JPH07252361A - 立体規則性ポリ(メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサン)重合体及びその製造方法 - Google Patents

立体規則性ポリ(メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサン)重合体及びその製造方法

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JPH07252361A
JPH07252361A JP7016822A JP1682295A JPH07252361A JP H07252361 A JPH07252361 A JP H07252361A JP 7016822 A JP7016822 A JP 7016822A JP 1682295 A JP1682295 A JP 1682295A JP H07252361 A JPH07252361 A JP H07252361A
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cyclotrisiloxane
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JP7016822A
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Warde T Collins
トーマス コリンズ ワード
Chung Mien Kuo
ミエン クオ チュン
John Carlton Saam
カールトン サーム ジョン
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/0008Organic ingredients according to more than one of the "one dot" groups of C08K5/01 - C08K5/59
    • C08K5/0025Crosslinking or vulcanising agents; including accelerators
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
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    • C08G77/04Polysiloxanes
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    • C08G77/24Polysiloxanes containing silicon bound to organic groups containing atoms other than carbon, hydrogen and oxygen halogen-containing groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • C08L83/08Polysiloxanes containing silicon bound to organic groups containing atoms other than carbon, hydrogen and oxygen

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は立体規則性ポリ(メチル(3,3,
3−トリフルオロプロピル)シロキサン)重合体及び共
重合体の製造方法を提供する。 【構成】 この方法は1,3,5−トリメチル−1,
3,5−トリス(3′,3′,3′−トリフルオロプロ
ピル)シクロトリシロキサンの異性体を非プロトン性極
性促進剤及びリチウム化合物の存在下反応されるもので
ある。リチウム化合物は異性体の立体配置に影響を与え
ることなく異性体の開環及び重合を開始させる。本願に
関する架橋性重合体から得られるエラストマーは、シス
3,3,3−トリフルオロプロピル置換を有して歪結晶
化できるエラストマーであって、そして通常の使用温度
においてエラストマーは強化されたものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は立体規則性ポリ(メチル
(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサン)重
合体及び共重合体並びにこの製造方法に関する。本願方
法は1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリス
(3′,3′,3′−トリフルオロプロピル)シクロト
リシロキサンの異性体を非プロトン性極性促進剤及びリ
チウム化合物の存在下反応させることに関する。リチウ
ム化合物は異性体の立体配置に影響を与えることなく異
性体の開環及び重合を開始する。本発明の架橋結合性重
合体によって得られるエラストマーは、十分なシス3,
3,3−トリフルオロプロピル置換基を有して歪結晶化
のエラストマーを与え、そして通常の使用温度において
強化されたエラストマーになる。
【0002】エラストマー中の歪誘導結晶化の一般的な
要件には、低いガラス転移を有するベース重合体であっ
て、更に使用温度の5℃から20℃において溶融転移を
有している。一般には、シリコンエラストマーは溶融転
移を示さないか又は溶融点が低いので使用温度において
このような現象が阻止され、シリコンエラストマーの歪
誘導結晶化は観察されていない。
【0003】本願において開示した立体規則性を有する
ポリ(メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シ
ロキサン)重合体は、架橋してエラストマーを形成する
場合、このエラストマーは溶融転移を有し、通常の使用
温度においてエラストマーの歪誘導結晶化が認められ
る。
【0004】
【従来の技術】環状ジオルガノシロキサンは、水酸化カ
リウム又はその相応するシロキサン塩の如きアルカリ触
媒と共に加熱して重合すると、高重合体になることは知
られている。この方法はシロキサンエラストマーを製造
する主要な方法である。しかしながら、アルカリ重合の
課程でシロキサン環が切断されて高重合体を形成し、そ
して高重合体が分解して環状体を形成することが一定し
て認められる。この重合及び分解反応は異なった速度で
生ずるので、得られる生成物はこの二つの反応の間の平
衡に関係する。この競合反応のために、この方法によっ
て得られる最終的な重合体は、アタクチックであって、
立体規則性に欠けるものとなる。
【0005】米国特許3,337,497には、上に記
載したような平衡反応とはならないシクロトリシロキサ
ンの重合方法が開示されている。特に、第1のシクロト
リシロキサン、非プロトン性溶剤及び有機リチウム化合
物を含む混合物を反応させ、そしてその後第2のシクロ
トリシロキサンを系に加えて反応させて、規則性共重合
体が得られることが開示されている。テトラヒドロフラ
ン中でn−ブチルリチウムと反応させると、シス1,
3,5−トリメチル−1,3,5トリフェニルシクロト
リシロキサンの立体開環が生ずる。更に、ハロゲンの存
在、特に珪素に結合した脂肪族炭素に存在する弗素は無
差別に重合体を顕著に生成するので、環状ポリシロキサ
ンは避けるべきであると忠告されている。
【0006】米国特許3,575,921には、第二ブ
チルリチウムの存在下、シス1,3,5−トリフェニル
−1,3,5−トリス(3′,3′,3′−トリフルオ
ロプロピル)−シクロトリシロキサンの反応が開示され
ている。生成物は、いづれの三量体のシス3,3,3−
トリフルオロプロピル基の1個がトランス位置に移動し
た立体規則性物質である。
【0007】Curtis等(Polym. Preprin., Div.
Polym. Chem., Am. Chem. Soc., 第25巻(1984)1頁)
は、リチウムトリメチルシラノレートの存在下シス1,
3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルシクロ
トリシロキサンの反応を教示している。得られた生成物
は頭・尾結合の三量体である。
【0008】Momper等(Polym. Commun. 31 (199
0) 186頁)は、促進剤としてヘキサメチル燐酸トリアミ
ド及び開始剤としてn−ブチルリチウムの存在下、シス
及びトランス1,3,5−トリメチル−1,3,5−ト
リフェニルシクロトリシロキサンの重合を明らかにして
いる。別個の異性体の重合により得られる生成物は、分
散した立体規則度を呈すると結論づけている。更に、或
る種の生成物は一定の結晶化度を示すと述べている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の文献は1,3,
5−トリメチル−1,3,5−トリス(3′,3′,
3′−トリフルオロプロピル)シクロトリシロキサンの
特定の異性体を反応させて高い立体規則性を有する重合
体を得ることは何等開示していない。更には、架橋結合
した場合、十分な立体規則性を有する重合体が歪結晶化
できるエラストマーを与えることは何等も教示していな
い。それ故に、非プロトン性極性促進剤及びリチウム化
合物の存在下、1,3,5−トリメチル−1,3,5−
トリス(3′,3′,3′−トリフルオロプロピル)シ
クロトリシロキサンを反応させシス立体規則性を有する
重合体を形成し、この重合体から製造される歪結晶化で
きるエラストマーを得ることは全たく予期できない発見
であった。
【0010】本願方法によって得られる重合体は、架橋
結合して強化充填剤を用いることなく強度を有する高破
断点伸びのエラストマーである。このエラストマーは天
然ゴムと挙動が似て併用して使用でき、更に有利な点と
して高温度及び酸化に対してと同様炭化水素溶剤に対し
ても本来的な抵抗性を示す。このエラストマーは室温加
硫組成物として使用でき、また熱硬化処理によって成形
することができる。このエラストマーはガスケット、O
−リング及びダイヤフラムを製造するのに使用すること
ができ、またシーラント及び接着剤として使用すること
ができる。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願発明は立体規則性ポ
リ(メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロ
キサン)重合体及び共重合体並びにその製造方法に関す
る。
【0012】本発明の重合体を製造する方法は、(A)
非プロトン性極性促進剤、1,3,5−トリメチル−
1,3,5−トリス(3′,3′,3′−トリフルオロ
プロピル)シクロトリシロキサンの異性体、そしてリチ
ウム化合物であって少なくとも1個のリチウム原子は1
個の酸素原子を通して珪素原子に直接結合しているこれ
らのものを含む混合物を形成し、そして(B)本質的に
無水の状態でリチウム化合物及び異性体が反応する温度
に混合物を維持することを包含する。
【0013】他の態様として、混合物の0.05から
5.0モル%のシクロトリシロキサンを含み、そしてオ
ルガノシクロトリシロキサン分子1個について少なくと
も1個の反応性基が珪素に結合している第2のシクロト
リシロキサン(以下、オルガノシクロトリシロキサンと
いう)を加えて共重合体を形成することができる。この
方法は非プロトン性溶剤の存在下において行う。
【0014】本願方法は非プロトン性極性促進剤を使用
する。この促進剤はリチウム陽イオンと調和し、そして
反応を促進することができるがしかし生成物の一部とは
ならない有機化合物である。このものは、例えばテトラ
ヒドロフラン(THF)、エチレングリコールジメチル
エーテル(GLYME)、ジメチルスルホキシド(DM
SO)、15−クラウン−5の如きクラウンエーテル、
ジメチルホルムアミドの如きアルキルN−置換カルボン
酸アミド及びヘキサメチル燐酸アミドである。非プロト
ン性極性促進剤がテトラヒドロフランである場合が好ま
しい。
【0015】必要なことではないが、非プロトン性極性
促進剤は使用されるリチウム化合物に関係して過剰な割
合で反応系に加えることが望ましい。反応系に加える非
プロトン性極性促進剤の最大容量は絶対的なものではな
いが、反応体を過剰に希釈しない限り、できるだけ多い
のが望ましい。非プロトン性極性促進剤はまた溶剤とし
て作用し、系において反応体及び生成物の分散を促進す
る。
【0016】本願方法において、1,3,5−トリメチ
ル−1,3,5−トリス(3′,3′,3′−トリフル
オロプロピル)シクロトリシロキサンの異性体は重合さ
れる。シス(シス−F3 )及びトランス(トランス−F
3 )異性体は本願方法において分離して又は混合物とし
て使用することができる。驚くべきことに、シス−F 3
が混合物中異性体の30から100モル%存在すると、
重合体から形成されるエラストマーは歪誘導結晶化を示
すことをここに新たに発見した。シス−F3 が混合物中
異性体の40から85モル%存在するのが、より好まし
い。
【0017】本願方法において、リチウム化合物は開始
剤として使用される。この方法において、使用されるリ
チウム化合物は少なくとも1個のリチウム原子が酸素原
子を通して珪素原子に結合したものである。このような
化合物は、米国特許3,337,497に記載されてい
る。1個又は2個のリチウム原子を含む一官能又は二官
能のリチウム化合物に加えて、多官能のリチウム化合物
であって、3個又はこれより多いリチウム原子が中間の
酸素原子を通して珪素に結合しているものを含むことが
できる。
【0018】本願方法において使用される好ましいリチ
ウム化合物は、次の式(1)によって表わされる。
【化1】 ここで、いづれのR1 は独立して1から20個の炭素原
子を含む一価の炭化水素基から選ばれ、いづれのR2
独立してR1 又は3,3,3−トリフルオロプロピルか
ら選ばれ、Xは−R2 ,−OR1 ,−OH及びOLiか
ら選ばれ、そしてnは1から50の整数である。R1
ハロゲン置換又は未置換のアルキル、アルケニル、アリ
ール、シクロアルキル又はアルアルキルであることがで
きる。従って、R1 はメチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、第3のブチル、イソブチル、ヘキシル、ビニル、ア
リル、フェニル、トリル及びシクロヘキシルであること
ができる。好ましいR1 はメチル又はフェニルである。
2 はR1 又は3,3,3−トリフルオロプロピルから
選ばれ、ここでのR1 は上に述べたとおりである。好ま
しいR2 はメチル、3,3,3−トリフルオロプロピル
及びフェニルから選ばれる。
【0019】置換基Xは−R2 ,OR1 ,−OH及び−
OLiから選ばれ、ここでのR1 及びR2 は上に述べた
とおりである。重合体鎖が一方向又は二方向に伸びてい
くのが望ましいかに基づいて、Xを選定することは当業
者において容易に考えられるところである。Xが−R2
又は−OR1 から選ばれる場合、重合体鎖の伸長は一方
向である。XがOLi又は−OHである場合、重合体鎖
の伸長は二方向である。
【0020】nの値は形成される重合体の重合度(dp)
の30%より小さくなくてはならない。好ましくは、n
は1から50の整数である。より好ましくは、nは1か
ら10の整数である。
【0021】本願方法に使用されるリチウム化合物は、
当業者において知られている標準的な方法又は本願実施
例に示されているようにして得られる。例えば、少なく
とも1モルの水酸化リチウム並びに有機成分及び水酸基
成分を含む1モルのオルガノシラノールを混合する。次
いで、この混合物を50℃で30分から16時間加熱す
ると、所望のリチウム化合物が得られる。特に、水酸化
リチウム又は金属リチウムはトリメチルシラノール又は
トリフェニルシラノールと反応して、それぞれリチウム
トリメチルシラノレート又はリチウムトリフェニルシラ
ノレートを生成する。同様にして、ジオルガノシランジ
オールを適当な条件下理論量のアルキルリチウムと反応
させてジリチウムジオルガノシラノレートを生成する。
更には、2から50個のジメチルシルオキシ基を含むジ
ヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンを同様な条件下
水酸化リチウムと反応させて、水素原子の場所にリチウ
ム原子を含みそしてジヒドロキシ末端ポリジメチルシロ
キサンにおけると同じ同数のジメチルシロキサン基を含
むジリチウム末端ポリジメチルシロキサンが得られる。
これらの方法は、2個より多い反応性リチウム原子を含
むリチウム化合物の製造に適用することができる。
【0022】本願方法において使用されるリチウム化合
物の量は、生成される重合体の所望する分子量及びリチ
ウム化合物のリチウム原子の数によって決定される。一
般には、リチウム化合物のいづれのリチウム原子は、
1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリス(3′,
3′,3′−トリフルオロプロピル)シクロトリシロキ
サンの異性体の立体開環及び続いての重合反応の開始位
置としての作用をすることができる。それ故に、生成重
合体鎖中の三量体単位の平均数は、反応に使用した1,
3,5−トリメチル−1,3,5−トリス(3′,
3′,3′−トリフルオロプロピル)シクロトリシロキ
サンのモル数を反応に関与したリチウム化合物のリチウ
ムのモル数で割った値である。
【0023】本願方法は本質的に無水の条件下、リチウ
ム化合物と異性体とが反応する温度において行われる。
水の存在は本願方法に有害であり、最小限にすべきであ
る。“本質的に無水”であるとは、反応体及び反応器中
の水の存在を最小限にして本願方法を行うことを意味す
る。反応体は分子篩、蒸留及び吸着剤の如きの通常のも
のによって乾燥することができる。反応器は真空によっ
て乾燥することができる。
【0024】本願方法は−50℃から150℃の範囲内
の温度において行われ、使用される非プロトン性極性開
始剤及び非プロトン性溶剤の凍結点及び沸騰点が原則的
に限界である。好ましくは、−20℃から30℃の範囲
内の温度において本願方法を行う。
【0025】本願製造方法は非プロトン性溶剤の存在下
に行うことができる。“非プロトン性溶剤”とは、陰イ
オン重合の発展を阻止するような活性プロトンを含まな
い有機溶剤を意味する。重合体混合物を溶解し、そして
更にジオルガノシクロシロキサンを重合系と十分に接触
することのできる非プロトン性溶剤が使用される。この
ような溶剤として、ベンゼン及び塩化メチレンが含まれ
る。前にも述べたように、非プロトン性極性促進剤は反
応において溶剤として作用することもできる。好ましい
態様として、テトラヒドロフランは本願方法において開
始剤及び溶剤としてそれぞれ作用する。本願方法におけ
る好ましい非プロトン性溶剤は塩化メチレンである。
【0026】本願方法によって得られるポリ(メチル
(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサン)重
合体はシス及びトランス立体規則性を有し、そしていづ
れの程度は系に加えるシス及びトランス異性体の割合に
よって定まる。
【0027】本願方法によって得られた好ましいポリ
(メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキ
サン)重合体は十分なシス立体規則性を有し、架橋結合
した重合体からのエラストマーに歪結晶化を付与する。
本願製造方法に用いられる異性体の30から100モル
%がシス−F3 異性体であると、このような性質を有す
る重合体が得られることを、ここに新たに見い出した。
重合体を製造する方法に用いられる異性体の40から8
5モル%が、シス−F3 異性体であるのが好ましい。更
に、開始剤として使用されるリチウム化合物は、開環反
応の課程で1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリ
ス(3′,3′,3′−トリフルオロプロピル)シクロ
トリシロキサンの立体規則性を維持しているけれども、
三量体のメソ又はラセミが重合体鎖に送入される同様の
可能性が存在する。それ故に本願発明においては、重合
体生成物中のシス−配置のトリフルオロプロピル置換基
のモル%は、三量体の重合体への添加がメソ又はラセミ
とは関係なしに、生成物中のシス三量体のモル%として
定義する。
【0028】本願方法によって得られる有用なポリ(メ
チル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサ
ン)重合体は、リチウム化合物が一方向性である場合に
は次の式(2)によって表わされる。
【0029】
【化2】 ここでいづれのR1 は独立して1から20個の炭素原子
を含む一価の炭化水素基から選ばれ、いづれのR2 は独
立してR1 又は3,3,3−トリフルオロプロピルから
選ばれ、R3 は3,3,3−トリフルオロプロピル、R
4 はメチル、Qは−OR′又は−OHから選ばれ、Zは
−OR′,−OH及び−OLiから選ばれ、yは3から
10,000の整数、nは1から50の整数であって、
n+yに対するnの割合は約0.3より小さく、そして
トリフルオロプロピル置換の30から100モル%はシ
ス−配置である。好ましいR1 及びR2 置換基、及びn
の値は前に述べたとおりである。yは好ましくは20か
ら1,000の範囲内の整数である。
【0030】リチウム化合物が二方向性である場合の本
願方法によって得られる好ましいポリ(メチル(3,
3,3−トリフルオロプロピル)シロキサン)重合体は
次の式(3)によって表わされる。
【化3】 ここでいづれのR1 は独立して1から20個の炭素原子
を含む一価の炭化水素基から選ばれ、いづれのR2 は独
立してR1 又は3,3,3−トリフルオロプロピルから
選ばれ、R3 は3,3,3−トリフルオロプロピル、R
4 はメチル、Zは独立して−OR′,−OH及び−OL
iから選ばれ、nは1から50の整数であって、n+y
に対するnの割合は約0.3より小さく、いづれのmは
3から5,000の整数であって、2mは≦10,00
0であり、そしてトリフルオロプロピル置換の30から
100モル%はシス−配置である。好ましいR1 及びR
2 置換基、及びnの値は前に述べたとおりである。いづ
れのmは50から500の範囲内が好ましい。
【0031】得られた本願の重合体は架橋結合して、伸
ばした時に歪結晶化(strain-crystallize)するエラス
トマーが得られる。この歪結晶化ポリ(メチル(3,
3,3−トリフルオロプロピル)シロキサン)エラスト
マーは次の方法によって得ることができる。 (A)(1)非プロトン性極性促進剤、(2)少なくと
も30モル%の環状トリシロキサン異性体はシス−配置
である1,3,5−トリス(3′,3′,3′−トリフ
ルオロプロピル)シクロトリシロキサンのシクロトリシ
ロキサン異性体、(3)次の式(4)によって表わされ
るリチウム化合物を含む混合物を形成し、
【化4】 ここで、いづれのR1 は独立して1から20個の炭素原
子を含む一価の炭化水素基から選ばれ、いづれのR2
独立してR1 又は3,3,3−トリフルオロプロピルか
ら選ばれ、XはR2 ,−OR′,−OH及び−OLiか
ら選ばれ、そしてnは1から50の整数であって、次の
工程(B)において得られる重合体の重合度の30%よ
り少ない値である、 (B)この混合物は本質的に無水状態でリチウム化合物
とシクロトリシロキサン異性体が反応してシス立体規則
性ポリ(メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)
シロキサン)重合体を形成する温度に維持し、並びに (C)この重合体を架橋結合して重合体中に100から
2000シルオキシ単位について平均して2個より多い
架橋結合を有する架橋結合したエラストマーを生成す
る。
【0032】エラストマーを製造する本願方法におい
て、架橋結合される重合体を製造するパラメーターは本
発明の重合体を製造することに関連してすでに記載した
ところである。しかしながら、更に限定として、シス異
性体の1,3,5−トリス(3′,3′,3′−トリフ
ルオロプロピル)シクロトリシロキサンは反応系に加え
る1,3,5−トリス(3′,3′,3′−トリフルオ
ロプロピル)シクロトリシロキサンの少なくとも30モ
ル%を含んでいなければならない。シス−F3 は反応系
に加える異性体の30から100モル%を含むことがで
きる。しかしながら、シス−F3 異性体は使用される異
性体の40から85モル%であるのが好ましい。更に、
1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリス(3′,
3′,3′−トリフルオロプロピル)シクロトリシロキ
サンは反応してシス立体規則性ポリ(メチル(3,3,
3−トリフルオロプロピル)シロキサン)を生成するこ
とが必要である。
【0033】"シス立体規則性" とは、重合体がシス−
配置の3,3,3−トリフルオロプロピル置換基を十分
に有していて、これについて架橋結合を行うと、得られ
たエラストマーはこれを伸ばした時に歪結晶化を示すこ
とをいう。重合体を製造するのに使用される少なくとも
30モル%の1,3,5−トリメチル−1,3,5−ト
リス(3′,3′,3′−トリフルオロプロピル)シク
ロトリシロキサン異性体がシス−配置であると、上記の
現象が生ずることを本発明者等は発見した。
【0034】本発明の歪結晶化エラストマーを形成する
には、上に述べたようにして得た重合体を、重合体中の
100から2000個のシルオキシ単位(すなわち、−
SiO−)について平均2個より多い架橋結合を提供す
るように架橋結合するもので、このようにして架橋結合
されたエラストマーが得られる。一般には、架橋結合密
度は、重合体鎖についての重合体繰返単位の平均数を、
重合体鎖についての架橋結合できる官能基の数で割算し
て算定することができる。架橋結合は当業者において知
られている標準的な方法又は本願において記載した方法
によって行うことができる。
【0035】本願重合体の架橋結合を促進するために
は、重合体は1,3,5−トリメチル−1,3,5−ト
リス(3′,3′,3′−トリフルオロプロピル)シク
ロトリシロキサンのシクロトリシロキサン異性体及び
0.05から5.0モル%のオルガノシクロトリシロキ
サンであって、1個のオルガノシクロトリシロキサン分
子について珪素に結合した少なくとも1個の反応性置換
基を含むこれらの共重合反応の生成物であることができ
る。オルガノシクロトリシロキサンの珪素原子に結合し
た反応性置換は水素原子又はビニル、アリル及びヘキセ
ニルの如きアルケニル基である。オルガノシクロトリシ
ロキサンは1,3,5−トリメチル−1,3,5−ビニ
ルシクロトリシロキサン又は1,3,5−トリメチルシ
クロトリシロキサンである。この共重合体を次いで架橋
結合を行って歪結晶化ポリ(メチル(3,3,3−トリ
フルオロプロピル)シロキサン)共重合体エラストマー
とする。この架橋結合した共重合体エラストマーを製造
する本願方法は、上に述べた歪結晶性ポリ(メチル
(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサン)エ
ラストマーを製造す方法と同じである。
【0036】本願における重合体及び共重合体の架橋結
合は、適当な触媒及び架橋剤を使用して、例えば加熱硬
化又は室温加硫の如きの公知の標準的方法によって行う
ことができる。このような硬化機構の例はRubber Chemi
stry and Technology (Rubber Reviews For 1979, 第52
巻 (No.3) 447-454 頁) に示されている。
【0037】一般に、架橋結合を行う重合体又は共重合
体は、氷酢酸の如き弱有機酸と反応させて、重合体の端
部からリチウムを取り除きそして水酸基末端重合体にす
る。次いで、この水酸基末端重合体は当業者において知
られている標準的な方法によって架橋結合を行う。
【0038】このような水酸基末端重合体は架橋剤とし
てオルガノヒドロシロキサン及び錫化合物の如き金属触
媒を使用して架橋結合を行う。触媒は錫オクトエート、
ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート及
びジブチル錫ジラウレートである。
【0039】これらはまた上に述べた如き触媒を使用
し、MeSi (OMe)3 , (EtO)4Si, (n−Pr
O)4Si及び (MeOCH2 CH2 O)4Siの如きアル
キルトリアルコキシシラン又はテトラアルコキシシラン
と反応させて架橋結合を行うことができる。ここで、上
記の式においてMeはメチル、EtはエルチそしてPr
はプロピルである。
【0040】同様に、水酸基末端重合体はTi (OM
e)4の如きチタン触媒の存在下、アルキルトリアルコキ
シシラン又はテトラアルコキシシランと反応させて架橋
結合を行うことができる。
【0041】一方、水酸基末端重合体は、例えばEtS
i (OAc)3,MeSi (OAc)3及びViSi (OA
c)3(ここでAcはアセチル及びViはビニルである)
の如きアセトキシ官能基を含むシロキサン又はシラン架
橋剤と共にジブチル錫ジアセテートの如き錫触媒を使用
して架橋結合を行うことができる。
【0042】更には、水酸基末端重合体はオキシム官能
基を含むシラン又はシロキサン架橋剤及び錫化合物触媒
と反応させて架橋結合を行うことができる。架橋剤はM
e (MeEtC=NO)3Si, (MeEtC=NO)4
i又はVi (MeEtCH=O)3Siであり、また触媒
はジブチル錫ジアセテートである。
【0043】最後に、水酸基末端重合体はアセトアミド
官能シラン及びシロキサン架橋剤、又はその連鎖延長剤
を用いて架橋結合を行うこともできる。
【0044】本願方法によって得られた重合体は珪素に
少量のビニル置換基を含むことができ、またこのような
重合体の架橋結合は珪素に直接結合した水素を有するシ
ロキサン及びシランの架橋剤がビニル基と反応するヒド
ロシリル化反応によって効果的に行われる。
【0045】これら架橋剤の例は、 (HMe2 SiO)4
Si,Me3 SiO (Me2 SiO) a (MeHSi
O) b SiMe3 及び (MeHSiO) c 、であって、
ここでaは0から20の整数、bは2から20の整数そ
してcは3から20の整数である。ヒドロシリル化反応
の代表的触媒は白金と( (CH2 =CH) Me2 Si)2
Oの如きビニルシランとの錯体である。この触媒はまた
Pt{((CH2 =CH)Me2 Si)2O} (CH3 CH
2 CH2)2 ,Pt2 {((CH2 =CH) Me2 Si)
2O}3 、並びにPtAc2 ,H2 PtCl6 及びPt
Cl2(Bu2 S)2の如き白金化合物も含むことができ
る。
【0046】本願の重合体は珪素原子に結合した少量の
ビニル置換基を含み、そして架橋結合は過酸化物の如き
遊離基開始剤によって架橋結合され、ここにおいて珪素
に置換している重合体鎖中の少量のビニル基は、珪素に
結合したメチル基から水素が1個移動して結合する。
【0047】本願方法において得られた共重合体は重合
体についてすでに述べたと同様な方法によって架橋結合
を行うことができ、ここでエラストマー中の少なくとも
一部の架橋結合は、共重合反応に使用したオルガノシク
ロトリシロキサンの珪素の反応性置換基の反応によって
効果的になるエラストマーが得られる。
【0048】本願方法によって得られたエラストマーは
また充填剤、強化剤、顔料及び抗酸化剤の如き添加剤を
含むことができる。
【0049】1,3,5−トリメチル−1,3,5−ト
リス(3′,3′,3′−トリフルオロプロピル)シク
ロトリシロキサンのシス及びトランス異性体(シス−F
3 及びトランス−F3 という)は、本願実施例に用いら
れている方法によって分離される。シス−F3 及びトラ
ンス−F3 を含む混合物は室温において濾過して結晶性
トランス−F3 を取り除く。濾液を集め、そして以下に
記載するようにしてシス−F3 を分離する。
【0050】濾過した固体は5℃において20重量%の
ヘキサン溶液で3回再結晶を行い、そして冷却装置内で
濾過するとガスクロマトグラフ(GC)によって99%
以上のトランス−F3 から成る針状結晶が得られた。こ
の針状結晶は示差走査熱量計(DSC)によって35℃
の融点を有することが確認された。分離物質を19Fの核
磁気共鳴(600MHz 、アセトン−d6 、C6 5 F)
分析により、δ−69.74 (s,3F,CF3);−6
9.68 (s,6F,CF3)であることが確認された。
【0051】シス−F3 を含む濾液を段階的に−25℃
まで冷却を繰返しそしていづれの段階でも濾過を行っ
た。濾液を集め、固体沈殿物は取り除いた。濾過の課程
で冷却分散液は0℃以下に維持された。濾液の組成をG
Cで、また溶融転移をDSCでモニターを行った。低い
溶融転移は−7℃において比較的安定であり、また濾液
中のシス−F3 が濃厚になるに従い第2の高い転移に収
束していく。最終的には、濾液は共融混合物とされる約
85%シス−F3 の組成になる。
【0052】更に、共融混合物を液体窒素とアセトンの
スラッシの温度まで急冷し、次いで−3℃に暖め、次い
で結晶残査をアニールすることによってシス−F3 濃厚
の混合物を分離することができる。これらは冷却濾過装
置によって分離が行われる。この方法を5から6回繰返
すと、GC測定によって約96%より多いシス−F3
びDSC測定により−1.9℃の融点を有する物質が得
られる。この分離した物質の19F核磁気共鳴分析 (60
0MHz 、アセトン−d6 、CFCCl3)によりδ−6
8.29 (s,9F,CF3)と測定された。
【0053】
【実施例】本願実施例において使用される開始剤は次の
如くして準備した。ジリチウムジフェニルシラノレート
(開始剤I)は真空下において準備した。2.09gの
ジフェニルシランジオールを含む乾燥テトラヒドロフラ
ン(THF)を、撹拌しながら1.55モルのn−ブチ
ルリチウムの13.1mlのヘキサンに20から30分間
で加えた。溶剤(THF及びヘキサン)を蒸発させ、そ
して固体をヘキサンで洗浄した。ヘキサンをデカント
し、次いで真空下で残ったヘキサンを蒸発させた。次に
固体をベンゼンに分散し、そして遠心分離によって不溶
物を分離した。上層液を使用するまで窒素充填密封容器
内に保存した。
【0054】開始剤IIは事前に100℃に加熱した5.
0gのLiOH・H2 Oに、真空下1時間にわたって2
5mlのテトラヒドロフラン(THF)を加えて得た。次
いで、この混合物を25mlのTHF及び2.2gの水に
溶かした20.2gの1,3,5−トリメチル−1,
3,5−トリス(3′,3′,3′−トリフルオロプロ
ピル)シクロトリシロキサン異性体と混ぜ合せた。この
混合物を密閉した反応器の中で2.5時間還流を行っ
た。得られた分散液を固体からデカントし、そしてこの
溶剤を真空下で蒸発させた。この液状開始剤を7.0ml
のTHFと混ぜ合せた。使用する前に遠心分離によって
固体を分離し、そして透明液体を窒素充填密閉容器に保
存した。
【0055】各実施例において、分析は次の如くして行
った。トランス−F3 に対するシス−F3 の割合は13
核磁気共鳴によって行った。DSCはガラス転移(T
g)及び溶融転移(Tm)の測定に用いた。分子量及び
分子量分布は屈折計を使用しゲル透過クロマトグラフィ
ーによって測定した。引張試験はInstron試験器
を使用し約23℃の温度において50mm/分の引張り割
合で行った。
【0056】例1 ジリチウムジフェニルシラノレート(開始剤I)は開始
剤として1,3,5−ジメチル−1,3,5−トリス
(3′,3′,3′−トリフルオロプロピル)シクロト
リシロキサンの40/50のシス/トランス混合物の重
合反応に使用した。
【0057】9.95gの40/60のシス−F3 /ト
ランス−F3 の混合物を真空下脱気し、微量の水分及び
揮発性不純物を取り除き、次いで20mlの塩化メチレン
及び2mlのTHFを含む溶剤に溶かした。ジリチウムジ
フェニルシラノレートの0.71モル溶液の0.28ml
を、上記の混合物を含む反応器に撹拌しながら注入し、
重合を開始した。反応器を22℃の温度に維持した。1
2時間後、氷酢酸を5滴反応器に加えて反応を停止し
た。反応器の内容物を50mlの水で洗い、そして真空下
溶剤を蒸発させると92重量%の収率で重合体が得られ
た。この重合体は、Tg=−67.7℃、Tm=−8.
3℃、Mn/1000=94.6そしてMw/Mn=
1.38であった。
【0058】例2 例1の重合体を触媒として第1錫オクタノエートを使用
してテトラエチルオルトシリケートと共に架橋結合を行
い、歪誘導結晶化による強化を示すエラストマーを得
た。100部の重合体、2部のテトラエチルオルトシリ
ケート及び0.05部の第1錫オクトエートの混合物を
塩化メチレンで20%に希釈した。このものを50×7
0×2mmのチェースに入れ、そして大気中6日間室温に
おいて硬化した。得られたエラストマーの板をチェース
から取り出し、そしてTHFで膨潤させて残査の触媒、
遊離の重合体及び低分子量物質を取り除いた。THF及
びメタノールの混合物を使用し、徐々にメタノールの量
を増しながら膨潤したエラストマーを徐々に収縮させ
た。このエラストマーの板を真空下で乾燥して一定の重
量のものとした。この板の試験の結果は、Tg=−6
7.7℃、Tm=−0.8℃、破断歪=1438%そし
て破断応力=182psi(1.26MPa)であった。
【0059】例3 トランス−F3 に対するシス−F3 の割合を変えた重合
体を準備し、架橋結合を行い、そして得られたエラスト
マーの物理的性質を測定した。
【0060】表1に示したように、種々の割合のシス−
3 とトランス−F3 の混合物を真空下10分間100
℃に加熱して脱気し、微量の水分を取り除いた。次い
で、30gの混合物を反応器に移した。この混合物を室
温に冷却した後、30mlの乾燥塩化メチレン及び3.0
mlのTHFを反応器に入れた。表1に示されているリチ
ウム開始剤溶液を反応器に加えた。開始剤の量は目標と
する分子量(m)(ここで、m=2(単量体の重量)/
リチウムの当量)に基づいて使用した。各実施例におい
て、計算した分子量は目標とする分子量に単量体の転化
率を掛けた値に等しくした。混合物を22℃において6
時間撹拌した。6時間後、環状三量体の転化率は80−
95モル%であって、副生物の大環状のシクロシロキサ
ンは得られていないことがGCによって確認された。反
応は開始剤として使用したリチウム当量の2倍量の過剰
の酢酸を注入して停止した。
【0061】得られた重合体溶液を3回水で洗い、そし
て溶剤を蒸発させた。この重合体をTHFに再度溶解
し、そして5倍量の過剰のメタノールで沈殿させた。得
られた重合体を真空下75℃において一晩乾燥した。こ
の重合体を上に述べたようにして分析し、そしてその結
果を表1に示した。
【0062】
【表1】
【0063】例4 例3に記載したようにして得た重合体を架橋結合を行
い、そして例1に記載したようにして試験を行った。得
られた重合体の引張性質を次の表2に示した。
【0064】
【表2】
【0065】例5 トランス−F3 に対するシス−F3 が46/54の割合
の重合体を準備し、ビニル末端化そして白金触媒を使用
しヒドロシリル化によって架橋結合した。
【0066】開始剤IIを使用し例3に記載したと同様の
方法により、トランス−F3 に対するシス−F3 が46
/54の割合の重合体を準備した。重合体の性質はM/
10000=149、Mn/1000=51.8、Mw
/Mn=1.05、Tg(℃)=−69.0、Tm
(℃)=17.5そしてΔHf (J/g)=6.4であ
った。この重合体を酢酸と反応させ水酸基末端重合体を
得た。
【0067】この水酸基末端重合体を真空下30分間1
00℃に加熱して微量の水分及び揮発性不純物を取り除
いた。次いで、重合体を14mlの乾燥塩化メチレンに溶
解し、そして0.326gのクロロジメチルビニルシラ
ンを加え、続いて0.274gの乾燥トリエチルアミン
を加えた。得られた混合物を真空下5時間撹拌し、次い
で4回水で洗った。真空下室温において溶剤を混合物か
ら蒸発させた。得られた重合体を20mlのTHFに溶解
し、次いで200mlのメタノールを加えて重合体を沈殿
させた。沈殿物をメタノールで洗い、そして真空下室温
において乾燥した。得られた重合体のMnは52,70
0であった。
【0068】上で得られたビニル末端重合体を5.19
gの重合体と混合し、0.40gのテトラキスジメチル
シロキシシラン及び0.0055gのビニル白金錯体触
媒を用いて架橋結合を行った。この混合物を脱気し、5
0×70×3mmのチェースに入れ、そして室温において
3日間硬化した。得られたエラストマーは、135℃に
おいて後硬化を2時間行った。後硬化されたエラストマ
ーは破断応力が1108%の歪で987psi(6.8MPa)
であった。
【0069】例6 トランス−F3 に対するシス−F3 の割合が84/16
の水酸基末端重合体を準備し、ビニル末端化及び過酸化
物触媒を使用して架橋結合を行った。
【0070】トランス−F3 に対するシス−F3 の割合
が84/16の水酸化末端重合体は、例3に記載された
と同様の方法によって準備した。重合体の物理的性質
は、Mn/1000=54.6そしてMw/Mn=1.
08であった。次いで、水酸基末端重合体は、0.26
gのクロロジメチルビニルシラン及び0.22gのトリ
エチルアミンを使用し、例5に記載された方法によって
ビニル末端化を行った。このビニル末端重合体は例5に
記載されたと同じ方法によって分離した。この重合体の
物理的性質はMn/1000=55.2、Mw/Mn=
1.07、Tm=−37.3℃そしてΔHf =11.3
J/gであった。
【0071】4.2gのこのビニル末端重合体を0.0
21gの2,5−ジメチル−2,5−ビス(第三ブチル
ペルオキシ)ヘキサンと混ぜ合せた。この混合物を脱気
し、50×70×3mmのチェースに移し、そして170
℃において15分間硬化した。得られたエラストマーを
200℃において後硬化を20分間行った。後硬化した
エラストマーは、次に示す物理的性質を有していた。T
m=26℃、ΔHf =9.0J/g、破断引張強さ=3
73psi(2.57) そして破断歪=520%。
フロントページの続き (72)発明者 チュン ミエン クオ アメリカ合衆国,ミシガン,ミッドラン ド,タッカー ストリート 4915,アパー トメント 7 (72)発明者 ジョン カールトン サーム アメリカ合衆国,ミシガン,ミッドラン ド,クランブルック 2320

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)非プロトン性極性促進剤、1,
    3,5−トリメチル−1,3,5−トリス(3′,
    3′,3′−トリフルオロプロピル)シクロトリシロキ
    サンの異性体であって異性体の30から100モル%は
    シス−配置であり、任意にはオルガノシクロトリシロキ
    サン分子について少なくとも1個の反応性架橋結合性置
    換基が珪素に結合しているものを含む0.05から5.
    0モル%のオルガノシクロトリシロキサン、及び少なく
    とも1個のリチウム原子が酸素原子を通して珪素原子に
    結合しているものを含むリチウム化合物を包含する混合
    物を形成し、並びに(B)この混合物をリチウム化合物
    と異性体が−50℃から+150℃の範囲内において反
    応する温度において、本質的に無水の条件下に維持する
    ことを包含するポリ(メチル(3,3,3−トリフルオ
    ロプロピル)シロキサン)重合体を製造する方法。
JP7016822A 1994-02-03 1995-02-03 立体規則性ポリ(メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサン)重合体及びその製造方法 Pending JPH07252361A (ja)

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