JP3788933B2 - インク噴射装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク吐出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリンタヘッドとして、圧電セラミックスを応用したドロップオンデマンド方式のインクジェットプリンタヘッドが提案されている。これは、圧電セラミックスの変形によってインク液室の容積を変化させることにより、その容積減少時にインク液室内のインクをノズルから液滴として吐出し、容積増大時に他方のインク導入路からインク液室内にインクを導入するようにしたものである。そして、このようなインク液室を多数互いに近接して配置し、所望の印字データに従って所望の位置のノズルからインク液滴を吐出させることにより、そのノズルと対向する紙面上等に所望の文字や画像を形成するものである。
【0003】
この種のインク吐出装置としては、例えば特開昭63−247051号公報、特開昭63−252750号公報及び特開平2−150355号公報に記載されているものがある。図29、図30、図31、図32及び図33にそれら従来例の概略図を示す。以下、インク吐出装置の断面図を示す図29によって、従来例の構成を具体的に説明する。複数の溝15及び該溝15を隔てる側壁11を有し、かつ矢印4の方向に分極処理を施した圧電セラミックスプレート1と、セラミックス材料または樹脂材料等からなるカバープレート2とが、エポキシ系接着剤等からなる接合層3により接合されることで、溝15は横方向に互いに間隔を有する複数のインク液室12となる。インク液室12は長方形断面の細長い形状であり、側壁11はインク液室12の全長にわたって伸びている。側壁11の接着層3付近の側壁11上部から側壁11中央部までの両表面には、駆動電界印加用の金属電極13が形成されている。全てのインク液室12内には、インクが充填される。
【0004】
次に、インク吐出装置の断面図を示す図30によって、従来例の動作を説明する。該インク吐出装置において、所望の印字データに従って例えばインク液室12bが選択されると、金属電極13eと13fに急速に正の駆動電圧が印加され、金属電極13dと13gは接地される。これにより側壁11bには矢印14bの方向の駆動電界が、側壁11cには矢印14cの方向の駆動電界が作用する。このとき駆動電界方向14b及び14cと分極方向4とが直交しているため、側壁11b及び11cは、圧電厚みすべり効果によってインク液室12bの内部方向に急速に変形する。この変形によってインク液室12bの容積が減少してインク液室12bのインク圧力が急速に増大し、圧力波が発生して、インク液室12bに連通するノズル32(図31)からインク液滴が吐出される。また、駆動電圧の印加を徐々に停止すると、側壁11b及び11cが変形前の位置(図29参照)に戻るためインク液室12b内のインク圧力が徐々に低下し、インク供給口21(図31)からマニホールド22(図31)を通してインク液室12b内にインクが供給される。
【0005】
このインク吐出装置では、隣接する2つのインク液室に連通する2つのノズルから同時にインク液滴を吐出することができないため、例えば、左端から奇数番目のインク液室12a、12cに連通するノズル32からインク液滴を吐出した後、偶数番目のインク液室12b、12dに連通するノズル32からインク液滴を吐出し、次に再び奇数番目からインク液滴を吐出するというように、インク液室12及びノズル32を複数のグループに分割してインク液滴の吐出が行われる。
【0006】
但し、上記の動作は従来例の基本動作に過ぎず、製品として具体化される場合には、まず駆動電圧を容積が増加する方向に電圧が印加され、先にインク液室12bにインクが供給された後に、上記の動作が行われることもある。
【0007】
次に、インク吐出装置の斜視図を示す図31によって、従来例の構成及び製造法を説明する。分極処理を施した圧電セラミックスプレート1に、薄い円板状のダイヤモンドブレードを使用した研削加工等によって、前記の形状のインク液室12を形成する平行な溝15が作製される。溝15は圧電セラミックスプレート1のほぼ全域で同じ深さの平行であるが、端面17に近づくにつれて徐々に浅くなり、端面17付近では浅く平行な浅溝18となる。この溝15及び浅溝18の内面には、前記の金属電極13がスパッタリング等によって形成される。溝15の内面にはその側面の上半分のみに金属電極13が形成されるが、浅溝18の内面にはその側面及び底面全体に金属電極13が形成される。また、セラミックス材料または樹脂材料等からなるカバープレート2に、研削または切削加工等によって、インク導入口21及びマニホールド22が形成される。
【0008】
次に、圧電セラミックスプレート1の溝15加工側の面とカバープレート2のマニホールド22加工側の面とが、エポキシ系接着剤等によって、各々の溝15が前記の形状のインク液室12を形成するように接着される。次に、圧電セラミックスプレート1及びカバープレート2の端面16に、各インク液室12の位置に対応した位置にノズル32が設けられたノズルプレート31が接着される。圧電セラミックスプレート1の溝15加工側と反対側の面には、各インク液室12の位置に対応した位置に導電層のパターン42が設けられた基板41が、エポキシ系接着剤等によって接着される。そして、浅く平行な溝18の底面の金属電極13と導電層のパターン42とが、周知のワイヤボンディングによって導線43で接続される。
【0009】
次に、制御部のブロック図を示す図32によって、従来例の制御部の構成を説明する。基板41に設けられた導電層のパターン42は各々個々にLSIチップ51に接続され、クロックライン52、データライン53、電圧ライン54及びアースライン55もLSIチップ51に接続されている。LSIチップ51は、クロックライン52から供給された連続するクロックパルスに基づいて、データライン53上に現れるデータから、どのノズル32からインク液滴の吐出を行うべきかを判断し、駆動するインク液室12内の金属電極13に導通する導電層のパターン42に、電圧ライン54の電圧Vを印加する。また、前記インク液室12以外の金属電極13に導通する導電層のパターン42にアースライン55の電圧0を印加する。
【0010】
次に、プリンタの斜視図を示す図33によって、従来例の構成及び動作を説明する。インク吐出装置61及びノズルプレート31は、図29、図30及び図31で説明した構成、動作をもつものである。インク吐出装置61はキャリッジ62上に固定され、図示しないインクタンクに連結されたインク供給チューブ63はインク供給口21(図31)に連通し、LSIチップ51(図32)はキャリッジ62に内蔵され、フレキシブルケーブル64は図25に示したクロックライン52、データライン53、電圧ライン54及びアースライン55に対応している。キャリッジ62はスライダ66に沿って矢印65方向に記録紙71の全幅にわたって往復移動し、インク吐出装置61はキャリッジ62が移動している時にプラテンローラ72に保持された記録紙71に対して、ノズルプレート31に設けられたノズル32(図31)からインク液滴を吐出し、記録紙71上にインク液滴を付着させる。
【0011】
また、記録紙71はインク吐出装置61がインク液滴を吐出しているときは静止しているが、キャリッジ62が往復動作を行う度に紙送りローラ73及び74によって矢印75方向に一定量ずつ移送される。これによって、インク吐出装置61は記録紙71の全面に所望の文字や画像を形成することが可能となる。
【0012】
ここで、特開昭60−157875号公報には、あるインク液室からインク液滴を複数個吐出させて、インクの表面張力などによりインク液室の前方にてそれらインク液滴を一体化させて一体化インク液滴を形成する技術について記載されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の特開昭63−247051号公報、特開昭63−252750号公報及び特開平2−150355号公報に記載されたインク吐出装置61では、あるインク液室12bからインク吐出すると、隣接するインク液室12a,12c内に圧力波が発生するので、その圧力の振動が収まらない内にインク液室12a,12cからインクを吐出させようとしても、吐出されるインク液滴の体積が異なったり、インク液滴が吐出されなかったりして、印字品質が悪くなる。前記圧力振動の期間は、ノズル反射係数によって異なるが、3L/aから6L/a程度である。前記L/aはインク液室12内の圧力波がインク液室12の長手方向(マニホールド22からノズルプレート31まで、またはその逆)に対して、片道伝播するに必要な時間であり、インク液室12の長さLとインク中での音速aによって決まる。例えば、インク液室12の長さLが4mmであるとL/aは6μsecであり、15mmであるとL/aは25μsecである。
【0014】
このため、複数のグループに分割したインク液室12及びノズル32からインク液滴の吐出を行うために、あるグループのインク液室12及びノズル32からインク液滴を吐出した後、隣接するグループのインク液室12内の圧力の振動が収まってからしか、その隣接するグループのインク液室12及びノズル32からインク液滴を吐出することができなかった。従って、従来のインク吐出装置61では、インク液滴の吐出の周波数が低く、印字の速度が遅いという問題点があった。
【0015】
また、上記インク吐出装置61に特開昭60−157875号公報の技術を用いた場合においても、圧力変動が収まってからしか、隣接するグループのインク液室からインク液滴を吐出することができなかった。そして、一体化インク液滴を形成するために、上記インク吐出動作を複数回行なうので、前述した特開昭63−247051号公報、特開昭63−252750号公報及び特開平2−150355号公報に記載されたインク吐出装置61より、一体化インク液滴の吐出の周波数が低く、印字の速度が遅いという問題点があった。
【0016】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、印字の速度が速いインク吐出装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明では、吐出するためのインクを収容する複数のインク液室と、その各インク液室の両側を形成し互いに隣接する二つのインク液室を隔て、一方のインク液室を拡大したとき他方のインク液室が収縮するように変形する圧電素子の隔壁と、前記各インク液室にインクを供給する供給源と、前記隔壁への電圧の印加により、前記インク液室の両側の隔壁を変形して前記インク液室の容積を拡大し、前記供給源からインク液室にインクを補給した後、その両側の隔壁を変形してインク液室の容積を収縮してインク液滴を吐出する動作を繰り返して複数のインク液滴をインク液室の前方にて一体化させて一体化インク液滴を形成する制御手段とを有するインク吐出装置であって、前記制御手段は、隣接する3つのインク液室のうち2つの第一インク液室及びその両室に互いに隣接して両室間に挟まれる第二インク液室を隔てる隔壁を含む前記両第一インク液室の両側の前記隔壁に、両第一インク液室を容積拡大すると同時に第二インク液室を容積縮小する方向の電圧の印加と、その後両第一インク液室からインク液滴を吐出させる両第一インク液室の容積収縮と同時に、第二インク液室を前記インク補給のために容積拡大する方向の電圧の印加と、次に、第二インク液室からインク液滴を吐出させる第二インク液室容積収縮と同時に、両第一インク液室を前記インク補給のために容積拡大する方向の電圧の印加とを、それぞれ前記インク液室の長さLとインク中での音速aとの比L/aだけ繰り返して、両第一インク液室及び第二インク液室からそれぞれ複数個のインク液滴を連続して吐出して、各インク液室の前方にてそれぞれのインク液滴を一体化させて3つの一体化インク液滴を形成することを特徴とする
【0018】
上記の構成を有する本発明のインク吐出装置では、インク液室の両側の隔壁への電圧の印加により、その隔壁をインク液室の容積を拡大する方向に変形し、その後、その両側の隔壁をインク液室の容積を収縮する方向に変形してインク液滴を吐出するものにおいて、前記制御手段は、前記複数のインク液室の内、互いに隣接する2つの第一インク液室及び第二インク液室の両者から一体化インク液滴を形成するとき、両第一インク液室からインク液滴を吐出させる両第一インク液室の容積収縮と同時に、第二インク液室を前記インク補給のために容積拡大し、次に、第二インク液室を容積収縮してインク液滴を吐出させる収縮と同時に、両第一インク液室を前記インク補給のために容積拡大するためのそれぞれの電圧印加を、インク液室の長さLとインク中での音速aとの比L/aだけ繰り返して両第一インク液室及び第二インク液室からそれぞれ複数個のインク液滴を吐出して、インク液室の前方にてそれぞれのインク液を一体化させて3つの一体化インク液滴を形成させる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の基礎となる図面を参照して説明する。尚、従来技術と同一の部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0020】
インク吐出装置の断面図を示す図1、図3、図5、図7、図9、図11、図13、及び、インク液室12内の電極13の駆動電圧波形を示す図2、図4、図6、図8、図10、図12、図14によって構成及び動作を説明する。
【0021】
あるインク液室12のノズル32からインク液滴を吐出する場合をF、吐出しない場合をNで表し、インク液室12a、12b、12c、12d(図30)にそれぞれ連通するノズル32を、図示はしないがノズル32a,ノズル32b,ノズル32c,ノズル32dとし、それらノズル32からのインク液滴の吐出パターンを、この順番にFまたはNをならべて表現する。例えば、FNNFは、インク液室12a,12dのノズル32a,32dからインク液滴の吐出を行い、インク液室12b,12cのノズル32b,32cからは吐出を行わないことを示す。ここで、インク液室12の両端となるインク液室12x,12yはインクを噴射しないインク液室として設けられ、片側の壁しか変形しない。尚、側壁11を変形するために印加される電圧の幅は前記L/aである。本実施例では、インク液室12の長さを4mmとし、L/aは6μsecである。
【0022】
そして、吐出パターンがFFFFの場合を、図1及び図2によって説明する。図1の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は、それぞれ、図2の駆動電圧波形の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)で記したタイミングでの側壁11の変形状態を示している。そして、図2の駆動電圧波形(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の幅はL/aである。
【0023】
(a)では、全ての電極13の駆動電圧が0であり、全てのインク液室12は自然状態である。
【0024】
(b)で、インク液室12a内に形成された電極13に負の駆動電圧−Vが印加される。すると、図30で説明した従来例のインク液室12b両側の側壁11b及び11cの場合と電界方向が逆になるため、インク液室12aの両側の側壁11a及び11bは中立状態(自然状態)からインク液室12aの外側方向に急速に変形する。この変形によってインク液室12aの容積が自然状態から拡大した状態(以下、拡大状態と称す)となり、インク液室12aのインク圧力が急速に減少し、図示しないインクタンクからインク供給チューブ63(図33),インク供給口21(図31),マニホールド22(図31)を通してインク液室12a内にインクが供給される。また、この時、インク液室12c内に形成された電極13にも負の駆動電圧−Vが印加され、同様に、インク液室12cの容積が拡大して、インクが供給される。
【0025】
このインク液室12a,12cの容積拡大により、インク液室12aとインク液室12cとの間のインク液室12bは、両側の側壁11b及び11cが中立状態からインク液室12bの内側方向に急速に変形され、インク液室12bの容積が収縮した状態(以下、収縮状態と称す)となり、インク圧力が増大する。しかし、このインク液室12b内に発生する圧力は、インク液室12の拡大状態から自然状態を越えて収縮状態となったときに発生する圧力の半分程度しかなく、インク液室12bに連通するノズル32からはインク液滴の吐出が行われない。
【0026】
(c)で、インク液室12a、12c及び12yの内部に形成された電極13のみに正の駆動電圧Vが印加され、インク液室12a及び12cの両側の側壁11a、11b及び11c、11dが、外側方向に変形した状態から中立状態を経て内側方向に急速に変形する。このため、インク液室12a及び12cの容積が拡大状態から自然状態を経て収縮状態となり、インク液室12a及び12cのインク圧力が急速に増大し、インク液室12a及び12cに連通するノズル32aおよび32cからインク液滴が吐出される。また、このとき、インク液室12b及び12dが拡大状態となり、インク液室12b及び12dのインク圧力が急速に減少し、図示しないインクタンクからインク供給チューブ(図33),インク供給口21(図31),マニホールド22(図31)を通してインク液室12b及び12d内にインクが供給される。
【0027】
次に、(d)で、インク液室12b及び12dの内部に形成された電極13のみに正の駆動電圧Vが印加され、インク液室12b及び12dの側壁11が変形して、インク液室12b及び12dが拡大状態から自然状態を経て収縮状態とされてノズル32からインク液滴が吐出される。
【0028】
(e)で、全ての電極13の駆動電圧が0とされ、全てのインク液室12が自然状態となり、吐出パターンFFFFインク吐出が終了する。
【0029】
尚、このようなインク液室12の電極13への電圧の制御は従来と同じようにLSIチップ(図示せず)が行なっている。
【0030】
次に、吐出パターンがFFFNの場合を、図3及び図4によって説明する。
【0031】
(a)では、全ての電極13の駆動電圧が0であり、全てのインク液室12は自然状態である。
【0032】
(b)で、インク液室12a及び12cの内部に形成された電極13のみに負の駆動電圧−Vが印加され、インク液室12a及び12cの容積が拡大してインクが供給される。
【0033】
(c)で、インク液室12a及び12cの内部に形成された電極13のみに正の駆動電圧Vが印加され、インク液室12a及び12cが拡大状態から自然状態を経て収縮状態をとなり、ノズル32a及び32cからインク液滴が吐出される。この時、インク液室12bが拡大状態となりインクが供給される。
【0034】
(d)で、インク液室12bの内部に形成された電極13のみに正の駆動電圧Vが印加され、インク液室12bが拡大状態から自然状態を経て収縮状態となりノズル32bからインク液滴が吐出される。
【0035】
(e)で、全ての電極13の駆動電圧が0とされ、全てのインク液室12が自然状態となり、吐出パターンFFFNのインク吐出が終了する。
【0036】
尚、吐出パターンがNFFFの場合も、以上の構成及び動作と同様である。
【0037】
次に、吐出パターンがFFNFの場合を、図5及び図6によって説明する。
【0038】
(a)では、全ての電極13の駆動電圧が0であり、全てのインク液室12は自然状態である。
【0039】
(b)で、インク液室12a及び12dの内部に形成された電極13のみに負の駆動電圧−Vが印加され、インク液室12a及び12dが拡大状態となりインクが供給される。
【0040】
(c)で、インク液室12b及び12xの内部に形成された電極13のみに負の駆動電圧−V、インク液室12dの内部に形成された電極13のみに正の駆動電圧Vが印加される。すると、インク液室12a及び12dが拡大状態から自然状態を経て収縮状態となりノズル32a及び32dからインク液滴が吐出され、インク液室12bが拡大状態となりインクが供給される。
【0041】
(d)で、インク液室12bの内部に形成された電極13のみに正の駆動電圧Vが印加され、インク液室12bが拡大状態から収縮状態となりノズル32bからインク液滴が吐出される。
【0042】
(e)で、全ての電極13の駆動電圧が0とされ、全てのインク液室12が自然状態となり、吐出パターンFFNFインク吐出が終了する。
【0043】
尚、吐出パターンがFNFFの場合も、以上の構成及び動作と同様である。
【0044】
次に、吐出パターンがFFNNの場合を、図7及び図8によって説明する。
【0045】
(a)では、全ての電極13の駆動電圧が0であり、全てのインク液室12は自然状態である。
【0046】
(b)で、インク液室12aの内部に形成された電極13のみに負の駆動電圧−Vが印加され、インク液室12aが拡大状態となりインクが供給される。
【0047】
(c)で、インク液室12b及び12xの内部に形成された電極13のみに負の駆動電圧−Vが印加され、インク液室12aが拡大状態から収縮状態となりノズル32aからインク液滴が吐出され、インク液室12bが拡大状態となりインクが供給される。
【0048】
(d)で、インク液室12bの内部に形成された電極13のみに正の駆動電圧Vが印加され、インク液室12bが拡大状態から収縮状態となりノズル32bからインク液滴が吐出される。
【0049】
(e)では、全ての電極13の駆動電圧が0とされ、全てのインク液室12が自然状態となり、吐出パターンFFNNのインク吐出が終了する。
【0050】
尚、吐出パターンがNNFF及びNFFNの場合も、以上の構成及び動作と同様である。
【0051】
次に、吐出パターンがFNFNの場合を、図9及び図10によって説明する。
【0052】
(a)では、全ての電極の駆動電圧が0であり、インク液室12は自然状態である。
【0053】
(b)で、インク液室12aの内部に形成された電極13のみに負の駆動電圧−Vが印加され、インク液室12aが拡大状態となりインクが供給される。
【0054】
(c)で、インク液室12cの内部に形成された電極13のみに負の駆動電圧−V、インク液室12aの内部に形成された電極13のみに正の駆動電圧Vが印加される。すると、インク液室12aが拡大状態から収縮状態となりノズル32aからインク液滴が吐出され、インク液室12cが拡大状態となりインクが供給される。
【0055】
(d)で、インク液室12cの内部に形成された電極13のみに正の駆動電圧Vが印加され、インク液室12cが拡大状態から収縮状態となりノズル32cからインク液滴が吐出される。
【0056】
(e)で、全ての電極13の駆動電圧が0とされ、全てのインク液室12が自然状態となり、吐出パターンFNFNのインク吐出が終了する。
【0057】
尚、吐出パターンがNFNFの場合も、以上の構成及び動作と同様である。
【0058】
次に、吐出パターンがFNNFの場合を、図11及び図12によって説明する。
【0059】
(a)では、全ての電極の駆動電圧が0であり、全てのインク液室12は自然状態である。
【0060】
(b)で、インク液室12a及び12dの内部に形成された電極13のみに負の駆動電圧−Vが印加され、インク液室12a及び12dが拡大状態となりインクが供給される。
【0061】
(c)で、インク液室12a及び12dの内部に形成された電極13のみに正の駆動電圧Vが印加され、インク液室12a及び12dが拡大状態から収縮状態となりノズル32a及び32dからインク液滴が吐出される。
【0062】
(d)では、全ての電極の駆動電圧が0とされ、全てのインク液室12が自然状態となり、吐出パターンFNNFのインク吐出が終了する。
【0063】
次に、吐出パターンがFNNNの場合を、図13及び図14によって説明する。
【0064】
(a)では、全ての電極13の駆動電圧が0であり、全てのインク液室12が自然状態である。
【0065】
(b)で、インク液室12aの内部に形成された電極13のみに負の駆動電圧−Vが印され、インク液室12aが拡大状態となりインクが供給される。
【0066】
(c)で、インク液室12aの内部に形成された電極13のみに正の駆動電圧Vが印加され、インク液室12aが拡大状態から収縮状態となりノズル32aからインク液滴が吐出される。
【0067】
(d)で、全ての電極13の駆動電圧が0とされ、全てのインク液室12が自然状態となり、吐出パターンFNNNのインク吐出が終了する。
【0068】
尚、吐出パターンがNFNN、NNFN、NNNFの場合も、以上の構成及び動作と同様である。
【0069】
吐出パターンがNNNNの場合は、全ての電極13の駆動電圧を0に保持する。
【0070】
上述した電極13への電圧制御はLSIチップが行なっている。
【0071】
以上説明したように、第一実施例のインク吐出装置では、複数のインク液室12の内、互いに隣接する、例えばインク液室12a及びインク液室12bの両者からインク液滴を吐出させるとき、インク液室12aからインク吐出させるインク液室12aの収縮状態時に、インク液室12bをインク補給のために拡大状態とし、前記L/a(本実施例では6μsec)後に、インク液室12bを拡大状態から収縮状態としてインク吐出させているので、ノズル32aから吐出したL/a後に、ノズル32bからインク液滴が吐出される。従って、互いに隣接する2つのインク液室12に連通する2つのノズル32a及び32bからL/a(本実施例では6μsec)である非常に短い間(ほぼ同時)にインク液滴を吐出することができる。
【0072】
そして、従来例における、あるグループのインク液室12及びノズル32からインク液滴を吐出した後、隣接するグループのインク液室12内の圧力の振動が収まってから、その隣接するグループのインク液室12及びノズル32からインク液滴を吐出していたインク吐出装置61(図33)と第一実施例のインク吐出装置とを比較すると、インク液滴の吐出の周波数が著しく速くなる。このため、印字の速度が速いインク吐出装置を提供することが可能である。
【0073】
次に、本発明を具体化した、あるインク液室から複数個のインク液滴を吐出させて、インク液室の前方にてそれらインク液滴を、インクの表面張力などによって一体化させて一体化インク液滴を形成する実施例を図面を参照して説明する。尚、従来技術及び上記例と同一の部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0074】
インク吐出装置の断面図を示す図15、図17、図19、図21、図23、図25、図27、及び、インク液室12内の電極13の駆動電圧を示す図16、図18、図20、図22、図24、図26、図28によって、本発明の実施例の構成及び動作を説明する。
【0075】
まず、吐出パターンがFFFFの場合を、図15及び図16によって説明する。図15の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)は、それぞれ、図16の駆動電圧波形の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)で記したタイミングでの側壁11の変形状態を示している。上記例で説明した図1(a)〜(c)と図15(a)〜(c)とは同一の動作であるので、その説明を省略する。
【0076】
(d)で、インク液室12a、12c及び12yの内部に形成された電極13に負の駆動電圧−Vが印加される。すると、インク液室12a及び12cが収縮状態から拡大状態となりインクが供給され、インク液室12b及び12dが拡大状態から収縮状態となりノズル32b及び32dからインク液滴が吐出される。
【0077】
(e)で、インク液室12a、12c及12yの内部に形成された電極13のみに正の駆動電圧Vが印加される。すると、インク液室12a及び12cが拡大状態から収縮状態となりノズル32a及び32cからインク液滴が吐出され、インク液室12b及び12dが収縮状態から拡大状態となりインクが供給される。この時ノズル32a及び32cから吐出されたそれぞれのインク液滴は、インクの表面張力などによって、(c)でノズル32a及び32cから吐出されたそれぞれのインク液滴とノズル32a及び32cの前方にて一体化して、それぞれの一体化インク液滴となる。
【0078】
次に、(f)で、インク液室12b及び12dの内部に形成された電極13のみに正の駆動電圧Vが印加され、インク液室12b及び12dの側壁11が変形して、インク液室12b及び12dが拡大状態から自然状態を経て収縮状態とされてノズル32b及び32dからインク液滴が吐出される。この時吐出されたそれぞれのインク液滴は、インクの表面張力などによって、(d)でノズル32b及び32dから吐出されたそれぞれのインク液滴とノズル32b及び32dの前方にて一体化して、それぞれの一体化インク液滴となる。
【0079】
(g)で、全ての電極13の駆動電圧が0とされ、全てのインク液室12が自然状態となり、吐出パターンFFFFインク吐出が終了する。
【0080】
尚、このようなインク液室12の電極13への電圧の制御はLSIチップが行なっている。
【0081】
次に、吐出パターンがFFFNの場合を、図17及び図18によって説明する。第一実施例で説明した図3(a)〜(c)と図17(a)〜(c)とは同一の動作であるので、その説明を省略する。
【0082】
(d)で、インク液室12a及び12cの内部に形成された電極13のみに負の駆動電圧−Vが印加される。すると、インク液室12bが拡大状態から収縮状態となりノズル32bからインク液滴が吐出され、インク液室12a及び12cが収縮状態から拡大状態となりインクが供給される。
【0083】
(e)で、インク液室12a及び12cの内部に形成された電極13のみに正の駆動電圧Vが印加される。すると、インク液室12a及び12cが拡大状態から収縮状態となりノズル32a及び32cからインク液滴が吐出され、インク液室12bが収縮状態から拡大状態となりインクが供給される。これら吐出されたインク液滴は、(c)でノズル32a及び32cから吐出されたそれぞれのインク液滴とノズル32a及び32cの前方にて一体化して、それぞれの一体化インク液滴となる。
【0084】
(f)で、インク液室12bの内部に形成された電極13のみに正の駆動電圧Vが印加され、インク液室12bが拡大状態から自然状態を経て収縮状態となりノズル32bからインク液滴が吐出される。この吐出されたインク液滴は、(d)でノズル32bから吐出されたインク液滴とノズル32bの前方にて一体化して一体化インク液滴となる。
【0085】
(g)で、全ての電極13の駆動電圧が0とされ、全てのインク液室12が自然状態となり、吐出パターンFFFNのインク吐出が終了する。
【0086】
尚、吐出パターンがNFFFの場合も、以上の構成及び動作と同様である。
【0087】
次に、吐出パターンがFFNFの場合を、図19及び図20によって説明する。第一実施例で説明した図5(a)〜(c)と図19(a)〜(c)とは同一の動作であるので、その説明を省略する。
【0088】
(d)で、インク液室12dの内部に形成された電極13のみに負の駆動電圧−V、インク液室12b及び12xの内部に形成された電極13のみに正の駆動電圧Vが印加される。すると、インク液室12bが拡大状態から収縮状態となりノズル32bからインク液滴が吐出され、インク液室12a及び12dが収縮状態から拡大状態となりインクが供給される。
【0089】
(e)で、インク液室12b及び12xの内部に形成された電極13のみに負の駆動電圧−V、インク液室12dの内部に形成された電極13のみに正の駆動電圧Vが印加される。すると、インク液室12a及び12dは拡大状態から収縮状態となりノズル32a及び32dからインク液滴が吐出され、インク液室12bが収縮状態から拡大状態となりインクが供給される。このときノズル32a及び32dから吐出されたそれぞれのインク液滴は、(c)でノズル32a及び32dから吐出されたそれぞれのインク液滴とノズル32a及び32dの前方にて一体化して、それぞれの一体化インク液滴となる。
【0090】
(f)で、インク液室12bの内部に形成された電極13のみに正の駆動電圧Vが印加され、インク液室12bが収縮状態となりノズル32bからインク液滴が吐出される。この吐出されたインク液滴は、(d)でノズル32bから吐出されたインク液滴とノズル32bの前方にて一体化して一体化インク液滴となる。
【0091】
(g)で、全ての電極13の駆動電圧が0とされ、全てのインク液室12が自然状態となり、吐出パターンFFNFインク吐出が終了する。
【0092】
尚、吐出パターンがFNFFの場合も、以上の構成及び動作と同様である。
【0093】
次に、吐出パターンがFFNNの場合を、図21及び図22によって説明する。第一実施例で説明した図7(a)〜(c)と図21(a)〜(c)とは同一の動作であるので、その説明を省略する。
【0094】
(d)で、インク液室12b及び12xの内部に形成された電極13のみに正の駆動電圧Vが印加される。すると、インク液室12bが拡大状態から収縮状態となりノズル32bからインク液滴が吐出され、インク液室12aが収縮状態から拡大状態となりインクが供給される。
【0095】
(e)で、インク液室12b及び12xの内部に形成された電極13のみに負の駆動電圧−Vが印加される。すると、インク液室12aが拡大状態から収縮状態となりノズル32aからインク液滴が吐出され、インク液室12bが収縮状態から拡大状態となりインクが供給される。このとき吐出されたインク液滴は、(c)で吐出されたインク液滴とノズル32aの前方にて一体化して一体化インク液滴となる。
【0096】
(f)で、インク液室12bの内部に形成された電極13のみに正の駆動電圧Vが印加され、インク液室12bが拡大状態から収縮状態となりノズル32bからインク液滴が吐出される。この吐出されたインク液滴は、(d)で吐出されたインク液滴とノズル32bの前方にて一体化して一体化インク液滴となる。
【0097】
(g)では、全ての電極13の駆動電圧が0とされ、全てのインク液室12が自然状態となり、吐出パターンFFNNのインク吐出が終了する。
【0098】
尚、吐出パターンがNNFF及びNFFNの場合も、以上の構成及び動作と同様である。
【0099】
次に、吐出パターンがFNFNの場合を、図23及び図24によって説明する。第一実施例で説明した図9(a)〜(c)と図23(a)〜(c)とは同一の動作であるので、その説明を省略する。
【0100】
(d)で、インク液室12aの内部に形成された電極13のみに負の駆動電圧−V、インク液室12cの内部に形成された電極13のみに正の駆動電圧Vが印加される。すると、インク液室12cが拡大状態から収縮状態となりノズル32cからインク液滴が吐出され、インク液室12aが収縮状態から拡大状態となりインクが供給される。
【0101】
(e)で、インク液室12cの内部に形成された電極13のみに負の駆動電圧−V、インク液室12aの内部に形成された電極13のみに正の駆動電圧Vが印加される。すると、インク液室12aが拡大状態から収縮状態となりノズル32aからインク液滴が吐出され、インク液室12cが収縮状態から拡大状態となりインクが供給される。このとき吐出されたインク液滴は、(c)で吐出されたインク液滴とノズル32aの前方にて一体化して一体化インク液滴となる。
【0102】
(f)で、インク液室12cの内部に形成された電極13のみに正の駆動電圧Vが印加され、インク液室12cが拡大状態から収縮状態となりノズル32cからインク液滴が吐出される。この吐出されたインク液滴は、(d)で吐出されたインク液滴とノズル32cの前方にて一体化して一体化インク液滴となる。
【0103】
(g)で、全ての電極13の駆動電圧が0とされ、全てのインク液室12が自然状態となり、吐出パターンFNFNのインク吐出が終了する。
【0104】
尚、吐出パターンがNFNFの場合も、以上の構成及び動作と同様である。
【0105】
次に、吐出パターンがFNNFの場合を、図25及び図26によって説明する。第一実施例で説明した図11(a)〜(c)と図25(a)〜(c)とは同一の動作であるので、その説明を省略する。
【0106】
(d)で、インク液室12a及び12dの内部に形成された電極13のみに負の駆動電圧−Vが印加され、インク液室12a及び12dが収縮状態から拡大状態となりインクが供給される。
【0107】
(e)で、インク液室12a及び12dの内部に形成された電極13のみに正の駆動電圧Vが印加され、インク液室12a及び12dが拡大状態から収縮状態となりノズル32a及び32dからインク液滴が吐出される。このとき吐出されたそれぞれのインク液滴は、(c)で吐出されたそれぞれのインク液滴とノズル32a及び32dの前方にて一体化して、ぞれぞれの一体化インク液滴となる。
【0108】
(f)では、全ての電極13の駆動電圧が0とされ、全てのインク液室12が自然状態となり、吐出パターンFNNFのインク吐出が終了する。
【0109】
次に、吐出パターンがFNNNの場合を、図27及び図28によって説明する。第一実施例で説明した図11(a)〜(c)と図25(a)〜(c)とは同一の動作であるので、その説明を省略する。
【0110】
(d)で、インク液室12aの内部に形成された電極13のみに負の駆動電圧−Vが印加され、インク液室12aが収縮状態から拡大状態となりインクが供給される。
【0111】
(e)で、インク液室12aの内部に形成された電極13のみに正の駆動電圧Vが印加され、インク液室12aが拡大状態から収縮状態となりノズル32aからインク液滴が吐出される。この吐出されたインク液滴は(c)で吐出されたインク液滴とノズル32aの前方にて一体化して一体化インク液滴となる。
【0112】
(f)で、全ての電極13の駆動電圧が0とされ、全てのインク液室12が自然状態となり、吐出パターンFNNNのインク吐出が終了する。
【0113】
尚、吐出パターンがNFNN、NNFN、NNNFの場合も、以上の構成及び動作と同様である。
【0114】
吐出パターンがNNNNの場合は、全ての電極13の駆動電圧を0に保持する。
【0115】
上述した電極13への電圧制御はLSIチップが行なっている。
【0116】
以上説明したように、実施例のインク吐出装置では、複数のインク液室12の内、例えば、互いに隣接するインク液室12a及び12bの両者から一体化インク液滴を形成するとき、インク液室12aからインク液滴を吐出させるインク液室12aの収縮状態時に、インク液室12bをインク補給のために拡大状態とし、前記L/a(本実施例では6μsec)後に、インク液室12bを収縮状態としてインク液滴を吐出させる収縮状態時に、インク液室12aをインク補給のために拡大状態とし、L/a後、インク液室12bを拡大状態から収縮状態としてインク液滴を吐出させ、その後、この動作を繰り返してインク液室12a及び12bからそれぞれ2個のインク液滴を吐出して、ノズル12a,12bの前方にて、それぞれ吐出されたインク液滴を一体化させてそれぞれの(2つの)一体化インク液滴を形成する。インク液室12aによって一体化インク液滴が形成されたL/a後に、インク液室12bによって一体化インク液滴が形成されるので、互いに隣接する2つのインク液室12に連通する2つのノズル32a及び32bからL/a(本実施例では6μsec)である非常に短い間(ほぼ同時)に一体化インク液滴を吐出することができる。
【0117】
そして、従来例のインク吐出装置が、一体化インク液滴を形成する場合と比較すると、インク液滴の吐出の周波数が著しく速くなる。このため、印字の速度が速いインク吐出装置を提供することが可能である。
【0118】
尚、インク液室12及びこれに連通するノズル32の数が4個であったが、各インク液室12に印加される電圧を考慮すれば、4個に限らず、何個でもよい。
【0119】
また、圧電セラミックスプレート1の分極方向が矢印4方向であったが、分極方向は矢印4の逆方向でもよい。この場合、上述の駆動電圧の正負を全て逆にすることで、上述の動作と同じ動作が行われる。
【0120】
更に、吐出された2つのインク液滴をノズル32の前方にて一体化させて一体化インク液滴としていたが、3つ以上のインク液滴を一体化させて一体化インク液滴としてもよい。
【0121】
また、インク液室12の両側の隔壁11を変形してインクを吐出していたが、電圧値を変更するなどして片側の隔壁の変形によってインクを吐出させるようにしても、本発明を用いることができ、この場合は、本実施例のインク液室12x,12yのようなインクを吐出しないインク液室を設けなくてよい。
【0122】
【発明の効果】
以上説明したことから明かなように本発明のインク吐出装置によれば、インク液室の両側の隔壁への電圧の印加により、その隔壁をそのインク液室の容積を拡大する方向に変形し、その後、その両側の隔壁をインク液室の容積を収縮する方向に変形してインク液滴を吐出するものにおいて、前記制御手段は、前記複数のインク液室の内、互いに隣接する2つの第一インク液室及び第二インク液室の3者から一体化インク液滴を形成するとき、両第一インク液室からインク液滴を吐出させる両第一インク液室の容積収縮と同時に、第二インク液室を前記インク補給のために容積拡大し、次に、第二インク液室を容積収縮してインク液滴を吐出させる収縮と同時に、両第一インク液室を前記インク補給のために容積拡大するためのそれぞれの電圧印加を、インク液室の長さLとインク中での音速aとの比L/aだけ繰り返して両第一インク液室及び第二インク液室からそれぞれ複数個のインク液滴を吐出して、インク液室の前方にてそれぞれのインク液を一体化させて3つの一体化インク液滴を形成させるので、互いに隣接する3つのインク液室に連通する3つのノズルから短い時間の間(ほぼ同時)に一体化インク液滴を形成することができる。従って、一体化インク液滴の形成の周波数が速くなり、印字の速度が速くなる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基礎となる構成のインク吐出装置の動作を示す説明図である。
【図2】 本発明の基礎となる構成の図1の動作の駆動電圧波形を示す説明図である。
【図3】 本発明の基礎となる構成のインク吐出装置の動作を示す説明図である。
【図4】 本発明の基礎となる構成の図3の動作の駆動電圧波形を示す説明図である。
【図5】 本発明の基礎となる構成のインク吐出装置の動作を示す説明図である。
【図6】 本発明の基礎となる構成の図5の動作の駆動電圧波形を示す説明図である。
【図7】 本発明の基礎となる構成のインク吐出装置の動作を示す説明図である。
【図8】 本発明の基礎となる構成の図8の動作の駆動電圧波形を示す説明図である。
【図9】 本発明の基礎となる構成のインク吐出装置の動作を示す説明図である。
【図10】 本発明の基礎となる構成の図9の動作の駆動電圧波形を示す説明図である。
【図11】 本発明の基礎となる構成のインク吐出装置の動作を示す説明図である。
【図12】 本発明の基礎となる構成の図11の動作の駆動電圧波形を示す説明図である。
【図13】 本発明の基礎となる構成のインク吐出装置の動作を示す説明図である。
【図14】 本発明の基礎となる構成の図13の動作の駆動電圧波形を示す説明図である。
【図15】 本発明の実施例のインク吐出装置の動作を示す説明図である。
【図16】 本発明の実施例の図15の動作の駆動電圧波形を示す説明図である。
【図17】 本発明の実施例のインク吐出装置の動作を示す説明図である。
【図18】 本発明の実施例の図17の動作の駆動電圧波形を示す説明図である。
【図19】 本発明の実施例のインク吐出装置の動作を示す説明図である。
【図20】 本発明の実施例の図19の動作の駆動電圧波形を示す説明図である。
【図21】 本発明の実施例のインク吐出装置の動作を示す説明図である。
【図22】 本発明の実施例の図21の動作の駆動電圧波形を示す説明図である。
【図23】 本発明の実施例のインク吐出装置の動作を示す説明図である。
【図24】 本発明の実施例の図23の動作の駆動電圧波形を示す説明図である。
【図25】 本発明の実施例のインク吐出装置の動作を示す説明図である。
【図26】 本発明の実施例の図25の動作の駆動電圧波形を示す説明図である。
【図27】 本発明の実施例のインク吐出装置の動作を示す説明図である。
【図28】 本発明の実施例の図27の動作の駆動電圧波形を示す説明図である。
【図29】 従来例のインク吐出装置の断面図である。
【図30】 従来例のインク吐出装置の動作を示す説明図である。
【図31】 従来例のインク吐出装置の斜視図である。
【図32】 従来例の制御部のブロック図である。
【図33】 従来例のプリンタの斜視図である。
【符号の説明】
1 圧電セラミックスプレート
2 カバープレート
11 側壁
12 インク液室
32 吐出ノズル

Claims (1)

  1. 吐出するためのインクを収容する複数のインク液室と、その各インク液室の両側を形成し互いに隣接する二つのインク液室を隔て、一方のインク液室を拡大したとき他方のインク液室が収縮するように変形する圧電素子の隔壁と、前記各インク液室にインクを供給する供給源と、前記隔壁への電圧の印加により、前記インク液室の両側の隔壁を変形して前記インク液室の容積を拡大し、前記供給源からインク液室にインクを補給した後、その両側の隔壁を変形してインク液室の容積を収縮してインク液滴を吐出する動作を繰り返して複数のインク液滴をインク液室の前方にて一体化させて一体化インク液滴を形成する制御手段とを有するインク吐出装置であって、
    前記制御手段は、隣接する3つのインク液室のうち2つの第一インク液室及びその両室に互いに隣接して両室間に挟まれる第二インク液室を隔てる隔壁を含む前記両第一インク液室の両側の前記隔壁に、両第一インク液室を容積拡大すると同時に第二インク液室を容積縮小する方向の電圧の印加と、その後両第一インク液室からインク液滴を吐出させる両第一インク液室の容積収縮と同時に、第二インク液室を前記インク補給のために容積拡大する方向の電圧の印加と、次に、第二インク液室からインク液滴を吐出させる第二インク液室容積収縮と同時に、両第一インク液室を前記インク補給のために容積拡大する方向の電圧の印加とを、それぞれ前記インク液室の長さLとインク中での音速aとの比L/aだけ繰り返して、両第一インク液室及び第二インク液室からそれぞれ複数個のインク液滴を連続して吐出して、各インク液室の前方にてそれぞれのインク液滴を一体化させて3つの一体化インク液滴を形成することを特徴とするインク吐出装置。
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