角関係に配置し、垂直検出型
Gセンサも同時に1チップに形成する。必要な演算部を
同時に周辺に形成することができるので、コンパクトな
1チップの立体的加速度検出Gセンサを実現することに
なる。これは加速度の各方向成分が独立して検知でき、
同時に各方向成分以外のノイズ分を相殺させることも可
能で、より精度ある加速度信号を得ることができる。ま
た図示しないが、第一実施例の水平検出型Gセンサ二つ
でxy平面方向の加速度が検出できるし、水平検出型と
垂直検出型との二つの組み合わせではxz方向(基板に
垂直な面の二方向)が検出できるなど、Gセンサ二つの
組み合わせで二方向検出可能であることはいうまでもな
い。
【0029】いずれの場合の実施例においても、基板側
の活性領域や信号処理演算部などは通常の半導体プロセ
スを用い、信号にノイズが含まれないよう充分に素子分
離等を施し、より精度よく加速度を検出できるようにす
ることが望ましい。
の活性領域や信号処理演算部などは通常の半導体プロセ
スを用い、信号にノイズが含まれないよう充分に素子分
離等を施し、より精度よく加速度を検出できるようにす
ることが望ましい。
【0030】なお、請求項でいう可動部とは、加速度に
よって変位を生じて加速度を検知して信号を発生させる
部分を構成し、MISFETの可動ゲート電極と、出力信号を
受けてサーボ制御的に検出信号を安定化させる保持用可
動電極とから成る。また差動出力部は、可動ゲートMI
S型トランジスタの対、負荷による差動電圧取出しの構
成部分、および差動増幅部からなり、差動出力信号=Δ
Vである。
よって変位を生じて加速度を検知して信号を発生させる
部分を構成し、MISFETの可動ゲート電極と、出力信号を
受けてサーボ制御的に検出信号を安定化させる保持用可
動電極とから成る。また差動出力部は、可動ゲートMI
S型トランジスタの対、負荷による差動電圧取出しの構
成部分、および差動増幅部からなり、差動出力信号=Δ
Vである。
【0031】以上のように本発明の構成によれば、搬送
波を用いずとも加速度の検知ができ、フィードバックル
ープを設けた閉ループ制御による、温度変化や電圧変化
に強い加速度検出ができる。従って本発明を用いて、寒
暖の差が大きい環境条件で利用され、電源電圧(バッテ
リ)の変動が生じやすい車両のエアバックの衝突検出な
どで、車両の発進や振動等による加速度で誤動作するこ
となく、衝突によってのみ生じる衝突方向の加速度を検
知してエアバック装置を作動させることができる。
波を用いずとも加速度の検知ができ、フィードバックル
ープを設けた閉ループ制御による、温度変化や電圧変化
に強い加速度検出ができる。従って本発明を用いて、寒
暖の差が大きい環境条件で利用され、電源電圧(バッテ
リ)の変動が生じやすい車両のエアバックの衝突検出な
どで、車両の発進や振動等による加速度で誤動作するこ
となく、衝突によってのみ生じる衝突方向の加速度を検
知してエアバック装置を作動させることができる。
【図1】半導体加速度センサ(Gセンサ)の基本的な回
路構成図。
路構成図。
【図2】加速度検知部である可動部の模式的見取り図。
【図3】第二実施例の回路構成図。
【図4】第三実施例の可動部の模式的構成図。
【図5】第四実施例を示す可動部の構成図。
【図6】第五実施例を示す模式的構成図。
100 加速度センサ 10 可動部(MG) 11、12 可動ゲートMIS型トランジスタ G1、G2 可動ゲート MV 変位制御用可動電極 S1、S2 固定電極(第一、第二) 15 負荷 21 固定部 22 絶縁部 23 梁部 24、25 ソース・ドレイン 41 反転部 60 可動部 61 固定部 62 質量部分(マス) 63 梁部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青 健一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 彼末 将和 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 上野山 博文 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内
Claims (10)
- 【請求項1】基板面と所定の間隔で梁によって支えられ
るとともに可動ゲート電極を有する可動部と、該可動ゲ
ート電極とMIS構造的に位置するソース・ドレイン電
極とを備えてなり、加速度を検出する加速度センサにお
いて、 該可動ゲート電極が前記可動部の両側に対向配置され
て、同一特性のMIS型トランジスタの少なくとも一つ
の対に形成され、 対になった前記可動ゲート電極を同一電位とし、前記可
動部が加速度を受けて動かされた際に前記MIS型トラ
ンジスタの対が互いに反対の動特性を示して差動出力信
号を得る差動出力部を有し、 前記差動出力信号を積分して保持する積分部を有し、 前記積分部の出力信号に基づき、前記加速度に対抗する
大きさの静電気力で以て該可動部の変位を制御する変位
制御部を有することを特徴とする加速度センサ。 - 【請求項2】前記変位制御部は、前記可動部の保持用可
動電極と、前記基板上の第一固定電極と第二固定電極と
で構成され、無加速度時に、該第一固定電極と該第二固
定電極とが対で前記保持用可動電極を挟み込んで均等な
間隔を取って配置されていることを特徴とする請求項1
に記載の加速度センサ。 - 【請求項3】前記変位制御部は、前記可動部に対して出
力信号を帰還させることを特徴とする請求項1もしくは
請求項2に記載の加速度センサ。 - 【請求項4】前記第一固定電極、前記第二固定電極間に
所定バイアスを印加し、 前記保持用可動電極に前記出力信号を帰還させて、前記
可動部に加速度が加わって変位を生じた際に、該加速度
と反対方向の静電気力を前記保持用可動電極に発生させ
ることを特徴とする請求項2に記載の加速度センサ。 - 【請求項5】出力信号を第一固定電極に帰還させ、前記
出力信号の極性を反転させた反転信号を第二固定電極に
帰還させ、 前記保持用可動電極は所定電位として、前記可動部に加
速度が加わって変位を生じた際に、該加速度と反対方向
の静電気力を前記保持用可動電極に発生させることを特
徴とする請求項2に記載の加速度センサ。 - 【請求項6】両持ち型の梁が平行に複数で前記可動部を
支え、 前記基板面に対して水平方向で、前記梁方向と直角なゲ
ート配置方向に前記可動ゲート電極の対が配置され、前
記ゲート配置方向が加速度検出方向であることを特徴と
する請求項1乃至5に記載の加速度センサ。 - 【請求項7】質量部分が一本の両持ち型の梁の片側に配
置されて前記基板面に垂直方向の加速度を検知する可動
部を成し、 前記梁の両側に前記可動ゲート電極が該梁を対称として
配置され、 前記変位制御部が、該梁に対して対称で等しい面積を有
する可動電極、および該可動電極に面するとともに前記
梁の位置を軸対称として等しい面積に形成された基板面
の前記第一固定電極および前記第二固定電極とで構成さ
れることを特徴とする請求項1乃至5に記載の加速度セ
ンサ。 - 【請求項8】前記差動出力部に差動増幅器を有すること
を特徴とする請求項1乃至7に記載の加速度センサ。 - 【請求項9】前記変位制御部が、保持用可動電極と第一
固定電極および第二固定電極との組によって複数組、前
記可動部に設けられていることを特徴とする請求項1乃
至8に記載の加速度センサ。 - 【請求項10】可動部に矩形穴部を有し、変位制御部の
前記第一固定電極および第二固定電極が矩形内部の淵に
設けられていることを特徴とする請求項6に記載の加速
度センサ。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7169894A JPH07253442A (ja) | 1994-03-15 | 1994-03-15 | 加速度センサ |
JP22874094A JP3269274B2 (ja) | 1994-03-15 | 1994-08-29 | 加速度センサ |
US08/404,295 US5541437A (en) | 1994-03-15 | 1995-03-14 | Acceleration sensor using MIS-like transistors |
DE19509338A DE19509338C2 (de) | 1994-03-15 | 1995-03-15 | Beschleunigungssensor |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7169894A JPH07253442A (ja) | 1994-03-15 | 1994-03-15 | 加速度センサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07253442A true JPH07253442A (ja) | 1995-10-03 |
Family
ID=13468029
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7169894A Pending JPH07253442A (ja) | 1994-03-15 | 1994-03-15 | 加速度センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07253442A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007071846A (ja) * | 2005-09-09 | 2007-03-22 | Univ Kansai | 静電容量型センサとその製造方法 |
JP2009537806A (ja) * | 2006-05-18 | 2009-10-29 | コミツサリア タ レネルジー アトミーク | 少なくとも1つのトランジスタを備えた運動感応性デバイス |
-
1994
- 1994-03-15 JP JP7169894A patent/JPH07253442A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007071846A (ja) * | 2005-09-09 | 2007-03-22 | Univ Kansai | 静電容量型センサとその製造方法 |
JP2009537806A (ja) * | 2006-05-18 | 2009-10-29 | コミツサリア タ レネルジー アトミーク | 少なくとも1つのトランジスタを備えた運動感応性デバイス |
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