JPH07250911A - 放射線治療装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 放射線の照射を正確に行なう。 【構成】 集束された放射線を照射するガントリと、こ
のガントリからの放射線を受ける被検体を載置する被検
体載置台とを備え、この被検体載置台は、被検体を横臥
させる天板と、被検体の放射線照射部位を中心として該
天板を回転させる天板固定台車とからなり、かつ該天板
は天板固定台車に対してオーバハングされている放射線
治療装置において、被検体を横臥させた天板の天板固定
台車に対する傾斜を検知する検知手段と、前記天板を天
板固定台車に対する傾斜角度を微動変化させる駆動機構
と、前記検知手段からの出力から天板の傾斜による変位
を修正するように前記駆動機構を駆動させる制御手段と
を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、放射線治療装置に係
り、特に定位的放射線治療装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】定位的放射線治療装置は、放射線の細い
ビームを被検体の患部に定位的に一点に集中させて治療
する装置である。

【０００３】このような装置は、集束された放射線を照
射するガントリと、このガントリからの放射線を受ける
被検体を載置する被検体載置台とを備え、この被検体載
置台は、被検体を横臥させる天板と、被検体の放射線照
射部位を中心として該天板を回転させる天板固定台車と
からなり、かつ該天板は天板固定台車に対してオーバハ
ングされて構成されている。

【０００４】このように構成された放射線治療装置は、
ガントリにおける放射線照射口および天板固定台車を複
合的に移動させながら放射線を照射することによって、
被検体の患部のみに放射線を集中的に照射するようにし
ているものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに構成された放射線治療装置は、被検体の患部に対し
て放射線が極めて正確に照射されていないことが指摘さ
れるに到った。

【０００６】その理由を究明した結果、天板固定台車に
対して天板がオーバハングされた状態で固定されている
ことから、該天板に被検体を横臥させた場合に該被検体
の体重に比例して天板が天板固定台車に対して微小に傾
斜（たわみ）してしまうことが原因であることが判明し
た。

【０００７】この天板のたわみは許容誤差である±５ｍ
ｍ以下ではあるが、より精度の向上を図るためには、±
１ｍｍ以下であることが要望される。

【０００８】それ故、本発明はこのような事情に基づい
てなされたものであり、その目的とするところのもの
は、天板のたわみをなくして放射線の照射を正確に行な
うことのできる放射線治療装置を提供するにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、基本的には、集束された放射線を
照射するガントリと、このガントリからの放射線を受け
る被検体を載置する被検体載置台とを備え、この被検体
載置台は、被検体を横臥させる天板と、被検体の放射線
照射部位を中心として該天板を回転させる天板固定台車
とからなり、かつ該天板は天板固定台車に対してオーバ
ハングされている放射線治療装置において、被検体を横
臥させた天板の天板固定台車に対する傾斜を検知する検
知手段と、前記天板を天板固定台車に対する傾斜角度を
微動変化させる駆動機構と、前記検知手段からの出力か
ら天板の傾斜による変位を修正するように前記駆動機構
を駆動させる制御手段とを備えたことを特徴とするもの
である。

【００１０】

【作用】このような構成からなる放射線治療装置によれ
ば、被検体の横臥によってたわむ天板の傾斜角度を検知
手段によって検知し、その検知量に基づいて駆動機構を
動作させている。この駆動機構は天板固定台車に対する
傾斜角度を微動変化させるものであり、制御手段を介し
て該微動変化を天板の前記変位を修正するように行うこ
とにより、該天板は常時水平に保持できることになる。

【００１１】これにより、天板の傾斜にともなう被検体
の患部の位置づれを修正できることになることから、放
射線の照射を正確に行なうことができる。

【００１２】

【実施例】図２は、本発明による放射線治療装置の一実
施例を示す概略構成図である。

【００１３】同図において、支持台１に支持されたガン
トリ２がある。このガントリ２は支持台１に対し水平軸
を中心として図中矢印２０示すように回転できるように
なっている。

【００１４】ガントリ２には図示しない電子ビーム発生
源が内蔵されており、この電子ビーム発生源からの電子
ビームは、偏向マグネット５、真空窓６を介して、Ｘ線
ターゲット７に照射され、このＸ線ターゲット７からＸ
線を発生させるようになっている。

【００１５】Ｘ線ターゲット７からのＸ線は、円錐コリ
メータ１１、可動コリメータ１２、１３を介して、照射
ヘッド１０に取り付けられたコリメータ１９によって所
定のビーム径となってガントリ２の外部へ照射されるよ
うになっている。

【００１６】一方、ガントリ４の照射ヘッド１０の下方
には、被検体８を横臥させた天板９があり、この天板９
は天板固定台車４９に固定されている。

【００１７】天板固定台車４９は、床面に取り付けられ
た回転盤２５によって該回転盤２５を中心とする仮想の
円の回りに回転移動できるようになっている。

【００１８】このように、天板固定台車４９はガントリ
４の照射ヘッド１０を中心にして回転移動できるように
なっているため、これに固定される前記天板９は該照射
ヘッド１０側にオーバハングされた状態で配置され、こ
のオーバハングされた天板９上に被検体８が横臥される
ようになっている。これにより、ガントリ２の照射ヘッ
ド１０を被検体８の患部に対向させることができるよう
になる。

【００１９】そして、前記天板固定台車４９には、天板
９を図中矢印５３、５４の方向（上下方向）に移動させ
る駆動機構４８、および図中矢知５１、５２の方向（水
平方向）に移動させる駆動機構（図示せず）が備えられ
ている。

【００２０】これにより、ガントリ４と天板９とを複合
的に移動させながら照射ヘッド１０から放射線を照射す
ることによって、被検体８の患部のみに放射線を集中的
に照射できるようになっている。

【００２１】この場合、ガントリ４の回転軸の延長線と
照射ヘッド１０からの放射線３０との交点はアイソセン
タ３５と称され、このアイソセンタ３５に被検体８の患
部５８が常に一致づけられて、ガントリ４と天板９が複
合的に移動することになる。

【００２２】図１は、天板９に備えられた傾斜調整機構
の一実施例を示す構成図である。なお、この傾斜調整機
構は、前記天板９が天板固定台車４９に対して図中矢印
５１、５２、６３、６４方向に移動しても、該天板９と
ともに移動できるように構成されている。

【００２３】まず、天板９の下方にその天板６の長手方
向に沿って設けられた天板支持部材３６があり、この天
板支持部材３６の一端にはその他端が揺動できるように
天板との間で軸支されている。すなわち、天板支持部材
３９に設けられた固定板３７と天板９に設けられた軸受
部材３８とが軸体３９を介して軸結合されて構成されて
いる。

【００２４】天板支持部材３６の他端には、その部分に
軸受７０を介して貫通されたねじ５９があり、このねじ
５９は天板９に固定された連結部材５８に螺合されてい
る。ねじ５９はプーリ５９が取り付けられ、このプーリ
５９は、モータ４２に取り付けられたプーリ５５の回転
がベルト５７を介して伝達され、該ねじ５９とともに回
転されるようになっている。

【００２５】これにより、モータ４２の回転にともなっ
て、該ねじ５９が取り付けられている部分における天板
支持部材３６に対する天板９との間の離間距離を変化さ
せることができ、該天板９は前記軸体３９を中心として
微小揺動できることになる。

【００２６】一方、天板９の傾きを検知できる傾斜セン
サ４１があり、この傾斜センサ４１からの天板傾斜に対
応する信号は入力回路４５に入力されてディジタル化さ
れるようになっている。ディジタル化された信号はＣＰ
Ｕ回路４６に入力され、このＣＰＵ回路４６によって天
板９の傾きが認識され、その傾きを打ち消す信号を演算
し、その演算値に相当する信号を出力するようになって
いる。

【００２７】ＣＰＵ回路４６からの信号は出力回路４７
によってアナログ化され、駆動回路４８に入力され、該
駆動回路４８をその入力値に応じて前記モータ４２を駆
動させるようになっている。

【００２８】モータ４２は回転し、その回転はプーリ５
５、ベルト５７、ベルト５６を介してねじ５９を回転さ
せ、これによって天板９は軸体３９を中心にして微小揺
動し、この微小揺動は天板９の傾斜を打ち消す方向、す
なわち水平になる方向になされるようになっている。

【００２９】このように構成した放射線治療装置は、被
検体８の横臥によって図３に示すようにたわむ天板９の
傾斜角度αを傾斜センサ４１によって検知し、その検知
量に基づいてモータ４２を動作させている。このモータ
４２は天板固定台車４９に対する天板９の傾斜角度αを
微動変化させるものであり、ＣＰＵ回路４６を介して該
微動変化を天板９の前記変位を修正するように行うこと
により、該天板９は常時水平に保持できることになる。

【００３０】これにより、天板９の傾斜にともなう被検
体８の患部の位置づれを修正できることになることか
ら、放射線の照射を正確に行なうことができる。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明による放射線治療装置によれば、放射線の照射を
正確に行なうことができるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による放射線治療装置の一実施例を示す
要部構成図である。

【図２】本発明による放射線治療装置の一実施例を示す
全体構成図である。

【図３】本発明による放射線治療装置において被検体が
横臥された場合の天板の傾きを示した説明図である。

【符号の説明】

９ 天板 ４１ 傾斜角センサ ４２ モータ ４５ 入力回路 ４６ ＣＰＵ回路 ４７ 出力回路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 集束された放射線を照射するガントリ
   と、このガントリからの放射線を受ける被検体を載置す
   る被検体載置台とを備え、この被検体載置台は、被検体
   を横臥させる天板と、被検体の放射線照射部位を中心と
   して該天板を回転させる天板固定台車とからなり、かつ
   該天板は天板固定台車に対してオーバハングされている
   放射線治療装置において、 被検体を横臥させた天板の天板固定台車に対する傾斜を
   検知する検知手段と、前記天板を天板固定台車に対する
   傾斜角度を微動変化させる駆動機構と、前記検知手段か
   らの出力から天板の傾斜による変位を修正するように前
   記駆動機構を駆動させる制御手段とを備えたことを特徴
   とする放射線治療装置。