JPH07108680A - インク噴射装置 - Google Patents

インク噴射装置

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JPH07108680A
JPH07108680A JP25410093A JP25410093A JPH07108680A JP H07108680 A JPH07108680 A JP H07108680A JP 25410093 A JP25410093 A JP 25410093A JP 25410093 A JP25410093 A JP 25410093A JP H07108680 A JPH07108680 A JP H07108680A
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JP
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plate
ink
side wall
zenith
groove
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JP25410093A
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Yoshikazu Takahashi
高橋  義和
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Brother Industries Ltd
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Brother Industries Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 部品点数が少なく、高解像度で低製造コスト
のインク噴射装置を提供すること。 【構成】 インク噴射装置は第一プレート101と第二
プレート201とから構成されている。その第一プレー
ト101、第二プレートは、矢印104、204の方向
に分極処理され、側壁111、211に隔てられた複数
の溝115、215が形成されている。そして、第一プ
レート101の側壁111の天頂部の一部が、第二プレ
ート201の溝215の開口部を塞いで、第二プレート
201に形成されるインク液室212の底部を構成し、
第二プレート201の側壁211の天頂部の一部が、第
一プレート101の溝115の開口部を塞いで、第一プ
レート101に形成されるインク液室112の蓋部を構
成するように接合層103によって接合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク噴射装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プリンタヘッドとして、圧電セラ
ミックスを応用したドロップオンデマンド方式のインク
ジェットプリンタヘッドが提案されている。これは、圧
電セラミックスの変形によってインク液室の容積を変化
させることにより、その容積減少時にインク液室内のイ
ンクをノズルから液滴として噴射し、容積増大時にイン
ク導入路からインク液室内にインクを導入するようにし
たものである。そして、このようなインク液室を多数互
いに近接して配置し、所望の印字データに従って所望の
位置のノズルからインク液滴を噴射させることにより、
そのノズルと対向する紙面上等に所望の文字や画像を形
成するものである。
【0003】この種のインク噴射装置としては、例えば
特開昭63−247051号公報、特開昭63−252
750号公報及び特開平2−150355号公報に記載
されているものがある。図11、図12、図13、図1
4、及び図15にそれら従来例の概略図を示す。
【0004】以下、インク噴射装置の断面図を示す図1
1によって、従来例の構成を具体的に説明する。複数の
溝15(図13)及び該溝15を隔てる側壁11を有
し、かつ矢印4の方向に分極処理を施された圧電セラミ
ックスプレート1と、セラミックス材料または樹脂材料
等からなるカバープレート2とを、エポキシ系接着剤等
からなる接合層3を介して接合することで、溝15(図
13)は横方向に互いに間隔を有する複数のインク液室
12となる。インク液室12は長方形断面の細長い形状
であり、側壁11はインク液室12の全長にわたって伸
びている。側壁11の接着層3付近の側壁11上部から
側壁11中央部までの両表面には、駆動電界印加用の電
極13が形成されている。全てのインク液室12内に
は、インクが充填される。
【0005】次に、インク噴射装置の断面図を示す図1
2によって、従来例の動作を説明する。該インク噴射装
置において、所望の印字データに従って例えばインク液
室12bが選択されると、電極13eと13fに急速に
正の駆動電圧が印加され、電極13dと13gは接地さ
れる。これにより側壁11bには矢印14bの方向の駆
動電界が、側壁11cには矢印14cの方向の駆動電界
が作用する。このとき駆動電界方向14b及び14cと
分極方向4とが直交しているため、側壁11b及び11
cは、圧電厚みすべり効果によってインク液室12bの
内部方向に急速に変形する。この変形によってインク液
室12bの容積が減少してインク液室12bのインク圧
力が急速に増大し、圧力波が発生して、インク液室12
bに連通するノズル32(図13)からインク液滴が噴
射される。また、駆動電圧の印加を停止すると、側壁1
1b及び11cが変形前の位置(図11参照)に戻るた
めインク液室12b内のインク圧力が低下し、インク供
給口21(図13)からマニホールド22(図13)を
通してインク液室12b内にインクが供給される。
【0006】従来例では、隣接する2つのインク液室に
連通する2つのノズルから同時にインク液滴を噴射する
ことができないため、例えば、左端から奇数番目のイン
ク液室12に連通するノズル32からインク液滴を噴射
した後、偶数番目のインク液室12に連通するノズル3
2からインク液滴を噴射し、次に再び奇数番目からイン
ク液滴を噴射するというように、インク液室12及びノ
ズル32を複数のグループに分割してインク液滴の噴射
を行う。
【0007】但し、上記の動作は従来例の基本動作に過
ぎず、製品として具体化される場合には、まず駆動電圧
を容積が増加する方向に印加し、先にインク液室12b
にインクを供給させた後に、駆動電圧の印加を停止して
元の状態(図11参照)にしてインクを噴射させること
もある。
【0008】次に、インク噴射装置の斜視図を示す図1
3によって、従来例の構成及び製造法を説明する。分極
処理を施した圧電セラミックスプレート1に、薄い円板
状のダイヤモンドブレードを使用した研削加工等によっ
て、前記の形状のインク液室12を形成する平行な溝1
5を作製する。溝15は圧電セラミックスプレート1の
ほぼ全域で同じ深さの平行な溝であるが、端面17に近
づくにつれて徐々に浅くなり、端面17付近では浅く平
行な浅溝18となるよう作成される。この溝15及び浅
溝18の内面には、前記の電極13がスパッタリング等
によって形成される。溝15の内面にはその側面の上半
分のみに電極13が形成されるが、浅溝18の内面には
その側面及び底面全体に電極13が形成される。また、
セラミックス材料または樹脂材料等からなるカバープレ
ート2に、研削または切削加工等によって、インク導入
口21及びマニホールド22を作成する。
【0009】次に、圧電セラミックスプレート1の溝1
5加工側の面とカバープレート2のマニホールド22加
工側の面とを、エポキシ系接着剤等によって、各々の溝
15が前記の形状のインク液室12を形成するように接
着する。次に、圧電セラミックスプレート1及びカバー
プレート2の端面16に、各インク液室12の位置に対
応した位置にノズル32が設けられたノズルプレート3
1を接着する。圧電セラミックスプレート1の溝15加
工側と反対側の面には、各インク液室12の位置に対応
した位置に導電層のパターン42が設けられた基板41
を、エポキシ系接着剤等によって接着する。そして、浅
溝18の底面の電極13と導電層のパターン42とを、
周知のワイヤボンディングによって導線43で接続す
る。
【0010】次に、制御部のブロック図を示す図14に
よって、従来例の制御部の構成を説明する。基板41に
設けられた導電層のパターン42は各々個々にLSIチ
ップ51に接続され、クロックライン52、データライ
ン53、電圧ライン54及びアースライン55もLSI
チップ51に接続されている。LSIチップ51は、ク
ロックライン52から供給された連続するクロックパル
スに基づいて、データライン53上に現れるデータか
ら、どのノズル32からインク液滴の噴射を行うべきか
を判断する。そして、LSIチップ51は、駆動するイ
ンク液室12内の電極13に導通する導電層のパターン
42に、電圧ライン54の電圧Vを印加し、前記インク
液室12以外の電極13に導通する導電層のパターン4
2にアースライン55の電圧0を印加する。
【0011】次に、プリンタの斜視図を示す図15によ
って、従来例の構成及び動作を説明する。インク噴射装
置61及びノズルプレート31は、図11、図12及び
図13で説明した構成、動作をもつものである。インク
噴射装置61はキャリッジ62上に固定され、インク供
給チューブ63はインク供給口21(図13)に連通
し、LSIチップ51(図14)はキャリッジ62に内
蔵され、フレキシブルケーブル64は図14に示したク
ロックライン52、データライン53、電圧ライン54
及びアースライン55に対応している。キャリッジ62
はスライダ66に沿って矢印65方向に記録紙71の全
幅にわたって往復移動し、インク噴射装置61はキャリ
ッジ62が移動している時にプラテンローラ72に保持
された記録紙71に対して、ノズルプレート31に設け
られたノズル32(図13)からインク液滴を噴射し、
記録紙71上にインク液滴を付着させる。
【0012】また、記録紙71はインク噴射装置61が
インク液滴を噴射しているときは静止しているが、キャ
リッジ62が往復動作を行う度に紙送りローラ73及び
74によって矢印75方向に一定量ずつ移送される。こ
れによって、インク噴射装置61は記録紙71の全面に
所望の文字や画像を形成することが可能となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のインク噴射装置では、高解像度の印字を行
うためには、インク液室12と側壁11の幅を細かくす
るか、または2個のインク噴射装置をノズル32の位置
関係をずらして積層したタイプのインク噴射装置とする
必要があった。
【0014】前者の方法では、インク液室12の加工技
術、側壁11の強度、および電極13と駆動回路との電
気的結合方法に限界があるため飛躍的な解像度の向上は
望めない。
【0015】また、後者の方法では、例えば、図16に
示すように、下部圧電セラミックスプレート1aの側壁
11dの天頂部とカバープレート2とを接合層3aによ
って接合し、そのカバープレート2の接合層3aと反対
側の面に、上部圧電セラミックスプレート1bの側壁1
1eの天頂部を接合層3bによって接合する。但し、前
記下部圧電セラミックスプレート1aの側壁11dの上
方の位置に、前記上部圧電セラミックスプレート1bの
インク液室12eが配置されるように接合する。また、
図17に示すように、2つのインク噴射装置(図11参
照)を積層して接合する方法がある。これらの構成で
は、部品点数が多く、製造コストが高くなったり、装置
が大型化して、インク噴射装置が重くなって、キャリッ
ジ駆動モータに負担がかかったりするといった問題があ
った。
【0016】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、高解像度の印字が可能で、部品
点数が少なく、小型化で、製造コストが低いインク噴射
装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の請求項1では、インクが充填される複数のイ
ンク液室と、前記各インク液室を隔て、少なくとも一部
が分極された圧電部で構成された側壁と、前記圧電部に
分極方向と直交する電界を発生させるための電極とを有
し、前記電極への電圧の印加により前記圧電部を圧電す
べり変形させて前記側壁を変形して、前記インク液室内
のインクに圧力を与えてインクを噴射するインク噴射装
置において、前記インク液室を構成する溝と前記側壁と
を有する第一プレート及び第二プレートとを備え、前記
第一プレートの溝の開口部を前記第二プレートの側壁の
天頂部の一部または全部が塞ぎ、前記第二プレートの溝
の開口部を前記第一プレートの側壁の天頂部の一部また
は全部が塞ぐように、第一プレートと第二プレートとが
接合されていることを特徴とする。
【0018】請求項2では、前記第一プレートまたは前
記第二プレートの内の一方の前記側壁の幅は、他方の前
記溝の幅よりも大きく、第一プレートの側壁の天頂部の
一部と第二プレートの側壁の天頂部の一部とを接着する
ことを特徴とする。
【0019】請求項3では、前記第一プレートの前記側
壁の天頂部と前記第二プレートの前記側壁の天頂部との
接合面積は、前記側壁天頂部の面積の20%以上80%
以下であることを特徴とする。
【0020】請求項4では、前記第一プレートまたは前
記第二プレートの内の一方の前記側壁は、他方の前記溝
に嵌合して、前記第一プレートと第二プレートとが接合
されていることを特徴とする。
【0021】請求項5では、前記第一プレートまたは前
記第二プレートの内の一方の前記側壁が他方の前記溝に
嵌合する割合は、側壁の高さの10%以上40%以下で
あることを特徴とする。
【0022】請求項6では、前記第一プレート及び前記
第二プレートの前記電極は、前記第一プレートと前記第
二プレートとの間の一部に挟まれる基板の両面に形成さ
れたパターン電極に、電気的に接続されていることを特
徴とする。
【0023】請求項7では、前記第一プレートまたは前
記第二プレートの少なくとも一方の前記側壁には、前記
各インク液室にインクを供給するためのマニホールドが
形成されていることを特徴とする。
【0024】
【作用】上記の構成を有する本発明のインク噴射装置で
は、前記第一プレートの溝の開口部が前記第二プレート
の側壁の天頂部の一部または全部によって塞がれ、且つ
前記第二プレートの溝の開口部が前記第一プレートの側
壁の天頂部の一部または全部によって塞がれることによ
り、第一プレートの側壁の天頂部が第二プレート側のイ
ンク液室のカバーの役割をし、第二プレートの側壁の天
頂部が第一プレート側のインク液室のカバーの役割をす
る。
【0025】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。尚、従来技術と同一の部材には同一
の符号を付し、その説明を省略する。
【0026】まず、インク噴射装置の断面図を示す図1
によって、本発明の一実施例の構成を具体的に説明す
る。
【0027】図1に示すように、インク噴射装置は第一
プレート101と第二プレート201とから構成されて
いる。その第一プレート101は、矢印104の方向に
分極処理され、側壁111に隔てられた複数の溝115
が形成されている。その側壁111のアレイ方向5にお
ける幅は100μm、高さは500μm、長さ(紙面に
対し垂直方向)は15mmであり、溝115のアレイ方
向5における幅は50μmである。また、第二プレート
201は、矢印204の方向に分極処理され、側壁21
1に隔てられた複数の溝215が形成されている。その
側壁211のアレイ方向5における幅は100μm、高
さは500μm、長さ(紙面に対し垂直方向)は15m
mであり、溝215のアレイ方向5における幅は50μ
mである。
【0028】そして、第一プレート101の側壁111
の天頂部の一部と第二プレート201の側壁211の天
頂部の一部とを接合層103によって接着する。このと
き第一プレート101の側壁111の天頂部の他の部分
は、第二プレート201の溝215の開口部を塞いで、
第二プレート201に形成されるインク液室212の底
部を構成している。また、第二プレート201の側壁2
11の天頂部の他の部分は、第一プレート101の溝1
15の開口部を塞いで、第一プレート101に形成され
るインク液室112の蓋部を構成している。ここでイン
ク液室112、212は長方形断面でありノズル13
2、232(図6)とマニホールド122(図6)に連
通している。全ての側壁111、211には、天頂部か
ら250μmの深さまで、電極113、213が形成さ
れ、さらに電極113、213の表面にはインクとの絶
縁のための保護膜(図示しない)が形成されている。
【0029】前記インク噴射装置は以下の製造方法によ
って製造する。
【0030】図2に断面図、図3に横断面図に示すよう
に、まず強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZ
T)系のセラミックス材料にて、矢印104、204の
方向に分極処理を施した厚さ1mmの板を用意し、上記
した形状の平行な溝115、215と深さ30μmの浅
溝118、218とを構成するようにダイヤモンドカッ
ティング円盤の回転またはレーザー等により、必要な本
数だけ切ることで第一プレート101、および第二プレ
ート201を作製する。
【0031】次に、図4に示すように側壁111、21
1の側面に天頂部から250μmの深さまで、アルミニ
ウム、ニッケル、金等の金属や導電性樹脂等からなる電
極113、213を真空蒸着、スパッタリング、化学メ
ッキ等で形成する。電極113、213は浅溝部11
8、218においては、側面及び底面に形成する。
【0032】次に、図5に示すように側壁111、21
1を、前方(浅溝118、218形成側と反対側)から
8mmの部分から幅3mm、深さ230μmだけ削り取
ってマニホールド122を形成する。このとき電極11
3、213はマニホールド122形成部において高さ2
0μmだけ残っている。このマニホールド122の位置
は、溝115、215と浅溝118、218との間に形
成された傾斜状部に設けられている。また、このマニホ
ールド122は、第一プレート101及び第二プレート
201の一方の側面まで貫通しており、その貫通した部
分がインク供給口となり、図示しないインク供給源から
前記インク供給口、マニホールド122を通して、各溝
115、215が蓋をされて形成される各インク液室1
12、212(図1)にインクが供給される。
【0033】以上のように作製した第一プレート101
の側壁111の天頂部の一部と第二プレート201の側
壁211の天頂部の一部とを、図1および図6に示すよ
うに、エポキシ系接着剤等からなる接合層103によっ
て接着する。この時、第一プレート101の側壁111
の天頂部の他の部分は、第二プレート201の溝215
を塞いで、第二プレート201に形成されるインク液室
212の底部を構成し、第二プレート201の側壁21
1の天頂部の他の部分は、第一プレート101の溝11
5を塞いで、第一プレート101に形成されるインク液
室112の蓋部を構成するように接着される。また、イ
ンク液室112、212の後方の浅溝部118、218
には、基板141が挟み込まれている。その基板141
の両面には、浅溝部118、218に対応して、電極パ
ターン(図示せず)が形成されており、その電極パター
ンに電極113、213が電気的に接続されている。そ
して、インク液室112、212の前方(図6中右側)
には各インク液室112、212に対応するノズル13
2、232を有するノズルプレート131が図示しない
エポキシ系接着剤等にて接着されている。
【0034】次に、インク噴射装置の断面図を示す図7
によって、本発明の一実施例の動作を説明する。該イン
ク噴射装置において、所望の印字データに従って例えば
第一プレート101のインク液室112bが選択される
と、電極113eと113fに急速に正の駆動電圧が印
加され、電極113dと113gは接地される。これに
より側壁111bには矢印114bの方向の駆動電界
が、側壁111cには矢印114cの方向の駆動電界が
作用する。このとき駆動電界方向114b及び114c
と分極方向104とが直交しているため、側壁111b
及び111cは、圧電厚みすべり効果によってインク液
室112bの内部方向に急速に変形する。この変形によ
ってインク液室112bの容積が減少してインク液室1
12bのインク圧力が急速に増大し、圧力波が発生し
て、インク液室112bに連通するノズル132(図6
参照)からインク液滴が噴射される。
【0035】また、駆動電圧の印加を停止すると、側壁
111b及び111cが変形前の位置(図1参照)に戻
るためインク液室112b内のインク圧力が低下し、前
記インク供給口とマニホールド122(図6参照)を通
してインク液室112b内にインクが供給される。
【0036】上述したように、本実施例のインク噴射装
置では、第一プレート101の側壁111の天頂部の前
記他の部分は、第二プレート201の溝215を塞い
で、第二プレート201に形成されるインク液室212
の底部を構成し、第二プレート201の側壁211の天
頂部の前記他の部分は、第一プレート101の溝115
を塞いで、第一プレート101に形成されるインク液室
112の蓋部を構成するように第一プレート101の側
壁111の天頂部の前記一部と第二プレートの側壁21
1の天頂部の前記一部とが接着されているので、第一プ
レート101側のインク液室112と第二プレート側の
インク液室212とが千鳥状に配置されて、高解像度の
印字が実現でき、且つ側壁111、211が圧力発生
体、およびインク液室112、212のカバーという2
つの機能を合わせ持ち、従来必要であったカバープレー
ト2(図16、17参照)が不要となり、製造コストの
低下が実現でき、またインク噴射装置が従来より小型化
して、重さが従来より軽くなり、図示しないキャリッジ
モータの負担が軽減できる。
【0037】また、側壁111、211を、深さ230
μmだけ削り取ってマニホールド122を形成したた
め、電極113、213の面積がマニホールド122形
成部において小さくなっており、その結果、前記傾斜状
部の側壁111、211の静電容量が小さくなり駆動時
の瞬時電流を抑えられる。側壁111、211の傾斜状
部分では、変形があまりおきなく、インク噴射にあまり
影響を与えない。
【0038】尚、前記実施例においては、電極113e
と113fに正の駆動電圧が印加され、電極113dと
113gは接地されていたが、電極113eと113f
を接地し、電極113dと113gに負の駆動電圧を印
加してもよいし、電極113eと113fに正の駆動電
圧を印加し、電極113dと113gに負の駆動電圧を
印加してもよい。いずれの場合にも前記実施例と同様
に、側壁111bには矢印114bの方向の駆動電界
が、側壁111cには矢印114cの方向の駆動電界が
作用する。
【0039】また、第一プレート101及び第二プレー
ト201の側壁111、211の幅と溝115、215
との幅を同一とし、側壁111と側壁211とを線接触
状態で、第一プレート101と第二プレート201とを
接合して、このようなインク噴射装置を製造することが
可能である。
【0040】また、前記実施例においては、まず駆動電
圧をインク液室112の容積が減少する方向に印加して
インク液滴を噴射し、次に駆動電圧の印加を停止しイン
ク液室112の容積を自然状態にしてインク液室112
内にインクを供給していたが、まず駆動電圧をインク液
室112の容積が増加する方向に印加してインク液室1
12内にインクを供給し、次に駆動電圧の印加を停止し
インク液室112の容積を前記増加状態から自然状態へ
と減少させてインク液滴を噴射してもよい。
【0041】また、前記実施例においては、マニホール
ド122を第一プレート101と第二プレート201の
両方に形成したが、少なくとも一方のプレートに形成し
てあればよい。
【0042】前記実施例では第一プレート101と第二
プレート201の側壁111、211の幅が100μ
m、溝115、215の幅が50μmであるので、側壁
111、211端面における第一プレート101と第二
プレート201との接合面積が前記側壁111、211
端面の面積の50%であるが、この面積比率は50%に
限定されるものではなく変更が可能である。そこで、側
壁111、211の幅を100μmに固定し、溝11
5、215の幅を10、20、30、40、50、6
0、70、80、90μmとして本発明のインク噴射装
置を作製した。これらは、側壁111、211端面にお
ける第一プレート101と第二プレート201との接合
面積が、前記側壁111、211端面の面積の90、8
0、70、60、50、40、30、20、10%に対
応している。これらの場合に付いて、あるインク液室1
12、212を駆動したときに他のインク液室112、
212の噴射に影響を与えるクロストーク現象と、イン
ク噴射装置の歩留まりと、インク噴射速度が5m/sと
なる駆動電圧とから評価した。
【0043】図8に示すように、接合面積が10%の時
は接合強度が低く、前記クロストーク現象が大きくて、
他のインク液室112、212からアクシデンタルドロ
ップが発生し、また第一プレート101と第二プレート
201との接合位置精度が高いために歩留まりが低いと
いう問題がある。また接合面積が20%のときは、前記
クロストーク現象によって、他のインク液室112、2
12からのインク滴の大きさがやや変化したが、実用的
にはなんら問題が無く、歩留まりはやや低い。他の接合
面積の割合(30%〜90%)では、クロストーク現象
による他のインク液室112、212からのインク滴の
噴射にはほとんど影響がなかった。また接合面積が90
%のときは駆動電圧が高くなるという問題が発生した。
印字の安定性、歩留まり、駆動電圧を総合的に評価する
と接合面積が20%以上80%以下が好ましく、より好
ましくは接合面積が30%以上70%以下である。
【0044】次に、本発明の他の実施例を説明する。
【0045】図9に示すように、インク噴射装置は、第
一プレート301と第二プレート401とから構成され
ている。その第一プレート301は、矢印304の方向
に分極処理され、側壁311に隔てられた複数の溝31
5及び浅溝(図示せず)が形成されている。また、第二
プレートは、矢印404の方向に分極処理され、側壁4
11に隔てられた複数の溝415及び浅溝(図示せず)
が形成されている。
【0046】全ての側壁311、411には、基端部か
らインク液室312、412の中央まで、電極313、
413が形成され、また前記浅溝の底面のみに電極31
3、413が形成されている。さらに電極313、41
3の表面にはインクとの絶縁のための保護膜(図示しな
い)が形成されている。尚、電極313、413を側壁
311、411の天頂部からインク液室312、412
の中央となる位置まで設けてもよい。但し、この場合
は、側壁311の電極313と側壁411の電極413
とが電気的に接続しないように、前記保護膜が必ず必要
である。
【0047】そして、第一プレート301の溝315の
開口部側と第二プレート401の溝415の開口部側と
を接合する。このとき第一プレート301の側壁311
の天頂部は、第二プレート401の溝415に嵌合して
開口部を塞いで、第二プレート401に形成されるイン
ク液室412の底部を構成している。また、第二プレー
ト401の側壁411の天頂部は、第一プレート301
の溝315に嵌合して開口部を塞いで、第一プレート3
01に形成されるインク液室312の蓋部を構成してい
る。尚、前記浅溝は、側壁311、411の嵌合深さよ
り深く形成されている。
【0048】前記浅溝部における第一プレート301と
第二プレート401との間には、櫛歯状の基板(図示せ
ず)が挟まれている。その基板の両面には、図示しない
パターン電極が互い違いに形成されており、電極31
3、413と電気的に接続されている。
【0049】次に、第一プレート301及び第二プレー
ト401の側壁311、411の溝315、415に嵌
合する割合を変化させたときの、前記クロストーク現象
と、インク噴射装置の歩留まりと、インク噴射速度が5
m/sとなる駆動電圧とを測定した。
【0050】図10に示すように嵌合割合が5%のとき
は接合強度が低く、前記クロストーク現象が大きくて、
他のインク液室312、412からアクシデンタルドロ
ップが発生するという問題がある。また嵌合割合が10
%のときは、前記クロストーク現象によって、他のイン
ク液室312、412からのインク滴の大きさがやや変
化したが、実用的にはなんら問題が無い。他の接合面積
の割合(15%〜50%)では、クロストーク現象によ
る他のインク液室312、412からのインク滴の噴射
にはほとんど影響がなかった。また嵌合割合が40%の
ときは歩留まりが悪くなった。嵌合割合が45、50%
のときは歩留まりが悪かった。尚、駆動電圧は、嵌合割
合が大きくなるほど大きくなるが、側壁311、411
の高さが高くなると駆動電圧は低くなり、側壁311、
411の高さが低くなると駆動電圧は高くなることがわ
かっている。印字の安定性、歩留まり、駆動電圧を総合
的に評価すると嵌合割合が10%以上40%以下が好ま
しく、望ましくは嵌合割合を15%以上35%以下とす
るとよい。
【0051】このように構成しても、前記実施例と同様
の効果が獲られる。
【0052】この実施例では、側壁311、411と溝
415、315との嵌合により第一プレート301と第
二プレート401とを接合していたが、その嵌合部分に
接着剤を付けてもよい。
【0053】尚、本実施例では、全てのインク液室11
2、212、312、412にインクが充填されていた
が、インクが充填されないインク液室と、インクが充填
されるインク液室とを互いに隣接するように設けてもよ
い。
【0054】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように本発
明のインク噴射装置によれば、前記第一プレートの溝の
開口部が前記第二プレートの側壁の天頂部の一部または
全部によって塞がれ、前記第二プレートの溝の開口部が
前記第一プレートの側壁の天頂部の一部または全部によ
って塞がれているので、第一プレート側のインク液室と
第二プレート側のインク液室とが千鳥状に配置されて、
高解像度の印字が実現できる。また、第一、第二プレー
トの側壁は、圧力発生体の役割の他に、第一プレートの
側壁の天頂部が第二プレート側のインク液室のカバーの
役割をし、第二プレートの側壁の天頂部が第一プレート
側のインク液室のカバーの役割をするので、従来必要で
あったカバープレートが不要となり、製造コストの低下
が実現できる。また、従来よりインク噴射装置が小型化
して、装置が軽量化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のインク噴射装置を示す断面
図である。
【図2】本発明の一実施例のインク噴射装置の第一、第
二プレートを示す断面図である。
【図3】本発明の一実施例のインク噴射装置の第一、第
二プレートを示す側面断面図である。
【図4】本発明の一実施例のインク噴射装置の製造工程
を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施例のインク噴射装置のマニホー
ルドを示す説明図である。
【図6】本発明の一実施例のインク噴射装置を示す側面
断面図である。
【図7】本発明の一実施例のインク噴射装置の動作を示
す説明図である。
【図8】本発明の一実施例のインク噴射装置の第一、第
二プレートの天頂部の接合面積の割合を変えたときの評
価結果を示す説明図である。
【図9】本発明の他の実施例のインク噴射装置を示す断
面図である。
【図10】本発明の他の実施例のインク噴射装置の第
一、第二プレートの天頂部の嵌合割合を変えたときの評
価結果を示す説明図である。
【図11】従来例のインク噴射装置を示す断面図であ
る。
【図12】従来例のインク噴射装置の動作を示す説明図
である。
【図13】従来例のインク噴射装置を示す説明図であ
る。
【図14】従来例の制御部を示すブロック図である。
【図15】従来例のプリンタを示す斜視図である。
【図16】従来の高解像度のインク噴射装置の一例を示
す断面図である。
【図17】従来の高解像度のインク噴射装置の他の例を
示す断面図である。
【符号の説明】
101 第一プレート 103 接合層 104 分極方向 111 側壁 112 インク液室 113 電極 115 溝 122 マニホールド 201 第二プレート 204 分極方向 211 側壁 212 インク液室 213 電極 301 第一プレート 304 分極方向 311 側壁 312 インク液室 313 電極 315 溝 401 第二プレート 404 分極方向 411 側壁 412 インク液室 413 電極

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクが充填される複数のインク液室
    と、前記各インク液室を隔て、少なくとも一部が分極さ
    れた圧電部で構成された側壁と、前記圧電部に分極方向
    と直交する電界を発生させるための電極とを有し、前記
    電極への電圧の印加により前記圧電部を圧電すべり変形
    させて前記側壁を変形して、前記インク液室内のインク
    に圧力を与えてインクを噴射するインク噴射装置におい
    て、 前記インク液室を構成する溝と前記側壁とを有する第一
    プレート及び第二プレートとを備え、 前記第一プレートの溝の開口部を前記第二プレートの側
    壁の天頂部の一部または全部が塞ぎ、前記第二プレート
    の溝の開口部を前記第一プレートの側壁の天頂部の一部
    または全部が塞ぐように、第一プレートと第二プレート
    とが接合されていることを特徴とするインク噴射装置。
  2. 【請求項2】 前記第一プレートまたは前記第二プレー
    トの内の一方の前記側壁の幅は、他方の前記溝の幅より
    も大きく、前記第一プレートの側壁の天頂部の一部と前
    記第二プレートの側壁の天頂部の一部とを接着すること
    を特徴とする請求項1記載のインク噴射装置。
  3. 【請求項3】 前記第一プレートの前記側壁の天頂部と
    前記第二プレートの前記側壁の天頂部との接合面積は、
    前記側壁天頂部の面積の20%以上80%以下であるこ
    とを特徴とする請求項2記載のインク噴射装置。
  4. 【請求項4】 前記第一プレートまたは前記第二プレー
    トの内の一方の前記側壁は、他方の前記溝に嵌合して、
    前記第一プレートと第二プレートとが接合されているこ
    とを特徴とする請求項1記載のインク噴射装置。
  5. 【請求項5】 前記第一プレートまたは前記第二プレー
    トの内の一方の前記側壁が他方の前記溝に嵌合する割合
    は、側壁の高さの10%以上40%以下であることを特
    徴とする請求項4記載のインク噴射装置。
  6. 【請求項6】 前記第一プレート及び前記第二プレート
    の前記電極は、前記第一プレートと前記第二プレートと
    の間の一部に挟まれる基板の両面に形成されたパターン
    電極に、電気的に接続されていることを特徴とする請求
    項1記載のインク噴射装置。
  7. 【請求項7】 前記第一プレートまたは前記第二プレー
    トの少なくとも一方の前記側壁には、前記各インク液室
    にインクを供給するためのマニホールドが形成されてい
    ることを特徴とする請求項1記載のインク噴射装置。
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