JP2002030028A - 不飽和カルボン酸の製造方法 - Google Patents

不飽和カルボン酸の製造方法

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JP2002030028A
JP2002030028A JP2000212126A JP2000212126A JP2002030028A JP 2002030028 A JP2002030028 A JP 2002030028A JP 2000212126 A JP2000212126 A JP 2000212126A JP 2000212126 A JP2000212126 A JP 2000212126A JP 2002030028 A JP2002030028 A JP 2002030028A
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unsaturated carboxylic
carboxylic acid
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oxide catalyst
catalyst
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Yukio Koyasu
幸夫 小安
Yumiko Yoshikawa
由美子 吉川
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】オレフィンから不飽和カルボン酸を、一段の反
応で且つ高収率で製造する方法を提供する。 【解決手段】 オレフィンを複合酸化物触媒の存在下に
気相接触酸化反応させて不飽和カルボン酸を製造する方
法において、少なくともモリブデン(Mo)、バナジウ
ム(V)及びアンチモン(Sb)を必須成分とする複合
酸化物触媒を使用することを特徴とする不飽和カルボン
酸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオレフィンを気相接
触酸化させることにより、一段で不飽和カルボン酸を製
造する方法に関する。不飽和カルボン酸の中でもアクリ
ル酸は各種合成樹脂、塗料、可塑剤等の原料として工業
的に重要である。
【0002】
【従来の技術】触媒的気相酸化によるアクリル酸製造法
として最初に提案されたものはプロピレンからの一段酸
化でアクリル酸を製造する一段法であったが、その後の
研究においては、プロピレンを酸化してアクロレインを
製造する反応と得られたアクロレインを酸化してアクリ
ル酸を製造する反応とを分け二段でアクリル酸を製造す
るためのそれぞれの反応工程の触媒の研究開発が主流と
なっている。なぜなら、アクリル酸とその製造中間体で
あるアクロレインとでは、その化学的性質の違いのため
に、同一温度において一種類の触媒で収率良好にプロピ
レンから一段でアクリル酸を得ることは非常に困難と考
えられていたからである。例えば、高いアクリル酸選択
を維持するため低温で操作するとプロピレン転化率が低
く、プロピレン選択率を高めるために高温で操作すると
生成したアクリル酸の逐次燃焼が顕著となり高い収率で
アクリル酸が得られない。
【0003】従来の検討の結果、第一工程である、プロ
ピレンの酸化によるアクロレインの製造においては、し
ばしばMo,Bi、W等の元素を主成分とする酸化物触
媒を用いて反応温度300℃から450℃で反応が行わ
れている。一方、第二工程である、アクロレインの酸化
によるアクリル酸の製造においては、しばしばMo、V
等の元素を主成分とする酸化物触媒を用いて反応温度を
250℃から300℃で反応が行われている。
【0004】このような2種類の触媒を用いる方法とし
ては、2段法以外にも例えば、特開昭57−15604
4にはプロピレンからアクロレインを得る公知の触媒と
アクロレインからアクリル酸を製造する公知の触媒とを
有機溶媒中で混合し、焼成して得られた触媒がプロピレ
ンからアクリル酸を一段で収率81.4%で製造する実
施例が開示されている。同様に特開平11−13072
2には2種類の触媒を、仕切板により区切られた2つの
空間を有する1つの反応器に充填し、一段でプロピレン
からアクリル酸を収率89.8%で製造する技術が開示
されている。また、特開2000−16961には二段
法触媒を1つの反応器に充填し、一段でプロピレンから
アクリル酸を収率78%で製造する技術が開示されてい
る。しかしながら、これらの方法は一段法による製造方
法ではあっても2種類以上の触媒を用意する必要がある
という問題点がある。
【0005】これらの技術変遷に鑑みると上述した第一
工程に適した触媒、第二工程に適した触媒、いずれも単
独ではプロピレンから一段でアクリル酸を高収率で製造
することは非常に困難である。つまり、現在二段法が主
流である原因は、経済的に有利であるプロピレンから一
段でアクリル酸を製造するプロセスにおいて、単一の触
媒で優れた性能を示す触媒がないことにあった。
【0006】このような二段法に対しプロピレンから単
一の触媒を用いて一段でアクリル酸を製造する技術を開
示したものに米国特許第3947495号があり、Pd
−Au−H3PO4−Ph2S−活性炭化合物を触媒とし
て、アクリル酸収率47.5%の実施例が開示されてい
る。また、特開昭52−118419にはPd−Sb−
P−O化合物を触媒として、アクリル酸収率71.9%
の実施例が開示されている。一方、酸化触媒としてのM
o、V系の複合酸化物が過去多く研究されている。例え
ば、特開平7−53448にはMo、V、Nb、Te系の
組成を含む触媒を用いて、プロピレンから一段でアクリ
ル酸を製造する方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したような二段法
では、工程それぞれにおいて違った触媒が使われ、それ
ぞれに好適な条件を設定する必要があるためプラント管
理が煩雑であるばかりではなく、前段反応の主生成物で
あるアクロレインの逐次反応を抑制する必要があり、反
応器等の設備費用が高くつくことが問題となっている。
また、触媒充填も煩雑、且つ困難さを伴う。
【0008】一方、プロピレンから一段の反応でアクリ
ル酸を製造する方法については、目的とするアクリル酸
の収率がまだ満足できるものではなかったり、触媒の活
性が経済的に低下したり、また2種類以上の触媒を用い
るため触媒製造工程が複雑であるなど、種々問題があ
り、二段法に対して経済性で上回る触媒とするためによ
り一層の技術向上が望まれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】我々は、この経済的に有
利であるプロピレン等のオレフィンからアクリル酸等の
不飽和カルボン酸を一段で製造する方法について鋭意検
討した結果、Sbを含有する特定の触媒が非常に高い不
カルボン酸収率を与え、且つ、長時間の使用において安
定に使用できることを見出して本発明に到達した。即
ち、本発明の要旨はオレフィンを複合酸化物触媒の存在
下に気相接触酸化反応させて不飽和カルボン酸を製造す
る方法において、少なくともモリブデン(Mo)、バナ
ジウム(V)及びアンチモン(Sb)を必須成分とする
複合酸化物触媒を使用することを特徴とする不飽和カル
ボン酸の製造方法、に存する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で触媒として用いる複合酸化物は少くともMo、
V及びSbを必須成分とする触媒であれば特に制限され
ないが中でも、Mo、V、Sb、X及びOを必須成分と
する(Xはニオブ、タンタル、タングステン、チタン、
アルミニウム、ジルコニウム、クロム、マンガン、鉄、
ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウ
ム、白金、ビスマス、ホウ素、インジウム、リチウム、
ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、セリウ
ム、及びイットリウムからなる群から選ばれた1種以上
の元素)触媒が好ましく、更には酸素を除く上記必須成
分の合計に対する各必須成分の存在割合が下記式、
【0011】
【数3】 0.25 <r(Mo)<0.98 0.003<r(V) <0.5 0.003<r(Sb)<0.5 0.003<r(X) <0.5
【0012】(但し、r(Mo)、r(V)、r(S
b)及びr(X)はそれぞれ酸素を除く上記必須成分の
合計に対するMo、V、Sb及びXのモル分率を表
す。)であるような複合金属酸化物であるが好ましい。
成分Xとしては、ニオブ、セリウム、タングステン及び
チタンが好ましいが、特にニオブが好ましい。
【0013】本発明における触媒中の前記各金属元素の
含有量(モル分率)としては、r(Mo)は通常0.2
5〜0.98、好ましくは0.35〜0.87であり、
r(V)は通常0.03〜0.5、好ましくは0.04
5〜0.37であり、r(Sb)は0.003〜0.
5、好ましくは0.02〜0.27であり、Xとしては
例えばXがニオブの場合、r(Nb)は通常0.003
〜0.5、好ましくは0.005〜0.35である。特
に本発明で触媒として用いる複合金属酸化物は、その調
製の過程で酸素の不存在下で、焼成するのが好ましい。
具体的には酸素濃度1000ppm以下の不活性ガス雰
囲気、又は真空下において、350〜700℃、好まし
くは500〜650℃で焼成して得られる複合金属酸化
物が好ましい。
【0014】本発明の複合金属酸化物の調製方法には特
に制限はなく、通常の方法により製造することができ
る。例えば、触媒組成として特に好ましいMoabSb
cNbxnの場合、各々の金属元素の原子比が所望の割
合となるような量比でパラモリブデン酸アンモニウム塩
の溶液に過酸化水素を添加し、三酸化アンチモン粉末を
加え、加熱攪拌し溶解させる。室温に冷却後、メタバナ
ジン酸アンモニウム水溶液、シュウ酸二水和物、五酸化
ニオブゾルを添加、混合、乾燥して乾燥固体が得られ
る。乾燥法としては、蒸発乾固法、噴霧乾燥法、凍結乾
燥法等が用いられ、乾燥温度は通常80〜400℃、好
ましくは120〜280℃であり、更に好ましくは16
0〜220℃である。得られた乾燥物は、通常350〜
700℃、好ましくは500〜650℃の温度で、通常
0.5〜30時間、好ましくは1〜10時間焼成して目
的の複合金属酸化物とする。焼成の際、所定の温度に到
達するまでの時間は、数分〜数時間であればよいが3時
間以内が好ましく、1時間以下が更に好ましい。
【0015】焼成処理方法により、得られる複合金属触
媒の性能は大きく影響を受ける。焼成は空気雰囲気中で
行う方法が最も一般的であるが、本複合金属触媒の場
合、焼成の雰囲気をむしろ酸素不存在下とすることが好
ましい。具体的には、酸素濃度1000ppm以下、好
ましくは500ppm以下である窒素、アルゴン、ヘリ
ウム、クリプトン、キセノン、ネオン、二酸化炭素等の
不活性ガス雰囲気中、または真空中で実施される。好ま
しくは窒素又はアルゴン、特に好ましくは窒素雰囲気中
が好ましい。
【0016】また、触媒成分の原料としては上述した金
属塩に限られるものではなく、各元素の酸化物、水酸化
物、ハロゲン化物、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩等の塩類、
あるいは酸化物、水酸化物のゾルを用いることができ
る。例えば、パラモリブデン酸アンモニウム塩の代わり
にはMoO3、MoO2、MoCl5、リンモリブデン
酸、ケイモリブデン酸、Mo(OR)5(Rは炭素数1
から10のアルキル基)、或いはモリブデニルアセチル
アセトナートなどを使用することができ、メタバナジン
酸アンモニウムの代わりには、V25、V24、V
23、バナジルアセチルアセトナート、V(OR)
3(Rは炭素数1から10のアルキル基)、VCl4、或
いはVOCl3などを使用することができ、アンチモン
粉末の代わりに塩化アンチモン、酢酸アンチモン、酒石
酸アンチモンアンモニウム、Sb25、Sb23などが
使用できる。また、Xの原料としてはその硝酸塩、硫酸
塩、酸化物、ハロゲン化物、カルボン酸塩、アルコキシ
ド、アセチルアセトナート、ハロゲン化アンモニウム塩
などを使用することができる。また、これらの金属成分
の原料として有機金属化合物を用いることもできる。更
に、モリブドバナドリン酸のような混合配位のヘテロポ
リ酸を使用してもよい。
【0017】このようにして得られた複合金属酸化物
は、単独でも固体触媒として用いられるが、周知の担
体、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、アルミノシ
リケート、珪藻土、ジルコニアなどと共に使用すること
もできる。触媒の形状も特に規定されるものではない。
更に本発明方法において、オレフィンの酸化反応時に反
応系に水蒸気を供給することにより、アクリル酸等の不
飽和カルボン酸をより高い選択率で得ることができる。
本発明の原料として用いられるオレフィンは、オレフィ
ン性二重結合を少なくとも1つ有するものであればよい
が、通常、炭素数2〜5のオレフィンであり、モノオレ
フィン、特にはα−オレフィンであるのが好ましい。ま
た、本発明で得られる不飽和カルボン酸は、上述したオ
レフィンを気相接触酸化することにより得られる対応す
る不飽和カルボン酸であり、中でも、α,β−不飽和カ
ルボン酸が良い。本発明ではプロピレンを酸化させ、ア
クリル酸を製造する方法に適用するのが最も好ましい。
原料のオレフィンの純度は特に限られるものではなく、
不純物としてメタン、エタン、プロパン当低級アルカン
及び/または空気、一酸化炭素、二酸化炭素等を含有す
るものを用いても何ら問題はない。
【0018】本発明での酸化反応の反応機構の詳細は完
全には明らかになっていないが、上述の酸化物中に存在
する酸素原子、原料供給ガス中に存在させる分子状酸素
により酸化反応が行われる。原料供給ガス中に分子状酸
素を存在させる場合、分子状酸素は純酸素ガスでもよい
が、経済的に有利な空気のような酸素含有ガスを使用す
るのが一般的である。酸化反応時に水蒸気を供給する場
合、通常、水蒸気を含むオレフィンと酸素含有ガスを使
用するが、水蒸気を含むオレフィン、酸素含有ガスとを
交互に供給してもとく、またオレフィンと水蒸気とを別
々に供給してもよい。
【0019】本発明の反応器方式は特に制限はなく、固
定床反応器、流動床反応器、移動床反応器何れも採用で
きる。本反応は発熱反応であるため、なかでも流動床反
応器が反応温度制御は容易であり、また爆発範囲の回避
が容易である。また、本反応は通常、大気圧下で実施さ
れるが、低度の加圧下または減圧下で行うこともでき
る。また、実質的に分子状酸素の量がオレフィンの量に
対して化学量論以下の場合でも、オレフィン、水蒸気及
び希釈ガスを供給ガスとして気相接触反応させることも
できる。このような場合は反応帯より触媒の一部を適宜
抜き出して、使用済の触媒を酸化再生器に送り込み再生
した後、触媒を反応帯に再供給する方法が好ましい。触
媒の再生方法としては、酸素、空気、一酸化窒素等の酸
化性ガスを再生器内触媒に対して、通常、300〜60
0度で流通させる方法が挙げられる。本発明の気相接触
酸化反応に供給する原料ガスのモル分率は、 (プロピレン):(酸素):(希釈ガス):(H2O)
=1:(0.1〜10):(0〜20):(0.2〜7
0) で実施されるのが好ましく、特に好ましいのは、 1:(1〜):(0〜10):(5〜40) である。前記の通り、原料供給ガスを全成分の混合ガス
として供給しない場合にも、反応系に供給される原料供
給ガスの各成分のモル比は上記範囲が好ましい。
【0020】反応系に水蒸気を供給する場合には、原料
を希釈する目的で加えられる窒素、アルゴン、ヘリウム
等の供給の場合とは異なり、アクリル酸等の不飽和カル
ボン酸の選択率が向上し、オレフィンから不飽和カルボ
ン酸を高収率で得ることができる。このように水蒸気を
用いる場合であっても、空間速度と酸素分圧及び水蒸気
分圧を調整するための希釈ガスとして窒素、アルゴン、
ヘリウム等の不活性ガスを使用することは何ら差し支え
ない。
【0021】酸化反応は、通常150〜500℃、好ま
しくは250〜450℃で実施される。また、気相反応
におけるガス空間速度SVは、通常、300〜1500
-1、好ましくは1000〜100000h-1の範囲で
ある。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに詳細に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限りこれら実
施例に限定されるものではない。尚、以下の実施例にお
ける転化率(%)、選択率(%)、収率(%)及び空間
速度は各々次式で示される。
【0023】プロピレンの転化率(%)=(消費プロピ
レンのモル数/供給プロピレンのモル数)×100 アクリル酸選択率(%)=(生成アクリル酸のモル数/
消費プロピレンのモル数)×100 アクリル酸の収率(%)=(生成アクリル酸のモル数/
供給プロピレンのモル数)×100 空間速度SV:単位時間(hr)当たりの供給ガスの総
量(リットル)/触媒の容量(リットル))
【0024】実施例1 仕込みの実験式がMo10.23Nb0.1Sb0.13nで表
される複合酸化物触媒を次のように調製した。パラモリ
ブデン酸アンモニウム 7.1gを100mlビーカー
の水 90mlに溶解し、31%過酸化水素 0.48
gを加える。溶液は黄色になる。三酸化二アンチモン
0.763gを加えて攪拌下80℃で完全に溶解させ
る。完全に溶解した後、加熱をやめ、メタバナジン酸ア
ンモニウム1.08gを加えて溶解し、オレンジ色の均
一溶液を得る。50℃でシュウ酸二水和物 1.3gを
加え溶解させ、10%五酸化ニオブゾル 5.34gを
添加しほぼ透明な溶液を得た。約200℃に加熱した市
販のホットプレート上に、生成した溶液を市販の霧吹き
で噴霧し、乾燥後、速やかにホットプレートから除去し
た。一回の噴霧でホットプレート上に吹き付けられたス
ラリーが乾燥するのに要した時間は約10秒以下であっ
た。得られた乾燥固体を粉砕、380℃空気流通下分解
した後、620℃ 2時間窒素気流下焼成し複合酸化物
触媒を得た。この時窒素中の酸素濃度は200ppmで
あった。上記触媒0.25gを反応器に充填し、反応温
度400℃、空間速度(SV)3600hr-1、プロピ
レン濃度5.5モル%、プロピレン/酸素/H2Oのモ
ル比が1/0.33/13である反応ガスを供給し、気
相酸化反応を行った。結果を表−1に示す。
【0025】実施例2 仕込みの実験式がMo10.23Nb0.1Sb0.09nで表
される複合酸化物触媒を次のように調製した。パラモリ
ブデン酸アンモニウム 7.1gを100mlビーカー
の水 90mlに溶解し、31%過酸化水素 0.42
gを加える。溶液は黄色になる。三酸化二アンチモン
0.529gを加えて攪拌下80℃で完全に溶解させ
る。完全に溶解した後、加熱をやめ、メタバナジン酸ア
ンモニウム1.08gを加えて溶解し、オレンジ色の均
一溶液を得る。50℃でシュウ酸二水和物 1.5gを
加え溶解させ、10%五酸化ニオブゾル 5.34gを
添加しほぼ透明な溶液を得た。約200℃に加熱した市
販のホットプレート上に、生成した溶液を市販の霧吹き
で噴霧し、乾燥後、速やかにホットプレートから除去し
た。一回の噴霧でホットプレート上に吹き付けられたス
ラリーが乾燥するのに要した時間は約10秒以下であっ
た。得られた乾燥固体を粉砕、380℃空気流通下分解
後、620℃ 2時間窒素気流下焼成し、粉砕後、再び
620℃で窒素気流下焼成し複合酸化物触媒を得た。こ
の時窒素中の酸素濃度は200ppmであった。該触媒
0.2gを反応器に充填し、反応温度を360℃とした
こと以外は、実施例1と同様にして気相酸化反応を行っ
た。結果を表−1に示す。
【0026】実施例3 仕込みの実験式がMo10.3Nb0.09Sb0.17nで表
される複合酸化物触媒を次のように調製した。パラモリ
ブデン酸アンモニウム 7.1gを100mlビーカー
の水 90mlに溶解し、31%過酸化水素 0.48
gを加える。溶液は黄色になる。三酸化二アンチモン
0.998gを加えて攪拌下80℃で完全に溶解させ
る。完全に溶解した後、加熱をやめ、メタバナジン酸ア
ンモニウム1.41gを加えて溶解し、オレンジ色の均
一溶液を得る。50℃でシュウ酸二水和物 0.58g
を加え溶解させ、10%五酸化ニオブゾル 4.81g
を添加し、続いて硫酸 0.26gを添加し、ほぼ透明
な溶液を得た。約200℃に加熱した市販のホットプレ
ート上に、生成した溶液を市販の霧吹きで噴霧し、乾燥
後、速やかにホットプレートから除去した。一回の噴霧
でホットプレート上に吹き付けられたスラリーが乾燥す
るのに要した時間は約10秒以下であった。得られた乾
燥固体を粉砕、625℃ 2時間窒素気流下焼成し、粉
砕、打錠後再び625℃で窒素気流下焼成し複合酸化物
触媒を得た。焼成時の窒素中の酸素濃度は200ppm
であった。該触媒0.2gを反応器に充填し、反応温度
が350℃である以外は実施例1と同様に気相酸化反応
を行った。結果を表−1に示す。
【0027】実施例4 仕込みの実験式がMo10.3Nb0.05Sb0.2n/10
%−SiO2で表される複合酸化物触媒を次のように調
製した。90℃に加熱した純水にメタバナジン酸アンモ
ニウム 1.22gを溶解させ、三酸化二アンチモン
1.0gを加えて攪拌下、90〜95℃で6時間熟成さ
せる。6時間後加熱をやめ、常温に冷却する。この溶液
にパラモリブデン酸アンモニウム 6.14gを50℃
で溶解させた水溶液を、次いでシリカゾル(S−20
L) 4.0gを室温で添加する。次いで、50℃でシ
ュウ酸ニオブアンモニウム(スタルク社製:X3NbO
(C243とX3NbO(OH)(C242 の混合
物[ここでX:NH4 +又はH+]、Nb:20.5wt
%、C24:54.0wt%、NH3:5.1wt%)
0.77g、シュウ酸二水和物 0.59gを溶解させ
た水溶液を添加、攪拌後、加熱乾燥させ固体を得る。固
体を粉砕、380℃で空気流通下熱分解後、620℃
2時間、酸素濃度200ppmの窒素気流下焼成し、複
合酸化物触媒を得た。反応温度が380℃である以外は
実施例1と同様に気相酸化反応を行った。結果を表−1
に示す。
【0028】実施例5 仕込みの実験式がMo10.3Nb0.05Sb0.15Ce0.02
nで表される複合酸化物触媒を次のように調製した。
熱水80mlにメタバナジン酸アンモニウム3.51g
を溶解させ、三酸化二アンチモン 2.19gを加えて
攪拌下、90〜95℃で6時間熟成させる。6時間後加
熱をやめ、常温に冷却する。この溶液にパラモリブデン
酸アンモニウム 17.66gを60mlの熱水に溶解
させ常温に冷却した溶液を添加する。次いで、熱水12
mlにシュウ酸ニオブアンモニウム 2.25g、シュ
ウ酸二水和物 1.72gを溶解させ常温に冷却した溶
液を添加する。最後に水酸化物として0.416g相当
のセリアゾルを添加し、攪拌後、加熱乾燥させ固体を得
る。固体を粉砕、380℃で空気流通下熱分解後、62
0℃ 2時間、酸素濃度200ppmの窒素気流下焼成
し、複合酸化物触媒を得た。該触媒0.1gを反応器に
充填したこと以外は実施例1と同様にして気相酸化反応
を行った。結果を表−1に示す。
【0029】実施例6 仕込みの実験式がMo10.3Ti0.05Sb0.13nで表
される複合酸化物触媒を次のように調製した。パラモリ
ブデン酸アンモニウム 10.65gを含む水溶液に、
31%過酸化水素 0.63gを加え、黄色溶液得る。
三酸化二アンチモン 1.15gを加えて攪拌下80℃
で完全に溶解させる。完全に溶解した後、加熱をやめ、
メタバナジン酸アンモニウム 2.1gを加えて溶解
し、オレンジ色の均一溶液を得る。次に、シュウ酸チタ
ンアンモニウム 0.94gを添加、攪拌後、加熱乾燥
させ固体を得る。固体を粉砕、380℃空気下分解後、
600℃ 2時間、酸素濃度200ppmの窒素気流下
焼成し、複合酸化物触媒を得た。該触媒0.25gを反
応器に充填し、反応温度380℃、空間速度(SV)3
600hr-1、プロピレン濃度3.3モル%、プロピレ
ン/酸素/H2Oのモル比が1/0.33/14である
反応ガスを供給し、気相酸化反応を行った。結果を表−
1に示す。
【0030】実施例7 仕込みの実験式がMo10.3Ti0.05Sb0.110.04
nで表される複合酸化物触媒を次のように調製した。パ
ラモリブデン酸アンモニウム 10.65gを含む水溶
液に、31%過酸化水素 0.63gを加え、黄色溶液
を得る。三酸化二アンチモン 0.97gを加えて攪拌
下80℃で完全に溶解させる。完全に溶解した後、加熱
をやめ、メタバナジン酸アンモニウム 2.1gを加え
て溶解し、オレンジ色の均一溶液を得る。次に、シュウ
酸チタンアンモニウム 0.94gを、酸化イットリウ
ム 0.27gを添加、攪拌後、加熱乾燥させ固体を得
る。固体を粉砕、380℃空気下分解後、600℃ 2
時間、酸素濃度200ppmの窒素気流下焼成し、複合
酸化物触媒を得た。反応温度が430℃である以外は実
施例6と同様に気相酸化反応を行った。結果を表−1に
示す。
【0031】
【表1】 上述した実施例において、反応の過程で触媒は安定に存
在した。
【0032】
【発明の効果】本発明の方法により、PdやAuのよう
な高価な貴金属等の元素を用いることなく、安価で且つ
工業規模の入手が容易なアンチモンを必須成分とする一
種類の触媒組成物を用いることにより、アルカンの一段
酸化により高収率で不飽和カルボン酸を製造でき、ま
た、反応中で触媒が安定に存在するため、工業的な利用
価値が高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA02 AA03 AA08 BA02B BB06A BB06B BC02A BC03A BC04A BC05A BC06A BC16A BC18A BC25A BC26A BC26B BC40A BC40B BC43A BC43B BC50A BC50B BC51A BC54A BC54B BC55A BC55B BC56A BC58A BC59A BC59B BC60A BC62A BC66A BC67A BC68A BC70A BC71A BC72A BC75A BD03A CB07 CB17 FA01 FB05 FB29 FB57 4H006 AA02 AC46 BA02 BA08 BA10 BA12 BA13 BA14 BA16 BA19 BA20 BA21 BA24 BA25 BA26 BA30 BC13 BE30 BS10 4H039 CA65 CC30

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィンを複合酸化物触媒の存在下に
    気相接触酸化反応させて不飽和カルボン酸を製造する方
    法において、少なくともモリブデン(Mo)、バナジウ
    ム(V)及びアンチモン(Sb)を必須成分とする複合
    酸化物触媒を使用することを特徴とする不飽和カルボン
    酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 複合酸化物触媒が、Mo、V、Sbに加
    えて、更にXを含む(Xはニオブ(Nb)、タンタル
    (Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、アル
    ミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、クロム(C
    r)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ルテニウム(R
    u)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、ニッケル
    (Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、ビスマ
    ス(Bi)、ホウ素(B)、インジウム(In)、リチ
    ウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、
    ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、セリウム(C
    e)、及びイットリウム(Y)からなる群から選ばれた
    1種以上の元素)請求項1に記載の不飽和カルボン酸の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 酸素を除く必須成分の合計に対する各必
    須成分のモル分率rが下記式で表される複合酸化物触媒
    を用いる請求項2に記載の不飽和カルボン酸の製造方
    法。 【数1】 0.25 <r(Mo)<0.98 0.003<r(V) <0.5 0.003<r(Sb)<0.5 0.003<r(X) <0.5
  4. 【請求項4】 Mo、V及びSb成分の合計に対するS
    b成分のモル分率が下記式で表される複合酸化物触媒を
    用いる請求項1〜3のいずれかに記載の不飽和カルボン
    酸の製造方法。 【数2】0.02<r(Sb)<0.27
  5. 【請求項5】 成分Xが、Nb、Ce、W及びTiから
    なる群から選ばれた1種以上の元素である複合酸化物触
    媒を用いる請求項2〜4のいずれかに記載の不飽和カル
    ボン酸の製造方法。
  6. 【請求項6】 複合酸化物触媒が、各必須成分の原料化
    合物を含む溶液又はスラリーを乾燥し、次いで、酸素濃
    度1000ppm以下の不活性ガス雰囲気下、又は真空
    下、350〜700℃で焼成することにより得られるも
    のである請求項1〜5のいずれかに記載の不飽和カルボ
    ン酸の製造方法。
  7. 【請求項7】 オレフィンが、炭素数2〜5のα−オレ
    フィンである請求項1〜6のいずれかに記載の不飽和カ
    ルボン酸の製造方法。
  8. 【請求項8】 オレフィンがプロピレンであり、不飽和
    カルボン酸がアクリル酸である請求項1〜7のいずれか
    に記載の不飽和カルボン酸の製造方法。
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