JPH0725305A - 車両用エアバッグ装置 - Google Patents

車両用エアバッグ装置

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Publication number
JPH0725305A
JPH0725305A JP5170698A JP17069893A JPH0725305A JP H0725305 A JPH0725305 A JP H0725305A JP 5170698 A JP5170698 A JP 5170698A JP 17069893 A JP17069893 A JP 17069893A JP H0725305 A JPH0725305 A JP H0725305A
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JP
Japan
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airbag
state
vehicle
instrument panel
seat
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Pending
Application number
JP5170698A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaya Watanabe
雅也 渡辺
Iwao Takaoka
岩男 高岡
Katsuaki Sasaki
克明 佐々木
Naomune Moriyama
尚宗 森山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】インスツルメントパネル部における運転席に対
向する部分に、計器類等の配置に不都合をきたすことな
くエアバッグを格納し、そのエアバッグの膨張方向を乗
員の保護に最適な方向に設定することが可能なものとな
す。 【構成】インスツルメントパネル部7における計器類よ
り車両前方側となる位置に設けられたバッグ格納部31
と、バッグ格納部31に格納され、インフレータ35の
作動によりバッグ格納部31の開口部31Aを通じて膨
張するエアバッグ30と、インスツルメントパネル部7
における上部7Aに設けられ、バッグ格納部31の開口
部31Aをその上方で覆うとともに計器類に対するバイ
ザとしての役割を果たす第1の状態と、エアバッグ30
の膨張時に、第1の状態をとる位置から回動せしめられ
て、エアバッグ30の膨張方向を制御する第2の状態と
をとる可動バイザ形成部8とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車室形成部に設けられ
たバッグ格納部に収縮状態をとるとともにバッグ拡張手
段を伴って格納され、車両の車体にその外部から比較的
大なる衝撃が加えられたとき、バッグ拡張手段の作動に
より、収縮状態から車室内に膨張する状態に移行するも
のとされるエアバッグを備えた車両用エアバッグ装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】車両においては、平常時には車体におけ
る車室形成部に設けられた格納部に収縮状態をもって格
納されているものとされるエアバッグを装備し、車体に
その外部から比較的大なる衝撃が加えられたとき、収縮
状態におかれたエアバッグに、格納部から車室内へと急
速膨張する状態をとらせ、その膨張状態とされたエアバ
ッグにより衝撃力を吸収するとともに車室内の乗員を拘
束するようにして、乗員に及ぼされる衝撃を緩和し、乗
員の保護を図るようになすことが提案されている。
【0003】このような車両に装備されるエアバッグ
は、車室内に設置された運転席及び助手席に夫々着座す
る乗員の保護を図るものとされることが多く、一般に、
例えば、特開平2-303952号公報にも示される如くに、運
転席に着座する乗員の保護を主目的とするものにあって
は、ステアリングホイールの中央部に設けられた格納部
に収縮状態とされて格納され、また、助手席に着座する
乗員の保護を主目的とするものにあっては、車室形成部
の前端部分を構成するインスツルメントパネル部におけ
る助手席の前方となる部分に設けられた格納部に収縮状
態とされて格納される。
【0004】そして、ステアリングホイールの中央部あ
るいはインスツルメントパネル部における助手席の前方
となる部分に設けられた格納部に収縮状態とされて格納
されたエアバッグは、収縮状態から膨張状態に移行せし
められるにあたっては、エアバッグに伴って格納部に配
されたバッグ拡張手段(インフレータ)の作動により、
内部に急速にガスが充填せしめられて、格納部から車室
内へと膨張するものとされる。このようなステアリング
ホイールの中央部あるいはインスツルメントパネル部に
設けられた格納部に格納されるエアバッグにあっては、
それが膨張状態におかれるとき、車室内において車両の
進行方向側に倒れ込むことになることが多い乗員におけ
る頭部を含む上体の保護を確実に行うものとされるべ
く、例えば、その乗員の喉元部分に当接するように膨張
することが望まれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の如くに車両に装
備されるエアバッグが、運転席に着座する乗員の保護を
その主たる役割とするものとされて、ステアリングホイ
ールの中央部に設けられた格納部に格納される場合に
は、運転席に着座する乗員についての基準の位置が想定
され、膨張したエアバッグが、想定された基準の位置か
ら車両の進行方向側に倒れ込む乗員の喉元部分に当接す
る状態が得られるように、エアバッグの膨張方向が設定
される。しかしながら、ステアリングホイールの中央部
に設けられた格納部に格納されたエアバッグにあって
は、その格納位置がステアリングホイールの位置に支配
されることになるという位置的制約を受けて、その実際
の膨張方向の適切な設定に困難が伴われることになる虞
があり、例えば、ステアリングホイールの運転席に対す
る角度の選択状況によっては、エアバッグを、その膨張
方向が望ましいものとなるように設定された状態をもっ
て、ステアリングホイールの中央部に設けられた格納部
に格納することに無理が生じるという場合も生じ得るこ
とになる。
【0006】さらに、エアバッグがインフレータを伴っ
て格納される格納部が中央部に設けられたステアリング
ホイールにあっては、全体重量の増加がまねかれて、そ
のことが操作性に好ましからぬ影響を及ぼすことになる
という虞もある。
【0007】そこで、このような問題に対処すべく、運
転席に着座する乗員の保護を主たる役割とするエアバッ
グの格納部を、インスツルメントパネル部における運転
席に対向する部分に設け、その格納部を、それに格納さ
れるエアバッグの収縮状態から車室内に膨張する状態へ
の移行がインスツルメントパネル部と運転席との間に配
されたステアリングホイールにより妨げられる事態を回
避すべく、例えば、上述の特開平2-303952号公報におい
て示される、助手席に着座する乗員の保護を主たる目的
とするエアバッグの格納部の如くに、インスツルメント
パネル部の上部に設けられたリッドにより開閉される開
口部を有するものとして、格納部に格納されたエアバッ
グを開口部を通じて車室上方側に向けて膨張させるよう
になすことが考えられる。
【0008】通常、インスツルメントパネル部における
運転席に対向する部分は、その運転席側の端面が各種の
計器類が配されるものとされ、また、その上部が計器類
に対するバイザの役割を果たすバイザを形成するものと
されるので、上述の如くに、インスツルメントパネル部
における運転席に対向する部分にエアバッグの格納部が
設けられ、その格納部が有する開口部が、インスツルメ
ントパネル部の上部に設けられたリッドにより開閉され
るようになされる場合には、そのリッドは、インスツル
メントパネル部の上部におけるバイザ形成部内に設けら
れることになる。そして、このようなバイザ形成部内に
設けられたリッドを備えるものとされた格納部に格納さ
れたエアバッグは、収縮状態から車室内に膨張する状態
へと移行せしめられるとき、バイザ形成部内に設けられ
たリッドを内側から押圧して格納部に形成された開口部
を開状態となし、その開口部を通じて車室内に膨張する
ようにされるが、その際、開口部から格納部外に出たエ
アバッグは、インスツルメントパネル部に近接してその
上方に配されたフロント・ウインドシールドに当接し、
それにより、その膨張が運転席に着座した乗員に向けら
れるものとされる。
【0009】しかしながら、このようにバイザ形成部内
に設けられたリッドによって開閉される開口部を有した
格納部に格納され、収縮状態から車室内に膨張する状態
への移行時に、フロント・ウインドシールドによって膨
張方向が規制されるものとされるエアバッグが用いられ
るにあたっては、その膨張の際に、運転席に着座した乗
員とステアリングホイールとの間の空間のみならず、ス
テアリングホイールとその前方に位置するフロント・ウ
インドシールドとの間の空間にも拡がるものとされるの
で、膨張容積が比較的大となってしまい、運転席に着座
した乗員とステアリングホイールとの間に十分な容積を
もって介在せしめられる膨張状態が迅速に得られないこ
とになってしまう虞がある。さらに、バイザ形成部に設
けられたリッドを区画する分割線がフロント・ウインド
シールドに映り込み、運転席に着座した乗員が視覚上の
煩わしさを覚えることになるという不都合もある。
【0010】斯かる点に鑑み、本発明は、車両の車室内
に配された運転席に着座した乗員の保護を主たる役割と
するエアバッグが、インスツルメントパネル部に設けら
れた格納部に収縮状態をもって格納されるものとされた
もとで、エアバッグの収縮状態から車室内における膨張
状態への移行が、運転席に着座した乗員の保護が確実に
行われことになる適切な膨張方向をもって効率良く迅速
に行われ、また、フロント・ウインドシールドに運転席
に着座した乗員が視覚上の煩わしさを覚える映込みが生
じる事態が、効果的に回避されることになる車両用エア
バッグ装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成すべ
く、本発明に係る車両用エアバッグ装置は、車両の車室
形成部を構成し、その車両の車室内に配された運転席に
対向する部分に計器類が配されたインスツルメントパネ
ル部に、上方に向けられた開口部を有し、計器類より車
両前方側となる位置をとるものとされて設けられたバッ
グ格納部と、バッグ格納部に収縮状態とされるとともに
バッグ拡張手段を伴って格納され、バッグ拡張手段の作
動により収縮状態から開口部を通じて車室内に膨張する
状態へと移行せしめられるエアバッグと、インスツルメ
ントパネル部における上部に設けられた可動バイザ形成
部とを備え、可動バイザ形成部が、バッグ格納部の開口
部をその上方で覆うとともに計器類に対するバイザとし
ての役割を果たす第1の状態と、エアバッグの収縮状態
から膨張する状態への移行時に、第1の状態をとる位置
から回動せしめられて、エアバッグのバッグ格納部から
車室内への膨張を可能となすとともに、エアバッグの膨
張方向を制御する第2の状態とをとるものとされて、構
成される。
【0012】
【作用】上述の如くに構成される本発明に係る車両用エ
アバッグ装置にあっては、エアバッグがバッグ格納部に
収縮状態とされて格納されている状態のもとでは、可動
バイザ形成部がバッグ格納部の開口部をその上方で覆う
第1の状態をとる位置におかれ、また、エアバッグが収
縮状態から膨張する状態へと移行せしめられる際には、
可動バイザ形成部が、第1の状態をとる位置から回動せ
しめられて、バッグ格納部の開口部を覆わず、エアバッ
グが収縮状態から開口部を通じて車室内へと膨張するこ
とができるようにする第2の状態をとるものとされ、そ
の第2の状態をとる位置において、バッグ格納部の開口
部を通じてバッグ格納部の外部に出たエアバッグに当接
し、それによって車室内におけるエアバッグの膨張方向
を、フロント・ウインドシールドに向かうのではなく、
運転席に着座した乗員に向かうものとなるようにする。
【0013】このようにされることにより、インスツル
メントパネル部における運転席に対向する部分に設けら
れたバッグ格納部が有する開口部を覆うリッドが、イン
スツルメントパネル部における運転席に対向する部分の
上部に格別に設けられることが必要とされず、従って、
エアバッグが収縮状態をとってバッグ格納部に格納され
ているもとで、フロント・ウインドシールドに運転席に
着座した乗員が視覚上の煩わしさを覚えることになる映
込みは生じない。
【0014】また、収縮状態から車室内に膨張する状態
へと移行せしめられるエアバッグが、バッグ格納部が有
する開口部を通じてバッグ格納部の外部に出た直後に、
第2の状態をとる位置におかれた可動バイザ形成部によ
って、その膨張方向が運転席に着座した乗員に向かうも
のとなるように規制されるものとされ、それにより、エ
アバッグの収縮状態から車室内における膨張状態への移
行が、フロント・ウインドシールド側に拡がってフロン
ト・ウインドシールドに当接することになる状態をとる
ことなく、運転席に着座した乗員の保護が確実に行われ
ことになる適切な膨張方向をもって効率良く迅速に行わ
れる。
【0015】
【実施例】図1は、本発明に係る車両用エアバッグ装置
の一例をそれが適用された車両の車体部分と共に示す。
【0016】図1においては、車両の車体1における車
室2を形成するものとされた車室形成部が、フロアー部
3,ルーフ部4,フロント・ウインドシールド5、及
び、ダッシュパネル6に連結されたインスツルメントパ
ネル部7等を含むものとされており、インスツルメント
パネル部7は車室2を形成する車室形成部の前端部分を
構成している。そして、インスツルメントパネル部7の
下方から、ステアリングコラム12により回動可能に支
持されたステアリングシャフト10の端部に取り付けら
れたステアリングホイール11が、車室2内に突出して
いる。また、車室2内には、インスツルメントパネル部
7から所定の距離だけ離隔するものとされた運転席13
が設置されており、ステアリングホイール11は、イン
スツルメントパネル部7と運転席13との間に位置せし
められている。
【0017】インスツルメントパネル部7は、図2にも
示される如く、フロント・ウインドシールド5,運転席
13及びフロアー部3に夫々対向して車幅方向に伸びる
上部7A,側部7B及び下部7Cを有し、運転席13に
対向する部分に、エアバッグ30が格納されたバッグ格
納部31が設けられたものとされている。インスツルメ
ントパネル部7における上部7Aは、その運転席13に
対向する部分に設けられて車室2の上方に向けて湾曲す
るとともに、運転席13に近接する方向に突出する突出
部分8Aを有した可動バイザ形成部8が形成されたもの
とされている。
【0018】可動バイザ形成部8は、インスツルメント
パネル部7の上部7Aに、その車両前方側に設けられた
ヒンジ17によって回動可能に支持されている。また、
インスツルメントパネル部7における側部7Bは、その
運転席13に対向する部分に設けられて運転席13に近
接する方向に突出する部分を有した計器類配置部14を
含むものとされている。さらに、インスツルメントパネ
ル部7における下部7Cには、ステアリングコラム12
を支持するステアリングホイール移動機構50が連結さ
れている。さらに、車体1における車室2とエンジンル
ーム15との間には、インスツルメントパネル部7に沿
って車幅方向に伸びるカウルボックス16が配されてい
る。
【0019】インスツルメントパネル部7の側部7Bに
おける計器類配置部14内の下方には、投影型計器表示
装置33が配されており、その投影型計器表示装置33
に関連した投影反射面部とされるミラー34が、投影型
計器表示装置33とバッグ格納部31との間に配されて
いる。また、インスツルメントパネル部7の上部7Aに
おける可動バイザ形成部8の突出部分8Aは、投影反射
面部とされるミラー34に対するバイザの役割を果たし
ている。このようにインスツルメントパネル部7に投影
型計器表示装置33及び投影型計器表示装置33に関連
した投影反射面部が設けられることにより、速度計,エ
ンジン回転計,燃料計等の各種の計器の実物がインスツ
ルメントパネル部7における運転席13に対する部分の
内部に配されることが不要とされるので、バッグ格納部
31は、インスツルメントパネル部7における運転席1
3に対向する部分に、計器類等の他の装置の配置に別段
の不都合をきたすことなく設けられるものとされる。
【0020】図1に示される如く、ステアリングコラム
12は、ステアリングホイール11に近接して上方に位
置する第1のコラム部材18とその下方側に位置する第
2のコラム部材19とから成り、また、ステアリングシ
ャフト10は、第1のコラム部材18を貫通する第1の
シャフト部分,第2のコラム部材19を貫通する第2の
シャフト部分、及び、第2のシャフト部分からさらに下
方に伸びてステアリングギア部20に連結された第3の
シャフト部分に分割されており、各シャフト部分は自在
継ぎ手を介して相互連結されている。
【0021】ステアリングコラム12における第1のコ
ラム部材18は、図3に示される如く、各々が対をなす
ものとされた3組の透孔21,22及び23(透孔22
及び23の夫々については、一方は図にあらわれていな
い)が設けられた連結部分18Aを有し、また、第2の
コラム部材19は、一対の透孔25(一方は図にあらわ
れていない)が設けられ、第1のコラム部材18におけ
る連結部分18Aが外側から係合せしめられる連結部分
19Aを有している。第1のコラム部材18の連結部分
18Aに設けられた透孔21は、透孔22よりステアリ
ングホイール11に近接した位置に設けられ、また、透
孔23は、透孔22よりステアリングホイール11から
離隔した位置に設けられている。
【0022】第1のコラム部材18に設けられた透孔2
2の夫々、及び、第2のコラム部材19に設けられた透
孔25の夫々は、ステアリングシャフト10における第
1のコラム部材18を挿通する第1のシャフト部分と第
2のコラム部材19を挿通する第2のシャフト部分とを
相互連結する連結ピン26の両端に夫々対向する位置に
あり、第1及び第2のコラム部材18及び19は、一対
の連結ピン27が透孔22及び透孔25の夫々における
一方及び他方に挿入されることにより相互連結されてい
る。そして、第2のコラム部材19に連結された第1の
コラム部材18に、ステアリングホイール移動機構50
が取り付けられている。
【0023】ステアリングホイール移動機構50は、図
3及び図4に示される如く、固定部51及び可動部52
を有している。固定部51は、インスツルメントパネル
部7の下部7Cに車体前後方向に伸びて取り付けられた
一対の第1の部分54(一方は図にあらわれていない)
と、それら第1の部分54に夫々取り付けられ、インス
ツルメントパネル部7にそれに沿って伸びる支持バー5
5に固着された一端部を有するとともに、第1の部分5
4の夫々から離隔する方向に傾斜して伸びる他端部を有
した一対の第2の部分56と、それら第2の部分56に
おける一端部から中間部までを相互連結する平板状部分
57とを含んで構成されている。固定部51における一
対の第2の部分56の夫々における他端部には、透孔5
8が設けられるとともに、透孔58より上方の位置をと
る透孔59が設けられている。また、固定部51におけ
る平板状部分57は、一対の第2の部分56に沿って伸
びる両側部の夫々に、比較的大なる径を有した一対の透
孔60が設けられるとともに、その上面部に可動板部材
61が配されたものとされている。可動板部材61は、
ワイヤ64を介して着火式の引込み部材65に連結され
ている。
【0024】一方、可動部52は、相互連結せしめられ
て一体的に形成された一対の連結アーム状部分66と、
それら一対の連結アーム状部分66とは別体とされた一
対のアーム状部分67とを含んで構成されている。連結
アーム状部分66の夫々は、透孔68が設けられた一端
部と、透孔69が設けられた他端部と、透孔68と透孔
69とに挟まれた中間部からインスツルメントパネル部
7に向けて突出し、先端部に屈曲部66Aが設けられた
突出部66Bとを有し、夫々における他端部が連結部6
6Cを介して相互連結せしめられたものとされている。
連結アーム状部分66の夫々における突出部66Bの屈
曲部66Aには、一対の透孔72が設けられている。ま
た、アーム状部分67の夫々は、透孔70が設けられた
一端部と、透孔71が設けられた他端部とを有してい
る。
【0025】可動部52における一対の連結アーム状部
分66は、それらの一端部に設けられた透孔68を第1
のコラム部材18の連結部分18Aに設けられた一対の
透孔21に夫々外側から対向させるとともに、それらの
他端部に設けられた透孔69を固定部51の一対の第2
の部分56における他端部に設けられた一対の透孔59
に夫々外側から対向させる状態をもって、第1及び第2
のコラム部材18及び19に係合せしめられている。ま
た、一対のアーム状部分67は、それらの一端部に設け
られた透孔70を第1のコラム部材18の連結部分18
Aに設けられた一対の透孔23に夫々外側から対向させ
るとともに、それらの他端部に設けられた透孔71を固
定部51の一対の第2の部分56における他端部に設け
られた一対の透孔58に夫々外側から対向させる状態を
もって、第1及び第2のコラム部材18及び19に係合
せしめられている。
【0026】そして、一対の連結アーム状部分66と第
1のコラム部材18とが、一対の連結ピン73が、連結
アーム状部分66の一端部に設けられた透孔68を夫々
貫通して、第1のコラム部材18の連結部分18Aに設
けられた一対の透孔21に夫々挿入されることにより、
相対移動可能に相互連結されている。また、一対の連結
アーム状部分66は、一対の連結ピン74が、連結アー
ム状部分66の他端部に設けられた透孔69を夫々貫通
して、固定部51における一対の第2の部分56の他端
部に設けられた一対の透孔59に夫々挿入されることに
より、固定部51に相対移動可能とされて連結されてい
る。
【0027】さらに、一対のアーム状部分67と第1の
コラム部材18とが、一対の連結ピン75が、アーム状
部分67の一端部に設けられた透孔70を夫々貫通し
て、第1のコラム部材18の連結部分18Aに設けられ
た一対の透孔23に夫々挿入されることにより、相対移
動可能に相互連結されている。また、一対のアーム状部
分67は、一対の連結ピン76が、アーム状部分67の
他端部に設けられた透孔71を夫々貫通して、固定部5
1における一対の第2の部分56の他端部に設けられた
一対の透孔58に夫々挿入されることにより、固定部5
1に相対移動可能とされて連結されている。
【0028】そして、連結アーム状部分66の夫々にお
ける突出部66Bに設けられた屈曲部66Aが、それに
設けられた一対の透孔72を、固定部51の平板状部分
57における両側部の夫々に設けられた一対の透孔60
に対向させる状態をもって、平板状部分57の下面部に
当接せしめられている。
【0029】固定部51の平板状部分57に配された可
動板部材61は、一対の第2の部分56に沿って伸びる
長孔77が夫々設けられた両側部と、支持バー55の下
方に位置して長孔77の夫々に連通する一対の切欠78
が設けられた一端部と、ワイヤ64が取り付けられた他
端部とを有している。可動板部材61の両側部に夫々設
けられた長孔77は、平板状部分57の両側部に夫々設
けられた一対の透孔60上に位置せしめられている。そ
して、一対の連結ピン79が、可動部52の一対の連結
アーム状部分66の夫々における屈曲部66Aに設けら
れた一対の透孔72を夫々貫通するとともに、固定部5
1の平板状部分57における両側部に夫々設けられた一
対の透孔60を夫々貫通し、さらに、可動板部材61の
両側部に夫々設けられた長孔77を貫通するものとされ
ることにより、固定部51,可動部52及び可動板部材
61が相互連結されている。連結ピン79の夫々におけ
る先端部には、連結ピン79を長孔77に係止させるナ
ット80が螺入されており、それにより、連結ピン79
の比較的大なる径を有した透孔60からの抜けが防止さ
れている。
【0030】可動板部材61にワイヤ64を介して連結
された着火式の引込み部材65は、固定部51における
第1の部分54により支持されており、それに内蔵され
た着火剤が着火状態におかれるとワイヤ64をその内部
に引き込み、それにより、可動板部材61を、それに設
けられた長孔77及び切欠78の連結ピン79からの外
れを伴って、固定部51から離脱させるものとされてい
る。
【0031】一方、インスツルメントパネル部7におけ
る運転席13に対向する部分に設けられたバッグ格納部
31は、インスツルメントパネル部7における上部7A
に対向する開口部31Aを有しているとともに、その下
方側部分がカウルボックス16に取り付けられて支持さ
れている。バッグ格納部31に格納されたエアバッグ3
0は、折り畳まれることにより収縮状態とされており、
その下方側の一端には、インフレータ35が連結されて
いる。
【0032】バッグ格納部31は、その開口部31A
が、インスツルメントパネル部7の上部7Aの一部を構
成する可動バイザ形成部8によって、その上方で覆われ
るものとされている。可動バイザ形成部8は、バッグ格
納部31側から加えられる圧力により、インスツルメン
トパネル部7の上部7Aに設けられたヒンジ17を支点
として容易に回動せしめられ、それにより、バッグ格納
部31が有する開口部31Aが開状態とされるととも
に、インスツルメントパネル部7の上部7Aに、バッグ
格納部31が有する開口部31Aの上方に位置する開口
部40が形成されることになる。
【0033】エアバッグ30に連結されたインフレータ
35は、着火式のガス発生剤等を内蔵しており、車体1
にその外部から比較的大なる衝撃が加えられたとき、ガ
ス発生剤が着火せしめられて多量の不活性ガスを急速に
発生し、そのガスをエアバッグ30の内部に供給する動
作を行うものとされている。それにより車体1にその外
部から比較的大なる衝撃が加えられたときには、バッグ
格納部31に格納されたエアバッグ30が、収縮状態か
ら車室2内における膨張状態に急遽移行せしめられる。
その際、膨張過程にあるエアバッグ30が、可動バイザ
形成部8に当接し、それにより、可動バイザ形成部8が
その内方側から押圧回動されて、インスツルメントパネ
ル部7の上部7Aに開口部40が形成される。また、エ
アバッグ30により押圧回動せしめられた可動バイザ形
成部8は、フロント・ウインドシールド5に当接して、
計器類配置部14との間に、運転席13に対向する開口
を形成する傾斜状態におかれる。
【0034】それにより、バッグ格納部31内から開口
部31Aを通じてバッグ格納部31外に出たエアバッグ
30は、その直後に可動バイザ形成部8に当接して、可
動バイザ形成部8による膨張方向の規制を受け、その収
縮状態から膨張状態への移行が、図1において二点鎖線
により示される如くに、フロント・ウインドシールド5
側に拡がってフロント・ウインドシールド5に当接する
状態がとられることなく、図1において一点鎖線により
示される如くに、可動バイザ形成部8と計器類配置部1
4との間に形成された開口を通じて、運転席13に向か
って膨張するようにして行われるものとされるので、運
転席13に着座する乗員Pを確実に保護する膨張状態が
迅速に得られることになる。
【0035】なお、エアバッグ30がバッグ格納部31
に収縮状態とされて格納されている状態のもとでは、可
動バイザ形成部8が、バッグ格納部31の開口部31A
をその上方で覆うとともに、インスツルメントパネル部
7の上部7Aにおける開口部40を閉塞する状態、即
ち、インスツルメントパネル部7の上部7Aの一部を構
成する状態におかれ、斯かるもとでは、フロント・ウイ
ンドシールド5に運転席13に着座した乗員Pが視覚上
の煩わしさを覚えることになる映込みは何等生じない。
【0036】さらに、車体1にその外部から比較的大な
る衝撃が加えられたときには、ステアリングホイール移
動機構50における引込み部材65がインフレータ32
と共に作動状態におかれて、内蔵された着火剤が着火せ
しめられる。それにより、固定部51の平板状部分57
に配された可動板部材61が、図3において矢印aに示
される方向にワイヤ64によって引っ張られて、固定部
51から離脱せしめられる。その結果、可動板部材61
の長孔77に係止されていた複数の連結ピン79の夫々
が、それが貫通せしめられた平板状部分57に設けられ
た比較的大なる径を有した透孔60を通じて、図4にお
いて一点鎖線により示される如くに、先端部に螺入され
たナット80と共に固定部51から離脱する。このよう
に複数の連結ピン79の固定部51からの離脱によって
増大する、可動部52に課せられるステアリングシャフ
ト10及びステアリングホイール11等の荷重により、
可動部52における一対の連結アーム状部分66が、一
対の連結ピン74を支点として、固定部51から離隔す
る方向に移動せしめられるとともに、一対のアーム状部
分67も、一対の連結ピン76を支点として、固定部5
1から離隔する方向に移動せしめられる。
【0037】一対の連結アーム状部分66及び一対のア
ーム状部分67の移動は、一対の連結アーム状部分66
を相互連結する連結部66Cが固定部51における平板
状部分57の他端部に当接することにより停止される。
【0038】斯かる際、連結アーム状部分66の一端部
が連結ピン73を介して取り付けられるとともに、アー
ム状部分67の一端部が、連結ピン73よりステアリン
グホイール11から離隔した位置をとる連結ピン75を
介して取り付けられたステアリングコラム12を貫通す
るステアリングシャフト10にあっては、第1のコラム
部材18を貫通する第1のシャフト部分及び第2のコラ
ム部材19を貫通する第2のシャフト部分が、一対の連
結アーム状部分66及び一対のアーム状部分67の移動
に伴って相互に異なる軌跡を描いて移動せしめられるも
のとされる。
【0039】それにより、ステアリングシャフト10に
おける第1及び第2のコラム部材18及び19を夫々貫
通する第1及び第2のシャフト部分は、ステアリングホ
イール11を伴って、図3において実線により示される
如くの中心軸線が略同一とされる基準の位置から、図4
において一点鎖線により示される如くの、中心軸線が相
互に異なるものとなる下方位置に移動せしめられ、ステ
アリングホイール11に、その向きが基準の位置にある
ときに比してより上方側に向くものとなる下方位置をと
らせる。
【0040】このように、車体1にその外部から所定以
上の衝撃が加えられると、インフレータ35と共にステ
アリングホイール移動機構50が作動して、ステアリン
グホイール11が、基準の位置から、その向きがより上
方側に向くものとなる下方位置に移動せしめられること
により、図1において一点鎖線により示される如くに、
運転席13に向かって膨張するエアバッグ30と運転席
13との間に介在せしめられて、エアバッグ30の膨張
を妨げるものとなることが回避される。しかも、このよ
うに向きがより上方側とされる状態をもって下方位置に
おかれたステアリングホイール11は、図1において一
点鎖線により示される如くに、膨張するエアバッグ30
をその下方から支持して、確実に運転席13に向けて膨
張させるものとされる。それにより、エアバッグ30
が、車両の進行方向側に倒れ込む運転席13に着座する
乗員Pの頭部を含む上体を確実に保護する膨張状態を迅
速かつ的確にとることができるものとなる。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明らかな如く、本発明に
係る車両用エアバッグ装置によれば、エアバッグがバッ
グ格納部に収縮状態とされて格納されている状態のもと
では、可動バイザ形成部がバッグ格納部の開口部をその
上方で覆う第1の状態をとる位置におかれ、また、エア
バッグが収縮状態から膨張する状態へと移行せしめられ
る際には、可動バイザ形成部が、第1の状態をとる位置
から回動せしめられて、バッグ格納部の開口部を覆わ
ず、エアバッグが収縮状態から開口部を通じて車室内へ
と膨張することができるようにする第2の状態をとるも
のとされる。それにより、インスツルメントパネル部に
おける運転席に対向する部分に設けられたバッグ格納部
が有する開口部を覆うリッドが、インスツルメントパネ
ル部における運転席に対向する部分の上部に格別に設け
られることが必要とされず、従って、エアバッグが収縮
状態をとってバッグ格納部に格納されているもとで、フ
ロント・ウインドシールドに運転席に着座した乗員が視
覚上の煩わしさを覚えることになる映込みは生じない。
【0042】また、可動バイザ形成部が、第2の状態を
とる位置におかれるときには、収縮状態から車室内に膨
張する状態へと移行せしめられるエアバッグが、バッグ
格納部が有する開口部を通じてバッグ格納部の外部に出
た直後に、第2の状態をとる位置におかれた可動バイザ
形成部によって、その膨張方向が運転席に着座した乗員
に向かうものとなるように規制されるものとされ、それ
により、エアバッグの収縮状態から車室内における膨張
状態への移行が、フロント・ウインドシールド側に拡が
ってフロント・ウインドシールドに当接することになる
状態をとることなく、運転席に着座した乗員の保護が確
実に行われことになる適切な膨張方向をもって効率良く
迅速に行われることになる。
【0043】さらに、インフレータが作動してエアバッ
グがバッグ格納部内における収縮状態から車室内への膨
張状態に移行せしめられる際に、ステアリングホイール
が、通常の位置から下方側に変位せしめられ得るものと
され、その際には、バッグ格納部内からバッグ格納部の
開口部を通じて車室内へと膨張するエアバッグに対し
て、ステアリングホイールがその膨張を妨げる障害とな
る虞がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両のエアバッグ構造の一例をそ
れが適用された車両の車体部分と共に示す概略構成図で
ある。
【図2】図1に示される例が適用された車両におけるイ
ンスツルメントパネル部における運転席に対向する部分
をステアリングホイールと共に示す斜視図である。
【図3】図1に示される例が適用された車両に備えられ
るステアリングホイール移動機構の構成を示す分解斜視
図である。
【図4】図1に示される例が適用された車両に備えられ
るステアリングホイール移動機構の構成及び動作の説明
に供される概略構成図である。
【符号の説明】
1 車体 2 車室 7 インスツルメントパネル部 8 可動バイザ形成部 10 ステアリングシャフト 11 ステアリングホイール 12 ステアリングコラム 13 運転席 14 計器類配置部 30 エアバッグ 31 バッグ格納部 31A 開口部 33 投影型計器表示装置 34 ミラー 35 インフレータ 50 ステアリングホイール移動機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森山 尚宗 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の車室形成部を構成し、該車両の車室
    内に配された運転席に対向する部分に計器類が配された
    インスツルメントパネル部に、上方に向けられた開口部
    を有し、上記計器類より車両前方側となる位置をとるも
    のとされて設けられたバッグ格納部と、 該バッグ格納部に収縮状態とされるとともにバッグ拡張
    手段を伴って格納され、上記バッグ拡張手段の作動によ
    り収縮状態から上記開口部を通じて上記車室内に膨張す
    る状態へと移行せしめられるエアバッグと、 上記インスツルメントパネル部における上部において、
    上記開口部をその上方で覆うとともに上記計器類に対す
    るバイザとしての役割を果たす第1の状態と、上記エア
    バッグの収縮状態から膨張する状態への移行時に、上記
    第1の状態をとる位置から回動せしめられて、上記エア
    バッグの上記バッグ格納部から上記車室内への膨張を可
    能となすとともに、上記エアバッグの膨張方向を制御す
    る第2の状態とをとる可動バイザ形成部と、を備えて構
    成される車両用エアバッグ装置。
  2. 【請求項2】可動バイザ形成部が、バッグ格納部に設け
    られた開口部に閉状態と開状態とを選択的にとらせる開
    閉部を兼ねるものとされたことを特徴とする請求項1記
    載の車両用エアバッグ装置。
  3. 【請求項3】エアバッグが収縮状態から車室内に膨張す
    る状態へと移行せしめられるとき、車両に備えられて上
    記エアバッグが収縮状態から上記車室内に膨張する状態
    へと移行せしめられる際に変位するものとされるステア
    リングホイールによって、膨張方向が特定の方向に向け
    られるべく支持されるものとされることを特徴とする請
    求項1記載の車両用エアバッグ装置。
JP5170698A 1993-07-09 1993-07-09 車両用エアバッグ装置 Pending JPH0725305A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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