JPH07244400A - 静電荷像現像用カラートナー、現像剤及び画像製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用カラートナー、現像剤及び画像製造方法

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JPH07244400A
JPH07244400A JP6032728A JP3272894A JPH07244400A JP H07244400 A JPH07244400 A JP H07244400A JP 6032728 A JP6032728 A JP 6032728A JP 3272894 A JP3272894 A JP 3272894A JP H07244400 A JPH07244400 A JP H07244400A
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toner
resin
color toner
vinyl
image
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JP6032728A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Fujii
徹也 藤井
Yugo Kumagai
雄五 熊谷
Osamu Higashida
修 東田
Chiaki Okada
千秋 岡田
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ビニル系単量体を重合して得られるビニル系
重合体であってゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ーでのクロマトグラムで分子量1000以下の成分を樹
脂中に3重量%以上含むビニル系樹脂、非金属4級アン
モニウム塩、アニオン部が金属錯体構造である金属含有
4級アンモニウム塩及び着色剤を含有してなる静電荷像
現像用カラートナー。 【効果】 画像濃度やかぶり等の画像品質及び定着特性
に優れ、トナー飛散が発生しないカラー画像を、高速印
刷や長時間の繰り返し使用においても維持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真や静電記録な
どにおいて、感光体表面に形成された静電荷像を顕像化
する静電荷像現像用カラートナー、該カラートナーを用
いた現像剤及び画像製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式は、米国特許第2,29
7,691号明細書、英国特許第1,165,406号
明細書及び同第1,165,405号明細書に記載され
ているように、光導電性物質を利用した感光体上へ一様
な静電荷を与える帯電工程、光を照射して静電潜像を形
成させる露光工程、潜像部分にトナーを付着させる現像
工程、トナー像支持体に転写させる転写工程、該トナー
像を熱、圧力、フラッシュ光等で像支持体に固着させる
定着工程、感光体上に残存したトナーを除去する清掃工
程及び感光体上の静電荷を除き、初期状態に戻す除電工
程からなり、これらの工程が繰り返されて幾枚もの印刷
物が得られる。
【0003】電子写真の分野に使用される静電荷像現像
用乾式トナーとしては、ポリスチレン樹脂を用いたトナ
ー(特公昭44−16118号公報)、スチレン−メタ
クリル酸ブチル共重合樹脂を用いたトナー(特公昭56
−11143号公報)等のスチレン−アクリル樹脂を用
いたトナー、ビスフェノールとエピクロルヒドリンを反
応させて得られるビスフェノール型エポキシ樹脂を用い
たトナー(特開昭57−96354号公報)、ビスフェ
ノール骨格を有するグリコールと多塩基酸とを反応させ
て得られるポリエステル樹脂を用いたトナー(特公昭5
2−25420号公報)等が知られているが、スチレン
−アクリル系樹脂は他の樹脂に比べて分子量、ガラス転
移点、溶融粘度等の樹脂物性を広範囲に操作でき、トナ
ーの設計上、極めて有利であることからトナーの大半は
このスチレン−アクリル系樹脂を用いたトナーで占めら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年の電子写真や静電
記録等を利用した複写機及びプリンターの分野では、情
報の多様化、情報の高密度化に伴い多色の画像品質が要
求されるようになってきた。この要求に対応するために
トナーの色相は黒以外のカラーが求められてきている。
カラートナー(黒色以外の色彩のトナー)は、精密な色
調が要求されるため、使用する原材料にも色調面からの
制約がある。従来の黒トナーの場合は、そのような制約
が無いことから、多種多様な原材料が使用でき、比較的
容易にトナー特性を整えることができた。しかし、カラ
ートナーにおいては、使用する顔料を除き無色あるいは
淡色の原材料しか使用できないため、黒トナーと同レベ
ルの性能を有するカラートナーを開発することは極めて
困難であった。さらに、印刷する速度が高速であるプリ
ンターや複写機においては、特に深刻で、未だ実用でき
るカラートナーが得られないのが実状である。本発明
は、このような問題を解決するもので、画像濃度やかぶ
り等の画像品質に優れ、また、定着特性にも優れるカラ
ートナー及び現像剤を提供するものである。また、繰り
返し使用においても画像品質を維持し、トナー飛散が発
生せず良好な定着特性を長期にわたって示す長寿命のカ
ラートナー及び現像剤を提供するものである。さらに
は、高湿度下での環境安定性に優れ高速印字にも耐え得
るカラートナー及び現像剤を提供するものである。また
本発明は、上記のカラートナー及び現像剤を用いる画像
製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、ビニル系
単量体を重合して得られるビニル系樹脂であってゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略
記する)でのクロマトグラムで分子量1000以下の成
分を樹脂中に3重量%以上含むビニル系樹脂、非金属4
級アンモニウム塩、アニオン部が金属錯体構造である金
属含有4級アンモニウム塩及び着色剤を含有してなる静
電荷像現像用カラートナー、該カラートナーとキャリア
からなる現像剤及びこれらを用いる画像製造方法に関す
る。
【0006】本発明の静電荷像現像用カラートナーの結
着樹脂成分である前記のビニル系樹脂とは、ビニル系単
量体(混合物)を重合して得られるものであるがトナー
特性が良好なことから、スチレン−アクリル系樹脂が好
ましいものとして用いられる。ここで、スチレン−アク
リル系樹脂とは、スチレン系単量体及びアクリル系単量
体(アクリル酸及びメタクリル酸並びにそれらのエステ
ル等の誘導体)を必須成分(好ましくは全単量体に対し
て50重量%以上の主成分とする)とするビニル単量体
を重合して得られる共重合体を言う。前記スチレン系単
量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−ク
ロルスチレン、ヒドロキシスチレン等や架橋剤となるジ
ビニルベンゼン等のスチレン誘導体が挙げられる。
【0007】アクリル系単量体としては、メタクリル
酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペ
ンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチ
ル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタ
クリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル
酸ドデシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸メ
トキシエチル、メタクリル酸プロポキシエチル、メタク
リル酸ブトキシエチル、メタクリル酸メトキシジエチレ
ングリコール、メタクリル酸エトキシジエチレングリコ
ール、メタクリル酸メトキシエチレングリコール、メタ
クリル酸ブトキシトリエチレングリコール、メタクリル
酸メトキシジプロピレングリコール、メタクリル酸フェ
ノキシエチル、メタクリル酸フェノキシジエチレングリ
コール、メタクリル酸フェノキシテトラエチレングリコ
ール、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキ
シル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリ
ル酸ジシクロペンテニル、メタクリル酸ジシクロペンテ
ニルオキシエチル、メタクリル酸N−ビニル−2−ピロ
リドン、メタクリロニトリル、メタクリルアミド、N−
メチロールメタクリルアミド、メタクリル酸フタルイミ
ドエチル、メタクリル酸フタルイミドプロピル、メタク
リル酸モルホリノエチル、メタクリル酸モルホリノプロ
ピル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル
酸ジエチルアミノエチル、ジアセトンメタクリルアミ
ド、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デ
シル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、ア
クリル酸グリシジル、アクリル酸メトキシエチル、アク
リル酸プロポキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、
アクリル酸メトキシジエチレングリコール、アクリル酸
エトキシジエチレングリコール、アクリル酸メトキシエ
チレングリコール、アクリル酸ブトキシトリエチレング
リコール、アクリル酸メトキシジプロピレングリコー
ル、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸フェノキ
シジエチレングリコール、アクリル酸フェノキシテトラ
エチレングリコール、アクリル酸ベンジル、アクリル酸
シクロヘキシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、
アクリル酸ジシクロペンテニル、アクリル酸ジシクロペ
ンテニルオキシエチル、アクリル酸N−ビニル−2−ピ
ロリドン、アクリル酸グリシジル、アクリロニトリル、
アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジア
セトンアクリルアミド、ビニルピリジン、アクリル酸フ
タルイミドエチル、アクリル酸フタルイミドプロピル、
アクリル酸モルホリノエチル、アクリル酸モルホリノプ
ロピル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸
ジエチルアミノエチル等の1分子中にビニル基を1個有
する単量体、架橋剤となるグリコールとメタクリル酸ま
たはアクリル酸との反応生成物、例えばエチレングリコ
ールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジ
メタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレ
ート、1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペン
チルグリコールジメタクリレート、ジエチレングリコー
ルジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタク
リレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、
トリプロピレングリコールジメタクリレート、ヒドロキ
シピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジメタク
リレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエ
リトリットトリメタクリレート、ペンタエリトリットテ
トラメタクリレート、トリスメタクリロキシエチルホス
フェート、ビス(メタクリロイルオキシエチル)ヒドロ
キシエチルイソシアヌレート、トリス(メタクリロイル
オキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコール
ジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリ
レート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,
5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ
アクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、
トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレン
グリコールジアクリレート、トリプロピレンジアクリレ
ート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ
アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタ
エリトリットトリアクリレート、ペンタエリトリットテ
トラアクリレート、トリスアクリロキシエチルホスフェ
ート、ビス(メタクリロイルオキシエチル)ヒドロキシ
エチルイソシアヌレート、トリス(メタクリロイルオキ
シエチル)イソシアヌレート等の1分子中に2個以上の
ビニル基を有する単量体がある。
【0008】さらに、軟質塩化ビニールシートへのトナ
ー付着を防止するためにはヒドロキシル基を有するビニ
ル単量体を使用するのが好ましい。該当する単量体とし
ては、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル
酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキ
シ−3−フェニルオキシプロピル、メタクリル酸2−ヒ
ドロキシブチル、メタクリル酸グリシジルとメタクリル
酸またはアクリル酸とのハーフエステル化物、ビスフェ
ノール型エポキシ樹脂とメタクリル酸またはアクリル酸
とのハーフエステル化物、アクリル酸2−ヒドロキシエ
チル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸
2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル、アクリ
ル酸2−ヒドロキシブチルなどのアクリル系単量体があ
る。なお、高湿(約60%RH以上)下での帯電性、耐
ブロッキング性が要求される場合には二級のヒドロキシ
ル基を有するビニル単量体、例えばメタクリル酸2−ヒ
ドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシ3−フ
ェニルオキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシブ
チル、メタクリル酸3−ヒドロキシブチル、アクリル酸
2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシ3
−フェニルオキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシ
ブチル、アクリル酸3−ヒドロキシブチルなどを好まし
く使用することができる。特にメタクリル酸2−ヒドロ
キシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピルが得
られる樹脂の特性面から好ましい。二級のヒドロキシル
基を有するビニル単量体は特にヒドロキシル基を有する
単量体の総量のうち80モル%以上使用するのが好まし
い。ヒドロキシル基を有する単量体は重合体のヒドロキ
シル価が80〜250になるように配合されるのが好ま
しい。
【0009】また、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸
ジアルキル、フマル酸ジブチル等のフマル酸ジアルキ
ル、イタコン酸ジブチル等のイタコン酸ジアルキルなど
のビニル系単量体を単量体成分として併用すると画像特
性が向上するので特に好ましい。 これらのビニル系単
量体のうち、好ましいものとしては、1分子中に1個の
ビニル基を有するものでは、スチレン、スチレン誘導
体、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、マレ
イン酸ジアルキル、フマル酸ジアルキル、イタコン酸ジ
アルキルがある。また、1分子中に2個以上のビニル基
を有する単量体(架橋剤)としては、ジビニルベンゼ
ン、炭素原子数2〜6個のアルキレングリコールのジメ
タクリレート及びジアクリレートが好ましい。
【0010】特にスチレン及びアルキル基に1〜5個の
炭素原子を有するメタクリル酸又はアクリル酸のアルキ
ルエステルを主成分とし、マレイン酸ジアルキル、フマ
ル酸ジアルキル及び/又はイタコン酸ジアルキル(特に
好ましくはマレイン酸ジブチル及び/又はフマル酸ジブ
チル)を使用し、かつ架橋剤(特に好ましくはジビニル
ベンゼン)を用いる混合系が定着温度及び画像濃度の変
化に対する定着強度、耐オフセット性の安定性の点で優
れ、さらに本発明の特徴である微量の帯電制御剤を使用
した系においても該帯電制御剤の分散性に優れるので好
ましい。架橋剤は全単量体中0.05〜1.0重量%、
マレイン酸ジアルキル、フマル酸ジアルキル及び/又は
イタコン酸ジアルキルは全単量体中0.1〜5.0重量
%使用するのが、定着強度及び耐オフセット性の改良の
点でとりわけ好ましい。
【0011】前記ビニル系単量体混合物は種々の重合法
で重合してビニル系樹脂とすることができるが、懸濁重
合法で重合するのが好ましい。この理由は、容易にかつ
安定に製造することが可能であり、経済性の点でも優れ
ること、脱溶媒処理を必要としないためトナーとしたと
きの保存性が良く、感光体へトナーが付着する現象(ト
ナーフィルミング)が発生しにくいこと、樹脂の帯電性
が高くトナーに配合する帯電制御剤の量を少なくできる
ことなどの利点があるからである。重合に際し、使用さ
れる重合開始剤としては、過酸化アセチル、過酸化デカ
ノイル、過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル、過酸化
p−クロロベンゾイル、過酸化2、4−ジクロロベンゾ
イル、過ジ炭酸ジイソプロピル、過ジ炭酸ジ−2−エチ
ル−ヘキシル、アセチルシクロヘキサンスルホニルペル
オキシド、過酢酸tert−ブチル、過イソ酪酸tert−ブチ
ル、アゾビスイソブチロニトリル、2、2′−アゾビス
−2、4−ジメチルバレロニトリル、2、2′−アゾビ
ス−4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル、
過2−エチルヘキサン酸tert−ブチル、過安息香酸tert
−ブチル等の公知のものが挙げられる。これらは単量体
の総量に対して0.1〜15重量%で使用されるのが好
ましい。また、これらは単量体に溶解して使用するのが
好ましい。上記ビニル系樹脂の重合は実質的に重合が完
結するまで、即ち、それ以上重合率が上がらなくなるま
で行われる。
【0012】本発明では、こうして得られる上記ビニル
系樹脂が、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGP
Cのクロマトグラムで分子量1000以下の成分を樹脂
中に3重量%以上含むことが必要である。好ましくは5
重量%以上、特に好ましくは5〜20重量%含まれる。
分子量1000以下の成分が3重量%未満の場合、像支
持体へのトナーの定着性が劣ったり、着色剤、帯電制御
剤及びその他の添加剤の樹脂中への均一分散が不十分と
なり、各トナー粒子間の帯電特性が異なる結果、像支持
体に作像した画像の品質が、濃度が低かったり、白地部
(非画像部)にトナーが付着するいわゆる、かぶり現象
が発生するなど低品位になりやすい。一方、20重量%
を越えて含ませることは、トナーの保存安定性が悪くな
る傾向がある。また、分子量1000以下の成分は、ク
ロマトグラムのこの領域に少なくとも1つのピークを有
するものであるのが好ましく、さらに1つ以上のショル
ダを併せ持つものであってもよい。なお、本発明におい
て使用するGPCの分子量は、標準ポリスチレン検量線
を用いた換算値である。このようなビニル系樹脂を製造
する方法に特に制限はないが、例えば、マレイン酸ジア
ルキル、フマル酸ジアルキル及び/又はイタコン酸ジア
ルキルを全単量体中0.1〜5.0重量%使用し、さら
に架橋剤を併用することによって製造することができ
る。
【0013】また、本発明で用いるビニル系樹脂はTH
F可溶分の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)の比(Mw/Mn)が好ましくは20以上、特に2
0〜100に調整されるのが好ましい。Mw/Mnが2
0未満の場合、帯電制御剤の結着樹脂への均一分散がま
ま成らず、帯電制御剤が所定量取り込まれない過大又は
過小のトナー粒子が生成し、それらが高帯電トナーや低
帯電又は逆帯電トナーとなり、有機光導電性物質の電位
的欠陥や機械的衝撃又は放電破壊による微小欠陥に過敏
に感応して画像欠陥として発現したり、感光体の潜像に
カラートナーが忠実に現像されなかったり、その現像性
が劣ったり、ベルト転写時に感光体の潜像上のカラート
ナー画像が像支持体に移行しにくかったりすることがあ
る。また、潜像電位勾配に正常に感応しないため、感光
体の作像部以外に付着して画像品質の低下や清掃不良の
原因となることがある。当然、転写残カラートナーをリ
サイクル使用するとその画像は低品位となる傾向にあ
る。また、トナー飛散も発生しやすく、これは安全、衛
生、経済面でも問題となることがある。このような現象
は帯電制御剤がトナー中に0.1重量%以下の場合に顕
著に現われる。さらにはキャリアとの衝撃、容器との摩
擦によりトナーが微細化されて設定トナー特性を維持で
きなくなるため、本発明の目的の1つである長期繰り返
し使用が困難になることがある。このような樹脂は、公
知の方法、例えば低分子量成分又は高分子量成分を先に
製造し、ついでその存在下で高分子量成分又は低分子量
成分を製造する等の方法によって、得ることができる。
前記ビニル系樹脂のガラス転移温度は35〜100℃に
調節されるのが好ましく、特に50〜90℃に調節され
るのが好ましい。ガラス転移温度が35℃未満ではトナ
ーが貯蔵期間中又は現像機中でブロッキング(トナー粒
子が凝集して塊になる現象)を起こしやすい。一方、ガ
ラス転移温度が100℃を越えると、定着性等が低下す
る傾向にあり、またトナーが溶融混練、粉砕、分級の工
程で製造される場合、粉砕工程に時間を費やし、生産効
率が低下する傾向にある。本発明のカラートナーの於い
ては上記のビニル系樹脂を2種類以上併せて結着樹脂と
してもよいし、上記のビニル系樹脂のほかに、本発明の
効果を損なわない程度にその他の樹脂を1種以上併用し
てもよい。
【0014】その他の樹脂としては、KR−216、K
R−220、KR−152、KR−271、KR−25
5(以上信越化学工業(株)製)、SR−2400、S
R−2406、SH−840(以上東レシリコーン
(株)製)等のシリコーン樹脂、1−ソレックス(Cd
Fケミック社製)のノルボルネン系重合体、C−200
A、C−250A(以上三菱化成(株)製)、ユーピロ
ンP−1000(三菱瓦斯化学(株)製)等のポリエス
テルカーボネート、リグノールR−70、R−120、
R−140、P−2(以上リグナイト(株)製)等のキ
シレン樹脂、エピコート1004、1007、100
9、1010、YL−903、906、エピコート60
4(以上シエル社製)、エポミックR304、R30
7、R309(以上三井石油化学工業(株)製)等のエ
ポキシ樹脂、ニッポールBR−1220、1032、1
441、ニッポールIR2200、ニッポールNBR、
2057S、2007J(以上日本ゼオン(株)製)等
のジエン系樹脂、PC・RESIN2H、3H、8H、
11A(以上日立化成工業(株)製)、ATR200
5、2009、2010、HTR−1、HTR−2(以
上花王(株)製)、FC017、034、035、03
6(以上三菱レーヨン(株)製)等の市販のポリエステ
ル樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹
脂、アミド樹脂、アミドイミド樹脂、ブチラール樹脂、
アミノ樹脂、ウレタン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重
合体、エチレン・アクリルエステル共重合体などがあ
る。本発明における結着樹脂としては、前記ビニル系樹
脂を主成分(特に100〜70重量%)とし、その他の
樹脂を0〜30重量%の量で使用するのが好ましい。
【0015】該結着樹脂は、カラートナー中に60〜9
5重量%配合されるのが好ましい。この量が60重量%
未満では、トナー像支持体へのトナー結着力が弱く、ト
ナー像支持体を折り曲げたり、こすったりした際、トナ
ー像の欠落が起こり、印字障害となりやすい。一方、結
着樹脂が95重量%を越えた場合は、カラートナー像の
隠蔽力不足による貧印字品質になる傾向にある。本発明
のトナーには、非金属4級アンモニウム塩及びアニオン
部が金属錯体構造である金属含有4級アンモニウム塩
(以下単に金属含有4級アンモニウム塩と略記する)の
少なくとも2種類の帯電制御剤がトナー中に添加され
る。金属含有4級アンモニウム塩の金属原子としては、
帯電特性、色調の点からモリブデンが特に好ましい。
【0016】非金属4級アンモニウム塩及び金属含有4
級アンモニウム塩は、トナーに対して、それぞれ0.1
〜4重量%の量で含有されるのが好ましく、特に0.5
〜3重量%の量で含有されるのが好ましい。非金属4級
アンモニウム塩の量が0.1重量%未満ではトナーは迅
速に帯電しにくいためトナーとキャリアの混合初期に飛
散を起こし易く、また、金属含有4級アンモニウム塩の
量が0.1重量%未満では、印刷の経過と共にトナー飛
散を起こしやすい。また、それぞれの量が4重量%を越
えて使用してもそれ以上の改良がみられない。
【0017】また、帯電制御剤の総量はトナーに対して
1〜5重量%が好ましい。1重量%未満ではトナー飛散
を起こしやすく、一方5重量%を超える場合は、定着
性、耐環境性低下等の問題が生じることがある。さら
に、非金属4級アンモニウム塩及び金属含有4級アンモ
ニウム塩の比率は重量比で2:1〜1:2であるのが、
トナー特性上好ましい。
【0018】本発明に用いられる非金属含有4級アンモ
ニウム塩として好ましいものは、下記一般式(I)にお
けるアニオンA-が非金属イオンのものであり、金属含
有4級アンモニウム塩として好ましいものは、下記一般
式(I)におけるアニオンA-が金属錯体構造のもので
ある。
【化1】 (式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に置換基
を有していても良いアルキル基、アリール基、アラルキ
ル基、アルケニル基等であり、A-はアニオンである) アニオンA-は、非金属4級アンモニウム塩では、塩素
イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、硝酸
イオン、過塩素酸イオン、ホウ酸イオン、リン酸イオ
ン、有機リン酸イオン、安息香酸イオン、ナフトールス
ルホン酸イオン、パラトルエンスルホン酸イオン等の有
機スルホン酸イオン、カルボン酸イオンなどがあり、特
にナフトールスルホン酸イオン、パラトルエンスルホン
酸イオン等の有機スルホン酸イオンが好ましく、金属含
有4級アンモニウム塩では、モリブデン酸、タングステ
ン酸、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、リンタン
グステン酸、ケイタングステン酸、ケイタングステンモ
リブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、クロムモ
リブデン酸、クロムタングステン酸等があり、モリブデ
ンを含むものが好ましい。R1、R2、R3及びR4は炭素
原子数が1〜30のものが好ましい。
【0019】非金属4級アンモニウム塩のカチオンは、
具体的には下記のものが好ましいものとして挙げられ
る。
【化2】 また、金属含有4級アンモニウム塩のカチオンは、具体
的には下記のものが好ましいものとして挙げられる。
【化3】
【0020】具体的な非金属4級アンモニウム塩として
は、例えば、ナフトールスルホン酸の4級アンモニウム
塩であるボントロンP−51(オリエント化学工業
(株)製)、TP−4040(保土谷化学工業(株)
製)、コピーチャージPSY UP2038(ヘキスト
社製)、LRA−901(日本カーリット(株)製)な
どの市販品が好ましいものとして挙げられる。また、金
属含有4級アンモニウム塩としては、モリブデン酸の4
級アンモニウム塩であるTP−302、TP−415
(いずれも保土谷化学工業(株)製)などの市販品が好
ましいものとして挙げられる。なお、その他の帯電制御
剤として正帯電性であるボントロンN−01(アジン化
合物:オリエント化学工業(株)製)、ボントロンN−
04(樹脂変性アジン化合物:オリエント化学工業
(株)製)、ボントロンN−07(アジン化合物:オリ
エント化学工業(株)製)、コピーブルーPR(トリフ
ェニルメタン誘導体:ヘキスト社製)等があり、これら
は色調、帯電特性等に支障がない範囲で併用することが
できる。また、その他の帯電制御剤として負帯電性であ
るボントロンSー34(含金属アゾ化合物:オリエント
化学工業(株)製)、ボントロンSー44(含金属アゾ
化合物:オリエント化学工業(株)製)、ボントロンS
ー54(含金属アゾ化合物:オリエント化学工業(株)
製)、ボントロンEー84(サリチル酸系金属錯体:オ
リエント化学工業(株)製)、ボントロンEー88(サ
リチル酸系金属錯体:オリエント化学工業(株)製)、
ボントロンEー89(フェノール系縮合物:オリエント
化学工業(株)製)等も色調、帯電特性等に支障がない
範囲で併用することができる。本発明で用いられる帯電
制御剤をトナーに含有させる方法には、1種又は2種以
上の帯電制御剤を全部又はその一部をトナー内部に着色
剤と共に溶融混練し含有させる方法、トナー表面層にハ
イブリタイザー等で打ち込ませ外添する方法、ヘンシェ
ルミキサー等でトナー表層に付着させ外添する方法など
の手法があり、これらは場合により使い分け又は併用す
ることができる。
【0021】本発明のカラートナーには各種着色剤が使
用される。具体的には、黄鉛、カドミウムエロー、黄色
酸化鉄、チタン黄、クロムエロー、ナフトールエロー、
ハンザエロー、ピグメントエロー、ベンジジンエロー、
パーマネントエロー、キノリンエローレーキ、アンスラ
ピリミジンエロー等の黄色着色剤、パーマネントオレン
ジ、モリブデンオレンジ、バルカンファーストオレン
ジ、ベンジンオレンジ、インダンスレンブリリアントオ
レンジ等の橙色着色剤、酸化鉄、アンバー、パーマネン
トブラウン等の褐色着色剤、ベンガラ、ローズベンガ
ラ、アンチモン、パーマネントレッド、ファイヤーレッ
ド、ブリリアントカーミン、ライトファストレッドトー
ナー、パーマネントカーミン、ピラゾロンレッド、ボル
ドー、ヘリオボルドー、ローダミンレーキ、デュポンオ
イルレッド、チオインジゴレッド、チオインジゴマルー
ン、ウォッチングレッドストロンチウム等の赤色着色
剤、コバルト紫、ファーストバイオレット、ジオキサジ
ンバイオレット、メチルバイオレットレーキ等の紫色着
色剤、メチレンブルー、アニリンブルー、コバルトブル
ー、セルリアンブルー、カルコオイルブルー、無金属フ
タロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ウルトラ
マリンブルー、インダンスレンブルー、インジゴ等の青
色着色剤、クロムグリーン、コバルトグリーン、ピグメ
ントグリーンB、グリーンゴールド、フタロシアニング
リーン、マラカイトグリーンオクサレート、ポリクロム
プロム銅フタロシアニン等の緑色着色剤などの顔料又は
染料、酸化チタン、酸化亜鉛等の酸化金属粉が用いられ
る。着色剤の量はトナーの総量に対して0.1〜15重
量%であるのが好ましい。
【0022】本発明のトナーはさらにポリオレフィンを
含有するのが好ましい。ポリオレフィンとしては、エチ
レン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプ
テン、オクテン、ノネン、デセン、3−メチル−1−ブ
テン、3−メチル−2−ペンテン、3−プロピル−5−
メチル−2−ヘキセン等のオレフィン単量体の重合体又
は前記のオレフィン単量体とアクリル酸、メタクリル
酸、酢酸ビニル等との共重合体が該当するが、特にポリ
プロピレンが好ましい。これらはトナー中に0.5〜1
0重量%、特に1〜5重量%配合されるのが好ましい。
0.5重量%未満では定着強度、ヒートロール定着方式
におけるオフセット等の定着特性に劣る傾向がある。一
方10重量%を超える場合にはトナーの流動性が劣るた
め、現像剤流動不良により画像品質が低下したり、トナ
ー及び現像剤の収容容器内で材料が滞留を起こす等の問
題が発生しやすい。
【0023】本発明のトナーには必要に応じてその他の
化合物が含有させられる。その他の化合物としては、ス
テアリン酸ブチル、ステアリン酸プロピル等の脂肪酸の
低級アルコールエステル、カスタ・ワックス(伊藤製油
(株)製)、ダイヤモンドワックス(新日本理化(株)
製)等の脂肪酸の多価アルコールエステル、パームアセ
チ(日本油脂(株)製)、ヘキストワックスE、ヘキス
トワックス−OP(ヘキストアクチエンゲゼルシャフト
社製)、カルナウバワックス等の脂肪酸の高級アルコー
ルエステル、ビスアマイドブラストフロー(日東化学工
業(株)製)、アマイド6L、7S及び6H(川研ファ
インケミカル(株)製)、ヘキストワックスC(ヘキス
ト・アクチエンゲルシャフト社製)等のアルキレンビス
脂肪酸アミド化合物、ニッポールNBR、2057S、
2007J、BR1220等の重量平均分子量が5万以
上のジエン系樹脂、ヒドロキシル基含有ビニル系樹脂、
カルボキシル基含有ビニル系樹脂等がある。これらの化
合物は、トナーの帯電性や定着性を微調整したり、感光
体やトナーの寿命を改善したりする役目をなし、トナー
中に0〜10重量%の量で加えることができる。
【0024】以上の、結着樹脂、帯電制御剤、着色剤及
び必要に応じて加えられる他の化合物は、均質化工程を
経てトナーとされる。例えば、上記成分をヘンシェルミ
キサーで乾式混合した後、ニーダーで溶融状態でのミク
ロ混合を行い、次いで冷却した混練物をピンミル、ジェ
ットミル等で微粉砕し、好ましくは平均粒径5〜30μ
m、特に好ましくは平均粒径7〜15μmのトナーとさ
れる。本発明のカラートナーには、上記トナー又は結着
樹脂及び着色剤をトナー母体とし、さらにその他の添加
剤を外部添加混合(外添)することもできる。例えば、
表層に色調を変えない範囲内で1種類以上の磁性粉を含
有させることができる。かかる磁性粉としては、鉄、マ
ンガン、ニッケル、コバルト等の金属粉末又は合金粉
末、鉄フェライト、銅−亜鉛フェライト、バリウム−ニ
ッケルフェライト、ニッケル−亜鉛フェライト、マンガ
ン−亜鉛フェライト、リチウム−亜鉛フェライト、マグ
ネシウム−亜鉛−銅フェライト、バリウム−銅−亜鉛フ
ェライト等の各種フェライトが好ましく、必要に応じて
その磁性粉の表面に脂肪酸誘導体又は金属塩等といった
分散性向上剤を添加するのが好ましい。
【0025】また、その他の添加剤としてシリカ微粉末
を内添又は外添に用いることができる。シリカ微粉末を
使用する場合はトナー母体に対して0.1〜1重量%、
特に0.2〜0.8重量%添加混合するのが好ましい。
シリカ微粉末が0.1重量%未満では画像のシャープさ
やかぶりが劣る傾向にあり、1重量%を超えると繰り返
し使用時の画像濃度が低下したり、定着強度が低下する
傾向がある。上記シリカ微粉末としては、疎水性化した
シリカ微粉末が最適である。このようなシリカ微粉末
は、表面珪素原子がシラノール基になっている二酸化珪
素の微粉末を、例えばオクチルトリクロロシラン、デシ
ルトリクロロシラン、ノニルトリクロロシラン、4−イ
ソプロピルフェニルクロロシラン、4−tert−ブチルフ
ェニルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジペン
チルジクロロシラン、ジヘキシルジクロロシラン、ジオ
クチルジクロロシラン、ジノニルジクロロシラン、ジデ
シルジクロロシラン、ジドデシルジクロロシラン、4−
tert−ブチルフェニルジクロロシラン、ジデセニルジク
ロロシラン、ジ−2−エチルヘキシルジクロロシラン、
ジ−3,3−ジメチルペンチルジクロロシラン、トリメ
チルクロロシラン、トリヘキシルクロロシラン、トリデ
シルクロロシラン、ジオクチルクロロシラン、オクチル
ジメチルクロロシラン、4−イソプロピルフェニルジエ
チルクロロシラン等の化合物と反応させることにより、
二酸化珪素粒子の表面珪素原子に酸素原子を介して疎水
性基を結合させたものである。これらのシリカ微粉末
は、一次粒子の平均粒径が30mμ以下にあるものが感
光体の保護の点で好ましい。このようなシリカ微粉末と
しては、アエロジルR972、シリカD−17、T−8
05、R−812、RA200H、RX−C(以上、日
本アエロジル(株)製)、タラノックス500(タルコ
社製)、Cab−O−Sil、M−5、MS−7、MS
−75、HS−5、EH−5、S−17、TS−720
(以上、キャボット社製)等が市販されている。
【0026】また、その他の添加剤として感光体や現像
剤の寿命などの特性を向上させるために脂肪酸金属塩を
使用することができる。脂肪酸金属塩としては、飽和又
は不飽和脂肪酸の金属塩、例えばマレイン酸、ステアリ
ン酸、オレイン酸、パルミチン酸、レノール酸、リシノ
ール酸又はリシノレイン酸と亜鉛、マグネシウム、カル
シウム、鉛、鉄、ニッケル、コバルト、銅又はアルミニ
ウムとの塩などが挙げられ、中でもステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、
ステアリン酸マグネシウムが好ましく使用できる。脂肪
酸金属塩はトナー母体に対して0.01〜0.5重量
%、特に0.01〜0.2重量%添加混合するのが好ま
しい。脂肪酸金属塩が0.01重量%未満では感光体が
有機光導電体である場合、特に短寿命になることがあ
る。一方、0.5重量%を超えるとトナーの流動性が低
下したり、トナーが感光体や現像機内に付着しやすくな
る傾向にある。
【0027】さらに本発明のトナーには、更に必要に応
じてその他の添加剤を加えることができる。係る添加剤
としては、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、
炭酸カルシウム、ポリメタクリル酸メチルなどの微粒子
などがある。トナー母体に必要に応じて加えられるその
他の添加剤は例えばV型混合機、ヘンシェルミキサ、タ
ーブラミキサ、ハイブリタイザなどで混合処理されトナ
ー母体に保持される。以上のようにして得られる静電荷
像現像用トナーは、キャリアと組み合わせて本発明の現
像剤とされる。
【0028】かかるキャリアは、形状としては真球状、
疑球状、扁平上、スポンジ状のものが、材質としては酸
化鉄粉や鉄、銅、亜鉛、鉛、マグネシウム、リチウム、
マンガン、コバルト、ニッケル、バリウム等のフェライ
トキャリアなどが使用できるが、現像機への負荷が少な
く、画質が良好である等の理由からキャリアの材質は、
フェライト又はマグネタイトであるのが好ましく、特に
球形のフェライト系キャリアが好ましい。また、上記フ
ェライト又はマグネタイトを芯材として、その表面を樹
脂で被覆したものが好ましく適用される。この樹脂被服
キャリアは、帯電の立上り性に優れ、繰り返し使用にお
けるトナーのキャリア表面への融着がなく適正な帯電機
能を維持できるので好ましい。また、使用によりキャリ
ア電荷量が蓄積されてキャリア側に保持されたカラート
ナーが現像されにくくなり画像濃度が薄くなるという問
題を解決できるので、被覆する樹脂としてはシリコーン
系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂が好ましく、特
にこの中でもフッ素系樹脂が好ましい。
【0029】また、本発明の現像剤は図1で説明される
装置で測定した電気抵抗率が1×108〜3×1010Ω
・cm、特に5×108〜2.5×1010Ω・cmに調整さ
れるのが好ましい。このように電気抵抗率を調整するた
めに被覆樹脂にはカーボンブラック、各種金属粉末、界
面活性剤などの電気抵抗調整剤などが混合され、素材キ
ャリアの被覆に供せられるのが好ましい。ここで現像剤
の電気抵抗率が108Ω・cm未満では電荷の漏洩が大き
く安定な帯電性が得られにくく、ハーフトーンや細線画
像がうまく再現されにくく、3×1010Ω・cmを超える
と低画像濃度になりやすく、画像周辺部のみが高画像濃
度になり、逆に中央部が低画像濃度になるエッジ効果が
生じやすい。現像剤におけるトナーの混合比は、トナー
とキャリアの総量に対して1〜10重量%、特に1〜7
重量%にするのが好ましい。1重量%未満では印刷物の
濃度が薄かったり、キャリアが感光体に付着する、いわ
ゆるキャリアスティックが発生しやすい。一方、10重
量%を超えるとトナーの飛散が目立ち印刷物の品質を低
下させたり、作業環境を汚染する傾向にある。
【0030】本発明の画像製造方法においては、感光体
上に形成された静電潜像を本発明のカラートナー又は本
発明の現像剤によって顕像化し、次いで紙などの支持体
に転写した後、定着し、目的とする画像を製造すること
ができる。本発明の画像製造方法においては、感光体と
して非結晶金属光導電性物質を含むもの、特にそれがセ
レンであるものが、現像剤とのマッチングが良好であ
り、長期にわたって画像品質を維持できるので好まし
い。また、感光体の周速が20cm/秒以上の周速で回転
する高速の現像プロセスにおいて、本発明の画像製造方
法は顕著に従来の方法との相違を示す。
【0031】
【実施例】以下に、実施例により本発明を詳述するが、
本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1〜6及び比較例1〜4 (1)ビニル系樹脂R−1〜R−3の製造 10重量%水分散されたヒドロキシアパタイト(スーパ
ータイト10、日本合成化学(株)製)100重量部を
ミクロ分散した水分散媒体3,000重量部を収容した
87〜92℃の反応容器に窒素気流下、表1に示す単量
体と重合開始剤を溶解後仕込み約6時間保持した。その
後一旦温度を40℃まで冷却した後、表2に示す単量体
と重合開始剤を仕込み87〜92℃で約4時間保持し、
更に96℃以上で10時間保持して実質的に重合を完結
させた。冷却後、塩酸水溶液で洗浄し、濾過熱風乾燥し
てビニル系樹脂を得た。ビニル系樹脂の特性を表3に示
す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】(2)トナーの製造 表4に示すトナー材料(配合量の単位は重量%)を一括
してヘンシェルミキサーで予備混合した後、二軸ニーダ
ーで溶融混練した。次いで冷却した混練物をピンミル及
びジェットミルで平均粒径10〜12μmのトナーを得
た。 (3)評価 (a)評価方法 表4に示すトナーとキャリアからなる現像剤4000g
を用いて、非晶質セレン感光体を搭載したレーザービー
ムプリンタで画像を評価した。感光体をコロトロンで約
700Vに帯電後、ヘリウムーネオンレーザで情報を書
き込み、これを磁気ブラシ方式で反転現像し、その後ヒ
ートロールで定着する。感光体の周速が32cm/秒、現
像ギャップをフェライトキャリアでは1.3mm、鉄粉キ
ャリアでは3.5mmとしたプリンターに搭載して評価し
た。印刷は20℃、相対湿度40%の環境下で行った。
印刷中のヒートロール温度は190℃である。
【0036】(b)定着強度 定着強度は次式で算出した。
【数1】 (c)画像濃度(O.D)、かぶり及びハーフトーン 画像濃度(O.D)とかぶりはマクベス反射濃度計RD
514型(A divisionkollmorgen Corp.製)を用いて測
定した。目視によりハーフトーンの再現の程度を判定し
た。ハーフトーン再現性の評価基準は次のとおりであ
る。 ○:良好なハーフトーン像が得られる △:若干ハーフトーンが薄い ×:ハーフトーンが出ない (d)飛散 目視によりトナーの飛散の程度を判定した。トナーの飛
散の評価基準は次のとおりである。 ○:ほとんど飛散が無い △:少量飛散が認められる ×:飛散が多くみられる (e)現像剤の電気抵抗率 現像剤の電気抵抗率は図1の測定装置を用い測定した。
なお、図1の(1)は、測定装置の構成、(2)は等価
回路図を示す。測定セル2に現像剤4を800gを仕込
み、磁石ロール1上に現像剤の穂を形成し、磁石ロール
と対向電極3を結んで閉鎖回路をつくり、この閉回路に
直流電圧を印加し現像剤の電気抵抗率を次式により求め
た。
【数2】
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】 実施例7 セレン感光体の周速が約80cm/秒の超高速レーザビー
ムプリンターを用いた以外は実施例1と同じように行っ
たところ、初期画像濃度1.2、初期かぶり0.1、初
期飛散○、初期ハーフトーン○、80万頁後の画像濃度
1.0、80万頁後のかぶり0.1、80万頁後の飛散
○、80万頁後のハーフトーン○と良好であった。
【0039】
【発明の効果】以上の結果から明らかなように、本発明
のカラートナー及び現像剤は、画像濃度やかぶり等の画
像品質及び定着特性に優れ、トナー飛散が発生しないカ
ラー画像を、高速印刷や長時間の繰り返し使用において
も維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(1)は現像剤の電気抵抗率を測定する測定装
置の構成を示し、(2)はその回路図を示す。
【符号の説明】
1…磁石ロール(直径60mm、回転数235rpm) 2…測定セル 3…対抗電極(アルミニウム) 4…現像剤(800g)
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/107 9/113 15/01 J G03G 9/08 361 9/10 311 321 354 (72)発明者 岡田 千秋 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル系単量体を重合して得られるビニ
    ル系樹脂であってゲルパーミエーションクロマトグラフ
    ィーでのクロマトグラムで分子量1000以下の成分を
    樹脂中に3重量%以上含むビニル系樹脂、非金属4級ア
    ンモニウム塩、アニオン部が金属錯体構造である金属含
    有4級アンモニウム塩及び着色剤を含有してなる静電荷
    像現像用カラートナー。
  2. 【請求項2】 ビニル系樹脂が、ゲルパーミエーション
    クロマトグラフィーでのクロマトグラムで分子量100
    0以下の領域に少なくとも1つのピークを有するもので
    ある請求項1記載の静電荷像現像用カラートナー。
  3. 【請求項3】 ビニル系樹脂が、テトラヒドロフラン可
    溶分の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)
    の比(Mw/Mn)が20以上である請求項1又は2記
    載の静電荷像現像用カラートナー。
  4. 【請求項4】 アニオン部が金属錯体構造である金属含
    有4級アンモニウム塩の金属原子がモリブデンである請
    求項1、2又は3記載の静電荷像現像用カラートナー。
  5. 【請求項5】 ビニル系樹脂が、マレイン酸ジアルキ
    ル、フマル酸ジアルキル及び/又はイタコン酸ジアルキ
    ルを含む単量体混合物を重合して得られるものである請
    求項1、2、3又は4記載の静電荷像現像用カラートナ
    ー。
  6. 【請求項6】 ビニル系樹脂が、架橋剤を含有する単量
    体混合物を重合して得られるものである請求項1、2、
    3、4又は5記載の静電荷像現像用カラートナー。
  7. 【請求項7】 ビニル系樹脂が、マレイン酸ジブチル及
    び/又はフマル酸ジブチル並びに架橋剤を含む単量体混
    合物を重合して得られる樹脂である請求項1、2、3、
    4又は5記載の静電荷像現像用カラートナー。
  8. 【請求項8】 ビニル系樹脂が、スチレン−アクリル系
    樹脂である請求項1〜7のいずれかに記載の静電荷像現
    像用カラートナー。
  9. 【請求項9】 ビニル系樹脂が、懸濁重合により得られ
    るものである請求項1〜8のいずれかに記載の静電荷像
    現像用カラートナー。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の静電
    荷像現像用カラートナーとキャリアとからなる現像剤。
  11. 【請求項11】 キャリアが、フェライト又はマグネタ
    イトである請求項10記載の現像剤。
  12. 【請求項12】 キャリアが、樹脂で被覆されたもので
    ある請求項10又は11記載の現像剤。
  13. 【請求項13】 被覆する樹脂がフッ素系樹脂である請
    求項12記載の現像剤。
  14. 【請求項14】 現像剤の電気抵抗率が108〜3×1
    10Ω・cmである請求項10、11、12又は13記載
    の現像剤。
  15. 【請求項15】 請求項1〜9のいずれかに記載の静電
    荷像現像用カラートナー又は請求項10〜14のいずれ
    かに記載の現像剤を使用することを特徴とする画像製造
    方法。
  16. 【請求項16】 感光体として、非結晶金属光導電性物
    質を含むものを用いる請求項15記載の画像製造方法。
  17. 【請求項17】 非結晶金属光導電性物質がセレンであ
    る請求項16記載の画像製造方法。
  18. 【請求項18】 感光体として、周速が20cm/秒以上
    のものを用いる請求項15、16又は17記載の画像製
    造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6767683B2 (en) 1999-10-20 2004-07-27 Fuji Xerox Co., Ltd. Image forming toner, 2-component developer, image forming method and method for manufacturing image forming toner

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6767683B2 (en) 1999-10-20 2004-07-27 Fuji Xerox Co., Ltd. Image forming toner, 2-component developer, image forming method and method for manufacturing image forming toner

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