JPH07248094A - 配管用保温筒 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 円筒で長手方向にスリット１１を有する形状
のプラスチック発泡体からなる保温筒本体１が成形さ
れ、前記スリットの一側外縁に沿い透明プラスチックテ
ープ２が周方向に余長をもって積層され、この余長の前
記スリット側に面する面には接着剤または粘着剤層４が
形成され、離型材５を前記接着剤または粘着剤層に貼付
したことを特徴とする配管用保温筒。さらに前記プラス
チック発泡体の外周にプラスチックシート３が被着され
ていてもよい。 【効果】 保温筒のスリット部を接合する時に透明なプ
ラスチックテープを用いて接合するため、接合部を目視
確認でき、接合を確実かつ容易に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、給排水管、空調冷媒管
等の、冬季における内部の凍結防止、夏季における表面
の結露防止、その他の断熱やパイプの保護のために使用
される配管用保温筒に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】各種給排水管・空調冷媒管などのパイプ
には、外部から熱の流入、流出を抑制するためにポリエ
チレンフォームやポリウレタンフォームなどのプラスチ
ック発泡体を用いた配管用保温筒が装着されている。保
温筒には、周囲の環境から保温筒を保護するために、例
えば防水性、耐候性の向上のためにプラスチックシート
が被着されている。

【０００３】ところで、保温筒をパイプに取り付けた
後、保温筒がパイプから脱離しないように保温筒の周囲
をテープ等の結束具で巻回する必要がある。このため
に、保温筒のプラスチックシートは保温筒を覆って保温
筒を外部環境から保護すると同時に保温筒を上から巻回
してパイプから脱離しないようにする結束具の機能をも
備える必要がある。

【０００４】この種の保温筒の一つに図４のようなもの
が使用されている。図４において、１はプラスチック発
泡体製の保温筒本体であり、この本体１は円筒状で長手
方向に沿いスリット１１を有する形状に成形されてい
る。かかる結束具の機能を果たすため、プラスチックシ
ート３は、保温筒の周方向の一方の側縁を越えて周方向
に延在した延長部を有し、その延長部のスリット側の面
には粘着剤層４が形成され、離型材５が粘着剤層に貼付
されている。パイプに取り付ける時は、パイプを取り巻
くようにして保温筒を取り付けた後、パイプに被着して
いるプラスチックシートの表面にプラスチックシートの
延長部の離型材を剥した後、押圧して接合させる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、プラスチッ
ク発泡体の保護、美粧及び配管の識別の目的で、プラス
チック発泡体の外周に被着されるプラスチックシート
は、着色され不透明であることが多いが、この着色・不
透明プラスチックシートが被着された保温筒は、パイプ
への取り付け時に、スリットの接合部分が確認できず、
接合部が十分に密着しないで開口した状態のままになっ
てしまうことがある。スリットの接合部分が密着してい
ない場合には、断熱効果が著しく損なわれるといった問
題が生じている。

【０００６】本発明はこのような問題を解決するために
なされたもので、保温筒をパイプに装着する際に、スリ
ットの接合部に隙間を生じさせることなく、容易に装着
することができる配管用保温筒の提供を目的とするもの
である。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明においては、円筒で長手方向にスリットを有す
る形状のプラスチック発泡体からなる保温筒本体が成形
され、前記スリットの一側外縁に沿い透明プラスチック
テープが周方向に余長をもって積層され、この余長の前
記スリット側に面する面には接着剤層または粘着剤層が
形成され、離型材を前記接着剤層または粘着剤層に貼付
したことを特徴とする配管用保温筒が提供される。

【０００８】本発明における保温筒本体を構成するプラ
スチック発泡体は、従来のプラスチック発泡体と特に変
わるものではなく、断熱性、可撓性を有するものならば
特に限定されず、ポリオレフィン系樹脂発泡体等が使用
できる。

【０００９】透明プラスチックテープは、ポリ塩化ビニ
ル（以下ＰＶＣとする）またはポリオレフィン系樹脂
等、フィルム材で透明を有する樹脂が使用でき、その幅
は保温筒の外周に応じて適宜選ばれる。

【００１０】配管用保温筒の保温筒本体のプラスチック
発泡体の外周には、保温筒本体の外部環境からの保護、
配管の識別、美粧を目的として、プラスチックシートを
被着させることが好ましい。プラスチックシートは、柔
軟な非透水性シート材であって、従来から常用されてい
るＰＶＣまたはポリオレフィン系樹脂等のシート材を使
用できる。また、この際、使用されるプラスチックシー
トは、着色された不透明シートであっても、片面にアル
ミニウム蒸着が施されていてもよく、表面は平滑または
エンボス加工を施した状態で用いられる。

【００１１】プラスチックシートとプラスチック発泡
体、またはプラスチックテープとプラスチック発泡体と
の積層は、接着剤あるいは粘着剤または熱融着方法を用
いて行われる。

【００１２】離型材は、配管用保温筒をパイプに取り付
けるときまで、透明プラスチックテープの延長部に形成
された接着剤層または粘着剤層を隔離保護するために接
着剤層または粘着剤層上に貼付するフィルムである。そ
の材質は、紙製でも合成樹脂製のフィルムでもよい。

【００１３】以下、図１〜３に示す実施例によって本発
明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例に限定
されるものではない。

【００１４】

【実施例】実施例１ 図１は本発明の配管用保温筒の１実施例の斜視図であ
る。図１において、保温筒本体は、肉厚１０ｍｍのポリ
エチレン発泡体の板を円筒状に巻いて内径２０ｍｍに成
形されている。保温筒本体１のスリット１１の一側縁部
には、ポリエチレン製の３５ｍｍ幅の透明プラスチック
テープ２が、余長をもって積層され、その余長部の粘着
剤層４には離型材５が貼付されている。

【００１５】実施例２ 図２は本発明の配管用保温筒の１実施例の斜視図であ
る。肉厚１０ｍｍ、内径２３ｍｍのポリエチレン発泡体
製の保温筒本体１の外周に、肉厚８０μｍのポリエチレ
ン製プラスチックシート３が熱融着によって被着されて
いる。その上に実施例１と同様に、幅４０ｍｍ、ポリエ
チレン製の透明プラスチックテープが積層されている。
なお、実施例１及び２における接着剤層の接着剤あるい
は粘着剤および離型材とも、その材質は、従来から常用
のものであって、それぞれが接する面の材質によって適
宜好適なものが選択され、本実施例に特有のものではな
い。

【００１６】実施例３ 図３は実施例２の配管用保温筒のパイプ取り付け時の断
面斜視図である。パイプを取り巻くようにして実施例２
の保温筒を取り付け、プラスチックシート３に積層され
ている透明プラスチックテープ２の余長部の離型材を剥
した後、余長部をパイプ６に被着しているプラスチック
シート３の表面に重ね、押圧させて接着させている。パ
イプは、例えば、銅管、鋼管、ステンレス管、ＰＶＣ管
等、通常使用されているものがあげられ、特に限定され
ない。

【００１７】

【発明の効果】本発明の保温筒では、保温筒のスリット
部を接合する時に透明なプラスチックテープを用いて接
合するため、接合部を目視確認できる、接合を確実かつ
容易に行うことができる。配管識別および美粧の目的で
着色・不透明プラスチックシートを被着させた保温筒本
体は、着色・不透明プラスチックテープの色相に合わせ
て保温筒スリット接合用のプラスチックテープを選択し
なくても、保温筒のスリット部の接合には、透明なプラ
スチックテープが使用されるために、プラスチックシー
トの色相を生かすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の配管用保温筒の一例を説明するための
部分斜視図である。

【図２】本発明の配管用保温筒の一例を説明するための
部分斜視図である。

【図３】本発明の配管用保温筒の一使用例を説明するた
めの部分斜視図である。

【図４】従来の配管用保温筒を説明するための部分斜視
図である。

【符号の説明】

１…保温筒本体 １１…スリット ２…透明プラスチックテープ ３…プラスチックシート ４…接着剤層または粘着剤層 ５…離型材 ６…パイプ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 円筒で長手方向にスリットを有する形状
   のプラスチック発泡体からなる保温筒本体が成形され、
   前記スリットの一側外縁に沿い透明プラスチックテープ
   が周方向に余長をもって積層され、この余長の前記スリ
   ット側に面する面には接着剤層または粘着剤層が形成さ
   れ、離型材を前記接着剤層または粘着剤層に貼付したこ
   とを特徴とする配管用保温筒。
2. 【請求項２】 前記プラスチック発泡体の外周にプラス
   チックシートが被着されていることを特徴とする請求項
   １記載の配管用保温筒。