JPH07249534A - フライバックトランスおよびその製造方法 - Google Patents

フライバックトランスおよびその製造方法

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JPH07249534A
JPH07249534A JP6042156A JP4215694A JPH07249534A JP H07249534 A JPH07249534 A JP H07249534A JP 6042156 A JP6042156 A JP 6042156A JP 4215694 A JP4215694 A JP 4215694A JP H07249534 A JPH07249534 A JP H07249534A
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JP
Japan
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weight
epoxy resin
fbt
parts
resin composition
Prior art date
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Pending
Application number
JP6042156A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Tajima
哲夫 田嶋
Ryoichi Sudo
亮一 須藤
Etsuo Tsurumi
悦男 鶴見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Hitachi Media Electronics Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Media Electronics Co Ltd
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Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Hitachi Media Electronics Co Ltd filed Critical Hitachi Ltd
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Publication of JPH07249534A publication Critical patent/JPH07249534A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明はFBTに関し、その目的は、特定の耐
熱性エポキシ樹脂組成物を用いて絶縁処理した絶縁耐圧
寿命に優れた高信頼性FBTを提供することにある。 【構成】エピクロルヒドリン・ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂と一般式(化10) 【化10】 で示される多価フェノール型エポキシ樹脂とのエポキシ
樹脂混合物と、臭素化エポキシ化合物からなるエポキシ
樹脂に、充填剤として三酸化アンチモン粉末、水和アル
ミナ粉末およびシリカ粉末を特定割合で配合し、さらに
メチルナジック酸無水物(硬化剤)と硬化促進剤を加えて
エポキシ樹脂組成物を得、これを用いてFBTを絶縁処
理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性の優れた注型用
エポキシ樹脂組成物を用いて絶縁処理することにより得
られたFBTおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にテレビ受像機やディスプレイに用
いられるFBTは、図1に示すように、プラスチック製
ボビン1に分割巻きした1次コイル2、プラスチック製
ボビン3に積層巻きした2次コイル4、1個以上の高圧
ダイオード5、高圧抵抗からなるフォーカスブロック6
(但し、高圧コンデンサーを含む場合もある)などを注型
樹脂組成物7で絶縁処理してケース8内に収納した構造
からなる。
【0003】上記のように、FBTは熱膨張係数の異な
る構成部品からなるため、その注型樹脂硬化物はヒート
サイクルに対し、クラックおよび剥離を生じないことが
重要であり、かつ電気特性、耐熱性、難燃性および耐湿
性等の諸特性が必要であり、一方、絶縁の点から、液状
物である注型樹脂組成物はコイル間へ充分含浸する必要
がある。
【0004】したがって、上記諸特性のバランスのとれ
たエポキシ樹脂組成物が、一般に、FBT用注型樹脂組
成物として使用されている。
【0005】近年、高電圧部品であるFBTは、小型
化、高性能化が進み、そのために使用時における温度上
昇が約10℃程度高くなるので、絶縁耐圧寿命の観点か
ら、これに用いるエポキシ樹脂硬化物の耐熱性を従来品
よりも10℃以上向上させることが必要となり、かつ耐
ヒートサイクル性にも優れることが必須条件となった。
【0006】一方、エポキシ樹脂を用いたFBTの製造
法に関して、従来から、性能向上が次々と行なわれてき
たが、特定粒径水和アルミナ配合エポキシ樹脂組成物で
絶縁処理することによりコイル間への樹脂含浸性を向上
したFBTの製造方法(特開昭61−260613号公
報)、安定化赤リン難燃剤配合エポキシ樹脂組成物で絶
縁処理することにより電気特性を改良したFBTの製造
法(特開平1−150309号公報)などに見られるよう
に、多くは初期の性能向上しかはかられていなかった。
【0007】特に、エポキシ樹脂組成物の改良によるF
BTの絶縁耐圧寿命向上に関するものは、現在も報告さ
れていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記必須条件を満たす
FBTを製造するために、硬化前の液状物であるエポキ
シ樹脂組成物がコイル間へ充分含浸するとともに、エポ
キシ樹脂硬化物のガラス転移温度(Tg)は120℃以上
必要であり、得られたFBTの使用温度を現行(95℃
〜100℃)よりも10℃高くした時、FBTは絶縁耐
圧寿命が現行FBTと同程度以上まで長く、110℃/
2時間と−50℃/2時間のヒートサイクルを50サイ
クル以上行なっても、コイルの絶縁に用いたエポキシ樹
脂硬化物にクラックの発生がなく、かつ部品との剥離が
起こらず、FBTとしての性能を充分に満足することが
課題であった。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、特定のエポキ
シ樹脂組成物を用いてFBTを絶縁処理することによっ
て、上記課題を満たすFBTが得られ、本発明に到達し
た。
【0010】すなわち、本発明は、一般式(化3)
【0011】
【化3】
【0012】で示されるエピクロルヒドリン・ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂20〜95重量%と一般式(化4)
【0013】
【化4】
【0014】で示される多価フェノール型エポキシ樹脂
5〜80重量%とのエポキシ樹脂混合物65〜82重量部と、
臭素化フェニルモノグリシジルエーテルと臭素化クレジ
ルモノグリシジルエーテルとの混合物18〜35重量部との
合計100重量部(エポキシ化合物)に対し、三酸化アンチ
モン粉末5〜30重量部、水和アルミナ粉末40〜100重量
部、シリカ粉末30〜100重量部と、メチルナジック酸無
水物(脂環式酸無水物硬化剤)と硬化促進剤とからなるエ
ポキシ樹脂組成物を用いて絶縁処理することを特徴とす
るFBTおよびその製造方法に関する(但し、上記式中
1=0〜2、エポキシ当量=185〜195、n2=0
〜2、有機基R1、R2、R3、R4=Cm2m+1、m=0
〜10)。
【0015】一般式(化5)
【0016】
【化5】
【0017】で示される多価フェノール型エポキシ樹脂
は、樹脂硬化物の耐熱性を向上させる成分であり、これ
を配合したエポキシ樹脂組成物を用いて絶縁処理するこ
とにより、高性能なFBTを製造できる(但し、上記式
中、n2=0〜2、有機基R1、R2、R3、R4=Cm
2m+1、m=0〜10)。
【0018】特に、樹脂硬化物の耐熱性を向上させるた
めに、上記のエポキシ樹脂混合物には、上記の多価フェ
ノール型エポキシ樹脂5重量%以上含有する必要があ
り、また、樹脂硬化物の耐ヒートサイクル性を充分満足
させるために、上記の多価フェノール型エポキシ樹脂含
有量を80重量%以下にする必要がある。
【0019】すなわち、上記エポキシ樹脂混合物中に上
記の多価フェノール型エポキシ樹脂が5〜80重量%含有
する時に、一層樹脂硬化物の耐熱性を向上し、耐ヒート
サイクル性を充分満足でき、FBTの性能が一層良くな
る。本発明に用いる上記エポキシ樹脂混合物の配合量は
65〜82重量部が良く、65重量部より少ないと樹脂硬化物
の耐ヒートサイクル性が低下し、82重量部より多いと樹
脂組成物の粘度が高くなりコイル含浸性が低下し電気特
性が不十分となり、FBTの性能を満足しない。
【0020】上記臭素化フェニルモノグリシジルエーテ
ルと臭素化クレジルモノグリシジルエーテルとの混合物
の配合量は18〜35重量部が良く、18重量部より少ないと
樹脂組成物の粘度が高くなりコイル含浸性が低下し、電
気特性が不十分となるだけでなく、樹脂硬化物の難燃性
が不十分で、35重量部より多いと樹脂硬化物の耐ヒート
サイクル性が低下し、FBTの性能を満足しない。
【0021】上記三酸化アンチモン粉末の配合量は、上
記エポキシ化合物の合計100重量部に対し、5〜30重量部
が良く、5重量部より少ないと樹脂硬化物の難燃性が不
十分で、30重量部より多いと樹脂組成物の粘度が高くな
りコイル含浸性が低下し、電気特性が不十分となり、F
BTの性能を満足しない。
【0022】上記水和アルミナ粉末の配合量は、上記エ
ポキシ化合物の合計100重量部に対し、40〜100重量部が
良く、40重量部より少ないと樹脂硬化物の難燃性が不十
分で、100重量部より多いと樹脂組成物の粘度が高くな
りコイル含浸性が低下し、電気特性が不十分となり、F
BTの性能を満足しない。
【0023】上記シリカ粉末の配合量は、上記エポキシ
化合物の合計100重量部に対し、30〜100重量部が良く、
30重量部より少ないと樹脂組成物の硬化時における熱伝
導性が低下し樹脂硬化物の耐ヒートサイクル性が不十分
となり、100重量部より多いと、樹脂組成物の粘度が高
くなりコイル含浸性が低下し、電気特性が不十分とな
り、FBTの性能を満足しない。
【0024】上記メチルナジック酸無水物(脂環式酸無
水物硬化剤)は、樹脂組成物を化学反応させて樹脂硬化
物に変えFBTの性能を発揮させるために必須の成分で
あるとともに、耐熱性樹脂硬化物を与える成分である。
【0025】また、硬化促進剤は、上記化学反応を促進
するために必要な成分である。
【0026】上記エポキシ樹脂組成物において、上記メ
チルナジック酸無水物の配合量は特に限定するものでは
ないが、樹脂組成物の硬化性を一層向上するには、上記
エポキシ化合物1エポキシ当量あたり酸無水物0.7当
量以上の割合が特に良く、また、樹脂硬化物の耐湿性を
一層向上するには、上記エポキシ化合物1エポキシ当量
あたり酸無水物1.2当量以下の割合が特に良い。
【0027】すなわち、上記エポキシ樹脂組成物におい
て、上記メチルナジック酸無水物の配合量は特に限定す
るものではないが、上記エポキシ化合物1エポキシ当量
あたりメチルナジック酸無水物0.7〜1.2当量の割合
の時に、一層耐熱性が向上するとともに電気特性が向上
し、FBTの性能が一層良くなる。
【0028】上記硬化促進剤は特に限定するものではな
いが、特に、樹脂組成物の可使時間が長く、硬化反応が
速く、樹脂硬化物の耐熱性を一層向上するには、2−エ
チル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2
−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール系
化合物が有効である。
【0029】上記硬化促進剤の配合量は特に限定するも
のではないが、特に、硬化反応の促進とFBTの一層の
性能向上のためには、上記エポキシ化合物の合計100重
量部に対し、上記イミダゾール系硬化促進剤の配合量は
0.1重量部以上が良く、また10重量部より多くても効果
は変わらない。
【0030】すなわち、上記エポキシ化合物の合計100
重量部に対し、上記イミダゾール系硬化促進剤を0.1〜1
0重量部配合する時に、樹脂組成物の可使時間が長く、
硬化反応が速く、樹脂硬化物の耐熱性を一層向上でき、
FBTの性能が一層向上する。
【0031】上記シランカップリング剤は樹脂組成物に
配合しなくても良いが、特に、エポキシ樹脂、無機充填
剤(水和アルミナ、三酸化アンチモン、シリカなど)およ
びFBT構成部品(ボビン、コイル、ダイオードなど)と
の接着を一層促進させるためには、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するシラ
ンカップリング剤を配合することにより有効である。
【0032】接着促進効果をあげるためには、上記シラ
ンカップリング剤の配合量は、上記エポキシ化合物の合
計100重量部に対し、0.1重量部以上が良く、また10重量
部より多くても効果は変わらない。
【0033】すなわち、上記エポキシ化合物の合計100
重量部に対し、上記シランカップリング剤0.1〜10重量
部配合する時に、エポキシ樹脂、無機充填剤およびFB
T構成部品との接着を一層促進し、FBTの性能が一層
向上する。
【0034】
【作用】本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、耐熱性樹
脂硬化物を与える特定の多価フェノール型エポキシ樹脂
と特定の脂環式酸無水物硬化剤(メチルナジック酸無水
物)を配合した組成物である。
【0035】上記注型用エポキシ樹脂組成物を用いてF
BTを絶縁処理することにより、樹脂硬化物のガラス転
移温度(Tg)が120℃以上であり、得られたFBTの
使用温度を現行(95℃〜100℃)よりも10℃高くし
た時、FBTは絶縁耐圧寿命が現行FBTと同程度以上
まで長く、他の特性(耐ヒートサイクル性、含浸性等の
諸特性)も充分満足し、高性能である。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0037】実施例および比較例においては、上記の式
(化1および化2)で示されるエポキシ樹脂組成物の2成
分をそれぞれ略称で示した。
【0038】略称の意味は次のとおりである。
【0039】イ.一般式(化6)
【0040】
【化6】
【0041】で示されるエピクロルヒドリン・ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂として、次の化合物を用いた。
【0042】略称EPX(エポキシ当量190) ロ.一般式(化7)
【0043】
【化7】
【0044】で示される多価フェノール型エポキシ樹脂
として次の2種類の化合物を用いた。
【0045】略称MPDGE(化3、エポキシ当量14
1)
【0046】
【化8】
【0047】略称PDGE(化9、エポキシ当量119)
【0048】
【化9】
【0049】その他、次の成分も略称で示した。
【0050】ハ.臭素化フェニルモノグリシジルエーテ
ルと臭素化クレジルモノグリシジルエーテルとの混合物
として、ジブロモフェニルモノグリシジルエーテルとジ
ブロモクレジルモノグリシジルエーテルとの混合物を主
成分としたマナック社製市販品のEB−200Bを用い
た。
【0051】略称EB−200B(臭素含有量51%、
エポキシ当量326) ニ.メチルナジック酸無水物:略称MNA ホ.メチルテトラヒドロ無水フタル酸:略称Me−TH
PA ヘ.硬化促進剤の1−シアノエチル−2−エチル−4−
メチルイミダゾール:略称2E4MZ−CN(四国化成
工業社製市販品) ト.シランカップリング剤のγ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン:略称KBM403(信越化学工業
社製市販品) また、用いた無機充填剤の平均粒子径は次のとおりであ
る。
【0052】 三酸化アンチモン粉末:0.5μm 水和アルミナ粉末 :8μm シリカ粉末 :13.4μm FBTは、液状のエポキシ樹脂組成物を1.3〜2.6
kPaで真空注入後に、100℃/3時間+135℃/
3時間の硬化条件にて硬化させ、絶縁処理品として製造
した。
【0053】エポキシ樹脂硬化物および樹脂硬化により
絶縁処理したFBTの特性評価を次のように行なった。
【0054】(1)樹脂硬化物のガラス転移温度Tg(℃)
は示差走査熱量計(DSC)によって測定した。
【0055】120℃以上のTgを有する樹脂硬化物は良
好であり、120℃未満のTgを有するものは不良であ
る。
【0056】(2)FBTの耐ヒートサイクル性は、絶縁
処理後の初期動作特性が良好なFBTについて110℃
/2時間と−50℃/2時間のヒートサイクルを60サ
イクル行なった後、FBTの動作特性を検討し、実用性
の合否を判定する。
【0057】(3)FBTの含浸性は、絶縁処理後のFB
Tを切断、研磨し、顕微鏡観察(約80倍)で内部のボイ
ドの有無を確認した。ボイド無しを良好、ボイド有りを
不良とした。
【0058】(4)樹脂硬化物の難燃性はUL規格に準
じ、大きさが127mm×12.7mm×1.6mmの試験片を用いて、
評価した。
【0059】絶縁処理したFBTの難燃性は、電気用品
取締法に準じ評価した。
【0060】樹脂硬化物の難燃性がUL94V−0に相
当、かつFBTの難燃性が電気用品取締法合格相当の時
に「○」、それ以外の時には「×」とした。
【0061】(5)樹脂硬化物の耐湿性は、その試験片を
60℃、95%RHの雰囲気に1000時間放置し、JIS K
6911に準じて25℃、10kHzで比誘電率、誘電正接
および吸水率を求めた。
【0062】比誘電率が4.5以下、誘電正接が2.5%以
下、かつ、吸水率が1%以下の時に、樹脂硬化物の耐湿
性が良好で「○」、それ以外の時には不良で「×」とし
た。
【0063】(6)樹脂硬化物の接着性は、ボビン、ケー
ス材の一つであるポリブチレンテレフタレート(PBT)
を選び、大きさ12mm×12mm×3mmの板(PBT板)を接着
面積1ccm2のアルミニウム棒同志の間にはさみ、アルミ
ニウム棒とPBT板との間の接着層約50μmに液状のエ
ポキシ樹脂組成物を付着、上記条件で加熱硬化して接着
試料とし、25℃でアルミニウム棒同志の引張り試験によ
り求めた。
【0064】引張り試験後に破断面を観察し、いずれの
試料も樹脂硬化物とPBT板との間が剥離することを確
かめた。
【0065】(7)ツイスト線の耐電圧保持率は、耐熱ウ
レタン樹脂被覆銅線(線径φ0.45mm、皮膜厚15μm)のツ
イストペアを、エポキシ樹脂組成物中に埋込み、上記条
件で硬化(電圧印加部分のみを空気中に開放)した試料を
作製し、150℃/30dayの期間放置し、初期耐電圧の保持
率として求めた。
【0066】さらに、後述するが、1.5kVACで絶
縁破壊する温度と時間との関係を求める時にも、上記の
ように作製したツイストペア試料を用いた。
【0067】表1〜表5に実施例、表6〜表9に比較例
をそれぞれ示した。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】
【0073】
【表6】
【0074】
【表7】
【0075】
【表8】
【0076】
【表9】
【0077】実施例の樹脂組成No.のものについて組成
の特徴を以下に示す。
【0078】1.実施例組成No.1〜No.3はエポキシ
化合物EPXとMPDGEの混合割合を変えたもの。
【0079】2.実施例組成No.4〜No.6はエポキシ
化合物EPXとPDGEの混合割合を変えたもの。
【0080】3.実施例組成No.7〜No.12はエポキ
シ化合物中におけるEB−200Bの配合割合を変えた
もの。
【0081】4.実施例組成No.13〜No.16は三種
の充填剤の配合割合を変えたもの(最小量と最大量)。
【0082】5.実施例組成No.17〜No.20はエポ
キシ化合物と酸無水物硬化剤の配合割合(当量比)を変え
たもの。
【0083】6.実施例組成No.21〜No.24は促進
剤2E4MZ−CNの配合割合を変えたもの。
【0084】7.実施例組成No.25〜No.28はシラ
ンカップリング剤KBM403の配合割合を変えたも
の。
【0085】次に、比較例の樹脂組成No.のものについ
て組成の特徴を以下に示す。
【0086】8.比較例組成No.1およびNo.2はエポ
キシ化合物EPXとMPDGEの混合割合が本発明範囲
からはずれるもの。
【0087】9.比較例組成No.3およびNo.4はエポ
キシ化合物EPXとPDGEの混合割合が本発明範囲か
らはずれるもの。
【0088】10.比較例組成No.5〜No.8はエポキ
シ化合物中におけるEP−200Bの配合割合が本発明
範囲からはずれるもの。
【0089】11.比較例組成No.9〜No.16は三種
の充填剤のいずれかの配合割合が本発明範囲からはずれ
るもの。
【0090】12.比較例組成No.17〜No.19は、
エポキシ化合物がMPDGEおよびPDGEを含まず、
さらに、酸無水物硬化剤がMe−THPAであり、本発
明とは異なる組成で、KBM403と2E4MZ−CN
の配合割合も変えたもの。
【0091】以上の樹脂組成の特徴(1〜12)に着目し
て、表1〜表5の実施例の樹脂組成と特性および表6〜
表9の比較例の樹脂組成と特性を比較すると、明らか
に、実施例樹脂組成No.1〜No.28のものは、F
BT用注型樹脂組成物に必要な特性をいずれも満たして
おり、一方、比較例樹脂組成No.1〜No.19のも
のは、FBT用注型樹脂組成物に必要な特性をバランス
良く満たすことが出来ないことがわかる。
【0092】次いで、上記エポキシ樹脂組成物につい
て、エポキシ樹脂埋込みツイストペア(耐熱ウレタン樹
脂被覆銅線)を作り、温度を変えて1.5kVACで絶縁
破壊する時間(耐圧寿命)を求めた。
【0093】耐圧寿命の最も低い実施例組成No.7お
よび耐圧寿命の最も高い比較例組成No.1(Tgと耐電
圧保持率以外の上記特性が実施例組成物と同等以上)を
用いたエポキシ樹脂埋込みツイストペアの耐圧寿命を一
例として図2に示す。
【0094】FBTの現行最高温度100℃の時の寿命
時間は、比較例組成No.1の直線との交点であり、そ
の寿命時間を示す時の実施例組成No.7の寿命温度
は、前記交点を通る温度軸に平行な直線と実施例組成N
o.7の直線との交点から温度軸に垂線を引いて求め
る。
【0095】図2から、本発明の樹脂組成物を用いたツ
イストペアの耐圧寿命温度は現行最高温度100℃より
も10℃以上向上することが明らかである。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
特定の耐熱性エポキシ樹脂組成物で絶縁処理してFBT
を製造することにより、得られたFBTは耐電圧特性、
誘電特性などの動作特性および難燃性等に優れるのみな
らず、FBTの使用温度を現行より10℃以上向上で
き、絶縁耐圧寿命を改善できるので、FBTの信頼性が
向上する。
【0097】したがって、本発明によるFBTは一層高
性能化が進み、テレビ受像機やディスプレイの高性能、
多機能化に対応可能であり、工業的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるFBTの概略断面図である。
【図2】本発明にかかるエポキシ樹脂埋込みツイストペ
アの耐圧寿命を示す図である。
【符号の説明】
1…1次ボビン、 2…1次コイル、 3…2次ボビン、 4…2次コイル、 5…高圧ダイオード、 6…フォーカスブロック(高圧抵抗を含む)、 7…注型樹脂組成物、 8…ケース。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鶴見 悦男 岩手県水沢市真城字北野1番地株式会社日 立水沢エレクトロニクス内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(化1) 【化1】 で示されるエピクロルヒドリン・ビスフェノールA型エ
    ポキシ樹脂20〜95重量%と一般式(化2) 【化2】 で示される多価フェノール型エポキシ樹脂5〜80重量%
    とのエポキシ樹脂混合物65〜82重量部と、臭素化フェニ
    ルモノグリシジルエーテルと臭素化クレジルモノグリシ
    ジルエーテルとの混合物18〜35重量部との合計100重量
    部(エポキシ化合物)に対し、三酸化アンチモン粉末5〜3
    0重量部、水和アルミナ粉末40〜100重量部、シリカ粉末
    30〜100重量部と、メチルナジック酸無水物(脂環式酸無
    水物硬化剤)と硬化促進剤とからなるエポキシ樹脂組成
    物を用いて絶縁処理することを特徴とするフライバック
    トランス(以下、FBTと略記する)およびその製造方法
    (但し、上記式中n1=0〜2、エポキシ当量=185〜
    195、n2=0〜2、有機基R1、R2、R3、R4=Cm
    2m+1、m=0〜10)。
  2. 【請求項2】上記エポキシ化合物1エポキシ当量に対
    し、0.7〜1.2酸無水物当量の上記メチルナジック酸
    無水物を配合したエポキシ樹脂組成物を用いて絶縁処理
    することを特徴とするFBTおよびその製造方法。
  3. 【請求項3】上記硬化促進剤が、2−エチル−4−メチ
    ルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−
    メチルイミダゾール等のイミダゾール系化合物であり、
    上記エポキシ化合物の合計100重量部に対し、0.1〜10重
    量部配合したエポキシ樹脂組成物を用いて絶縁処理する
    ことを特徴とするFBTおよびその製造方法。
  4. 【請求項4】γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
    ラン等のエポキシ基を有するシランカップリング剤を、
    上記エポキシ化合物の合計100重量部に対し、0.1〜10重
    量部配合したエポキシ樹脂組成物を用いて絶縁処理する
    ことを特徴とするFBTおよびその製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110746741A (zh) * 2019-09-30 2020-02-04 北京石墨烯技术研究院有限公司 树脂复合材料及其制备方法、用途

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