JP2009249950A - 建築構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】剛性の高いハニカム架構の構造的利点を有すると同時に、内部設計がしやすくかつ無駄な空間の生じないメインフレームを備えた建築構造体を提供する。
【解決手段】複数の構造ユニットを連結したメインフレーム(10)を有する建築構造体であって、構造ユニット(1)が、鉛直方向に延びる1つの柱部(2)と柱部の一側面の中央部分から水平方向に張り出した1つの梁部(3)とを有し、メインフレームの鉛直方向においては、隣り合う2つの構造ユニットのそれぞれの梁部が互いに逆向きとなるように配置されるとともに一方の柱部の上端面(2e)と他方の柱部の下端面(2f)とが接合されて連続する鉛直柱(11)が形成され、メインフレームの水平方向においては、隣り合う2つの構造ユニットのそれぞれの梁部の先端面(3d)同士が向き合い接合されて1つの梁(12)が形成され、かつ各梁は不連続である。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の構造ユニットを連結したメインフレームを有する建築構造体に関する。
従来、建築構造体すなわち建物の架構として、建物の強度とコスト低減の双方を勘案して最適化を図るために、様々な形態が提示されている。
特許文献1は、鉄筋コンクリート構造の主架構と、鉄骨構造又は小型プレキャスト鉄筋コンクリート造のサブフレームとからなる複合架構を記載しており、この複合架構によるチューブ架構を提示している。特許文献2は、梁のないフラットスラブ構造を建物の前面側に配置する一方、壁内に梁を内蔵するラーメン構造を建物の背面側に配置した架構を記載している。特許文献3は、建物の前後面に設けた連続梁と斜柱とからなる菱形状のラーメン架構を記載している。
これらの特許文献1〜3のようなチューブ架構ないしは外周架構は、建物内部に構造部材がないか又は少ないため設計上の自由度が大きいという利点があるが、架構自体は、いずれも格子状又は菱形状の一般ラーメン構造を基本としている。
近年、チューブ架構に関して、本出願人に係る特許文献4、5及び非特許文献1のハニカム建築構造体が提示された。これは、六角形格子を剛接合したハニカム形状のチューブ架構である。このようなハニカムチューブ架構においては、梁は水平方向に連続しておらず、柱も全てジグザグに連続する斜柱となる。このような構造は、様々な方向から建築物に加わる力を、梁又は柱の軸力に変換しやすいという利点がある。また、ハニカムの剛性により、チューブ架構のみによって建築物全体の構造的安定性と耐震性を確保することができる。構造解析の結果からも、ハニカムチューブ架構は、一般ラーメンのチューブ架構に比べて同じ水平負荷に対する変形及び曲げモーメントの応力が小さいことが確認された。つまり、同じ量の変形及び曲げモーメントの応力に対する強度を確保する場合に、ハニカム構造では、一般ラーメン構造に比べて梁及び柱を細くできる。加えて、内部の補強構造がなくとも十分な強度を実現可能であるため、自由な内部空間を十分確保できる。
特開平9−25667号公報 特開2004−204487号公報 特開2008−2173号公報 特許第3811708号公報 国際公開WO2007−102264号公報 「HONEYCOMBTUBE ARCHITECTURE−ハニカムチューブの建築」HTA研究会編集、2006年12月10日発行、発行所:株式会社新建築社
図8(A)(B)は、特許文献4、5で提示されたハニカム建築構造体のメインフレームの一例を部分的に示す正面図である。実空間に想定した仮想ハニカム形状Hの六角形格子上に、所定の形状の構造ユニット101を配置し、隣合うユニット101同士を剛接合している。
ここで、「仮想ハニカム形状」とは、実体をもつ部材ではないが、各構造ユニットを配置する位置及び隣接する構造ユニット同士の位置関係を規定するために、実空間に想定された仮想形状である。
図8(A)では三ツ又形の構造ユニットを、(B)では略三角形の構造ユニットを用いている。(A)(B)とも、6つの構造ユニットに囲まれた六角形の開口が形成される。この場合、六角形の開口は上辺と下辺が水平となる向きである。通常は、1つの六角形格子を2階層分の高さとし、1つの開口の中間高さにスラブ102を設け、スラブ102と各梁とを接合する。
図8(A)(B)においては、六角形の開口の両側辺は、中点で屈曲した傾斜した2つの辺からなるため、一般的な四角形の開口に比べて内部設計(窓の位置など)が制限される可能性がある。加えて、この部分が、バルコニー面積として延べ床面積に加算される場合があるため、設計の制限となる。
以上の問題点に鑑み、本発明は、剛性の高いハニカム架構の構造的利点を有すると同時に、内部設計がしやすく、設計が制限されないようなメインフレームを備えた建築構造体を提供することを目的とする。
上記の目的を達成する本発明の構成は、以下の通りである。括弧内の数字は、参考のために付した後述する図面中の符号である。
(1)本発明による建築構造体は、複数の構造ユニットを連結したメインフレーム(10)を有しており、その構造ユニット(1)が、鉛直方向に延びる1つの柱部(2)と該柱部の一側面の中央部分から水平方向に張り出した1つの梁部(3)とを有する。
さらに、前記メインフレームの鉛直方向においては、隣り合う2つの前記構造ユニットのそれぞれの梁部が互いに逆向きとなるように配置されるとともに一方の柱部の上端面(2e)と他方の柱部の下端面(2f)とが接合されて連続する鉛直柱(11)が形成され、前記メインフレームの水平方向においては、隣り合う2つの前記構造ユニットのそれぞれの梁部の先端面(3d)同士が向き合い接合されて1つの梁(12)が形成され、かつ各梁は不連続である。
(2)さらに、前記メインフレームの梁に対して接合されたスラブを備えたことが好適である。
(3)また、前記構造ユニットの柱部の断面積が、その上端面及び下端面よりも中央部分において大きいことが好適である。
(4)また、前記構造ユニットの梁部の断面積が、その先端面よりも基端部において大きいことが好適である。
(5)さらに、前記構造ユニットがプレキャストコンクリート製であることが好適である。
(6)また前記構造ユニット(1)が、プレキャストコンクリート製である場合、柱部(2)と梁部(3)を水平方向に貫通する1つの水平緊張材孔(4)と、梁部の基端部(3c)近傍の上面(3e)及び下面(3f)からそれぞれ柱部の下端面(2f)及び上端面(2e)まで貫通する2つの斜方緊張材孔(5,6)とを有することが好適である。さらに、隣り合う2つの構造ユニットの前記水平緊張材孔同士及び前記斜方緊張材孔同士は直線状に連続しており、これらの連続した水平緊張材孔及び斜方緊張材孔にそれぞれ挿通されかつポストテンションを付加された緊張材(7a,7b,7c)を備えることが好適である。
(i)本発明による建築構造体のメインフレームを形成する構造ユニットは、鉛直方向に延びる1つの柱部と、この柱部の一側面中央部分から水平方向に張り出した1つの梁部とを有する。正面から見ると、「T」の字を横向きにした形状である。鉛直方向において隣り合う2つの構造ユニットは、それぞれの梁部が互いに逆向きとなる配置で、柱部の上下端面で接合され、連続する鉛直柱を形成する。水平方向において隣り合う構造ユニットは、それぞれの梁部の先端面を向き合わせて接合され、1つの梁を形成する。各梁は不連続である。
この構造ユニットにより形成されたメインフレームでは、図8に示した公知のハニカム架構と同様に、1つの開口が6つの構造ユニットに囲まれている。1つの開口の両側には、鉛直方向に連続する3つの構造ユニットが1列ずつそれぞれ配置され、上側2つの構造ユニット同士と、下側2つの構造ユニット同士が互いに梁部を接合させている。これらの水平な梁が、開口の上辺と下辺を形成している。この開口の両側辺は、構造ユニットの柱部の側面で構成されており、概ね鉛直方向に沿った直線状となる。なお、後述する実施例で示すように、構造ユニットの柱部には多少の変形形態もあり得るが、柱部の軸方向は基本的に鉛直方向である。この結果、本発明では、ほぼ四角形の開口が形成されるので、従来の一般的な四角形の開口と同様の手法で内部設計を行うことができる。また、延べ床面積の計算においても、制限になることがない。
一般的に、四角形の開口の隅部には変形やモーメントの応力が集中しやすい。しかしながら、本発明では、開口の隅部には、2つの構造ユニット同士の接合点はなく、1つの構造ユニットにおける最大の剛域(中央の分岐部分)が配置される。一方、開口の上辺及び下辺の中点ではモーメントの応力が最小であり、この部分で2つの構造ユニット同士を接合している。この結果、本発明のメインフレームは、変形やモーメントの応力に対して強固となる。これは、特許文献4等で提示されたハニカム架構と共通する利点である。
また、本発明における構造ユニットは、T字形の単純な形状であるので施工が簡易である。鉛直方向において接合面となる柱部の上端面と下端面は水平であるので、構造ユニット同士を安定に積み重ねられる。また、構造ユニットを鉛直方向に積み重ねる際、それぞれの梁部を交互に逆向きに配置する結果、水平方向においては、隣り合う構造ユニットの梁部が必然的に向き合うことになる。よって、水平方向の梁部同士の接合も容易である。また、構造ユニットを予め工場などで製造する場合も、形状が単純であるので低コストにできる。
(ii)メインフレームの梁にスラブを接合することにより、1つの開口を2階層として利用することができる。1つの開口を上下2つに分割しても、それぞれの開口がやはり、ほぼ四角形となるので、各階層において内部設計がしやすい。
(iii)構造ユニットの柱部の断面積が、その上端面及び下端面よりも中央部分において大きい場合、構造ユニットにおける剛域が拡大されるので、より強固となる。
(iv)同様に、構造ユニットの梁部の断面積が、その先端面より基端部において大きい場合も、構造ユニットにおける剛域が拡大されるのでより強固となる。
(v)構造ユニットがプレキャストコンクリート製であることが好適である。これにより、型枠を効率的に転用でき、また高強度コンクリートを使用すれば、建築構造体を長寿命化できるため、省資源に寄与できる。また、PCは工場生産されるため、品質管理が容易であり、生産された構造ユニット及びこれを用いて構築された建築構造体の安全性に対する信頼性を獲得し易い。
(vi)好適例では、プレキャストコンクリート製の構造ユニットに水平緊張材孔及び斜方緊張材孔を設ける。隣り合う2つの構造ユニットにおいては、これらの緊張材孔が直線状に連続している。この連続する緊張材孔には、緊張材が挿通され、ポストテンションが付加されている。これにより、隣り合う2つの構造ユニットに必要な接合強度が得られる。そして、全ての隣接する構造ユニットの組がこのように接合されることにより、メインフレーム全体としても強固な構造となる。ポストテンションによりプレストレスを導入することで、長期応力に対してもコンクリートにたわみやひび割れを発生せず、コンクリートの全断面が圧縮にも引張にも有効に働く。また、ひび割れを生じないことから、挿入された緊張材の防食の点でも優れている。
また、メインフレームの鉛直柱においては、緊張材がジグザグに挿通される。本発明における鉛直柱は、見かけ上は一般ラーメン構造の鉛直柱と同じであるが、ポストテンションがジグザグに付加されることにより、特許文献4等のハニカム架構における斜柱と同様に、多様な方向からの力を軸力に変換しやすいという効果が得られる。この場合の鉛直柱は、一般ラーメン構造における鉛直柱とは異なる機能をもつことになる。
以下、実施例を示した図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明による建築構造体のメインフレーム10の実施例を概略的に示した部分斜視図である。左下の囲みの中は、1つの構造ユニット1を示す外観斜視図である。図の上下方向が鉛直方向である。
図1に示すメインフレーム10は、複数の構造ユニット1を二次元的に連結することにより形成される。1つの構造ユニット1は、鉛直方向に延びる1つの柱部2と、その柱部2の一側面の中央部分から水平方向に張り出した1つの梁部3とを有する。つまり、梁部3は、柱部2の2分の1の高さ位置に設けられている。メインフレーム10の鉛直方向においては、複数の構造ユニット1の柱部2が順次接合され、メインフレーム10の鉛直方向全体に延びた鉛直柱を形成している。鉛直方向における隣り合う2つの構造ユニット1のそれぞれの梁部2は、互いに逆向きとなるように配置されている。メインフレーム10の水平方向においては、隣り合う2つの構造ユニット1のそれぞれの梁部2が向き合い接合されて1つの梁を形成する。各梁は、水平方向において不連続である。このようにして、鉛直方向に立設された二次元的なネットワーク形態をもつメインフレーム10が構築される。このネットワーク形態は、隣り同士の梯子の段が互い違いとなるようにして、複数の梯子を水平方向に並べたような形状である。この点で、一般ラーメン架構とは明らかに異なるものである。なお、メインフレーム10は、図示の部分は平坦であるが、曲面を形成してもよい。例えば、上方から見た場合に、緩やかな弧やS字を描くように構築してもよい。
図2(A)〜(D)は、図1の構造ユニット1の(A)正面図、(B)上面図、(C)右側面図、(D)左側面図である。
図2に示す構造ユニット1の実施例は、プレキャストコンクリート(以下、「PC」と省略する場合がある)である。PC製の構造ユニット1は、所定の型枠内に鉄筋を配しコンクリートを打設することにより一体的な1つの部材として製造される。図2(A)に示すように、正面図では、「T」字を横向きにした形状である。柱部2は、正面2a、背面2b、第1側面2c、第2側面2d、上端面2e、下端面2fをもつ四角柱であるが、第2側面2dは、その中央部分が突出する2つの傾斜面から形成されている。従って、柱部2の中央部分の断面積は、上端面2e及び下端面2fより大きい。この第2側面2dの中央部分から水平方向に梁部3が張り出している。梁部3は、正面3a、背面3b、基端部3c、先端面3d、上面3e、下面3fをもつ四角梁であるが、基端部3cの近傍では上面3e及び3fがそれぞれ上方及び下方に傾斜しており、先端面3dより断面積が大きい。これにより、構造ユニット1の中央の分岐部分に最大の剛域が形成されている。
なお、図1から明らかなように、メインフレーム内における構造ユニット1は、図2(A)のように梁部3を右向きに配置する場合と、逆に左向きに配置する場合とがある。柱部2の上端面2eと下端面2fは、鉛直方向における隣接ユニットとの接合面となる。梁部3の先端面3dは、水平方向における隣接ユニットとの接合面となる。
図2に示すように、構造ユニット1の内部には、緊張材挿入用の3つの孔が形成されている。1つは、柱部2と梁部3を水平方向に貫通する水平緊張材孔4である。その両端開口4a、4bは、それぞれ第1側面2c、先端面3dの略中心に位置することが好適である。他の2つの孔は傾斜しており、斜方緊張材孔5は、梁部3の基端部近傍の上面3eから柱部2の下端面2fまで貫通している。その両端開口を符号5a、5bで示す。開口5bは柱部2の下端面2fの略中心に位置することが好適である。同様に、斜方緊張材孔6は、梁部3の基端部近傍の下面3fから柱部2の上端面2eまで貫通しており、その両端開口を符号6a、6bで示す。開口6bは柱部2の上端面2eの略中心に位置することが好適である。
また、3つの緊張材孔4、5、6は、正面から見た場合に(図2(A)参照)、構造ユニット1のほぼ中心(柱部の中間高さ位置で梁部の基端部)で、「見かけ上」交差しているように配置することが、好ましい(実際には、後述するようにこれらの孔は交差していない)。
別の表現をすれば、斜方緊張材孔5と斜方緊張材孔6とは、水平緊張材孔4を対称軸として線対称に配置されていることが、好ましい。
図2(B)〜(D)に示すように、3つの緊張材孔4、5、6は、構造ユニット1の内部で交差しないように、ユニット幅方向(図2(C)(D)の符号B2、P2の方向)において互いにずれた位置に配置されている。
なお、柱部2の各寸法は、柱高P1、柱縦幅P2、柱横幅P3と定義する。梁部3の各寸法は、梁成B1、梁幅B2、梁長B3と定義する。これらの実際の寸法は、適宜設定される。例えば、図2(A)において、上端面2e、下端面2f及び先端面3dの各中心を結んで形成した三角形が、所定の三角形(正三角形など)となるように設定する。また例えば、柱部2の断面が略正方形となるように、柱縦幅P2と柱横幅P3を設定する。また例えば、梁部3の断面が所望する長方形となるように、梁成B1と梁幅B2を設定する。
図2(E)(F)は、曲面用構造ユニット1’の実施例であり、(E)上面図、(F)右側面図である。曲面用構造ユニット1’は、図2(A)〜(D)に示した平面用の構造ユニット1の変形形態である。メインフレームに曲面を形成する場合に用いる。(E)の上面図に示すように、梁部3’の軸を柱部2’の軸を中心に若干回転させた形態である。このような曲面用構造ユニット1’を用いることにより、緩やかな曲面をもったメインフレームを形成できる。
図3は、図1のメインフレーム10を正面から見た図である。
図3の正面図に示すように、メインフレーム10の鉛直方向においては、連結された構造ユニット1の柱部2が、連続する鉛直柱11を形成しており、複数の鉛直柱11が水平方向に所定の間隔で配置されている。また、メインフレーム10の水平方向においては、2つの構造ユニット1の梁部3を向き合わせて連結した梁12a、12bが形成される。接合面にはモルタルが充填される。鉛直柱11同士の間隔は、梁12a、12bの長さ(構造ユニット1の梁部3の梁長B3の2倍)で決まる。水平方向において各梁12a、12bは連続していない。梁12aと梁12bの高さ位置は、鉛直方向における梁間隔(構造ユニット1の柱部2の柱高P1の2倍)の2分の1だけずれている。
水平方向に隣り合う2本の鉛直柱11と、鉛直方向に隣り合う2本の梁12aまたは梁12bで囲まれる開口Wが形成される。1つの開口Wの周囲には、6つの構造ユニット1A、1B、1C、1D、1E及び1F(網掛けで示す)が配置されている。左側にて1列に連結された構造ユニット1A、1B、1Cが開口Wの一方の側辺を形成し、右側にて1列に連結された構造ユニット1D、1E、1Fが開口Wの他方の側辺を形成している。そして、上側2つの構造ユニット1Aと1D同士、及び、下側2つの構造ユニット1Cと1F同士が互いの梁部を接合させて、開口の上辺と下辺を形成している。開口Wの隅部には、構造ユニット1A、1C、1D、1Fの各々における最大の剛域が位置する。構造ユニット同士の接合点は、各辺の中間位置にある。
本発明のメインフレームは、開口Wの形状が、隅部の僅かな傾斜面を除いてほぼ四角形となる。これは、構造ユニットが正面視において「T」字を横向きにした形状であるため、開口Wの両側辺がほぼ鉛直方向に沿った直線状になるからである。図2に示した構造ユニット1の柱部2の第1側面2c及び第2側面2dが、開口Wの両側辺を形成する。
図3では、構造ユニット1の各緊張材孔に挿通した緊張材7A、7B、7Cを太破線で示している。図2で示した水平緊張材孔4には水平緊張材7Aが挿通され、図2で示した2方向の斜方緊張材孔5、6には、斜方緊張材7B、7Cがそれぞれ挿通されている。各緊張材7A、7B、7Cは、それぞれ所定のポストテンションを付加され適宜の定着具8a、8bで両端が定着されている。
図3から明らかなように、隣り合う2つの構造ユニット1を接合した場合、双方の水平緊張材孔同士及び斜方緊張材孔同士は直線状に連続することになる。すなわち、図2に示した水平緊張材孔4は、2つの構造ユニットを水平方向に貫通する。図2に示した斜方緊張材孔5は、隣接する構造ユニットの斜方緊張材孔6と直線状に連続する。同様に、図2に示した斜方緊張材孔6は、隣接する構造ユニットの斜方緊張材孔5と直線状に連続する。よって、斜方緊張材7B、7Cは、上方に位置する構造ユニットの梁部(基端部近傍)の上面から、下方に位置する構造ユニットの梁部(基端部近傍)の下面まで、傾斜して挿通される。そして、メインフレーム全体を見ると、傾斜角の異なる斜方緊張材7Bと7Cが鉛直方向において交互に、ジグザグに配置される。
さらに、メインフレーム全体を見ると、太破線で示す緊張材7A、7B、7Cは、六角形単位格子を二次元的に連結したハニカム形状Hを形成している。このようなハニカム形状Hの形態でポストテンションを付加されたメインフレームは、本質的に、特許文献4等で提示されたハニカム架構の範疇に含まれるといえる。従って、多様な方向からの力を軸力に変換しやすいというハニカム架構の特徴を備える。
図4は、図1に示したメインフレームを有する建築構造体の実施例の部分斜視図である。メインフレーム10を建物の外周部分に立設し、建物内部にスラブ9を設けている。そして、スラブ9の端部は梁12に接合されている。梁12は、水平方向において連続していないから、梁12のない部分では、スラブ9の端部が露出することになる。露出したスラブ9の端部の形態は、メインフレーム10の背面と同位置にある場合(符号9a)、メインフレーム10の正面方向へ部分的にせり出した場合(符号9b)、メインフレーム10の正面と同位置までせり出した場合(符号9c)など、様々な形態が可能である。
図4に示すように、全ての高さ位置の梁12に対してスラブ9を設けた場合、1つの開口がスラブにより上下2つの階層に分割される。分割された各開口もまた、ほぼ四角形となるので、上下階のいずれも内部設計がしやすい。
図5(A)は、本発明によるメインフレーム10の別の実施例である。本実施例では、構造ユニット1の柱部の第1側面2c及び第2側面2dの両方が、中央部分で突出するように2つの傾斜面で形成されている。構造ユニット1の中央部分の剛域が拡大することで強度は向上する。一方、開口の形状については、両側辺の凹凸が増えることになる。
図5(B)は、本発明によるメインフレーム10のさらに別の実施例である。本実施例では、構造ユニット1の柱部の第1側面2c及び第2側面2dの両方が、平坦面で形成されている。本実施例では、開口の両側辺が完全に直線状になり、開口の形状は、完全な四角形に近くなる。
図6(A)(B)は、それぞれ本発明によるメインフレーム10のさらに別の実施例である。いずれの実施例も構造ユニット1の梁部3の断面が、比較的細い長方形であり、(A)では梁成B1が梁幅B2より小さく、(B)では、梁成B1が梁幅B2より大きい。強度的には梁成の大きい(B)が強いが、開口の大きさは(A)の方が大きくとれる。
図7は、本発明によるメインフレーム10を用いた建築物の概略的な外観図である。メインフレーム10を外周部分に配置したチューブ架構の一例である。
以上述べた実施例では、構造ユニットがPC製であり、建築構造体がPC造である好適例を中心に説明した。本発明による建築構造体は、その他に、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、CFT(Concrete Filled Steel Tube)造、木造などでもよい。さらに、高耐力鋼を用いてもよい。高耐力鋼を用いた構造体は、耐久性に優れており、SI(スケルトン・インフィル)分離工法のスケルトンとして好適である
本発明による建築構造体のメインフレームの実施例を一部を概略的に示した斜視図である。 図1の構造ユニットの実施例の(A)正面図、(B)上面図、(C)右側面図、(D)左側面図と、曲面用構造ユニットの実施例の(E)上面図、(F)右側面図である。 図1のメインフレームの正面図である。 図1に示したメインフレームを有する建築構造体の実施例の部分斜視図である。 (A)(B)は、本発明によるメインフレームの別の実施例である。 (A)(B)は、本発明によるメインフレームの別の実施例である。 本発明によるメインフレーム10を用いた建築物の概略的な外観図である。 (A)(B)は、公知のハニカム建築構造体のメインフレームの一例を示す図である。
符号の説明
1、1A〜1F:構造ユニット
2:柱部
2a:正面、2b:背面
2c:第1側面、2d:第2側面、2e:上端面、2f:下端面
3 梁部
3a:正面、3b:背面
3c:基端部、3d:先端面、3e:上面、3f:下面
4:水平緊張材孔
4a、4b:緊張材孔開口
5:第1斜方緊張材孔
5a、5b:緊張材孔開口
6:第2斜方緊張材孔
6a、6b:緊張材孔開口
7:緊張材
7A:水平緊張材
7B、7C:斜方緊張材
8a、8b:定着具
9:スラブ
9a、9b、9c:スラブ露出端部
10:メインフレーム
11:柱
12、12a、12b:梁
P1:柱高、P2:第1柱幅、P3:第2柱幅
B1:梁成、B2:梁幅、B3:梁長

Claims (6)

  1. 複数の構造ユニットを連結したメインフレーム(10)を有する建築構造体であって、
    前記構造ユニット(1)が、鉛直方向に延びる1つの柱部(2)と該柱部の一側面の中央部分から水平方向に張り出した1つの梁部(3)とを有し、
    前記メインフレームの鉛直方向においては、隣り合う2つの前記構造ユニットのそれぞれの梁部が互いに逆向きとなるように配置されるとともに一方の柱部の上端面(2e)と他方の柱部の下端面(2f)とが接合されて連続する鉛直柱(11)が形成され、
    前記メインフレームの水平方向においては、隣り合う2つの前記構造ユニットのそれぞれの梁部の先端面(3d)同士が向き合い接合されて1つの梁(12)が形成され、かつ各梁は不連続であることを特徴とする建築構造体。
  2. 前記メインフレームの梁に対して接合されたスラブを備えたことを特徴とする請求項1に記載の建築構造体。
  3. 前記構造ユニットの柱部の断面積が、その上端面及び下端面よりも中央部分において大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の建築構造体。
  4. 前記構造ユニットの梁部の断面積が、その先端面よりも基端部において大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の建築構造体。
  5. 前記構造ユニットがプレキャストコンクリート製であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の建築構造体。
  6. 前記構造ユニット(1)が、柱部(2)と梁部(3)を水平方向に貫通する1つの水平緊張材孔(4)と、梁部の基端部(3c)近傍の上面(3e)及び下面(3f)からそれぞれ柱部の下端面(2f)及び上端面(2e)まで貫通する2つの斜方緊張材孔(5,6)とを有し、かつ、
    隣り合う2つの構造ユニットの前記水平緊張材孔同士及び前記斜方緊張材孔同士は直線状に連続しており、これらの連続した水平緊張材孔及び斜方緊張材孔にそれぞれ挿通されかつポストテンションを付加された緊張材(7a,7b,7c)をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の建築構造体。
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