JPH07242527A - 皮膚外用剤 - Google Patents

皮膚外用剤

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JPH07242527A
JPH07242527A JP5990594A JP5990594A JPH07242527A JP H07242527 A JPH07242527 A JP H07242527A JP 5990594 A JP5990594 A JP 5990594A JP 5990594 A JP5990594 A JP 5990594A JP H07242527 A JPH07242527 A JP H07242527A
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acid
skin
retinoid
formula
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JP5990594A
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English (en)
Inventor
Ritsuko Ehama
律子 江浜
Kazuo Akima
和雄 秋間
Kazuo Komatsu
一男 小松
Seishirou Fujii
誠史郎 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 【請求項1】 下記一般式化1又は化2で示される置換
ジエナミド誘導体を含む皮膚外用剤。 【化1】 【化2】 (式中、R,RおよびRは独立に水素またはアル
キル基を示す) 【効果】 優れた安全性及び皮膚劣化防止作用を得るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は皮膚外用剤、特に皮膚劣
化防止作用を有する皮膚外用剤の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】日光照射による光障害、或いは加齢に伴
う皮膚のしわ、たるみ、つやの消失等の皮膚劣化を防止
するため、各種皮膚外用剤が用いられている。このよう
な皮膚外用剤には、日光などの外的要因より皮膚を保護
する成分、或いは皮膚それ自体に作用し、皮膚の活性化
をうながす成分などが配合され、後者の薬効を示す有効
成分としてビタミンAないしその誘導体が注目されてい
る。ビタミンAは活性代謝産物であるレチノイン酸(ビ
タミンA酸)となり、該レチノイン酸が標的細胞の特異
的レセプターに結合して特異的生理作用を示すことが知
られており、このレセプターに結合してレチノイン酸的
作用を示す化合物をレチノイドと総称する。そして、レ
チノイドには視覚調節作用、成長促進作用、生殖作用な
ど、種々の作用があることが知られている。特に、レチ
ノイドは皮膚に対して正常な分化と維持に重要な機能を
果たしており、ビタミンA欠乏症であるphrynod
ermaでは、皮膚の粗ぞう、乾燥化、毛孔性角質増殖
等が認められている。このような事実から、ビタミンA
ないし各種レチノイドが、例えば角化異常症などの治療
に全身的或いは局所的に用いられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記レ
チノイドは一般に脂溶性が高く、また生体内で容易に分
解されず細胞障害を惹起するとともに、前記作用が不安
定であり、過剰症により副作用を呈することから、臨床
上の適用には多くの制限が残されていた。本発明は前記
従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は
レチノイン酸作用を有し、且つ細胞障害を起こす可能性
の少ないレチノイドを含む皮膚外用剤を提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明者らが鋭意検討した結果、特定の置換ジエナミ
ド誘導体が、強いレチノイン酸様の生物活性を有してい
ること、並びに該化合物が比較的親水性で生体内で容易
に分解されるので細胞損傷性が軽減されていることを見
出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本出願の
請求項1記載の皮膚外用剤は、下記一般式化3で示され
る置換ジエナミド誘導体を含むことを特徴とする。
【0005】
【化3】 (式中、R1,R2およびR3は独立に水素またはアルキ
ル基を示す) また、本出願の請求項2記載の皮膚外用剤は、下記一般
式化4で示される置換ジエナミド誘導体を含むことを特
徴とする。
【0006】
【化4】 (式中、R1,R2およびR3は独立に水素またはアルキ
ル基を示す) 前記化3ないし化4において、R1,R2およびR3は独
立に水素またはアルキル基を示す。R1がアルキル基を
示す場合には、カルボニル基がR1に対してシスになっ
ていてもよい。R2またはR3のいずれか一方がアルキル
基を示す場合には、アルキル基は末端のカルボキシル基
に対してα位、β位、γ位またはδ位の任意の位置に置
換してもよい。両者がアルキル基を示す場合には、同種
または異種のアルキル基が置換してもよい。アルキル基
としては、たとえば炭素数1〜12、好ましくは炭素数
1〜6の直鎖または分岐したアルキル基であり、具体的
にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基などを挙げることができる。
【0007】化3で示される化合物の例としては、 4−[N−(2−(2,6,6−トリメチル−1−シク
ロヘキセン−1−イル)エテニル)カルバモイル]−
1,3−ブタンジエン−1−カルボン酸:(R1=H,
2=H,R3=H) 4−[2−((2,6,6−トリメチル−1−シクロヘ
キセン−1−イル)エテニル)−N−メチルカルバモイ
ル]−1,3−ブタンジエン−1−カルボン酸:(R1
=CH3,R2=H,R3=H) 3−メチル−4−[N−(2−(2,6,6−トリメチ
ル−1−シクロヘキセン−1−イル)エテニル)−カル
バモイル]−1,3−ブタジエン−1−カルボン酸:
(R1=H,R2=γ−CH3,R3=H) 1−[N−(2−(2,6,6−トリメチル−1−シク
ロヘキセン−1−イル)エテニル)カルバモイル]−
1,3−ヘキサジエン−4−カルボン酸:(R1=H,
2=H,R3=α−CH2CH3) 2,3−ジメチル−4−[N−(2−(2,6,6−ト
リメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)エテニル)
−N−メチルカルバモイル]−1,3−ブタジエン−1
−カルボン酸:(R1=CH3,R2=γ−CH3,R3
β−CH3) 等を挙げることができるが、これに限定されるものでは
ない。
【0008】化4で示される化合物としては、例えば、 4−[2−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキ
セン−1−イル)−2−エテニルカルボキサミド]−
1,3−ブタジエン−1−カルボン酸(R1=H,R2
H,R3=H) 4−[2−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキ
セン−1−イル)−2−エテニル−N−メチルカルボキ
サミド]−1,3−ブタジエン−1−カルボン酸:(R
1=CH3,R2=H,R3=H) 4−[2−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキ
セン−1−イル)−2−エテニルカルボキサミド]−
1,3−ヘキサジエン−1−カルボン酸:(R1=H,
2=δ−CH2CH3,R3=H) 2−イソプロピル−4−[2−(2,6,6−トリメチ
ル−1−シクロヘキセン−1−イル)−2−エテニルカ
ルボキサミド]−1,3−ブタジエン−1−カルボン
酸:(R1=H,R2=H,R3=β−CH(CH32) 2−[2−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキ
セン−1−イル)−2−エテニルカルボキサミド]−
2,4−ヘプタジエン−5−カルボン酸:(R1=H,
2=δ−CH3,R3=α−CH2CH3) 等を挙げることができるが、これらに限定されることは
ない。
【0009】前記化3で示される本発明のジエナミド誘
導体は、例えばβ−イオノンを水酸化ナトリウム及び臭
素で処理して末端のアセチル基をカルボキシル基に変換
した後、塩化チオニル等で処理して酸クロライドとし、
引続きアジ化ナトリウムと反応させて酸アジドとし、さ
らにメタノールを用いて対応するカルバメートとする。
これをメチル基などで一方のカルボキシル基を保護して
得られるムコン酸クロライドと反応させてから、ジエナ
ミド誘導体の脱保護を行なうことにより製造することが
できる。脱保護を行なう前に水素化ナトリウムとヨウ化
アルキルで処理することにより、R1がアルキル基の化
合物が得られる。R2及び/またR3がアルキル基である
化合物は、上記の反応工程においてムコン酸の代りにモ
ノ或いはジアルキルムコン酸を用いて反応を行なうこと
により製造される。
【0010】化4で示されるジエナミド誘導体は、例え
ばメチル基などで一方のカルボキシル基を保護したムコ
ン酸モノエステルを塩化チオニルなどで処理して酸クロ
ライドとした後、アジ化ナトリウムで酸アジドとし、さ
らにメタノールを用いて対応するカルバメートとする。
これをβ−イオノンを水酸化ナトリウム及び臭素で処理
して末端のアセチル基をカルボキシル基に変換した後、
塩化チオニルなどで処理して酸クロライドとしたものと
反応させてから、ジエナミド誘導体の脱保護を行なうこ
とにより製造される。脱保護を行なう前に水素化ナトリ
ウムとヨウ化アルキルで処理することによりR1がアル
キル基の化合物が得られる。R2及び/又はR3がアルキ
ル基の化合物は、上記の反応工程においてムコン酸の代
りにモノ或いはジアルキルムコン酸を用いて反応を行な
うことにより製造される。
【0011】なお、本発明におけるレチノイドの配合量
は、その種類によっても異なるが、一般的には皮膚外用
剤全量中0.005〜5.0重量%、好ましくは0.0
5〜0.5重量%である。レチノイドが0.005%未
満では効果は十分でない場合がある。また、5.0%を
越えて配合しても皮膚劣化防止効果の増強は見られない
場合が多い。
【0012】本発明の皮膚外用剤には上記した必須成分
の他に通常の化粧品や医薬品、医薬部外品等の皮膚外用
剤に用いられる他の成分、例えば、リボフラビン、酪酸
リボフラビン、フラビンアデニンジヌクレオチド等のビ
タミンB2類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオ
クタノエート等のビタミンB6類、L−アスコルビン
酸、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−
アスコルビン酸−2−硫酸Na等のビタミンC類、パン
トテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、パ
ントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチ
ルエーテル等のパントテン酸類、エルゴカルシフェロー
ル、コレカルシフェロール等のビタミンD類、ニコチン
酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等のニコチ
ン酸類、α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、ニ
コチン酸DL−α−トコフェロール、コハク酸DL−α
−トコフェロール等のビタミンE類、ビタミンP、ビオ
チン等のビタミン類、グリシン、アラニン、バリン、ロ
イシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、アスパラ
ギン酸及びその塩、グルタミン酸及びその塩、リジン、
アルギニン、システイン、シスチン、メチオニン、フェ
ニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、トリプトファ
ン、プロリン、N−パルミトイルL−アスパラギン酸ジ
エチル、N−ヤシ油脂肪酸−L−グルタミン酸ナトリウ
ム等のN−アシル酸性アミノ酸塩、ヤシ油脂肪酸サルコ
シントリエタノールアミン、ラウロイルメチル−β−ア
ラニンナトリウム等のアシル中性アミノ酸塩、ピロリド
ンカルボン酸及びその塩、POE(40)硬化ヒマシ油
モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステ
ル、ヤシ油脂肪酸−L−アルギニンエチルエステル−D
L−ピロリドンカルボン酸塩等のアミノ酸及びアミノ酸
誘導体、アボガド油、パーム油、ピーナッツ油、牛脂、
コメヌカ油、ホホバ油、月見草油、カルナバロウ、ラノ
リン、流動パラフィン、スクワラン、パルミチン酸イソ
ステアリル、イソステアリルアルコール、トリ−2−エ
チルヘキサン酸グリセリン等の油分、グリセリン、ソル
ビトール、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレン
グリコール、コラーゲン、ヒアルロン酸、コンドロイチ
ン硫酸、デキストラン硫酸ナトリウム等の保湿剤、エリ
ソルビン酸ナトリウム、パラヒドロキシアニソール等の
酸化防止剤、ステアリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ジ
エタノールアミン、セチルトリメチルアンモニウムサッ
カリン、イソステアリン酸ポリエチレングリコール、ア
ラキン酸グリセリル、ジグリセリンジイソステアレー
ト、リン脂質等の界面活性剤、エチルパラベン、ブチル
パラベン等の防腐剤、グリチルリチン酸誘導体、グリチ
ルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオー
ル、酸化亜鉛、アラントイン等の消炎剤、胎盤抽出物、
グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、オウバ
ク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バー
チ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、ア
イリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラ
ン、センキュウ、ショウキョウ、オトギリソウ、オノニ
ス、ローズマリー、ニンニク等の抽出物、ローヤルゼリ
ー、感光素、コレステロール誘導体、幼牛血抽出物等の
賦活剤、γ−オリザノール等の血行促進剤、硫黄、チア
ントール等の抗脂漏剤、カルボキシビニルポリマー、カ
ルボキシメチルセルロース、カルボキシヒドロキシプロ
ピルセルロース等の増粘剤、香料、水、アルコール、チ
タンイエロー、カーサミン、ベニバナ赤等の色剤、ポリ
エチレン、ナイロン等の樹脂粉末等を必要に応じて適宜
配合することができる。
【0013】また、光障害を防止する上では、紫外線吸
収剤等を併用することが効果的であり、併用し得る紫外
線吸収剤としては、パラメトキシケイ皮酸−2−エトキ
シエチル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、ジイソ
プロピルケイ皮酸エステル、パラメトキシケイ皮酸エチ
ルヘキシル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチル
ヘキサン酸グリセリル、メトキシケイ皮酸オクチル等の
ケイ皮酸系紫外線吸収剤、ブチルメトキシベンゾイルメ
タン、4−tert−ブチル−4'−メトキシ−ジベンゾイ
ルメタン等のベンゾイルメタン系紫外線吸収剤、グリセ
リル−モノ−2−エチルヘキサノイル−ジ−パラメトキ
シベンゾフェノン、2−2'−ジヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ4,4'−
ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム等のベンゾフ
ェノン系紫外線吸収剤、オルトアミノ安息香酸メチル、
パラジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、パ
ラジメチルアミノ安息香酸オクチル等の安息香酸系紫外
線吸収剤、グリセリルパラアミノベンゾエート、アミル
−パラ−ジメチルアミノベンゾエート、エチル−4−ビ
スヒドロキシプロピルアミノベンゾエート等のベンゾエ
ート系紫外線吸収剤、2−エチルヘキシル−2−シアノ
−3,3'−ジフェニルアクリレート、ジガロイルトリ
オレエート、サリチル酸−2−エチルヘキシル、サリチ
ル酸ホモメチル、グアイアズレン、ウロカニン酸等のそ
の他の紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0014】また、本発明の皮膚外用剤の剤形は任意で
あり、例えば化粧水等の可溶化系、乳液、クリーム等の
乳化系あるいは軟膏、分散剤、エアゾール状等の剤形を
とることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明は実施例に限定されることはない。 [レチノイドの製造]まず、本発明にかかる皮膚外用剤
において特徴的なレチノイドの製造例について説明す
る。
【0016】製造例1 ムコン酸モノメチルエステル ムコン酸10g(70mmol)を500mlのメタノールに
溶解し、濃硫酸25mlを添加して攪拌しながら3時間還
流を続けた後、エバポレーターで溶媒を留去した。酢酸
エチル(500ml)と冷水(500ml)を加えて分液
し、有機層を冷水(500ml)で洗浄し、硫酸ナトリウ
ムで乾燥した後に溶媒を留去した。得られた白色固体を
メタノールで再結晶し、ムコン酸ジメチルエステル9.
9gを得た。このムコン酸ジメチルエステル5.0g
(29.4mmol)をメタノール300mlに加え、60℃
の水浴上で攪拌・溶解し、ここにメタノール20mlと水
5mlの混合物に溶解した水酸化カリウム溶液をゆっくり
と滴下した。滴下終了後60℃で2時間攪拌してから、
溶媒を留去し、酢酸エチル(300ml)と飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液(300ml)で分液後、水相がほぼp
H1になるまで2N塩酸を加えて酢酸エチルで3回抽出
し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を留去し
た。得られた白色固体をベンゼンから再結晶し、3.8
1gのムコン酸モノメチルエステルを得た。 白色結晶(融点163−164℃) 元素分析(C784) 計算値 C:53.66%;H:5.12% 実測値 C:53.85%;H:5.16%1 H−NMR(400MHz,CDCl3)δ6.23
(m,2H),7.37(m,2H) IR1700κ(カルボニル)、1640,1610κ
(trans−trans伸縮)、2600κ(カルボ
ン酸OH伸縮)
【0017】製造例2 N-(2-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-
1-イル)エテニル)カルハ゛ミン酸メチル 3−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−
1−イル)−2−プロペン酸5.60g(28.8mmo
l)を乾燥ベンゼン150mlに溶解し、室温(26℃)
下で塩化チオニル20ml(283mmol)を加え、反応溶
液をアルミホイルで遮光して6時間攪拌した後、減圧下
で塩化チオニルを留去し、残渣に乾燥ベンゼン30mlを
加えて共沸留去する操作を3回繰返し、淡黄色の粘性の
ある油状物を得た。この油状物を100mlのアセトンに
溶解し、氷冷下(−10℃)で攪拌しながら、水5mlと
アセトン100mlの混合物に溶解したアジ化ナトリウム
2.5g(34.6mmol)を−10℃に冷却して滴下し
た。さらに4時間攪拌した後に、反応液に氷冷した飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液200mlを加え、ベンゼン
(200ml)で4回抽出した。有機層を氷冷水(200
ml)及び冷却した飽和食塩水(200ml)で洗浄し、硫
酸マグネシウムで乾燥した後にエバポレーターで溶媒を
300mlまで留去した。このベンゼン溶液に乾燥メタノ
ール300mlを加え攪拌し、室温より少しずつ温度を上
げ還流させ、そのままさらに3時間攪拌を続けた。反応
溶液をエバポレーターで留去し、得られたカルバメート
(ウレタン)を酢酸エチル/n−ヘキサン混合液から再
結晶し、無色の結晶5.15gを得た。 無色結晶(融点118〜119℃) 元素分析(C13212N) 計算値 C:69.91%;H:9.48%;N:6.
72% 実測値 C:69.89%;H:9.59%;N:6.
31%1 H−NMR(400MHz,CD3OD) δ1.00
(s,6H),1.48(m,2H),1.62(m,
2H),1.78(s,3H),2.10(m,2
H),3,78(s,3H),5,78(d,1H,J
=15Hz),7.30(s,1H,NH),7.57
(d,J=15Hz) IR 1720κ(カルボニル),1620κ
【0018】製造例3 4-[N-(2-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキ
セン-1-イル)エテニル)カルハ゛モイル]-1,3-フ゛タシ゛エン-1-カルホ゛ン酸 (レ
チノイド1) 製造例2で得たカルバメート2.23g(10mmol)を
100mlの乾燥ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解
し、氷冷下攪拌しながら、ヘキサンで油分を洗った水素
化ナトリウム480mgを加え、製造例1にしたがって製
造したムコン酸モノメチルエステルの酸クロライド2.
0g(12mmol)を冷却した乾燥ベンゼン50mlに溶解
したものを一度に加え、さらに1時間氷冷下で攪拌を続
けた。減圧下で溶媒を留去し、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液(100ml)を加えて酢酸エチル(200ml)で
2回抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を
留去し、淡黄色の固体を得た。これをシリカゲルフラッ
シュクロマトグラフィー(シリカ350ml,n−ヘキサ
ン:酢酸エチル=10:1)により精製した。
【0019】このカルバメート誘導体の2.1g(5.
8mmol)を50mlのDMFに溶解し、ヨウ化リチウム2
水和物1.13g(5.9mmol)を加えて8時間攪拌・
還流した。溶媒を留去した後、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液(100ml)を加えて酢酸エチル(100ml)で
2回抽出し、有機層を飽和食塩水(100ml)で洗浄、
硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し淡黄色の固体
1.98gを得た。これをシリカゲルフラッシュクロマ
トグラフィー(シリカ150ml,n−ヘキサン:酢酸エ
チル=4:1)により精製し、ジエナミドメチルエステ
ルを分離した。
【0020】このジエナミドメチルエステル100mg
(0.33mmol)をメタノール20mlに溶解し、2N水
酸化ナトリウム水溶液を加えて室温で12時間攪拌し、
1N塩酸30mlに移し、酢酸エチル(50ml)で3回抽
出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去
し淡黄色の固体88.5mgを得た。n−ヘキサンと酢酸
エチル混合溶媒から再結晶し、68.7mg(0.238
mmol)の目的化合物を得た。 淡黄色結晶(融点226〜228℃) 元素分析(C17233N) 計算値 C:70.55%;H:8.02%;N:4.
84% 実測値 C:70.26%;H:8.00%;N:4.
82%1 H−NMR(400MHz,CD3OD) δ0.99
(s,6H),1.49(m,2H),1.61(m,
2H),1.72(s,3H),2.10(m,2
H),3.80(s,3H),5.71(d,1H),
6.05(s,2H),6.15−6.25(m,2
H),7.81(dd,1H),7.32−7.42
(m,2H) IR 950,1000,1630,1725κ(カル
ボニル)、2800κ(幅広い)
【0021】製造例4 4-[2-((2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン
-1-イル)エテニル)-N-メチルカルハ゛モイル-1,3-フ゛タシ゛エン-1-カルホ゛ン酸 製造例3の中間体として得られたジエナミドメチルエス
テル303mg(1mmol)を20mlの乾燥DMFに溶解
し、氷冷下で攪拌しながら、ヘキサンで油分を洗った水
素化ナトリウム45mgを加え、約5分後に淡黄色の溶液
が赤色に変り持続するのを確認してから乾燥ヨウ化メチ
ルを2ml添加した。氷冷下で1時間攪拌し、溶媒を減圧
留去した後、氷冷水(50ml)を加え、氷冷酢酸エチル
(50ml)で5回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで
乾燥し、溶媒を減圧留去して323mgの淡黄色固体を
得、これを酢酸エチルとn−ヘキサン混合溶媒より再結
晶し、目的化合物288mgを得た。 無色結晶(融点105〜106℃) 元素分析(C18253N) 計算値 C:71.89%;H:8.57%;N:4.
41% 実測値 C:72.04%;H:8.71%;N:4.
50%1 H−NMR(400MHz,CD3OD) δ1.00
(s,6H),1.49(m,2H),1.62(m,
2H),1.71(s,3H),2.05(m,2
H),3.23(s,2.3H)/3.25(s,0.
7H),5.51−5.60(m,1H),6.18−
6.23(m,1H),6.56(m,1H),6.7
0−6.80(m,1H),7.29−7.42(m,
2H) IR 950,1000,1250,1600,172
0κ(カルボニル)
【0022】製造例5 N-(4-メトキシカルホ゛ニル-1,3-フ゛タシ゛エニ
ル)カルハ゛ミン酸メチル 製造例1で得たムコン酸モノメチルエステル4.00g
(25.6mmol)に、室温(26℃)下で塩化チオニル
20ml(283mmol)を加え、反応溶液をアルミホイル
で遮光して2時間攪拌後、60℃に加温して3時間攪拌
し、減圧下で塩化チオニルを留去した。残渣に乾燥ベン
ゼン30mlを加えて共沸留去する操作を3回繰返し、灰
色の固体(酸アジド)を得た。この固体を50mlの乾燥
アセトンに溶解し、氷冷下(−10℃)で攪拌しなが
ら、乾燥アセトン100mlに懸濁させたアジ化ナトリウ
ム1.99g(27.6mmol)を−10℃に冷却して滴
下した。さらに4時間攪拌した後に、反応液に氷冷した
o−キシレン400mlを加え、氷冷した飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液(200ml)、氷冷水(200ml)、
氷冷飽和食塩水(200ml)で洗浄した。硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、硫酸マグネシウムを敷いたグラスフィル
ターを通した後に、エバポレーターで溶媒を200mlま
で留去した。このo−キシレン溶液に乾燥メタノール4
00mlを加え攪拌し、室温より少しずつ温度を上げ還流
させ、そのままさらに3時間攪拌を続けた。反応溶液を
減圧留去し、得られたカルバメート(ウレタン)を酢酸
エチル/n−ヘキサン混合液から再結晶し、淡黄色の結
晶3.41gを得た。 淡黄色結晶(融点176〜178℃) 元素分析(C8114N) 計算値 C:51.81%;H:5.99%;N:7.
56% 実測値 C:51.69%;H:5.89%;N:7.
49%1 H−NMR(400MHz,CDCl3)δ2.21
(s,3H),2.28(s,3H),4.20−4.
33(m,2H),5.13−5.21(s,NH),
5.50−5.60(m,1H),5.47−5.81
(m,1H) IR 1250,1620,1720κ(カルボニル)
【0023】製造例6 4-[2-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-
1-イル)-2-エテニルカルホ゛キサミト゛]-1,3-フ゛タシ゛エン-1-カルホ゛ン酸 (レ
チノイド3) 製造例5で得たカルバメート1.85g(10mmol)を
50mlの乾燥DMFに溶解し、氷冷下で攪拌しながら、
ヘキサンで油分を洗った水素化ナトリウム480mgを加
え、3−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセ
ン−1−イル)−2−プロペン酸の酸クロライド2.0
g(12mmol)を冷却した乾燥ベンゼン50mlに溶解し
たものを一度に加え、さらに1時間氷冷下で攪拌を続け
た。溶媒を減圧留去し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
(100ml)を加えて酢酸エチル(200ml)で3回抽
出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し
淡黄色油状物を得た。これをシリカゲルフラッシュクロ
マトグラフィー(シリカ350ml,n−ヘキサン:酢酸
エチル=10:1)により精製した。
【0024】このカルバメート誘導体の2.0g(5.
5mmol)を70mlの乾燥DMFに溶解し、ヨウ化リチウ
ム2水和物0.94g(5.5mmol)を加えて8時間攪
拌・還流した。溶媒を減圧留去後、飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液(100ml)を加えて酢酸エチル(100m
l)で2回抽出し、有機層を飽和食塩水(100ml)で
洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、淡
黄色固体2.01gを得た。これをシリカゲルフラッシ
ュクロマトグラフィー(シリカ180ml,n−ヘキサ
ン:酢酸エチル=8:1)により精製し、ジエナミドメ
チルエステルを分離した。
【0025】このジエナミドメチルエステル107mg
(0.35mmol)をメタノール10mlに溶解し、2N−
水酸化ナトリウム水溶液4mlを加えて室温で24時間攪
拌し、1N−塩酸30mlに移し、酢酸エチル(30ml)
で3回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、溶
媒を留去し淡黄色の固体81mgを得た。n−ヘキサンと
酢酸エチル混合溶媒から再結晶し、68.4mg(0.2
37mmol)の目的化合物を得た。 淡黄色結晶(融点221〜223℃) 元素分析(C17233N) 計算値 C:70.55%;H:8.02%;N:4.
84% 実測値 C:70.31%;H:8.24%;N:5.
06%1 H−NMR(400MHz,CD3OD) δ0.98
(s,6H),1.46(m,2H),1.59(m,
2H),1.71(s,3H),2.00(m,2
H),3.80(s,3H),5.71(d,1H),
6.05(s,2H),6.15−6.25(m,2
H),7.81(dd,1H),7.32−7.42
(m,2H) IR 950,995,1250,1595,1720
κ(カルボニル),2800κ(幅広い)
【0026】[薬効試験]外用によるヘアレスマウス皮膚表面形状(皮溝)の平坦
化作用 一般にレチノイドの外用或いは内服により、皮膚は赤み
を帯びた光沢と透明感のある、いわゆるレチノイド皮膚
とよばれる変化を生じる。そして、ヘアレスマウス皮膚
で同様な現象が再現できることを利用し、その変化と対
応のある定量的指標を用いてレチノイド3の作用をレチ
ノイン酸と比較した。
【0027】すなわち、ヘアレスマウスに0.05%レ
チノイン酸、0.025%レチノイン酸、0.01%レ
チノイン酸(各アセトン溶液)、アセトンをそれぞれ3
0日間(5回/週)塗布し、最終塗布日の翌日にシリコ
ン系樹脂を用いて皮膚表面のレプリカをとり、画像解析
装置により皮膚表面形状の特徴を表わす種々のパラメー
タを求めた。レチノイン酸の連続塗布により、濃度依存
的に赤みと光沢のある皮膚へと変化し、ヒト皮膚で認め
られるレチノイド皮膚様変化を生じた。この変化に対し
て、レプリカ上では皮紋が消失し、表面が平坦化してい
く変化として捉えられた。画像解析パラメータ KSD
(次式)が皮溝深さと相関することが解っており(現代
皮膚科学体系・年刊版90B)、この値が現象がレチノ
イド作用とよく対応した(表1)。 KSD=3.9mm×3.9mm内の画素の輝度分布の分散 こうした変化に着目して、同様の実験で0.01%レチ
ノイン酸、0.5%レチノイド3、0.5%レチノイド
6(各エタノール溶液)、エタノールを塗布してレチノ
イド3のレチノイド作用を比較した。レチノイド3では
レプリカ原画像に若干のレチノイン酸様の変化を生じ、
レチノイン酸よりは弱いがKSD変化も認められた(表
2)。
【0028】組織所見ではいずれのレチノイドも炎症性
変化(表皮内・真皮内細胞湿潤、細胞間・細胞内浮腫、
血管拡張など)は認められなかった。最も明瞭な変化は
表皮肥厚であった(表3)。
【表1】レチノイン酸塗布によるKSDの変化 ───────────────────── アセトン(コントロール) 89.7% 0.01%レチノイン酸 79.2% 0.025%レチノイン酸 73.4% 0.05%レチノイン酸 33.6% ─────────────────────
【表2】レチノイドのKSD変化(%)の比較 ───────────────────── エタノール(コントロール) 99.5% 0.01%レチノイン酸 81.0% 0.1%レチノイド1 88.1% 0.1%レチノイド3 89.6% ─────────────────────
【表3】レチノイド塗布による表皮肥厚(μm) ───────────────────── エタノール(コントロール) 18.1 0.01%レチノイン酸 43.1 0.1%レチノイド1 30.8 0.1%レチノイド3 29.5 ─────────────────────
【0029】ライノマウス皮膚及び小嚢に対する作用 ライノマウスの皮膚は表皮に毛包由来のケラチンを含む
小嚢と皮脂腺が存在するのが特徴である。レチノイドの
塗布によりこの小嚢が小さくなり、又表皮と顆粒層が厚
くなることが報告されている(Richard E. et al,J.Inv
est.Dermatol.82:632-635,1984)。レチノイド1および
レチノイド3におけるこのようなレチノイド効果を確認
するため、次の実験を行なった。
【0030】8〜9週齢の雌性ライノマウスにall-トラ
ンスレチノイン酸の0.001%、0.01%、0.1
%アセトン溶液、レチノイド1およびレチノイド3の
0.01%、0.1%、1.0%アセトン溶液、アセト
ン(コントロール)を1日1回0.1mlづつ10日間塗
布し、最終塗布日の3日後屠殺して背部の皮膚を採取し
た。この一部を4℃で0.5%酢酸に一晩浸して表皮と
真皮を分離して、表皮を1cm角の大きさに切出し、スラ
イドグラス上で風乾後、アルコール、キシレンに浸して
脱水し、小嚢(水平面)観察用組織標本を作った。光学
顕微鏡を用いて得られた画像を画像処理プログラムによ
り解析し、この組織標本の小嚢の直径を測定した。又残
りの皮膚は、常套手段により組織標本作成に供した。こ
の結果を次の表4に示す。
【0031】小嚢の直径は、レチノイド3、6及びレチ
ノイン酸のいずれについてもその濃度が高くなるにつれ
て減少した。レチノイン酸で最も大きく、レチノイド3
とレチノイド6ではほぼ同程度であることが観察され
た。
【表4】 10日目の各測定結果のコントロール値に対する割合(%) ──────────────────────────────────── 0.001% 0.01% 0.1% 1% ──────────────────────────────────── 小嚢の直径 レチノイン酸 20 10 4 4 レチノイド1 − 85 78 42 レチノイド3 − 83 80 48 ────────────────────────────────────
【0032】代謝性試験 レチノイン酸が人体に対し毒性を示す場合があるのは、
該レチノイン酸が人体内において極めて代謝されにくい
ことにも起因している。そこで、本発明者らはレチノイ
ン酸及びレチノイド1,3の代謝性について検討した。
【0033】前記実施例の化合物の体内分解性をラット
肝臓ホモジネートを用いたin vitro試験で検討した。一
定量の肝ホモジネート(ラット肝25gを1.1%KC
lで等張としたpH7のリン酸緩衝液100mlとホモジ
ネートしたものを、25%ホモジネートとする)中に、
エタノールに溶解した被検物質を終濃度6ppm(約2×
10-5M)となるように添加し、経時的にサンプリング
を行ない、酢酸エチルにより抽出し、高速液体クロマト
グラフィーにより被検物質の定量を行なった。結果を以
下の表5に示す。
【表5】 ────────────────── 化合物 1時間反応後の残存量 ────────────────── レチノイド1 4% レチノイド3 50% ──────────────────
【0034】上記表2より、本実施例にかかるジエナミ
ド誘導体は体内分解性を有することが示唆される。安定性試験 レチノイド3およびレチノイン酸の300ppmエタノー
ル溶液にキセノン照射を行ない、その残存率をHPLC
により定量した。その結果、キセノン照射によりいずれ
のレチノイドも分解したが、レチノイド3では30時間
後も80%、レチノイド6では72%残存し、レチノイ
ン酸に比較して安定だった。また、アルミホイルにより
遮光した場合でも、共に80%以上残存し、熱に対して
もレチノイン酸に比較して充分な安定性を示した。
【0035】なお、この試験条件は過酷であり、このデ
ータから判断して、実用的な安定性の実現は充分可能で
ある。
【表6】 ───────────────────── 被検物質 Xe照射 遮光 ───────────────────── レチノイド1 80% 84% レチノイド3 72% 89% レチノイン酸 0% 16% ─────────────────────
【0036】以上の結果を総合すると、レチノイド3,
6はレチノイン酸よりもレチノイド作用は低いものの、
安全性、安定性が大幅に高く、皮膚外用剤に適用した場
合に優れた効果を示すことが示唆される。次に本発明に
かかるレチノイド1〜6を用いた具体的な皮膚外用剤に
ついて説明する。
【0037】実施例1 化粧水 (1)レチノイド1 0.05 (2)2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム 0.1 (3)酢酸トコフェロール 0.01 (4)グリセリン 4.0 (5)1,3−ブチレングリコール 4.0 (6)エタノール 8.0 (7)ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.5 (8)メチルパラベン 0.2 (9)クエン酸 0.05 (10)クエン酸ソーダ 0.1 (11)香料 0.05 (12)精製水 残余 <製法>精製水に2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フェノン−5−スルホン酸ナトリウム、クエン酸、クエ
ン酸ソーダ、グリセリン、1,3−ブチレングリコール
を溶解する。別にレチノイド1、エタノールにポリオキ
シエチレン(60)硬化ヒマシ油、酢酸トコフェロー
ル、香料、メチルパラベンを溶解し、これを前述の精製
水溶液に加えて可溶化、濾過して化粧水を得た。
【0038】実施例2 クリーム (1)セトステアリルアルコール 3.5 (2)スクワラン 40.0 (3)ミツロウ 3.0 (4)還元ラノリン 5.0 (5)エチルパラベン 0.3 (6)ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミチン酸エステル 2.0 (7)ステアリン酸モノグリセリド 2.0 (8)N−ステアロイルグルタミン酸ナトリウム 0.5 (9)2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン 0.5 (10)メトキシケイ皮酸オクチル 1.0 (11)酢酸レチノール 2.0 (12)月見草油 0.05 (13)香料 0.03 (14)レチノイド3 0.1 (15)1,3−ブチレングリコール 5.0 (16)ポリエチレングリコール1500 5.0 (17)精製水 残余 <製法>セトステアリルアルコール、スクワラン、ミツ
ロウ、還元ラノリン、エチルパラベン、ポリオキシエチ
レン(20)ソルビタンモノパルミチン酸エステル、ス
テアリン酸モノグリセリド、N−ステアロイルグルタミ
ン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フェノン、メトキシケイ皮酸オクチル、酢酸レチノー
ル、月見草油、レチノイド3を加熱溶解し、別個に75
℃に加温した1,3−ブチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール1500とともに精製水に攪拌しながら加え
る。ホモミキサー処理し乳化粒子を細かくした後、攪拌
しながら急冷し、クリームを得た。
【0039】実施例3 乳液 (1)レチノイド1 0.2 (2)パラジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル 0.1 (3)ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキシル 0.2 (4)ステアリン酸 1.5 (5)セチルアルコール 0.5 (6)ミツロウ 2.0 (7)ポリオキシエチレン(10)モノオレイン酸エステル 2.0 (8)L−アルギニン 0.3 (9)L−グルタミン酸Na 0.02 (10)PCA−Na 0.05 (11)ヒアルロン酸Na 0.01 (12)プロピレングリコール 5.0 (13)グリセリン 3.0 (14)エタノール 3.0 (15)エチルパラベン 0.3 (16)香料 0.03 (17)カルボキシビニルポリマー 0.12 (18)精製水 残余 <製法>エタノールに香料を加えて溶解する(アルコー
ル相)。精製水にL−アルギニン、L−グルタミン酸N
a,PCA−Na,ヒアルロン酸Na,プロピレングリ
コール、グリセリン、カルボキシビニルポリマーを加え
て加熱溶解して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合
し、加熱溶解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を加
えて予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化する。
これを攪拌しながらアルコール相を加える。その後攪拌
しながら30℃に冷却して溶液を得た。
【0040】実施例4 フォームマスク (1)レチノイド2 0.02 (2)4−tert−ブチル−4'−メトキシ−ジベンゾイルメタン 0.5 (3)ステアリン酸 1.0 (4)ベヘニル酸 1.0 (5)自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 1.5 (6)モノステアリン酸ポリオキシエチレン(5)グリセリン 2.5 (7)バチルアルコール 1.5 (8)香料 0.05 (9)グリセリン 5.0 (10)1,3−ブチレングリコール 5.0 (11)ポリエチレングリコール1500 3.0 (12)メチルパラベン 0.1 (13)水酸化カリウム 0.15 (14)精製水 残余 (15)液化石油ガス 6.0 (16)ジメチルエーテル 2.0 <製法>精製水にグリセリン、1,3−ブチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール1500、メチルパラベン、
水酸化カリウムを加え、70℃に加熱溶解する。これに
液化石油ガス、ジメチルエーテルを除く他の成分を加熱
溶解し加える。これを均一混合したものを容器に充填す
る。最後に液化石油ガス、ジメチルエーテルを噴射剤と
して加え、フォームマスクを得た。
【0041】実施例5 軟膏 (1)レチノイド3 0.1 (2)パラジメチルアミノ安息香酸オクチル 4.0 (3)ブチルメトキシベンゾイルメタン 4.0 (4)酢酸トコフェロール 0.5 (5)パルミチン酸レチノール 1.0 (6)ステアリルアルコール 18.0 (7)モクロウ 20.0 (8)ポリオキシエチレン(10)モノオレイン酸エステル 0.25 (9)グリセリンモノステアリン酸エステル 0.3 (10)ワセリン 32.0 (11)精製水 残余 <製法>精製水を70℃に保ち(水相)、その他の成分
を70℃にて混合溶解する(油相)。水相に油相を加
え、ホモミキサーで均一に乳化し、その後冷却して軟膏
を得た。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかる皮膚
外用剤によれば、特定のレチノイドを配合することによ
り、優れた安全性及び皮膚劣化防止作用を得ることがで
きる。
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【化1】 (式中、R,RおよびRは独立に水素またはアル
キル基を示す)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【化2】 (式中、R,RおよびRは独立に水素またはアル
キル基を示す)
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【化3】 (式中、R,RおよびRは独立に水素またはアル
キル基を示す) また、本出願の請求項2記載の皮膚外用剤は、下記一般
式化4で示される置換ジエナミド誘導体を含むことを特
徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【化4】 (式中、R,Rおよびは独立に水素またはアルキ
ル基を示す) 前記化3ないし化4において、R,RおよびR
独立に水素またはアルキル基を示す。Rがアルキル基
を示す場合には、カルボニル基がRに対してシスにな
っていてもよい。RまたはRのいずれか一方がアル
キル基を示す場合には、アルキル基は末端のカルボキシ
ル基に対してα位、β位、γ位またはδ位の任意の位置
に置換してもよい。両者がアルキル基を示す場合には、
同種または異種のアルキル基が置換してもよい。アルキ
ル基としては、たとえば炭素数1〜12好ましくは炭素
数1〜6の直鎖または分岐したアルキル基であり、具体
的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基なとを挙げることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 誠史郎 東京都中央区銀座7丁目5番5号 株式会 社資生堂内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式化1で示される置換ジエナミ
    ド誘導体を含むことを特徴とする皮膚外用剤。 【化1】 (式中、R1,R2およびR3は独立に水素またはアルキ
    ル基を示す)
  2. 【請求項2】 下記一般式化2で示される置換ジエナミ
    ド誘導体を含むことを特徴とする皮膚外用剤。 【化2】 (式中、R1,R2およびR3は独立に水素またはアルキ
    ル基を示す)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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