JPH07252883A - 立体トラスの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 立体トラスを簡単に製造するための方法を得
る。 【構成】 複数の弦材１ａ，１ｂ及び２ａ，２ｂを縦横
に配列して平面状の上格子部材１及び下格子部材２を形
成する。また、複数の弦材３ａ，３ｂを縦横に配列して
平面状の格子体を形成したあと、該格子体を格子目の対
角線に沿って波形に折曲することにより中格子部材３を
形成する。次に、上格子部材１と下格子部材２とをＸＹ
方向にそれぞれ１／２ピッチずつずらして上下に配設す
ると共に、両格子部材１，２間に中格子部材３を配設
し、各格子部材を弦材の交点１ｃ，２ｃ，３ｃにおいて
相互に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、体育館や工場、展示
場、レジャーホール、格納庫、その他の各種建造物や空
間構築物、コンクリート床版の中の鉄筋組等に使用され
る立体トラスを製造するための方法に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】この種の立体トラスは、一般に、格子状
に配列された複数の上弦材と、該上弦材に対してＸＹ方
向にそれぞれ１／２ピッチずつ異なる位置を占めるよう
に配列された複数の下弦材と、これらの上弦材と下弦材
とを各交点において連結する複数の斜材とで構成されて
おり、面としての強い剛性が得られることから、主に建
築物における大空間の屋根を支える構造体として広く使
用されている。

【０００３】ところが、従来の立体トラスは、その組み
立てに当って斜材で上弦材と下弦材とを連結する場合
に、一本ずつ独立する弦材をそれぞれ波形に折り曲げる
ことにより斜材を形成し、各斜材の頂点を上弦材及び下
弦材の交点に溶接等の固定手段で順次固定するようにし
ていたため、作業が煩雑で組み立てに手数がかかるいう
欠点があった。このため、小規模な建築物においては、
効果に比べて組み立てに手間がかかり過ぎるという理由
から、立体トラスを使用する例はほとんど無かった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の技術的課題
は、簡単な作業工程で立体トラスを得ることができる立
体トラスの製造方法を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の製造方法は、縦横に配した複数の弦材を各
交点において相互に固定することにより、平面状をなす
上格子部材及び下格子部材を形成する工程；縦横に配し
た複数の弦材を各交点において相互に固定することによ
り平面状の格子体を形成し、該格子体を格子目の対角線
に沿って波形に折曲することにより中格子部材を得る工
程；上記上格子部材と下格子部材とをＸＹ方向にそれぞ
れ１／２ピッチずつずらして上下に配設すると共に、こ
れらの上格子部材と下格子部材との間に中格子部材を配
設し、各格子部材を弦材の交点において相互に固定する
工程；を有することを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】縦横の弦材で平面状の格子体を形成したあと、
該格子体を波形に折曲することにより連結用の中格子部
材を形成し、この中格子部材で上格子部材と下格子部材
とを連結するようにしたから、斜材を一本ずつ山形に折
り曲げて上格子部材と下格子部材とを連結していく従来
の方法に比べ、全ての斜材を一時に曲成するができると
共に、上格子部材及び下格子部材との連結作業も簡単且
つ迅速に行うことができる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明するに、図１及び図２は本発明の方法により製
造された立体トラスを示すもので、この立体トラスは、
縦横の弦材からなる平面状の上格子部材１及び下格子部
材２と、これらの上格子部材１と下格子部材２とを連結
する波形の中格子部材３とで構成されている。

【０００８】上記立体トラスは、下記に述べるように、
上格子部材１及び下格子部材２と中格子部材３とを別々
に形成したあと、それらを結合することにより組み立て
られる。即ち、まず、金属パイプ等からなる複数の弦材
１ａ，１ｂを縦横に配列し、各弦材の扁平化した交点１
ｃをボルト締めや溶接等の手段で相互に固定することに
より、平面状をなす上記上格子部材１を形成すると共
に、同様の弦材２ａ，２ｂを縦横に配列し、各弦材の扁
平化した交点２ｃをボルト締めや溶接等の手段で相互に
固定することにより、平面状をなす下格子部材２を形成
する。

【０００９】また、図３に示すように、金属パイプ等か
らなる複数の弦材３ａ，３ｂを縦横に配列し、各弦材３
ａ，３ｂの扁平化した交点３ｃをボルト締めや溶接等の
固定手段で相互に固定して平面状の格子体４としたあ
と、該格子体４を、上記交点３ｃにおいて、格子目の対
角線を通る折線５に沿って波形に折曲することにより、
図４に示すような、波形に折れ曲がった弦材３ａ，３ｂ
からなる上記中格子部材３を形成する。

【００１０】ここで、上記格子体４を弦材３ａ，３ｂの
交点３ｃにおいて折曲する場合に、上記折線５上で急激
なＶ字状に折曲しても良いが、図２に示すように若干の
平坦部分６が形成されるように折曲することが望まし
く、これにより、該中格子部材３で上格子部材１と下格
子部材２とを連結する際に、上記折曲部をこれらの上格
子部材１及び下格子部材２に面接触させて強固に結合す
ることができる。

【００１１】次に、上記上格子部材１と下格子部材２と
を、ＸＹ方向にそれぞれ１／２ピッチずつずらした状態
で上下に所要の間隔をおいて配設すると共に、これらの
上格子部材１と下格子部材２との間に、弦材相互の向き
を４５度異ならしめた状態で上記中格子部材３を配設
し、各格子部材１，２，３を弦材の交点１ｃ，２ｃ，３
ｃにおいてボルト締めや溶接等の固定手段で相互に固定
することにより、上記立体トラスが形成される。

【００１２】かくして、平面状の格子体４を波形に折曲
して中格子部材３を形成し、この中格子部材３で上格子
部材１と下格子部材２とを連結することにより、斜材を
一本ずつ山形に折り曲げて上格子部材１と下格子部材２
とを連結していく従来の方法に比べ、全ての斜材を一時
に曲成するができると共に、上格子部材１及び下格子部
材２との連結作業も簡単且つ迅速に行うことができ、特
に、小規模の立体トラスの製造に有効に用いることがで
きる。なお、上記上格子部材１と下格子部材２及び中格
子部材３において、それらを構成する弦材は、複数の交
点に跨がる程度に長尺であっても、各交点毎に分割され
た短尺のものであっても良い。

【００１３】

【発明の効果】以上に詳述したように、本発明によれ
ば、平面状の格子体を波形に折曲して中格子部材を形成
し、この中格子部材で上格子部材と下格子部材とを連結
することにより、立体トラスを簡単に製造することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の方法により製造された立体トラスの平
面図である。

【図２】図１の立体トラスの部分拡大断面図である。

【図３】中格子部材を構成する格子体の折曲前の斜視図
である。

【図４】中格子部材を構成する格子体の折曲後の斜視図
である。

【符号の説明】

１ 上格子部材 １ａ，１ｂ 弦材 ２ 下格子部材 ２ａ，２ｂ 弦材 ３ 中格子部材 ３ａ，３ｂ 弦材 １ｃ，２ｃ，３ｃ 交点 ４ 格子体 ５ 折線

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 縦横に配した複数の弦材を各交点におい
   て相互に固定することにより、平面状をなす上格子部材
   及び下格子部材を形成する工程；縦横に配した複数の弦
   材を各交点において相互に固定することにより平面状の
   格子体を形成し、該格子体を格子目の対角線に沿って波
   形に折曲することにより中格子部材を得る工程；上記上
   格子部材と下格子部材とをＸＹ方向にそれぞれ１／２ピ
   ッチずつずらして上下に配設すると共に、これらの上格
   子部材と下格子部材との間に中格子部材を配設し、各格
   子部材を弦材の交点において相互に固定する工程；を有
   することを特徴とする立体トラスの製造方法。