JP2526370B2 - 放射線治療装置 - Google Patents

放射線治療装置

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JP2526370B2
JP2526370B2 JP6043553A JP4355394A JP2526370B2 JP 2526370 B2 JP2526370 B2 JP 2526370B2 JP 6043553 A JP6043553 A JP 6043553A JP 4355394 A JP4355394 A JP 4355394A JP 2526370 B2 JP2526370 B2 JP 2526370B2
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孝行 長岡
孝明 古曳
尚樹 上田
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技術研究組合医療福祉機器研究所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放射線治療装置に係
り、特に、いわゆる定位的放射線治療装置に関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆる定位的放射線治療装置は、患者
の病巣部に対して種々の方向からビーム状の放射線を照
射して治療する装置である。
【0003】この装置では、その放射線は病巣部のみに
集中的に照射されることになり、その周囲の臓器等には
全く害にならない程度の照射に抑えることができる。
【0004】このように病巣部には集中的に放射線が照
射されることから、放射線の照射に対して該病巣部が正
確な位置に位置づけられるように患者を配置させる必要
が生じる。
【0005】このような放射線治療装置において、患者
は回転駆動されるガントリの回転支持軸の延長線とこの
ガンリトから照射される放射線との交点であるアイソセ
ンタにその病巣部を位置づけて配置されるようになって
いる。
【0006】これにより、ガントリを回転させることに
より、そのガントリから照射させる放射線は、アイソセ
ンタに位置づけられている病巣部に方向を変えて照射さ
れることになる。
【0007】さらに、病巣部に対する放射線の方向の変
化の範囲を広範にするため、患者を載置する載置台は、
前記アイソセンタを中心として水平面内で回転できるよ
うになっている。
【0008】このため、患者を直接横臥させる天板は、
アイソセンタを中心とする円の軌跡を描いて移動する載
置台からアイソセンタ側に延在するように配置され、載
置台に対していわゆる片持ち支持された状態になってい
る。
【0009】しかしながら、このように構成された放射
線治療装置において、上述のように、その載置台の天板
は、片持ち支持されていることから自由端を有し、この
自由端が患者の横臥によって重力方向に変位してしまう
という点が指摘されていた。
【0010】このため、たとえば患者の頭部に病巣部が
ある場合には、天板とは独立して設けられた頭部支持台
を設け、この頭部支持台によってアイソセンタに該病巣
部を正確に位置づけるとともに、該アイソセンタの位置
を精度よく固定するために放射線照射口の定位法用コリ
メータをも支持台によって支持するという構成のものが
知られるに到った(特公平2−503521号公報)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このように特
公平2−503521号公報に記載された放射線治療装
置は、天板および定位法用コリメータのそれぞれを支持
する支持台は床面に対して固定させたものであることか
ら、その支持台がガントリの回転に対して障害となり、
該ガントリの回転範囲を狭めるという問題点が残されて
いた。
【0012】また、天板は依然として患者の重力によっ
てたわんでしまい、たとえその頭部のみを頭部支持台に
よって固定しても天板のたわみによる患者の体の位置変
位が頭部にも影響されその病巣部のアイソセンタに対す
る位置づれが発生するという問題点が残されていた。
【0013】それ故、本発明はこのような事情に基づい
てなされたものであり、その目的とするところのものは
ガントリの回転範囲に規制が全く及ばない放射線治療装
置を提供することにある。
【0014】また、本発明の他の目的は病巣部のアイソ
センタに対する位置づれが発生しない放射線治療装置を
提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、次の手段によって構成されるよう
になっている。
【0016】手段1 放射線照射口を備えかつ回転駆動できるガントリと、こ
のガントリの回転支持軸の延長線と照射される放射線と
の交点であるアイソセンタに患者の治療部位を位置づけ
て該患者を載置する載置台とからなり、この載置台は前
記患者を直接横臥させる天板を片持ち支持させて備える
放射線治療装置において、前記ガントリの回転支持軸に
対して該ガントリの回転にも拘らず変位せずに固定さ
れ、かつ前記天板の自由端の重力方向への変位を規制す
る支持部材が備えられていることを特徴とするものであ
る。
【0017】手段2 放射線照射口を備えかつ回転駆動できるガントリと、こ
のガントリの回転支持軸の延長線と照射される放射線と
の交点であるアイソセンタに患者の治療部位を位置づけ
て該患者を載置する載置台とからなり、この載置台は前
記患者を直接横臥させる天板を片持ち支持させて備える
放射線治療装置において、前記ガントリに対して固定さ
れ前記天板の自由端の重力方向への変位を規制する支持
部材を備えてなり、この支持部材は、ガントリに固定さ
れる部材と天板を支持する部材とからなるともに、これ
ら各部材は前記ガントリの回転支持軸の延長線に設けら
れた回転軸を介して連結されていることを特徴とするも
のである。
【0018】
【作用】手段1の構成からなる放射線治療装置によれ
ば、支持部材は天板の自由端を支持する構成にしている
ことから、天板に対して固定される患者の病巣部はその
位置変位をおこすことなく、アイソセンタに位置づける
ことができるとともに該アイソセンタから位置づれを生
じさせることもなくなる。
【0019】また、天板を支持する支持部材はガントリ
の回転支持軸に対して固定され、しかもガントリの回転
にも拘らず変位しないように取り付けられていることか
ら、この支持部材によってガントリの回転が妨げられる
ようなことは全くなくなる。このため、従来のようにガ
ントリの回転範囲が一部規制されるようなことはなくな
る。
【0020】手段2の構成からなる放射線治療装置によ
っても上述した理由から患者の病巣部の位置変位をおこ
すようなことはなくなる。
【0021】そして、支持部材はガントリに固定されて
いることから、この支持部材がガントリの回転の障害に
なることはなくなる。この場合、ガントリの回転によっ
て支持部材のうち天板を支持する部分が協動してしまう
のを回避するため、ガントリとの固定部との間において
ガントリの回転支持軸の延長線に設けられた回転軸を介
して連結されたものとなっている。
【0022】
【実施例】以下、本発明による放射線治療装置の実施例
を図面を用いて説明する。
【0023】実施例1 図1に示すように、床面に固定された支持台3があり、
この支持台3にガントリ1が支持されている。このガン
トリ1は該支持台3に対して回転できるとともに、それ
に内蔵されている放射線発生源(図示せず)からの放射
線がビーム状となって照射ヘッド2から照射されるよう
になっている。
【0024】ガントリ1の回転にも拘らず、その支持台
3に対する回転軸の延長線上の一点に照射ヘッド2から
の放射線が常に通過できるようになっており、該一点は
いわゆるアイソセンタと称され被治療体(患者)の患部
が位置づけられる個所になっている。
【0025】一方、床面に回転盤21が埋め込まれ、そ
の中心軸は前記アイソセンタを通過する垂線に位置づけ
られている。
【0026】回転盤21には治療台基部5が固定され、
この治療台基部5は該回転盤21にガイドされて床面の
該回転盤21の中心軸を中心とした円上を移動できるよ
うになっている。この場合、治療台基板5は、その上面
に天板7がアイソセンタ側に延在されて配置されこの天
板7の該アイソセンタ側への指向方向を全く変化させる
ことなく移動できるようになっている。
【0027】この結果、天板7は、治療台基板5に対し
て片もち支持され、アイソセンタ側に自由端を有して構
成されたものとなっている。
【0028】天板7には被治療体4が載置され、上述し
たように、その患部は前記アイソセンタに位置づけられ
るようにして配置されている。
【0029】なお、被治療体4の頭部は、その患部の位
置づれが発生しないように、天板7に固定された固定装
置10によって固定されている。
【0030】このように構成されていることによって、
該ガントリ1の照射ヘッド2からの放射線はアイソセン
タに位置づけられた被治療体4の患部にのみに照射さ
れ、その照射方向はガントリ1の支持台3に対する回転
あるいは治療台基部5の床面に対する移動に応じて種々
変化できるようになっている。
【0031】そして、この実施例においては、特に、天
板の被治療体の載置によって生じる自由端の重力方向へ
の変位を規制する天板支持アーム15が備えられてい
る。
【0032】この天板支持アーム15は、ガントリ1の
支持台3に対する回転支持軸に対して支持され、かつこ
の支持はガントリ1の回転によっても全く影響されない
ものとなっている。換言すれば、該天板支持アーム15
はガントリ1の回転に拘らず床面に対して変位しないも
のとなっている。
【0033】この実施例では、回転支持軸にガントリ1
の回転中もそれ自体は回転しないで静止している支持ベ
ース13を備え、この支持ベースに前記天板支持アーム
15が取り付けられている。
【0034】天板支持アーム15は回転テーブル16を
介して天板7の自由端を床面側から支持するようになっ
ており、この回転テーブル16によって天板7は該天板
支持アーム15に対してアイソセンタを中心にして独立
に回転できるようになっている。
【0035】なお、この実施例では、天板支持アーム1
5によって天板7の重力側への変位を適当な状態で修正
できるように、該天板支持アーム15は支持ベース13
の間に設けられた高さ調整機構14によって高さ調整が
できるようになっている。
【0036】この高さ調整機構14はたとえば支持ベー
ス13に設けられたガイドレールに沿って天板支持アー
ム15が垂直移動でき、所定の位置にて固定できるよう
に構成されている。
【0037】さらに、この高さ調整機構14による天板
の高さ調整ができることにともない、天板に不要が応力
が発生するのを防止するため、該天板の長手方向の中途
部にたとえばゴムあるいはスプリング等からなる連結部
12が設けられている。
【0038】この連結部12は天板支持アームに対する
天板の回転をスムーズに行なわせることができる効果を
も奏する。
【0039】実施例2 図2において、図1と同符号のものは図1と同様の構成
となっている。図1と異なる構成は、天板支持アーム1
5がガントリ1に対して支持されていることにある。
【0040】すなわち、天板支持アーム15は、ガント
リ1の照射ヘッド2に隣接する個所にて固定された部材
に回転テーブル13を介して設けられている。回転テー
ブル13は、その中心軸がガントリ1の支持台3に対す
る回転支持軸の延長線に位置づけられて配置されてい
る。
【0041】この回転テーブル13によって、たとえガ
ントリ1が回転しても、天板7を支持する側の天板支持
アーム15は床面に対して変位しない状態に保持させる
ことできるようになる。
【0042】なお、本実施例においても実施例1と同様
に回転テーブル13の天板を支持する側において天板支
持アームの高さを調整する高さ調整機構14が設けられ
たものとなっている。
【0043】実施例3 図3は、本発明による放射線治療装置の他の実施例を示
す構成図である。
【0044】同図において、図1と同符号のものは同一
構成となっている。図1と異なる部分は、天板支持アー
ム15の取付け構造にあり、ガントリ1の支持台3に対
する回転支持されるシャフト18をガントリ1より天板
側に突出させている。このシャフト18はガントリ1の
回転にも拘らず回転しない状態で支持台3に固定された
ものとなっている。
【0045】そして、天板支持アーム15はその高さ調
整機構14を介して取り付けられている。
【0046】実施例4 図4は、本発明による放射線治療装置の他の実施例を示
す構成図である。
【0047】同図は、たとえば図2に示した構成にさら
に改良を加えたものであり、特に、照射ヘッド2に取り
付けられる定位法用コリメータ19を天板7の位置に応
じて精度良く位置決めできる機構を備えたものとなって
いる。
【0048】すなわち、天板支持アーム15のガントリ
1側に固定させた部分から支持アーム20を延在させ、
この延在部にて前記定位法用コリメータ19を支持させ
ている。
【0049】ここで、定位法用コリメータ19は図5に
示すコリメータカップリング22に挿入され、このコリ
メータカップリング22はその中心軸を自由に湾曲させ
ることができるようになっている。このため、コリメー
タカップリング22を直接に支持している前記支持アー
ム20を微動移動させることによって、定位法用コリメ
ータ19の指向方向を任意に変化させることができ、放
射線の照射方向を被治療体4の病巣部に的確に一致でき
るように調整することができるようになる。
【0050】なお、図5は前記コリメータカップリング
22の外観図であり、その表面にはそれ自体が湾曲でき
るように螺旋形の溝22Aが形成されている。
【0051】以上説明した放射線治療装置によれば、支
持部材は天板の自由端を支持する構成にしていることか
ら、天板に対して固定される患者の病巣部はその位置変
位をおこすことなく、アイソセンタに位置づけることが
できるとともに該アイソセンタから位置づれを生じさせ
ることもなくなる。
【0052】また、天板を支持する支持部材はガントリ
の回転支持軸に対して固定され、しかもガントリの回転
にも拘らず変位しないように取り付けられていることか
ら、この支持部材によってガントリの回転が妨げられる
ようなことは全くなくなる。このため、従来のようにガ
ントリの回転範囲が一部規制されるようなことはなくな
る。
【0053】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明による放射線治療装置によれば、ガントリの回転
範囲に規制が全く及ぶことなく、病巣部のアイソセンタ
に対する位置づれをなくすことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による放射線治療装置の一実施例を示す
構成図である。
【図2】本発明による放射線治療装置の他の実施例を示
す構成図である。
【図3】本発明による放射線治療装置の他の実施例を示
す構成図である。
【図4】本発明による放射線治療装置の他の実施例を示
す構成図である。
【図5】図4に示した放射線治療装置に用いられたコリ
メータカップリングの一実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ガントリ 4 被治療体 7 天板 15 天板支持アーム
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−348767(JP,A) 特開 昭62−8769(JP,A) 実開 昭54−30794(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線照射口を備えかつ回転駆動できる
    ガントリと、このガントリの回転支持軸の延長線と照射
    される放射線との交点であるアイソセンタに患者の治療
    部位を位置づけて該患者を載置する載置台とからなり、
    この載置台は前記患者を直接横臥させる天板を片持ち支
    持させて備える放射線治療装置において、 前記ガントリの回転支持軸に対して該ガントリの回転に
    も拘らず変位せずに固定され、かつ前記天板の自由端の
    重力方向への変位を規制する支持部材が備えられている
    ことを特徴とする放射線治療装置。
  2. 【請求項2】 放射線照射口を備えかつ回転駆動できる
    ガントリと、このガントリの回転支持軸の延長線と照射
    される放射線との交点であるアイソセンタに患者の治療
    部位を位置づけて該患者を載置する載置台とからなり、
    この載置台は前記患者を直接横臥させる天板を片持ち支
    持させて備える放射線治療装置において、 前記ガントリに対して固定され前記天板の自由端の重力
    方向への変位を規制する支持部材を備えてなり、この支
    持部材は、ガントリに固定される部材と天板を支持する
    部材とからなるともに、これら各部材は前記ガントリの
    回転支持軸の延長線に設けられた回転軸を介して連結さ
    れていることを特徴とする放射線治療装置。
JP6043553A 1994-03-15 1994-03-15 放射線治療装置 Expired - Fee Related JP2526370B2 (ja)

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JPH07250910A JPH07250910A (ja) 1995-10-03
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JPH07250910A (ja) 1995-10-03

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