JPH07247227A - パラフィン類の酸化脱水素によるモノオレフィン類の製造方法 - Google Patents

パラフィン類の酸化脱水素によるモノオレフィン類の製造方法

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JPH07247227A
JPH07247227A JP4026594A JP4026594A JPH07247227A JP H07247227 A JPH07247227 A JP H07247227A JP 4026594 A JP4026594 A JP 4026594A JP 4026594 A JP4026594 A JP 4026594A JP H07247227 A JPH07247227 A JP H07247227A
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paraffins
oxygen
catalyst
essential element
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JP4026594A
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Hirobumi Io
博文 井尾
Makoto Kotani
誠 小谷
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C5/00Preparation of hydrocarbons from hydrocarbons containing the same number of carbon atoms
    • C07C5/42Preparation of hydrocarbons from hydrocarbons containing the same number of carbon atoms by dehydrogenation with a hydrogen acceptor
    • C07C5/48Preparation of hydrocarbons from hydrocarbons containing the same number of carbon atoms by dehydrogenation with a hydrogen acceptor with oxygen as an acceptor
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C2527/00Catalysts comprising the elements or compounds of halogens, sulfur, selenium, tellurium, phosphorus or nitrogen; Catalysts comprising carbon compounds
    • C07C2527/14Phosphorus; Compounds thereof
    • C07C2527/186Phosphorus; Compounds thereof with arsenic, antimony, bismuth, vanadium, niobium, tantalum, polonium, chromium, molybdenum, tungsten, manganese, technetium or rhenium

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パラフィン類の酸化脱水素反応により、高選
択率でモノオレフィン類を製造する方法を提供する。 【構成】 パラフィン類と酸素の混合ガス、または、パ
ラフィン類、酸素およびアンモニアの混合ガスを気相で
接触させ、酸化脱水素反応によりモノオレフィン類を製
造する方法において、タングステンを必須元素として含
有するヘテロポリ酸を、特に該ヘテロポリ酸のプロトン
をアルカリ金属カチオンおよび/またはアミン類で部分
交換したものを触媒として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はパラフィン類の酸化脱水
素反応により、モノオレフィン類を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】工業的に価値の低いパラフィン類から有
用なモノオレフィン類を製造する方法としては、単純脱
水素反応と酸化脱水素反応がある。しかし、単純脱水素
反応では、非常に大規模な生産を行わなければ経済性の
問題から不利であり、高性能を有する酸化脱水素触媒の
開発が待ち望まれている。パラフィン類の酸化脱水素反
応によりモノオレフィン類を製造する試みとしては、以
下に記載する例が知られている。EP189,282号
は、スズとリンの酸化物からなる触媒の存在下で、エタ
ンからエチレン、プロパンからプロピレン、イソブタン
からイソブテンを製造することに関するものであり、反
応温度200〜700℃、反応圧力1〜50barで実
施されるとしている。しかし、該EP明細書の実施例に
は、エタンからエチレンを製造する例しか示されておら
ず、反応温度も550℃のみで、加圧下で反応させて初
めて高い選択性が得られるものである。
【0003】特開平3−218327号は、スズとリン
の酸化物からなる触媒、またはインジウムとリンの酸化
物からなる触媒の存在下で、プロパンからプロピレン、
イソブタンからイソブテンを製造することに関するもの
である。しかし、これらの酸化物は、使用時間の増大に
従いリン成分が飛散し、活性低下を引き起こすという問
題がある。J.Catal.,52巻,116(197
8)には、モリブデン−バナジウム触媒を用いるエタン
の酸化脱水素反応が示されているが、原料をプロパンに
変更した場合では、アセトアルデヒド、一酸化炭素およ
び二酸化炭素のみであり、プロピレンの生成は見られな
かったと報告されている。
【0004】J.Chem.Soc.Chem.Com
mun.,8巻,558(1991)には、Nb25
nH2Oを500℃以上で焼成することにより、プロパ
ンの酸化脱水素反応によるプロピレン選択性が高くなる
ものの、活性が低いことが報告されている。Izv.A
kad.Nauk Resp.Kaz.,Ser.Kh
im.,4巻,26,(1992)には、12−タング
ストリン酸、12−タングストケイ酸、12−モリブド
ケイ酸触媒を用いるメタンの部分酸化反応、酸化脱水素
反応およびSi−Mo系ヘテロポリ酸触媒を用いるエタ
ンの酸化脱水素反応について示されている。原料がメタ
ンの場合は、部分酸化生成物であるホルムアルデヒド、
酸化カップリング反応によるエタン、生成エタン由来の
生成物があることが示されている。また、原料がエタン
の場合、主生成物がエチレンであることが記載されてい
るのみであり、Si−Mo系ヘテロポリ酸の組成につい
ての詳細などについての記載はない。
【0005】また、酸化脱水素反応を主目的とした反応
ではないが、特開昭63−145249号には、タング
ステン、モリブデン、バナジウムを含有するヘテロポリ
酸を用いたイソブタンの酸化反応実施例が示されている
が、主生成物はメタクリル酸、メタクロレインであり、
イソブテン生成についての記載はなされていない。さら
に、アルデヒド類やカルボン酸類といった含酸素生成物
が多く副生すると、精製工程が煩雑になり、工業的には
望ましくない。以上のように、パラフィン類の酸化脱水
素反応によるモノオレフィン類の製造において、生成物
がエチレンの場合はともかくとして、プロピレン、イソ
ブテンについては選択率の高い触媒系の提案はなされて
いない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、特定
の組成を有する触媒の存在下でパラフィン類の酸化脱水
素反応を行い、高選択率でモノオレフィンを得る方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するべく鋭意検討を行った結果、パラフィン類の
酸化脱水素反応によるモノオレフィン類の製造方法にお
いて、タングステンを必須元素として含有するヘテロポ
リ酸触媒が、高選択性を示すことを見いだし、本発明を
完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、気相においてパラフィ
ン類を分子状酸素による酸化脱水素反応によってモノオ
レフィン類を製造する方法において、タングステンを必
須元素として含有するヘテロポリ酸を触媒として用いる
ことを特徴とするモノオレフィン類の製造方法である。
【0009】また、本発明は、気相においてパラフィン
類、酸素およびアンモニアを含有する混合気体を用いた
酸化脱水素反応によって、モノオレフィン類を製造する
方法において、タングステンを必須元素として含有する
ヘテロポリ酸を触媒として用いることを特徴とするモノ
オレフィン類の製造方法である。
【0010】本発明に用いられるパラフィン類として、
特に制限はないが、エタン、プロパン、ブタン、イソブ
タン、ペンタン、2−メチルペンタン等の直鎖または分
枝パラフィンが使用可能である。好ましくは、プロパ
ン、ブタン、イソブタンのような炭素数3ないし4のパ
ラフィンよりなる群から選ばれるパラフィンがよい。さ
らに好ましくは、プロパン、イソブタンよりなる群から
選ばれるパラフィンがよい。
【0011】本発明に用いられるヘテロポリ酸触媒と
は、タングステンを必須元素として含有する、異なる二
種類以上の金属酸化物複合体からなる複合金属酸化物酸
および/またはこれらの酸のプロトンの一部をアミン類
および/または金属カチオンで交換し、塩にしたもので
ある。金属カチオンとしてはアルカリ金属カチオンが好
ましい。 これらは通常、 一般式(H)a(M1b(M2c(M3d(W)
e(M4f(O)g (上式中、Hは水素原子、M1はアミン類、M2はアルカ
リ金属原子、M3はヘテロ原子、Wはタングステン原
子、M4はポリ原子、Oは酸素原子を表す。さらに、a
は0を含まない10以下の数、bは0〜10の数、cは
0を含まない10以下の数、dは1〜2の数、eは4〜
12の数、fは0〜8の数である。gは前記各元素の原
子価を満足する数である。)で表されるヘテロポリ酸で
ある。M1は、アンモニア、ピリジン、キノリン等のア
ミン類よりなる群から選ばれた少なくとも1種類であ
り、焼成によって、それらの一部若しくは全部を除去し
たものでもよい。M2は、アルカリ金属よりなる群から
選ばれた少なくとも1種類以上の金属であり、好ましく
はセシウムである。M3は、ヘテロ原子になりうる原子
を表し、ベリリウム、ホウ素、炭素、ナトリウム、アル
ミニウム、珪素、リン、硫黄、チタン、バナジウム、ク
ロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、
ガリウム、ゲルマニウム、砒素、セレン、ジルコニウ
ム、ロジウム、スズ、アンチモン、テルル、沃素、レニ
ウム、白金、ビスマス、セリウム、トリウム、ウランま
たはネプツニウム等であり、一般的には、リン原子また
はケイ素原子のものが入手しやすく、特に、リン原子で
あることが好ましい。M4は、ポリ原子になりうる原子
のうちタングステンを除く原子を表し、アルミニウム、
チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバル
ト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ジルコニウム、ニ
オブ、モリブデン、テクネチウム、ロジウム、カドミウ
ム、インジウム、スズ、タンタル、レニウム、タリウム
または鉛等であり、モリブデンまたはバナジウムである
ことが好ましい。
【0012】具体的には、タングステンを必須元素とし
て含有するヘテロポリ酸としてはH3PW1240、H5
10240、H7PW844O、H4SiW1240 また
はH4SiW10Mo240等がある。また、これらの触媒
は、担体に担持した形態で用いてもよく、担体として
は、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリコンカ
ーバイド、チタニア、ジルコニア、ケイソウ土などをあ
げることができる。
【0013】これらのヘテロポリ酸は、例えば、Mak
oto Misono.et.al.,Bull.Ch
em.Soc.Jpn.,vol.55巻,No.2,
1982.(脱カチオン水(160ml)に、Na2
4・2H2O(100g)とNa2HPO4・12H2
(50g)を加え、80℃で攪拌しながら還流する。H
Cl(150ml)を更に添加する。得られた溶液を、
50℃で100mlになるまで濃縮する。濃縮液温度を
室温まで下げた後に、等量のジエチルエーテルで抽出す
る。ジエチルエーテルは、50℃に保ちながら除去す
る。更に、得られた固体を脱カチオン水に溶解後、50
℃で濃縮し、水から再結晶を行うことによりH3PW12
40が得られる。)等により合成できる。
【0014】アミン類により交換した塩は、ヘテロポリ
酸より合成することができる。例えば、ヘテロポリ酸ア
ンモニウム塩の合成においては、アンモニア水、硝酸ア
ンモニウムなどの水溶性アンモニウム塩などをアンモニ
ウム源として使用できる。また、有機アミン類により交
換した塩の合成においては、ピリジン、キノリンなどを
アミン源として使用できる。得られた溶液およびスラリ
ーは、ロータリーエバポレーターまたは蒸発乾涸等で溶
媒を除去した後に、乾燥することによってアミン類によ
り交換した塩が得られる。金属カチオンにより交換した
塩の合成は、金属の水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、塩化物
などの金属塩の水溶液とヘテロポリ酸を混合することに
よって調製できる。得られた溶液およびスラリーは、ロ
ータリーエバポレーターまたは蒸発乾涸等で溶媒を除去
した後に、乾燥することによって金属カチオンにより交
換した塩が得られる。アミン類および金属カチオンによ
り交換した塩の合成は、先に示したアミン類および金属
塩の水溶液とヘテロポリ酸を混合することによって調製
できる。 得られた溶液およびスラリーは、ロータリー
エバポレーターまたは蒸発乾涸等で溶媒を除去した後
に、乾燥することによってアミン類および金属カチオン
により交換した塩が得られる。
【0015】触媒の焼成は、空気中、または水蒸気を含
んだ空気中、300〜700℃で行う。好ましくは、3
50〜650℃、より好ましくは、450〜650℃で
行うのがよい。本発明で製造されるモノオレフィン類
は、原料であるパラフィン類と同じ炭素数のものであ
る。
【0016】本発明の製造方法で用いられる反応原料ガ
スは、パラフィン類と酸素、またはパラフィン類、酸素
およびアンモニアであるが、不活性ガスなどで希釈する
ことができる。このようなガスとして、窒素、ヘリウ
ム、アルゴン、炭酸ガス、水蒸気などが使用できる。
【0017】本発明の製造方法で用いられる酸素の供給
源に特に制限はないが、通常純酸素、酸素富化空気、空
気などが用いられる。この場合の混合ガス中のパラフィ
ン類対酸素のモル比に特に制限はないが、酸素モル比が
少なすぎると、反応が酸素供給律速となり反応速度が遅
く、単位触媒あたりの生産性が悪くなる。また、逆に酸
素モル比が大きくなると、モノオレフィン類以外の酸化
副生成物が多くなり、選択性が低下する。さらに、モル
比が大きくなると燃焼範囲に入ってしまうので、安全性
を考慮して燃焼範囲外となるように調整し、一般的に
は、パラフィン類:酸素=1:0.1〜1.0である。
【0018】本発明の製造方法で用いられる混合ガスが
アンモニアを含有する場合には、酸素のみの場合より、
さらにモノオレフィン類の選択性が向上する。使用され
るアンモニアは、乾燥ガスとして供給してもよいが、ア
ンモニア水を蒸発器で気化させることによって供給して
もよい。この場合の混合ガス中のパラフィン類対酸素対
アンモニアのモル比に特に制限はないが、アンモニアが
多すぎるとリサイクル量が多くなり経済的ではない。ま
た、可燃性ガスであるため燃焼範囲に入ることは望まし
くない。従って、経済性および安全性を考慮して調整さ
れ、一般的には、パラフィン類:酸素:アンモニア=
1:0.1〜1.0:0.01〜0.5である。
【0019】反応温度は、原料の種類、原料濃度、混合
ガス中のモル比、接触時間により異なり、通常、200
〜700℃、好ましくは、300〜500℃、より好ま
しくは、350〜450℃の範囲である。反応圧力は通
常、1〜50bar、好ましくは、1〜3barの範囲
である。空間速度は、特に制限はないが、遅すぎると生
産性が低下し、また、速すぎると転化率が低下するの
で、通常、200〜3000/hr、好ましくは、50
0〜2000/hrである。
【0020】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明がこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。 触媒調製 (1)ヘテロポリ酸の、金属カチオンによる部分交換さ
れた塩 所定量のタングステン含有ヘテロポリ酸を所定量のイオ
ン交換水に溶解した溶液を室温で攪拌しながら、所定量
のアルカリ金属水酸化物を溶解した水溶液を滴下し沈澱
を生成させた。滴下完了後、さらに3時間攪拌を継続し
た後に、減圧溜去により水の除去を行い固体を得た。こ
の固体を、乾燥器中130℃で乾燥した後に、10〜3
2メッシュに粉砕したものを電気炉中で所定の温度で5
時間焼成することによって、ヘテロポリ酸の、金属カチ
オンによる部分交換された塩を調製した。 この方法に
より得られたヘテロポリ酸を表1に掲げた。
【0021】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 触媒 ヘテロポリ酸 アルカリ プロトン 焼成温度 番号 (部分交換前) 金属 部分交換率(%) (℃) ──────────────────────────────────── 1−1 H3PW1240 Cs 83.3 550 1−2 H3PW1240 Cs 16.6 550 1−3 H3PW1240 Cs 83.3 600 1−4 H3PW1240 Cs 83.3 650 1−5 H3PW1240 Cs 91.7 600 1−6 H5PW10240 Cs 62.5 600 1−7 H7PW8440 Cs 50.0 600 1−8 H4SiW1240 Cs 62.5 600 1−9 H4SiW10Mo240 Cs 50.0 550 1−10 H3PW1240 Cs 16.6 380 1−11 H3PW1240 Cs 83.3 400 ────────────────────────────────────
【0022】(2)ヘテロポリ酸の、アンモニアおよび
金属カチオンによる部分交換された塩所定量のタングス
テン含有ヘテロポリ酸を所定量のイオン交換水に溶解し
た溶液を室温で攪拌しながら、所定量のアルカリ金属水
酸化物を溶解した水溶液と所定量のアンモニア水を混合
した水溶液を滴下し沈澱を生成させた。滴下完了後、さ
らに3時間攪拌を継続した後に、減圧溜去により水の除
去を行い固体を得た。この固体を、乾燥器中130℃で
乾燥した後に、10〜32メッシュに粉砕したものを、
電気炉中で所定の温度で5時間焼成することによって、
ヘテロポリ酸のアンモニアおよび金属カチオンによる部
分交換された塩を調製した。この方法により得られたヘ
テロポリ酸を表2に掲げた。
【0023】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── 触媒 ヘテロポリ酸 アルカリ アルカリ金属に アンモニアに 焼成温度 よる部分 よる部分 番号 (部分交換前) 金属 交換率(%) 交換率(%) (℃) ──────────────────────────────────── 2−1 H3PW1240 Cs 83.3 16.7 500 2−2 H3PW1240 Cs 16.6 83.4 500 2−3 H3PW1240 Cs 83.3 16.7 550 2−4 H3PW1240 Cs 83.3 16.7 600 2−5 H3PW1240 Cs 91.7 8.3 500 2−6 H5PW10240 Cs 62.5 37.5 550 2−7 H7PW8440 Cs 50.0 50.0 500 2−8 H4SiW1240 Cs 62.5 37.5 550 ────────────────────────────────────
【0024】実施例1〜9 表1に掲げたいくつかの触媒を、内径17mmのステン
レス(SUS316)製反応器に8ml充填した。所定
の反応温度に保ち、プロパン/酸素/アンモニア=1/
0.6/0.3の組成の混合ガスを空間速度1024/
hrで供給した。20時間後に反応ガスを分析したとこ
ろ表3に掲げる結果が得られた。尚、生成物中のアクリ
ロニトリルおよびアセトニトリル選択率は、いずれも1
%以下であった。
【0025】
【表3】 表3 ──────────────────────────────────── 実施例 触媒番号 反応温度 プロパン プロピレン (℃) 転化率(%) 選択率(%) ──────────────────────────────────── 1 1−1 430 15.2 65.7 2 1−2 430 12.0 64.4 3 1−3 430 12.0 71.8 4 1−4 450 16.3 70.9 5 1−5 450 14.4 72.3 6 1−6 450 16.1 69.8 7 1−7 430 14.7 69.0 8 1−8 480 6.8 68.2 9 1−9 480 7.0 65.3 ────────────────────────────────────
【0026】実施例10〜12 表1の触媒番号1−5の触媒を、内径17mmのステン
レス(SUS316)製反応器に8ml充填した。所定
の反応温度に保ち、プロパン/酸素/アンモニア比をプ
ロパン:酸素:アンモニア=1:0.6:0.04、
1:0.6:0.10および1:0.6:0.32と変
更し、空間速度をそれぞれ904、964および102
4/hrで供給した。20時間後に反応ガスを分析した
ところ表4に掲げる結果が得られた。尚、生成物中のア
クリロニトリルおよびアセトニトリル選択率は、いずれ
も1%以下であった。
【0027】
【表4】 表4 ──────────────────────────────────── 実施例 混合ガス比 反応温度 プロパン プロピレン C3/O2/NH3 (℃) 転化率(%) 選択率(%) ──────────────────────────────────── 10 1/0.6/0.04 450 34.2 50.1 11 1/0.6/0.10 450 18.4 69.1 12 1/0.6/0.32 450 14.6 73.4 ────────────────────────────────────
【0028】実施例13 表1の触媒番号1−3の触媒を、内径17mmのステン
レス(SUS316)製反応器に8ml充填した。所定
の反応温度に保ち、プロパン/酸素/アンモニア/アル
ゴン=1/0.6/0.3/0.2の混合ガスの組成の
混合ガスを空間速度1030/hrで供給した。反応温
度400℃において、20時間後に反応ガスを分析した
ところ、プロパン転化率14.2%,プロピレン選択率
73.1%の結果が得られた。また、生成物中のアクリ
ロニトリルおよびアセトニトリル選択率は、いずれも1
%以下であった。
【0029】実施例14 表1の触媒番号1−5の触媒を、内径17mmのステン
レス(SUS316)製反応器に8ml充填した。所定
の反応温度に保ち、プロパン/酸素=1/0.6の組成
の混合ガスを空間速度860/hrで供給した。反応温
度365℃において、20時間後に反応ガスを分析した
ところ、プロパン転化率39.1%,プロピレン選択率
37.8%の結果が得られた。
【0030】実施例15〜22 表2に掲げた触媒を、内径17mmのステンレス(SU
S316)製反応器に8ml充填した。所定の反応温度
に保ち、プロパン/酸素/アンモニア=1/0.6/
0.3の組成の混合ガスを空間速度1024/hrで供
給した。20時間後に反応ガスを分析したところ表5に
掲げる結果が得られた。尚、生成物中のアクリロニトリ
ル選択率およびアセトニトリル選択率は、いずれも1%
以下であった。
【0031】
【表5】 表5 ──────────────────────────────────── 実施例 触媒番号 反応温度 プロパン プロピレン (℃) 転化率(%) 選択率(%) ──────────────────────────────────── 15 2−1 425 14.0 67.1 16 2−2 430 12.6 65.2 17 2−3 425 10.9 72.1 18 2−4 450 17.2 71.2 19 2−5 445 14.0 72.1 20 2−6 450 16.9 71.1 21 2−7 435 16.3 70.9 22 2−8 470 6.0 65.5 ────────────────────────────────────
【0032】実施例23〜25 表1に掲げたいくつかの触媒を、内径17mmのステン
レス(SUS316)製反応器に8ml充填した。所定
の反応温度に保ち、イソブタン/酸素/アンモニア=1
/0.4/0.3の組成の混合ガスを空間速度1100
/hrで供給した。20時間後に反応ガスを分析したと
ころ表6に掲げる結果が得られた。尚、生成物中のメタ
クロレイン選択率およびメタクリル酸選択率は、いずれ
も2%以下であった。また、メタクリロニトリル、アク
リロニトリル、アセトニトリルは、1%以下であった。
【0033】
【表6】 表6 ──────────────────────────────────── 実施例 触媒番号 反応温度 イソブタン イソブテン (℃) 転化率(%) 選択率(%) ──────────────────────────────────── 23 1−1 400 16.0 45.2 24 1−2 390 12.6 47.8 25 1−6 420 16.5 44.2 ────────────────────────────────────
【0034】実施例26 表1の触媒番号1−10の触媒を、内径17mmのステ
ンレス(SUS316)製反応器に8ml充填した。反
応温度395℃に保ち、イソブタン/酸素/窒素/水=
1/0.4/0.3/0.3の組成の混合ガスを空間速
度1114/hrで供給した。20時間後に反応ガスを
分析したところイソブタン転化率15.7%、イソブテ
ン選択率33.7%の結果が得られた。また、生成物中
のメタクロレイン選択率およびメタクリル酸選択率は、
それぞれ3.8%、0%であった。
【0035】実施例27 表1の触媒番号1−11の触媒を、内径17mmのステ
ンレス(SUS316)製反応器に8ml充填した。反
応温度380℃に保ち、イソブタン/酸素/窒素/水=
1/0.4/0.3/0.3の組成の混合ガスを空間速
度1114/hrで供給した。20時間後に反応ガスを
分析したところイソブタン転化率14.9%、イソブテ
ン選択率28.5%の結果が得られた。また、生成物中
のメタクロレイン選択率およびメタクリル酸選択率は、
それぞれ3.7%、0%であった。
【0036】実施例28〜30 表2に掲げた触媒を、内径17mmのステンレス(SU
S316)製反応器に8ml充填した。所定の反応温度
に保ち、イソブタン/酸素/アンモニア=1/0.4/
0.3の組成の混合ガスを空間速度1115/hrで供
給した。20時間後に反応ガスを分析したところ表7に
掲げる結果が得られた。尚、生成物中のメタクロレイン
選択率、メタクリル酸選択率、メタクリロニトリル選択
率、アクリロニトリル選択率およびアセトニトリル選択
率は、いずれも1.5%以下であった。
【0037】
【表7】 表7 ──────────────────────────────────── 実施例 触媒番号 反応温度 イソブタン イソブテン (℃) 転化率(%) 選択率(%) ──────────────────────────────────── 28 2−1 395 15.2 46.1 29 2−2 390 13.1 47.6 30 2−3 400 16.4 45.3 ────────────────────────────────────
【0038】比較例1 タングステンを含有しないヘテロポリ酸Cs0.53.5
VMo1140を、空気中380℃で焼成を行い、内径1
7mmのステンレス(SUS316)製反応器に8ml
充填した。反応温度350℃に保ち、プロパン/酸素/
窒素/水=1/0.2/0.5/0.5の組成の混合ガ
スを空間速度1500/hrで供給した。20時間後に
反応ガスを分析したところ、プロパン転化率5.5%、
プロピレン選択率30.4%、アクロレイン選択率5.
2%、アクリル酸選択率10.3%の結果が得られた。
【0039】比較例2 タングステンを含有しないヘテロポリ酸Cs0.54.5
2Mo1040を、空気中380℃で焼成を行い、内径
17mmのステンレス(SUS316)製反応器に8m
l充填した。反応温度355℃に保ち、イソブタン/酸
素/窒素/水=1/0.4/0.3/0.3の組成の混
合ガスを空間速度1114/hrで供給した。20時間
後に反応ガスを分析したところ、イソブタン転化率1
0.7%、イソブテン選択率1.1%、メタクリル酸選
択率13.8%、メタクロレイン選択率8.5%の結果
が得られた。
【0040】比較例3 タングステンを含有しないヘテロポリ酸Cs0.53.5
2Mo1040を、空気中380℃で焼成を行い、内径
17mmのステンレス(SUS316)製反応器に8m
l充填した。反応温度370℃に保ち、プロパン/酸素
/アンモニア=1/0.6/0.3の組成の混合ガスを
空間速度1350/hrで供給した。20時間後に反応
ガスを分析したところ、プロパン転化率6.2%、プロ
ピレン選択率26.7%の結果が得られた。
【0041】
【発明の効果】本発明は、特定の組成を有する触媒の存
在下で、パラフィン類の酸化脱水素反応を行いモノオレ
フィン類を高選択率で製造できることである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 11/09 // C07B 61/00 300

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気相においてパラフィン類を分子状酸素
    による酸化脱水素反応によってモノオレフィン類を製造
    する方法において、タングステンを必須元素として含有
    するヘテロポリ酸を触媒として用いることを特徴とする
    モノオレフィン類の製造方法。
  2. 【請求項2】 気相においてパラフィン類、酸素および
    アンモニアを含有する混合気体を用いた酸化脱水素反応
    によって、モノオレフィン類を製造する方法において、
    タングステンを必須元素として含有するヘテロポリ酸を
    触媒として用いることを特徴とするモノオレフィン類の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 タングステンを必須元素として含有する
    ヘテロポリ酸が、プロトン型またはプロトンの一部をカ
    チオンで交換した塩である請求項1または請求項2記載
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 プロトンの一部をカチオンで交換した塩
    が、アミン類およびアルカリ金属よりなる群から選ばれ
    た少なくとも1種類以上の成分を含むものである請求項
    3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 タングステンを必須元素として含有する
    ヘテロポリ酸が、一般式、(H)a(M1b(M2
    c(M3d(W)e(M4f(O)g(上式中、Hは水素
    原子、M1はアンモニア、ピリジン、キノリン等のアミ
    ン類、M2はアルカリ金属よりなる群から選ばれた少な
    くとも1種類以上の金属、M3はヘテロ原子になりうる
    原子を表し、ベリリウム、ホウ素、炭素、ナトリウム、
    アルミニウム、珪素、リン、硫黄、チタン、バナジウ
    ム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、
    亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、砒素、セレン、ジルコ
    ニウム、ロジウム、スズ、アンチモン、テルル、沃素、
    レニウム、白金、ビスマス、セリウム、トリウム、ウラ
    ンまたはネプツニウムである。Wはタングステン原子、
    4はポリ原子になりうる原子のうちタングステンを除
    く原子を表し、アルミニウム、チタン、バナジウム、ク
    ロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、
    ガリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネ
    チウム、ロジウム、カドミウム、インジウム、スズ、タ
    ンタル、レニウム、タリウムまたは鉛である。Oは酸素
    原子を表す。さらに、aは0を含まない10以下の数、
    bは0〜10の数、cは0を含まない10以下の数、d
    は1〜2の数、eは4〜12の数、fは0〜8の数であ
    る。gは前記各元素の原子価を満足する数である。)で
    表されるものである請求項1または請求項2記載の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 アルカリ金属(M2)が、セシウムであ
    る請求項5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 ヘテロ原子(M3)が、リン原子である
    請求項5記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 ヘテロ原子(M3)が、ケイ素原子であ
    る請求項5記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 ポリ原子(M4)が、モリブデン原子、
    バナジウム原子またはモリブデン原子とバナジウム原子
    である請求項5記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 タングステンを必須元素として含有す
    るヘテロポリ酸が、H3PW1240、H5PW10
    240、H7PW844O、H4SiW1240 またはH4
    SiW10Mo240である請求項1、請求項2、請求項
    3または請求項4記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 タングステンを必須元素として含有す
    るヘテロポリ酸が、300〜700℃で焼成されたもの
    である請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 パラフィン類がプロパンまたはイソブ
    タンである請求項1または請求項2記載の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002532378A (ja) * 1998-12-18 2002-10-02 ビーピー ケミカルズ リミテッド ヘテロポリ酸の合成
JP2010524684A (ja) * 2007-04-25 2010-07-22 エイチアールディー コーポレイション 天然ガスを高級炭素化合物に転換するための触媒および方法

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