JPH07241166A - 浮葉回収装置付き散茶装置 - Google Patents

浮葉回収装置付き散茶装置

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JPH07241166A
JPH07241166A JP6007694A JP6007694A JPH07241166A JP H07241166 A JPH07241166 A JP H07241166A JP 6007694 A JP6007694 A JP 6007694A JP 6007694 A JP6007694 A JP 6007694A JP H07241166 A JPH07241166 A JP H07241166A
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進 増田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 いつまでも散茶胴内上方に浮いて滞留してい
る浮葉を自動的に回収でき、更に散茶胴内周面に張り付
いた蒸葉を簡単に落下させることのできる散茶装置を提
供する。 【構成】 通気性を有する散茶胴2を複数段連接して蒸
葉Aを各散茶胴2ごとに吹き上げ、冷却・露切りをして
蒸葉Aを展開させる装置において、前記散茶胴2上方に
は散茶胴2上方で浮いて下方へ落下しない浮葉aを排出
する排出口23が開口されるとともに、浮葉aに当接し
てこの排出口23へ向かって移動することにより浮葉a
を移送する移送体51が具えられ、また前記散茶胴2
を、縦長の柱状に骨組みされた機枠21の周面に対し、
振るい落とし動作可能な程度に撓むことのできるネット
22を張って形成することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】
【産業上の利用分野】本発明はてん茶製造機械の散茶装
置に関するもので、特に散茶胴内を浮いて次工程に送ら
れない茶葉を回収する装置に係るものである。
【0002】
【発明の背景】従来よりてん茶の製造機械として散茶機
がある。このものは茶葉を蒸した後、蒸し露の除去、迅
速な冷却に加えて、重なり葉や折れ葉を離したり開かせ
たりする機械であって、高さ約7mほどの細長い角柱状
の枠に金網を張った通称「あんどん」と呼ばれるものを
三〜五本並べて構成される。そしてこの散茶胴の下部に
は送風機が具えられるものであって、茶葉はこの送風機
により散茶胴内の高さ4〜5mの高さに吹き上げられ
る。そしてこのようにして順次各散茶胴内への吹き上げ
を繰り返し、最後の吹き上げで、次の乾燥工程を行うて
ん茶機の下段に設置したコンベヤに茶葉が均一に散布さ
れる。
【0003】ところでこのような散茶機においては、吹
き上げられた茶葉の中で軽い葉が下に降りて来ず、散茶
胴の上方で浮いて上昇及び下降を繰り返したり、風圧に
より金網に押し付けられ、下方に降りて来ずにそこに静
止していたり、蒸し露がバインダとなって蒸葉が金網に
張り付くという問題点があった。すなわちこのようない
つまでも散茶胴内を落下せずに、次工程のてん茶機に送
られない蒸葉は、第一に葉の色や味に変質が生じてしま
い、何かの拍子にこの茶葉が落下して他の全体の茶葉と
混入すると、製品としてのてん茶の品質を低下させてし
まうという問題点を有していた。更にこのような蒸葉が
散茶胴に張り付いてしまうと散茶胴の通気状態が悪くな
り、延いては吹上風の勢いを損なってしまい、蒸葉の展
開も悪くなってしまうという問題点もあった。このため
定期的に浮葉や金網に張り付いた蒸葉等を取り除いてや
る作業を必要としていたが、これは極めて面倒な上非能
率的であり、頻繁にこの除去作業を行うというわけにも
いかなかった。したがって製品としてのてん茶の品質低
下は免れ得なかった。
【0004】
【開発を試みた技術的事項】本発明はこのような背景を
考慮してなされたものであって、散茶胴上方に浮いた浮
葉を自動的に回収でき、更に散茶胴内周面に張り付いた
蒸葉を簡単に落下させることのできるようにして、いつ
までも散茶胴内に滞留している蒸葉を無くすことのでき
る新規な浮葉回収装置付き散茶装置の開発を試みたもの
である。
【0005】
【発明の構成】
【目的達成の手段】すなわち請求項1記載の浮葉回収装
置付き散茶装置は、通気性を有する散茶胴を複数段連接
して蒸葉を各散茶胴ごとの吹き上げ、冷却・露切りをし
て、蒸葉を展開させる装置において、前記散茶胴上方に
は散茶胴上方で浮いて下方へ落下しない浮葉を排出する
排出口が開口されるとともに、浮葉に当接してこの排出
口へ向かって移動することにより浮葉を移送する移送体
が具えられることを特徴として成るものである。
【0006】また請求項2記載の浮葉回収装置付き散茶
装置は、前記要件に加え、前記散茶胴の排出口外部には
回収ダクトが具えられていることを特徴として成るもの
である。
【0007】更に請求項3記載の浮葉回収装置付き散茶
装置は、前記要件に加え、前記移送体は無端帯状の移送
ベルトであり、駆動ローラと従動ローラとの間に巻回さ
れていることを特徴として成るものである。
【0008】更にまた請求項4記載の浮葉回収装置付き
散茶装置は、前記要件に加え、前記移送体は複数のスラ
ットが送り方向の一端のみで回動自在に支持された状態
で連接して無端帯状に形成され、駆動回転体と従動回転
体との間に巻回されて成るもので、個々のスラットは、
散茶胴内では自由端が下方に回動しないように支承され
て互いの間に間隔を有さないで移動し、排出口から散茶
胴外部に出た位置においては支承されず、自由端が下方
に回動して互いの間に間隔を有して移動することを特徴
として成るものである。
【0009】更にまた請求項5記載の浮葉回収装置付き
散茶装置は、前記要件に加え、前記移送体の下方には、
移送体と散茶胴との間に開口する取入口に向かって上り
傾斜となる浮葉ガイド板が具えられていることを特徴と
して成るものである。
【0010】更にまた請求項6記載の浮葉回収装置付き
散茶装置は、前記要件に加え、前記移送体は、前記排出
口に接して散茶胴上部に具えられた積載板の上面に対
し、当接して移動する掃出体であることを特徴として成
るものである。
【0011】更にまた請求項7記載の浮葉回収装置付き
散茶装置は、前記要件に加え、前記掃出体は、前記積載
板上方に具えられた駆動プーリと従動プーリとの間に巻
回されるベルトに取り付けられ、移動することを特徴と
して成るものである。
【0012】更に請求項8記載の浮葉回収装置付き散茶
装置は、前記要件に加え、前記積載板下方には、積載板
下面に当接し、積載板と散茶胴側面との間に開口する取
入口に向かって移動する除去体が具えられていることを
特徴として成るものである。
【0013】更にまた請求項9記載の浮葉回収装置付き
散茶装置は、前記要件に加え、前記散茶胴は縦長の柱状
に骨組みされた機枠の周面に対し、振るい落とし動作可
能な程度に撓むことのできるネットが張られて形成され
ていることを特徴として成るものである。これら発明に
より前記目的を達成しようとするものである。
【0014】
【発明の作用】従来より散茶装置においては、軽いため
送風機の風圧によって降りて来れず、散茶胴上部でいつ
までも浮いている浮葉が生じるが、この浮葉に移送体が
当接して排出口外部へ移送するため、散茶胴内の浮葉が
取り除かれ、他の蒸葉に混入することもなく、製品とし
てのてん茶の品質を下げない。
【0015】更に散茶胴の排出口外部に回収ダクトが具
えられた場合、移送体により排出口から排出された浮葉
が回収ダクト内に投入されるため、散茶胴外部が散らか
らない。
【0016】また移送体として、無端帯状の移送ベルト
を適用した場合、移送ベルトと散茶胴側面との間の取入
口から移送ベルト上方に浮上した浮葉が、移送ベルトに
より送風が遮断されて移送ベルト上に落ちる。そして移
送ベルトの移動に伴い、浮葉は排出口方向へ移送され、
移送ベルトの終端にて排出口外部に落とされる。
【0017】また移送体として、複数の回動自在なスラ
ットを連接して無端帯状に形成したものを使用した場合
は、ベルト状の移送体のうち、下側を駆動しているスラ
ットの上面に、浮葉は送風が遮断されて落ちる。そし
て、下側を駆動しているスラットは、散茶胴内では例え
ば支承板などにより支承されて、互いの間に間隔を有さ
ないで移動しているため、浮葉を散茶胴下方へ落とすこ
となく運ぶ。また排出口から散茶胴外部に出た位置では
支承板などの支承がなくなるため、支持されていない自
由端側が下方へ回動し、互いの間に間隔を有して移動す
るため、載せていた浮葉が散茶胴外部の回収ダクト内な
どに落とされる。
【0018】また浮葉ガイド板を具えた場合、浮葉は浮
葉ガイド板の傾斜に沿って取入口方向に移動し、移送体
や移送体の駆動部材などにつかえることなくスムーズに
移送体の駆動軌道上に位置する。
【0019】また移送体として、例えばハケなどを適用
した掃出体を使用し、積載板上に載った浮葉を掃き出す
ようにした場合、浮葉を確実に排出口へ移送し、排出口
外部へ落とすことができる。なお掃出体を上方の駆動プ
ーリと従動プーリに巻回したベルトに取り付けておいた
場合は、浮葉の掃き戻しをするような動作がなく、積載
板当接時には常に排出口方向へ浮葉を掃き出しながら移
動する。
【0020】また除去体を具えた場合、積載板下面に張
り付いた浮葉などを取入口方向へ掃き出して移送体の駆
動軌道上に浮葉を送ったり、散茶胴下方へ落としたりす
る。
【0021】また蒸葉の中にはこのような浮葉のほか、
散茶胴側面のネットに蒸し露が接着媒体となって張り付
いたり、風圧によって散茶胴側面のネットに押し付けら
れ静止して落下せず次の散茶胴内あるいはてん茶機に送
られないものがあるが、散茶胴の周面に振るい落とし動
作可能な程度に撓むことのできるネットを張っておいた
場合には、適宜ネットを揺らしたり、叩くことによっ
て、これらの蒸葉を変質する前に簡単に散茶胴下方へ落
とすことができる。
【0022】
【実施例】以下本発明を図示の実施例に基づいて説明す
る。図1は本発明を適用した散茶装置1をてん茶製造ラ
インに組み込んだ一例で、製造の概略を説明すると、蒸
機Sにより蒸された蒸葉Aが、散茶胴2が四段に連接さ
れた散茶装置1により展開され、そしててん茶機Dによ
って乾燥されててん茶が製造される。なお、以下の説明
では散茶装置1における前後左右を定義するにあたり、
蒸機S方向を前方とし、てん茶機D方向を後方とし、蒸
機S方向を向いて右手を右方とし、左手を左方とする。
【0023】以下、本発明を適用した散茶装置1につい
て説明すると、このものは、蒸葉Aが吹き上げられ展開
されるスペースである散茶胴2と、散茶胴2内へ蒸葉A
を吹き上げる送風機3と、送風機3へ熱風を供給する火
炉ユニット4と、散茶胴2内上部をいつまでも浮いて落
ちて来ない浮葉aを回収する本発明の特徴である浮葉回
収装置5とを基本部材として成っている。
【0024】以下、各部材について詳述すると、まず散
茶胴2は縦長の四角柱状に骨組みされた機枠21の周面
に、本発明の特徴として振るい落とし動作可能な程度に
撓むことのでき、適宜の耐熱性を有する合成樹脂、布、
更にはパンチングメタル等で形成されたネット22が張
られて成るもので、ほぼ同高さの第一散茶胴2A、第二
散茶胴2B、第三散茶胴2Cと、これらよりやや低い高
さの第四散茶胴2Dとが四段階に連接されている。なお
本発明の特徴としてこれら散茶胴2の上部右側面に、後
述する浮葉回収装置5により浮葉aを排出するための排
出口23が開口され、ここに回収ダクト7が具えられて
いる。
【0025】そしてこの第一散茶胴2A前段の蒸機Sの
排出口23と、第一散茶胴2A、第二散茶胴2B、第三
散茶胴2Cの下部とには、それぞれ第一送風機3A、第
二送風機3B、第三送風機3C、第四送風機3Dが具え
られている。そしてこれら送風機3の吹出口31から次
の散茶胴2の下方へは投入シュート24が具えられてお
り、蒸葉Aが送風機3によりこの投入シュート24を通
って順次次の散茶胴2に吹き上げられるように構成され
ている。また第一散茶胴2A、第二散茶胴2B、第三散
茶胴2Cの下部には第一散茶胴2A、第二散茶胴2B、
第三散茶胴2C内を落ちて来た蒸葉Aを第二送風機3
B、第三送風機3C、第四送風機3Dの吹出口31の方
へ蒸葉Aを案内する送込シュート25が具えられてい
る。
【0026】そして、これら散茶胴2の下方には火炉ユ
ニット4が具えられる。この火炉ユニット4は一例とし
て燃焼室41内に熱源としてのバーナ42が具えられ、
熱風が供給管43を介して送風機3の吸込口32に吹き
込まれるように構成されている。なお、火炉ユニット4
からの熱風は適宜の温度に設定できるように構成されて
いる。
【0027】また散茶胴2の上部には本発明の特徴とし
て浮葉回収装置5が具えられるものであって、このもの
は移送体51である移送ベルト51Aを主要部材とする
ベルトコンベヤ50と、浮葉ガイド板52とを基本部材
として成るものである。
【0028】以下詳細に説明すると、まずベルトコンベ
ヤ50は散茶胴2の天井に対しやや間隔を開けて水平に
設置されるものであって、散茶胴2の右側外部の回収ダ
クト7内に具えられる駆動ローラ53と、散茶胴2内部
の左側面側に具えられる従動ローラ54と、これら駆動
ローラ53と従動ローラ54との間に巻回される移送体
51である無端帯状の移送ベルト51Aと、駆動ローラ
53を回転駆動する駆動源であるモータM1 とから成っ
ている。なお移送ベルト51Aは上側の運搬部分が排出
口23方向へ向かうように駆動される。またベルトコン
ベヤ50と散茶胴2後面との間は適宜の間隔、例えば散
茶胴2の幅(左右方向の長さ)が600mm、奥行き
(前後方向の長さ)が750mm、高さが4000mm
のものの場合、約200mmの間隔が開いており、ここ
が散茶胴2上方を浮いている浮葉aをベルトコンベヤ5
0へ取り入れる取入口55となっている。
【0029】そしてベルトコンベヤ50の下方には、前
記取入口55へ浮葉aの移動を促進する浮葉ガイド板5
2が具えられる。この浮葉ガイド板52は一例として平
板状のもので、散茶胴2前面から取入口55へ向かって
上り傾斜となっている。
【0030】本発明を適用した散茶装置1は以上のよう
な構成で、まず蒸葉Aの展開工程の概要を説明すると、
蒸機Sにより蒸されて塊状となった蒸葉Aが、第一送風
機3Aの投入シュート24に送り込まれる。第一送風機
3Aの吸込口32には火炉ユニット4から一例として約
100〜150℃の熱風が吹き込まれており、よって第
一送風機3Aの吹出口31からは熱風が吹き出ている。
このため蒸葉Aは熱風により投入シュート24を通って
第一散茶胴2A内に吹き出される。吹き出された蒸葉A
は第一散茶胴2A内上方へばらされて広がり、そして落
下する。落下した蒸葉Aは第一散茶胴2A下部の送風機
3の投入シュート24に直接落ちるか、または送込シュ
ート25を滑り落ちて投入シュート24に落とされ、次
の第二散茶胴2B内に送られる。以下蒸葉Aは第二散茶
胴2B及び第三散茶胴2C内を同様の工程を繰り返す。
そして蒸葉Aは第四散茶胴2D内で展開された後は、て
ん茶機D下段のコンベヤDcに均一に散布される。
【0031】次に以上のような工程で展開される蒸葉A
の状態を詳述すると、蒸機Sの蒸し工程により付いた蒸
し露が熱風により吹き飛ばされ、重なった葉が離れ、折
れた葉が開く。また蒸葉A内部に含まれた水分も熱風に
より蒸発されるため、蒸葉A内の熱も一緒に放熱され、
実質的に冷却がなされる。なお特に後半の第三散茶胴2
C及び第四散茶胴2Dではてん茶機Dの乾燥工程に先立
っての乾燥がなされる。したがって本発明を適用した散
茶装置1によれば、蒸機Sにより蒸された蒸葉Aが冷却
・展開をなされるのと同時に乾燥がなされるため葉の色
が鮮明となり、後のてん茶機Dの乾燥効率も上がる。
【0032】次に浮葉回収装置5について説明すると、
いつまでも散茶胴2内に吹き上げられた蒸葉Aの中に
は、軽いため送風機3の風圧によって降りて来れず、散
茶胴2上部で浮いているものがある。このような浮葉a
は浮葉ガイド板52に当接し、傾斜に沿って弱い熱風に
乗って取入口55に流れ込む。そして取入口55からベ
ルトコンベヤ50の移送ベルト51A上に載り、散茶胴
2の排出口23を通って回収ダクト7内に落とされる。
そして回収ダクト7内へ落とされた浮葉aは、回収ダク
ト7の排出先に回収容器を具えておき、そこにためるよ
うにしておいてもよいし、次工程のてん茶機Dへ移送す
るコンベヤなどを別途具え、そこへ排出するようにして
おいてもよく、適宜の実施例が採れる。なおこの浮葉回
収装置5はもちろん通例の冷風により蒸葉Aの展開を行
う散茶装置に適用しても有効なものであるが、前記実施
例のように熱風により乾燥も行われる散茶装置1では、
葉の水分除去による葉重の軽量化がより促進され、浮葉
aが多くなるため、極めて有効なものとなる。
【0033】また蒸葉Aの中にはこのような浮葉aのほ
か、散茶胴2周面のネット22に蒸し露が接着媒体とな
って張り付いたり、風圧によって散茶胴2周面のネット
22に押し付けられ静止して落下せず次の散茶胴2ある
いはてん茶機Dに送られないものがあるが、本発明の特
徴として散茶胴2の周面は、撓んで振るい落とし動作可
能なほどに弾性を有する素材で形成されたネット22が
張られたものであるから、ネット22を揺らしたり、叩
くことによって、これらの蒸葉Aを離して散茶胴2下方
へ落とすことができる。なおネット22を揺らしたり叩
くのは、作業者が適宜手で行うほか、例えば散茶胴2外
面から棒状、平板状、または偏平状部材がネット22に
衝突してネット22を揺らすようなネット打機8や、ネ
ット22を保持して側方へ往復移動してネット22を揺
らすネット揺らし機9等を用いて定期あるいは不定期的
に機械で行うようにしてももちろんよい。例えばネット
打機8の一例として、図11(a)のようにロッド81
両端に球状の打体82を具えたものを適宜モータなどの
駆動部材により回転させ、ネット22外面に衝突させる
ようにしたものや、図11(b)のように打体82を一
方端部側のみに具えたロッドの反対端部側を適宜シリン
ダ等によりスライド移動させることによりネット22外
面に衝突させるようにしたものを適用できる。またネッ
ト揺らし機9としては、例えば図11(c)に示すよう
な二本の節を回動自在に接続したものが適用できる。こ
のものは一端を適宜の基枠に回動自在に接続され、他端
をシリンダ92のシリンダロッド92aに回動自在に接
続されており、シリンダロッド92aを上下駆動させる
ことにより、ネット22に接続した回動支点91を側方
へ移動可能としたものである。またもちろん前記図11
(b)で示したようなネット打機8の打体82のところ
にネット22を接続するようにしてもネット22を揺ら
すことができる。
【0034】
【他の実施例】本発明を適用した散茶装置1の基本実施
例は以上のようであるが、次のような改変も行える。す
なわち基本実施例では熱風により吹き上げを行うにあた
って、送風機3の吸込口32へ火炉ユニット4の熱風を
送り込むことによって行ったが、例えば送風機3を介さ
ないでも火炉ユニット4の熱風の風圧だけで充分蒸葉A
を吹き上げることが可能な場合もあるので、そのような
場合には特に送風機3を具えず、火炉ユニット4の供給
管43から吹き出す熱風で直接蒸葉Aを吹き上げるよう
にすることができる(図6参照)。もちろん第一散茶胴
2A、第二散茶胴2B、第三散茶胴2Cでは送風機3を
介して吹き上げ、高さの低い第4散茶胴2Dでは送風機
3を介さず火炉ユニット4の供給管43から吹き出す熱
風で直接蒸葉Aを吹き上げるようにするなど適宜の組み
合わせで実施してもよい。
【0035】また熱風により吹き上げを行うにあたって
は、図7に示すように送風機3の吹出口31に臨んでバ
ーナ10を取り付けるようにしても散茶胴2内へ熱風を
送ることができ、この熱風により蒸葉Aを吹き上げて展
開することができる。
【0036】またすべての散茶胴2を熱風により蒸葉A
を展開するものとしたが、もちろん従来どおり単に冷風
だけで蒸葉Aを展開してもよいし、熱風と冷風とで展開
する適宜の組み合わせで実施してもよい。組み合わせの
例としては、例えば第一散茶胴2Aと第二散茶胴2Bと
では熱風で蒸葉Aの展開を行い、第三散茶胴2Cと第四
散茶胴2Dとでは従来どおり冷風で蒸葉Aの展開を行う
ようにするなど適宜の組み合わせで実施することが可能
である。一例として図5は火炉ユニット4の供給管43
を第一送風機3A及び第二送風機3Bの吸込口32のみ
に接続したものである。このように構成した場合、第一
散茶胴2Aと第二散茶胴2Bとでは蒸葉Aは蒸し露が熱
風により吹き飛ばされ、重なった葉は離れ、折れた葉は
開かれる。また蒸葉A内部に含まれた水分も熱風により
蒸発されるため、蒸葉A内の熱も一緒に放熱される。そ
して第三散茶胴2C及び第四散茶胴2Dでは、前記作用
の蒸葉Aの展開とともに、前記蒸葉A内部の水分を熱風
により蒸発させて蒸葉Aを冷却するのに代え、送風機3
のみの冷風により蒸葉Aを冷却する。したがって、後の
てん茶機Dによる乾燥効率を下げない程度に蒸葉Aは乾
燥され、蒸葉内部及び外部ともに充分な冷却が成され、
葉の色が鮮明となる。またその他、第四散茶胴2Dのみ
冷風で蒸葉Aを展開するなど適宜の熱風と冷風との組み
合わせが考えられるが、最初に冷風で蒸葉Aを冷やして
しまうと、後に熱風により吹き上げを行っても蒸葉A内
部の水分の蒸発は望めないため、最初は熱風で蒸葉Aの
吹き上げを行うことが望ましい。
【0037】次に本発明の特徴である浮葉回収装置5に
ついて、その他の実施例を示す。すなわち図8は前記基
本実施例の移送ベルト51Aに代え、スラットコンベヤ
状の移送体51を適用したもので、平板状のスラット5
1Baが送り方向の一端側のみを回動芯56に回動自在
に接続され、そしてこの回動芯56の両端をチェーン5
1Bbに回動自在に取り付け、無端帯状に形成されたも
のである。なお、上側を移動しているスラット51Ba
は、チェーン51Bbの係止部51Bcにより係止さ
れ、下方へ回動しないように構成されている。そして以
上のようにして成る移送体51が、回収ダクト7の上方
に具えた駆動回転体である駆動スプロケット57aと、
散茶胴2左側面前方に具えた従動回転体である従動スプ
ロケット57bとに巻回されている。更に散茶胴2内部
の移送体51の下面には支承板58が具えられ、下側を
駆動しているスラット51Baが下に回動しないように
構成されている。そして前記基本実施例と同様に移送体
51下方には浮葉aを取入口55へ促す平板状の浮葉ガ
イド板52が具えられている。
【0038】以上のように浮葉回収装置5を構成した場
合、まず移送体51の駆動状態について説明すると、移
送体51は図8(a)中、矢印で示す方向に回転をして
おり、上側を駆動しているスラット51Baと、下側の
散茶胴2内を駆動しているスラット51Baとは、それ
ぞれチェーン51Bbの係止部51Bcと支承板58と
により、下方への回動が止められて水平に移動してお
り、回収ダクト7内を移動中のスラット51Baのみが
下方へ回動している。そして取入口55からふわふわと
上昇して来た浮葉aが、このように回転駆動している移
送体51の下側に位置するスラット51Ba上方に来た
ときに熱風が遮断され上面に落ち、排出口23へ向かっ
て運ばれる。そして排出口23を通り、回収ダクト7の
上方に位置したときには、支承板58による支承がなく
なるのでスラット51Baの自由端が下方へ回動して、
浮葉aが回収ダクト7に排出される。
【0039】また浮葉回収装置5を図9に示すように改
変することもできる。このものは浮葉aを積もらせる積
載板61と、この積載板61に積もった浮葉aを掃き出
す移送体51であるハケ状の掃出体51Cと、この掃出
体51Cを保持して移送する移送部材とから成る。なお
基本実施例と同様に散茶胴2の上部右側面には排出口2
3が開口され、ここに回収ダクト7が具えられている。
以下詳細にこれら部材について説明すると、積載板61
は排出口23の下縁に接して散茶胴2内へ水平に具えら
れるものであって、積載板61と散茶胴2左面との間は
約200mmの間隔が開いており、ここが散茶胴2上方
を浮いている浮葉aを積載板61上へ送り込む取入口5
5となっている。そしてこの積載板61の上方に駆動プ
ーリ59aと、従動プーリ59bと、これら駆動プーリ
59aと従動プーリ59bとの間に巻回されるベルト6
0とからなる移送部材が設けられており、このベルト6
0に積載板61に当接し、積載板61の上面に載った浮
葉aを排出口23へ掃き出す移送体51であるハケ状の
掃出体51Cが取り付けられている。また一例として積
載板61の下方にも駆動プーリ62aと、従動プーリ6
2bと、これら駆動プーリ62aと従動プーリ62bと
の間に巻回されるベルト63と、このベルト63に取り
付けられ積載板61に当接して積載板61下面に停滞し
た蒸葉Aを除去するハケ状の除去体64が具えられてい
る。なお掃出体51C及び除去体64としては、ハケ状
のもののほか、積載板61上の浮葉aを掃き出せるもの
なら適宜のものを使用でき、例えばほうき状、ブラシ
状、スクレーパ状あるいは合成樹脂などで形成し適度の
弾性を有する矩形平板状のものでもよい。
【0040】以上のように浮葉回収装置5を構成した場
合、まず取入口55から積載板61上方に上昇した浮葉
aは送風機3の熱風または冷風が積載板61により遮ら
れて、積載板61上に落ちる。そして積載板61に載っ
た浮葉aは排出口23方向へ移動する掃出体51Cによ
り掃き出されていく。また積載板61下の除去体64は
積載板61下面に当接しているときは、取入口55方向
へ移動しており、蒸葉Aが風圧により積載板61下面に
張り付いていても、除去体64により掃かれて散茶胴2
下方へ落ちるか、または取入口55方向へ移動され積載
板61上面側に積載される。なおもちろんこの実施例で
示した除去体64は、上述の実施例で示した浮葉ガイド
板52下面にも具えておくようにしてももちろんよい。
【0041】また浮葉回収装置5のその他の実施態様と
しては最も簡単には、平板状の移送体51を排出口23
方向へ移動させれば、浮葉aがこの移送体51に当接し
て一緒に移動できるものであって、例えば図12(a)
のようにベルト65に平板状の移送体51を吊るし、こ
れを散茶胴2外部に具えた駆動プーリ66aと従動プー
リ66bとの間に巻回して往復直線移動させるようにし
ても浮葉aの回収がある程度可能であるし、図12
(b)のようにモータM2 により回動する支承ロッド6
7に接続しておいて揺動運動させても浮葉aの回収が可
能である。なおこのような移送体51の形状は平板状の
ほか、屈曲しておいてもよいし(図10(a)参照)、
湾曲して容器状に形成しておいてもよい(図10(b)
参照)。
【0042】
【発明の効果】浮葉aに当接して排出口23へ移送する
移送体51を具えた浮葉回収装置5を設けた場合、いつ
までも散茶胴2上方を浮いて変質した蒸葉Aが、機械的
に取り除かれ、他の蒸葉Aに混入しないため、最良品質
のてん茶を提供することができる。また作業者はこの取
り除き作業がなくなるため、非常に楽となるし、取り除
きのために装置を一旦止めるようなことも無くなり、極
めて能率的となる。
【0043】更に散茶胴2の排出口23外部に回収ダク
ト7が具えられた場合、浮葉回収装置5により排出され
た浮葉aが散茶胴2外部に散らばらず、例えばてん茶機
DのコンベヤDcに移送するなど適宜の回収された浮葉
aの処理が行える。
【0044】また移送体51として、無端帯状の移送ベ
ルト51Aを使用し、ベルトコンベヤ状に構成した場合
は、例えば平板状の移送体51を排出口23へ向け直線
往復動させるのと異なり、常時連続して浮葉aを排出口
23へ排出することができ、浮葉aを散茶胴2上部で攪
拌して散らしてしまうようなことがない。
【0045】また移送体51として、複数の回動自在な
スラット51Baを連接して無端帯状に形成したものを
使用した場合は、排出口23外部で浮葉aを排出する際
に、スラット51Baの自由端側が下方へ回動し、浮葉
aが遠心力により振り払うように確実に落とされるた
め、スラット51Baに浮葉aが付着したままとなるよ
うなことが生じにくい。
【0046】また浮葉ガイド板52を具えた場合、浮葉
aがスムーズに移送体51の駆動軌道上に運ばれる。
【0047】また移送体51として、例えばハケ等を適
用した掃出体51Cを使用し、積載板61上に載った浮
葉aを掃き出すようにした場合、浮葉aを確実に排出口
23へ移送し、排出口23外部へ落とすことができる。
なお掃出体51Cを上方の駆動プーリ59aと従動プー
リ59bとに巻回されたベルト60に取り付けておいた
場合は、浮葉aの掃き戻しをするような動作がなく、積
載板61当接時には常に排出口23方向へ浮葉aを掃き
出しながら移動する。
【0048】また除去体64を具えた場合、移送体51
の駆動軌道上に進まずつかえた浮葉aが積極的に除去さ
れる。
【0049】また散茶胴2の周面が振るい落とし動作可
能な程度に撓むことのできるネット22である場合に
は、散茶胴2周面に付いている蒸葉Aを簡単に取り除く
ことができ、変質した蒸葉Aが混入して製品としてのて
ん茶の味を下げるようなこともない。また散茶胴2外部
からの作用で取り除きが行えるようになったため、従来
の剛性を有する金網では実現できなかった、散茶胴2周
面に付いている蒸葉Aの除去の自動化が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浮葉回収装置付き散茶装置を組み込ん
だてん茶製造ラインを示す縦断側面図である。
【図2】本発明の浮葉回収装置付き散茶装置の一部を拡
大して示す縦断側面図である。
【図3】同上浮葉回収装置周辺を拡大して示す縦断斜視
図である。
【図4】同上縦断正面図である。
【図5】同上火炉ユニットの供給管の管路構成を異なら
せた他の実施例を示す縦断側面図である。
【図6】送風機を設けず、火炉ユニットだけで蒸葉を吹
き上げるようにした実施例を示す縦断側面図である。
【図7】送風機の吹出口に臨んでバーナを取り付けた実
施例を示す縦断側面図である。
【図8】浮葉回収装置の他の実施例を示す縦断正面図並
びに縦断側面図である。
【図9】同上更に他の実施例を示す縦断正面図である。
【図10】移送体の形状を異ならせた二種の実施例を示
す側面図である。
【図11】ネット打機の種々の実施例を示す縦断側面図
である。
【図12】浮葉回収装置の更に他の二種の実施例を示す
縦断正面図である。
【符号の説明】
1 散茶装置 2 散茶胴 2A 第一散茶胴 2B 第二散茶胴 2C 第三散茶胴 2D 第四散茶胴 3 送風機 3A 第一送風機 3B 第二送風機 3C 第三送風機 3D 第四送風機 4 火炉ユニット 5 浮葉回収装置 7 回収ダクト 8 ネット打機 9 ネット揺らし機 10 バーナ 21 機枠 22 ネット 23 排出口 24 投入シュート 25 送込シュート 31 吹出口 32 吸込口 41 燃焼室 42 バーナ 43 供給管 50 ベルトコンベヤ 51 移送体 51A 移送ベルト 51Ba スラット 51Bb チェーン 51Bc 係止部 51C 掃出体 52 浮葉ガイド板 53 駆動ローラ 54 従動ローラ 55 取入口 56 回動芯 57a 駆動スプロケット 57b 従動スプロケット 58 支承板 59a 駆動プーリ 59b 従動プーリ 60 ベルト 61 積載板 62a 駆動プーリ 62b 従動プーリ 63 ベルト 64 除去体 65 ベルト 66a 駆動プーリ 66b 従動プーリ 67 支承ロッド 68 ワイヤ 81 ロッド 82 打体 91 回動支点 92 シリンダ 92a シリンダロッド A 蒸葉 a 浮葉 D てん茶機 Dc コンベヤ M1 モータ M2 モータ S 蒸機

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通気性を有する散茶胴を複数段連接して
    蒸葉を各散茶胴ごとに吹き上げ、冷却・露切りをして、
    蒸葉を展開させる装置において、前記散茶胴上方には散
    茶胴上方で浮いて下方へ落下しない浮葉を排出する排出
    口が開口されるとともに、浮葉に当接してこの排出口へ
    向かって移動することにより浮葉を移送する移送体が具
    えられることを特徴とする浮葉回収装置付き散茶装置。
  2. 【請求項2】 前記散茶胴の排出口外部には回収ダクト
    が具えられていることを特徴とする請求項1記載の浮葉
    回収装置付き散茶装置。
  3. 【請求項3】 前記移送体は無端帯状の移送ベルトであ
    り、駆動ローラと従動ローラとの間に巻回されているこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の浮葉回収装置付
    き散茶装置。
  4. 【請求項4】 前記移送体は複数のスラットが送り方向
    の一端のみで回動自在に支持された状態で連接して無端
    帯状に形成され、駆動回転体と従動回転体との間に巻回
    されて成るもので、個々のスラットは、散茶胴内では自
    由端が下方に回動しないように支承されて互いの間に間
    隔を有しないで移動し、排出口から散茶胴外部に出た位
    置においては支承されず、自由端が下方に回動して互い
    の間に間隔を有して移動することを特徴とする請求項1
    または2記載の浮葉回収装置付き散茶装置。
  5. 【請求項5】 前記移送体の下方には、移送体と散茶胴
    との間に開口する取入口に向かって上り傾斜となる浮葉
    ガイド板が具えられていることを特徴とする請求項3ま
    たは4記載の浮葉回収装置付き散茶装置。
  6. 【請求項6】 前記移送体は、前記排出口に接して散茶
    胴上部に具えられた積載板の上面に対し、当接して移動
    する掃出体であることを特徴とする請求項1または2記
    載の浮葉回収装置付き散茶装置。
  7. 【請求項7】 前記掃出体は、前記積載板上方に具えら
    れた駆動プーリと従動プーリとの間に巻回されるベルト
    に取り付けられ、移動することを特徴とする請求項6記
    載の浮葉回収装置付き散茶装置。
  8. 【請求項8】 前記積載板下方には、積載板下面に当接
    し、積載板と散茶胴側面との間に開口する取入口に向か
    って移動する除去体が具えられていることを特徴とする
    請求項6または7記載の浮葉回収装置付き散茶装置。
  9. 【請求項9】 前記散茶胴は縦長の柱状に骨組みされた
    機枠の周面に対し、振るい落とし動作可能な程度に撓む
    ことのできるネットが張られて形成されていることを特
    徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8記
    載の浮葉回収装置付き散茶装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013223441A (ja) * 2012-04-20 2013-10-31 Fukujuen:Kk 碾茶炉、荒茶製造方法、及び、荒茶
CN103636828A (zh) * 2013-12-25 2014-03-19 四川农业大学 一种离心摊青机
JP2016010376A (ja) * 2014-06-30 2016-01-21 京都府 てん茶製造方法及び装置
CN106689455A (zh) * 2017-03-08 2017-05-24 绍兴起重机总厂 一种蒸汽杀青碾茶生产线
JP2018161096A (ja) * 2017-03-27 2018-10-18 カワサキ機工株式会社 不適茶葉の選別除去装置

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