JPH0724746U - キャップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 内容物を取り出し易くする。 【構成】 下蓋２の孔５に注出管１０をシール状態に連
結する。注出管１０は蛇腹管状に形成し、弾性的に伸縮
可能にする。上蓋４を開けた状態では注出管１０が自身
の弾性で伸張し、注出口１２が下蓋２から充分に離間し
て位置するようになる。上蓋４を閉じると、注出管１０
は上蓋４のガイド６に案内されつつ、弾性的に圧縮され
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はキャップの構造に関するものであり、特に、上蓋がヒンジ機構を介し て下蓋に開閉可能に取り付けられてなるキャップの構造に係るものである。

【０００２】

【従来の技術】

前記ヒンジ機構を有する従来のキャップにおいては、下蓋の天板部に注出口が 設けられているが、この注出口の先端は下蓋の天板部からあまり突出していない 。 そのため内容物を取り出しにくかった。又、内容物を注出した際に、注出口の周 りに内容物が付着して汚いばかりでなく、時間が経って付着した内容物が乾いた り、雑菌が付着して変質するなど、衛生上も好ましくなかった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、実開昭６０−１７７０４２号公報に開示されているように、上蓋を開 けるとノズルがスプリングによって若干外へ引き出されるようにしたキャップが 開発された。

【０００４】 しかしながら、このキャップではノズルが余り引き出されず、充分に使い易く なったとは言い難かった。又、スプリングを用いており、部品点数が多く、構造 が複雑になるという欠点もあった。

【０００５】 本考案はこのような従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであり、使用時 に注出管の先端が下蓋から離れて使い易くなり、しかも衛生的で、構造が簡単な キャップを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記課題を解決するために、以下の構成を採用した。 即ち、容器の口筒部を塞ぐ下蓋に上蓋をヒンジ機構を介して開閉可能に取り付 ける。前記下蓋に孔を設け、この孔に、伸縮可能な蛇腹管状の注出管をその先端 が外方に突出するようにしてシール状態に連結する。

【０００７】 この注出管は、上蓋が閉じ状態のときには圧縮されて上蓋と下蓋との間に収納 されており、上蓋を開くと注出管が伸張する。この注出管の伸張を注出管自身の 弾性によって行うようにすることも可能である。

【０００８】 前記注出管を伸張時に前記ヒンジ機構から遠ざかる方向に湾曲するようにする と、より使い勝手がよくなり、好ましい。

【０００９】

【作用】

非使用時に下蓋と上蓋の間に収納されていた注出管が、上蓋を開けると伸張す る。その結果、注出管の先端の注出口が下蓋から離間した高い位置にきて、内容 物が取り出し易くなる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図１及び図２の図面に基いて説明する。 図１は本考案のキャップの開状態を示す断面図であり、図２は閉状態を示す断 面図である。このキャップ１は樹脂製の一体成形品であり、容器の口筒部（図示 せず）に螺合する有頂筒状の下蓋２と、この下蓋２にヒンジ部（ヒンジ機構）３ を介して開閉可能に支持された有頂筒状の上蓋４とを具備している。ヒンジ部３ は、上蓋４を所定角度開くとそれ以降は樹脂の持つ弾性によって自動的に全開位 置まで開き、全開状態の上蓋４を所定角度まで閉じるとそれ以降は樹脂の持つ弾 性によって自動的に全閉位置まで閉じるように機能する。

【００１１】 下蓋２の内周壁面には雌ねじ２ａが形成されており、下蓋２の天板部２ｂには 孔５が形成されている。この孔５には注出管１０がシール状態に連結されている 。

【００１２】 注出管１０は先端に進むにしたがって先細の蛇腹管状をなし、弾性を有する軟 質樹脂あるいはゴム等で形成されていて、弾性的に伸縮可能になっている。又、 この注出管１０は図１に示すように伸張した時に上記ヒンジ部３から遠ざかる方 向に湾曲するように形成されている。注出管１０の基部１１は孔５周りの天板部 ２ｂをシール状態に挟持しており、注出管１０の先端には注出口１２が開口して いる。

【００１３】 又、前記上蓋４の天板部４ａの内面には、上蓋４を閉じる時に前記注出管１０ の先端部を案内するガイド６が設けられている。ガイド６は対向する一対の壁部 ６ａの間に溝６ｂが設けられて構成されており、この溝６ｂを注出管１０の先端 部が摺動するようになっている。

【００１４】 このキャップ１では、図１に示すように上蓋４を全開状態にすると、注出管１ ０が注出管１０自身の弾性によって伸張し、注出口１２が下蓋２の天板部２ｂか ら十分に離間した高さに位置し、且つ、注出管１０の先端部がヒンジ部３から遠 ざかるように湾曲する。その結果、容器内の内容物が取り出し易くなる。

【００１５】 内容物を注出した後、上蓋４を閉じると、上蓋４の閉動作の途中で注出管１０ の先端がガイド６の溝６ｂの前部に侵入し、この後の閉動作において注出管１０ の先端は溝６ｂに案内されて溝６ｂ内を摺動し、ガイド６の後部へと相対移動す る。これと同時に、注出管１０は上蓋４によってその弾性に抗して圧縮され、全 閉状態において下蓋２と上蓋４との間に収納される。そして、注出口１２は溝６ ｂに面当接して閉塞する。したがって、内容物が下蓋２の天板部２ｂの上などに こぼれることもない。

【００１６】 又、上蓋４を閉じると注出管１０内が外気と遮断されるので、注出管１０内に 内容物が残留していても、これが変質したり、乾いて固くなったり、あるいは、 この残留物に雑菌が発生して不衛生になることもない。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、上蓋の閉じ状態においては、注出管が 上蓋と下蓋との間に収納されるので、注出管内に残留する内容物が変質したり固 まったりせず、又、雑菌が発生することもなくなり衛生的であるという優れた効 果が奏される 又、上蓋を開けると、下蓋との間に収納されていた注出管が伸張し、注出管の 先端が下蓋から十分に離間して位置するので、内容物が取り出し易くなるという 優れた効果が奏される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のキャップにおいて上蓋を開けた状態を
示す断面図である。

【図２】本考案のキャップにおいて上蓋を閉じた状態を
示す断面図である。

【符号の説明】

１ キャップ ２ 下蓋 ３ ヒンジ部（ヒンジ機構） ４ 上蓋 ５ 孔 １０ 注出管 １２ 注出口

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 平野 喬 静岡県静岡市弥生町６番48号ポーラ化成工 業株式会社静岡工場内 (72)考案者 相羽 智晴 静岡県静岡市弥生町６番48号ポーラ化成工 業株式会社静岡工場内 (72)考案者 平田 典子 静岡県静岡市弥生町６番48号ポーラ化成工 業株式会社静岡工場内 (72)考案者 伊藤 和子 静岡県静岡市弥生町６番48号ポーラ化成工 業株式会社静岡工場内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器の口筒部を塞ぐ下蓋に上蓋がヒンジ
   機構を介して開閉可能に取り付けられ、前記下蓋に設け
   た孔に、伸縮可能な蛇腹管状の注出管がその先端を外方
   に突出させてシール状態に連結されており、上蓋の閉じ
   状態では前記注出管が圧縮されて上蓋と下蓋との間に収
   納され、上蓋が開状態では前記注出管が伸張することを
   特徴とするキャップ。
2. 【請求項２】 前記上蓋が開状態のときに、前記注出管
   が前記ヒンジ機構から遠ざかる方向に湾曲することを特
   徴とする請求項１に記載のキャップ。