JPH07242714A - 水性樹脂分散体 - Google Patents

水性樹脂分散体

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JPH07242714A
JPH07242714A JP3675394A JP3675394A JPH07242714A JP H07242714 A JPH07242714 A JP H07242714A JP 3675394 A JP3675394 A JP 3675394A JP 3675394 A JP3675394 A JP 3675394A JP H07242714 A JPH07242714 A JP H07242714A
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英夫 武内
Tomoshi Nishimura
智志 西村
Tamio Iimure
民雄 飯牟礼
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 フェノキシ樹脂(A)とフェノール系樹脂
(B)の予備結合物(C−1)に、不飽和脂肪族カルボ
ン酸単量体とこれと共重合可能な不飽和単量体からなる
単量体混合物をグラフト重合させ、得られたカルボン酸
変性グラフト重合物(C−2)を含む複合樹脂組成物を
アンモニアまたはアミンの存在下に水性媒体中に分散さ
せた水性樹脂分散体。 【効果】 加工性、密着性、缶蓋打ち抜き性、耐レトル
ト白化性及び耐食性に優れた塗膜を形成し、飲食料品用
の金属缶内面用塗料、プレコート鋼板用下塗り塗料等と
して優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属を対象とした焼き
付け用の被覆用水性樹脂分散体に関するものであり、特
に缶被覆用塗料、さらにプレコート鋼板用下塗り塗料、
自動車用下塗り塗料等として優れた塗膜を形成すること
ができる水性樹脂分散体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、飲食料品用の金属缶内面用塗
料、プレコート鋼板用下塗り塗料として、強靭性、可と
う性、密着性、耐薬品性等に優れたエポキシ樹脂または
その変性樹脂を主成分とする溶剤型塗料や塩ビゾル系塗
料等が多く使用されてきた。しかしながら、近年、環境
公害、作業環境、省資源或いは省エネルギー等の観点か
ら、金属缶用塗料等も溶剤系から水系への転換が望まれ
ている。そのため、エポキシ樹脂を水性化する種々の技
術が開発されている。
【0003】例えば、特開昭53−1228号公報に
は、エポキシ樹脂に、ベンゾイルパーオキシド等のフリ
ーラジカル発生剤を用いて、メタクリル酸のようなカル
ボキシル基含有ビニル単量体を含有するビニル単量体混
合物を共重合させ、得られるグラフト化されたエポキシ
樹脂組成物を塩基を含む水性媒体中に分散させた水性被
覆用樹脂組成物が開示されている。
【0004】また、特開昭53−1285号公報には、
フェノールやカルボン酸等の停止剤で遊離エポキシ基を
除去したエポキシ樹脂と付加重合性単量体とを、フリー
ラジカル発生剤の存在下で反応させ、得られたグラフト
化されたエポキシ樹脂組成物を塩基を含む水性媒体中に
分散させた水性被覆用樹脂組成物が開示されている。
【0005】さらに、特開昭57−121016号公報
には、フェノキシ樹脂に、ベンゾイルパーオキシド等の
フリーラジカル発生剤を用いて、メタクリル酸のような
カルボキシル基を有するビニル単量体を含有するビニル
単量体混合物を共重合させ、得られたグラフト化された
フェノキシ樹脂組成物を塩基を含む水性媒体中に分散さ
せた水性被覆用樹脂組成物が開示されている。
【0006】また、特開昭55−75460号公報およ
び特開昭56−109243号公報には、アクリル系樹
脂と比較的高分子量の芳香族系エポキシ樹脂とを反応さ
せたカルボキシル基過剰の部分反応生成物を、アンモニ
アもしくはアミンの存在下で水性媒体中に分散させた水
性被覆用樹脂組成物が開示されている。
【0007】さらには、特開昭55−3481号公報お
よび特開昭55−3482号公報には、アミンの存在下
に、カルボキシル基含有ポリマーとエポキシ樹脂とを反
応させ、得られた自己乳化性エポキシエステルコポリマ
ー混合物からなる水性被覆用樹脂組成物が開示されてい
る。
【0008】一方、特開昭57−105418号公報お
よび特開昭58−198513号公報には、芳香族系エ
ポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を部分反応させ、得ら
れた1分子中にエポキシ基と(メタ)アクリロイル基を
有する低分子化合物に(メタ)アクリル酸を含む単量体
混合物を共重合させ、これを塩基性化合物で中和した水
性樹脂組成物が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の水性被覆用樹脂組成物は、溶剤型エポキシ
系塗料または塩ビゾル系塗料と比較して、特に塗膜と被
塗物である金属素材とりわけアルミニウム材との密着性
に著しく劣り、密着性を改良しようとすると加工性が低
下し、加工性を改良しようとすると密着性、耐レトルト
白化性が低下するため、加工性、密着性、耐レトルト白
化性のバランスがとれたものを得るのが困難であり、そ
のため用途が限定されるという問題点があった。
【0010】特に飲食料品用缶内面に塗装した場合、例
えば、缶のイージーオープンエンドには、一般に予め塗
装されたアルミニウム板が多く使用されるが、従来の水
性被覆用樹脂組成物を用いた場合は密着性が不十分で開
蓋時に塗膜の膜残り現象が起こり易かった。
【0011】また、予め塗装された板材から打ち抜き缶
や絞り缶等を加工する場合には、塗膜と金属素材との密
着性に劣り、従来の水性被覆用樹脂組成物をこれらの用
途に使用することは、不可能であった。
【0012】さらに、ティンフリースチール材を用いる
3ピース缶は、缶胴の縫い目をポリアミド系接着剤で張
り合わせた接着缶が多く使用されているが、従来の水性
被覆用樹脂組成物は、下地缶素材及びポリアミド系接着
剤に対して十分な密着性がなかった。
【0013】本発明の目的は、金属素材に対し、エポキ
シ樹脂またはその変性樹脂を主成分とする溶剤系塗料や
塩ビゾル系塗料と同程度の密着性を有すると共に、加工
性、耐内容物保存性にも優れ、さらに耐レトルト白化
性、加熱加圧殺菌処理によっても劣化しない優れた新規
な水性樹脂分散体を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を克服すべく鋭意検討を重ねた結果、予めフェノキシ樹
脂とフェノール樹脂とを予備結合させたものを、アクリ
ル酸を含む単量体混合物でグラフト変性することにより
目的を達することを見出し、本発明をなした。本発明
は、フェノキシ樹脂(A)とフェノール系樹脂(B)の
予備結合物(C−1)に、不飽和脂肪族カルボン酸単量
体とこれを共重合可能な不飽和単量体からなる単量体混
合物を重合させ、得られたカルボン酸変性グラフト重合
物(C−2)を含む複合樹脂組成物をアンモニアもしく
はアミンの存在下に水性媒体中に分散させた水性樹脂分
散体である。
【0015】本発明に用いるフェノキシ樹脂(A)は、
ビスフェノールA等とエピクロロヒドリンから製造され
るもので、具体的にはビスフェノールA等とエピクロル
ヒドリンをアルカリ触媒の存在下に高分子量になるまで
縮合させるか、あるいはビスフェノールA等とエピクロ
ルヒドリンをアルカリ触媒の存在下に低分子量エポキシ
樹脂に縮合させ、この低分子量エポキシ樹脂とビスフェ
ノールA等とを重付加反応させることにより製造され、
数平均分子量が10,000以上の熱可塑性フェノキシ
樹脂が使用される。分子量10,000未満では加工性
が劣る。市販品としては、東都化成(株)のフェノトー
トYP−50、米国ユニオンカーバイドコーポレーショ
ン製のフェノキシ樹脂PKHH等がある。
【0016】フェノキシ樹脂(A)は、複合樹脂組成物
の全重量の50〜90重量%である。50重量%未満で
は、密着性、加工性に劣り、90重量%を超えると水分
散化が困難になる。
【0017】一方、フェノール系樹脂(B)は、フェノ
ール類とアルデヒド類、特にホルムアルデヒドを、触媒
の存在下で、通常用いられる公知の方法で付加縮合させ
ることにより製造され、フェノール性水酸基あるいはア
ルコール性水酸基を低分子量アルコールで変性したもの
でも良い。上記触媒としては、アンモニア、エチルアミ
ン、ブチルアミン、ジエタノールアミンのような有機ア
ミン、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化
カルシウム、水酸化バリウム等の水酸化アルカリの塩基
性触媒、または塩酸、燐酸、硫酸、酢酸等の酸性触媒が
用いられる。フェノール類としては、フェノール;o、
mもしくはp−クレゾール、p−tert−ブチルフェノー
ル、mもしくはp−エチルフェノール、2,3−、2,
5−もしくは3,5−キシレノール等のアルキルフェノ
ール;レゾルシン;m−メトキシフェノール;ビスフェ
ノール(B)等が用いられる。
【0018】フェノール系樹脂(B)には、フェノール
樹脂を高アルカリ濃度の液中でハロゲン化アリルと反応
させ、フェノール性水酸基をアリルエーテル化したアリ
ルエーテル化フェノール樹脂を含む。また、アリルエー
テル化した後、アルコール性水酸基を低分子量アルコー
ルで変性したものでも良い。これらのフェノール系樹脂
(B)は、2種以上混合して用いることもできる。
【0019】フェノール系樹脂(B)は、数平均分子量
が200〜300,000のものが好ましい。200未
満では密着性が劣るだけでなく、風味保存性等に劣り、
缶被覆用塗料の用途には不向きであり、300,000
を超える場合は加工性が劣る。
【0020】フェノキシ樹脂(A)とフェノール系樹脂
(B)の予備結合物(C−1)は、フェノキシ樹脂
(A)とフェノール系樹脂(B)を有機溶剤の存在下ま
たは不存在下に、50℃ないし150℃で10分間ない
し10時間反応させて得られる。結合度合いは、フェノ
ール系樹脂(B)の量や基材に塗装後の焼き付け温度等
により異なるが、結合度合いは一般に多い程良く、フェ
ノール系樹脂(B)を1%以上反応させることが好まし
い。反応による結合度合いはGPC(ゲル パーミエー
ション クロマトグラフィ)により測定することができ
る。
【0021】フェノキシ樹脂(A)とフェノール系樹脂
(B)との予備結合物(C−1)を製造する際には、付
加反応を促進するためにトリエチルアミン、トリエタノ
ールアミン、ジメチルエタノールアミン等の三級アミン
等の促進触媒を使用しても良い。
【0022】フェノール系樹脂(B)の重量は、フェノ
キシ樹脂(A)の重量に対して0.5〜60重量%、好
ましくは1〜30重量%の範囲であることが望ましい。
フェノール系樹脂(B)の重量が0.5重量%より少な
いときは、密着性、耐レトルト白化性に劣り、60重量
%より多いときは加工性に劣る。
【0023】次に、本発明においては、フェノキシ樹脂
(A)とフェノール系樹脂(B)との予備結合物(C−
1)に、不飽和脂肪族カルボン酸単量体とこれと共重合
可能な不飽和単量体からなる単量体混合物をグラフト重
合させて、カルボン酸変性グラフト重合物(C−2)を
含む複合樹脂組成物を製造する。
【0024】単量体混合物に含まれる不飽和脂肪族カル
ボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸等の
一塩基性不飽和カルボン酸単量体が好ましい。
【0025】不飽和脂肪族カルボン酸単量体と共重合可
能な不飽和単量体としては、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イ
ソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)
アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アク
リル酸ノニル等の(メタ)アクリル酸エステル類;スチ
レン、ビニルトルエン、2−メチルスチレン、t−ブチ
ルスチレン、クロルスチレン、α−メチルスチレン等の
スチレン系単量体類;(メタ)アクリル酸グリシジル、
グリシジルクロトネート、グリシジルアリルエーテル、
(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アク
リルアミド、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニリデ
ン、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等があげられる。こ
れらの重合性不飽和単量体は、1種または2種以上の混
合物として使用できる。特にスチレン系単量体類と(メ
タ)アクリル酸エステル類の混合単量体または(メタ)
アクリル酸エステル類が好ましい。
【0026】カルボン酸変性グラフト重合物(C−2)
の製造は、前記予備結合物(C−1)に前記単量体混合
物を、ベンゾイルパーオキシド等の通常のラジカル重合
開始剤を単量体混合物の重量に対して0.1%以上、好
ましくは0.5%以上、さらに好ましくは3%以上の存
在下に、80℃ないし150℃の温度で反応させて行
う。
【0027】単量体混合物中に含まれる不飽和脂肪族カ
ルボン酸単量体の量は、複合樹脂組成物の酸価が30〜
200となる量であることが望ましい。30より少ない
と水分散化し難く、200より多いと耐食性、加工性が
劣るだけでなく高粘度で作業性が悪い。
【0028】本発明でいう複合樹脂組成物とは、主成分
のカルボン酸変性グラフト重合物(C−2)の他、単量
体混合物より導かれる共重合体、予備結合物(C−1)
等を含む混合物を意味する。
【0029】本発明において水性樹脂分散体の調製は、
最終水性樹脂分散体のpHが4ないし11となるように、
アンモニアもしくはアミンを加えた水性媒体中に前記複
合樹脂組成物を分散させればよい。上記アミンとして
は、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ
ブチルアミン等のアルキルアミン類;2−ジメチルアミ
ノエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールア
ミン、アミノメチルプロパノール等のアルコールアミン
類;モルホリン等があげられる。また、エチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン等の多価アミンも使用でき
る。
【0030】上記水性媒体としては、水単独あるいは少
なくとも10重量%以上が水である親水性有機溶剤との
混合物が使用され、親水性有機溶剤としては、メチルア
ルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
sec −ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のア
ルカノール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、
プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビ
トール、エチルカルビトール、プロピルカルビトール、
ブチルカルビトール等のエーテルアルコール類;その他
ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジアセトンアルコ
ール、アセトン等が使用される。これらの親水性有機溶
剤は、最終の水性樹脂分散体から脱溶剤することもでき
る。また、疎水性の有機溶剤も親水性有機剤と併用して
使用することができる。
【0031】本発明の水性樹脂分散体には、必要に応じ
て可塑剤、成膜助剤、分散剤、表面調整剤、防腐剤、消
泡剤、防蝕剤、充填剤等の公知慣用の添加剤を適宜選択
して添加し、塗料として使用することができる。
【0032】本発明の水性樹脂分散体は、処理済みまた
は未処理のアルミニウム板、ブリキ板、ティンフリース
チール板、鋼板、亜鉛鍍金鋼板等の金属板に適用しうる
が、中でも脱脂洗浄後、化成処理を施したアルミニウム
合金板の塗装に好適に用いられる。
【0033】水性樹脂分散体の塗装方法としては、この
分野で公知の各種の方法、例えばロールコーター塗装、
スプレー塗装、浸漬塗装、電着塗装等が適応できるが、
中でもロールコーター塗装、スプレー塗装が好ましい。
【0034】塗膜は熱風炉、電磁誘導加熱、熱線照射等
によって加熱乾燥させる。乾燥硬化条件としては、15
0〜300℃で20秒〜30分間の間が好ましい。
【0035】
【作用】本発明の水性樹脂分散体は、フェノキシ樹脂と
フェノール系樹脂を予め予備結合させているので、前記
従来の水性被覆用樹脂組成物に比較して、加工性を落す
ことなく、密着性、耐レトルト白化性を向上させること
が可能であるという極めて優れた作用を示すが、フェノ
ール系樹脂を単に後に添加したもの(後記比較例1参
照)と比較して、焼き付け時の架橋点分布が均一になる
ことや、またフェノキシ樹脂とフェノール系樹脂の相溶
性が向上すること等によるものと推測される。
【0036】また、一般にフェノール系樹脂は重合禁止
剤として働くため、グラフト反応を阻害すると考えら
れ、一般にフェノール系樹脂の存在下でラジカル重合性
単量体の重合は行えないと考えられていた。しかるに、
本発明では、フェノキシ樹脂とフェノール系樹脂を予備
結合されることにより、グラフト重合が可能になったも
のと考えられる。
【0037】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により、一
層、具体的に説明する。以下において、部及び%は特に
断りの無い限り、すべて重量基準である。
【0038】実施例1 反応容器に、フェノトートYP−50(東都化成社製、
フェノキシ樹脂)140部とブチルセロソルブ50部お
よびn−ブチルアルコール50部を仕込み、120℃に
加熱溶解した後、これにショノールPCL−681(昭
和高分子社製、ストレートフェノールレゾール樹脂、固
形分60%)14.1部を加え、125〜130℃で4
時間保った。GPCの測定により、フェノール系樹脂と
フェノキシ樹脂が予備結合していることを確認した。
【0039】別の容器にメタアクリル酸12.8部、ス
チレン8部、アクリル酸エチル8.8部およびベンゾイ
ルパーオキシド2.3部を入れて均一に混合溶解した。
この単量体混合溶液を、上記予備結合物溶液を収容して
いる反応容器に60分にわたって一定速度で徐々に加
え、温度を117〜119℃に保って1時間撹拌した
後、80℃まで冷却した。次に2−ジメチルアミノエタ
ノール10部を加えて30分間保持し、水297.5部
を加えて、60℃で均一になるまで撹拌し、常温まで冷
却し、不揮発分30%の水性樹脂分散体を得た。
【0040】実施例2 フェノトートYP−50の代りに、フェノキシPKHH
(ユニオンカーバイドコーポレーション社製、フェノキ
シ樹脂)140部を使用した以外は、実施例1と同様に
して水性樹脂分散体を得た。
【0041】実施例3 ショノールPCL−681の代りに、ショノールARL
−080(昭和高分子社製、アリルエーテル化フェノー
ル樹脂、固形分60%)3.3部を使用した以外は、実
施例1と同様にして水性樹脂分散体を得た。
【0042】実施例4 不飽和脂肪族カルボン酸単量体としてアクリル酸10.
7部、共重合可能な不飽和単量体としてメタアクリル酸
メチル14.5部およびアクリル酸2−エチルヘキシル
4.4部を使用した以外は、実施例1と同様にして水性
樹脂分散体を得た。
【0043】比較例1 反応容器に、フェノトートYP−50(東都化成社製、
フェノキシ樹脂)を140部、ブチルセロソルブ50部
およびn−ブチルアルコール50部を仕込み、120℃
に加熱溶解した。別の容器にメタアクリル酸12.8
部、スチレン8部、アクリル酸エチル8.8部およびベ
ンゾイルパーオキシド2.3部を入れて均一に混合溶解
した。この単量体混合溶液を、上記のフェノキシ樹脂溶
液を収容している反応容器に60分にわたって一定速度
で徐々に加え、温度を117〜119℃に保って1時間
撹拌した後、80℃まで冷却した。次に2−ジメチルア
ミノエタノール10部を加えて30分間保持し、水29
7.5部を加えて60℃で均一になるまで撹拌した。常
温まで冷却したのち、ショノールPCL−681を1
4.1部後添加し、不揮発分30%の水性樹脂分散体を
得た。
【0044】比較例2 フェノトートYP−50の代りに、エピコート1010
(シェルケミカル社製、エポキシ樹脂)140部を使用
した以外は、実施例1と同様にして水性樹脂分散体を得
た。
【0045】比較例3 フェノール樹脂溶液の調製 反応容器に、p−tert−ブチルフェノール136部、3
7%ホルムアルデヒド水溶液162部および25%水酸
化ナトリウム水溶液160部を仕込み、50℃で3時間
反応させた後、塩酸で中和し、水を分離した。水分離
後、p−tert−ブチルフェノール250部、10%塩酸
3.7部および水250部を加えて約30分撹拌した。
発熱が終了した時点で、25%水酸化ナトリウム水溶液
160部および37%ホルムアルデヒド水溶液120部
を加え、50℃で3時間反応させ、塩酸で中和し、水層
を分離した後、水洗、水分離を3回繰り返した。これを
n−ブチルアルコール/キシレン=1/1混合溶剤に溶
解し、60%濃度のフェノール樹脂溶液を得た。
【0046】アクリル樹脂溶液の調製 スチレン 300部 アクリル酸エチル 210部 メタアクリル酸 90部 ブチルセロソルブ 388部 ベンゾイルパーオキシド 12部 上記組成の混合物の1/4を反応容器に仕込み、80〜
90℃に加熱し、その温度に保ちつつ残りの全量を2時
間かけて徐々に滴下し、さらに2時間撹拌した。常温ま
で冷却し、アクリル樹脂溶液を得た。
【0047】エポキシ樹脂の調製 反応容器に、エピコート1009(シェルケミカル社
製、エポキシ樹脂、エポキシ当量2500)500部お
よびブチルセロソルブ333.3部を仕込み、100℃
まで加熱し、1時間撹拌溶解した後冷却してエポキシ樹
脂溶液を得た。
【0048】水性樹脂分散体の調製 上記アクリル樹脂溶液 50部 上記エポキシ樹脂溶液 100部 上記フェノール樹脂溶液 30部 2−ジメチルアミノエタノール 4.8部 水 175.2部 上記〜を反応容器に仕込み、撹拌しながら100℃
で2時間反応させた。反応前後のGPCの測定によりフ
ェノール樹脂とエポキシ樹脂の1部が結合していること
を確認した。液温を80℃に下げ、を加えて30分間
反応させ冷却した。反応前後のGPCの測定により、ア
クリル樹脂とエポキシ樹脂が結合していることを確認し
た。さらに撹拌しながら、を徐々に添加し、不揮発分
30%の水性樹脂分散体を得た。
【0049】試験例 実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた水性樹脂分散
体をそれぞれアルミ板に厚さ9〜11ミクロンとなるよ
うに塗布し、到達板温が250℃で30秒となるように
焼き付けて試験板を作製した。試験結果を表1に示し
た。
【0050】なお、試験法は以下の通りである。 (1)加工性 デュポン式衝撃試験機を用いて、下部に2つ折りした試
験板を置き、接触面が平らな重さ1kgの鉄の重りを高さ
50cmから落下させたときの折り曲げ部の状態を観察し
た。亀裂の無い状態を合格とした。全く亀裂が無い◎、
肉眼で亀裂が見えない○、若干の亀裂が見える△、亀裂
が多い×。 (2)缶蓋打ち抜き性 試験板の塗面を内側にして#301缶蓋を打ち抜き、そ
の塗膜の剥がれの有無を観察した。剥がれの無い状態を
合格とした。剥がれが無い○、剥がれが有る×。 (3)耐レトルト白化性 試験板を水を入れた圧力鍋に入れ、蓋をして加熱し、1
25℃で30分間処理し、試験板の白化の有無を観察し
た。白化しないものを合格とした。白化しない○、白化
する×。 (4)密着性 幅5mmの試験板2枚を塗装面を合わせて、間にポリアミ
ド系のホットメルトフィルムを挟み、ホットプレスにて
約200℃で90秒保持し、引っ張り試験機で1枚を1
80°折り曲げる方向に200mm/分の速度で引っ張っ
たときの剥離強度(kg)を測定した。2kg以上を合格と
した。3kg以上◎、2〜3kg○、1〜2kg△。 (5)耐食性 試験板を食塩3%とクエン酸3%の混合液に浸漬して9
0℃で8時間保持し、腐食状態を観察した。塗膜に異常
の無いものを合格とした。塗膜に異常が無い○。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明の水性樹脂分散体は、優れた加工
性を示しながら、密着性、耐レトルト白化性に極めて優
れており、金属板の焼き付け用の塗料として有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 智志 神奈川県相模原市下九沢1211−1(6− 110) (72)発明者 飯牟礼 民雄 埼玉県大宮市三橋1丁目1398−10−405

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノキシ樹脂(A)とフェノール系樹
    脂(B)の予備結合物(C−1)に、不飽和脂肪族カル
    ボン酸単量体とこれと共重合可能な不飽和単量体からな
    る単量体混合物を重合させ、得られたカルボン酸変性グ
    ラフト重合物(C−2)を含む複合樹脂組成物をアンモ
    ニアもしくはアミンの存在下に水性媒体中に分散させた
    水性樹脂分散体。
  2. 【請求項2】 フェノキシ樹脂(A)がビスフェノール
    Aとエピクロロヒドリンから製造されたものであり、フ
    ェノール系樹脂(B)がフェノール類とホルムアルデヒ
    ドから製造されたものである請求項1記載の水性樹脂分
    散体。
  3. 【請求項3】 フェノキシ樹脂(A)の重量が、複合樹
    脂組成物の全重量の50〜90重量%である請求項1ま
    たは2記載の水性樹脂分散体。
  4. 【請求項4】 不飽和脂肪族カルボン酸単量体が(メ
    タ)アクリル酸である請求項1〜3のいずれか1項記載
    の水性樹脂分散体。
  5. 【請求項5】 複合樹脂組成物の酸価が30〜200で
    ある請求項1〜4のいずれか1項記載の水性樹脂分散
    体。
  6. 【請求項6】 共重合可能な不飽和単量体が、(メタ)
    アクリル酸エステル類またはスチレン系単量体類と(メ
    タ)アクリル酸エステル類の混合単量体である請求項1
    〜5のいずれか1項記載の水性樹脂分散体。
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