JPH0724438U - 籾摺精米機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 サイクロンおよび籾殻収容箱を機体内部に内
蔵したことで、全体をコンパクトならしめ、その設置を
容易にできるとともに、外観的にも優れたものを提供す
ることができる許りか、粉塵や振動音が周囲に飛散、放
出されるのを防止したものである。 【構成】 脱ぷ機６により脱ぷされた混合粒を風選装置
３で風選し、得られた玄米は精米機５に供給して白米と
し、籾殻はサイクロン１２に供給して粉塵を除去した
後、籾殻収容箱１７内に収集する。前記サイクロン１２
と籾殻収容箱１７とは、脱ぷ機６、風選装置３および精
米機５を収設した機体２内部に内蔵したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、農家が自家保有飯米用として貯蔵保有していた小量の乾燥穀粒を必 要に応じ随時籾摺精米し、直ちに食することができる籾摺精米機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、脱ぷ機により脱ぷされた玄米と籾殻との混合粒を風選装置で風選し、得 られた玄米は精米機に供給して白米となし、籾殻はサイクロンに供給して粉塵を 選別除去した後、籾殻収容袋内に収集するようにした籾摺精米機は、本出願前例 えば特公平５−２０１４６号公報に記載されて公知である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、従前のこの種籾摺精米機においては、風選装置により風選された籾 殻を粉塵と選別するためのサイクロンおよび籾殻を収集する籾殻収集袋は一般に 籾摺精米機の機体外部に張出すように設けられていたので、籾摺精米機の設置に 際し、サイクロンが非常に邪魔となり、設置場所が限定される許りか、全体のコ ンパクト化ができないことで外観的にも劣るという問題点を有していた。

【０００４】 その上、従前の籾摺精米機にあっては、サイクロンにより籾殻より分離された 粉塵は粉塵選別胴の吐出側より外部にそのまま排出されていたので、籾摺精米作 業を特に室内において行った場合には粉塵が室内に舞い上がり不衛生状態となる は勿論のこと、運転時に発生した機体内部の振動音も吐出口より室内に集中して 出ることで騒音障害を起こす等の問題点を有していた。

【０００５】 本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり 、その目的とするところは、サイクロンおよび籾殻収容箱を機体外部に張出すこ となく機体内部に内蔵せしめて、全体のコンパクト化と外観的にも優れたものと する許りか、粉塵の周囲飛散および振動音の周囲放出を極力防止し、もって、衛 生的かつ静音状態のもとで能率的な籾摺精米作業が容易に達成できる籾摺精米機 を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案における籾摺精米機においては、第１項の 構成を、脱ぷ機により脱ぷされた玄米と籾殻との混合粒を風選装置で風選し、得 られた玄米は精米機に供給して白米となし、籾殻はサイクロンに供給して粉塵を 選別除去した後、籾殻収容箱内に収集したものにおいて、前記サイクロンと籾殻 収容箱は、脱ぷ機、風選装置および精米機を収設した機体内部に内蔵したもので ある。

【０００７】 また、第２項の構成を、サイクロンに設けた粉塵選別胴の吐出側には集塵と防 音を営ませる集塵防音体を設けたものである。

【０００８】

【作用】

籾摺精米作業の開始に当たり、乾燥籾を籾ホッパー内に投入し、次いで、脱ぷ 機、吸引排塵機、精米機を始動した後、乾燥籾を脱ぷ機に供給すれば、乾燥籾は 高速回転するインペラにより周壁に振り出されて脱ぷされ玄米と籾殻との混合米 となる。前記混合米は揚穀筒により風選装置の供給ホッパーに移送風選される。 ところで、風選装置においては、吸引排塵機の吸引作用で選別風路中に吸引選 別風が流通しているので、供給ホッパーより選別風路中を紆余曲折しながら順次 流下する混合米は選別風により玄米と籾殻とに風選別され、玄米は玄米供給樋を 経て精米機の供給ホッパーに供給された後、精米機で精白され、白米となって外 部に排出されるとともに、精白作業時に発生した糠は糠箱に落下し収集される。

【０００９】 一方、選別された籾殻は吸引排塵機に吸引された後、排塵筒を介しサイクロン に供給され、籾殻と粉塵とに選別された後、籾殻は籾殻排出樋を経て籾殻収容箱 内に落入し収集される一方、粉塵は粉塵選別胴の吐出側より集塵防音体内に排出 されて除塵され、清浄空気となって大気中に放散される。

【００１０】 したがって、サイクロンや籾殻収容箱は勿論のこと、脱ぷ機、風選装置、精米 機等が機体内部に総て内蔵され外部に張出されないので、籾摺精米機全体をコン パクト化して外観的にも優れたものとすることができる許りか、粉塵の周囲飛散 と機体内部に発生した振動音を確実に吸収し、静音状態のもとに籾摺精米作業を 能率的に行うことができる。

【００１１】

【実施例】

実施例について図面を参照して説明する。 図１ないし図４において、１は、乾燥籾を脱ぷ選別し、得られた玄米を直ちに 精米して白米とすることができる籾摺精米機であって、該籾摺精米機１は、周囲 を壁板で囲って形成した機体２内部に、上段より下段に向け吸引排塵機４を備え た風選装置３と、精米機５および遠心式の脱ぷ機６とを順次立体的に収設すると ともに、風選装置３の前面側に排出側が脱ぷ機６に接続された籾ホッパー７を配 設して構成したものである。 そして、機体２の上方内部に配設された風選装置３は、脱ぷ機６により脱ぷさ れた玄米と籾殻との混合米を収容する供給ホッパー８を上部に設け、その下部に 複数段に亘りジグザグ状の選別風路９を設けるとともに、選別風路９の下部一側 には吸気窓１０を開口し、他側には選別風路９および吸気窓１０を吸塵口側にそ れぞれ接続した吸引排塵機４を配設して構成したものである。そして、吸引排塵 機４に設けた排塵筒１１の吐出側は機体２内部の一側に配設したサイクロン１２ の竪長の籾殻選別胴１３の一側に開口接続されている。そして、籾殻選別胴１３ の上位中心位置に両端を開口した短長の粉塵選別胴１４を配設して、籾殻選別胴 １３と粉塵選別胴１４との間に旋回選別室１５を設けるとともに、旋回選別室１ ５の下部に接続した籾殻排出樋１６は、機体２内部に設けた籾殻収容箱１７内に のぞませてある。 選別風路９の下部に接続した玄米排出樋１８の下端は精米機５の供給ホッパー １９にのぞませてある。精米機５は、横型を呈し、内部に回転自在の搗精ロール （図示せず）を収納軸架して構成したものである。 機体２内部の最下段位置に配設した遠心式の脱ぷ機６は、高速回転する複数枚 のインペラ６ａにより乾燥籾を周壁に向け跳ね飛ばして衝撃作用により効率よく 脱ぷすることができる構成のものであり、上記脱ぷ機６の一側に付設した揚穀筒 ２０の先端側は風選装置３の供給ホッパー８に接続されている。２１は、精米機 ５より排出された糠を収容するための糠収容箱であって、前記糠収容箱２１も、 機体２内部に内蔵されて籾殻収容箱１７とともに機体２前面側より引き出される ように構成されている。２２は、粉塵選別胴１４の吐出側に取外し自在に設けた 集塵防音体であって、該集塵防音体２２は、図４に示されたように、上端側が閉 塞され、下端側が開口された多孔状の内筒２３と外筒２４との間に横断面が星型 を呈する濾紙からなるフィルター２５を収納して、粉塵選別胴１４の吐出側より 吹き出された粉塵を集塵すると同時に、吐出側より外部に放出されようとした機 体２内部の振動音を吸収せしめるように構成されている。

【００１２】

【考案の効果】

本考案は、上述のとおりに構成されているので、次に記載する効果を奏する。 請求項１の籾摺精米機においては、サイクロンおよび籾殻収容箱がともに機体 内部に内蔵され、一切機体外部に張出すことがないので、全体をコンパクトに形 成し、籾摺精米機を何等の制約を受けることなく所望位置に設置して籾摺精米作 業を能率よく達成することができる許りか、外観的にも優れたものを提供するこ とができる。

【００１３】 請求項２の籾摺精米機においては、粉塵選別胴の吐出側に集塵防音体を設けた ので、粉塵が周囲に飛散されたり、あるいは機体内部の振動音が周囲に放出され るのを確実に防止し、衛生的かつ静音状態のもとに籾摺精米作業を達成できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】籾摺精米機の全体斜視図である。

【図２】籾摺精米機の要部を破断した正面図である。

【図３】図２の縦断側面図である。

【図４】集塵防音体の横断平面図である。

【符号の説明】

１ 籾摺精米機 ２ 機体 ３ 風選装置 ４ 吸引排塵機 ５ 精米機 ６ 脱ぷ機 １２ サイクロン １３ 籾殻選別胴 １４ 粉塵選別胴 １７ 籾殻収容箱 ２２ 粉塵防音体

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 脱ぷ機により脱ぷされた玄米と籾殻との
   混合粒を風選装置で風選し、得られた玄米は精米機に供
   給して白米となし、籾殻はサイクロンに供給して粉塵を
   選別除去した後、籾殻収容箱内に収集したものにおい
   て、前記サイクロンと籾殻収容箱は、脱ぷ機、風選装置
   および精米機を収設した機体内部に内蔵したことを特徴
   とする籾摺精米機。
2. 【請求項２】 サイクロンに設けた粉塵選別胴の吐出側
   には集塵と防音を営ませる集塵防音体を設けたことを特
   徴とする請求項１記載の籾摺精米機。