JPH07251970A - シート材搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シート材に帯電している静電気を除電する能
力が低下しないようにする。 【構成】 搬送ローラ対１０２のシート材搬送方向上流
側に除電ブラシ１０５を設置した。除電ブラシ１０５は
搬送パス１００を形成してる下ガイド１０７に上向きに
取り付けて、搬送ローラ対１０２のニップに入ろうとす
るシート材Ｓの先端が突き当たると、駆動ローラ１０３
方向にたわんで、同ローラ１０３の金属製の軸部１０３
Ａに接触するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明（第１の発明、第２の発
明）は、例えば、ファクシミリ、プリンタ、複写機等の
画像形成装置に備えられるシート材搬送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ファクシミリ、プリンタ、複写機等の画
像形成装置においては、給紙部より給送されたシート材
を画像形成部に導き、また、画像形成部において画像形
成後のシート材を画像形成装置本体外に導く搬送パスが
画像形成装置本体内に形成されている。

【０００３】一般に、画像形成装置本体内を搬送されて
いるシート材には静電気が帯電していることが多い。こ
の静電気は、シート材が給紙部より１枚ずつ給送される
際にシート材同士の摩擦で生じたり、シート材が上述の
搬送をパスを搬送中に同搬送パスを形成しているガイド
板との摩擦で生じたりする。

【０００４】しかし、画像形成装置本体外に排紙された
シート材に静電気が帯電していると、排紙部に積載され
たシート材同士が静電気で貼り付いたり、電気系に放電
したりする不具合が生じる。

【０００５】このようなことから、従来の画像形成装置
には、搬送中のシート材に帯電している静電気を除電で
きるシート材搬送装置が備えられている。通常、このシ
ート材搬送装置はシート材を最終的に搬送する排紙装置
として機能している。

【０００６】図５に従来例のシート材搬送装置の構成を
示す。

【０００７】搬送パス１００の終端部には、画像形成を
終えたシート材Ｓを排紙積載部１０１上に排紙する排紙
ローラ対としての搬送ローラ対（シート材搬送手段）１
０２が設置されている。

【０００８】搬送ローラ１０２は、不図示の駆動源から
の伝えられる駆動力によって矢印方向に回転する駆動ロ
ーラ１０３と、同駆動ローラ１０３に所定圧で接触して
矢印方向に従動回転する従動ローラ（ピンチローラ）１
０４とからなり、両ローラ１０３、１０４、とでシート
材Ｓを挟持して搬送する。

【０００９】駆動ローラ１０３は、ステンレス等の金属
製の軸部１０３Ａの所定位置の外周面にゴム等の摩擦部
材１０３Ｂを巻き付けた構成になっている。

【００１０】搬送ローラ対１０２のシート材搬送方向下
流側には、シート材Ｓに帯電している静電気を除電する
除電ブラシ（除電手段）１０５が設置されている。

【００１１】この除電ブラシ１０５は搬送パス１００を
形成している上ガイド１０ｂに下向きに取り付けられて
おり、搬送ローラ対１０２のニップを通過したシート材
Ｓにたわみながら接触して静電気を除電するようになっ
ている。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来例に
おいては、除電ブラシ１０５がシート材Ｓから除電した
静電気の一部は空気中に放電されるが一部は除電ブラシ
１０５に蓄電されてしまう。

【００１３】このため、除電ブラシ１０５が連続的にシ
ート材Ｓから静電気を除電するような場合には、放電し
きれず、除電能力が著しく低下し、シート材Ｓは静電気
を帯びたまま排紙されることがあった。

【００１４】そこで、第１の発明は、上述の如き事情に
鑑みてなされたもので、シート材から除電した静電気を
放電する能力が高く、シート材に帯電している静電気を
常に一定の能力が除電することができるシート材搬送装
置を提供することを目的とする。

【００１５】また、第２の発明は、搬送ローラによって
搬送中のシート材に帯電している静電気を放電能力の高
い搬送ローラ自体で除電することができるシート材搬送
装置を提供することを目的とする。

【００１６】

【課題を解決するための手段】

〈第１の発明の手段〉第１の発明は、上記目的を達成す
るため、シート材（Ｓ）を所定の方向に搬送するシート
材搬送手段（１０２）と、シート材（Ｓ）に接触して静
電気を除電し、かつ、前記シート材搬送手段（１０２）
の導電部材（１０３Ａ）部分に接触して放電する除電手
段（１０５）と、を有したことを特徴とする。 〈第２の発明の手段〉第２の発明は、導電性の軸部（１
０３Ａ）の所定位置の外周面に非導電性の摩擦部材（１
０３Ｂ）を巻いてなる搬送ローラ（１０３）をシート材
搬送装置に係る。

【００１７】そして、第２の発明は、上記目的を達成す
るため、前記搬送ローラ（１０３）の前記軸部（１０３
Ａ）と前記摩擦部材（１０３Ｂ）の外径（中１、中２）
差を、前記搬送ローラ（１０３）を通過中のシート材
（Ｓ）が前記軸部（１０３Ａ）に接触する程度に小さく
設定したことを特徴とする。

【００１８】

【作用】

〈第１の発明の作用〉上記構成とした第１の発明のシー
ト材搬送装置によれば、シート材搬送手段（１０２）に
よって搬送されるシート材（Ｓ）に帯電している静電気
は除電手段（１０５）によって除電されると同時にシー
ト材搬送手段（１０２）の導電部材（１０３Ａ）部分に
放電されることになる。

【００１９】これにより、除電手段（１０５）の蓄電量
は著しく少なくなり、除電手段（１０５）は連続的にシ
ート材（Ｓ）の除電を行っても除電能力が低下すること
なく、シート材（Ｓ）に帯電している静電気を常に一定
の能力で除電できる。 〈第２発明の作用〉上記構成とした第２の発明のシート
材搬送装置によれば、搬送ローラ（１０３）によって搬
送されるシート材（Ｓ）に帯電している静電気は同搬送
ローラ（１０３）に軸部（１０３Ａ）に放電される。

【００２０】これにより、除電手段を用いなくてもシー
ト材（Ｓ）に帯電している静電気を確実に除電できる。

【００２１】なお、上記カッコ内の符号は図面を参照す
るためのものであって、本発明の構成を何等限定するも
のではない。

【００２２】

【実施例】以下、第１の発明及び第２の発明の各実施例
を図面に基づいて説明する。 〈第１の発明の実施例〉図１は第１の発明の一実施例に
係るシート材搬送装置の構成を示す。

【００２３】なお、本シート材搬送装置を説明するに当
たり、上記従来例のシート材搬送装置（図５）と同一の
部材等には同一符号を付すと共に、構成的かつ機能的に
変えられないものについては、その説明を省略する。

【００２４】本シート材搬送装置においては、搬送ロー
ラ対１０２のシート材搬送方向上流側に、シート材Ｓに
帯電している静電気を除電する除電ブラシ１０５が設置
されている。

【００２５】この除電ブラシ１０５は搬送パス１００を
形成している下ガイド１０７に上向きに取り付けられて
おり、搬送ローラ対１０２のニップに入ろうとするシー
ト材Ｓの先端が突き当たると同除電ブラシ１０５は図示
ように駆動ローラ１０３方向にたわんで同ローラ１０３
の軸部１０３Ａに接触する。

【００２６】除電ブラシ１０５はシート材Ｓが搬送ロー
ラ対１０２のニップを通過中は、常にシート材Ｓと、駆
動ローラ１０３の軸部１０３Ａの双方に接触している。

【００２７】従って、除電ブラシ１０５は、搬送ローラ
対１０２のニップを通過するシート材Ｓに帯電している
静電気を除電すると、同時に、除電した静電気を駆動ロ
ーラ１０３の導電性を有している軸部１０３Ａに放電す
るようになる。

【００２８】このように、駆動ローラ１０３の軸部１０
３Ａに放電する除電ブラシ１０５は放電能力が高いの
で、静電気の蓄電量が著しく少なくなり、除電能力が低
下することはない。

【００２９】なお、本実施例の駆動ローラ１０３の軸部
１０３Ａはステンレス等の金属からなるが、その他の導
電性を有する材料からなるものであれば、除電ブラシ１
０５の放電能力は同じように高められる。

【００３０】図２及び図３に、本シート材搬送装置を搬
送パスの最終端に備えた画像形成装置（ファクシミリ）
の構成例を示す。

【００３１】同図において、Ｓはシート材で、複数枚重
ねてカセット２に収納されている。

【００３２】カセット２は画像形成装置本体３に対して
着脱可能であり、箱体であるカセット本体２ａ、シート
材Ｓを積載する中板ｂ、同中板２ｂを押し上げるバネ２
ｃ、シート材Ｓの先端を係止するツメ２ｄ、シート材Ｓ
の長さ方向と、幅方向を規制する規制板２ｅ・２ｆとか
らなる。

【００３３】カセット２は規制板２ｅ・２ｆを動かすこ
とで複数サイズのシート材Ｓを収納できる、いわゆるユ
ニバーサルカセットであり、本実施例においては、Ａ４
ヨコ（長さ１４８ｍｍ）、Ｂ４ヨコ（長さ１８２ｍ
ｍ）、Ａ４タテ（長さ２９７ｍｍ）、Ｂ４タテ（長３６
４ｍｍ）、の４種類のシート材Ｓを収納可能である。

【００３４】４はカセット２内のシート材Ｓを繰り出す
給紙ローラであり、ツメ２ｄと共働してシート材Ｓを１
枚ずつ分離するものである。

【００３５】５は搬送ローラであり、給紙ローラ４によ
って繰り出されたシート材Ｓを対向配置したコロ６とで
挟持搬送するものである。

【００３６】７は反転ガイドであり、シート材Ｓを裏返
しに反転したＵターンガイドするものである。

【００３７】８は前ガイドであり、複数のリブを形成し
て構成され、反転されたシート材Ｓの下面を規制して搬
送経路を構成するものである。

【００３８】９は上ガイドであり、前ガイド８と対向し
て配置されたシート材Ｓの上面を案内して搬送経路を構
成するものである。

【００３９】Ａは記録部で、インクジェット記録方式を
行う、いわゆるインクジェットタイプであり、記録ヘッ
ドとインクタンクを一体にしてディスポーダブルタイプ
のカートリッジにした、インクジェットカートリッジ１
０、同インクジェットカートリッジ１０を搭載して走行
し、その往復動により記録を行うキャリッジ１１、イン
クジェットカートリッジ１０の対向側にあって上面に画
像形成部を持つプラテン１２、インクジェットカートリ
ッジ１０の上流に位置しシート材Ｓを搬送するフィード
ローラ１３、同フィードローラ１３に対向して配置され
た押圧コロ１４、インクジェットカートリッジ１０の下
流に位置し、印字がなされたシート材Ｓを下流に搬送す
る排紙ローラ１５、同排紙ローラ１５の対向側にありシ
ート材Ｓの印字面に接触しても転写されることのない材
質で構成された拍車１６、とから構成されている。

【００４０】１７は後ガイドであり、複数のリブによっ
て構成され、記録部Ａで印字がなされ排紙されるシート
材Ｓの下面を案内する搬送経路を構成するものである。

【００４１】１８はフレームで、画像形成装置本体３の
一部を成し、後ろガイド１７の下方かつカセット２の上
方に位置している。

【００４２】１０２は本発明のシート材搬送装置の搬送
ローラ対であり、印字のなされたシート材Ｓを、フレー
ム１８上の排紙積載部（排紙リブ）１０１上に排紙する
ものである。

【００４３】２３は開閉可能なカバーであり、開放した
状態ではインクジェットカートリッジ１０の交換に要す
る空間を開放するとともに、前ガイド８及び後ガイド１
７の上方の空間も開放するものである。

【００４４】Ｂは読取り部であり、読取りセンサ（不図
示）により原稿の画像情報を読み取るものである。詳細
な説明はここでは省略する。

【００４５】次に、本画像形成装置における記録動作を
説明する。

【００４６】制御部（図示せず）より記録開始信号が来
ると、給紙ローラ４が図中矢線方向に回転してカセット
２内のシート材Ｓを繰り出す。繰り出されたシート材Ｓ
は、搬送ローラ５によって搬送され、Ｕターンガイド７
で反転し、記録部Ａに至る。記録部Ａでは、フィードロ
ーラ１３で搬送されつつインクジェットカートリッジ１
０で印字がなされた後、シート材Ｓは排紙ローラ１５で
搬送されて、搬送ローラ対１０２のニップに向かう。

【００４７】そして、シート材Ｓが、搬送ローラ対１０
２のニップを通過する時、シート材Ｓに帯電している静
電気が図１１に示す除電ブラシ１０５に除電される。搬
送ローラ対１０２のニップ部を通過し、除電ブラシ１０
５によって静電気を除電されたシート材Ｓは排紙積載部
１０１上に積載される。 〈第２の発明の実施例〉図１に示す実施例のシート材搬
送装置においては、除電ブラシ１０５を用いてシート材
Ｓに帯電している静電気を除電するようにしているが、
本実施例のシート材搬送装置においては、除電ブラシ１
０５を用いず、搬送ローラ対１０２の駆動ローラ１０３
を除電手段としている。

【００４８】図４に、実施例の搬送ローラ対１０２の駆
動ローラ１０３の構成を示す。

【００４９】ここでは、軸部１０３Ａと摩擦部材１０３
Ｂの外径φ１、φ２差を搬送ローラ対１０２のニップを
通過中のシート材Ｓが軸部１０３Ａに接触する程度に小
さく設定している。

【００５０】このように構成すると、搬送ローラ対１０
２のニップを通過中のシート材Ｓに帯電している静電気
が駆動ローラ１０３の軸部１０３Ａに直接的に放電され
ることになる。除電ブラシ１０５を用いない分、コスト
ダウンが図られる。

【００５１】なお、本発明（第１の発明、第２の発明）
のシート材搬送装置は、ファクシミリ、プリンタ、複写
機等の画像形成装置に限らず、シート材を自動的に搬送
する機械に幅広く適用することが可能である。

【００５２】

【発明の効果】以上説明したように、第１の発明のシー
ト材搬送装置においては、シート材に帯電している静電
気を除電する除電手段がシート材と、シート材搬送手段
の導電部材部分の双方に接触するようにしたので、除電
手段の放電能力が高められ、常に安定した除電が行え
る。

【００５３】また、第２の発明のシート材搬送装置にお
いては、搬送ローラの導電性の軸部に搬送中のシート材
が接触するようにしたのでシート材にに帯電している静
電気を搬送ローラの軸部に直接的に放電することができ
る。このため、除電手段を用いなくてもシート材に帯電
している静電気を除電することが可能となり、その分、
コストダウンが図られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の発明の一実施例に係るシート材搬送装置
の構成を示す縦断側面図。

【図２】同シート材搬送装置を備えた画像形成装置（フ
ァクシミリ）の構成例を示す縦断側面図。

【図３】同画像形成装置の構成例を示す外観斜視図。

【図４】第２の発明の一実施例に係るシート材搬送装置
に用いられた駆動ローラの構成を示す斜視図。

【図５】従来例のシート材搬送装置の構成を示す縦断側
面図。

【符号の説明】

１０７ 搬送ローラ対（シート材搬送手段） １０３ 駆動ローラ（搬送ローラ） １０３Ａ 軸部（導電部材） １０３Ｂ 摩擦部材 １０５ 除電ブラシ（除電手段） φ１ 軸部の外径 φ２ 摩擦部材の外径 Ｓ シート材

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シート材を所定の方向に搬送するシート
   材搬送手段と、シート材に接触して静電気を除電し、か
   つ、前記シート材搬送手段の導電部材部分に接触して放
   電する除電手段と、を有したことを特徴とするシート材
   搬送装置。
2. 【請求項２】 前記シート材搬送装置手段は導電性の軸
   部を有している搬送ローラであることを特徴とする請求
   項１記載のシート材搬送装置。
3. 【請求項３】 前記除電手段は除電ブラシであることを
   特徴とする請求項１記載のシート材搬送装置。
4. 【請求項４】 前記搬送手段は導電性の軸部を有してい
   る搬送ローラであり、前記除電手段は前記搬送ローラの
   シート材搬送方向上流側に設置された除電ブラシであ
   り、前記除電ブラシはシート材と前記搬送ローラの軸部
   に同時に接触することを特徴とする請求項１記載のシー
   ト材搬送装置。
5. 【請求項５】 導電性の軸部の所定位置の外周面に非導
   電性の摩擦部材を巻いてなる搬送ローラを備えたシート
   材搬送装置において、 前記搬送ローラの前記軸部と前記摩擦部材の外径差を、
   前記搬送ローラを通過中のシート材が前記軸部に接触す
   る程度に小さく設定したことを特徴とするシート材搬送
   装置。
6. 【請求項６】 シート材を所定の方向に搬送するシート
   材搬送手段と、シート材に接触して静電気を除電し、か
   つ、前記シート材搬送手段の導電部材部分に接触して放
   電する除電手段と、を有したことを特徴とする画像形成
   装置。
7. 【請求項７】 導電性の軸部の所定位置の外周面に非導
   電性の摩擦部材を巻いてなる搬送ローラを備えた画像形
   成装置において、 前記搬送ローラの前記軸部と前記摩擦部材の外径差を、
   前記搬送ローラを通過中のシート材が接触する程度に小
   さく設定したことを特徴とする画像形成装置。