JPH05188640A - 静電荷像現像用トナー、現像剤及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、現像剤及び画像形成方法

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JPH05188640A
JPH05188640A JP4006493A JP649392A JPH05188640A JP H05188640 A JPH05188640 A JP H05188640A JP 4006493 A JP4006493 A JP 4006493A JP 649392 A JP649392 A JP 649392A JP H05188640 A JPH05188640 A JP H05188640A
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JP
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toner
image
weight
developing
electrostatic charge
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Application number
JP4006493A
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English (en)
Inventor
Yugo Kumagai
雄五 熊谷
Ryoji Tan
良治 丹
Takeo Kudo
武男 工藤
Masayoshi Yoshikubo
正儀 吉久保
Osamu Higashida
修 東田
Kazuo Aizu
和郎 会津
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)の比が20以上のスチレン−アクリル系樹脂、安息
香酸、着色剤及びポリオレフィンを含有してなり、金属
錯体アゾ染料、金属錯体オキシカルボン酸、四級アンモ
ニウム塩及びニグロシン染料を含まないトナー母体に、
シリカ微粉末を含む添加剤を添加混合してなる静電荷像
現像用トナー、これを含有してなる現像剤並びにこれら
と有機光導電性物質を用いた感光体を有し、感光体上に
現像されたトナーの像支持体への転写方式がベルト転写
方式であるプリンター又は複写機と組み合わせて用いる
画像形成方法。 【効果】 優れた画像品質を長期間にわたって維持でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真、静電記録等の
分野で使用される静電荷像現像用トナー、現像剤及び画
像形成方法に関する。更に詳しくは感光体が有機光導電
性物質を使用し、感光体上に現像されたトナーの像支持
体への転写方式がベルト転写方式であるプリンター又は
複写機に組み合わされるトナー及び現像剤並びにこれら
を用いる画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式は、米国特許第2,29
7,691号明細書、英国特許第1,165,406号
明細書及び同第1,165,405号明細書に記載され
ているように、光導電性物質を利用した感光体上へ一様
な静電荷を与える帯電工程、光を照射して静電潜像を形
成させる露光工程、潜像部分にトナーを付着させる現像
工程、トナー像支持体に転写させる転写工程、該トナー
像を熱、圧力、フラッシュ光等で像支持体に固着させる
定着工程、感光体上に残存したトナーを除去する清掃工
程及び感光体上の静電荷を除き、初期状態に戻す除電工
程からなり、これらの工程が繰り返えされて幾枚もの印
刷物が得られる。
【0003】ところで、近年、プリンター、複写機に搭
載される感光体に用いられる光導電性物質としては、こ
れまでの無定形セレン、酸化亜鉛、硫化カドミウム等の
無機系物質から、毒性に問題が無く、且つ透明性、可撓
性、軽量性に優れ、その上、安価に製造できる有機系の
光導電性物質への転換が著しい。光導電性物質からなる
光導電体は導電層の上に感光層を形成するものである
が、有機光導電体においては、最近、感度の優れた電荷
発生層と電荷搬送層を異にする機能分離型が多用される
ようになってきた。
【0004】一般に電荷発生層に含まれる電荷を発生す
る有機化合物としては、アゾキシベンゼン系、ジスアゾ
系、トリスアゾ系、ベンズイミダゾール系、多環式キノ
リン系、インジゴイド系、キナクリドン系、フタロシア
ニン系、ペリレン系、メチン系などが知られており(特
開昭47−37543号、同47−37544号、同4
7−18544号、同48−43942号、同48−7
0538号、同49−1231号、同49−10553
6号、同50−75214号、及び同50−92738
号公報)、電荷搬送層に含まれる電荷を移送する有機化
合物としては、ピラゾリン誘導体(ジャーナル オブ
フォトグラフィック サイエンス アンド エンジニア
リング(Journal of Photograph
ic Science and Engineerin
g))、オキサゾール誘導体(特開昭55−35319
号、同58−87557号、及び同58−182640
号公報)、ヒドラゾン誘導体(特開昭54−59143
合同55−46760号公報)、エナミン誘導体(ジャ
ーナル オブ イメージング サイエンス(Journ
al of Imaging Science)、第2
9巻、第1号、7頁、1985)等が知られている。
【0005】また近年、感光体から像支持体への静電荷
像現像用トナーの移行は、これまでのコロナ転写方式に
変わって、転写効率が高く、皺、屈曲といった凹凸のあ
る像支持体であっても良好に移行でき、さらに温湿度の
影響が少ない、すなわち画像品質に優れるベルト転写方
式が好ましく利用されてきている。
【0006】電子写真の分野に使用される静電荷像現像
用乾式トナーとしては、ポリスチレン樹脂を用いたトナ
ー(特公昭44−16118号公報)、スチレン−メタ
クリル酸ブチル共重合樹脂を用いたトナー(特公昭56
−11143号公報)等のスチレン−アクリル樹脂を用
いたトナー、ビスフェノールとエピクロルヒドリンを反
応させて得られるビスフェノール型エポキシ樹脂を用い
たトナー(特開昭57−96354号公報)、ビスフェ
ノール骨格を有するグリコールと多塩基酸とを反応させ
て得られるポリエステル樹脂を用いたトナー(特公昭5
2−25420号公報)等が知られているが、スチレン
−アクリル系樹脂は他の樹脂に比べて分子量、ガラス転
移点、溶融粘度等の樹脂物性を広範囲に操作でき、トナ
ーの設計上、極めて有利であることからトナーの大半は
このスチレン−アクリル系樹脂を用いたトナーで占めら
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、感光体
が有機光導電性物質であり、感光体上に現像されたトナ
ーの像支持体への転写方式がベルト転写方式であるプリ
ンター又は複写機に組み合わされると、これまでの公知
のトナーは、転写効率、画像濃度、画像背景部へのトナ
ー付着(以下、かぶりと略記する)、解像度等の画像品
質に劣り、さらには繰返し使用時においてはそれらの劣
化が激しかった。本発明は上記の問題を解決した静電荷
像現像用トナー及びそのトナーを用いた現像剤並びに画
像形成方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、重量平均分子
量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比が20以上のス
チレン−アクリル系樹脂、安息香酸、着色剤及びポリオ
レフィンを含有してなり、金属錯体アゾ染料、金属錯体
オキシカルボン酸、四級アンモニウム塩及びニグロシン
染料を含まないトナー母体に、シリカ微粉末を含む添加
剤を添加混合してなる静電荷像現像用トナー、これを含
有してなる現像剤並びにこれらと有機光導電性物質を用
いた感光体を有し、感光体上に現像されたトナーの像支
持体への転写方式がベルト転写方式であるプリンター又
は複写機と組み合わせて用いる画像形成方法に関する。
【0009】本発明の静電荷像現像用トナーの結着樹脂
としてはスチレン−アクリル系樹脂が用いられる。ここ
で、スチレン−アクリル系樹脂とは、スチレン系モノマ
ー及びアクリル系モノマー(アクリル酸及びメタクリル
酸並びにそれらのエステル等の誘導体)を必須成分とす
るビニルモノマーを重合して得られる共重合体をいう。
スチレン−アクリル系樹脂のモノマー成分となるビニル
モノマーとしては、例えば次のものを挙げることができ
る。スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−t−ブチルスチレン、p−クロルスチレン、ヒ
ドロキシスチレン等のスチレン誘導体、メタクリル酸、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチ
ル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メ
タクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル
酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデ
シル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸メトキシ
エチル、メタクリル酸プロポキシエチル、メタクリル酸
ブトキシエチル、メタクリル酸メトキシジエチレングリ
コール、メタクリル酸エトキシジエチレングリコール、
メタクリル酸メトキシエチレングリコール、メタクリル
酸ブトキシトリエチレングリコール、メタクリル酸メト
キシジプロピレングリコール、メタクリル酸フェノキシ
エチル、メタクリル酸フェノキシジエチレングリコー
ル、メタクリル酸フェノキシテトラエチレングリコー
ル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシ
ル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル
酸ジシクロペンテニル、メタクリル酸ジシクロペンテニ
ルオキシエチル、メタクリル酸N−ビニル−2−ピロリ
ドン、メタクリロニトリル、メタクリルアミド、N−メ
チロールメタクリルアミド、メタクリル酸フタルイミド
エチル、メタクリル酸フタルイミドプロピル、メタクリ
ル酸モルホリノエチル、メタクリル酸モルホリノプロピ
ル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸
ジエチルアミノエチル、ジアセトンメタクリルアミド、
アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペン
チル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ブチル、アクリ
ル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、
アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、アクリル
酸グリシジル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸
プロポキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリ
ル酸メトキシジエチレングリコール、アクリル酸エトキ
シジエチレングリコール、アクリル酸メトキシエチレン
グリコール、アクリル酸ブトキシトリエチレングリコー
ル、アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、アク
リル酸フェノキシエチル、アクリル酸フェノキシジエチ
レングリコール、アクリル酸フェノキシテトラエチレン
グリコール、アクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘ
キシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル
酸ジシクロペンテニル、アクリル酸ジシクロペンテニル
オキシエチル、アクリル酸N−ビニル−2−ピロリド
ン、アクリル酸グリシジル、アクリロニトリル、アクリ
ルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトン
アクリルアミド、ビニルピリジン、アクリル酸フタルイ
ミドエチル、アクリル酸フタルイミドプロピル、アクリ
ル酸モルホリノエチル、アクリル酸モルホリノプロピ
ル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエ
チルアミノエチル、ジビニルベンゼン、グリコールとメ
タクリル酸あるいはアクリル酸との反応生成物、例えば
エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレ
ングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオー
ルジメタクリレート、1,5−ペンタンジオールジメタ
クリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジエチ
レングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコ
ールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタ
クリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレー
ト、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエス
テルジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタ
クリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、ペンタエリトリットトリメタクリレート、ペンタエ
リトリットテトラメタクリレート、トリスメタクリロキ
シエチルホスフェート、ビス(メタクリロイルオキシエ
チル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、トリス(メ
タクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレ
ングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコ
ールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリ
レート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジ
アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロ
ピレンジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペン
チルグリコールジアクリレート、トリメチロールエタン
トリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリ
レート、ペンタエリトリットトリアクリレート、ペンタ
エリトリットテトラアクリレート、トリスアクリロキシ
エチルホスフェート、ビス(メタクリロイルオキシエチ
ル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、トリス(メタ
クリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、マレイン
酸ジブチル、フマル酸ジブチル等が挙げられる。
【0010】また軟質塩化ビニールシートへのトナー付
着を防止するためにはヒドロキシル基を有するビニルモ
ノマーを使用するのが好ましい。該当するものとして
は、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸
ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシ−3
−フェニルオキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブ
チル、メタクリル酸グリシジルとメタクリル酸あるいは
アクリル酸のハーフエステル化物、ビスフェノール型エ
ポキシ樹脂とメタクリル酸あるいはアクリル酸のハーフ
エステル化物、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アク
リル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシ
−3−フェニルオキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシ
ブチルなどがある。
【0011】なお、高湿(約60%RH以上)下での帯
電性、耐ブロッキング性が要求される場合には二級のヒ
ドロキシル基を有するビニルモノマー、例えばメタクリ
ル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロ
キシ3−フェニルオキシプロピル、メタクリル酸2−ヒ
ドロキシブチル、メタクリル酸3−ヒドロキシブチル、
アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒ
ドロキシ3−フェニルオキシプロピル、アクリル酸2−
ヒドロキシブチル、アクリル酸3−ヒドロキシブチルな
どを好ましく使用することができる。特にメタクリル酸
2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシプ
ロピルは得られる樹脂の特性面から好ましい。二級のヒ
ドロキシル基を有するビニルモノマーは特に全ヒドロキ
シル基含有モノマーのうち80モル%以上使用するのが
好ましい。また、ヒドロキシル基の含有量はヒドロキシ
ル価が80〜250になるように配合されるのが好まし
い。
【0012】これらのモノマーのうち、好ましいものと
しては、1分子中に1個のビニル基を有するものでは、
スチレン、スチレン誘導体、メタクリル酸エステル、ア
クリル酸エステル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブ
チル等がある。マレイン酸ジブチル及び/又はフマル酸
ジブチルを含むもの、特にスチレン、アルキル基に1〜
5個の炭素原子を有するメタクリル酸またはアクリル酸
のアルキルエステル並びにマレイン酸ジブチル及び/又
はフマル酸ジブチルの混合系が定着特性、特に画像濃度
の変化に対する定着特性の安定性の点で優れるので好ま
しい。1分子中に2個以上のビニル基を有するモノマー
としては、ジビニルベンゼン、炭素原子数2〜6個のア
ルキレングリコールのジメタクリレート及びジアクリレ
ート等が好ましく、これらは全モノマー中、通常0〜2
0重量%使用される。
【0013】前記各種モノマーの混合物は、溶液重合、
塊状重合、乳化重合、懸濁重合等任意の方法で重合さ
せ、本発明のトナーの結着樹脂とすることができる。こ
の重合に際し、使用される重合開始剤としては、過酸化
アセチル、過酸化デカノイル、過酸化ラウロイル、過酸
化ベンゾイル、過酸化p−クロロベンゾイル、過酸化
2,4−ジクロロベンゾイル、過ジ炭酸ジイソプロピ
ル、過ジ炭酸ジ−2−エチル−ヘキシル、アセチルシク
ロヘキサンスルホニルペルオキシド、過酢酸tert−
ブチル、過イソ酪酸tert−ブチル、アゾビスイソブ
チロニトリル、2,2′−アゾビス−2,4−ジメチル
バレロニトリル、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−
2,4−ジメチルバレロニトリル、過2−エチルヘキサ
ン酸tert−ブチル、過安息香酸tert−ブチル等
の公知の重合開始剤が使用される。これらはモノマ−の
総量に対して0.1〜15重量%使用されるのが好まし
い。また、モノマ−に溶解して使用するのが好ましい。
【0014】本発明のトナーにおいて結着樹脂は重量平
均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比が20以
上に調整される。重量平均分子量(Mw)/数平均分子
量(Mn)が20未満では長期繰返し使用に耐え難く、
またトナーの像支持体へ定着方式がヒートロール方式の
場合、トナーがヒートロールに付着する現象(以下、ホ
ットオフセットと略記する)が発生しやすい。更には着
色剤、ポリオレフィンなどの他のトナー原材料の結着樹
脂への分散が不十分となり、かぶりが発生しやすくな
る。上限は得にないが、通常Mw/Mnは100以下と
される。ガラス転移温度は35〜100℃に調節される
のが好ましく、50〜90℃に調節されるのが特に好ま
しい。ガラス転移温度が35℃未満では、トナーが貯蔵
期間中あるいは現像機中でブロッキング(トナー粒子が
凝集して塊になる現象)を起こしやすい。またガラス転
移温度が100℃を越えると、トナーが溶融混練、粉
砕、分級の工程で製造される場合、粉砕工程に時間を費
やし、生産効率が低下する傾向にある。
【0015】本発明のトナーにおいては上記のスチレン
−アクリル系樹脂を2種類以上併せて結着樹脂としても
よいし、上記の結着樹脂のほかに、その他の樹脂を1種
以上併用してもよい。その他の樹脂としては、KR−2
16、KR−220、KR−152、KR−271、K
R−255(以上信越化学工業(株)製)、SR−24
00、SR−2406、SH−840(以上東レシリコ
ーン(株)製)等のシリコーン樹脂、1−ソレックス
(CdFケミック社製)等のノルボルネン系重合体、C
−200A、C−250A(以上三菱化成(株)製)、
ユーピロンP−1000(三菱瓦斯化学(株)製)等の
ポリエステルカーボネート、リグノールR−70、R−
120、R−140、P−2(以上リグナイト(株)
製)等のキシレン樹脂、エピコート1004、100
7、1009、1010、YL−903、906、エピ
コート604(以上シエル社製)、エポミックR30
4、R307、R309(以上三井石油化学工業(株)
製)等のエポキシ樹脂、ニッポールBR−1220、1
032、1441、ニッポールIR2200、ニッポー
ルNBR、2057S、2007J(以上日本ゼオン
(株)製)等のジエン系樹脂、PC・RESIN 2
H、3H、8H、11A(以上日立化成工業(株)
製)、ATR2005、2009、2010、HTR−
1、HTR−2(以上花王(株)製)、FC017、0
34、035、036(以上三菱レーヨン(株)製)等
の市販のポリエステル樹脂、フェノール樹脂、テルペン
樹脂、クマロン樹脂、アミド樹脂、アミドイミド樹脂、
ブチラール樹脂、アミノ樹脂、ウレタン樹脂、エチレン
・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリルエステル共
重合体などがある。本発明においては、特に、前記スチ
レン−アクリル系樹脂を主成分とし、その他の樹脂をト
ナー中に0〜30重量%の量使用するのが好ましい。
【0016】本発明における結着樹脂は、残存モノマー
及び/又は溶剤の含有量が0.15重量%以下であるの
が好ましい。残存モノマー及び/又は溶剤の含有量が
0.15重量%を越えると実装中に印刷濃度の低下、印
字濃度むらといった印字障害が発生する確率が高くなる
傾向にある。なお、残存モノマー及び/又は溶剤の量
は、ガスクロマトグラフィー法等によって測定すること
ができる。例えば、各々のモノマー又は溶媒のガスクロ
マトグラフによる検量線を作成し、共重合体を一定量の
溶媒に溶解して、ガスクロマトグラフにかけ、前記検量
線を用いて、各々の残存モノマー又は残存溶媒を定量す
ることができる。なお、後述する実施例では、この方法
で定量した。
【0017】該結着樹脂は、トナー中に60〜94.5
重量%配合されるのが好ましい。この量が60重量%未
満では、トナー像支持体へのトナー結着力が弱く、トナ
ー像支持体を折り曲げたり、こすったりした際、トナー
像の欠落が起こり、印字障害となりやすい。一方、結着
樹脂が94.5重量%を越えた場合は、トナー像の隠蔽
力不足による貧印字品質になる傾向にある。
【0018】本発明のトナーにおいては金属錯体アゾ染
料、金属錯体オキシカルボン酸、四級アンモニウム及び
ニグロシン染料を含有しない。これらの化合物を含有し
たトナーは、本発明の画像形成方法における繰返し使用
において画像濃度や解像度の低下が著しく高品位の画像
を長期間維持することができない。本発明のトナーには
安息香酸がトナー母体中に、好ましくは0.01〜5重
量%含有される。安息香酸が0.01重量%未満では繰
返し使用時において画像品質の安定性、トナー飛散など
の問題が発生しやすい。一方5重量%を超えた場合には
環境条件の変化に対して画像品質の安定性が低下する傾
向にある。
【0019】着色剤としては、カーボンブラック、アセ
チレンブラック、アニリンブラック、シアニンブラッ
ク、黒鉛、鉄黒等の黒色着色剤、黄鉛、カドミウムエロ
ー、黄色酸化鉄、チタン黄、クロムエロー、ナフトール
エロー、ハンザエロー、ピグメントエロー、ベンジジン
エロー、パーマネントエロー、キノリンエローレーキ、
アンスラピリミジンエロー等の黄色着色剤、パーマネン
トオレンジ、モリブデンオレンジ、バルカンファースト
オレンジ、ベンジンオレンジ、インダンスレンブリリア
ントオレンジ等の橙色着色剤、酸化鉄、アンバー、パー
マネントブラウン等の褐色着色剤、ベンガラ、ローズベ
ンガラ、アンチモン末、パーマネントレッド、ファイヤ
ーレッド、ブリリアントカーミン、ライトファストレッ
ドトーナー、パーマネントカーミン、ピラゾロンレッ
ド、ボルドー、ヘリオボルドー、ローダミンレーキ、デ
ュポンオイルレッド、チオインジゴレッド、チオインジ
ゴマルーン、ウォッチングレッドストロンチウム等の赤
色着色剤、コバルト紫、ファーストバイオレット、ジオ
キサジンバイオレット、メチルバイオレットレーキ等の
紫色着色剤、メチレンブルー、アニリンブルー、コバル
トブルー、セルリアンブルー、カルコオイルブルー、無
金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ウ
ルトラマリンブルー、インダンスレンブルー、インジゴ
等の青色着色剤、クロムグリーン、コバルトグリーン、
ピグメントグリーンB、グリーンゴールド、フタロシア
ニングリーン、マラカイトグリーンオクサレート、ポリ
クロムブロム銅フタロシアニン等の緑色着色剤などの顔
料又は染料、酸化チタン、酸化亜鉛等の酸化金属粉があ
るが、これらの中でカーボンブラックを用いるのが好ま
しい。
【0020】カーボンブラックとしては、カーボンブラ
ック♯30、♯32、♯33、♯40、♯44、♯4
5、♯50、♯52、♯55、♯600、MCF−8
8、MA−100、MA−600、MA−11及びMA
−8(以上、三菱化成(株)製)、ラーベン11、1
5、30、35、40、50、150、410、42
0、430、450、500、825、850、890
H、890、1000、1020、1030、103
5、1040、1085、1170、1200、125
0、1255、1500、1800、2000、210
0、3500、5250、5750、7000、800
0及び8800のラーベンシリーズ、ネオスペクトラマ
ークI、マークII、マークIII、AG及びTAのネオス
ペクトラシリーズ、スタテックスF−12及びスタテッ
クスB−12、モラコH及びモラコLS、コンダクテッ
クスSC、950、975ビーズ(以上、コロンビアカ
ーボン社製)、モナーク700、800、880、90
0、1000、1100及び1300のモナークシリー
ズ、モーガルL、リーガル400R、660R、500
R、330R、300R、99R、660、500、4
00、330、300I、99I及び99のリーガルシ
リーズ、ブラックパールズ700、800、880、9
00、1000、1100、1300、L及び2000
のブラックパールズシリーズ、バルカンXC−72R及
びバルカンXC−72、エルフテックス8、エルフテッ
クス12、スターリングR(以上キャボット社製)等と
して上市されているものなどが使用できる。これらの着
色剤は、トナー中に2〜15重量%、さらに4〜12重
量%配合されるのが好ましい。特に6〜12重量%が好
ましい。2重量%未満では着色力不足や帯電不安定によ
る印字濃度の変動が起こりやすい。一方、15重量%を
越えた場合にはトナー像支持体への接着力が不足した
り、過少帯電量によるトナー飛散が生じやすくなる。
【0021】これらのカーボンブラックの中で吸油量が
150cc/100g以上、揮発分が3.0重量%以下、
かつ表面積が240m2/g以上、特に吸油量が160c
c/100g以上、揮発分が2.0重量%以下かつ表面
積が250m2/g以上の特性を示すものを含むことが
好ましい。吸油量とは、カーボンブラック100gをと
り、ジブチルフタレートを滴下し、その都度、全体をヘ
ラで十分練り合わせ、滴下、練り合わせを繰り返し、全
体が堅いパテ状になった時を終点とし、これに要したジ
ブチルフタレートの量で測定されるものである。揮発分
はカーボンブラックを約950℃に加熱した後の減量分
の割合で測定される。また、表面積はBraunaue
r−Emmett−Teller法による窒素吸着法
(BET法)により測定される。本発明において、この
ような条件を満たさないカーボンブラックを用いると、
帯電の安定性に欠け、トナー飛散や印字濃度変化を起こ
しやすくなる場合がある。以上のような条件を満たすカ
ーボンブラックとしては、ブラックパールズ2000、
バルカンXC−72R、バルカンXC−72(以上、キ
ャボット社製)、コンダクテックス950ビーズ、コン
ダクテックス795ビーズ(以上、コロンビアンカーボ
ン社製)等の市販品が該当する。
【0022】本発明のトナーにはポリオレフィンが含有
させられる。ポリオレフィンとしては、エチレン、プロ
ピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オク
テン、ノネン、デセン、3−メチル−1−ブテン、3−
メチル−2−ペンテン、3−プロピル−5−メチル−2
−ヘキセン等のオレフィンモノマーの重合体あるいは前
記のようなオレフィンモノマーとアクリル酸、メタクリ
ル酸、酢酸ビニル等との共重合体が該当するが、特にポ
リプロピレンが好ましい。これらはトナー母体中に0.
5〜10重量%、特に1〜5重量%配合されるのが好ま
しい。0.5重量%未満では定着強度、ヒートロール定
着方式においてはオフセット等の定着特性に劣る傾向が
ある。また10重量%を超えた場合にはトナーの流動性
が劣るため現像不足による貧画像品質、更にはトナー及
び現像剤収容容器内で滞留を起こす等の問題を起こしや
すい。
【0023】本発明のトナーには必要に応じてその他の
化合物が含有させられる。ステアリン酸ブチル、ステア
リン酸プロピル等の脂肪酸の低級アルコールエステル、
カスタ・ワックス(伊藤製油(株)製)、ダイヤモンド
ワックス(新日本理化(株)製)等の脂肪酸の多価アル
コールエステル、パームアセチ(日本油脂(株)製)、
ヘキストワックスE、ヘキストワックス−OP(ヘキス
トアクチエンゲゼルシャフト社製)、カルナウバワック
ス等の脂肪酸の高級アルコールエステル、ビスアマイド
ブラストフロー(日東化学工業(株)製)、アマイド6
L、7S及び6H(川研ファインケミカル(株)製)、
ヘキストワックスC(ヘキスト・アクチエンゲルシャフ
ト社製)等のアルキレンビス脂肪酸アミド化合物、ニッ
ポールNBR、2057S、2007J、BR1220
等の重量平均分子量が5万以上のジエン系樹脂、ヒドロ
キシル基含有ビニル系樹脂、カルボキシル基含有ビニル
系樹脂等がある。これらの化合物は、トナーの帯電性や
定着性を微調整したり、感光体やトナーの寿命を改善し
たりする役目をなし、トナー母体中に0〜10重量%の
量で加えることができる。
【0024】以上の、スチレン−アクリル系樹脂を含有
する結着樹脂、安息香酸、着色剤及びポリオレフィン並
びに必要に応じて加えられる他の化合物は、均質化工程
を経てトナー母体が製造される。例えば、上記成分をヘ
ンシェルミキサーで乾式混合した後、ニーダーで溶融状
態でのミクロ混合を行い、次いで冷却した混練物をピン
ミル、ジェットミルで微粉砕し、好ましくは平均粒径5
〜30μm、特に好ましくは7〜15μmのトナー母体
とされる。
【0025】本発明の静電荷像現像用トナーは上記トナ
ー母体に対してシリカ微粉末及び必要ならばその他の添
加剤が添加混合されて得られる。シリカ微粉末はトナー
母体に対して0.1〜1重量%、特に0.2〜0.8重
量%添加混合されるのが好ましい。また、その他の添加
剤としては、平均粒径が好ましくは1μm以下、さらに
好ましくは0.8μm以下の磁性粉、特に好ましくは
0.8μm以下のマグネタイトを、トナー母体に対して
0.05〜2重量%、特に0.1〜1重量%添加混合さ
れるのが好ましい。更に感光体や現像剤の寿命などの特
性を向上させるためには、好ましくは脂肪酸金属塩、特
に好ましくはステアリン酸亜鉛を好ましくは0.01〜
0.5重量%、特に好ましくは0.01〜0.2重量%
添加混合される。ここでシリカ微粉末が0.1重量%未
満では画像のシャープさやかぶりが劣り、1重量%を超
えると繰返し使用時の画像濃度が低下したり、定着強度
が低下しやすい。また磁性粉が0.05重量%未満では
繰返し使用時において、画像濃度が低下したり、トナー
飛散が発生しやすい。一方、2重量%を超えるとかぶり
が多くなる。また、脂肪酸金属塩が0.01重量%未満
では感光体が有機光導電体である場合特に短寿命になる
確立が高い。0.5重量%を超えるとトナーの流動性が
極端に低下して実用性が乏しくなる上、トナーが感光体
や現像機内に付着しやすくなる。
【0026】本発明に使用されるシリカ微粉末として
は、疎水性化したシリカ微粉末が最適である。このよう
なシリカ微粉末は、表面珪素原子がシラノール基になっ
ている二酸化珪素の微粉末を、例えばオクチルトリクロ
ロシラン、デシルトリクロロシラン、ノニルトリクロロ
シラン、4−イソプロピルフェニルクロロシラン、4−
tert−ブチルフェニルクロロシラン、ジメチルジク
ロロシラン、ジペンチルジクロロシラン、ジヘキシルジ
クロロシラン、ジオクチルジクロロシラン、ジノニルジ
クロロシラン、ジデシルジクロロシラン、ジドデシルジ
クロロシラン、4−tert−ブチルフェニルジクロロ
シラン、ジデセニルジクロロシラン、ジ−2−エチルヘ
キシルジクロロシラン、ジ−3,3−ジメチルペンチル
ジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、トリヘキシ
ルクロロシラン、トリデシルクロロシラン、ジオクチル
クロロシラン、オクチルジメチルクロロシラン、4−イ
ソプロピルフェニルジエチルクロロシラン等の化合物と
反応させることにより、二酸化珪素粒子の表面珪素原子
に酸素原子を介して疎水性基を結合させたものである。
【0027】これらのシリカ微粉末は、一次粒子の平均
粒径が30mμ以下にあるのが感光体の保護の点で好ま
しい。このようなシリカ微粉末としては、アエロジルR
972、シリカD−17、T−805、R−812、R
A200H、RX−C(以上、日本アエロジル(株)
製)並びにタラノックス500(タルコ社製)、Cab
−O−Sil、M−5、MS−7、MS−75、HS−
5、EH−5、S−17、TS−720(以上、キャボ
ット社製)等が市販されている。
【0028】その他の添加剤である磁性粉としては、
鉄、マンガン、ニッケル、コバルトなどの金属粉末、マ
グネタイト、銅−亜鉛フェライト、バリウム−ニッケル
フェライト、ニッケル−亜鉛フェライト、マンガン−亜
鉛銅フェライト、リチウム亜鉛フェライト、マグネシウ
ム−銅亜鉛フェライト、バリウム−銅−亜鉛フェライト
などの各種フェライトが好ましい。特にマグネタイトが
効果、価格の点で好ましい。
【0029】また、脂肪酸金属塩としては、飽和又は不
飽和脂肪酸の金属塩、例えばマレイン酸、ステアリン
酸、オレイン酸、パルミチン酸、レノール酸、リシノー
ル酸、又はリシノレイン酸と亜鉛、マグネシウム、カル
シウム、鉛、鉄、ニッケル、コバルト、銅、又はアルミ
ニウムとの塩などが挙げられ、中でもステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸マグネシウムが好ましく使用できる。
【0030】本発明のトナーには、更に必要に応じてそ
の他の添加剤として、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸
化チタン、炭酸カルシウム、ポリメタクリル酸メチル等
の微粒子などを加えることができる。トナー母体に添加
されるシリカ微粉末及び必要に応じて加えられるその他
の添加剤は、例えばV型混合機、ヘンシェルミキサ、タ
ーブラミキサ、ハイブリタイザなどで混合処理されトナ
ー母体に保持される。
【0031】以上のようにして得られる静電荷像現像用
トナーは、キャリアと組み合わせて本発明の現像剤とす
ることができる。係るキャリアとしては真球状、疑球
状、扁平状、スポンジ状など種々の形状の酸化鉄粉、
鉄、銅、亜鉛、鉛、マグネシウム、リチウム、マンガ
ン、コバルト、ニッケル、バリウム等のフェライト、微
粒子磁性粉を含有する樹脂キャリアなどが使用できる。
またこれらのキャリアはその表面にテフロン樹脂、アク
リル樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、メラミ
ン樹脂、ブタジエン樹脂などの公知の樹脂を被覆したも
のでも良い。
【0032】本発明の現像剤は、上述のトナーとキャリ
アを混合して製造される。トナーの混合比はトナーとキ
ャリアの総量に対して通常1〜20重量%にされる。好
ましくは1〜10重量%にされる。1重量%未満では印
刷物の濃度が薄かったり、キャリアが感光体に付着す
る、いわゆるキャリアスティックが発生しやすい。一
方、20重量%を超えるとトナーの飛散が目立ち印刷物
の品質や作業環境を汚染するようになる。
【0033】本発明になる静電荷像現像用トナー及び現
像剤は、有機光導電性物質を用いた感光体を有し、感光
体上に現像されたトナーの像支持体への転写方式がベル
ト転写方式であるプリンター又は複写機と組み合わせる
画像形成方法に有効に適用することができる。このよう
な感光体としては感度に優れた電荷発生層と電荷搬送層
を異にする機能分離型が好ましい。電荷発生層に含まれ
る電荷を発生する有機光導電性物質としては、アゾキシ
ベンゼン系、ジスアゾ系、トリスアゾ系、ベンズイミダ
ゾール系、多環式キノリン系、インジゴイド系、キナク
リドン系、フタロシアニン系、ペリレン系、メチン系な
どの顔料が知られており、いずれを適用することも可能
であるが、特にフタロシアニン系の顔料を用いたものが
好ましい。また電荷搬送層に含まれる電荷を移送する有
機光導電性物質としては、ピラゾリン誘導体、オキサゾ
ール誘導体、ヒドラゾン誘導体、エナミン誘導体等が知
られ、使用されている。また、これら有機光導電性物質
を支持体に固着させる結着樹脂としては、ポリカーボネ
ート樹脂、エステル化ポリカーボネート樹脂、シリコー
ン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリビニルブチラールなどの樹脂が使用できる。これら
の中でもチタニルフタロシアニンを主成分とする電荷発
生層と、1,1−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデ
ン−N−メチルカルバゾール及び1,1−ジフェニル−
3−〔2′,2′(ジ−4″−メトキシフェニル)〕ビ
ニルヒドラゾンを主成分とする電荷搬送層を有する感光
体は、感度、光応答性、暗減衰などの特性に特に優れて
おり、本発明における画像形成方法に最適である。本発
明の画像形成方法においては、該感光体上に形成された
静電潜像を本発明の現像剤によって顕像化し、次いで紙
などの支持体にベルト転写方式により転写された後、定
着され、目的とする画像を得ることができる。本発明の
静電荷像現像用トナー及び現像剤は種々の公知現像法に
適用することができる。更に本発明の静電荷像現像用ト
ナー及び現像剤は種々のクリーニング法、例えばファー
ブラシ法、ブレード法等に用いることができる。
【0034】
【実施例】以下に、実施例により本発明を詳述するが、
本発明にこれに限定されるものではない。 実施例1〜9及び比較例1〜3 (1)共重合体Rの製造 トルエン1000重量部、表1の配合1に示すモノマー
及び重合開始剤を反応容器に仕込み100℃で8時間反
応させた後、150℃の真空乾燥機でトルエン及び副反
応物を留去し、各共重合体を得た。次いで、部分ケン化
ポリビニルアルコール(デンカポバールW−24、電気
化学工業(株)製)3重量部を溶解した水分散媒体3,
000重量部を収容した反応容器に窒素気流下、表1の
配合2に示すモノマー、重合開始剤及び前述の各共重合
体を均質になるまで混合した後 仕込み、80〜90℃で
約4時間保持した。更に80〜98℃で10時間保持し
た。その後、濾過、熱風乾燥して共重合体を得た。共重
合体の特性を表2に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】 注1) ディファレンシャル・スキャニング・カロリメ
ーター法、以下の実施例でも同様。 注2) ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法,
標準ポリスチレン検量線を作成し換算、以下の実施例で
も同様。
【0037】(2)トナー母体の製造 表3に示す配合の材料を一括してヘンシェルミキサーで
予備混合した後、二軸ニーダーで溶融混練した。次いで
冷却した混練物をピンミル及びジェットミルで平均粒径
10〜12μmのトナー母体を得た。 (3)トナーの製造 得られたトナー母体に、表4に示す化合物をスーパーミ
キサーで混合して最終トナーを得た。
【0038】(4)評価 (a)定着強度の評価 トナー3重量%と硬化型シリコーン樹脂コートフェライ
トキャリア(関東電化工業(株)製CD H)97重量
%からなる現像剤2500gを、チタニルフタロシアニ
ンを成分とする電荷発生層と、1,1−ジフェニルヒド
ラジノ−3−メチリデン−N−メチルカルバゾール及び
1,1−ジフェニル−3−〔2′,2′(ジ−4″−メ
トキシフェニル)〕ビニルヒドラゾンを成分とする電荷
搬送層からなる感光体をスコロトロンで約−700Vに
負帯電後、半導体レーザで情報を書き込み、これを磁気
ブラシ方式で反転現像し、感光体上に現像されたトナー
の像支持体への転写方式がベルト転写方式であり、トナ
ーの像支持体への定着がオイルレステフロンロールのヒ
ートロールである印刷速度が60枚/分のプリンターに
搭載して評価した。印刷は20℃、40%RT及び40
℃、80%RTの環境で各々5万頁ずつ交互に行い、3
0万頁印刷した。印刷中のヒートロール温度は170〜
240℃である。定着強度は、得られた画像にテープを
貼って剥がし、次式で算出した。 定着強度(%)=テープ剥離後の画像濃度÷テープ剥離
前の画像濃度×100 耐オフセット性は印刷直後に白紙を通し、その汚染状態
を目視で判定した。耐オフセット性の評価基準は次のと
うりである。 ○:全く汚染が無い △:極一部に汚染が認められる ×:全面に汚染が認められる なお、ヒートロール温度と定着強度は画像濃度を1.4
に管理して行った。また、定着強度と画像濃度の関係に
ついてはヒートロール温度190℃で、画像濃度を1.
0、1.2及び1.4に管理して行った。
【0039】(b)画像品質(画像濃度、かぶり、解像
度及びトナー飛散)の評価 印刷初期と30万頁印刷後について画像品質を評価し
た。画像濃度とかぶりはマクベス反射濃度計RD514
型(A division kollmorgen Corp.製)を用いて測定
し、解像度については画像を10倍に拡大して1インチ
当たり何本まで解像しているか目視で判定した。また、
トナー飛散は、30万頁印刷後について目視によりその
程度を判定した。 (c)転写効率 感光体から像支持体へのトナーの転写効率は次式で算出
した。感光体上の未転写画像濃度は、感光体上のトナー
をスコッチテープ(住友スリーエム製)で白紙に移し、
それを(a)と同様にして測定した。 転写効率(%)=(感光体上の未転写画像濃度−転写後
の感光体上の画像濃度)÷感光体上の未転写画像濃度 (d)屈曲紙の画像濃度 印刷中に生じた屈曲紙の画像濃度を測定した。結果を表
5に示した。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】 ※:マグネタイトM1;三井金属鉱業(株)製マグネタ
イトMG−WLを平均粒径0.8μmに分級したもの マグネタイトM2;マグネタイトM190重量%とステ
アリン酸亜鉛10重量%を混合した表面処理マグネタイ
【0042】
【表5】 (注1)印刷を開始したところ、1000頁でオフセッ
トによる汚染堆積が激しく、それ以上印刷を続けること
ができなかった。 (注2)印刷を開始したところ、1000頁でオフセッ
トによる汚染堆積が激しく、その上、画像濃度0.5、
トナー飛散劣悪と、それ以上印刷を続けることができな
かった。 (注3)印刷を開始したところ、1万頁で、かぶり0.
15、解像度3.2と画像品質が大幅に低下した。
【0043】比較例4 実施例1の結着樹脂をスチレン−アクリル酸ブチル共重
合体(モノマー重量比:スチレン/アクリル酸ブチル=
75/25、Mw/Mn:2.6)に替えた以外は全く
同様にして評価した結果、初期特性は190℃での定着
性が30%、画像濃度は1.1、かぶり1.0、解像度
5.0で、10万頁印刷時は画像濃度は0.5、かぶり
1.2、解像度3.2であった。
【0044】比較例5 実施例1のトナー母体を、金属錯体オキシカルボン酸
(ボントロンE−84、オリエント化学(株)製)が3
重量%(その分、共重合体R−1を減量した)配合され
たものに変更した以外は実施例1と全く同様にして評価
した結果、初期特性は190℃での定着性が80%、画
像濃度は1.2、かぶり0.08、解像度6.3で、5
万頁印刷時は画像濃度は0.6、かぶり0.08、解像
度4.0であった。
【0045】
【発明の効果】以上の結果から明らかなように、本発明
の静電荷像現像用トナー、現像剤及び画像形成方法は、
優れた画像品質を長期間にわたって維持するものであ
る。特に、有機光導電体からなる感光体を有し、感光体
に現像されたトナーの像支持体への転写方式がベルト転
写方式であるプリンター又は複写機において、優れた画
像品質を長期間にわたって維持するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/09 9/08 G03G 9/08 365 375 (72)発明者 吉久保 正儀 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 東田 修 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 会津 和郎 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
    (Mn)の比が20以上のスチレン−アクリル系樹脂、
    安息香酸、着色剤及びポリオレフィンを含有してなり、
    金属錯体アゾ染料、金属錯体オキシカルボン酸、四級ア
    ンモニウム塩及びニグロシン染料を含まないトナー母体
    に、シリカ微粉末を含む添加剤を添加混合してなる静電
    荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 スチレン−アクリル系樹脂がマレイン酸
    ジブチル及び/又はフマル酸ジブチルを含有してなる単
    量体混合物を重合して得られる樹脂である請求項1記載
    の静電荷像現像用トナー。
  3. 【請求項3】 安息香酸がトナー母体中に0.01〜5
    重量%含有されてなる請求項1又は2記載の静電荷像現
    像用トナー。
  4. 【請求項4】 添加剤としてシリカ微粉末とともに平均
    粒径が1μm以下の磁性粉をトナー母体に添加混合して
    なる請求項1、2又は3記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載のトナー及
    びキャリアを含有してなる現像剤。
  6. 【請求項6】 有機光導電性物質を用いた感光体を有
    し、感光体上に現像されたトナーの像支持体への転写方
    式がベルト転写方式であるプリンター又は複写機と、請
    求項1〜4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーま
    たは請求項5記載の現像剤とを組み合わせて使用するこ
    とを特徴とする画像形成方法。
  7. 【請求項7】 有機光導電性物質としてフタロシアニン
    系顔料を用いた感光体を用いる請求項6記載の画像形成
    方法。
  8. 【請求項8】 有機光導電性物質を用いた感光体が、チ
    タニルフタロシアニンを主成分とする電荷発生層と、
    1,1−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−N−
    メチルカルバゾール及び1,1−ジフェニル−3−
    〔2′,2′(ジ−4″−メトキシフェニル)〕ビニル
    ヒドラゾンを主成分とする電荷搬送層を有するものであ
    る請求項6記載の画像形成方法。
JP4006493A 1992-01-17 1992-01-17 静電荷像現像用トナー、現像剤及び画像形成方法 Pending JPH05188640A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0703507A1 (en) * 1994-09-02 1996-03-27 Mita Industrial Co. Ltd. Image forming method

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0703507A1 (en) * 1994-09-02 1996-03-27 Mita Industrial Co. Ltd. Image forming method

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