JPH07242175A - 固定型兼自在型台車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 方向の変換が簡単にできて狭い場所への収
納、進入に便利で、かつ直進、即ち一定方向への移動も
容易に行うことができるようにした固定型兼自在型台車
を提供する。 【構成】 上面に荷物を置くスペースを持った台部と、
該台部の基端部に設けられた手押し部と、常時接地する
状態で該台部の下面に取りつけられた全方向に回転移動
可能な複数個の自在型車輪と、下方に位置するときは移
動面に接地し上方に位置するときは移動面に接地しない
ように該台部の下面に上下動可能に取りつけられた前後
方向のみに回転移動可能な１個の固定型車輪と、からな
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、全方向に回転移動可能
で、かつまた前後方向のみに移動方向を固定することが
できるようにした固定型兼自在型台車に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、荷物を簡単に運搬できる手段とし
て台車は広く知られている。この台車には、自在台車と
固定台車とがある。自在台車は、上面に荷物を置くスペ
ースを持った台部と、該台部の基端部に設けられた手押
し部と、常時接地する状態で該台部の下面に取りつけら
れた全方向に回転移動可能な複数個の自在型車輪とを有
し、全方向に自在に向きを変えて移動することができ
る。この自在台車は、あらゆる方向に簡単に移動できる
ので狭い場所への収納、進入に便利であるが、直進、即
ち一定方向だけに移動する場合には、自在型車輪の回転
方向を運転者の力により進行方向に固定する必要があ
り、不便である。

【０００３】一方、台部の下面に取りつけられる複数個
の車輪を前後方向のみに回転する構造とし、前後方向の
移動のみを目的とした固定台車も知られている。この固
定台車は、直進、即ち一定方向に移動する場合には、便
利であるが、進行方向の変更には多大な力が要求され、
狭い場所への収納、進入には不便であった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来の台車の現状に鑑み、方向の変換が簡単にできて狭い
場所への収納、進入に便利で、かつ直進、即ち一定方向
への移動も容易に行うことができるようにした固定型兼
自在型台車を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の固定型兼自在型台車においては、上面に荷
物を置くスペースを持った台部と、該台部の基端部に設
けられた手押し部と、常時接地する状態で該台部の下面
に取りつけられた全方向に回転移動可能な複数個の自在
型車輪と、下方に位置するときは移動面に接地し上方に
位置するときは移動面に接地しないように該台部の下面
に上下動可能に取りつけられた前後方向のみに回転移動
可能な１個の固定型車輪とを設けるようにした。

【０００６】上記自在型車輪が台部の先端下面部に２個
かつ基端下面部に２個取り付けてなる自在台車において
は、該基端下面部の２個の自在型車輪の間に上記固定型
車輪を取り付けることにより、固定台車と自在台車の切
替え操作が容易になり、また固定台車として用いる場合
の方向性の維持が容易となる。

【０００７】

【作用】上記のように構成された固定型兼自在型台車
は、使用目的により、固定型車輪を上げておけば、進行
方向の自在性に優れた自在台車となり、また固定型車輪
を下げることにより、直進性に優れた固定台車とするこ
とが出来る。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。

【０００９】図１において、符号２は、本発明に係る固
定型兼自在型台車である。該台車２は、上面に荷物を置
くスペースを持った台部４と、該台部４の基端部に設け
られた手押し部６と、常時接地する状態で該台部４の下
面に取りつけられた全方向に回転移動可能な複数個の自
在型車輪８とを有している。

【００１０】符号１０は、前後方向にのみ回転移動する
固定型車輪で、下方に位置するときは移動面に接地し上
方に位置するときは移動面に接地しないように該台部の
下面に上下動可能に取りつけられている。該固定型車輪
１０は、１個取りつければ充分である。

【００１１】上記自在型車輪８は、該台部４の先端部に
並んで２個取りつけられ、該台部４の基端部に並んで２
個取りつけられている。また、１個の固定型車輪１０
は、該台部４の基端部に並んで取りつけられた２個の自
在型車輪８，８の間に取りつけられている（図２）。

【００１２】該固定型車輪１０を台部４の下面に上下動
可能に取りつける手段としては、公知の手段を適用する
ことができる。例えば、図４に示すごとく、台部４の下
面に固定された上部筒１２に下部筒１４をスプリング１
６等の付勢手段（図５）によって常時上方へ付勢される
ように摺動自在に収納し、該下部筒１４の下端に固定型
車輪１０を取付け、また該下部筒１４に公知のロック機
構、例えばハンマーロック機構を取りつける構造とすれ
ばよい。

【００１３】該ロック機構は、屈曲基板１８と該屈曲基
板１８の内側に隣接して設けられた補助板２０とを有し
ている。該屈曲基板１８の基端部及び該補助板２０の基
端部には、それぞれダウンペダル部２２及びアップペダ
ル部２４が形成されている。該屈曲基板１８及び該補助
板２０の先端部には軸２６を介して連結部材２８が回動
自在に設けられている。該補助板２０の先端部の軸穴３
０は長穴状に穿設されており、該軸２６が、該軸穴３０
のロック位置３０ａ及び非ロック位置３０ｂに移動可能
とされている（図７）。

【００１４】該屈曲基板１８及び該補助板２０は、上記
下部筒１４の外側面に軸３２によっれ回動可能に取付け
られている。該補助板２０の該軸３２用の軸穴３４は長
穴状に穿設され該補助板２０の上下方向への変位が可能
とされている。該連結部材２８の先端は該台部４の下面
に軸３６を介して回動自在に固着されている。

【００１５】このようような構成のロック機構は、図４
に実線で示した状態では、該下部筒１４は、通常は該ス
プリング１６の力により、上部に吊り上げられた状態と
されているが、この状態から、ダウンペダル部２２を足
等で押し下げると、該ダウンペダル部２２は下降し、そ
れとともに該下部筒１４が下降し、該屈曲基板１８はそ
の基端部分、即ち該ダウンペダル部２２側は下降し、そ
の先端部分、即ち連結部材２０側は上昇する状態とな
る。該補助板２０も同様に、その基端部分、即ち該アッ
プペダル２４側は下降し、その先端部分、即ち連結部材
２０側は上昇する状態となる。

【００１６】上記ダウンペダル部２２を下方に押圧する
ことにより、該屈曲基板１８及び補助板２０の先端部が
上昇し、該軸２６は該補助板２９の軸穴３０のロック位
置３０ａに位置してロックされ、該屈曲基板１８と連結
部材２８は直線状に連結して互いに係合しロック状態と
なる（図４の仮想線及び図５）。

【００１７】このロック状態では該連結部材２８は該台
部４の下面の接続部と該屈曲基板１８の接続部とによっ
て引っ張られる状態となり、図４に一点鎖線で示したよ
うに、該連結部材２０と該屈曲基板１８とは直線状態で
接続した状態となり、下部筒１４は最下方に位置した状
態となってロックされる。このロック状態で、該固定型
車輪１０の車輪面と残りの自在型車輪８の車輪面とは面
一となり接地面に全ての車輪が同時に接地するようにな
る。

【００１８】このロック状態を解除するには、該アップ
ペダル部２４を下方に押圧する。すると、該軸２６が該
軸穴３０のロック位置３０ａから離脱し、非ロック位置
３０ｂに移動して該ロック状態は解消され、該下部筒１
４及び固定型車輪１０は上昇して、図４の実線の状態に
復帰する。

【００１９】上記の構成により、本発明の固定型兼自在
型台車２は、直進性を高めて使用したい場合には、ダウ
ンペダル部２２を足等で押し下げることにより、該下部
筒１４及び固定型車輪１０を最下方にロック固定でき
る。この場合、自在型車輪８を４個使用する他、固定型
車輪１０を使用することにより、固定型兼自在型台車２
の直進性を高めて使用することができる。

【００２０】また、上記の状態から、アップペダル部２
４を足等で押すことにより、該下部筒１４及び固定型車
輪１０のロック固定状態は解除され、固定型車輪１０は
上方に移動する。この場合、自在型車輪８を４個使用す
るのみであるから、固定型兼自在型台車２の自在性を高
めて使用することができる。

【００２１】本発明の固定型兼自在型台車２は、上記し
た一般産業用荷物運搬車の他、旅行カバン用台車、アパ
レル用台車、ショーケース用台車、事務機器用台車、大
型テレビ用台車として使用することができる。

【発明の効果】

【００２２】以上述べたごとく、本発明の固定型兼自在
型台車は、簡単な操作により、自在台車と固定台車の切
替えを行うことが可能であるから、方向の変換が簡単に
できて狭い場所への収納、進入に便利で、かつ直進、即
ち一定方向への移動も容易に行うことができるという従
来の台車にない大きな利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の固定型兼自在型台車の一実施例を示す
斜視図である。

【図２】本発明の固定型兼自在型台車の車輪の配置例を
示す背面説明図である。

【図３】本発明の固定型兼自在型台車の車輪の配置例を
示す側面説明図である。

【図４】本発明の固定型兼自在型台車の固定型車輪の上
下動機構の一例を示す側面説明図である。

【図５】本発明のロック機構のロック状態の一例を示す
一部断面説明図である。

【図６】図５の側面図である。

【図７】補助板の摘示正面図である。

【符号の説明】

２ 固定型兼自在型台車 ４ 台部 ６ 手押し部 ８ 自在型車輪 １０ 固定型車輪 １２ 上筒部 １４ 下筒部 １６ スプリング １８ 屈曲基板 ２０ 補助板 ２２ ダウンペダル部 ２４ アップペダル部 ２８ 連結部材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面に荷物を置くスペースを持った台部
   と、該台部の基端部に設けられた手押し部と、常時接地
   する状態で該台部の下面に取りつけられた全方向に回転
   移動可能な複数個の自在型車輪と、下方に位置するとき
   は移動面に接地し上方に位置するときは移動面に接地し
   ないように該台部の下面に上下動可能に取りつけられた
   前後方向のみに回転移動可能な１個の固定型車輪と、か
   らなることを特徴とする固定型兼自在型台車。
2. 【請求項２】 上記自在型車輪が台部の先端下面部に２
   個かつ基端下面部に２個取り付け、該基端下面部の２個
   の自在型車輪の間に上記固定型車輪を取り付けたことを
   特徴とする請求項１記載の固定型兼自在型台車。