JPH07249415A - 空気亜鉛電池用触媒層の製造法 - Google Patents
空気亜鉛電池用触媒層の製造法Info
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- JPH07249415A JPH07249415A JP6039741A JP3974194A JPH07249415A JP H07249415 A JPH07249415 A JP H07249415A JP 6039741 A JP6039741 A JP 6039741A JP 3974194 A JP3974194 A JP 3974194A JP H07249415 A JPH07249415 A JP H07249415A
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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- Y02E60/50—Fuel cells
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- Hybrid Cells (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 PTFE樹脂の繊維化を十分に促進させ、P
TFE樹脂の微細繊維による触媒層構成粒子間の結合力
を向上させて機械的強度に優れるとともに、気−液−固
相の三相界面を良好に保って放電特性に優れた空気亜鉛
電池用触媒層を提供する。 【構成】 炭素系粉末、無機金属酸化物およびポリテト
ラフルオロエチレン樹脂の各粉末を混練した後、これを
乾燥し粒度範囲が300〜1200μmとなるように粉
砕する工程と、この粉砕物に液状潤滑剤を加えて混練す
る工程と、この混練物を30〜50℃で3〜20時間保
存する工程と、保存後の混練物を表面温度が30〜60
℃のローラーで圧延する工程とからなるものである。
TFE樹脂の微細繊維による触媒層構成粒子間の結合力
を向上させて機械的強度に優れるとともに、気−液−固
相の三相界面を良好に保って放電特性に優れた空気亜鉛
電池用触媒層を提供する。 【構成】 炭素系粉末、無機金属酸化物およびポリテト
ラフルオロエチレン樹脂の各粉末を混練した後、これを
乾燥し粒度範囲が300〜1200μmとなるように粉
砕する工程と、この粉砕物に液状潤滑剤を加えて混練す
る工程と、この混練物を30〜50℃で3〜20時間保
存する工程と、保存後の混練物を表面温度が30〜60
℃のローラーで圧延する工程とからなるものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気亜鉛電池の、とく
にその正極に用いる触媒層の製造法に関するものであ
る。
にその正極に用いる触媒層の製造法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、燃料電池では触媒物質を含有した
導電性物質粉末とポリテトラフルオロエチレン(以下P
TFEとする)樹脂とからなる触媒層が電極として用い
られており、この電極は前記導電性物質とPTFE樹脂
を混合した混合物にアルコール類やグリコール類等の液
状潤滑剤を添加して混練し、これをシート状に成型した
後、シートを加熱してシート中の液状潤滑剤を揮発除去
することにより作製している。
導電性物質粉末とポリテトラフルオロエチレン(以下P
TFEとする)樹脂とからなる触媒層が電極として用い
られており、この電極は前記導電性物質とPTFE樹脂
を混合した混合物にアルコール類やグリコール類等の液
状潤滑剤を添加して混練し、これをシート状に成型した
後、シートを加熱してシート中の液状潤滑剤を揮発除去
することにより作製している。
【0003】また、特開昭63−187574号公報に
はPTFE樹脂と触媒を含有する触媒層と、PTFE樹
脂と無機粉末を含有する層が一体に形成されたものや、
特開平2−177264号公報にはPTFE樹脂と炭素
粉末とからなる層と、PTFE樹脂と非炭素系粉末とか
らなる層が一体に形成されたものが提案されている。
はPTFE樹脂と触媒を含有する触媒層と、PTFE樹
脂と無機粉末を含有する層が一体に形成されたものや、
特開平2−177264号公報にはPTFE樹脂と炭素
粉末とからなる層と、PTFE樹脂と非炭素系粉末とか
らなる層が一体に形成されたものが提案されている。
【0004】ここで、撥水性のあるPTFE樹脂粉末は
触媒粉末や導電性粉末の結着剤として使用されており、
混練の際にPTFE樹脂は液状潤滑剤によって膨潤し、
さらに機械的せん断力により繊維化される。そして、こ
のPTFE樹脂の微細繊維によって、前記粉末が凝集し
てできた小塊状の混練粒子が三次元的に結合され、触媒
層の機械的強度を高めている。さらに、触媒層シートの
成型後にシートを加熱して液状潤滑剤を揮発除去するこ
とにより、混合した粉末間に微小細孔を多数生じさせ、
酸素ガス、電解液および触媒層とからなる気−液−固相
の三相界面を形成している。
触媒粉末や導電性粉末の結着剤として使用されており、
混練の際にPTFE樹脂は液状潤滑剤によって膨潤し、
さらに機械的せん断力により繊維化される。そして、こ
のPTFE樹脂の微細繊維によって、前記粉末が凝集し
てできた小塊状の混練粒子が三次元的に結合され、触媒
層の機械的強度を高めている。さらに、触媒層シートの
成型後にシートを加熱して液状潤滑剤を揮発除去するこ
とにより、混合した粉末間に微小細孔を多数生じさせ、
酸素ガス、電解液および触媒層とからなる気−液−固相
の三相界面を形成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、触媒層
を構成する粉末を液状潤滑剤とともに混練した際の機械
的せん断力だけでは、PTFE樹脂粉末の繊維化が進み
にくく、粉末間の結合力が低下していた。
を構成する粉末を液状潤滑剤とともに混練した際の機械
的せん断力だけでは、PTFE樹脂粉末の繊維化が進み
にくく、粉末間の結合力が低下していた。
【0006】また、混練時にできた小塊状の混練粒子の
大きさは大小様々にばらついており、これにともなって
PTFE樹脂の微細繊維の長さも長短様々にばらつくの
で、PTFE樹脂微細繊維どうしのからみ状態は弱くな
って前記粒子間の微細繊維による結合状態も弱くなって
いた。
大きさは大小様々にばらついており、これにともなって
PTFE樹脂の微細繊維の長さも長短様々にばらつくの
で、PTFE樹脂微細繊維どうしのからみ状態は弱くな
って前記粒子間の微細繊維による結合状態も弱くなって
いた。
【0007】さらに、前記小塊状の混練粒子の粒径のバ
ラツキが大きいと、ローラーでの圧延時に粒径の大きい
混練粒子に応力が過剰に加わるため、混練粒子中でのP
TFE樹脂の繊維化にムラが生じて結果として触媒層の
機械的強度が低下していた。一方、粒径の小さい混練粒
子ではこれに含まれるPTFE樹脂の微細繊維の長さも
短くなっているので、この繊維がローラーでの圧延時に
さらに短く圧縮切断されると、触媒層構成粒子のPTF
E樹脂微細繊維による結合数が減少して触媒層の強度が
低下していた。
ラツキが大きいと、ローラーでの圧延時に粒径の大きい
混練粒子に応力が過剰に加わるため、混練粒子中でのP
TFE樹脂の繊維化にムラが生じて結果として触媒層の
機械的強度が低下していた。一方、粒径の小さい混練粒
子ではこれに含まれるPTFE樹脂の微細繊維の長さも
短くなっているので、この繊維がローラーでの圧延時に
さらに短く圧縮切断されると、触媒層構成粒子のPTF
E樹脂微細繊維による結合数が減少して触媒層の強度が
低下していた。
【0008】本発明はこのような課題を解決するもので
あり、PTFE樹脂の微細繊維による触媒層構成粒子間
の結合力を向上させて機械的強度に優れるとともに、気
−液−固相の三相界面を良好に保って放電特性に優れた
空気亜鉛電池用触媒層を提供するものである。
あり、PTFE樹脂の微細繊維による触媒層構成粒子間
の結合力を向上させて機械的強度に優れるとともに、気
−液−固相の三相界面を良好に保って放電特性に優れた
空気亜鉛電池用触媒層を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の空気亜鉛電池用触媒層の製造法は、炭素
系粉末、無機金属酸化物およびポリテトラフルオロエチ
レン樹脂の各粉末を混合する工程と、この混合物にアル
コールを加えて混練し、粒径が2000〜10000μ
mの混練粒子を得る工程と、前記混練粒子を乾燥させ、
これを粒径300〜1200μmの粒子に粉砕する工程
と、この粉砕物に、アルコール、ソルベントナフサ、非
イオン系界面活性剤の群から選ばれる液状潤滑剤を加え
て混練する工程と、この混練物を30〜50℃の温度で
3〜20時間保存する工程と、保存後の混練物を、表面
温度が30〜60℃であるローラーで圧延しシート状に
成型する工程とからなるものである。
めに、本発明の空気亜鉛電池用触媒層の製造法は、炭素
系粉末、無機金属酸化物およびポリテトラフルオロエチ
レン樹脂の各粉末を混合する工程と、この混合物にアル
コールを加えて混練し、粒径が2000〜10000μ
mの混練粒子を得る工程と、前記混練粒子を乾燥させ、
これを粒径300〜1200μmの粒子に粉砕する工程
と、この粉砕物に、アルコール、ソルベントナフサ、非
イオン系界面活性剤の群から選ばれる液状潤滑剤を加え
て混練する工程と、この混練物を30〜50℃の温度で
3〜20時間保存する工程と、保存後の混練物を、表面
温度が30〜60℃であるローラーで圧延しシート状に
成型する工程とからなるものである。
【0010】
【作用】本発明では、炭素系粉末および無機金属酸化
物、PTFE樹脂の各粉末からなる触媒層構成粉末にア
ルコールを加えて混練(1次混練)し、粒径を2000
〜10000μmとした混練粒子を得た後、この混練粒
子を乾燥して粒径300〜1200μmに粉砕し、さら
に液状潤滑剤を加えてこれらを混練(2次混練)してい
る。粉砕によって混練粒子の粒径のバラツキは低減され
るので、2次混練時やローラー圧延時には各粒子に応力
が均一に加わり、これらの粒子中のPTFE樹脂粉末の
繊維化も均一に進む。そして、適当な長さに繊維化され
たPTFE樹脂微細繊維がからみ合うことによって、触
媒層構成粒子間が強く結合される。
物、PTFE樹脂の各粉末からなる触媒層構成粉末にア
ルコールを加えて混練(1次混練)し、粒径を2000
〜10000μmとした混練粒子を得た後、この混練粒
子を乾燥して粒径300〜1200μmに粉砕し、さら
に液状潤滑剤を加えてこれらを混練(2次混練)してい
る。粉砕によって混練粒子の粒径のバラツキは低減され
るので、2次混練時やローラー圧延時には各粒子に応力
が均一に加わり、これらの粒子中のPTFE樹脂粉末の
繊維化も均一に進む。そして、適当な長さに繊維化され
たPTFE樹脂微細繊維がからみ合うことによって、触
媒層構成粒子間が強く結合される。
【0011】また、前記乾燥粉砕後の混練粒子に、アル
コール、ソルベントナフサ、非イオン系界面活性剤の群
から選ばれる液状潤滑剤を加えて混練し、この混練物を
30〜50℃で3〜20時間保存するので、保存中に前
記液状潤滑剤がPTFE樹脂に十分に浸透し繊維化しや
すい状態になっている。
コール、ソルベントナフサ、非イオン系界面活性剤の群
から選ばれる液状潤滑剤を加えて混練し、この混練物を
30〜50℃で3〜20時間保存するので、保存中に前
記液状潤滑剤がPTFE樹脂に十分に浸透し繊維化しや
すい状態になっている。
【0012】さらに、ローラーでの圧延時にはローラー
を加熱して表面温度を30〜60℃にしており、この熱
によってPTFE樹脂粉末が軟化されるため、さらにP
TFE樹脂の繊維化が進行しやすくなる。
を加熱して表面温度を30〜60℃にしており、この熱
によってPTFE樹脂粉末が軟化されるため、さらにP
TFE樹脂の繊維化が進行しやすくなる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0014】本発明の空気亜鉛電池用触媒層を以下に示
す。まず、炭素系粉末46.5重量%、マンガン酸化物
粉末46.5重量%、PTFE樹脂粉末7重量%とを混
合し、この混合物にエタノールを加えて混練(1次混
練)して粒径5000μmの混練粒子からなる混練物を
得た。前記混合物とエタノールの比率は重量比で1:
1.5とした。
す。まず、炭素系粉末46.5重量%、マンガン酸化物
粉末46.5重量%、PTFE樹脂粉末7重量%とを混
合し、この混合物にエタノールを加えて混練(1次混
練)して粒径5000μmの混練粒子からなる混練物を
得た。前記混合物とエタノールの比率は重量比で1:
1.5とした。
【0015】そして、この混練物を110℃で24時間
乾燥した後、粉砕し混練粒子の粒径が1200〜300
μmの範囲になるようにした。
乾燥した後、粉砕し混練粒子の粒径が1200〜300
μmの範囲になるようにした。
【0016】さらに、これらの混練粒子にエタノールを
添加し、混練(2次混練)して正極合剤を得た。ここ
で、正極合剤中のエタノールの含有量は0,10,2
0,30,40,50,60重量%とし、混練時間は
0,5,10,20,30分とした。
添加し、混練(2次混練)して正極合剤を得た。ここ
で、正極合剤中のエタノールの含有量は0,10,2
0,30,40,50,60重量%とし、混練時間は
0,5,10,20,30分とした。
【0017】ついで、各正極合剤を表面温度が25℃の
2本ローラーで圧延し、厚み0.5mmの触媒層シートを
各10枚ずつ作製した後、各シートの引張強度および電
流特性を測定した。
2本ローラーで圧延し、厚み0.5mmの触媒層シートを
各10枚ずつ作製した後、各シートの引張強度および電
流特性を測定した。
【0018】ここで、電流特性の測定方法は、半電池試
験セルを用い、触媒層シートの片側をネット状の集電体
に一定圧力で圧着し、触媒層側を濃度40重量%のKO
H水溶液に浸し、集電体層側を空気にさらして、参照電
極にはHg/HgOを、対極には白金を用いて行った。
また、測定電流値は空気亜鉛電池の電池電圧で0.9V
に相当する電位である−200mVでの単位面積当たり
の電流値とした。
験セルを用い、触媒層シートの片側をネット状の集電体
に一定圧力で圧着し、触媒層側を濃度40重量%のKO
H水溶液に浸し、集電体層側を空気にさらして、参照電
極にはHg/HgOを、対極には白金を用いて行った。
また、測定電流値は空気亜鉛電池の電池電圧で0.9V
に相当する電位である−200mVでの単位面積当たり
の電流値とした。
【0019】この結果を(表1)および(表2)に示
す。
す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】(表1),(表2)に示したように、エタ
ノールの含有量を40〜50重量%、混練時間10〜2
0分をした場合、触媒層シートの引張強度およびシート
の電流特性を高めることができた。これは、混練粒子の
粒径のバラツキを粉砕によって低減したため、PTFE
樹脂粉末の機械的せん断力による繊維化が促進されてP
TFE樹脂微細繊維による触媒層構成粒子間の結合が向
上したためと考えられる。
ノールの含有量を40〜50重量%、混練時間10〜2
0分をした場合、触媒層シートの引張強度およびシート
の電流特性を高めることができた。これは、混練粒子の
粒径のバラツキを粉砕によって低減したため、PTFE
樹脂粉末の機械的せん断力による繊維化が促進されてP
TFE樹脂微細繊維による触媒層構成粒子間の結合が向
上したためと考えられる。
【0023】ついで、2次混練時のエタノールの含有量
を40重量%、混練時間を10分とした以外は上記と同
様の製造法により作製した正極合剤を、25,30,4
0,50,60,70℃のいずれかの温度で1,3,
5,10,20,30の各時間保存した。そして、各正
極合剤を上記と同様の方法により圧延し、触媒層シート
を各10枚ずつ得た後、これらについて上記と同様の方
法で引張強度および電流特性を測定した。
を40重量%、混練時間を10分とした以外は上記と同
様の製造法により作製した正極合剤を、25,30,4
0,50,60,70℃のいずれかの温度で1,3,
5,10,20,30の各時間保存した。そして、各正
極合剤を上記と同様の方法により圧延し、触媒層シート
を各10枚ずつ得た後、これらについて上記と同様の方
法で引張強度および電流特性を測定した。
【0024】この結果を(表3)および(表4)に示
す。
す。
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】(表3),(表4)に示したように保存温
度を30〜50℃とし、保存時間を3〜20時間とした
場合、保存中にPTFE樹脂粉末にエタノールが十分に
浸透するため、PTFE樹脂粉末が繊維化されやすくな
りローラーでの圧延時に繊維化が促進されて、触媒層シ
ートの引張強度および電流特性が向上した。
度を30〜50℃とし、保存時間を3〜20時間とした
場合、保存中にPTFE樹脂粉末にエタノールが十分に
浸透するため、PTFE樹脂粉末が繊維化されやすくな
りローラーでの圧延時に繊維化が促進されて、触媒層シ
ートの引張強度および電流特性が向上した。
【0028】一方、保存温度が60℃以上または保存時
間が30時間以上になると、保存中にエタノールがPT
FE樹脂中から蒸発してしまい、PTFE樹脂粉末が乾
燥して繊維化されにくくなった。
間が30時間以上になると、保存中にエタノールがPT
FE樹脂中から蒸発してしまい、PTFE樹脂粉末が乾
燥して繊維化されにくくなった。
【0029】次に、1次混練後の混練粒子粉砕時の粒度
範囲の影響について調べた。上記と同様の1次混練を行
い、これを110℃で24時間乾燥した後、混練粒子の
粒度範囲が1200〜700μm,700〜400μ
m,400〜300μm、300μm以下になるように
粉砕した。そして、これらの各粒度範囲に粉砕した混練
粒子にエタノールを40重量%加えて混練時間を10分
として2次混練し、正極合剤を得た。ついで各正極合剤
を50℃で3時間保存した後、上記と同様の方法で圧延
して触媒層シートを各10枚ずつ作製し、これらについ
て引張強度および電流特性を測定した。
範囲の影響について調べた。上記と同様の1次混練を行
い、これを110℃で24時間乾燥した後、混練粒子の
粒度範囲が1200〜700μm,700〜400μ
m,400〜300μm、300μm以下になるように
粉砕した。そして、これらの各粒度範囲に粉砕した混練
粒子にエタノールを40重量%加えて混練時間を10分
として2次混練し、正極合剤を得た。ついで各正極合剤
を50℃で3時間保存した後、上記と同様の方法で圧延
して触媒層シートを各10枚ずつ作製し、これらについ
て引張強度および電流特性を測定した。
【0030】この結果を(表5)に示す。
【0031】
【表5】
【0032】(表5)に示したように、粒度が300μ
mより小さくなると混練粒子を細かく粉砕し過ぎること
によって混練粒子中のPTFE樹脂繊維が非常に微細に
なり、触媒層構成粒子の三次元的結合数が減少して触媒
層シートの引張強度および電流特性が低下した。
mより小さくなると混練粒子を細かく粉砕し過ぎること
によって混練粒子中のPTFE樹脂繊維が非常に微細に
なり、触媒層構成粒子の三次元的結合数が減少して触媒
層シートの引張強度および電流特性が低下した。
【0033】さらに、混練粒子の粒度範囲を1200〜
300μmとしてこの粒度範囲内での粒度分布の影響を
調べた。1200〜300μmの範囲内で400μm以
上の粒子を30,40,50,60,70重量%とした
以外は上記と同様の触媒層シートを作製し、同様の測定
を行った。
300μmとしてこの粒度範囲内での粒度分布の影響を
調べた。1200〜300μmの範囲内で400μm以
上の粒子を30,40,50,60,70重量%とした
以外は上記と同様の触媒層シートを作製し、同様の測定
を行った。
【0034】この結果を(表6)に示す。
【0035】
【表6】
【0036】(表6)に示したように、400μm以上
の粒子を50重量%以上とすると、PTFE樹脂が微細
になり過ぎることによる触媒層構成粒子間の結合強度の
低下を防止するができ、触媒層シートの引張強度および
電流特性を向上させることができた。
の粒子を50重量%以上とすると、PTFE樹脂が微細
になり過ぎることによる触媒層構成粒子間の結合強度の
低下を防止するができ、触媒層シートの引張強度および
電流特性を向上させることができた。
【0037】次に、上記と同様の1次混練を行い、これ
を110℃で24時間乾燥した後、混練粒子を粒度範囲
1200〜300μmで400μm以上の粒子が60重
量%となるように粉砕した。
を110℃で24時間乾燥した後、混練粒子を粒度範囲
1200〜300μmで400μm以上の粒子が60重
量%となるように粉砕した。
【0038】そして、この混練粒子にエタノールを40
重量%加え、混練時間を10分として2次混練して正極
合剤を得た。ついで、この正極合剤を50℃で3時間保
存した後、表面温度が25,30,50,60,70℃
で周速が5,10,20,30m/分としたローラーで
圧延し、厚み0.5mmの触媒層シートを各10枚ずつ作
製した。そして、これらの各シートについて同様の測定
を行った。
重量%加え、混練時間を10分として2次混練して正極
合剤を得た。ついで、この正極合剤を50℃で3時間保
存した後、表面温度が25,30,50,60,70℃
で周速が5,10,20,30m/分としたローラーで
圧延し、厚み0.5mmの触媒層シートを各10枚ずつ作
製した。そして、これらの各シートについて同様の測定
を行った。
【0039】この結果を(表7)および(表8)に示
す。
す。
【0040】
【表7】
【0041】
【表8】
【0042】(表7),(表8)からわかるように、ロ
ーラーの表面温度を30〜60℃の範囲としローラーの
周速を20m/分以下にすることによって、触媒層シー
トの引張強度および電流特性を向上させることができ
た。これは、ローラーの熱によってPTFE樹脂が軟化
し繊維化が促進されて、触媒層構成粒子間の三次元的結
合が強固になったためと考えられる。
ーラーの表面温度を30〜60℃の範囲としローラーの
周速を20m/分以下にすることによって、触媒層シー
トの引張強度および電流特性を向上させることができ
た。これは、ローラーの熱によってPTFE樹脂が軟化
し繊維化が促進されて、触媒層構成粒子間の三次元的結
合が強固になったためと考えられる。
【0043】一方、ローラーの表面温度が60℃を越え
ると、エタノールが蒸発してしまいPTFE樹脂が乾燥
して繊維化されにくくなった。また、ローラーの周速が
20m/分を越えると、ローラーの回転が速いために、
圧延時に触媒層シートに気泡ができてシートにピンホー
ルやムラが生じ、触媒層シートの強度が低下した。
ると、エタノールが蒸発してしまいPTFE樹脂が乾燥
して繊維化されにくくなった。また、ローラーの周速が
20m/分を越えると、ローラーの回転が速いために、
圧延時に触媒層シートに気泡ができてシートにピンホー
ルやムラが生じ、触媒層シートの強度が低下した。
【0044】なお、本実施例では2次混練時にエタノー
ルを用いたが、これ以外にソルベントナフサ、非イオン
系界面活性剤のいずれかであっても良い。
ルを用いたが、これ以外にソルベントナフサ、非イオン
系界面活性剤のいずれかであっても良い。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明の空気亜鉛電池用
触媒層の製造法は、炭素系粉末、無機金属酸化物および
ポリテトラフルオロエチレン樹脂の各粉末を混練した
後、これを乾燥し粒度範囲が300〜1200μmとな
るように粉砕する工程と、この粉砕物に液状潤滑剤を加
えて混練する工程と、この混練物を30〜50℃で3〜
20時間保存する工程と、保存後の混練物を、表面温度
が30〜60℃のローラーで圧延する工程とからなるも
のであり、PTFE樹脂粉末を均一に、かつ十分に繊維
化することができ、PTFE樹脂の微細繊維による触媒
層構成粒子間の結合力を向上させることができる。
触媒層の製造法は、炭素系粉末、無機金属酸化物および
ポリテトラフルオロエチレン樹脂の各粉末を混練した
後、これを乾燥し粒度範囲が300〜1200μmとな
るように粉砕する工程と、この粉砕物に液状潤滑剤を加
えて混練する工程と、この混練物を30〜50℃で3〜
20時間保存する工程と、保存後の混練物を、表面温度
が30〜60℃のローラーで圧延する工程とからなるも
のであり、PTFE樹脂粉末を均一に、かつ十分に繊維
化することができ、PTFE樹脂の微細繊維による触媒
層構成粒子間の結合力を向上させることができる。
【0046】したがって、機械的強度が向上するととも
に、気−液−固相の三相界面を良好に保って放電特性に
優れた空気亜鉛電池用触媒層を提供することができる。
に、気−液−固相の三相界面を良好に保って放電特性に
優れた空気亜鉛電池用触媒層を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 公一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】炭素系粉末、無機金属酸化物およびポリテ
トラフルオロエチレン樹脂の各粉末を混合する工程と、
この混合物にアルコールを加えて混練し、粒径が200
0〜10000μmの混練粒子を得る工程と、前記混練
粒子を乾燥させ、これを粒径300〜1200μmの粒
子に粉砕する工程と、この粉砕物に、アルコール、ソル
ベントナフサ、非イオン系界面活性剤の群から選ばれる
液状潤滑剤を加えて混練する工程と、この混練物を30
〜50℃の温度で3〜20時間保存する工程と、保存後
の混練物を、表面温度が30〜60℃であるローラーで
圧延しシート状に成型する工程とからなる空気亜鉛電池
用触媒層の製造法。 - 【請求項2】ローラーは直径150mm〜450mmであ
り、周速が20m/分以下である請求項1記載の空気亜
鉛電池用触媒層の製造法。 - 【請求項3】粉砕物は、粒径400μm以上の粒子が5
0重量%以上含まれる請求項1記載の空気亜鉛電池用触
媒層の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6039741A JPH07249415A (ja) | 1994-03-10 | 1994-03-10 | 空気亜鉛電池用触媒層の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6039741A JPH07249415A (ja) | 1994-03-10 | 1994-03-10 | 空気亜鉛電池用触媒層の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07249415A true JPH07249415A (ja) | 1995-09-26 |
Family
ID=12561396
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6039741A Pending JPH07249415A (ja) | 1994-03-10 | 1994-03-10 | 空気亜鉛電池用触媒層の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07249415A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10334924A (ja) * | 1997-05-30 | 1998-12-18 | Toshiba Battery Co Ltd | 空気亜鉛電池の触媒シートの製造方法 |
JP2005505692A (ja) * | 2001-10-02 | 2005-02-24 | バイエル マテエリアルサイエンス アーゲー | ガス拡散電極の製造方法 |
WO2018168866A1 (ja) * | 2017-03-16 | 2018-09-20 | シャープ株式会社 | 空気極、金属空気電池および空気極の製造方法 |
-
1994
- 1994-03-10 JP JP6039741A patent/JPH07249415A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10334924A (ja) * | 1997-05-30 | 1998-12-18 | Toshiba Battery Co Ltd | 空気亜鉛電池の触媒シートの製造方法 |
JP2005505692A (ja) * | 2001-10-02 | 2005-02-24 | バイエル マテエリアルサイエンス アーゲー | ガス拡散電極の製造方法 |
WO2018168866A1 (ja) * | 2017-03-16 | 2018-09-20 | シャープ株式会社 | 空気極、金属空気電池および空気極の製造方法 |
CN110392957A (zh) * | 2017-03-16 | 2019-10-29 | 夏普株式会社 | 空气电极、金属空气电池及空气电极的制造方法 |
JPWO2018168866A1 (ja) * | 2017-03-16 | 2019-11-14 | シャープ株式会社 | 空気極、金属空気電池および空気極の製造方法 |
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