JPH07242802A - ポリエステル組成物 - Google Patents

ポリエステル組成物

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JPH07242802A
JPH07242802A JP3725694A JP3725694A JPH07242802A JP H07242802 A JPH07242802 A JP H07242802A JP 3725694 A JP3725694 A JP 3725694A JP 3725694 A JP3725694 A JP 3725694A JP H07242802 A JPH07242802 A JP H07242802A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 熱分解温度が350℃以上の架橋高分子粒子
および特定のスルホン酸金属塩を含有してなるポリエス
テル組成物。 【効果】 フィルム等に成形した場合、磁気記録媒体用
途などにおいて耐摩耗性および帯電防止性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィルムまたは繊維等
の成型品にした場合に耐摩耗性および帯電防止性能に優
れるポリエステル組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にポリエステル、例えばポリエチレ
ンテレフタレートは、優れた力学特性、化学特性を有し
ており、フィルム、繊維等の成形品として広く用いられ
ている。そして、ポリエステル成形品に加工して使用す
る際には、その滑り性や耐摩耗性が、製造工程、各種用
途における加工工程での作業性に大きな影響を及ぼす。
例えば磁気テープのベースフィルムとして使用する場
合、これらの特性が不足すると、磁気テープ製造工程に
おいてコーティングロールとフィルムとの間の摩擦が大
きくなり、フィルムにしわや擦り傷が生じたりする。ま
た、フィルムの摩耗粉が発生しやすくなり、磁性層を塗
布する工程で塗布抜けが生じ、その結果磁気記録の抜け
(ドロップアウト)等を引き起こす原因となる。また磁
気テープとして使用する場合においても、記録再生時の
VTRデッキ内の各種ガイドピンとの接触走行により摩
耗粉が発生しドロップアウトを引き起こす。
【0003】従来、フィルムの滑り性を向上させる方法
として、二酸化チタン、炭酸カルシウム、二酸化ケイ素
などの無機粒子をポリエステル中に含有させることが数
多く提案されている。しかし、一般にこれらの粒子は硬
く、かつポリエステルとの親和性が低いため、例えば、
フィルム製造工程あるいは記録再生時の接触走行にかか
る外力によって脱落しやすく、滑り性の悪化や上記ドロ
ップアウトを生じやすい。このような無機粒子の欠点を
解消すべく、近年、特公昭63−45409号公報、特
開昭59−217755号公報、特開平2−18935
9号公報などに、架橋有機高分子からなる粒子が提案さ
れている。
【0004】一方、マトリックスのポリエステルは帯電
しやすい欠点があり、とくに上記した架橋高分子粒子を
用いると、耐摩耗性は改善されるが、場合によっては無
機粒子より成形品はより帯電しやすくなる傾向があっ
た。帯電性が高いと例えば、フィルムに加工した場合、
製膜加工工程でのロールへの巻きつき、ゴミやほこりの
吸引によるフィルム面の汚れ、印刷不良などの問題が発
生する。このため、耐摩耗性と同時に帯電防止性に優れ
たポリエステル組成物が必要とされていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記従
来技術の欠点を解消することにあり、フィルムまたは繊
維等の成型品にした場合に耐摩耗性および帯電防止性能
に優れるポリエステル組成物に関するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、
「熱分解温度が350℃以上である架橋高分子粒子およ
び式(1)で示されるスルホン酸金属塩を0.1〜10
重量%含有することを特徴とするポリエステル組成物。 R(X)n SO3 M (1) (ただし、R:炭素数5〜30のアルキル基、X:芳香
族基、n:0〜1,M:アルカリ金属元素を示す)」に
よって達成される。
【0007】本発明におけるポリエステルとは、酸成分
としてテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、ジフェニルジカルボン酸、イソフタル酸などの芳香
族ジカルボン酸と、グリコール成分としてエチレングリ
コール、ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール
などグリコールとからなる芳香族ポリエステルである。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどを挙
げることができる。前記した酸成分およびジオール成分
を二種類以上併用した共重合ポリエステルであってもよ
い。
【0008】本発明のポリエステルは、従来公知の方法
によって製造することができる。
【0009】例えばポリエチレンテレフタレート(PE
T)の場合、テレフタル酸(TPA)とエチレングリコ
ール(EG)とを直接エステル化するか、テレフタル酸
ジメチル(DMT)とEGをエステル交換反応せしめて
ビスヒドロキシエチルテレフタレートおよびその低重合
体(BHT)を得、次いで減圧下で加熱してEGを除去
することにより製造することができる。この際、触媒等
の添加剤は必要に応じて任意に使用することができる。
【0010】本発明のポリエステルには、下式で示され
るスルホン酸金属塩を0.1〜10重量%含有する必要
がある。 R(X)n SO3 M (ただし、R:炭素数5〜30のアルキル基、X:芳香
族基、n:0〜1,M:アルカリ金属元素を示す。) 本発明におけるスルホン酸金属塩は、R−X−SO3
で示される芳香族系スルホン酸アルカリ金属塩や、R−
SO3 Mで示される脂肪族系スルホン酸アルカリ金属塩
であるが、アルキル基の炭素数は5から30である必要
がある。炭素数が5〜30の範囲であると、スルホン酸
金属塩がポリエステル中で分散性に優れ、良好な帯電防
止効果が発現する。
【0011】前記R(X)n SO3 Mを形成するスルホ
ン酸金属塩の例として、オクチルベンゼンスルホン酸、
ドデシルベンゼンスルホン酸、オクタデシルベンゼンス
ルホン酸、ウンデシルスルホン酸、ドデシルスルホン
酸、オクタデシルスルホン酸などが挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。Mの種類はリチウム塩、
ナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられるが、リチウ
ム塩が帯電防止性能、耐擦り傷性の面から好ましく用い
ることができる。また、スルホン酸金属塩化合物の含有
量は、ポリエステルに対して0.1〜10重量%、好ま
しくは0.2〜5重量%、特に好ましくは0.3〜3重
量%である。含有量が0.1重量%未満であると、帯電
防止性能が不十分あり、一方、10重量%を超えるとも
はや帯電防止効果は飽和に達するばかりでなく、逆にゲ
ル状異物が生成しやすくなり、さらには機械的特性が低
下するため好ましくない。
【0012】本発明におけるポリオキシアルキレングリ
コールの平均分子量は1,000〜200,000であ
ることが好ましい。より好ましい平均分子量は5,00
0〜100,000、特に好ましい平均分子量は8,0
00〜50,000である。ポリオキシアルキレングリ
コールの平均分子量をかかる範囲とすることにより帯電
防止性の向上効果が十分に得られる。
【0013】また、本発明におけるポリオキシアルキレ
ングリコールの含有量は0.1〜10重量%とするのが
好ましく、より好ましくは0.5〜5重量%である。含
有量が本発明の範囲であると、帯電防止性の向上が顕著
である。
【0014】本発明におけるポリオキシアルキレングリ
コールは、ポリエステルに共重合されていてもよいし、
されていなくても構わない。
【0015】本発明における架橋高分子粒子としては、
分子中に唯一個の脂肪族の不飽和結合を有するモノビニ
ル化合物(A)と、架橋成分として分子中に2個以上の
脂肪族の不飽和結合を有する化合物(B)との共重合体
が挙げられる。
【0016】上記共重合体における化合物(A)の例と
しては、スチレン、α−メチルスチレン、フルオロスチ
レン、ビニルピリン、エチルビニルベンゼンなどの芳香
族モノビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリルなどのシアン化ビニル化合物、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、オクチルアクリレート、ドデシルアク
リレート、ヘキサデシルアクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、グリシジルアクリレート、N,N´−ジメチルアミ
ノエチルアクリレートなどのアクリル酸エステルモノマ
ー、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プ
ロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、
ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレー
ト、アリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、
ベンジルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリ
レート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシ
ジルメタクリレート、N,N´−ジメチルアミノエチル
メタクリレートなどのメタクリル酸エステル、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などのモノ
もしくはジカルボン酸またはジカルボン酸の酸無水物、
アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド系モノ
マーを使用することができる。上記化合物(A)として
は、スチレン、エチルビニルベンゼン、メチルメタクリ
レートが特に好ましく使用される。
【0017】化合物(B)の例としてはジビニルベンゼ
ン化合物、あるいはトリメチロールプロパントリアクリ
レート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、
あるいはエチレングリコールジアクリレート、エチレン
グリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール
ジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレ
ート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、
1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメ
チロールプロパントリクリレート、トリメチロールプロ
パントリメタクリレートなどの多価アクリレートおよび
メタクリレートが挙げられる。化合物(B)のうち特に
ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレー
トまたはトリメチロールプロパントリメタクリレートが
特に好ましく使用される。
【0018】本発明の架橋高分子粒子の組成として好ま
しいものを例示すると、ジビニルベンゼン重合体、エチ
ルビニルベンゼンージビニルベンゼン共重合体、スチレ
ンージビニルベンゼン共重合体、スチレン−エチルビニ
ルベンゼン−ジビニルベンゼン共重合体、エチレングリ
コールジメタクリレート重合体、スチレン−エチレング
リコールジメタクリレート共重合体、メチルメタクリレ
ート−ジビニルベンゼン共重合体などの架橋高分子粒子
が挙げられる。また3成分以上の系であってもよい。
【0019】本発明にける架橋高分子粒子は組成につい
てはとくに限定されないが、上記の種々の組成の粒子で
あっても、特定の耐熱性を有しないものを使用した場合
には本発明の目的とする効果を得ることができない。
【0020】本発明における架橋高分子粒子の耐熱性に
関しては、熱天秤による熱分解温度(窒素気流中、10
%減量温度)が350℃以上であることが、ポリエステ
ル組成物製造時、溶融成形時あるいは回収再利用時の粒
子凝集を少なくするために必要である。さらに好ましく
は360℃以上、特に好ましくは370℃以上である。
【0021】このような架橋高分子粒子における耐熱性
はとくに架橋度に大きく左右される。すなわち粒子を構
成する全有機成分に対して式(2)で定義される架橋度
が10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、と
くに好ましくは50重量%以上であると、耐熱性が良好
となる。 架橋度=(原料モノマ中の架橋成分の重量)/(原料モノマの全重量) ×100(%) …(2)
【0022】本発明の架橋高分子粒子の平均粒子径は
0.01〜3μmが好ましく、より好ましくは0.02
〜1μmである。
【0023】本発明のポリエステル組成物における架橋
高分子粒子の含有量は0.005重量%以上5重量%以
下が好ましい。0.005重量%未満では、フィルム等
にした場合に滑り性が不十分となり、また5重量%を越
える場合には粒子同志の凝集が生じやすくフィルム表面
に粗大突起をつくるため好ましくない。
【0024】本発明の架橋高分子粒子をポリエステルへ
含有せしめるための添加方法、添加時期については、従
来公知の方法、例えば粉体やグリコールスラリーの形態
でポリエステルの反応系に添加する方法や、粉体や低沸
点溶媒を用いたスラリーの形態でポリエステルに練り込
む方法をとることが可能である。とくに該粒子の水およ
び/または沸点200℃以下の有機化合物スラリーの形
態でポリエステルに練り込む方法が粒子の分散性が良好
となり好ましい。この際には脱気のためのベント式成形
機を用いるとさらに好ましい。
【0025】架橋高分子粒子の水および/または沸点2
00℃以下の有機化合物スラリー濃度は特に制限されな
いが、ポリマに対して水および/または沸点200℃以
下の有機化合物の添加量は2重量%以上30重量%以下
がポリマ中の分散性が良好で、またポリマの極限粘度が
低下しないので好ましい。より好ましくは2重量%以上
20重量%以下である。また、架橋高分子粒子のスラリ
ーには、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウ
リル硫酸ナトリウムなどのアニオン系界面活性剤、ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレン
グリコールモノステアレートなどのノニオン系界面活性
剤、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カ
ルボキシルメチルセルロースなどの保護剤を添加すると
粒子分散性がより良好となり好ましい。保護剤の粒子に
対する量としては0.01〜10重量%が好ましく、よ
り好ましくは0.1〜5重量%である。
【0026】また本発明の架橋高分子粒子以外に本発明
の目的を阻害しない範囲内で、酸化ケイ素、酸化チタ
ン、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化ジルコニ
ウムなどの無機粒子または、アルカリ金属およびアルカ
リ土類金属の少なくとも一種とリンを構成成分の一部と
するポリエステル重合反応系内で析出してくる粒子すな
わち内部粒子などの粒子等を含有していてもよい。
【0027】無機粒子または内部粒子と本発明の架橋高
分子粒子を含有した組成物を製造する方法としては、例
えばポリエステルの反応系にこれらの両者を添加する方
法をとっても構わないし、別々にポリマに配合したマス
タチップを再度ブレンドし、溶融混練する方法をとって
も構わない。
【0028】本発明のポリエステル組成物をフィルムと
して用いる場合には、単層、積層どちらのフィルムにも
適用できるが、表面平坦性の点からは、本発明のポリエ
ステル組成物からなるフィルムを少なくとも1層に積層
しているフィルムが好ましい。
【0029】また、本発明のポリエステル組成物からな
る積層フィルムが3層以上の構造であると、耐摩耗性の
点からより好ましく、本発明のポリエステル組成物から
なるフィルムが、3層構造からなる積層フィルムの少な
くとも1つの最外層であることが好ましい。本発明の架
橋高分子粒子以外の粒子を含有する場合、該併用粒子は
本発明の架橋高分子粒子と同じ層に含有されていてもよ
い。
【0030】また、耐摩耗性の点から特に好ましいの
は、本発明の架橋高分子粒子を含有する層が最表層に含
有され、そのフィルム層厚さtと、該粒子の粒径dの関
係が、0.2d≦t≦10d、好ましくは0.5d≦t
≦5d、さらに好ましくは0.5d≦t≦3dの場合で
あって、その最外層の厚さが0.005〜1μm好まし
くは0.01〜0.5μm、さらに好ましくは0.02
〜0.3μmの場合である。 またこのポリエステルフ
ィルムは、耐摩耗性の点から、少なくとも片面の突起個
数が2×103 〜5×105 個/mm2 であることが好
ましい。少なくとも片面の突起個数は、好ましくは3×
103 〜4×105 個/mm2 、より好ましくは5×1
3 〜3×105 個/mm2 である。
【0031】次に上記のフィルムの製造方法を説明す
る。本発明における架橋高分子粒子および必要に応じて
他の粒子を所定量含有するペレットを乾燥したのち、公
知の溶融押出機に供給し、スリット状のダイからシート
状に押出し、キャスティングロール上で冷却固化せしめ
て未延伸フィルムを作る。積層フィルムの場合には、2
または3台の押出し機、2または3層のマニホールドま
たは合流ブロックを用いて、溶融状態のポリエステルを
積層する。この場合、凝集粒子を含有する流路に、スタ
ティックミキサー、ギヤポンプを設置する方法を用いて
もよい。
【0032】次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し、二
軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法ま
たは同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、最
初に長手方向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸
法を用い、長手方向の延伸を3段階以上に分けて、縦延
伸温度80℃〜150℃、総縦延伸倍率3.0〜5.5
倍、縦延伸速度は5000〜50000%/分の範囲が
好ましい。幅方向の延伸方法としてはステンタを用いる
方法が好ましく、延伸温度は80〜160℃、幅方向延
伸倍率は縦倍率より大きく3.5〜6.5倍、幅方向の
延伸速度は1000〜20000%/分の範囲が好まし
い。
【0033】次にこの延伸フィルムを熱処理する。この
場合の熱処理温度は170〜200℃、特に170〜1
90℃で時間は0.5〜60秒の範囲が好適である。
【0034】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに詳細に説
明する。なお、実施例中の物性は次のように測定した。
【0035】(1)粒子の平均粒子径 粒子をポリエステルに配合せしめ、フィルム断面を0.
1μm厚みの超薄切片にカッティング後、2万倍以上の
倍率で透過型電子顕微鏡で観察し、粒子1000個の面
積平均径(μm)で評価した。
【0036】(2)フィルムの表面凹凸 JISB−0601に準じサーフコム表面粗さ計を用
い、針径2μm、荷重70mg、測定基準長0.25m
m、カットオフ0.08mmの条件下で中心線平均粗さ
(Ra)を測定した。
【0037】(3)積層フィルムの積層厚み 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層か
ら深さ3000nmの範囲のフィルム中の粒子のうち最
も高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元
素の濃度比(M+ /C- )を粒子濃度とし、表面から深
さ3000nmまでの厚さ方向の分析を行なう。表層で
は表面という界面のために粒子濃度は低く表面から遠ざ
かるにつれて粒子濃度は高くなる。本発明のフィルムの
場合は、一旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始め
る。この濃度分布曲線をもとに表層粒子濃度が極大値の
1/2となる深さ(この深さは極大値となる深さよりも
深い)を求め、これを積層厚みとした。条件は次の通り
である。
【0038】測定装置 2次イオン質分析装置(SIMS)独、ATOMIKA
社製A−DIDA3000 測定条件 1次イオン種 O2 + 1次イオン加速電圧 12kV 1次イオン電流 200nA ラスター領域 400μm□ 分析領域 ゲート30% 測定真空度 6.0×10-9Torr E−GUN 0.5kV−3.0A なお、表層から深さ3000nmの範囲に最も多く含有
する粒子が有機高分子粒子の場合は、SIMSでは測定
が難しいので、表層からエッチングしながらXPS(X
線光電子分光法)、IR(赤外分光法)などで上記同様
のデプスプロファイルを測定し積層厚みを求めても良い
し、また、電子顕微鏡等による断面観察で粒子濃度の変
化状態やポリマの違いによるコントラストの差から界面
を認識し積層厚みを求めることもできる。さらに積層ポ
リマを剥離後、薄膜段差測定機を用いて積層厚みを求め
ることもできる。
【0039】(4)耐摩耗性 フィルム幅1/2インチのテープ状にスリットしたもの
をテープ走行性試験機を使用して、ガイドピン(表面粗
度:Raで100nm)上を走行させる(走行速度10
00m/分、走行回数15パス、巻き付け角:60°、
走行張力:60g)。この時、フィルムに入った傷を顕
微鏡で観察し、幅2.5μm以上の傷がテープ幅あたり
2本未満はA級、2本以上3本未満はB級、3本以上1
0本未満はC級、10本以上はD級とした。B級以上を
合格とした。
【0040】(5)帯電防止性 表面固有抵抗として評価した。川口電気製作所製MMA
II−15型超微小電流計を用い、フィルムを室温20
℃、湿度65%のもとに6時間放置した後、測定を行っ
た。1×1011Ω/□以下を合格とした。
【0041】(6)粒子の熱分解温度 熱天秤を用い窒素気流中、昇温速度10℃/分の条件で
10%減量温度を本発明における架橋高分子粒子の熱分
解温度とした。
【0042】実施例1 固有粘度0.660のポリエチレンテレフタレートチッ
プをベントタイプ二軸押出機を使用して該ポリマーチッ
プを溶融状態とし、ここへ熱分解温度が355℃である
エチルビニルベンゼン/ジビニルベンゼン共重合体粒子
の20重量%水スラリーを添加し、粒子濃度0.5重量
%のポリエチレンテレフタレート(I)を得た。混練時
はベントロを10Torrの真空度に保持し、樹脂温度
を280℃とした。
【0043】一方、テレフタル酸ジメチル100重量
部、エチレングリコール70重量部、エステル交換反応
触媒として酢酸マグネシウム0.05重量部、重合触媒
として三酸化アンチモン0.04重量部、耐熱安定剤と
してトリメチルホスフェート0.03重量部を用いて、
通常の方法で極限粘度0.650のポリエチレンテレフ
タレート(II)を得た。
【0044】さらにポリエチレンテレフタレート(I
I)の重縮合反応終了後、スルホン酸金属塩化合物とし
てドデシルスルホン酸リチウム塩を15重量%添加し、
30分混練後,系内を再度減圧にして重縮合反応を30
分継続してポリエチレンテレフタレート(III)を得
た。
【0045】(II)、(I)および(III)のチッ
プブレンド物(IV)を2つのポリマを180℃で7時
間減圧乾燥(5Torr)した後、それぞれ押出機1、
押出機2にポリマ(II)、ポリマ(IV)をそれぞれ
供給し285℃、280℃で溶融した。これらのポリマ
を高精度濾過した後、矩形合流部にて3層積層とした
(積層構成:ポリマ(IV)/ポリマ(II)/ポリマ
(IV))。
【0046】これを静電印加キャスト法を用いて表面温
度25℃のキャスティング・ドラムに巻きつけて冷却固
化し、未延伸フィルムを作った。この時、口金スリット
間隙/未延伸フィルム厚さの比を10とした。また、そ
れぞれの押出機の吐出量を調節し総厚さ、熱可塑性樹脂
P層の厚さを調節した。
【0047】この未延伸フィルムを温度85℃にて長手
方向に3.5倍延伸した。この延伸は2組ずつのロール
周速差で、4段階で行なった。この一軸延伸フィルムを
ステンタを用いて延伸速度2000%/分で95℃で幅
方向に5.5倍延伸し、定長下で、190℃にて3秒間
熱処理し、総厚さ15μmの二軸配向積層フィルムを得
た。得られたフィルムの切片を用いて測定した粒子の平
均粒子径は0.6μmであった。このフィルムの特性は
表1に示したとおりであり、耐摩耗性および帯電防止性
が良好であった。
【0048】実施例2〜3、比較例1〜3 実施例1と同様にして、ポリマ組成、不活性粒子の組
成、平均粒子径、添加量、および該粒子以外の粒子の種
類、粒径、添加量などを変更したフィルムを得た。ま
た、積層厚みの変更をおこなったり、単層フィルムを作
成した。表1に示すように本発明に規定した範囲のポリ
エステル組成物を用いたフィルムは耐摩耗性および帯電
防止性が良好であるが、そうでないものは不十分であっ
た。
【0049】た。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明のポリエステル組成物は、熱分解
温度の高い架橋高分子粒子および特定のスルホン酸金属
塩を含有し、とくにフィルムとした場合などに、耐摩耗
性および帯電防止性に優れた効果を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 101:00)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱分解温度が350℃以上である架橋高分
    子粒子および式(1)で示されるスルホン酸金属塩を
    0.1〜10重量%含有することを特徴とするポリエス
    テル組成物。 R(X)n SO3 M (1) (ただし、R:炭素数5〜30のアルキル基、X:芳香
    族基、n:0〜1,M:アルカリ金属元素を示す)
  2. 【請求項2】Mがリチウム元素であることを特徴とする
    請求項1記載のポリエステル組成物。
  3. 【請求項3】平均分子量1,000〜200,000の
    ポリオキシアルキレングリコールを0.1〜10重量%
    含有することを特徴とする請求項1記載のポリエステル
    組成物。
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