JPH07241986A - インク噴射装置の駆動方法 - Google Patents

インク噴射装置の駆動方法

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JPH07241986A
JPH07241986A JP3345794A JP3345794A JPH07241986A JP H07241986 A JPH07241986 A JP H07241986A JP 3345794 A JP3345794 A JP 3345794A JP 3345794 A JP3345794 A JP 3345794A JP H07241986 A JPH07241986 A JP H07241986A
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    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 印字に必要なインク滴体積を得て、高品質な
印字を行うこと。 【構成】 時間t0において駆動電圧波形Cが、インク
室に印加され、3L/a後に停止される。時間t0で、
インク室の体積が増大し、インク室内の全体の圧力が減
少され、t0からt1の間、インクメニスカスが後退し
続ける。そして、ノズル付近の圧力がt1を過ぎた時点
で正(P1)に転じ、インクメニスカスがノズルの外に
押し出される。そして、時間t2からt3にかけて、ノ
ズル付近の圧力が再び負に転じ、時間t3になるとノズ
ル付近の圧力が再び正に転じる。時間t3では、駆動パ
ルスが立ち下がって、インク室の体積が減少する。この
体積減少による圧力上昇と前記再び正に転じた圧力とが
たし合わされ、インクが再びノズルから押し出され、前
記押し出されたインクと一体となり、比較的体積の大き
いインク滴となってノズルから噴射される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク噴射装置の駆動
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、これまでのインパクト方式の印字
装置にとってかわり、その市場を大きく拡大しつつある
ノンインパクト方式の印字装置のなかで、原理が最も単
純で、かつ多階調化やカラー化が容易であるものとし
て、インクジェット方式の印字装置が上げられる。なか
でも印字に使用するインク滴のみを噴射するドロップ・
オン・デマンド型が、噴射効率の良さ、ランニングコス
トの安さなどから急速に普及している。
【0003】ドロップ・オン・デマンド型として特公昭
53−12138号公報に開示されているカイザー型、
あるいは特公昭61−59914号公報に開示されてい
るサーマルジェット型がその代表的な方式としてある。
このうち、前者は小型化が難しく、後者は高熱をインク
に加えるためにインクの耐熱性に対する要求が必要とさ
れ、それぞれに非常に困難な問題を抱えている。
【0004】以上のような欠陥を同時に解決する新たな
方式として提案されたのが、特開昭63−252750
号公報に開示されているせん断モード型である。
【0005】図3に示すように、上記せん断モード型の
インク噴射装置1は、圧電セラミックスプレート2とカ
バープレート10とノズルプレート14と基板41とか
ら構成されている。
【0006】その圧電セラミックスプレート2には、ダ
イヤモンドブレード等により切削加工され、複数の溝3
が形成されている。また、その溝3の側面となる側壁6
は矢印5の方向に分極されている。それらの溝3は同じ
深さであり、かつ平行である。それら溝3の深さは圧電
セラミックスプレート2の一端面15に近づくにつれて
徐々に浅くなっており、一端面15付近には浅溝7が形
成されている。そして、溝3の内面には、その両側面の
上半分に金属電極8がスパッタリング等によって形成さ
れている。また、浅溝7の内面には、その側面及び底面
に金属電極9がスパッタリング等によって形成されてい
る。これにより、溝3の両側面に形成された金属電極8
は浅溝7に形成された金属電極9によって電気的に接続
されている。
【0007】次に、カバープレート10は、セラミック
ス材料または樹脂材料等から形成されている。そして、
カバープレート10には、研削または切削加工等によっ
て、インク導入口16及びマニホールド18が形成され
ている。そして、圧電セラミックスプレート2の溝3加
工側の面とカバープレート10のマニホールド18加工
側の面とがエポキシ系接着剤20(図5参照)によって
接着される。従って、インク噴射装置1には、溝3の上
面が覆われて横方向に同じ間隔を有する複数のインク流
路であるインク室4(図5参照)が構成される。図5に
示すように、そのインク室4は長方形断面の細長い形状
であり、全てのインク室4内には、インクが充填され
る。
【0008】図3に示すように、圧電セラミックスプレ
ート2及びカバープレート10の端面に、各インク室4
の位置に対応した位置にノズル12が設けられたノズル
プレート14が接着されている。このノズルプレート1
4は、ポリアルキレン(例えばエチレン)テレフタレー
ト、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケ
トン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネイト、酢酸
セルロース等のプラスチックによって形成されている。
【0009】そして、圧電セラミックスプレート2の溝
3の加工側に対して反対側の面には、基板41が、エポ
キシ系接着剤等によって接着されている。その基板41
には各インク室4の位置に対応した位置に導電層のパタ
ーン42が形成されている。その導電層のパターン42
と浅溝7の底面の金属電極9とは、周知のワイヤボンデ
ィングによって導線43で接続されている。
【0010】次に、制御部のブロック図を示す図4によ
って、制御部の構成を説明する。基板41に形成された
導電層のパターン42は各々個々にLSIチップ51に
接続されている。また、クロックライン52、データラ
イン53、電圧ライン54及びアースライン55もLS
Iチップ51に接続されている。LSIチップ51は、
クロックライン52から供給される連続したクロックパ
ルスに基づいて、データライン53上に現れるデータに
応じて、どのノズル12からインク滴の噴射を行うべき
かを判断する。そして、駆動するインク室4内の金属電
極8に導通する導電層のパターン42に、電圧ライン5
4の電圧Vを印加する。また、駆動するインク室4以外
の金属電極8に導通する導電層のパターン42にはアー
スライン55を接続する。
【0011】次に、図5によって、インク噴射装置1の
動作を説明する。LSIチップ51が、所要のデータに
従って、インク噴射装置1のインク室4cからインク滴
の噴出を行なうと判断する。すると、金属電極8dと8
eとに正の駆動電圧Vが印加され、金属電極8cと8f
とが接地される。図5(b)に示すように、側壁6bに
は矢印13bの方向の駆動電界が発生し、側壁6cには
矢印13cの方向の駆動電界が発生する。すると、駆動
電界方向13b及び13cは分極方向5と直交している
ため、側壁6b及び6cは、圧電厚みすべり効果によ
り、この場合、インク室4cの内部方向に急速に変形す
る。この変形によってインク室4cの容積が減少してイ
ンク圧力が急速に増大し、圧力波が発生して、インク室
4cに連通するノズル12(図3参照)からインク滴が
噴射される。
【0012】また、駆動電圧Vの印加が停止されると、
側壁6b及び6cが変形前の位置(図5(a)参照)に
戻るためインク室4c内のインク圧力が徐々に低下す
る。すると、図示しないインクタンクからインク供給口
16(図3)及びマニホールド18(図3)を通してイ
ンク室4c内にインクが供給される。
【0013】なお、インク噴射の効率を上げるため、上
記分極の方向を反対にし、駆動電圧を印加することによ
って、まず側壁6b及び6cをお互いに離れるように変
形させて、その後電圧の印加を停止することによって、
側壁6b及び6cが変形前の位置(図7)に戻し、イン
ク滴を噴射させることもできる。
【0014】次に各インク室4内におけるインク噴射時
の圧力波の挙動および液滴の形成過程について、図6の
タイミングチャート、図7のインク噴射装置断面図およ
び図8のインク滴の形成過程を参照しながら具体的に説
明する。まず、図7のインク室4cからインク滴を噴射
するために、当該インク室4cに対し図6(a)で示す
噴射用電圧パルスCを与える(ここで、あるインク室4
に対して電圧を与えることは、そのインク室4に面する
電極に電圧を印加することを言う)。すると、最初の立
ち上がりで側壁6bと6cはお互いに離れるように動く
(図7(b)参照)。インク室4cの体積が増えて、ノ
ズル12付近を含むインク室4c内の圧力が減少する
(図6(b))。
【0015】この圧力低下状態を図6中のL/aで示さ
れる間だけ維持される。すると、その間マニホールド1
8(図3)からインクが供給され、同時にノズル12付
近のインクメニスカス24が図8(b)に示すように後
退する。なお、上記Lはインク室4の長手方向の長さで
あり、aはインク中での音速である。したがって、L/
aはインク室4内の圧力波がインク室4の長手方向(マ
ニホールド18からノズルプレート14まで、またはそ
の逆)に対して、片道伝播するのに必要な時間である。
【0016】圧力波の伝播理論によると、前記の立ち上
げからちょうどL/aの時間が立つとインク室4c内の
圧力が逆転し、正の圧力に転じる。このタイミングに合
わせてインク室4cに印加されている電圧を0Vに戻す
(図6(a))。すると、側壁6bと6cは変形前の状
態に戻り(図7(a))、インクに圧力が加えられる。
その時、前記正に転じた圧力と側壁6b、6cが変形前
の状態に戻って、発生した圧力とがたし合わされ、図6
(b)に示すような比較的高い圧力Pcがインク室4c
内のインクに与えられて、インク滴がノズル12から噴
出され、インク滴26になる(図8)。なお、インク滴
が噴射された後もインク室4には残留圧力変動Prが残
るが、時間とともに徐々に減衰していく。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
駆動方法を用いてインク滴を噴射するときは、インク滴
をノズル12から噴射するタイミングは図6(a)に示
すように、駆動波形Cの立ち上がりから時間L/aを経
った時点であり、確かに前述のように正に転じた圧力と
側壁6b、6cが変形前の状態に戻って、発生した圧力
とがたし合わされ、図6(b)に示すような比較的高い
圧力Pcがインク室4b内のインクに与えられることで
きる。しかし一方、この時点のインクメニスカス24は
図8(b)に示すようにノズル12の内部に後退してい
る。したがって、図6(b)の圧力Pcは、その一部が
インクメニスカス24をノズル出口まで押し戻すのに費
やしてしまい、インク滴噴射に寄与する部分は少ない。
このため、インク量が多く必要な場合、必要なインク滴
体積が得られず、良好な印字品質が得られないという欠
点があった。
【0018】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、印字に必要な体積を持つインク
滴が形成でき、印字品質が良好であるインク噴射装置の
駆動方法を提示することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の請求項1では、インク滴を噴射するインク室
と、そのインク室の容積を増大させてインク室内に圧力
波を発生させ、所定時間後、増大状態から容積を減少さ
せて前記圧力波に圧力を加えてインク滴を噴射させる制
御手段とを有するインク噴射装置の駆動方法であって、
前記所定時間は、前記インク室内における圧力波の片道
伝播時間の約3倍以上であり、かつ前記片道伝播時間の
ほぼ奇数倍であることを特徴とする。
【0020】請求項2では、前記インク室の容積を前記
減少させるタイミングは、インク滴が噴射される噴射口
に形成されるメニスカスが、自然状態より噴射される側
にある時であることを特徴とする。
【0021】請求項3では、前記所定時間は、前記片道
伝播時間の7倍より短い時間であることを特徴とする。
【0022】請求項4では、前記インク室はその一部
が、分極された圧電セラミックスで少なくとも一部が形
成された側壁によって形成され、その側壁の少なくとも
一部に駆動電界を発生するための電極が設けられ、前記
制御手段は、電極に電圧を印加して前記側壁を圧電効果
により変形させ、前記所定時間後、電極への電圧印加を
停止して側壁の変形を戻すことを特徴とする。
【0023】請求項5では、前記インク室は複数個設け
られ、前記側壁は各インク室を隔て、前記電極は前記側
壁の少なくとも一部に形成され、前記制御手段は、電極
に電圧を印加して前記分極方向と直交する電界を発生せ
て前記側壁を圧電厚みすべり効果により変形させ、前記
所定時間後、電極への電圧印加を停止して側壁の変形を
戻すことを特徴とする。
【0024】
【作用】上記の駆動方法を有する本発明のインク噴射装
置では、インク室の容積を増大させてインク室内に圧力
波を発生させ、前記インク室内における圧力波の片道伝
播時間の約3倍以上であり、かつ前記片道伝播時間のほ
ぼ奇数倍の時間が経過した後、増大状態から容積を減少
させて前記圧力波に圧力を加えてインク滴を噴射させ
る。この増大状態からの容積減少を、片道伝播時間の約
3倍以上後に行うことにより、インク滴の噴射前に圧力
波の変動を利用して予め噴射口からインクが押し出さ
れ、その後の容積減少によって、比較的大きい体積のイ
ンク滴が得られる。また、前記片道伝播時間のほぼ奇数
倍とすることにより、インク滴の噴射に寄与する圧力の
利用率を高める。
【0025】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。尚、従来技術と同一の部分には同一
の符号を付し、その説明を省略する。また、インク噴射
装置は図3〜図7に示したものと同様の構成のものを用
いる。ただし、LSIチップ51が印加する電圧の幅
は、従来技術の3倍である。
【0026】図1は本発明の一実施例の駆動波形及びイ
ンク室内のノズル付近の圧力変動を示すタイミングチャ
ートである。図2には図1の駆動波形を印加した場合の
インク滴形成過程を示す。また、図1の駆動波形を印加
した場合のインク室の側壁の変形については図7を参照
する。なお、インク滴を噴射するインク室は図7に示す
インク室4cとする。
【0027】LSIチップ51(図4)により、図1
(a)に示すように、時間t0において立ち上がる駆動
電圧波形が、図7(b)に示すインク室4cに印加され
る(ここで、あるインク室4に対して電圧を与えること
は、そのインク室4に面する電極に電圧を印加すること
を言う)。すると、インク室4cの両側の側壁6bと6
cが、お互いに離れる方向に急速に変形する(図7
(b))。上記側壁の変形によってインク室4cの体積
が自然状態から増大し、ノズル12(図3)付近を含む
インク室4c内の全体の圧力が図1(b)に示すように
減少し、インクがマニホールド18(図3)からインク
室4cに吸い込まれる。圧力伝播理論によると、ノズル
12付近の圧力が回復するまでの時間は、圧力波がマニ
ホールド18からノズル12までを音速で伝播する時間
L/a(図1(a))だけ要する。したがって、図1の
t0からt1の間のノズル12付近の圧力は負に保たれ
る(図1(b))。この間のインクメニスカスは後退し
続け、t1の時点で図2(b)のようにノズル12内に
引っ込んでしまう。
【0028】圧力伝播理論によると、ノズル12付近の
圧力はt1を過ぎた時点で図2(b)に示すように正
(P1)に転じる。そして、正に転じた圧力P1も、L
/aの間だけ維持される。その後もインク室4c内の圧
力は、時間L/a毎に正と負に交互に変動する。即ち、
インク室4c内の圧力は、2L/aを周期として減衰し
ながら変動していく。この圧力減衰の割合は、ノズル1
2の噴射側の大きさや、形状や、ノズル12の長さ、イ
ンクの粘性などによって変化する。
【0029】そこで本実施例においては、t1からt2
にかけてのL/a間の正圧をそのまま利用して、図2
(c)のように一旦インクメニスカス24をノズル12
の外に押し出す。これは即ち一種の予備噴射のようなも
のである。この予備噴射はインクがインク滴にならない
程度、またはインク滴になったとしても、低速で飛翔す
る程度のものである。
【0030】そして、時間t2からt3にかけては、ノ
ズル12付近の圧力が再び負に転じるが、すでにノズル
12を出たインクメニスカスまたはインク滴に対して
は、前記負の圧力はほとんど作用しない。このため、ノ
ズル12を出たインクメニスカスまたはインク滴は、イ
ンク室4c内に引っ込まず、図2(d)に示すようにネ
ック28の部分が細くなる程度にとどまる。
【0031】そして、時間t3になるとノズル12付近
の圧力が再び正に転じる。このタイミングに合わせて、
図1(a)に示すように駆動パルスCを立ち下げる。す
るとインク室4cの両側の側壁6bと6cが変形前の状
態に戻る(図7(a))。これによってインク室4cの
体積が増大状態から自然状態へと減少し、ノズル12付
近を含むインク室4c内の全体の圧力が上昇する。この
側壁6b、6cの変形による圧力上昇と前記再び正に転
じた圧力とがたし合わされ、図1(b)に示すようにノ
ズル12付近で比較的高い正の圧力P2が現れる。この
高い正圧P2によってインクが図2(e)に示すように
再びノズル12から押し出され、前記圧力P1によって
押し出された部分と一体となり、図2(f)〜(h)の
ように比較的体積の大きいインク滴26となってインク
室4cのノズル12から噴射される。
【0032】以上説明したように、本実施例では、駆動
パルスの幅を3L/aとすることによって、インク滴を
噴出する前に、予め一部のインクをノズル12の外に押
し出しているので、その後のインク室4の容積の減少に
よって、比較的大きい体積のインク滴を得ることができ
る。したがって、比較的小さな電圧により印字に必要な
インク滴体積が得られる。このため、体積が大きなイン
ク滴が必要な場合、印字品質が良好である。また、予め
一部のインクをノズル12の外に押し出しておく過程に
おいて、インク室4内に伝播する圧力波を利用している
ので、駆動波形を複雑にすることもなく、そのために新
たな駆動エネルギを投入することもない。したがって、
駆動回路の簡単化、低コスト化をはかることができる。
【0033】尚、本実施例では、駆動パルスの幅が3L
/aであったが、駆動パルスの幅がL/aの奇数倍であ
れば、駆動パルスの立ち上がりによるインク室内の圧力
変動と駆動パルスの立ち下がりによるインク室内の圧力
変動との位相が一致し、比較的高い噴射圧力が得られ
る。ただし、駆動パルスの幅が7L/a以上となると、
立ち上がりによる圧力変動が小さくなって、予備噴射と
ならない状態となったり、立ち下げによる圧力波の合成
に効率が悪くなったりする。
【0034】また、本実施例では、インク滴を噴射する
各インク室4が隣接して配置されているインク噴射装置
であったが、インク室とインク室との間に、インク滴が
噴射されない空気室を配置したインク噴射装置であって
もよい。このように空気室を配置した場合、インク室内
の電極を接地し、空気室側の電極に電圧を印加させても
よい。更に、本実施例では、インク室4の両側の側壁6
を変形してインク滴を噴射するするインク噴射装置であ
ったが、片側の側壁の変形によってインク滴を噴射する
インク噴射装置であってもよい。
【0035】また、本実施例では、圧電セラミックスで
形成された側壁6の上半分の領域に電極8を形成し、上
半分の圧電すべり効果によって、側壁6の下半分も変形
させて、インク室4の容積を変化させていたが、側壁を
互いに反対方向に分極された2つの圧電セラミックスで
形成し、側壁の側面全体に電極を形成して、側壁の上半
分及び下半分に同じ方向に圧電厚みすべり変形させてイ
ンク室の容積を変化させてもよい。更に、側壁を上半分
または下半分を圧電セラミックスで形成し、他の下半分
または上半分を絶縁体で形成して、側壁の側面全体に電
極を形成してもよい。
【0036】また、本実施例では、圧電セラミックスプ
レート2の片側に溝3を加工してインク室4を形成して
いたが、圧電セラミックスプレートの厚さを厚くして両
側に溝を加工して、両側にインク室を形成してもよい。
【0037】また、本実施例では、インク室4を自然状
態から増大状態へと容積を増加させた後、自然状態へと
容積を戻して、インク滴を噴射していたが、インク室を
自然状態から増大状態へと容積を増加させた後、自然状
態よりも容積を減少させた減少状態へと容積を変化させ
て、インク滴を噴射してもよい。
【0038】更に、本実施例では、せん断モード型のイ
ンク噴射装置であったが、カイザー型等のダイレクトモ
ード型のインク噴射装置でもよい。
【0039】また、本実施例では、駆動パルスが矩形波
であったが、立ち上がり及び/または立ち下がりが傾斜
された波形であってもよい。
【0040】更に、本実施例では、電圧を印加してイン
ク室4の容積を変化させていたが、常に全インク室に電
圧を印加しておき、電圧印加の停止によって、インク室
の容積を変化させてもよい。
【0041】
【発明の効果】本発明の駆動方法を用いたインク噴射装
置によれば、インク室の容積を増大させてインク室内に
圧力波を発生させ、前記インク室内における圧力波の片
道伝播時間の約3倍以上であり、かつ前記片道伝播時間
のほぼ奇数倍の時間が経過した後、増大状態から容積を
減少させて前記圧力波に圧力を加えてインク滴を噴射さ
せる。すなわち、インク滴を噴出する前に、予め一部の
インクをノズルの外に押し出しているので、比較的大き
い体積のインク滴を得ることができる。したがって、体
積が大きなインク滴が必要な印字の場合、印字品質が良
好である。また、予め一部のインクをノズルの外に押し
出す過程において、インク室内に伝播する圧力波を利用
しているので、駆動波形を複雑にすることもなく、その
ために新たな駆動エネルギを投入することもない。した
がって、駆動回路の簡単化、低コスト化をはかることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のインク噴射装置の駆動方法
を示すタイミングチャートである。
【図2】前記実施例のインク噴射装置におけるインク滴
形成過程を示す説明図である。
【図3】従来技術のせん断モード型インク噴射装置を示
す斜視図である。
【図4】従来技術の制御部を示す説明図である。
【図5】従来技術のせん断モード型インク噴射装置の動
作を示す説明図である。
【図6】従来技術のインク噴射装置の駆動方法を示すタ
イミングチャートである。
【図7】従来技術のせん断モード型インク噴射装置の動
作を示す説明図である。
【図8】従来技術のインク噴射装置におけるインク滴形
成過程を示す説明図である。
【符号の説明】
2 圧電セラミックスプレート 4 インク室 6 側壁 8 電極 24 インクメニスカス

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク滴を噴射するインク室と、その
    インク室の容積を増大させてインク室内に圧力波を発生
    させ、所定時間後、増大状態から容積を減少させて前記
    圧力波に圧力を加えてインク滴を噴射させる制御手段と
    を有するインク噴射装置の駆動方法であって、 前記所定時間は、前記インク室内における圧力波の片道
    伝播時間の約3倍以上であり、かつ前記片道伝播時間の
    ほぼ奇数倍であることを特徴とするインク噴射装置の駆
    動方法。
  2. 【請求項2】 前記インク室の容積を前記減少させる
    タイミングは、インク滴が噴射される噴射口に形成され
    るメニスカスが、自然状態より噴射される側にある時で
    あることを特徴とする請求項1記載のインク噴射装置の
    駆動方法。
  3. 【請求項3】 前記所定時間は、前記片道伝播時間の
    7倍より短い時間であることを特徴とする請求項2記載
    のインク噴射装置の駆動方法。
  4. 【請求項4】 前記インク室はその一部が、分極され
    た圧電セラミックスで少なくとも一部が形成された側壁
    によって形成され、その側壁の少なくとも一部に駆動電
    界を発生するための電極が設けられ、前記制御手段は、
    電極に電圧を印加して前記側壁を圧電効果により変形さ
    せ、前記所定時間後、電極への電圧印加を停止して側壁
    の変形を戻すことを特徴とする請求項1記載のインク噴
    射装置の駆動方法。
  5. 【請求項5】 前記インク室は複数個設けられ、前記
    側壁は各インク室を隔て、前記電極は前記側壁の少なく
    とも一部に形成され、前記制御手段は、電極に電圧を印
    加して前記分極方向と直交する電界を発生せて前記側壁
    を圧電厚みすべり効果により変形させ、前記所定時間
    後、電極への電圧印加を停止して側壁の変形を戻すこと
    を特徴とする請求項4記載のインク噴射装置の駆動方
    法。
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