JP3218140B2 - インク噴射装置 - Google Patents

インク噴射装置

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JP3218140B2 JP3345694A JP3345694A JP3218140B2 JP 3218140 B2 JP3218140 B2 JP 3218140B2 JP 3345694 A JP3345694 A JP 3345694A JP 3345694 A JP3345694 A JP 3345694A JP 3218140 B2 JP3218140 B2 JP 3218140B2
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク噴射装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】今日、これまでのインパクト方式の印字
装置にとってかわり、その市場を大きく拡大しつつある
ノンインパクト方式の印字装置のなかで、原理が最も単
純で、かつ多階調化やカラー化が容易であるものとし
て、インクジェット方式の印字装置が上げられる。なか
でも印字に使用するインク滴のみを噴射するドロップ・
オン・デマンド型が、噴射効率の良さ、ランニングコス
トの安さなどから急速に普及している。
【0003】ドロップ・オン・デマンド型として特公昭
53−12138号公報に開示されているカイザー型、
あるいは特公昭61−59914号公報に開示されてい
るサーマルジェット型がその代表的な方式としてある。
このうち、前者は小型化が難しく、後者は高熱をインク
に加えるためにインクの耐熱性に対する要求が必要とさ
れ、それぞれに非常に困難な問題を抱えている。
【0004】以上のような欠陥を同時に解決する新たな
方式として提案されたのが、特開昭63−252750
号公報に開示されているせん断モード型である。
【0005】図6に示すように、上記せん断モード型の
インク噴射装置1は、圧電セラミックスプレート2とカ
バープレート10とノズルプレート14と基板41とか
ら構成されている。
【0006】その圧電セラミックスプレート2には、ダ
イヤモンドブレード等により切削加工され、複数の溝3
が形成されている。また、その溝3の側面となる側壁6
は矢印5の方向に分極されている。それらの溝3は同じ
深さであり、かつ平行である。それら溝3の深さは圧電
セラミックスプレート2の一端面15に近づくにつれて
徐々に浅くなっており、一端面15付近には浅溝7が形
成されている。そして、溝3の内面には、その両側面の
上半分に金属電極8がスパッタリング等によって形成さ
れている。また、浅溝7の内面には、その側面及び底面
に金属電極9がスパッタリング等によって形成されてい
る。これにより、溝3の両側面に形成された金属電極8
は浅溝7に形成された金属電極9によって電気的に接続
されている。
【0007】次に、カバープレート10は、セラミック
ス材料または樹脂材料等から形成されている。そして、
カバープレート10には、研削または切削加工等によっ
て、インク導入口16及びマニホールド18が形成され
ている。そして、圧電セラミックスプレート2の溝3加
工側の面とカバープレート10のマニホールド18加工
側の面とがエポキシ系接着剤20(図8参照)によって
接着される。従って、インク噴射装置1には、溝3の上
面が覆われて横方向に同じ間隔を有する複数のインク流
路であるインク室4(図8参照)が構成される。図8に
示すように、そのインク室4は長方形断面の細長い形状
であり、全てのインク室4内には、インクが充填され
る。
【0008】図6に示すように、圧電セラミックスプレ
ート2及びカバープレート10の端面に、各インク室4
の位置に対応した位置にノズル12が設けられたノズル
プレート14が接着されている。このノズルプレート1
4は、ポリアルキレン(例えばエチレン)テレフタレー
ト、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケ
トン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネイト、酢酸
セルロース等のプラスチックによって形成されている。
【0009】そして、圧電セラミックスプレート2の溝
3の加工側に対して反対側の面には、基板41が、エポ
キシ系接着剤等によって接着されている。その基板41
には各インク室4の位置に対応した位置に導電層のパタ
ーン42が形成されている。その導電層のパターン42
と浅溝7の底面の金属電極9とは、周知のワイヤボンデ
ィングによって導線43で接続されている。
【0010】次に、制御部のブロック図を示す図7によ
って、制御部の構成を説明する。基板41に形成された
導電層のパターン42は各々個々にLSIチップ51に
接続されている。また、クロックライン52、印字デー
タライン53、電圧ライン54及びアースライン55も
LSIチップ51に接続されている。LSIチップ51
は、クロックライン52から供給される連続したクロッ
クパルスに基づいて、印字データライン53上に現れる
印字データに応じて、どのノズル12からインク滴の噴
射を行うべきかを判断する。そして、駆動するインク室
4内の金属電極8に導通する導電層のパターン42に、
電圧ライン54の電圧Vを印加する。また、駆動するイ
ンク室4以外の金属電極8に導通する導電層のパターン
42にはアースライン55を接続する。
【0011】次に、図8によって、インク噴射装置1の
動作を説明する。LSIチップ51が、所要のデータに
従って、インク噴射装置1のインク室4cからインクの
噴出を行なうと判断する。すると、金属電極8dと8e
とに正の駆動電圧Vが印加され、金属電極8cと8fと
が接地される。図8(b)に示すように、側壁6bには
矢印13bの方向の駆動電界が発生し、側壁6cには矢
印13cの方向の駆動電界が発生する。すると、駆動電
界方向13b及び13cは分極方向5と直交しているた
め、側壁6b及び6cは、圧電厚みすべり効果により、
この場合、インク室4cの内部方向に急速に変形する。
この変形によってインク室4cの容積が減少してインク
圧力が急速に増大し、圧力波が発生して、インク室4c
に連通するノズル12(図6参照)からインク滴が噴射
される。
【0012】また、駆動電圧Vの印加が停止されると、
側壁6b及び6cが変形前の位置(図8(a)参照)に
戻るためインク室4c内のインク圧力が徐々に低下す
る。すると、図示しないインクタンクからインク供給口
16(図6)及びマニホールド18(図6)を通してイ
ンク室4c内にインクが供給される。
【0013】なお、インク噴射の効率を上げるため、上
記分極の方向を反対にし、駆動電圧を印加することによ
って、まず側壁6b及び6cをお互いに離れるように変
形させて、その後電圧の印加を停止することによって、
側壁6b及び6cが変形前の位置(図10)に戻し、イ
ンク滴を噴射させることもできる。
【0014】次に各インク室4内におけるインク噴射時
の圧力波の挙動および液滴の形成過程について、図9の
タイミングチャート、図10のインク噴射装置断面図お
よび図11のインク滴の形成過程を参照しながら具体的
に説明する。図10に示すインク噴射装置の分極方向
は、図8に示す分極方向とは反対方向である矢印71方
向である。
【0015】まず、図10のインク室4cからインクを
噴射するために、当該インク室4cに対し図9(a)で
示す噴射用電圧パルスCを与える(ここで、あるインク
室4に対して電圧を与えることは、そのインク室4に面
する電極に電圧を印加することを言う)。すると、最初
の立ち上がりで側壁6bと6cはお互いに離れるように
動く(図10(b)参照)。インク室4cの体積が増え
て、ノズル12付近を含むインク室4c内の圧力が減少
する(図9(b))。この圧力低下状態を図9中のL/
aで示される間だけ維持される。すると、その間マニホ
ールド18(図6)からインクが供給され、同時にノズ
ル12付近のインクメニスカス24が図11(b)に示
すように後退する。なお、上記Lはインク室4の長手方
向の長さであり、aはインク中での音速である。したが
って、L/aはインク室4内の圧力波がインク室4の長
手方向(マニホールド18からノズルプレート14ま
で、またはその逆)に対して、片道伝播するのに必要な
時間である。
【0016】圧力波の伝播理論によると、前記の立ち上
げからちょうどL/aの時間が立つとインク室4c内の
圧力が逆転し、正の圧力に転じる。このタイミングに合
わせてインク室4cに印加されている電圧を0Vに戻す
(図9(a))。すると、側壁6bと6cは変形前の状
態に戻り(図10(a))、インクに圧力が加えられ
る。その時、前記正に転じた圧力と側壁6b、6cが変
形前の状態に戻って、発生した圧力とがたし合わされ、
図9(b)に示すような比較的高い圧力Pcがインク室
4c内のインクに与えられて、インクがノズル12から
噴出され、インク滴26になる(図11)。なお、イン
クが噴射された後もインク室4には残留圧力変動Prが
残るが、時間とともに徐々に減衰していく。
【0017】次に、ノズルから複数のインク滴を飛翔中
に一体化させて、インク滴の体積を大きくして、階調表
現を行う技術が、特開昭60−157875号公報に開
示されている。図12は一般的にマルチパルスといわれ
ている駆動電圧波形およびこのような駆動波形を印加し
た場合のノズル付近の圧力変化を示すタイミングチャー
トである。インク滴をノズルから噴射させるための噴射
パルスCが終了した後であって、噴射パルスCによって
噴射されたインク滴がインク室内のインクと分離する前
に、別の噴射パルスMを印加して、インク滴をもう一度
ノズルから噴射させる。すると、駆動パルスCと駆動パ
ルスMによって噴射された二つのインク滴がインクの表
面張力によって飛翔中に一体化し、体積が比較的大きい
インク滴が形成される(図示せず)。このように、駆動
パルスMを印加するか否かで、インク滴の体積を制御
し、印字の濃度階調を行うことができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
マルチパルスを用いて、噴射されるインク滴の体積を制
御する駆動方法では、一つのインク滴を噴射するのに複
数のパルスを印加しているので、消費電力が大きくなっ
て、駆動回路から熱が発生して、駆動回路が故障する危
険性があった。そして、この問題点を解決するために駆
動回路に耐熱性の高い材料や、放熱板などの放熱機構を
使用し、駆動回路が高価になっていた。また、一つのイ
ンク滴を噴射するのに複数のパルスを印加して側壁6を
複数回変形させているので、側壁6の機械的耐久性から
インク噴射装置の寿命が短くなるといった問題があっ
た。
【0019】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、複数の駆動パルスを用いること
なく、インク滴の体積を制御し、駆動回路を低コスト化
し、消費電力を小さくし、且つ寿命の長いインク噴射装
置を提示することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の請求項1では、インク滴を噴射する噴射口を
有するインク室と、そのインク室の容積を増大させてイ
ンク室内に圧力波を発生させ、所定時間後、増大状態か
ら容積を減少させて前記圧力波に圧力を加えてインク滴
を噴射させる制御手段とを有するインク噴射装置であっ
て、前記制御手段は、前記所定時間を、前記インク室内
における圧力波の片道伝播時間のほぼ奇数倍ごとの複数
段階で変更可能であり、噴射されるインク滴の体積を多
くする時に前記所定時間を長くし、噴射されるインク滴
の体積を少なくする時に、前記所定時間を短くすること
を特徴とする。
【0021】請求項2では、前記制御手段は、前記所定
時間を、前記インク室内における圧力波の片道伝播時間
のほぼ奇数倍ごとの複数段階で変更可能であり、前記イ
ンク室の容積を前記減少させるタイミングは、前記噴射
口に形成されるメニスカスが、前記インク室内における
圧力波の片道伝播時間の約1倍の時のメニスカスよりも
噴射される側にある時であることを特徴とする。
【0022】請求項3では、前記所定時間は、前記片道
伝播時間の7倍より短い時間であることを特徴とする。
【0023】
【作用】上記本発明のインク噴射装置では、前記制御手
段が、前記インク室の容積を増大させてインク室内に圧
力波を発生させ、その増大状態から容積を減少させるま
での所定時間を、インク室内における圧力波の片道伝播
時間のほぼ奇数倍ごとの複数段階で変更可能とすること
によって、インク室内を伝播する圧力波により、インク
が噴射口から押し出される回数が変化されて、噴射され
るインク滴の体積が制御される。具体的には、前記所定
時間を長くすることで、噴射されるインク滴の体積が多
くなり、前記所定時間を短くすることで、噴射されるイ
ンク滴の体積が少なくなる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。尚、従来技術と同一の部分には同一
の符号を付し、その説明を省略する。また、インク噴射
装置は図6、図10に示したものと同様の構成のものを
用いる。但し、圧電セラミックスプレート2の分極方向
は、図10に示す矢印71方向である。
【0025】図1は本発明の一実施例の駆動波形及びイ
ンク室内のノズル付近の圧力変動を示すタイミングチャ
ートである。図2には図1の駆動波形を印加した場合の
インク滴形成過程を示す。また、図1の駆動波形を印加
した場合のインク室の側壁の変形については図10を参
照する。なお、インクを噴射するインク室は図10に示
すインク室4cとする。
【0026】まず、本実施例に用いる制御部について図
3を用いて説明する。図3に示す制御部は、図7に示す
従来のものに比べて、パルス幅制御のためのデータライ
ン57が追加されたものである。つまり、基板41に形
成された導電層のパターン42は各々個々にLSIチッ
プ56に接続されている。また、クロックライン52、
印字データライン53、電圧ライン54、アースライン
55及びパルス幅制御用データライン57もLSIチッ
プ56に接続されている。LSIチップ56は、クロッ
クライン52から供給される連続したクロックパルスに
基づいて、印字データライン53上に現れる印字データ
に応じて、どのノズル12からインク滴の噴射を行うべ
きかを判断する。そして、パルス幅制御用データライン
57から入力されるインク滴を噴射するための駆動パル
スの幅を指定する情報に基づいて、駆動するインク室4
内の金属電極8に導通する導電層のパターン42に、電
圧ライン54の電圧Vを指定された幅で印加する。ま
た、駆動するインク室4以外の金属電極8に導通する導
電層のパターン42にはアースライン55を接続する。
【0027】ここで、パルス幅制御用データライン57
からの情報により駆動パルス幅が3L/aであるときの
インク噴射装置の動作を説明する。なお、上記Lはイン
ク室4の長手方向の長さであり、aはインク中での音速
である。したがって、L/aはインク室4内の圧力波が
インク室4の長手方向(マニホールド18からノズルプ
レート14まで、またはその逆)に対して、片道伝播す
るに必要な時間である。
【0028】図1(a)に示すように、時間t0におい
て立ち上がる駆動電圧波形が、図10(b)に示すイン
ク室4cに印加される(ここで、あるインク室4に対し
て電圧を与えることは、そのインク室4に面する電極に
電圧を印加することを言う)。すると、インク室4cの
両側の側壁6bと6cが、お互いに離れる方向に急速に
変形する(図10(b))。上記側壁6b、6cの変形
によってインク室4cの体積が自然状態から増大し、ノ
ズル12(図6)付近を含むインク室4c内の全体の圧
力が図1(b)に示すように減少し、インクがマニホー
ルド18(図6)からインク室4cに吸い込まれる。そ
して、圧力伝播理論によると、図1のt0からt1の間
のノズル12付近の圧力は負に保たれる(図1
(b))。この間のインクメニスカスは後退し続け、t
1の時点で図2(b)のようにノズル12内に引っ込ん
でしまう。
【0029】圧力伝播理論によると、ノズル12付近の
圧力はt1を過ぎた時点で図1(b)に示すように正
(P1)に転じる。そして、正に転じた圧力P1も、L
/aの間だけ維持される。その後もインク室4c内の圧
力は、時間L/a毎に正と負に交互に変動する。即ち、
インク室4c内の圧力は、2L/aを周期として減衰し
ながら変動していく。この圧力減衰の割合は、ノズル1
2の噴射側の大きさや、形状や、ノズル12の長さ、イ
ンクの粘性などによって変化する。
【0030】そこで本実施例においては、t1からt2
にかけてのL/a間の正圧をそのまま利用して、図2
(c)のように一旦インクメニスカス24をノズル12
の外に押し出す。これは即ち一種の予備噴射のようなも
のである。この予備噴射はインクがインク滴にならない
程度、またはインク滴になったとしても、低速で飛翔す
る程度のものである。
【0031】そして、時間t2からt3にかけては、ノ
ズル12付近の圧力が再び負に転じるが、すでにノズル
12を出たインクメニスカスまたはインク滴に対して
は、前記負の圧力はほとんど作用しない。このため、ノ
ズル12を出たインクメニスカスまたはインク滴は、イ
ンク室4c内に引っ込まず、図2(d)に示すようにネ
ック28の部分が細くなる程度にとどまる。
【0032】そして、時間t3になるとノズル12付近
の圧力が再び正に転じる。このタイミングに合わせて、
図1(a)に示すように駆動パルスCを立ち下げる。す
るとインク室4cの両側の側壁6bと6cが変形前の状
態に戻る(図10(a))。これによってインク室4c
の体積が増大状態から自然状態へと減少し、ノズル12
付近を含むインク室4c内の全体の圧力が上昇する。こ
の側壁6b、6cの変形による圧力上昇と前記再び正に
転じた圧力とがたし合わされ、図1(b)に示すように
ノズル12付近で比較的高い正の圧力P2が現れる。こ
の高い正圧P2によってインクが図2(e)に示すよう
に再びノズル12から押し出され、前記圧力P1によっ
て押し出された部分と一体となり、図2(f)〜(h)
のように比較的体積の大きいインク滴26となってイン
ク室4cのノズル12から噴射される。
【0033】このように、駆動パルスの幅を3L/aと
することによって、従来で説明した駆動パルスの幅がL
/aのときのインク滴(図11参照)より、比較的大き
い体積のインク滴を得ることができる。また、駆動パル
スの幅が5L/aとすれば、3L/aの場合よりも、予
備噴射が一回増えるので、3L/aの場合よりも比較的
大きい体積のインク滴を得ることができる。このように
して、駆動パルスの幅をL/aの奇数倍で長くしていけ
ば、予備噴射の回数が増えて、インク滴の体積が増え
る。ただし、駆動パルスの幅が7L/a以上となると、
立ち上がりによる圧力変動が小さくなって、予備噴射と
ならない状態となったり、立ち下げによる圧力波の合成
に効率が悪くなったりする。
【0034】以上説明したように、パルス幅制御データ
ライン57からのデータにより、駆動パルスの幅をLS
Iチップ56が変えることによって、インク滴の体積を
変えることができる。従って、ホストコンピュータから
の指令にしたがって、インク滴の体積を変えて印字の階
調表現を行うことができる。また、ホストコンピュータ
からの指令にしたがって、通常印字では、駆動パルスの
幅を3L/aとして、図4に示すようにインク滴の体積
を相当量として印字を行ない、ドラフトモードでは、自
動的に駆動パルスの幅をL/aとして、図5に示すよう
にインク滴の体積を小さくして印字を行なって、ドラフ
トモード時にはインクをセーブして、インクの消費量を
減らすことができる。
【0035】そして、本実施例では、駆動パルスの幅を
変えることによって、インク滴の体積を変えているの
で、通常の印字したときと階調印字したときとで、消費
電力が同じである。従って、従来のマルチパルスを用い
たときより、消費電力が小さくなり、駆動回路が故障す
る危険性が少なくなる。このため、従来のように耐熱性
に優れた高価な材料や、放熱板などの放熱機構を用いな
くても駆動回路を形成することができ、コストを低くす
ることができる。また、通常の印字したときと階調印字
したときとで、側壁6の変形回数が同じであるので、従
来のマルチパルスを用いたときより、インク噴射装置の
寿命が長くなる。
【0036】更に、予め一部のインクをノズル12の外
に押し出しておく過程において、インク室4内に伝播す
る圧力波を利用しているので、駆動波形を複雑にするこ
ともなく、そのために新たな駆動エネルギを投入するこ
ともない。したがって、駆動回路の簡単化、低コスト化
をはかることができる。
【0037】尚、本実施例では、インク滴を噴射する各
インク室4が隣接して配置されているインク噴射装置で
あったが、インク室とインク室との間に、インク滴が噴
射されない空気室を配置したインク噴射装置であっても
よい。このように空気室を配置した場合、インク室内の
電極を接地し、空気室側の電極に電圧を印加させてもよ
い。更に、本実施例では、インク室4の両側の側壁6を
変形してインク滴を噴射するするインク噴射装置であっ
たが、片側の側壁の変形によってインク滴を噴射するイ
ンク噴射装置であってもよい。
【0038】また、本実施例では、圧電セラミックスで
形成された側壁6の上半分の領域に電極8を形成し、上
半分の圧電すべり効果によって、側壁6の下半分も変形
させて、インク室4の容積を変化させていたが、側壁を
互いに反対方向に分極された2つの圧電セラミックスで
形成し、側壁の側面全体に電極を形成して、側壁の上半
分及び下半分に同じ方向に圧電厚みすべり変形させてイ
ンク室の容積を変化させてもよい。更に、側壁を上半分
または下半分を圧電セラミックスで形成し、他の下半分
または上半分を絶縁体で形成して、側壁の側面全体に電
極を形成してもよい。
【0039】また、本実施例では、圧電セラミックスプ
レート2の片側に溝3を加工してインク室4を形成して
いたが、圧電セラミックスプレートの厚さを厚くして両
側に溝を加工して、両側にインク室を形成してもよい。
【0040】また、本実施例では、インク室4を自然状
態から増大状態へと容積を増加させた後、自然状態へと
容積を戻して、インク滴を噴射していたが、インク室を
自然状態から増大状態へと容積を増加させた後、自然状
態よりも容積を減少させた減少状態へと容積を変化させ
て、インク滴を噴射してもよい。
【0041】更に、本実施例では、せん断モード型のイ
ンク噴射装置であったが、カイザー型等のダイレクトモ
ード型のインク噴射装置でもよい。
【0042】また、本実施例では、駆動パルスが矩形波
であったが、立ち上がり及び/または立ち下がりが傾斜
された波形であってもよい。
【0043】更に、本実施例では、電圧を印加してイン
ク室4の容積を変化させていたが、常に全インク室に電
圧を印加しておき、電圧印加の停止によって、インク室
の容積を変化させてもよい。
【0044】また、本発明は、カラー印字を行なうイン
ク噴射装置にも用いることができる。
【0045】
【発明の効果】本発明のインク噴射装置によれば、前記
制御手段が、前記インク室の容積を増大させてインク室
内に圧力波を発生させ、その増大状態から容積を減少さ
せるまでの所定時間を、インク室内における圧力波の片
道伝播時間のほぼ奇数倍ごとの複数段階で変更可能とす
ることによって、インク室を伝播する圧力波により、イ
ンクが噴射口から押し出される回数を変化させて、噴射
されるインク滴の体積を制御するので、異なる体積を持
つインク滴を得ることができ、階調表現や、インクセー
ビングが可能となる。そして、従来のようにインク室の
容積を変化させるための駆動パルスを複数印加しなくて
も、インク滴の体積を変化させることができるので、消
費電力が従来より小さくなる。そのため、従来より駆動
回路に熱が発生にくく、故障しにくい。また、従来のよ
うにインク室の容積変化の回数を増加させなくても、イ
ンク体積を変化させることができるので、従来よりもイ
ンク噴射装置の寿命が長くなる。更に、予めメニスカス
押し出しておく過程において、インク室内に伝播する
圧力波を利用しているので、駆動波形を複雑にすること
もなく、そのために新たな駆動エネルギを投入すること
もない。したがって、駆動回路の簡単化、低コスト化、
ならびにランニングコストの低減をはかることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の駆動方法を示すタイミング
チャートである。
【図2】前記実施例のインク滴形成過程を示す図であ
る。
【図3】前記実施例の制御部を示す説明図である。
【図4】前記実施例の通常モードでの印字結果を示す図
である。
【図5】前記実施例のインクセービングモードでの印字
結果を示す図である。
【図6】従来技術のせん断モード型インク噴射装置を示
す斜視図である。
【図7】従来技術の制御部を示す説明図である。
【図8】従来技術のせん断モード型インク噴射装置を示
す断面図である。
【図9】従来技術の駆動方法を示すタイミングチャート
である。
【図10】従来技術のせん断モード型インク噴射装置を
示す断面図である。
【図11】従来技術のインク滴形成過程を示す図であ
る。
【図12】従来技術のマルチパルス駆動方法を示すタイ
ミングチャートである。
【符号の説明】
2 圧電セラミックスプレート 4 インク室 6 側壁 8 金属電極 24 インクメニスカス 56 LSIチップ 57 パルス幅制御データライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/045 B41J 2/055

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク滴を噴射する噴射口を有するイ
    ンク室と、そのインク室の容積を増大させてインク室内
    に圧力波を発生させ、所定時間後、増大状態から容積を
    減少させて前記圧力波に圧力を加えてインク滴を噴射さ
    せる制御手段とを有するインク噴射装置であって、 前記制御手段は、前記所定時間を、前記インク室内にお
    ける圧力波の片道伝播時間のほぼ奇数倍ごとの複数段階
    で変更可能であり、噴射されるインク滴の体積を多くす
    る時に、前記所定時間を長くし、噴射されるインク滴の
    体積を少なくする時に、前記所定時間を短くすることを
    特徴とするインク噴射装置。
  2. 【請求項2】 インク滴を噴射する噴射口を有するイ
    ンク室と、そのインク室の容積を増大させてインク室内
    に圧力波を発生させ、所定時間後、増大状態から容積を
    減少させて前記圧力波に圧力を加えてインク滴を噴射さ
    せる制御手段とを有するインク噴射装置であって、 前記制御手段は、前記所定時間を、前記インク室内にお
    ける圧力波の片道伝播時間のほぼ奇数倍ごとの複数段階
    で変更可能であり、 前記インク室の容積を前記減少させるタイミングは、前
    記噴射口に形成されるメニスカスが、前記インク室内に
    おける圧力波の片道伝播時間の約1倍の時のメニスカス
    よりも噴射される側にある時であることを特徴とするイ
    ンク噴射装置。
  3. 【請求項3】 前記所定時間は、前記片道伝播時間の
    7倍より短い時間であることを特徴とする請求項1また
    は2記載のインク噴射装置。
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