JPH0724186Y2

JPH0724186Y2 - ワイヤークランプ装置

Info

Publication number: JPH0724186Y2
Application number: JP1990054378U
Authority: JP
Inventors: 実落合; 清人増村; 健史奥田; 良一滝井
Original assignee: Takenaka Corp
Current assignee: Takenaka Corp
Priority date: 1990-05-23
Filing date: 1990-05-23
Publication date: 1995-06-05
Anticipated expiration: 2005-05-23
Also published as: JPH0413231U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案はワイヤーロープ（ストランドロープ）のクラン
プ装置に関し、センターホールジャッキ等と組み合わせ
てワイヤーロープを引き込む時のチャック装置として利
用される。

（従来の技術とその問題点）ワイヤーロープ（ストランドロープ）はストランドを複
数本、捩り合わせて形成されたもので、その断面形状は
ストランドの本数によって異なるが正多角形の各角部が
円形を呈するものである。

このワイヤーロープをクランプする従来装置としては、
略半円形の窪みを有した２枚の押え板をボルト・ナット
で締着するといったものが存在する。

ところが、この様な従来の装置ではボルト・ナットを締
め付けた場合、２枚の押え板は夫々接近する方向へ移動
してワイヤーロープを挾着するため、押え板とワイヤー
ロープとの当接形態は数ヶ所の線接触となり、ワイヤー
ロープを拘束する力は弱いものである。

又、上記装置でワイヤーロープの軸方向への移動を阻止
するために、押え板の内面に掛止爪等を設けることも考
えられるが、ボルト・ナットを締め付けての挾着状態は
安定するが、挾着状態を解除してワイヤーロープを移動
させようとした場合は該ロープの外表面が前記した掛止
爪に接触してワイヤーロープの外表面に傷をつけるとい
った問題を有する。

（考案が解決しようとする課題）本考案は上述した如き従来の技術の有する問題点に鑑み
てなされたもので、その目的とする処は、ワイヤーロー
プの外周面における捩り条面に面接触して強固にクラン
プでき、且つクランプ解除のもとでワイヤーロープを軸
方向に移動させても該ロープ表面に傷が付くといったこ
とのないクランプ装置を提供することにある。

（課題を解決するための手段）上記目的を達成するために、本考案が講じた技術手段
は、シリンダ内にその内周面から径方向に窪む環状の収
容部を形成し、該収容部に、周方向に沿い二分割されて
径方向に収縮及び拡開可能に構成したチャックを収容保
持し、そのチャック外側に筒状パッキンを嵌着して同パ
ッキン外周と収容部壁面との間に油圧ポンプと連絡する
油室を形成し、チャック内側には、周方向に沿い四分割
したコレットを軸線方向の移動を規制し、且つ、周方向
及び径方向に移動自在となして着脱自在に取付けると共
に、該コレットはその内周面にワイヤーの捩り条面と当
接する捩り条溝を形成したことを特徴とする。

チャックの内側に装着される四分割のコレットは、その
相隣れる部材同志がビス・ナット等の連絡部材で連結さ
れ、部材相互がバラバラにならず且つ所定の外径以上に
拡開しないようにしてある。

又、上記コレットの内周面に形成される捩り条溝の形状
（条数）は使用されるワイヤーに合わせて形成されるも
のである。

更に、四分割のコレットを収容するチャックの内周面の
円弧は楕円弧とし、二分割のチャックの閉動により四分
割のコレットが放射方向から中心に向って夫々均等に移
動するようにしてある。

（作用）上記手段によれば、シリンダ内に装備したコレット内に
ワイヤーロープを挿通した状態で油圧ポンプから油室へ
圧油を供給することにより、二分割のチャックが互いに
接近する方向に移動してチャック内側の内径を収縮し、
そのチャックの移動によって該チャックの内側に嵌着さ
れた四分割のコレットが夫々中心に向って移動されてコ
レットの中央に挿通されたワイヤーロープを挾着保持す
る。

しかも、上記コレットはその内周面にワイヤーの捩り条
面と当接する捩り条溝が形成されているため、ワイヤー
ロープの挾持は全周面に密着して行なわれる。

又、油圧を解除すると、二分割のチャックはスプリング
等の弾機で常時拡開方向に付勢されているため、チャッ
クは互いに離反する方向に移動拡開し、それに伴ないコ
レットを緊締していた力が解除されてコレットはワイヤ
ーロープの外周面に被着した状態となると共に、該コレ
ットはチャック内で回動可能な状態となる。従って、ワ
イヤーロープが軸芯方向に引っ張られた場合、ワイヤー
の捩り条面とコレットが被着係合しているため、ワイヤ
ーの移動によりコレットはチャック内で回動し、捩り条
面に被着した状態を維持する。

（考案の効果）本考案のワイヤークランプ装置は以上の如き構成によ
り、環状の油室に圧油を供給することにより二分割のチ
ャックがお互いに接近する方向に移動してチャック内側
の内径を収縮し、チャックの内側に嵌着された四分割の
コレットは夫々中心方向に移動されて中央に挿通された
ワイヤーロープを確実に挾持する。しかも、そのコレッ
トは内周面にワイヤーの捩り条面と当接する捩り条溝が
形成され、その捩り条溝が捩り条面に被着するため、ワ
イヤーロープの挾着は該ワイヤーロープの外周全面に密
着して堅固に行なわれ、安定したクランプ状態を維持で
きるものである。

又、上記コレットは捩り条溝でワイヤーロープの外表面
に被着係合しているため、油圧が解除されてワイヤーロ
ープのクランプが解かれ、ワイヤーロープを軸方向に引
っ張った場合、ワイヤーロープの捩り方向に沿ってコレ
ットはチャック内で回動し、ワイヤーロープの移動を止
めれば捩り条面と捩り条溝とが対応してクランプし得る
状態を保持する。

従って、油圧を解除してワイヤーロープを引っ張って
も、該ワイヤーロープの外表面が引っ掻かれて傷が付く
といったことはなく、ワイヤーロープの外表面を製品状
態のまま維持できるものである。

依って、ワイヤーロープの外表面をそのまま露出させて
設置する吊りケーブルの引き込みに使用するセンターホ
ールジャッキと組み合わせるワイヤークランプ装置とし
て非常に有益である。

（実施例）以下、本考案の実施例を図面に基づき説明すると、図中
１は両側端が開口した円筒状のシリンダ、そのシリンダ
１の内周には軸線方向両端に所定の肉厚壁を残して幅広
な環状の収容部２が形成され、その収容部２に二分割の
チャック３を収納保持し、そのチャック３の外側に筒状
パッキン４を嵌着して同パッキン４外周と収容部２壁面
との間に油室５が区画形成され、チャック３の内側には
四分割のコレット６が嵌合装着されている。

上記チャック３は剛性を保持した素材、例えばクロム・
モリブデン鋼を用いて略半円弧状に形成したチャック部
材3a,3bで構成され、そのチャック部材3a,3bは直線平坦
面7,7′の一方に固着突設したピン８と、他方に凹設し
た凹窪部９とで接近、離反可能に連結されると共に、前
記直線平坦面7,7′にはピン８と凹窪部９の位置と異な
った箇所に夫々スプリング収納凹所10,10′を穿設し、
そのスプリング収納凹所10,10′の一方にガイドピン11
を挿通固着して、対向したスプリング収納凹所10,10′
間にコイルスプリング12が弾圧収納されている。

又、上記チャック部材3a,3bにおける円弧面の周方向両
側端は直線面にカットされ、その両部材3a,3bの直線面
にわたって、外周面がチャック部材3a,3bの円弧面と連
続する円弧面を呈した三日月形状の当て板13が接合さ
れ、且つその当て板13の平坦面側にはピン14が固着突設
されてチャック部材3a,3bの直線面に形成したガイド溝1
5に嵌入されている。

上記したチャック３の外側に嵌着する筒状のパッキン４
は、油室５をシリンダ１内に対しシールするもので、軸
方向の両端部が収容部２における軸線方向両側の壁面2
a,2bに密接している。尚、収容部２における軸線方向の
一方壁面2bはシリンダ１の軸線方向の一側部に接合され
止めネジ16で固着されている環状のチャック押え17によ
って形成されている。

油室５は環状に形成されて大きな断面積を保持し、その
油室と連通する油圧ポートロ18がシリンダ１の周壁に開
設され、その油圧ポートロ18はホース19を介して油圧ポ
ンプ（図示省略）に接続され、同ポンプから圧油が供給
されるものである。

チャック３の内側に嵌合されるコレット６は炭素鋼鋼材
からなる円筒体を周方向に等間隔をおいて４等分すると
共に、チャック３の移動に伴ない径方向へ移動し得るだ
けのクリアランスを有した弧状コレット部材6a,6b,6c,6
dによって構成され、それら弧状コレット部材6a,6b,6c,
6dは夫々長さ方向の両側部がビス20とナット20′によっ
て連結されて筒状に組み立てられると共に、各弧状コレ
ット部材6a,6b,6c,6dの直線平坦面にはピン21が固着さ
れ、且つピン21が嵌入する通孔22が貫通開穿されて順次
組み付けられている。

又、上記弧状コレット部材6a,6b,6c,6dの夫々の内周面
にはワイヤーロープａの捩り条面と当接係合する捩り条
溝23が切欠形成され、ワイヤーロープの外周全面に密着
するようになっている。

そして、上記弧状コレット部材6a,6b,6c,6dはチャック
３の内側に環状に配して密着されており、シリンダ１の
側端とチャック押え17の側端に接合し、ボルト24で固着
されたコレット押え25で軸線方向の移動が規制されてい
る。

図中、26はシリンダ１の入口側に設けられたガイド筒
で、シリンダ１の側端に固着されたコレット押え25にタ
イロッド27を介してシリンダ１の軸芯線上に配置され、
シリンダ１の中心に供給されるワイヤーロープを直線状
態に保持して挿通し得るように構成されている。28は四
分割のコレット６を環状に組み立ててチャック３内に挿
入セットしたり、チャック３内よりコレット６を取り出
すのに使用するハンドルで、コレット６の側端に係合さ
れた環状板29に固着されている。

上述した如きワイヤークランプ装置は、シリンダ１及び
チャック３内のコレット６にワイヤーロープａを挿通し
た状態で、油圧ポンプから油室５へ圧油を供給すること
により、該油室５内の油圧が筒状パッキン４を介して二
分割のチャック３の外周面に作用し、その油圧でチャッ
ク３を構成するチャック部材3a,3bが夫々対向方向に接
近移動して内側のコレット６を径方向に収縮閉動させ、
コレット６内に挿通されたワイヤーロープａを、その捩
り状面にコレット６内周の捩り状溝23が密着して堅固に
挾持する。

又、油圧を解除すると、二分割のチャック３がコイルス
プリング12の弾発力で径方向へ拡開し、コレット６を収
縮閉動していた付勢力が解除されて該コレット６はワイ
ヤーロープａの外周面の捩り条面に捩り条溝23が当接係
合した状態で被着すると共に、チャック３内で周方向に
回動し得る状態となる。従って、油圧が解除されて、ワ
イヤーロープａが軸芯方向に引っ張られると、コレット
６はワイヤーロープａの捩り方向に定位置で回動し、捩
り条面に被着した状態を保持するため、ワイヤーロープ
ａの外周面にコレット６との接触による傷が付くといっ
たことは全く生じない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は縦断正面図、第
２図は第１図の（２）−（２）線に沿える拡大断面図、
第３図は第１図の（３）−（３）線に沿える拡大断面
図、第４図は本装置の斜視図である。図中、1:シリンダ、2:収容部 3:チャック、4:筒条パッキン 5:油室、6:コレット 23:コレットの捩り条溝 a:ワイヤーロープ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者奥田健史東京都中央区銀座８丁目21番１号株式会社竹中工務店東京本店内 (72)考案者滝井良一千葉県松戸市上本郷3895番地

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】シリンダ内にその内周面から径方向に窪む
環状の収容部を形成し、該収容部に、周方向に沿い二分
割されて径方向に収縮及び拡開可能に構成したチャック
を収容保持し、そのチャック外側に筒状パッキンを嵌着
して同パッキン外周と収容部壁面との間に油圧ポンプと
連絡する油室を形成し、チャック内側には、周方向に沿
い四分割したコレットを軸線方向の移動を規制し、且
つ、周方向及び径方向に移動自在となして着脱自在に取
付けると共に、該コレットはその内周面にワイヤーの捩
り条面と当接する捩り条溝を形成したワイヤークランプ
装置。