JPH07247142A - 製鋼炉ダストを用いたセメント製品の製造方法 - Google Patents

製鋼炉ダストを用いたセメント製品の製造方法

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JPH07247142A
JPH07247142A JP6803794A JP6803794A JPH07247142A JP H07247142 A JPH07247142 A JP H07247142A JP 6803794 A JP6803794 A JP 6803794A JP 6803794 A JP6803794 A JP 6803794A JP H07247142 A JPH07247142 A JP H07247142A
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steelmaking furnace
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Kazuhiko Yamamoto
山本  和彦
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Aichi Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 製鋼炉から発生する集じんダストに製鋼炉還
元性スラグ、フライアッシュ、特殊セメント類、水ガラ
ス、硫酸根を含有する水溶液を有害物質のpH抑制域内と
なる割合で添加し、混練する無害化処理工程と、無害化
処理後のスラリーに温熱水を加え高速攪拌、洗浄、脱水
する脱塩素処理工程と、脱塩素処理後のスラリーに還元
性スラグ、フライアッシュ、硫酸根を含有する水溶液を
有害物質のpH抑制域内となる割合で添加し、混練するセ
メント製品化工程からなるセメント製品の製造方法。 【効果】 脱塩素処理時に廃水処理を省略でき、極めて
低コストで強度の優れたセメント製品の製造が可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低コストで効率良く製
鋼炉ダスト中に含まれる有害物質を無害化し、かつダス
トの有効活用が可能な製鋼炉ダストを用いたセメント製
品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気炉、転炉等の製鋼炉においては、稼
働中に多量のダストが排出される。この多量に発生する
製鋼炉ダストを効率良く製品化する方法は確立されてお
らず、埋め立てもしくは海洋投棄されるのが一般的であ
った。しかしながら、製鋼炉ダスト中には、鉛、カドミ
ウム、六価クロム等の有害物質が多量に含まれており、
埋め立てもしくは海洋投棄する際には、有害物質が周囲
の環境に悪影響を与えないようにすることが不可欠であ
る。特に最近は、鋼の被削性を向上させるために鉛が多
く添加されることから、ダスト中の鉛量が増加する傾向
にある。そのため、製鋼炉ダストを埋め立てもしくは海
洋投棄する際には、種々のバインダを加えて有害物質を
不溶性にすることにより無害化するという対策が行われ
てきた。
【0003】しかし、最近産業廃棄物の溶出基準値が厳
しくなり、一部の地域で総理府令の溶出基準値より厳し
い基準が設けられてきており、従来行われてきた無害化
方法では、効率良く低コストで基準を満足することが難
しくなってきている。
【0004】以下、従来の無害化処理方法および無害固
化によるセメント製品化方法について説明する。第1に
硫化物系バインダにより有害物質を無害化する方法があ
る。しかし、製鋼炉ダストは、発生時期によりpHの値が
変化するため、あらかじめ酸またはアルカリで有害物質
が溶出しにくい範囲にpHを調節しなければ無害化するこ
とができない。また、硫酸第1鉄や硫化ナトリウム等の
硫化物系バインダは固体のため、水溶性であっても反応
に時間を要し、かつ硫化物系バインダを多量に使用する
ため、処理コストが高くなるという欠点がある。
【0005】また、酸化物を含むスラリーに硫酸第1鉄
と水酸化ナトリウムを加えて反応させ、磁性体を製造す
る方法があるが、磁性体として要求される比重は5以上
と、集じんダストの2以下に比べ著しく高いため、集じ
んダストから磁性体を製造しても、要求品質を満足する
ことができないとともに、前述したように処理コストが
高くなるという欠点がある。
【0006】第2に、金属イオン隠蔽剤として、錯塩を
作るために2〜4価ナトリウム塩を改良したものが用い
られているが、鉛、カドミウム等の有害物質を多量に含
有する製鋼炉ダストを処理する場合には、隠蔽剤を多量
に加えないと十分な効果を得ることができず、低コスト
で溶出基準値を満足することは困難である。
【0007】第3に、樹脂類およびこれらに複合添加物
を加えたバインダによる処理方法がある。しかし、この
方法も第2の方法と同様に有害物質の多い製鋼炉ダスト
を処理するには多量にバインダを添加することが必要と
なり、コスト高となるため、実際の適用は難しい。
【0008】第4に、硫黄剤による無害、固化方法があ
る。この方法は製鋼炉ダストに30〜50%混合して、約 1
20℃の温度で溶融させ固形化し、鉛を無害化する方法で
あるが、十分に無害化することが困難であり、多量に硫
黄剤を使用するため、コスト高になるとともに、燃焼時
にSO2 が発生するという問題がある。
【0009】第5にダストに無機硬化剤を添加して無害
固化し、路盤材に利用する方法がある。しかし、ダスト
からこの方法によって作られた路盤材は品質面、コスト
面で問題があるため、広く実施されるには到っていない
のが現状である。
【0010】第6に、一般のセメントを用いることによ
り、無害固化し製品化する方法があるが、セメントの添
加によりCaO が多くなった場合には、高pHとなって、有
害物質が溶出するとともに、必要な強度を得ることが難
しく、セメントの利用によりコストが高くなる。
【0011】第7に、特公昭61-50671号公報に開示され
ている無害化処理方法がある。この公報に記載の方法
は、製鋼炉ダストに製鋼炉還元性スラグと硫酸根を含有
する水溶液を混合して無害化する方法であり、後述する
本発明の無害化処理工程の一方法と類似しているが、本
発明のようにセメント製品化するまでの一連の工程が開
示されていない。
【0012】第8に特開昭59-39756号公報に開示されて
いる方法がある。この公報には、CaやAl酸化物に硫酸根
を含有する水溶液を加えて硬化組成物を製造する方法が
記載されているが、有害物質、塩素の処理方法に関する
記載がなく、有害物質、塩素を含む製鋼炉から発生する
集じんダストには、そのまま適用することができない。
【0013】このように、電気炉ダスト中には有害物質
が多く含まれているため、従来の方法では、無害化が十
分にできなかったり、無害化できたとしても多額のコス
トがかかるという欠点があった。また、現在埋め立てや
投棄している中で、新しい投棄場所の確保も困難な状況
になりつつあり、低コストで効率良く無害化でき、かつ
製品化を可能にすることによって、埋め立てや投棄量を
削減できる新しい方法の確立が強く望まれていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、従来
の方法により製鋼炉ダストを無害化する場合、溶出基準
値を満足するには、多量のバインダを添加する必要があ
り、コスト高となる問題があった。
【0015】また、品質の良いセメント製品とするため
には、強度の要求値をクリアする必要があるが、ダスト
組成だけではCaO 、SiO2等の酸化物の量が不足する場合
が多く、水硬性が十分に得られず、CaO を添加しすぎる
と、高pHとなって、有害物質が溶出する危険性がある。
従って、CaO やSiO2をバランス良く加えて、硬化強度を
向上させる必要がある。
【0016】CaO の影響だけでなく、Na、K のアルカリ
物質が多くても骨材反応等のひび割れなどを引き起こし
やすいとされており、後述する塩素とともに、これらの
物質も除去しなければばらない。
【0017】さらに、ダスト中にはセメント製品化時に
鉄筋等を用いた時、発錆要因となったり、クラック発生
の原因となる塩素が含有している。従って、セメント製
品を製造するには、塩素を除去する必要があるが、鉛等
の有害物質の無害化が十分でない状態で塩素を除去する
処理(以下、脱塩素処理と記す)を行うと、有害物質が
廃水中に溶出し、廃水処理が必要になり、コスト高とな
るとともに、作業性、生産性も著しく悪化する。
【0018】本発明は、有害物質を多量に含有する製鋼
炉ダストを低コストで効率良く無害化処理することがで
き、廃水処理を行うことなく脱塩素処理が可能であり、
かつ強度の優れたセメント製品の製造が可能な方法を提
供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】従来技術では、pHを調整
しながら固体のバインダを使っているため、コスト高に
なる点を指摘してきた。本発明では、反応を促進させる
のは固体より液体の方が濡れ性、親和性に優れているこ
とで、まず硫酸根を含有する水溶液を選択した。従来、
硫酸根を含有する水溶液はpH調整用として使用されてき
たが、本発明では、無害化処理のための1バインダとし
て使用できる点に着目し、これをベースにしていること
に特徴がある。
【0020】次に、本発明の特徴としている点は、硫酸
根を含有する水溶液をベースにした反応熱と、混練時の
摩擦熱を利用し、ダスト中の鉄酸化物をマグネタイト化
し、有害物質をその中に結合させて無害化する反応を促
進させていることである。
【0021】さらに、本発明者は、従来の方法が高価な
バインダを多量に使うことによって、コスト高となって
いたことを考え、できるだけ高価なバインダを使用しな
い方法がないかについて鋭意検討を行った。その結果、
無害化の対象となる製鋼炉ダスト以外に製鋼時に発生す
る還元性スラグ、火力発電所にて多量に発生するフライ
アッシュ等、低コストで多量に入手可能なバインダを利
用するとともに、前記硫酸根を含有する水溶液としては
鋼材の酸洗時に発生する廃硫酸等を利用することによっ
て、前述した従来方法に比べ著しく低コストで無害化で
きる方法を見出したものである。
【0022】また、無害化処理後に脱塩素処理を行うこ
とによって、廃水中に溶出する有害物質の量を法定溶出
基準値以下の極めて少量に抑えることができ、廃水処理
を省略できることを見出したものである。
【0023】さらに、水硬性を高めるのに必要なSiO2
CaO が含まれているフライアッシュ、製鋼炉還元性スラ
グを混合することにより、一般セメント以上の硬化強度
を有するセメント製品の製造が可能なことを見出したも
のである。
【0024】また、塩素、Na、K の含有率が低く、脱塩
素処理の必要がないダストを処理する場合には、前記し
た無害化処理、脱塩素処理を行うことなく、フライアッ
シュ、製鋼炉還元性スラグ、硫酸根を含有する水溶液を
添加することにより、有害物質の溶出を抑えつつ強度の
優れたセメント製品の製造が可能なことを見出したもの
である。
【0025】以上説明した検討を行った結果得られた本
発明のセメント製品の製造方法は、有害物質の無害化処
理をする工程と、脱塩素処理をする工程と、固化させて
セメント製品を得る工程の3つの工程(脱塩素処理が必
要ない場合は、セメント製品を得る1工程のみ)からな
るものであり、
【0026】製鋼炉から排出される集じんダストをpHの
値別に分けて準備し、高pHダストと低pHダストに水また
は温熱水を有害物質のpH抑制域内に入る割合で加えて混
練する有害物質の無害化処理工程と、無害化処理後のス
ラリーに温度が60〜100 ℃の温熱水を加え、高速攪拌お
よび洗浄、脱水する脱塩素処理工程と、脱塩素処理後の
スラリーに製鋼炉還元性スラグと硫酸根を含有する水溶
液の2種か、あるいは製鋼炉還元性スラグ、フライアッ
シュ、硫酸根を有する水溶液の3種を有害物質のpH抑制
域内に入る割合で加えて混練するセメント製品化工程か
らなることを特徴とする製鋼炉ダストを用いたセメント
製品の製造方法を第1発明とし、
【0027】製鋼炉から排出される集じんダストに、硫
酸根を含有する水溶液を有害物質のpH抑制域内に入る割
合で加えて混練することからなる有害物質の無害化処理
工程と、請求項1記載の脱塩素処理工程およびセメント
製品化工程からなることを特徴とする製鋼炉ダストを用
いたセメント製品の製造方法を第2発明とし、
【0028】製鋼炉から排出される集じんダストに、フ
ライアッシュ、製鋼炉還元性スラグの2種か製鋼炉還元
性スラグの1種と、硫酸根を含有する水溶液を有害物質
のpH抑制域内に入る割合で加えて混練する有害物質の無
害化処理工程と、請求項1記載の脱塩素処理工程および
セメント製品化工程からなることを特徴とする製鋼炉ダ
ストを用いたセメント製品の製造方法を第3発明とし、
【0029】第3発明における無害化処理工程において
添加するフライアッシュ、製鋼炉還元性スラグの一部又
は全部の代わりに、シリカセメント、アルミナセメン
ト、シリカ微粉末、石膏のうちの1種又は2種以上を添
加することを特徴とする製鋼炉ダストを用いたセメント
製品の製造方法を第4発明とし、
【0030】製鋼炉から排出される集じんダストに水ガ
ラス、カルシウムシリケートの2種と、硫酸根を含有す
る水溶液を有害物質のpH抑制域内に入る割合で加えて混
練する有害物質の無害化処理工程と、請求項1記載の脱
塩素処理工程およびセメント製品化工程からなることを
特徴とする製鋼炉ダストを用いたセメント製品の製造方
法を第5発明とし、
【0031】製鋼炉から排出される集じんダストに製鋼
炉還元性スラグと硫酸根を含有する水溶液の2種か、あ
るいは製鋼炉還元性スラグ、フライアッシュ、硫酸根を
有する水溶液の3種を有害物質のpH抑制域内に入る割合
で加えて混練するセメント製品化工程からなることを特
徴とする製鋼炉ダストを用いたセメント製品の製造方法
を第6発明とする6つの発明よりなるものである。
【0032】まず、最初に有害物質の無害化処理工程に
ついて説明する。第1の方法は、集じんダストをpHの高
いものと低いものに分けて保管しておき、高pHダストと
低pHダストに水又は温熱水を有害物質のpH抑制域内に入
る割合で加えて混練することを特徴とする。
【0033】集じんダストは、発生位置、時期によって
pHがばらつき、さまざまなpH値を有するダストが発生す
る。しかしながら、pH値を有害物質が溶出しにくい値に
調節しなければ、無害化は不可能であり、この点が従来
方法における処理を複雑にし、コストアップの要因とな
ってきた。本発明者は、鋭意研究を進めた結果、後述す
る実施例1に示されるように、適切なpHのダストであれ
ば有害物質がほとんど溶出しないという知見を得たた
め、pHがばらつくことを逆に利用し、pH値の高いダスト
とpHの低いダストを混合し、pHを適正な値に調整する方
法を着想したものである。しかし、単に混合するだけで
はマグネタイト化の反応が弱く品質が安定しないという
欠点がある。そこで本発明者は、ダストを混合した後、
水又は温熱水を加えて混練したり、混練機を摩擦熱が利
用できるタイプにしたり、混練機のジャケット内に温熱
水が通るようにしたりして反応の促進を図るという改善
を行った。この混合によって、ダスト中に含まれる鉄酸
化物がマグネタイト化し、その中に有害物質を結合させ
ることにより、無害化することができる。なお、摩擦熱
の利用可能な混練機の使用や、混練機のジャケット内に
温熱水を通す等の方法は、後述する全ての方法における
混練時において、反応促進のために利用することができ
る。
【0034】第2の方法は、集じんダストに硫酸根を含
有する水溶液を有害物質のpH抑制域に入るような割合で
加えて混練し、無害化する方法である。有害物質を含む
ダスト中に硫酸根を含有する水溶液を添加すると、ダス
ト中の有害物質が硫化物に変化(例えば鉛の場合、PbSO
4 に変わる。) する。硫化物に変化しても、pH抑制域外
では、無害化が不十分であり、有害物質が溶出するが、
pHが比較的高い集じんダストを処理する場合には、硫酸
根を含有する水溶液のみでpHの調整が可能であり、十分
に無害化処理が可能である。従来、硫酸根を含有する水
溶液は単なるpH調整用として用いられていたが、本発明
では無害化するためのバインダの一つとして利用してい
る点に特徴がある。
【0035】硫酸根を含有する水溶液の添加に加え、前
述と同様に混練機の摩擦熱を利用することによって、反
応を活発化させ、第1の方法と同様にダスト中の鉄酸化
物がマグネタイト化し、その中に有害物質が結合するこ
とによって無害化を達成することができる。例えば鉛の
場合には、次の式からなる反応によりマグネタイト化
し、無害化される。 3Fe2+ + Pb2++6OH- → PbFe3O4+2H2O+H2
【0036】また、前述したように、従来硫酸第1鉄や
硫化ナトリウムのような固体のバインダを使う方法が行
われていたが、硫酸根を含有する水溶液は固体のバイン
ダに比べ濡れ性、親和性に優れているため、短時間での
処理が可能となる。
【0037】しかしながら、pHの低い集じんダストに硫
酸根を含有する水溶液を添加すると、pHはさらに低くな
り、有害物質が溶出してしまうこととなる。そこで、そ
の場合には、CaO を多量に含有する製鋼炉還元性スラグ
を添加することにより、有害物質のpH抑制域内に調整す
ることが可能となり、有害物質の溶出を防止しつつ、無
害化を達成することができる。また、製鋼炉還元性スラ
グに加え、フライアッシュも合わせて添加しても良い。
この方法を第3の方法とする。
【0038】製鋼炉還元性スラグ、フライアッシュはと
もに極めて低コストであるため、従来の方法に比べ著し
く低コストで無害化処理することが可能となる。硫酸根
を有する水溶液を添加すると、第2の方法で説明したの
と同様に有害物質はマグネタイト化し、有害物質は鉄酸
化物中に結合し、無害化が達成される。
【0039】第4の方法は、第3の方法において添加さ
れる還元性スラグ、フライアッシュの一部又は全部の代
わりに、シリカセメント、アルミナセメント、シリカ微
粉末、石膏のうちの1種又は2種以上を添加する方法で
ある。
【0040】シリカセメント、アルミナセメント、シリ
カ微粉末、石膏を添加するのは、無害化反応に必要なC
a、Al、Siの酸化物の量を調節し、無害化処理の効率を
高めたり、最終製品の強度等の品質を向上するのに効果
があるからである。但し、これらの特殊セメント類は価
格が高いため、必要最小限の量とするのが望ましい。
【0041】第5の方法は、集じんダストに水ガラス、
カルシウムシリケートの2種と、硫酸根を含有する水溶
液を有害物質のpH抑制域内に入る割合で添加し、混練す
る方法である。この方法で、水ガラスに媒溶剤としてカ
ルシウムシリケートを加えている理由は、緻密な硬化物
を作ってセメント製品化後の強度を高めるためである。
【0042】この方法においても、硫酸根を含有する水
溶液を添加するのは、単なるpHの調節だけでなく、無害
化反応を活発化させ、有害物質をマグネタイト化した鉄
酸化物に結合させるためである。
【0043】以上、5つの方法のうち、第2〜5の方法
で使用する硫酸根を含有する水溶液としては、市販の希
硫酸を用いても良いが、例えば鉄鋼業においてスケール
を除去するための酸洗に用いる硫酸の廃液を用いること
により、非常に安価で処理することができる。但し、有
害物質の含まれていない無害の廃硫酸を用いることが必
要である。
【0044】以上説明した無害化処理の中で、繰返し記
載している有害物質のpH抑制域とは、鉛で8.0 〜10.5
(セメント類が加えられた場合は8.0 〜11.0) 、カドミ
ウム、六価クロムで8.5 〜11.0の範囲内となる。従っ
て、有害物質の溶出基準値を満足するためには、下限値
を8.5 、上限値を10.5とすることが必要となる。
【0045】しかし、本発明の無害化処理では、ダスト
中の鉄酸化物をマグネタイト化した中に有害物質を結合
させており、この反応によって前記したpH抑制域を拡大
させることができる。この反応は混練時の温度を高める
ことによって促進させることができ、反応による効果を
得るには、混練時の温度を50℃以上、pH抑制域の拡大に
寄与するためには、65℃以上とすることが好ましい。従
って、高温域ではpH抑制域の範囲が拡大する。例えば、
混練温度を70℃、80℃とした場合には、pH抑制域が8.2
〜11.3、7.5 〜12.5と拡大していく。そして、この結合
反応によりスピネル化したものは、常温になり、外的環
境によってpH抑制域外の状態におかれても、有害物質が
溶出する心配がない。
【0046】次に、脱塩素処理工程について説明する。
脱塩素処理工程では発錆に影響のある塩素の他、アルカ
リ骨材反応によるひび割れ等に影響するNa、K も同時に
除去する。この工程では、前記した無害化処理の終了し
たスラリーを用い、これに60〜 100℃の温度の温熱水を
加え高速攪拌し、洗浄、脱水する。
【0047】なお、集じんダストは造粒した方が飛散し
にくく運搬が容易であるが、造粒すると、ダスト中のCa
O の量が多い場合、強固に固形化することがあり、造粒
物の内部まで均一に塩素を取り除くことが困難となるの
で、造粒せず、粉末のままのダストを処理する方が好ま
しい。また、無害化処理時に用いた硫酸根を含有する水
溶液は、塩素の除去を容易にする効果があり、脱塩素処
理時間の短縮に寄与している。
【0048】温熱水の温度を60〜100 ℃としたのは、60
℃未満では脱塩素処理時間が長くなるとともに多量の温
熱水が必要となるためであり、100 ℃を超えると、有害
物質の1つである六価クロムが溶出する危険性があるか
らである。温熱水は、工場で発生する廃温熱水を利用す
ると、より低コストでの処理が可能となる。
【0049】最後に、セメント製品化工程について説明
する。製品化工程では、脱塩素処理後のスラリーを用い
(脱塩素処理の必要がない場合は集じんダストを用い
る。)、これに製鋼炉還元性スラグ、硫酸根を含有する
水溶液の2種か前記2種にフライアッシュを加えた3種
を有害物質のpH抑制域の範囲内に入る割合で添加し、混
練する。
【0050】製鋼炉ダスト中のCaO 、SiO2量は、高pHダ
ストと低pHダストで多少の差はあるが、セメント製品化
後に十分な強度を得るには少ない場合が多く、硬化反応
が弱い。そこで、製鋼炉還元性スラグ、フライアッシュ
を加えてCaO 、SiO2を補充するとともに、硫酸根を含有
する水溶液を加えて反応を刺激することにより、優れた
強度を有するセメント製品の製造が可能となる。これら
のバインダを集じんダストに添加することにより、アリ
ット(3CaO・ SiO2) や、エトリンガイド(3CaO・ Al2O3
・ PbFe3O4 ・3CaSO4 ・31 〜34H2O)状の緻密で強固な酸化
物の集合体が形成され、硬化していると推定される。
【0051】なお、硬化後に得られる強度は、処理する
製鋼炉ダストの量に対する製鋼炉還元性スラグの添加量
の比率によって調整することができる。製鋼炉還元性ス
ラグの添加量を増加すれば、強度を高めることができる
が、還元性スラグは多量のCaO を含んでいるため、有害
物質のpH抑制域内に調整するには、硫酸根を含有する水
溶液の濃度を高めたり、増量する必要があり、コスト高
となる。従って、要求品質に応じて添加量を適切に調整
することが必要である。
【0052】また、空隙率を下げることによっても強度
向上を図ることができ、本工程で加える製鋼炉還元性ス
ラグ及びフライアッシュを集じんダストと同程度の細粒
物を選択したり、真空押出成形等の機械的な加圧成形を
採用することによって、空隙率を下げれば、強度を向上
することができる。圧縮強度は、無加圧の状態で70kgf/
cm2 以上の強度を得ることができ、後述の実施例に示す
ように、100kgf/cm2程度の圧力を成形時に負荷すること
により、一般セメントを用いた場合と同等以上の強度を
得ることができる。圧力を上げれば強度を向上すること
ができるので、負荷する圧力は対象となる製品の要求品
質に応じて適切な圧力を選択すれば良い。例えば強度が
70kgf/cm2 以下の強度しか要求されていない場合には、
無加圧で製品を製造することが可能である。さらに、加
圧成形機と混練機を連動させることによって、連続化し
た低コスト製造が可能となる。
【0053】なお、脱塩素処理の必要のない集じんダス
トを処理する場合には、前述した無害化処理及び脱塩素
処理は行う必要がなく、このセメント製品化工程のみ実
施することによって、無害化も同時に行うことができ
る。
【0054】
【作用】本発明のセメント製品化方法は、無害化処理工
程、脱塩素処理工程、セメント製品化工程の3つの工程
か、セメント製品化工程の1つの工程からなる。無害化
処理工程では、集じんダストに前述の各種バインダを有
害物質のpH抑制域の範囲内となるよう添加し、混練す
る。機械的には、混練機の摩擦熱等で反応を促進させる
ことによって、ダスト中の鉄酸化物をマグネタイト化
し、有害物質を結合させて無害化する。
【0055】塩素、Na、K を除去する脱塩素処理工程で
は、温熱水を加え高速攪拌し洗浄、脱水するが、無害化
処理工程において、有害物質が無害化されているので、
廃水中への溶出を、溶出基準値以下に抑えることがで
き、廃水処理を省略できる。
【0056】最後のセメント製品化工程では、脱塩素処
理後のスラリーに、フライアッシュ、還元性スラグ、硫
酸根を有する水溶液を有害物質のpH抑制域の範囲内とな
る割合で加えて混練し、必要に応じて加圧成形する。こ
の3工程により強度に優れ、低コストのセメント製品が
製造される。
【0057】また、脱塩素処理を必要としない集じんダ
ストの場合は、無害化処理工程、脱塩素処理を省略で
き、セメント製品化工程のみで、無害化を同時に達成す
ることができる。
【0058】
【実施例】以下に本発明の特徴を実施例により明らかに
する。 (実施例1)まず、集じんダストのpHの違いによって有
害物質の溶出量がどのように変化するかを調査した実施
例について説明する。表1、2は、溶出液のpHが6.92〜
12.45 の値を示した集じんダストの化学成分及び溶出試
験結果を示したものである。低pHのダストはCaO の割合
が低く、高pHのダストは、逆に高くなっている。溶出試
験はJIS-K0121 に準じて行ったものである。(後述する
溶出試験結果も全て同じ方法によるものである。)ま
た、全てのダストについて本発明で開示していた無害化
処理は行っていない。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】この結果から明らかなように、pHが9.48
と、本発明の製造方法におけるpH抑制域の範囲内である
ダストNo.2については、他のダストと同様に鉛等の有害
物質を含有しているにもかかわらず、有害物質の溶出量
が法定溶出基準を満足していることがわかる。従って、
無害化処理を行わなくても、適切なpH値のダストであれ
ば、有害物質はほとんど溶出しないことがわかる。本発
明の第1の発明で開示した無害化処理方法は、この結果
をもとに発明を完成したものである。
【0062】(実施例2)次に本発明の無害化処理によ
る効果を調査した実施例について説明する。表3、4に
本実施例に使用した集じんダストの化学成分及び無害化
処理前の有害物質の溶出量を示す。表3に示した化学成
分を有する集じんダストを用い、表5に示す配合割合で
混練して無害化処理を行い、溶出試験を行った。その結
果を表7に示す。なお、本試験で用いたフライアッシ
ュ、製鋼炉還元性スラグの化学成分を表6に示す。
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
【表6】
【0067】
【表7】
【0068】表7から明らかなように、本発明による無
害化処理を行うと、全ての場合について、法定溶出基準
を満足する結果が得られることがわかる。
【0069】(実施例3)次に、鉄酸化物をマグネタイ
ト化し、有害物質を結合させる反応を促進させることに
より、pH抑制域を拡大できることを確認するため、混練
時の温度を混練機の摩擦熱等を利用して約80℃とし、8.
5 〜10.5の範囲から若干はずれたpH値となる割合で混練
した場合についての実施例を示す。配合割合を表8、溶
出試験結果を表9に示す。
【0070】
【表8】
【0071】
【表9】
【0072】表9から明らかなように、温度を高めて混
練することにより、マグネタイト化反応が促進され、pH
抑制域が拡大し、pHが7.82〜8.5 未満、10.5超え〜11.5
4 の範囲でも有害物質の溶出量を溶出基準値以下に抑え
ることが可能なことがわかる。
【0073】(実施例4)次に脱塩素処理工程の実施例
について説明する。pHの高いダストと低いダストについ
て、無害化の有無別で比較した。無害化処理は、比較的
低コストで処理できる高pHダストと低pHダストの混練と
高pHダストに硫酸根を含有する水溶液による混練の2方
法について実施し、処理したスラリーを用いて脱塩素処
理を施した。脱塩素処理は、10℃の冷水または80℃の温
熱水を加えて高速攪拌し、洗浄、脱水することにより行
い、処理後の塩素量及び全アルカリ量(温熱水による場
合のみ測定)と、廃水への有害物質溶出量を調査した。
結果を表10に示す。
【0074】
【表10】
【0075】表10から明らかなように、無害化処理の
有無に関係なく、塩素及びNa、K 等のアルカリ物質を除
去することは可能であるが、No.24 、25のように、無害
化処理を行った後に脱塩素処理する場合には、廃水中の
有害物質の溶出量を基準値以下に抑えることができ、廃
水処理が不要となることがわかる。
【0076】また、冷水に比べ、温熱水を用いた場合に
は脱塩素処理能力が高まり、2回の洗浄で狙いの塩素濃
度である0.010%以下を達成することができた。無害化処
理別でみると、硫酸根を含有する水溶液で混練したスラ
リーの脱塩素処理後の結果が若干優れていることがわか
る。この理由は、ダスト粒子に付着しているとみられる
塩素が硫酸により溶解され、離脱を容易にしていると推
定される。そして、その結果短時間処理が可能となるこ
とがわかる。なお、本発明で開示している他の無害化処
理を行ったスラリーについても同様の調査を行った結
果、廃水処理をすることなく脱塩素処理が可能であるこ
とが確認できた。
【0077】(実施例5)最後にセメント製品化処理の
実施例について説明する。前の実施例で使用した集じん
ダストのうち、No.12 のダストを用い、これにフライア
ッシュ、還元性スラグ、硫酸、水を表11に示す割合で
混練し、100kgf/cm2の圧力で加圧成形した試験片及び無
加圧の試験片について、7日後(加圧成形の場合のみ測
定)、28日後の気乾圧縮強度をJISR5201の試験方法に基
づいて測定した。表12にはその結果を示す。なお、従
来のセメント製品との強度比較をするために、従来のセ
メントによる圧縮強度の日本工業規格値(JISR5210,R521
1)を比較として示した。
【0078】
【表11】
【0079】
【表12】
【0080】表12から明らかなように、本願発明の方
法により製造したセメント製品は、加圧成形することに
よって、従来のセメント製品と同等ないしそれ以上の圧
縮強度が得られることがわかる。また、加圧成形しなく
ても、70kgf/cm2 以上の圧縮強度を得ることができるの
で、路盤材等の強度の要求値の低い製品には、無加圧で
要求水準を満足する製品の製造が可能である。
【0081】また、表12の結果より、フライアッシュ
を添加したものと、添加しないものを比較すると、両者
の強度はほぼ同等であることがわかる。これは、製鋼炉
ダスト、還元性スラグ、硫酸根を含有する水溶液の混練
によって、エトリンガイト状の緻密で強固な酸化物の集
合体が形成され、結合性に寄与しているためと推定され
る。
【0082】なお、表11において、還元性スラグの添
加量を 250重量部以上としているのは、250 重量部未満
では反応が弱く、強度が低下するためである。本実施例
から明らかなように、還元性スラグを増加すると強度を
向上することができるが、有害物質のpH抑制域内に調節
するためには、硫酸根を含有する水溶液の濃度を上げた
り、添加量を増加する必要があり、コストが増加し、作
業性にも影響が生じるので注意が必要となる。しかしな
がら、対象となる製品によって要求品質は変化するの
で、製品に応じて最適な添加割合を選択することが必要
である。
【0083】なお、本実施例では試験を簡単にするた
め、無害化及び脱塩素処理したスラリーではなく、前記
処理がされてない集じんダストを用いている。そして、
セメント製品化工程では、製鋼炉還元性スラグ、フライ
アッシュ、硫酸根を有する水溶液を添加するため、無害
化処理の説明で記載したように、無害化が達成され、表
12に示すように、有害物質の溶出量は全て法定基準値
以下に抑えることができる。従って、脱塩素処理に必要
がない集じんダストを処理する場合には、無害化処理、
脱塩素処理を省略することができる。また、ここでは実
施例を示していないが、無害化処理、脱塩素処理を行っ
たスラリーを用いてセメント製品を製造するという本発
明の3つの工程を全て施した実験も行ったが、スラリー
や添加材の配合量を適切に調整することにより、表12
と同様に優れた強度を確保できることが確認できた。
【0084】
【発明の効果】本発明のセメント製品化方法は、異なる
集じんダストを混合したり、製鋼炉還元性スラグ、フラ
イアッシュといった低コストで多量に準備することがで
きるバインダを用いて処理を行うので、従来の方法に比
べ極めて低コストで無害化処理が可能となる。
【0085】また、無害化処理後に脱塩素処理を行うこ
とによって、脱塩素処理時に発生する廃水の処理を省略
することができる。
【0086】さらに、製鋼炉還元性スラグ、フライアッ
シュには、水硬性を高めるのに必要なSiO2、CaO 等を含
んでいるため、通常のセメントと同等以上の強度を有す
るセメント製品を低コストで得ることができる。従っ
て、鋼材の製造時に多量に発生するダストを効率良く処
理し、かつ製品化することが可能となる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製鋼炉から排出される集じんダストをpH
    の値別に分けて準備し、高pHダストと低pHダストに水ま
    たは温熱水を有害物質のpH抑制域内に入る割合で加えて
    混練する有害物質の無害化処理工程と、無害化処理後の
    スラリーに温度が60〜100 ℃の温熱水を加え、高速攪拌
    および洗浄、脱水する脱塩素処理工程と、脱塩素処理後
    のスラリーに製鋼炉還元性スラグと硫酸根を含有する水
    溶液の2種か、あるいは製鋼炉還元性スラグ、フライア
    ッシュ、硫酸根を有する水溶液の3種を有害物質のpH抑
    制域内に入る割合で加えて混練するセメント製品化工程
    からなることを特徴とする製鋼炉ダストを用いたセメン
    ト製品の製造方法。
  2. 【請求項2】 製鋼炉から排出される集じんダストに、
    硫酸根を含有する水溶液を有害物質のpH抑制域内に入る
    割合で加えて混練することからなる有害物質の無害化処
    理工程と、請求項1記載の脱塩素処理工程およびセメン
    ト製品化工程からなることを特徴とする製鋼炉ダストを
    用いたセメント製品の製造方法。
  3. 【請求項3】 製鋼炉から排出される集じんダストに、
    フライアッシュ、製鋼炉還元性スラグの2種か製鋼炉還
    元性スラグの1種と、硫酸根を含有する水溶液を有害物
    質のpH抑制域内に入る割合で加えて混練する有害物質の
    無害化処理工程と、請求項1記載の脱塩素処理工程およ
    びセメント製品化工程からなることを特徴とする製鋼炉
    ダストを用いたセメント製品の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3における無害化処理工程におい
    て添加するフライアッシュ、製鋼炉還元性スラグの一部
    又は全部の代わりに、シリカセメント、アルミナセメン
    ト、シリカ微粉末、石膏のうちの1種又は2種以上を添
    加することを特徴とする製鋼炉ダストを用いたセメント
    製品の製造方法。
  5. 【請求項5】 製鋼炉から排出される集じんダストに水
    ガラス、カルシウムシリケートの2種と、硫酸根を含有
    する水溶液を有害物質のpH抑制域内に入る割合で加えて
    混練する有害物質の無害化処理工程と、請求項1記載の
    脱塩素処理工程およびセメント製品化工程からなること
    を特徴とする製鋼炉ダストを用いたセメント製品の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 製鋼炉から排出される集じんダストに製
    鋼炉還元性スラグと硫酸根を含有する水溶液の2種か、
    あるいは製鋼炉還元性スラグ、フライアッシュ、硫酸根
    を有する水溶液の3種を有害物質のpH抑制域内に入る割
    合で加えて混練するセメント製品化工程からなることを
    特徴とする製鋼炉ダストを用いたセメント製品の製造方
    法。
JP6803794A 1994-03-10 1994-03-10 製鋼炉ダストを用いたセメント製品の製造方法 Pending JPH07247142A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100376155B1 (ko) * 2000-05-31 2003-03-28 김경환 제철강의 더스트 및 폐수의 슬러지를 이용한 시멘트의 제조방법
KR100469589B1 (ko) * 2001-05-30 2005-02-02 유정근 슬래그 및/또는 더스트로부터 염소성분을 제거하는 방법
KR101366836B1 (ko) * 2012-11-12 2014-02-26 (주)남광 슬래그 더스트를 이용한 무기 바인더 조성물 및 이의 제조방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100376155B1 (ko) * 2000-05-31 2003-03-28 김경환 제철강의 더스트 및 폐수의 슬러지를 이용한 시멘트의 제조방법
KR100469589B1 (ko) * 2001-05-30 2005-02-02 유정근 슬래그 및/또는 더스트로부터 염소성분을 제거하는 방법
KR101366836B1 (ko) * 2012-11-12 2014-02-26 (주)남광 슬래그 더스트를 이용한 무기 바인더 조성물 및 이의 제조방법

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