JPH07251075A - 不飽和カルボン酸合成用触媒及びそれを用いた不飽和カルボン酸の製造方法 - Google Patents

不飽和カルボン酸合成用触媒及びそれを用いた不飽和カルボン酸の製造方法

Info

Publication number
JPH07251075A
JPH07251075A JP6068944A JP6894494A JPH07251075A JP H07251075 A JPH07251075 A JP H07251075A JP 6068944 A JP6068944 A JP 6068944A JP 6894494 A JP6894494 A JP 6894494A JP H07251075 A JPH07251075 A JP H07251075A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
carboxylic acid
parts
unsaturated carboxylic
mechanical strength
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6068944A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Naito
啓幸 内藤
Kunio Mori
邦夫 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP6068944A priority Critical patent/JPH07251075A/ja
Publication of JPH07251075A publication Critical patent/JPH07251075A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Abstract

(57)【要約】 【目的】 触媒性能に優れ機械的強度の高いヘテロポリ
酸系触媒の提供。 【構成】 不飽和アルデヒドを気相接触酸化して不飽和
カルボン酸を合成するための少なくともP,Mo,Vを
成分として含むヘテロポリ酸系の触媒において、平均直
径1〜20μm、平均長さ10〜3000μm、炭素含
有率93%以上の炭素繊維を触媒中に0.05〜10重
量%含有する触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不飽和アルデヒドの気
相接触酸化により不飽和カルボン酸を製造する際に用い
られる機械的強度に優れた触媒、特に成型触媒、及びそ
れを用いた不飽和カルボン酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、不飽和アルデヒドを気相接触酸化
し、不飽和カルボン酸を合成する方法およびその際に使
用する触媒に関しては、数多くの提案がされている。不
飽和アルデヒドとしてメタクロレインを原料とした場合
を例にとると、メタクロレイン酸化用触媒として、ヘテ
ロポリ酸系触媒が見いだされてからは、その改良につい
て、例えば、特開昭58−96041号公報、特開昭6
1−7233号公報、特開昭62−153243号公
報、特開平3−238051号公報等多数の特許出願が
なされている。
【0003】一般に、工業的に用いられる成型触媒は、
移動させたり、反応器に充填する際に粉化・崩壊するこ
とがないよう、ある程度以上の機械的強度を有する必要
があり、触媒の機械的強度は、成型圧力を調節するなど
の方法である程度は改善されている。しかし、触媒の種
類によっては、このような方法で機械的強度を高くする
と、目的生成物の収率が低くなるという問題点を有して
いる。
【0004】触媒性能を低下させずに、成型触媒の機械
的強度を上げるために、いくつかの方法が提案されてい
る。例えば、特公昭51−20357号公報には、種々
の触媒に、無機および有機の耐熱性繊維を混入して成型
することにより、機械的強度の高い成型触媒が得られる
ことが記載されている。しかし、同特許公報には、ニト
ロベンゼンの水素還元反応についてのみ述べられてお
り、本発明におけるヘテロポリ酸系触媒については、全
く言及されていない。
【0005】ヘテロポリ酸系触媒は、特に機械的強度が
弱く、高い触媒性能を維持させながら成型触媒の充分な
機械的強度を得ることは困難であり、その改良には特に
注意が必要である。上記特許公報に述べられている有機
繊維は、触媒の熱処理や反応中における、分解・焼失な
どの経時変化が起こりやすく、機械的強度の向上剤とし
ては適さない。また、無機繊維については、一般に耐熱
性には問題はないが、同特許公報中に例示されている無
機繊維すべてが成型触媒の機械的強度向上に充分な効果
があるとはいえない。
【0006】また、特公平2−36296号公報には、
ヘテロポリ酸ベースの触媒において、成型時に成型助剤
として平均直径が5μm以下、平均長さが1000μm
以下のウィスカを含有させて押出成型することにより、
機械的強度および触媒性能が向上することが開示されて
いる。また、特公平4−48498号公報には、グラフ
ァイトを含有させて押出成型する事により、機械的強度
の向上に効果があることを開示している。しかし、ウィ
ウカおよびグラファイトの成型触媒の機械的強度向上に
対する効果は充分とは言えず、工業的見地から更に改良
が望まれている。
【0007】さらに、特開平5−138028号公報に
は、成型前に炭素ないしは有機繊維を混合し、成型後に
100〜380℃の温度範囲の熱処理によって除去する
ことにより、成型触媒内部に通路を形成することが記載
されている。該公報の記載によれば、添加する炭素繊維
は、触媒の熱処理時に除去されるが、本発明において
は、炭素含有率の高い炭素繊維を用いることにより、熱
処理後も成型触媒の機械的強度の向上に充分な効果を示
しており、同公報に記載されている発明と本発明とは本
質的に内容を異にしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、不飽和アル
デヒドから不飽和カルボン酸を合成する際に用いられ
る、機械的強度に優れた触媒、特に成型触媒の提供を目
的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、不飽和アルデ
ヒド、特にメタクロレインを分子状酸素で気相接触酸化
し、不飽和カルボン酸特にメタクリル酸を合成するため
の少なくともリン、モリブデン、バナジウムを成分とし
て含むヘテロポリ酸系の触媒において、平均直径が1〜
20μm、平均長さが10〜3000μm、炭素含有率
93%以上の炭素繊維が、該触媒に対して0.05〜1
0重量%存在していることを特徴とする不飽和カルボン
酸合成用押出成型触媒及びこの触媒を用いた不飽和カル
ボン酸の製造方法にある。
【0010】本発明は、ヘテロポリ酸系の触媒、特に押
出成型や圧縮成型した成型触媒中に、平均粒径が1〜2
0μm、平均長さが10〜3000μmの特定の大きさ
を有する炭素含有率93%以上の炭素繊維が、触媒製造
過程の乾燥および熱処理後も分解・焼失されずに存在し
ていることを特徴としている。
【0011】本発明において炭素繊維は、触媒中に配合
され、存在することによって、触媒の機械的強度の向上
剤としての働きを有する。触媒の機械的強度を向上させ
るためには炭素繊維の形状は、平均直径が1〜20μ
m、好ましくは3〜10μmで、平均長さが10〜30
00μm、好ましくは20〜2000μmの特定された
範囲の大きさを有する炭素繊維を用いると優れた効果を
示す。
【0012】炭素繊維の平均直径が1μm未満および2
0μmを超える場合、成型触媒の機械的強度が弱く十分
ではない。また、炭素繊維の平均長さが10μm未満で
は同様に成型触媒の十分な機械的強度が得られず、平均
長さが3000μmを超えると、例えば押出成型時の触
媒の切断が難しくなる傾向があり、工業用触媒としては
適さなくなる。
【0013】本発明において炭素繊維は、触媒に対して
少量の添加でその効果を発揮できる。触媒に対する炭素
繊維の存在量は用いる炭素繊維の種類によって多少異な
り、特に限定されるものではないが、触媒乾燥物重量に
対して0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜5重
量%の範囲である。炭素繊維の量が0.05重量%未満
では機械的強度の向上に効果が得られにくく、また、1
0重量%を超えると押出成型時や圧縮成型時の成型性、
特に押出成型時の成型性が極端に低下する傾向となるた
め好ましくない。
【0014】本発明で用いる炭素繊維の炭素含有率は9
3%以上、好ましくは95%以上であることが必要であ
る。本発明は、炭素繊維が触媒製造過程の乾燥および熱
処理後も成型触媒中に存在し、機械的強度の向上に寄与
することが重要であり、炭素含有率が93%未満である
と、耐熱性が低くなり、触媒の熱処理中に分解、焼失す
る恐れがあり、好ましくない。また、炭素繊維の種類は
特に限定されるものではなく、従来公知の種々の炭素繊
維が使用でき、具体的には、ポリアクリロニトリル系、
ピッチ系などが挙げられ、触媒に悪影響を与えないもの
であれば、いずれも好適に使用できる。
【0015】本発明の触媒を得るに当り炭素繊維を触媒
中に存在させる工程上の段階としては、例えば押出し成
型の場合には押出成型前であればいつでも良く、特に限
定されるものではない。例えば、触媒成分を含む混合溶
液中に炭素繊維を添加混合した後、該炭素繊維含有混合
溶液を乾燥させたものを用いて押出成型しても良いし、
また、触媒成分を含む混合溶液を乾燥した後、得られた
乾燥物に炭素繊維を添加混合したものを用いて押出成型
しても良い。このような工程のやり方は圧縮成型にも同
じように採用することができる。
【0016】炭素繊維含有触媒乾燥物を例えば押出成型
する際には、成型助剤として、比較的低温で飛散可能な
液体、例えば水や、メチルアルコール、エチルアルコー
ル等の低級アルコールなどを用いることができ、目的に
応じて任意の量を添加すれば良いが、触媒乾燥物重量に
対して5〜50重量%の範囲、好ましくは10〜40重
量%の範囲で添加することができる。5重量%未満およ
び50重量%を超えた場合、押出成型の際の成型性が悪
くなる傾向となり、工業用触媒としては適さなくなる。
また、成型の際には、従来公知の無機物質の添加剤、例
えば、タルク、ベントナイト、硝酸アンモニウム、ガラ
スファイバー等を添加しても差し支えない。
【0017】本発明の触媒を得るに当り、成型触媒の形
状は、特に限定されるものではなく、一般粉体用成型機
を用いて、リング状、円柱状、星型状等の任意の形状に
成型できる。
【0018】このようにして得られた成型触媒は、次い
で乾燥および熱処理される。本発明においては、これら
の処理条件には特に限定はなく、公知の処理条件を適用
することができる。通常、乾燥条件としては60〜15
0℃の温度で行い、熱処理条件としては200〜500
℃、好ましくは300〜450℃の温度で行われる。
【0019】本発明は一般式 Pa Mobc Cudefgh (式中、P,M
o,V,CuおよびOはそれぞれリン、モリブデン、バ
ナジウム、銅および酸素を、Xはアンチモン、ビスマ
ス、ヒ素、ゲルマニウム、ジルコニウム、テルル、銀、
セレン、ケイ素、タングステンおよびホウ素からなる群
より選ばれた少なくとも1種類の元素を、Yは鉄、亜
鉛、クロム、マグネシウム、タンタル、コバルト、マン
ガン、バリウム、ガリウム、セリウムおよびランタンか
らなる群より選ばれた少なくとも1種類の元素を、Zは
カリウム、ルビジウム、セシウムおよびタリウムからな
る群より選ばれた少なくとも1種類の元素を夫々示す。
a,b,c,d,e,f,gおよびhは各元素の原子比
率を表し、b=12のときa=0.5〜3,c=0.0
1〜3,d=0.01〜2,e=0〜3,f=0〜3,
g=0.01〜3であり、hは前記各成分の原子価を満
足するのに必要な酸素原子数である。)で表される組成
を有する触媒に好ましく適用される。
【0020】このような本発明に用いられる組成の触媒
を製造する方法としては、特殊な方法に限定する必要は
なく、成分の著しい偏在を伴わない限り、従来から良く
知られている蒸発乾固法、沈澱法、酸化物混合法等の種
々の方法を用いることができる。
【0021】また、触媒成分の原料としては、各元素の
酸化物、硝酸塩、炭酸塩、アンモニウム塩などを組み合
わせて使用することができる。例えば、モリブデン原料
としてはパラモリブデン酸アンモニウム、三酸化モリブ
デン等、バナジウム原料としてはメタバナジン酸アンモ
ニウム、五酸化バナジウム等が使用できる。
【0022】本発明の触媒を使用して、不飽和アルデヒ
ドを気相接触酸化して不飽和カルボン酸を合成するに
は、原料ガス中の不飽和アルデヒドの濃度は広い範囲で
変えることができるが、1〜20容量%が適当であり、
特に3〜10容量%が好ましい。原料の不飽和アルデヒ
ドは、水、低級飽和アルデヒド等の不純物を少量含んで
いても良く、これらの不純物は反応に実質的な影響を与
えない。
【0023】接触酸化を行う際の酸素源としては、空気
を用いるのが経済的であるが、必要ならば純酸素で富化
した空気も用いうる。原料ガス中の酸素濃度は、不飽和
アルデヒドに対するモル比で規定され、この値は0.3
〜4、特に0.4〜2.5が好ましい。原料ガスは窒
素、水蒸気、炭酸ガス等の不活性ガスを加えて希釈して
も良い。
【0024】反応圧力は、常圧から数気圧までがよい。
反応温度は、200〜430℃の範囲で選ぶことができ
るが、特に220〜400℃が好ましい。
【0025】
【実施例】以下、本発明による触媒の製造例およびそれ
を用いて不飽和カルボン酸を製造する反応例を具体的に
説明する。説明中、「部」は重量部であり、分析はガス
クロマトグラフィーにより行った。
【0026】実施例および比較例中の、不飽和アルデヒ
ドの反応率および生成する不飽和カルボン酸の選択率は
以下のように定義される。
【0027】
【数1】
【0028】
【数2】
【0029】また、成型触媒の機械的強度は、以下のよ
うに定義される落下粉化率を測定した。すなわち、垂直
に立てた内径27mmφ、長さが5000mmの鉄製の
パイプの上部から成型触媒2000gを落下させ、8メ
ッシュの篩で受けとめ、篩上に残った触媒の重量をはか
り、次の式により算出する。
【0030】
【数3】
【0031】実施例1 パラモリブデン酸アンモニウム100部、メタバナジン
酸アンモニウム4.4部および硝酸カリウム4.8部を
純水400部に溶解した。これを撹拌しながら、85%
リン酸8.1部を純水10部に溶解した溶液を加え、さ
らに硝酸銅1.1部を純水10部に溶解した溶液を加え
た。次に硝酸ビスマス6.9部に60%硝酸7.0部お
よび純水40部を加え、得られた硝酸ビスマスの均一溶
液を前記混合液に加えた後、95℃に昇温した。これら
の混合液に60%ヒ酸2.2部を純水10部に溶解した
溶液を加え、続いて三酸化アンチモン2.1部を加え、
加熱撹拌しながら蒸発乾固した。
【0032】得られた乾燥粉100部に対して平均粒径
が5μm、平均長さが500μm、炭素含有率98%以
上のポリアクリロニトリル系炭素繊維2部を添加混合し
た。この炭素繊維含有物にエチルアルコール25部を混
合し、押出成型機により外径5mm、内径2mm、平均
長さ5mmのリング状に成型した。
【0033】この押出成型物を130℃で16時間乾燥
し、次いで空気流通下に380℃で5時間熱処理し押出
成型触媒を得た。得られた触媒の、酸素以外の元素の組
成(以下同じ)はP1.5 Mo120.8 Cu0.11 Bi
0.3 Sb0.3 As0.2 であった。熱処理後の成型触媒の
内部を走査型顕微鏡で観察したところ、添加した炭素繊
維が存在しており、機械的強度の向上に寄与しているこ
とが確認された。
【0034】この触媒を反応管に充填し、メタクロレイ
ン5%、酸素10%、水蒸気30%及び窒素55%(容
量%)の混合ガスを反応温度290℃、接触時間3.6
秒で通じた。生成物を捕集し、ガスクロマトグラフィー
で分析したところ、メタクロレイン反応率89.9%、
メタクリル酸選択率88.2%であった。また、落下粉
化率は0.8%であった。
【0035】実施例2 実施例1において、乾燥粉100部と混合する炭素繊維
を8部としたほかは、実施例1と同様にして押出成型お
よび反応を行った。その結果、メタクロレイン反応率8
9.4%、メタクリル酸選択率88.0%であった。ま
た、落下粉化率は0.6%であった。
【0036】比較例1 実施例1において、乾燥粉100部に炭素繊維を混合し
ないほかは、実施例1と同様にして押出成型および反応
を行った。その結果、メタクロレイン反応率89.9
%、メタクリル酸選択率88.4%であった。また、落
下粉化率は9.8%であり、実施例1と比べて著しい機
械的強度の低下がみられた。
【0037】比較例2 実施例1において、乾燥粉100部と混合する炭素繊維
の添加量を15部としたほかは、実施例1と同様にして
押出成型を試みたが、乾燥粉と炭素繊維の混合状態が悪
く、成型できなかった。
【0038】比較例3 実施例1において、乾燥粉100部に対して平均直径が
5μm、平均長さが500μm、炭素含有率70%のポ
リアクリロニトリル系炭素繊維2部を添加混合したほか
は、実施例1と同様にして押出成型および反応を行った
ところ、メタクロレイン反応率89.5%、メタクリル
酸選択率88.5%であった。また、落下粉化率は9.
5%であった。さらに、熱処理後の触媒を実施例1と同
様に電子顕微鏡での観察を行ったところ、添加した炭素
繊維は存在していなかった。
【0039】実施例3 実施例1において、乾燥粉100部に対して平均直径が
7μm、平均長さが200μm、炭素含有率93%以上
のポリアクリロニトリル系炭素繊維2部および平均直径
が10μm、平均長さが200μmのガラスファイバー
2部を添加混合したほかは、実施例1と同様にして押出
成型および反応を行ったところ、メタクロレイン反応率
89.8%、メタクリル酸選択率88.1%であった。
また、落下粉化率は0.4%と非常に良好であった。
【0040】比較例4 実施例3において、乾燥粉100部に炭素繊維を混合し
ないほかは、実施例3と同様にして押出成型および反応
を行った。その結果、メタクロレイン反応率89.9%
メタクリル酸選択率88.2%であった。落下粉化率は
2.1%であり、機械的強度の低下が見られた。
【0041】実施例4 三酸化モリブデン100部、五酸化バナジウム4.2
部、85%リン酸10.7部を純水800部と混合す
る。これを還流下で3時間撹拌した後、酸化銅0.5
部、酸化第一鉄0.9部、ホウ酸1.6部を加え、再び
還流下で2時間加熱撹拌しスラリ−とした。このスラリ
ーを50℃まで冷却し、二酸化ゲルマニウム1.2部を
20%水酸化セシウム水溶液43.4部に溶解したもの
を加え、混合液を100℃に加熱撹拌しながら蒸発乾固
した。
【0042】得られた乾燥粉100部に対して平均直径
が10μm、平均長さが1000μm、炭素含有率95
%以上のピッチ系炭素繊維0.5部を添加混合した。こ
の炭素繊維含有物に水17部を混合し、押出成型機によ
り外径6mm、内径3mm、平均長さ4mmのリング状
に成型した。この押出成型物を130℃で6時間乾燥
し、次いで空気流通下に380℃で5時間熱処理し、押
出成型触媒を得た。得られた触媒の組成はP1.6 Mo12
0.8Ge0.20.4 Cu0.1 Fe0.2 Cs1 であっ
た。
【0043】この触媒を用い、反応温度を275℃とし
たほかは実施例1と同一条件で反応を行ったところ、メ
タクロレイン反応率90.7%、メタクリル酸選択率8
7.6%であった。また、落下粉化率は1.1%であっ
た。さらに、実施例1と同様に電子顕微鏡での観察を行
ったところ、炭素繊維の存在が確認された。
【0044】比較例5 実施例4において、乾燥粉100部と混合する炭素繊維
の平均直径が0.5μmのものを用いるほかは、実施例
4と同様にして押出成型および反応を行ったところ、メ
タクロレイン反応率91.5%、メタククリル酸選択率
88.0であった。また、落下粉化率は10.5%であ
った。
【0045】比較例6 実施例4において、乾燥粉100部と混合する炭素繊維
の平均長さが5μmのものを用いたほかは、実施例4と
同様にして押出成型および反応を行ったところ、メタク
ロレイン反応率91.8%、メタクリル酸選択率87.
4%であった。また、落下粉化率は12.3%であっ
た。
【0046】比較例7 実施例4において、乾燥粉100部と混合する炭素繊維
の平均長さが5000μmのものを用いたほかは、実施
例4と同様にして押出成型を試みたが、押出された触媒
の切断が困難であり、反応を行う成型物を得ることがで
きなかった。
【0047】実施例5 三酸化モリブデン100部、五酸化バナジウム3.2
部、五酸化アンチモン5.6部および85%リン酸1
0.0部を純水800部と混合する。これを還流下で3
時間加熱撹拌した後、酸化銅0.5部、酸化コバルト
0.9部および硝酸マンガン0.8部を加え、再び還流
下で2時間加熱撹拌した。このスラリーを50℃まで冷
却し、重炭酸セシウム11.2部を純水30部に溶解し
たものを加え15分間撹拌し、次に硝酸アンモニウム1
0部を純水30部に溶解したものを加え、15分間撹拌
した。
【0048】得られた触媒成分含有スラリーに、平均直
径が15μm、平均長さが36μm、炭素含有率97%
以上のポリアクリロニトリル系炭素繊維を触媒乾燥物重
量に対して10部となるように添加混合し、この炭素繊
維含有スラリーを100℃に加熱撹拌しながら蒸発乾固
した。得られた炭素繊維含有乾燥粉100部に対して、
エチルアルコール35部を添加混合し、押出成型機によ
り外径5mm、内径2mm、平均長さ3mmのリング状
に成型した。この押出成型物を130℃で6時間乾燥
し、次いで空気流通下に380℃で5時間熱処理し押出
成型触媒を得た。得られた触媒の組成はP1.5 Mo12
0.6 Cu0.1 Sb0.6 Co0.2 Mn0.05Cs1 であっ
た。この触媒を用い、反応温度を270℃としたほかは
実施例1と同一条件で反応を行ったところ、メタクロレ
イン反応率89.5%、メタクリル酸選択率88.8%
であった。また、落下粉化率は1.3%であった。
【0049】比較例8 実施例5において、触媒成分スラリーに炭素繊維を添加
混合しないほかは、実施例5と同様にして押出成型およ
び反応を行った。その結果、メタクロレイン反応率8
9.9%、メタクリル酸選択率88.9%であった。ま
た、落下粉化率は11.8%であり、実施例5と比べて
著しい機械的強度の低下が見られた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和アルデヒドを分子状酸素で気相接
    触酸化し、不飽和カルボン酸を合成するための少なくと
    もリン、モリブデン、バナジウムを成分として含むヘテ
    ロポリ酸系の触媒において、平均直径が1〜20μm、
    平均長さが10〜3000μm、炭素含有率93%以上
    の炭素繊維が、該触媒に対して0.05〜10重量%存
    在していることを特徴とする不飽和アルデヒドの気相接
    触酸化による不飽和カルボン酸合成用触媒。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の触媒を用いて、不飽和ア
    ルデヒドの気相接触酸化により不飽和カルボン酸を合成
    することを特徴とする不飽和カルボン酸の製造方法。
JP6068944A 1994-03-15 1994-03-15 不飽和カルボン酸合成用触媒及びそれを用いた不飽和カルボン酸の製造方法 Pending JPH07251075A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6068944A JPH07251075A (ja) 1994-03-15 1994-03-15 不飽和カルボン酸合成用触媒及びそれを用いた不飽和カルボン酸の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6068944A JPH07251075A (ja) 1994-03-15 1994-03-15 不飽和カルボン酸合成用触媒及びそれを用いた不飽和カルボン酸の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07251075A true JPH07251075A (ja) 1995-10-03

Family

ID=13388292

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6068944A Pending JPH07251075A (ja) 1994-03-15 1994-03-15 不飽和カルボン酸合成用触媒及びそれを用いた不飽和カルボン酸の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07251075A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6713076B1 (en) 1998-04-13 2004-03-30 Emory University Methods for removing a contaminant by a polyoxometalate-modified fabric or a polyoxometalate-modified cellulosic fiber and fabrics thereof
JP2006218434A (ja) * 2005-02-14 2006-08-24 Mitsubishi Rayon Co Ltd 成形体の再充填方法
WO2012073584A1 (ja) 2010-12-03 2012-06-07 株式会社日本触媒 不飽和カルボン酸製造用触媒および該触媒を用いる不飽和カルボン酸の製造方法
US20210078929A1 (en) * 2018-01-02 2021-03-18 Shanghai Huayi New Material Co., Ltd. (Meth)acrolein Oxidation Catalyst and Preparation Method Thereof

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6713076B1 (en) 1998-04-13 2004-03-30 Emory University Methods for removing a contaminant by a polyoxometalate-modified fabric or a polyoxometalate-modified cellulosic fiber and fabrics thereof
JP2006218434A (ja) * 2005-02-14 2006-08-24 Mitsubishi Rayon Co Ltd 成形体の再充填方法
WO2012073584A1 (ja) 2010-12-03 2012-06-07 株式会社日本触媒 不飽和カルボン酸製造用触媒および該触媒を用いる不飽和カルボン酸の製造方法
CN103228356A (zh) * 2010-12-03 2013-07-31 株式会社日本触媒 不饱和羧酸制备用催化剂及使用该催化剂的不饱和羧酸的制备方法
JP5628936B2 (ja) * 2010-12-03 2014-11-19 株式会社日本触媒 不飽和カルボン酸製造用触媒および該触媒を用いる不飽和カルボン酸の製造方法
US8940658B2 (en) 2010-12-03 2015-01-27 Nippon Shokubai Co., Ltd. Catalyst for producing unsaturated carboxylic acid and a process for producing unsaturated carboxylic acid using the catalyst
US20210078929A1 (en) * 2018-01-02 2021-03-18 Shanghai Huayi New Material Co., Ltd. (Meth)acrolein Oxidation Catalyst and Preparation Method Thereof
US11964937B2 (en) * 2018-01-02 2024-04-23 Shanghai Huayi New Material Co., Ltd. (Meth)acrolein oxidation catalyst and preparation method thereof

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100193030B1 (ko) 메타크롤레인 및 메타크릴산 제조용 촉매의 제조방법
JP4242597B2 (ja) 不飽和アルデヒド合成用触媒とその製造方法、およびその触媒を用いた不飽和アルデヒドの製造方法
US5550095A (en) Process for producing catalyst used for synthesis of methacrylic acid
JP2720215B2 (ja) メタクリル酸製造用触媒の調整法
JP3200149B2 (ja) メタクリル酸合成用触媒の製造法
JP3321300B2 (ja) モリブデン、ビスマス及び鉄含有酸化物触媒の製造法
JPH07251075A (ja) 不飽和カルボン酸合成用触媒及びそれを用いた不飽和カルボン酸の製造方法
JPH0810621A (ja) 不飽和カルボン酸製造用触媒の製造法
JP2814317B2 (ja) メタクリル酸製造用触媒の調製法
JP3268900B2 (ja) 不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸合成用触媒の製造法
US5420091A (en) Method of preparing catalyst used for producing methacrylic acids
JP3710944B2 (ja) メタクリル酸製造用触媒、その製造法、およびメタクリル酸の製造方法
JP2005058909A (ja) メタクリル酸合成用触媒の製造方法
JP3251642B2 (ja) 不飽和カルボン酸製造用触媒の調製法
JP3523455B2 (ja) 固定床反応器および不飽和カルボン酸の製造方法
JPH11226412A (ja) メタクリル酸製造用触媒の製造方法およびメタクリル酸の製造方法
JP3370589B2 (ja) メタクリル酸製造用触媒およびそれを用いたメタクリル酸の製造法
JP3792385B2 (ja) 不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法
JPH0538433A (ja) アクリル酸製造用触媒の製造法
JP3764805B2 (ja) メタクリル酸製造用触媒の調製法およびメタクリル酸の製造法
JP3859397B2 (ja) メタクロレインおよびメタクリル酸製造用触媒
JP4902991B2 (ja) 酸化物触媒の製造方法
JP3260174B2 (ja) 不飽和カルボン酸製造用触媒及びその使用
JP3251641B2 (ja) 不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸製造用触媒の製造法
EP1253132B1 (en) Process for producing (meth)acrylic acid