JPH07251617A - 車両用サスペンション - Google Patents

車両用サスペンション

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Publication number
JPH07251617A
JPH07251617A JP6044307A JP4430794A JPH07251617A JP H07251617 A JPH07251617 A JP H07251617A JP 6044307 A JP6044307 A JP 6044307A JP 4430794 A JP4430794 A JP 4430794A JP H07251617 A JPH07251617 A JP H07251617A
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JP
Japan
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vehicle
wheel
connecting member
extending
suspension
Prior art date
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Pending
Application number
JP6044307A
Other languages
English (en)
Inventor
Tamiyoshi Kasahara
民良 笠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
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Publication of JPH07251617A publication Critical patent/JPH07251617A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2202/00Indexing codes relating to the type of spring, damper or actuator
    • B60G2202/10Type of spring
    • B60G2202/11Leaf spring
    • B60G2202/114Leaf spring transversally arranged

Landscapes

  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】車両の旋回限界時の性能を向上させつつ、不整
路での直進性の乱れを低減可能な車両用サスペンション
を提供することをを目的としている。 【構成】図示しない車輪が車輪支持部材1に回転自在に
支持される。車輪支持部材1は、略車体前後方向に延び
るアッパアーム2及びロアアーム3によって支持される
と共に、略車幅方向に延びるサイドロッド4によって支
持される。ロアアーム3は平板状の弾性部材であって、
一端部をサスペンションメンバ等の車体側部材5に剛結
合し、且つ、先端部3aを車輪支持部材1の下部へ揺動
可能に連結している。ロアアーム3の上面側及び下面側
には、ロアアーム3の延在方向に向かう中心線に直交す
る方向から所定角度だけ傾いて延びる複数のスリット
6,7が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主に車両に用いられる
サスペンションであって、特に、車輪を支持する車輪支
持部材と車体側部材を連結して、車輪の上下動に伴い弾
性変形可能な弾性体からなる連結部材を備えた車両用サ
スペンションに関する。
【0002】
【従来の技術】連結部材として弾性アーム部材を採用し
た従来の車両用サスペンションとしては、例えば,実開
平3−96206号公報や実開平3−82204号公報
等に記載されたものがある。前者(実開平3−9620
6号公報記載)の従来例は、車幅方向に弾性アーム部材
であるリーフスプリングが配設されて、その両端部が、
それぞれ車輪支持部材に連結されていると共に、そのリ
ーフスプリングの途中位置が車体側部材に取り付けられ
て構成されている。さらに、前記車輪支持部材を、車体
前後方向に延びる一対のリンク部材でワットリンク状に
支持することで、車輪の上下ストロークによる上下動の
際に、リーフスプリングの端部取付け点の軌跡が車体前
後方向へ変位することを抑えて、リーフスプリングに入
力される車体前後方向の変位を低減している。
【0003】また、後者(実開平3−82204号公報
記載)の従来例は、繊維強化合成樹脂等からなる板ばね
状の弾性アーム部材をロアアームとして使用した車両用
サスペンションであって、サスペンション用の連結部材
に、軽量且つ所定ばね特性を備えた弾性アーム部材を使
用することで、ロッド状の剛性アーム部材とコイルスプ
リングとを併用する場合に比べてサスペンション構造が
簡単となると共に部品点数が少なく取付けスペース上有
利としている。
【0004】なお、一般に、前記従来の各弾性アーム部
材は、上下の曲げ剛性について軸対称(等方的)に製造
されていて、その車体側取付け部は、サスペンションメ
ンバなどの車体側部材へ剛的に連結されて車輪支持部材
側に向けて直線状に延び、その先端部である車輪側取付
け部を、車輪を回転自在に支持する車輪支持部材に連結
されることで配設されている。そして、車輪のバウンド
・リバウンドによって、該弾性アーム部材は、車体側取
付け部を軸として厚さ方向即ち上下方向に撓みながら、
車輪支持部材を介した車輪の上下ストロークの際の軌跡
を規制する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ような従来の車両用サスペンションのうち、実開平3−
96206号公報に記載の車両用サスペンションに使用
されている弾性アーム部材にあっては、ストローク時の
サスペンション特性の設定自由度が1自由度失われてし
まうと共に、該弾性アーム部材の車輪側取付け部の軌跡
を所望の軌跡に規制するために一対のリンク部材を必要
とする。
【0006】また、実開平3−82204号公報等に記
載されているような車両用サスペンションに使用されて
いる、一般の弾性アーム部材では、等方性を有すると共
に延び方向の中心線に対して軸対称に構成されているの
で、弾性アーム部材の撓み易い方向が、主に、弾性アー
ム部材の車体側取付けの取付け軸に対して直交した直線
状に移動する。
【0007】即ち、車輪の上下動に伴う該弾性アーム部
材の車輪側取付け点の上下方向への軌跡が、該弾性アー
ムの延在方向に直交する方向から見ると直線状に移動す
るようになる。この結果により生じるサスペンションの
バウンド・リバウンド時のトー変化やキャンバ変化も、
例えば図10及び図11に示すような直線状に変化する
サスペンション特性となり、以下に示すような問題があ
った。
【0008】まず、トー変化について考えると、例え
ば、リヤサスペンションを仮定した場合、車両の旋回安
定性を確保するためには、バウンド側(旋回外輪側)が
トーインとなるように設定されるが、上記のような直線
状に変化する特性では、不整路等の凹凸のある路面を走
行する際にも、車輪の上下ストロークに伴ってトー変化
が発生し、車両の直進性を乱す一因となる。即ち、この
ような直線的な特性では、車両の旋回安定性と、不整路
等を走行する際の進路の乱れの低減を両立することがで
きない。
【0009】また、キャンバ変化について考えると、一
般に、車両の旋回限界時の性能を向上させるために、バ
ウンド時にキャンバがネガティブ方向に変化させるよう
な特性が付与されるが、上記のような直線状に変化する
特性では、バウンド時のキャンバ変化を大きくして旋回
限界付近での性能を向上させようとすると、同時に小ス
トローク時のスカッフ変化も大きくなってしまう。する
と、不整路等の凹凸のある路面を走行することで車輪が
上下ストロークすると、スカッフ変化(タイヤ接地点の
横方向への変動)を生じる。そして、この動きによって
タイヤにスリップ角が発生することで、タイヤに横力が
発生して車両の直進性が乱れてしまう。
【0010】このような理由で、キャンバ特性について
も、車両の旋回限界時の性能を向上させつつ、不整路で
の直進性の乱れを低減させるような、キャンバ変化特性
を付与することが困難であった。本発明は、上記のよう
な問題点に着目して実施されたもので、車両の旋回限界
時の性能を向上させつつ、不整路での直進性の乱れを低
減可能な車両用サスペンションを提供することをを目的
としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載されている発明の車両用サスペンシ
ョンは、車輪を回転自在に支持する車輪支持部材と車体
側部材とを略車体前後方向に延びて連結すると共に車体
側部材へ剛的に取り付けられて車体上下方向に弾性変形
可能な弾性体からなる連結部材を有する車両用サスペン
ションであって、上記連結部材の上面若しくは下面の少
なくとも一方に剛性変化手段が設けられてなり、その剛
性変化手段は、連結部材における延在方向の中心線を挟
む左右の剛性を、車輪の上下方向にストローク変化に伴
って、該中心線に対して非対称な状態に変更することを
特徴としている。
【0012】請求項2に記載されている発明の車両用サ
スペンションは、車輪のバウンド時とリバウンド時で、
連結部材における延在方向の中心線を挟む左右の剛性の
非対称性が、反対になるように剛性変化手段を設定した
ことを特徴としている。このとき、請求項3に記載され
ているように、前記剛性変化手段は、上記連結部の上面
に、該連結部材の延在方向に対して所定角度傾いた方向
に延びるスリットを、該連結部材の延び方向に沿って複
数設けると共に、連結部材の下面に、該連結部材の延在
方向に対して上記上面側のスリットの傾き方向とは逆方
向へ所定角度傾いて延びるスリットを、該連結部材の延
在方向に沿って複数設けて構成したことを特徴とすると
よい。
【0013】または、請求項4に記載されているよう
に、前記剛性変化手段は、上記連結部の延在方向に延び
る中心線から車幅方向に変位した位置に上記延在方向に
沿い且つ互い近接して配置されて突設される複数の突設
体の一群を、該連結部材の上面及び下面に互いに上記中
心線を挟んだ反対側位置に配したことで構成したことを
特徴とするとよい。
【0014】
【作用】略車体前後方向に延びる連結部材は、車輪の上
下ストロークに伴って車体側取付け部の取付け軸周りに
上下方向に撓むこととなるが、請求項1に記載された発
明では、剛性変化手段によって、車輪の上下ストローク
に伴って連結部材の中心線を挟んだ左右の剛性が非対称
に設定されることで、連結部材の車輪側取付け部は、上
下方向に移動しつつ、上下ストロークに応じて車幅方向
に変位するようになる。
【0015】この車幅方向に変位が発生する理由は、剛
性の低い方が相対的に多く撓むことよる捻じれ発生のた
めである。このため、連結部材と連結している車輪支持
部材の部分が、バウンド・リバウンドに伴って車幅方向
に変位する。これによって、バウンド・リバウンドの上
下ストロークに合わせてサスペンション特性であるトー
角やキャンバ角を変化可能となる。
【0016】特に、所定量以上の上下方向の撓みが発生
した時に、剛性変化手段による作用が有意に働くように
設定することで、上下ストロークが小さいときには、車
体側取付け軸に略直交する方向へ移動するだけである
が、上下ストロークが所定量以上となった時点から有意
に車幅方向へ変位するなど、連結部材の車輪側取付け点
の車体前後方向からみた軌跡を曲線状に設定することが
可能となる。
【0017】また、請求項2に記載された発明では、バ
ウンド時とリバウンド時とで剛性変化を逆になるように
設定するので、連結部材の車輪側取付け部を、例えば、
バウンド時に車幅方向外方に変位させ、且つ、リバウン
ド時に車幅方向内方に変位させることが可能となる。即
ち、サスペンション特性であるトー角やキャンバ角を、
バウンド時とリバウンド時とで逆方向への変化特性を持
たせることが可能となる。
【0018】上記剛性変化手段の構成は、例えば、請求
項3に記載されているように、連結部材の上面に、該連
結部材の延在方向に対して所定角度傾いた方向に延びる
スリットを、該連結部材の延び方向に沿って複数設ける
と共に、連結部材の下面に、該連結部材の延在方向に対
して上記上面側のスリットの傾き方向とは逆方向へ所定
角度傾いて延びるスリットを、該連結部材の延在方向に
沿って複数設けることで設定する。
【0019】このように設定すると、スリットを設けた
側に撓むときには、圧縮力が入力されて、各スリットの
対向面は相互に当接して力を伝達するので、スリットを
設けなかった場合と同様な剛性に設定される。一方、ス
リットを設けた側と反対側に撓むときには、引張力が入
力されて、各スリットの対向面は相互に隔離して力を伝
達せず剛性が弱くなる。このように引張力が入力される
際には、スリットの延び方向周りの曲げ剛性が一番低く
なり、該スリットに延び方向に直交する方向周りの曲げ
剛性が一番強くなるが、本願発明では、連結部材の延在
方向の中心線に対して所定角度傾けて設定されること
で、引張力が入力された際には、該中心線を挟んだ左右
の剛性が非対称状態となり、スリットの延び方向軸周り
に撓み易くなる。
【0020】このため、車輪の上下ストロークに伴って
連結部材の車輪側取付け点は、上下に移動しつつ車幅方
向に変位することで、車輪支持部材における該連結部材
と連結されている部分が車幅方向に変位して、車輪のバ
ウンド・リバウンドによってトー変化やキャンバ変化等
のサスペンション特性の変化を付与可能となる。このと
き、圧縮される側の剛性は中心軸に対して同じであると
共に引張側よりも剛性が高いので、上下ストロークが小
さい範囲では、上記引張側のスリット(剛性変化手段)
による作用が有効に作用することなく車幅方向の変位は
小さく抑えられる。
【0021】また、上下表面に設けたスリットの延び方
向が連結部材の中心線に対して反対方向に傾けて設定さ
れているので、上方へのストローク時と下方へのストロ
ーク時とが車幅方向への変位が逆方向となる。以上のこ
とから、車輪のバウンド・リバウンドした際における、
連結部材の車輪側取付け点の車体前後方向から見た軌跡
は、上下に引き延ばしたS字形状に移動する。
【0022】これは、連結部材によるトー変化等のサス
ペンション特性の変化が、車輪の上下ストロークが所定
の範囲では小さく抑えられると共に、所定以上のストロ
ークの際に発揮されることとなる。なお、上記上下面の
スリットの延び方向の傾きは、上下で同じにする必要は
なく、設定したいサスペンション特性の変化に合わせて
個々に決定すればよいし、該スリットは直線状に延びる
必要はない。
【0023】また、上記剛性変化手段の構成は、例え
ば、請求項4に記載されているように、上記連結部の延
在方向に延びる中心線から車幅方向に変位した位置に上
記延在方向に沿い且つ互い近接して配置されて突設され
る複数の突設体の一群を、該連結部材の上面及び下面に
互いに上記中心線を挟んだ反対側位置に配したことで構
成してもよい。
【0024】この場合には、突設体の一群を設けた側と
は反対側に撓んで引張力が入力された際には、隣合う突
設体の対向面間は当接することなく力を伝達しないの
で、該突設体が無い場合と同様な剛性をもつ。一方、突
設体の一群を設けた側に撓んだ場合を考えると、所定撓
み量だけ撓むと、近接して配置された隣合う突設体間が
当接し、該当接に応じた分だけ力を伝達しあうことな
り、該突設体の一群を設けた部分の剛性が、中心線を挟
んだ他方の部分よりも高くなる。このため、突設体に一
群を設けた側の撓み量が、中心線を挟んだ他方の剛性よ
りも小さくなり、車輪側取付け点は、該突設体の一群を
設けた方向に変位し易くなる。
【0025】また、上下表面にそれぞれ設けた突設体の
一群は連結部材の中心線を挟んで反対方向に設定されて
いるので、上方へのストローク時と下方へのストローク
時とが車幅方向への変位が逆方向となる。以上のことか
ら、車輪のバウンド・リバウンドした際における、連結
部材の車輪側取付け点の車体前後方向から見た軌跡は、
上下に引き延ばしたS字形状に移動する。
【0026】これは、連結部材によるトー変化等のサス
ペンション特性の変化が、車輪の上下ストロークが所定
の範囲では小さく抑えられると共に、所定以上のストロ
ークの際に発揮されることとなる。
【0027】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
まず構成を説明すると、図1に示すように、図示しない
車輪がアクスル等の車輪支持部材1に回転自在に支持さ
れている。その車輪支持部材1は、略車体前後方向に延
びるアッパアーム2及びロアアーム3によって支持され
ることでキャンバ角が規定され、また、略車幅方向に延
びるサイドロッド4によって支持されることでトー角が
規定されている。
【0028】上記サイドロッド4は、例えば操舵輪側で
あればタイロッドであり、車体側に固定されたステアリ
ング本体から車幅方向外方に延び、その先端部を車輪支
持部材1の下部へ揺動可能に連結している。なお、サイ
ドロッド4は、タイロッドに限定されるものではなく、
非操舵輪側であれば、車幅方向に延びるラテラルリンク
をサイドロッド4として車輪支持部材1の下部と車体側
とを上下揺動可能に連結してもよい。
【0029】上記アッパアーム2は、所定の剛性を備え
たAアームからなり、そのA字形状の先端部2aを車輪
支持部材1の上部にボールジョイントを介して揺動可能
に連結し、車体前方に延びている。そのアッパアーム2
は、A字形状の下部である一対の車体側取付け部2b
が、それぞれブッシュを介して車体側部材に取り付けら
れて、車体上下方向に揺動可能となっている。
【0030】また、ロアアーム3は、連結部材を兼ねて
略上下方向に弾性変形可能なように厚さ方向を略上下方
向に向けた平板状の弾性部材であって、一端部をサスペ
ンションメンバ等の車体側部材5に剛結合されて、車体
後方に延びている。そのロアアーム3の先端部である車
輪側取付け部3aは、ボールジョイントを介して車輪側
部材の下部に揺動可能に連結している。これによって、
該ロアアーム3は車体側取付け軸周りに略上下方向に撓
み可能となっている。
【0031】このロアアーム3の上面側には、図2に示
すように、ロアアーム3の延在方向に向かう中心線P1
に直交する方向Q1から所定角度αだけ傾いて斜め方向
に延びるスリット6が、上記延在方向に並んで複数,形
成されている。また、ロアアーム3の下面側にも、ロア
アーム3の延在方向に向かう中心線P1に直交する方向
Qから所定角度βだけ傾いて斜め方向に延びるスリット
7が、上記延在方向に並んで複数,形成されている。但
し、下面側の各スリット7の延び方向と上面側の各スリ
ット6の延び方向とは、互いに逆方向に傾いて延びてい
る。
【0032】なお、上記ロアアーム3を形成する弾性部
材の素材としては、例えば,CFRP,GFRP等の繊
維強化樹脂や、ばね鋼板,FRM等の鋼部材等を素材と
して作製すればよい。ここで、上記構成の弾性部材から
なるロアアーム3における、車輪側取付け部3aに上下
方向の荷重を負荷した際の、該車輪側取付け部3aの挙
動を考察する。なお、車体側取付け軸は水平になってい
るものとする。
【0033】今、車輪側取付け部3aに上方に向かう荷
重が入力されると、ロアアーム3の上面側では、圧縮力
が入力されて上面側の各スリット6による間隙の対向面
は相互に当接して一体的となり、該スリット6を形成し
ない場合と同様な曲げ剛性をもって車体側取付け軸周り
に上方(荷重の入力方向)へ撓もうとする。一方、ロア
アーム3の下面側では、引張力が入力されて下面側の各
スリット7による間隙の対向面は相互に離隔して相互に
力を伝達しなくなるので、該ロアアーム3の下面側の曲
げ剛性が上面側に比べて低くなる。このとき、引張力を
受けるロアアーム3の下面側では、図3(a)に示すよ
うに、下面側のスリット7の延び方向A2周りには撓み
やすく、また、該スリット6に延び方向に直交する方向
の軸B2周りには撓み難い。このため、スリット7が上
記ロアアーム3の中心線P1に直交する方向Q1に延び
るように形成されていれば左右に等方的であるため上方
向の荷重に対して車体側取付け部3b周りと同一方向に
撓み易く設定されるが、本実施例では該スリット7の延
び方向がロアアーム3の中心線P1に直交する方向Q1
から所定角度βだけ傾いて設定してあるため左右に異方
的となり、該スリット7の延び方向A2周りに撓み易く
なる。
【0034】このようなことによって、車輪側取付け部
3a側からロアアーム3の延び方向(車体前後方向)に
向いて観察すると、図4に示すように、上方に向かう荷
重によって、車輪側取付け部3aは、撓み角が小さい領
域ではロアアーム3における下側の剛性よりも上側の剛
性が高いので、車体側取付け軸Lにほぼ直交するように
上方に撓むが、撓み角が大きくなるにつれて上記のよう
な下側のスリット6の作用によって該スリット6の延び
方向を軸とした撓み方向に回動軸が移動して左右方向
(図4中左側)に曲がる。
【0035】また、車輪側取付け部3aに下方に向かう
荷重が負荷されると、ロアアーム3の下面側では、圧縮
力が入力されて下面側の各スリット7による間隙の対向
面は相互に当接して一体的となり、該スリット7を形成
しない場合と同様な曲げ剛性をもって車体側取付け軸周
りに上方(荷重の入力方向)に撓もうとする。一方、ロ
アアーム3の上面側では、引張力が入力されて上面側の
各スリット6による間隙の対向面は相互に離隔して相互
に力を伝達しなくなるので、該ロアアーム3の上面側の
曲げ剛性が下面側に比べて低くなる。このとき、引張力
を受けるロアアーム3の上面側では、図3(c)に示す
ように、上面側のスリット6の延び方向A1周りには撓
みやすく、また、該スリット6に延び方向に直交する方
向の軸B1周りには撓み難い。このため、スリット6が
上記ロアアーム3の中心線P1に直交する方向Q1に形
成されていれば左右に等方的であるため上方向の荷重に
対して車体側取付け周りに同一方向に撓むが、本実施例
では該スリット6の延び方向がロアアーム3の中心線P
1に直交する方向Q1から所定角度αだけ傾いて設定し
てあるため左右に異方的となり、該スリット6の略延び
方向A1周りに撓み易くなる。
【0036】このようなことによって、図4に示すよう
に、車輪側取付け部3a側からロアアーム3の延び方向
に向いて観察すると、下方に向かう荷重によって、車輪
側取付け部3aは、撓み角が小さい領域ではロアアーム
3における上面側の剛性よりも下面側の剛性が高くなる
ので、車体側取付け軸Lにほぼ直交するように下方に撓
むが、撓み角が大きくなるにつれて上記のような上面側
のスリット6の作用によって該スリット6の延び方向を
軸とした撓み方向に回動軸が移動して左右方向(図4中
右側)に曲がる。
【0037】このとき、上面側のスリット6の延び方向
と下面側のスリット6の延び方向とは互いにロアアーム
3中心面を挟んで上下反対称となっているので、撓みが
大きくなった場合の左右方向への変位が逆方向になる。
結果として、上下方向に荷重の入力に対して、図4に示
されるように、車輪側取付け部3a分は上下に伸びた略
S字形状の軌跡を描くようになる。即ち、ロアアーム3
の車輪側取付け部3aの軌跡は、撓みが小さい状態で
は、車体取付け軸周りに該車体側取付け軸と略直交する
方向に向けてストロークするが、撓みが大きくなるにつ
れて左右に大きく変位するようになる。
【0038】このため、上記のように略車体前後方向に
伸びるように、即ちトレーリングアームとしてロアアー
ム3を設定すると、ロアアーム3の車輪側取付け部3a
は、車輪の上下ストロークによって、該ストローク量が
小さい範囲ではほぼ上下方向の軌跡に沿って変位する
が、該ストロークが大きくなるにつれて車幅方向外方若
しくは内方に変位する。
【0039】ここで、本実施例では、ロアアーム3の車
輪側取付け部3aが、上方に撓むときに車幅方向外方
に、下方に撓むときに車幅方向内方に変位するように、
該ロアアーム3の上面及び下面のスリット6,7の方向
を設定する。即ち、上面側のスリット6の延び方向に直
交する方向をロアアーム3の中心線P1よりも車輪側取
付け部3a側に向けて車幅方向外方に傾くように設定
し、また、下面側のスリット7の延び方向に直交する方
向をロアアーム3の中心線P1よりも車輪側取付け部3
a側に向けて車幅方向内方に傾くように設定する。
【0040】上記のような車両用サスペンションでは、
図5に示すように、車輪がバウンドすると、ロアアーム
3は車体側取付け部3b周りに上方に撓んで、その車輪
側取付け部3aは略上方にのみ移動するが、該ストロー
クが大きくなると、該車輪側取付け部3a軸は車幅方向
外方に変位しながら上方に移動する。このため、ストロ
ークが小さい間は、キャンバ角変化は小さく抑えられて
いるが、ストロークが大きくなると、車輪支持部材1の
下部前側が車幅方向外方に変化して、ネガティブ方向に
キャンバ変化する。
【0041】逆に、車輪がリバウンドすると、ロアアー
ム3は車体側取付け軸周りに下方に撓んで、その車輪側
取付け部3aは下方に移動するが、該ストロークが大き
くなると、該車輪側取付け部3aは車幅方向内方に変位
しながら略下方にのみ移動する。このため、ストローク
が小さい間は、キャンバ角変化は小さく抑えられている
が、ストロークが大きくなると、車輪支持部材1の下部
前側が車幅方向内方に変化して、ポジティブ方向にキャ
ンバ変化する。
【0042】従って、車両が旋回限界付近まで旋回した
場合を考えると、バウンドした旋回外輪側ではネガティ
ブ方向のキャンバ変化が発生すると共にリバウンドした
旋回内輪側ではポジティブ方向のキャンバ変化が発生す
るため、車体がロールしても左右両輪とも対地キャンバ
角が零となる方向(車輪がアップライトする方向)にロ
アアーム3の作用によって向かうので車輪のグリップ力
が確保されて、旋回時の車両安定性が良い。
【0043】また、不整路等の凹凸のある路面を直進走
行している場合を考えると、小ストロークのバウンド・
リバウンドの繰り返しが車輪に発生するが、ロアアーム
3の上下方向への撓み量は小さいので、上記説明したよ
うに、ロアアーム3の車輪側取付け部3aの上下ストロ
ークによる車幅方向への変位が小さい。このため、キャ
ンバ変化は小さく抑えられることで、スカッフ変化が小
さく抑えられる。即ち、不整路等の凹凸のある路面を直
進走行しても車両の進路の乱れが小さく抑えれて、車両
の直進走行性に余り悪影響を与えない。
【0044】このように、旋回限界時の車両安定性を確
保しつつ不整路等の凹凸のある路面を走行中の直進走行
性を確保できるような、キャンバ変化特性を設定可能と
なる。なお、上記実施例では、ロアアーム3側に上記構
成からなる弾性部材からなる連結部材を採用している
が、アッパアーム2側を上記と同様な構成からなる弾性
部材からなる連結部材を採用してもよい。
【0045】但し、アッパアーム2に上記のような弾性
部材を採用する場合には、表面に形成するスリット6,
7の延び方向の傾きをアームの延び方向の中心線に対し
てロアアーム3の場合とは反対方向に傾ける。即ち、下
面側のスリットの延び方向に直交する方向をアームの中
心線よりも車輪側取付け部側に向けて車幅方向外方に傾
くように設定し、また、上面側のスリットの延び方向に
直交する方向をアームの中心線よりも車輪側取付け部側
に向けて車幅方向内方に傾くように設定する。
【0046】このように設定することで、アッパアーム
2の車輪側取付け部2aは、車輪のバウンド時には、上
方に移動しつつストロークが大きくなるほど車幅方向内
方に変位し、また、車輪のリバウンド時には、下方に移
動しつつストロークが大きくなるほど車幅方向外方に変
位して、車輪の上下ストロークが小さい状態ではキャン
バ変化を小さく抑え、また、大きくバウンドしたときに
はネガティブ方向へキャンバ変化を付与すると共に大き
くリバウンドしたときにはポジティブ方向へキャンバ変
化を付与させることで、上記と同様な作用・効果を得る
ことが可能となる。
【0047】また、上記実施例では、ロアアーム3及び
アッパアーム2が、車輪支持部材1から車体前後方向前
方に延びてトレーリングアームを構成している場合で説
明しているが、該ロアアーム3及びアッパアーム2が、
車輪支持部材1から車体前後方向後方に延びてリーディ
ングアームを構成している場合であっても、ロアアーム
3若しくアッパアーム2を上記のような構成からなる弾
性アームを採用してもよい。この場合も、上記と同様な
作用・効果を得ることが可能となる。
【0048】また、上記実施例では、スリット6,7を
直線状に延びるように形成しているが、例えば鋸歯状に
蛇行させながら所定方向に延びるように形成してもよ
い。この場合には、圧縮されて各スリット6,7の間隙
における対向面が噛み合うように係合してスリット6,
7に沿った滑りの発生が低減可能となる。また、上記実
施例では、ロアアーム3の上下両面にスリット6,7を
設けているが、例えば下面側だけに設けたバウンドのみ
にネガティブキャンバ変化を発生するようにしてもよ
い。
【0049】次に、第2実施例を図面に基づいて説明す
る。まず構成を説明すると、図6に示すように、図示し
ない車輪がアクスル等の車輪支持部材11に回転自在に
支持され、その車輪支持部材11がアッパアーム12及
びロアアーム13によって支持されることで、キャンバ
角が規定されている。
【0050】車輪支持部材11の下部には、ロアアーム
13の外端部がボールジョイントを介して揺動可能に連
結されている。そのロアアーム13は、車幅方向内方に
延びて、その内端部を構成し略車体前後方向で対向する
一対の車体側取付け部13bが、ブッシュを介してサス
ペンションメンバ等の車体側部材に上下方向へ揺動可能
に連結されている。
【0051】同様に、車輪支持部材11の上部には、ア
ッパアーム12の外端部がボールジョイントを介して揺
動可能に連結されている。そのアッパアーム12は、車
幅方向内方に延びて、その内端部を構成し略車体前後方
向で対向する一対の車体側取付け部12bが、ブッシュ
を介してサスペンションメンバ等の車体側部材に上下方
向へ揺動可能に連結されている。
【0052】また、車輪支持部材11から後方に延びる
腕部11aに、略車体前後方向に延びる弾性アーム14
(連結部材)の一端部14aが、ボールジョイントを介
して揺動可能に連結している。その弾性アーム14は、
その他端部が車体15に対して剛に取り付けることで上
下方向にのみ所定の弾性力をもって撓み可能となって、
車輪のトー変化を規制している。
【0053】その弾性アーム14は、略上下方向に弾性
変形可能なように厚さ方向を略上下方向に向けた平板状
の弾性部材であって、その素材としては、例えば,CF
RP,GFRP等の繊維強化樹脂や、ばね鋼板,FRM
等の鋼部材等を素材として作製されている。その弾性ア
ーム14の上面には、図7に示すように、その中心線P
2よりも車幅方向外方側に、中心線P2(略車体前後方
向)に沿って並ぶように、且つ、互いに当接可能に接近
させた状態で突設された複数のブロック16(突設体)
が設けられている。
【0054】また、弾性アーム14の下面には、その中
心線P2よりも車幅方向内方側に、中心線P2(略車体
前後方向)に沿って並ぶように、且つ、互いに当接可能
に接近させた状態で突設された複数のブロック17(突
設体)が設けられている。ここで、上記構成の弾性アー
ム14における、車輪側取付け部14aに上下方向の荷
重を負荷した際の、該車輪側取付け部14aの挙動を考
察する。
【0055】今、車輪側取付け部14aに上方に向かう
荷重が負荷されると、弾性アーム14は車体側取付け軸
周りに上方に撓む。このとき、撓み量が小さい状態で
は、弾性アーム14の上面側に設けられたブロック16
は、相互に当接していないので相互に圧縮力を伝達する
ことなく、また、弾性アーム14の下面側に設けられた
ブロック17も相互に離れるので、弾性アーム14の弾
性変形に寄与しない。
【0056】更に、撓み量が大きくなると、弾性アーム
14の上面側に設けられたブロック16は相互に当接し
てブロック16群が一体的となって、撓み量に応じた分
だけ抵抗する。このため、ブロック16を設けた側の曲
げ剛性が相対的に高くなる。このためブロック16のな
い側、即ち車幅方向内側が外側よりも多く撓むことで車
幅方向外方に変位しながら上方に移動する。
【0057】一方、車輪側取付け部14aに下方に向か
う荷重が負荷されると、弾性アーム14は車体側取付け
軸周りに下方に撓む。このとき、撓み量が小さい状態で
は、弾性アーム14の下面側に設けられたブロック17
は、相互に当接していないので相互に圧縮力を伝達する
ことなく、また、弾性アーム14の上面側に設けられた
ブロック16も相互に離れるので、弾性アーム14の弾
性変形に寄与しない。
【0058】更に、撓み量が大きくなると、弾性アーム
14の下面側に設けられたブロック17は相互に当接し
てブロック17群が一体的となって、撓み量に応じた分
だけ抵抗する。このため、ブロック17を設けた側の曲
げ剛性が相対的に高くなって、ブロック17のない側即
ち車幅方向外側が内側よりも多く撓むことで車幅方向内
方に変位しながら下方に移動する。
【0059】結果として、上下方向に荷重の入力に対し
て、図8に示されるように、車輪側取付け部14a分は
上下に伸びた略S字形状の軌跡を描くようになる。即
ち、弾性アーム14の車輪側取付け部14aの軌跡は、
撓みが小さい状態では、車体取付け軸周りに該車体側取
付け軸と略直交する方向に向けてストロークするが、撓
みが大きくなるにつれて左右(車幅方向)に変位するよ
うになる。
【0060】このため、車輪のストローク量が小さい範
囲ではほぼ上下方向の軌跡に沿って変位するが、該スト
ロークが大きくなるにつれて車幅方向外方若しくは内方
に変位する。上記のような車両用サスペンションでは、
車輪がバウンドすると、ロアアーム13及びアッパアー
ム12によって規制されるキャンバ角をもって車輪支持
部材11も上方に移動すると同時に、弾性アーム14
は、車体側取付け軸周りに上方に撓んで、その車輪側取
付け部14aが上方に移動するが、該ストロークが大き
くなると、該車輪側取付け軸は車幅方向外方に変位しな
がら上方に移動する。
【0061】このため、ストロークが小さい間は、トー
角変化は小さく抑えられているが、ストロークが大きく
なると、車輪支持部材11の後部側が車幅方向外方に変
化して、トーイン方向にトー変化する。逆に、車輪がリ
バウンドすると、弾性アーム14は車体側取付け軸周り
に下方に撓んで、その車輪側取付け部14aは下方に移
動するが、該ストロークが大きくなると、該車輪側取付
け軸は車幅方向内方に変位しながら下方に移動する。
【0062】このため、ストロークが小さい間は、図9
に示すように、トー角変化は小さく抑えられているが、
ストロークが大きくなると、車輪支持部材11の下部前
側が車幅方向内方に変化して、トーアウト方向にトー変
化する。従って、車両が旋回限界付近まで旋回した場合
を考えると、バウンドした旋回外輪側ではトーイン方向
のトー変化が発生すると共に旋回内輪側ではトーアウト
方向にトー変化する。
【0063】このため、上記車両用サスペンションをリ
ヤサスペンションとして採用すると、ロールが大きくな
るほど、アンダステア傾向となり旋回時の車両安定性が
良い。また、不整路等の凹凸のある路面を直進走行して
いる場合を考えると、小ストロークのバウンド・リバウ
ンドが車輪に発生するが、弾性アーム14の撓み量は小
さいので、上記説明したように、トー変化は小さく抑え
られることで、スカッフ変化が小さく抑えられる。即
ち、不整路等の凹凸のある路面を直進走行しても車両の
進路の乱れが小さく抑えられて、車両の直進走行性に余
り悪影響を与えない。
【0064】このように、旋回限界時の旋回安定性を確
保しつつ不整路等の凹凸のある路面走行中の直進走行性
を確保できるようなトー変化特性を設定可能となる。な
お、上記実施例では、車輪支持部材11から車体前後方
向後方に延びるように弾性アーム14を配設している
が、車輪支持部材11から車体前後方向前方に延びるよ
うに弾性アーム14を配設してもよい。
【0065】但し、この場合には、ブロック群を、上面
側では車幅方向内側に沿って設け、且つ下面側では車幅
方向外面側に沿って設ける。このように設けることで、
該弾性アーム14の車輪側取付け部14aは、車輪のバ
ウンドに従って上方に撓みつつ車幅方向内方に変位し、
また、車輪のリバウンドに従って下方に撓みつつ車幅方
向外方に変位して、上記と同様なトー変化特性を持たせ
ることが可能となる。
【0066】また、各隣合うブロック16間の対向面
を、弾性アーム14が所定以上撓んだときに完全に当接
するように上下方向に所定角度を持たせることで、車輪
取付け点における車幅方向への変位を開始するスロトー
ク量を設定したりすることが可能である。なお、上記実
施例では、上下両面にブロック16,17を設けている
が、例えば上面だけに設けてバウンド時にのみトー変化
を発生させるように設定してもよい。
【0067】なお、第1実施例のロアアームに、第2実
施例で説明したブロック群からなる剛性変化手段を採用
したり、第2実施例の弾性体弾性アームに第1実施例の
スリットからなる剛性変化手段を採用してもよい。
【0068】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の請求
項1に記載の車両用サスペンションでは、弾性体からな
る連結部材の上面若しくは下面の少なくとも一方に剛性
変化手段を設けることで、その剛性変化手段は、連結部
材における延在方向の中心線を挟む左右の剛性を、車輪
の上下方向のストローク変化に伴って、該中心線に対し
て非対称な状態に変更するようにすることで、連結部材
の車輪側取付け点は、車輪の上下ストローク量が小さい
場合には車幅方向への変位を小さく抑えられ、且つスト
ローク量が大きい場合に車幅方向への変位を大きく設定
することが可能となり、もって、該連結部材による、ト
ー変化やキャンバ変化等のサスペンション特性の変化を
車輪の上下ストロークが小さいときには小さく抑え且つ
上下ストロークが大きい場合に所定のサスペンション特
性変化を発生するように設定可能となる。
【0069】このため、不整路等を走行して小ストロー
クのバウンド・リバウンドが発生した際には、トー変化
などのサスペンション特性の変化を抑えて直進性を確保
すると共に、大きくロールする等して大ストロークのバ
ウンドが入力された際には、トーイン変化を積極的に発
生させる等の効果を有するようになる。このとき、請求
項2に記載されているように、車輪のバウンド時とリバ
ウンド時で、連結部材における延在方向の中心線を挟む
左右の剛性の非対称性が、反対になるように剛性変化手
段を設定することで、バウンド時とリバウンド時とで連
結部材の車幅方向への変位方向を反対側に設定されて、
例えば、バウンド時にトーイン変化を発生させ且つリバ
ウンド時にはトーアウト変化を発生させる等のサスペン
ション特性を設定可能となる。
【0070】例えば、請求項3に記載されているよう
に、上記連結部の上面に、該連結部材の延在方向に対し
て所定角度傾いた方向に延びるスリットを、該連結部材
の延び方向に沿って複数設けると共に、連結部材の下面
に、該連結部材の延在方向に対して上記上面側のスリッ
トの傾き方向とは逆方向へ所定角度傾いて延びるスリッ
トを、該連結部材の延在方向に沿って複数設けることで
剛性変化手段を構成することで実現してもよい。
【0071】このようにすることで、バウンド・リバウ
ンド時における連結部材の車輪側取付け部の軌跡は、略
車体前後方向(連結部材の中心線の延び方向)からみて
上下に延びたS字形状に設定することが可能となり、該
連結部材の車輪側取付け部の軌跡を適当に設定すること
で車両の旋回安定性を高めつつ、不整路等の走行時の直
進走行性を確保可能となる。
【0072】また、請求項4に記載されているように、
上記連結部の延在方向に延びる中心線から車幅方向に変
位した位置に上記延在方向に沿い且つ互い近接して配置
されて突設される複数の突設体の一群を、該連結部材の
上面及び下面に互いに上記中心線を挟んだ反対側位置に
配したことで剛性変化手段を構成することで実現しても
よい。
【0073】この場合も、バウンド・リバウンド時にお
ける連結部材の車輪側取付け部の軌跡は、略車体前後方
向(連結部材の中心線の延び方向)からみて上下に延び
たS字形状に設定することが可能となり、該連結部材の
車輪側取付け部の軌跡を適当に設定することで車両の旋
回安定性を高めつつ、不整路等の走行時の直進走行性を
確保可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例の車両用サスペンショ
ンを示す斜視図である。
【図2】本発明に係る第1実施例の車両用サスペンショ
ンにおけるロアアームを示す図である。
【図3】本発明に係る第1実施例の車両用サスペンショ
ンにおけるロアアームであって(a)は下面側のスリッ
トによる撓み易く又は撓みにくい軸方向を示す図であ
り、(c)は上面側のスリットによる撓み易く又は撓み
にくい軸方向を示す図である。
【図4】本発明に係る第1実施例の車両用サスペンショ
ンにおけるロアアームの車輪側取付け部の軌跡を示す図
である。
【図5】本発明に係る第1実施例の車両用サスペンショ
ンにおけるキャンバ変化を示す図である。
【図6】本発明に係る第2実施例の車両用サスペンショ
ンを示す斜視図である。
【図7】本発明に係る第2実施例の車両用サスペンショ
ンにおける弾性アームを示す図であって、(a)は平面
図、(b)は側面図である。
【図8】本発明に係る第2実施例の車両用サスペンショ
ンにおける弾性アームの車輪側取付け部の軌跡を示す図
である。
【図9】本発明に係る第2実施例の車両用サスペンショ
ンにおけるトー変化を示す図である。
【図10】従来の弾性アーム部材におけるトー変化特性
を示す図である。
【図11】従来の弾性アーム部材におけるキャンバ変化
特性を示す図である。
【符号の説明】
1,11 車輪支持部材 3 ロアアーム(連結部材) 3a 車輪側取付け部 5 車体側部材 6,7 スリット(剛性変化手段) 14 弾性アーム(連結部材) 16,17 ブロック(突設体)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪を回転自在に支持する車輪支持部材
    と車体側部材とを略車体前後方向に延びて連結すると共
    に車体側部材へ剛的に取り付けられて車体上下方向に弾
    性変形可能な弾性体からなる連結部材を有する車両用サ
    スペンションであって、上記連結部材の上面若しくは下
    面の少なくとも一方に剛性変化手段が設けられてなり、
    その剛性変化手段は、連結部材における延在方向の中心
    線を挟む左右の剛性を、車輪の上下方向のストローク変
    化に伴って、該中心線に対して非対称な状態に変更する
    ことを特徴とする車両用サスペンション。
  2. 【請求項2】 車輪のバウンド時とリバウンド時で、連
    結部材における延在方向の中心線を挟む左右の剛性の非
    対称性が、反対になるように剛性変化手段を設定したこ
    とを特徴とする請求項1に記載された車両用サスペンシ
    ョン。
  3. 【請求項3】 前記剛性変化手段は、上記連結部の上面
    に、該連結部材の延在方向に対して所定角度傾いた方向
    に延びるスリットを、該連結部材の延び方向に沿って複
    数設けると共に、連結部材の下面に、該連結部材の延在
    方向に対して上記上面側のスリットの傾き方向とは逆方
    向へ所定角度傾いて延びるスリットを、該連結部材の延
    在方向に沿って複数設けて構成したことを特徴とする請
    求項2に記載された車両用サスペンション。
  4. 【請求項4】 前記剛性変化手段は、上記連結部の延在
    方向に延びる中心線から車幅方向に変位した位置に上記
    延在方向に沿い且つ互い近接して配置されて突設される
    複数の突設体の一群を、該連結部材の上面及び下面に互
    いに上記中心線を挟んだ反対側位置に配したことで構成
    したことを特徴とする請求項2に記載された車両用サス
    ペンション。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10814535B2 (en) 2015-12-30 2020-10-27 Iljin Co., Ltd. Hybrid suspension arm

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10814535B2 (en) 2015-12-30 2020-10-27 Iljin Co., Ltd. Hybrid suspension arm

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