JP2016010376A - てん茶製造方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】てん茶に適した熱履歴で乾燥を行うこが可能なてん茶製造装置の提供。
【解決手段】てん茶の原料である覆い下茶葉は、蒸機により蒸気加熱された後、冷却散茶機において散布冷却され、てん茶製造装置10の第1コンベヤ13の始端上に載置され、茶葉は、第1コンベヤ13に乗って第1乾燥室11内を通過する間、複数の遠赤外線ヒータ15による加熱により乾燥され、この加熱温度(雰囲気温度)は、第1乾燥室11の入口側(第1コンベヤ13の始端側)の方で高く、出口側(終端側)の方で低くなるように、制御され、更に、茶葉は、第1乾燥室11を出て第1コンベヤ13の終端から第2コンベヤ14の始端に受け渡され、第2コンベヤ14に乗って第2乾燥室12内を通過する間、複数の遠赤外線ヒータ15により、入口側(第2コンベヤ14の始端側)の方で高く、出口側(終端側)の方で低くなるように加熱・乾燥を制御するてん茶製造装置10。
【選択図】図1

Description

本発明は、抹茶の原料となるてん茶を製造する方法、及びその装置に関する。
てん茶は、仕上げ加工の後、さらに挽き臼による粉砕を経て最終製品の抹茶となるもので、製造工程では、覆い下栽培を行った生葉に短時間(10〜15秒程度)の蒸熱を行い、茶葉の冷却と展開を促す冷却散茶の後、てん茶機で乾燥が行われる。この乾燥工程がてん茶の品質を決定する大きな要因となることから、この乾燥装置が単にてん茶機又はてん茶製造装置と呼ばれる。
従来のてん茶製造装置は、一般的に、工場内に構築されるトンネル状のれんが積み装置となっており、その中に複数段の加熱室が設けられるとともに、それらの間で茶葉を移動させるための金網製ベルトコンベヤが設けられる。
茶葉は、冷却散茶機から該ベルトコンベヤ上に展開された状態で散布され、その状態のまま製造装置内を移動する。
一般に、食品の乾燥工程では、乾燥が進むに従って乾燥速度が低下する。そこで、後半の乾燥速度の低下を補うために加熱の程度を大きくすると、てん茶の場合、葉の温度の上昇が大きくなり、鮮やかな色合いや茶種特有の香味が失われてしまう。これらの品質は、てん茶及び抹茶の商品性において最も重要なものである。
そこで、従来のてん茶製造装置では、乾燥後の茶葉の品質を維持するとともに、乾燥速度を上げて生産性を高めるために、様々な工夫がなされていた。
特許文献1には、乾燥室を上下2段に分割し、それぞれに火炉を設けて、各火炉から熱風を上下各乾燥室に供給するとともに、上段(乾燥工程の前半部分)には複数の遠赤外線照射体を設けたてん茶製造装置が開示されている。
また、特許文献2にも、乾燥室を完全には上下に分割しないものの、上下用にそれぞれ火炉を設けた乾燥室の構造が開示されている。
さらに、温度条件等が異なる2つの乾燥室に乾燥条件(乾燥温度や乾燥時間)の異なるコンベヤを計3から5段設置することにより、茶葉の乾燥程度に応じた段階的な加熱を行うようにしたてん茶製造装置もある(非特許文献1)。
実開平04-80382号公報 特開平08-49972号公報
村上宏亮他,「茶の湯と科学」,淡交社(2000), p. 117〜119
前記のとおり、従来のてん茶製造装置では、れんが積みの装置本体の内部に茶葉を搬送するためのコンベヤが設けられているが、その加熱は、重油を燃料とするバーナにより行われていた。すなわち、火炉において重油バーナを燃焼させることにより生成した熱風を、直接、或いは煙道(ダクト)を通じて乾燥室内に供給することにより、金網コンベヤ上を移動する茶葉に熱を与えていた。
しかし、従来のてん茶製造装置では、全体を前半と後半に分離し、それぞれに熱風を供給することにより前半と後半の温度を別異のものとし、それぞれ管理しているものの、それ以上の細かい温度管理は行われていなかった。前述の通り、てん茶は茶葉を展開し散布した状態でコンベヤに載せて乾燥を行っているため、茶葉の1枚1枚が雰囲気の温度に直接影響される。そして、てん茶の乾燥は、茶葉の鮮やかな色合いと特有の香味を保持することが絶対条件となるが、従来のてん茶製造装置では、原料たる茶葉の様々な条件に応じて適切な乾燥条件を設定するために、長い事前準備期間を要していた。
もう一つの問題は、装置自体に関する問題である。従来のてん茶製造装置は、通常、高さ2〜4 m、長さ10〜13 m、金網コンベヤの幅が1.2〜2 mと、製茶機械中最大の装置であり、また、れんが積みの構築物であるため、一度設置すると、移動や機械配置の変更は非常に困難であった。また、エネルギー効率が低いため、CO2排出量が多いとともに、大容量火炉(重油バーナ)からの熱が輻射等により工場内に放出され、作業環境を悪化させないように、断熱材を厚くしておく必要があった。
本発明が解決しようとする課題は、てん茶に適した熱履歴で乾燥を行うことにより、高品質のてん茶を製造することができる一方、装置自体も比較的小型であり、良好なエネルギー効率を有すると共にCO2排出量の少ない、てん茶製造装置を提供することである。
本発明者らは、てん茶独自の香味や色合いに影響を与えることなく、加工能率を向上させる方法を調査した。その結果、既存てん茶機で放射伝熱と対流伝熱により茶葉が加熱されるとき、放射伝熱による加熱効率の低いことが、加工能率が小さくなる主原因であり、放射伝熱による加熱を面状遠赤外線ヒータ等で行うことにより、段階的な加熱を効率よく行うことができ、装置の能力向上による小型化や、操作性の向上につながることを見出した。
そこで、上記課題を解決するために成された本発明に係るてん茶製造装置は、
始端及び終端が乾燥室外に位置し、その間が第1乾燥室内を通過する第1コンベヤと、
始端及び終端が乾燥室外に位置し、その間が第2乾燥室内を通過する第2コンベヤと、
該第1乾燥室内及び該第2乾燥室内にそれぞれ該第1コンベヤ及び該第2コンベヤに沿って設けられた複数の遠赤外線ヒータと、
該第1乾燥室内において該第1コンベヤに沿って加熱温度が徐々に低下するように、且つ、該第2乾燥室内において該第2コンベヤに沿って加熱温度が徐々に低下するように、該複数の遠赤外線ヒータの出力を個別に制御する制御部と
を備えることを特徴とする。
本発明に係るてん茶製造装置を用いたてん茶の製造方法は次の通りである。てん茶の原料である覆い下茶葉は、蒸機により蒸気加熱された後、冷却散茶機において散布冷却され、第1コンベヤの始端上に載置される。茶葉は、第1コンベヤに乗って第1乾燥室内を通過する間、複数の遠赤外線ヒータによる加熱により乾燥されるが、この加熱温度(雰囲気温度)は、第1乾燥室の入口側(第1コンベヤの始端側)の方で高く、出口側(終端側)の方で低くなるように、制御部により制御されている。茶葉は、第1乾燥室を出たところで第1コンベヤの終端から第2コンベヤの始端に受け渡され、同様に第2コンベヤに乗って第2乾燥室内を通過する間、複数の遠赤外線ヒータにより、入口側(第2コンベヤの始端側)の方で高く、出口側(終端側)の方で低くなるように加熱される。
本発明に係るてん茶製造装置ではこのように、各コンベヤに沿って設けられた複数の遠赤外線ヒータにより、茶葉の乾燥時の温度を微妙にコントロールすることができるため、てん茶に適した熱履歴で乾燥を行うことが可能となる。そのため、茶葉の鮮やかな色合いと特有の香味を保持しつつ、効率よく高品質のてん茶を製造することができるようになる。
また、加熱装置として複数の遠赤外線ヒータを用いているため、個々の遠赤外線ヒータは小型のものでよく、全体として加熱部を小型化することができる。これにより、てん茶製造装置を総体的に小型化することが可能となり、移設等が容易となる。更に、茶葉が搬送されるコンベヤに沿って複数の遠赤外線ヒータを配設しているため、無駄なエネルギーを最少化することができ、全体としてのエネルギー効率を高めることができると共に、CO2排出量を低減することができる。
本発明に係るてん茶製造装置は、上記複数の遠赤外線ヒータの他に熱風ヒータを備えるようにしてもよい。その場合、制御部による複数の遠赤外線ヒータの上記のような温度制御が可能となるように、熱風ヒータの配置及び熱風ヒータによる加熱を考慮すべきであることはもちろんである。
本発明の一実施形態であるてん茶製造装置の平面図(a)、側面図(b)、入口側正面図(c)及び出口側正面図(d)。 図1のてん茶製造装置において、第1乾燥室における操作上の要因と各要因の効果をみるために設定した水準を示す表(表1)。 図2(表1)に示した各要因が乾燥の円滑化に及ぼす効果を示す表(表2)。 図2(表1)に示した要因のうち遠赤外線(遠赤)ヒータ温度(要因A)と雰囲気温度(要因B)が工程終了後茶葉の色合いと香味に及ぼす影響を示す表(表3)。 図1のてん茶製造装置において、第2乾燥室における操作上の要因と各要因の効果をみるために設定した水準を示す表(表4)。 図5(表4)に示した各要因が乾燥の円滑化に及ぼす効果を示す表(表5)。 図5(表4)に示した要因のうち遠赤外線(遠赤)ヒータ温度(要因A)と雰囲気温度(要因B)が工程終了後茶葉及び製品の色あいと香味に及ぼす影響を示す表(表6)。 本発明法(図1のてん茶製造装置)で製茶したときと従来装置で製茶したときの製茶品質(官能検査結果、及び測色値)の比較表(表7)。 本発明法(図1のてん茶製造装置)で製茶したときと従来装置で製茶したときのDMS含量の比較表(表8)。 図1のてん茶製造装置と従来のてん茶製造装置の機械容積の比較表(表9)。 図1のてん茶製造装置で第1乾燥室の廃熱を第2乾燥室の内部に導入したときの消費電力を示す表(表10)。 図1のてん茶製造装置で第1乾燥室の廃熱を第2乾燥室の内部に導入したときの製茶品質を示す表(表11)。 生葉1 kgの乾燥に要した熱量と総合熱効率の比較表(表12)。 生葉1 kg当たりのエネルギーコストの比較表(表13)。 生葉1 kg当たりのCO2排出量の比較表(表14)。 第1コンベヤの茶葉散布量と工程終了後茶葉の状態を示す表(表15)。 第1コンベヤの茶葉散布量と製茶品質を示す表(表16)。 第1乾燥室の各種パラメータの設定例を示す表(表17)。 第2乾燥室の各種パラメータの設定例を示す表(表18)。 本発明の別の実施形態であるてん茶製造装置の平面図(a)、側面図(b)及び入口側正面図(c)。
以下、本発明を実施したてん茶製造装置の一形態について説明する。本実施形態のてん茶製造装置10は、図1に示すように、連続して設けられた2つの乾燥室(第1乾燥室11、第2乾燥室12)を備え、各乾燥室11、12に金網コンベヤ(第1コンベヤ13、第2コンベヤ14)を有する2段コンベヤ式乾燥装置である。
各乾燥室11、12のコンベヤ13、14の上部天井には面状の遠赤外線ヒータ15が多数設けられ、コンベヤ13、14上の茶葉を満遍なく加熱するようになっている。各乾燥室11、12は長手方向に4つのゾーンに区分され、面状遠赤外線ヒータ15は、各ゾーンごとに独立に出力制御されるようになっている。
さらに、第1乾燥室11内の前後に各1台(計2台)、第2乾燥室12内の前後に各1台(計2台)の熱風発生機16が設けられ、熱風による乾燥室内の対流加熱を行う。
これらの加熱装置(面状遠赤外線ヒータ15及び熱風発生機16)を制御するための温度の測定は、各乾燥室11、12において、面状遠赤外線ヒータ15については各ゾーン毎に1つ(すなわち、各乾燥室11、12に4つ)設置された表面温度計で、熱風発生機16については連続する2つのゾーン毎に1つ(すなわち、各乾燥室11、12に2つ)設置された雰囲気温度計で行う。雰囲気温度計の先端(感温部)は各コンベヤ13、14の上部走行面(茶葉載置面)の直上5 cmに位置するように配置されている。
各乾燥室の天井には、それぞれ3本の排気筒(ダンパ付き)17が立設されている。
本実施例のてん茶製造装置の仕様は次の通りである。
処理量(茶葉投入量):10 kg/h
装置外形寸法:高さ 1695 mm(排気筒を除く)、幅 1675 mm、長さ 7700 mm
電源:3相 200V、250A
各乾燥室11、12の仕様は次の通りである。
第1乾燥室11
外形寸法:高さ 1695 mm (排気筒を除く)、幅 1675 mm、長さ 4200 mm
遠赤外線ヒータ15
枚数:72枚(総出力:最大 6.5 kW/m2
(TPR熱学株式会社製商品名クイックウルトラサーモシリーズ)
取付位置:コンベヤ13上面から150 mm
熱風発生機16
台数:2台
出力:5 kW/台
最高温度:150℃
最大吐出風量:3.1 m3/分/台
第2乾燥室12
外形寸法:高さ 1345 mm (排気口除く)、幅 1675 mm、長さ 3850 mm
(第1乾燥室との重なり長さ:350 mm)
遠赤外線ヒータ15
枚数:72枚(総出力:最大 3.5 kW/m2
取付位置:コンベヤ14上面から 150 mm
熱風発生機16
台数:2台
出力:7.5 kW/台
最高温度:120℃
最大吐出風量:5.1 m3/分/台
本実施例のてん茶製造装置10を用いたてん茶の製造工程は、次の通りとなる。なお、以下のような制御を行う制御部は、乾燥室11、12等からは離れた場所に設けられている(図示せず)。
蒸熱の後、冷却散茶された覆い下茶葉は、本てん茶製造装置10の第1コンベヤ13の始端上に散布され、第1乾燥室11に入る。第1乾燥室11を抜けた第1コンベヤ13の終端上の茶葉は、それよりも下方に設けられた第2コンベヤ14の始端上に落下し、同様に第2乾燥室12を通り抜ける。両乾燥室11、12を通り抜けることにより茶葉の乾燥が終了し、てん茶が完成する。
各乾燥室11、12内では、コンベヤ13、14上の茶葉には、上部に設置された面状遠赤外線ヒータ15から放射伝熱がもたらされるとともに、熱風発生機16から導入される熱風により対流伝熱がもたらされる。ここで、茶葉の乾燥は、乾燥が進むに従って加熱の程度を弱く、乾燥時間を長くするため、後述するように、各ヒータ(面状遠赤外線ヒータ及び熱風乾燥機)15、16による加熱は第1乾燥室11の方が第2乾燥室12よりも強くなっており、コンベヤ13、14の速度は、第2乾燥室12の方が第1乾燥室11よりも遅くなっている。
具体的には、各ヒータ15、16の加熱は次のように行う。まず、面状遠赤外線ヒータ15の出力は、該面状遠赤外線ヒータ15付属の温度計により測定されるヒータの表面温度等を指標として調節する。そして、熱風乾燥機16の熱風温度は雰囲気温度計により測定される装置内雰囲気温度等を指標として調節する。
本発明に係るてん茶製造装置10を使用する場合について、遠赤外線ヒータ15の温度と雰囲気温度、及び装置内通過時間が品質等に及ぼす効果を調査した結果を表1(図2)〜表6(図7)に示す。
この調査の結果に基づき決定した、本発明装置10におけるそれらの要因の設定例を表17(図18)及び表18(図19)に示す。第1コンベヤ13の入口側の雰囲気温度は141℃〜155℃、出口側は118℃〜128℃であることが望ましい。第2コンベヤ14の入口側の雰囲気温度は105℃〜114℃、出口側は90℃〜98℃であることが望ましい。いずれにせよ、第1コンベヤ13、第2コンベヤ14とも、入口側から出口側にかけて雰囲気温度が徐々に低下するように、面状遠赤外線ヒータ15を制御する。
本発明による製茶法は、てん茶特有の色合い(色沢)や香味等を生成する効果を持つ放射伝熱(遠赤外線ヒータ15からの放射)と、茶葉の乾燥を円滑に進める効果を持つ対流伝熱(熱風発生機16で調節する装置内雰囲気温度)とを茶葉の乾燥程度に応じて個別に調節することにより、従来のてん茶製造装置では再現不可能であった、てん茶に求められる品質を得ることができる。本発明に係るてん茶製造装置で製造した茶葉の製茶品質は、てん茶特有の色あいと香味を備え、従来の装置で製造したものと遜色がない。
本発明によるてん茶製造装置10を用いた製茶法と従来法(非特許文献1に記載の従来装置)の品質の比較結果を表7(図8)及び表8(図9)に示す。
表7(図8)は、重要な製茶品質の一つである官能検査及び色の検査結果である。本発明に係る装置10によると、てん茶として好ましい色合いである緑や青みの程度が大きくなり、従来の装置と同等以上の製茶品質を得ることができる。
製茶品質は、また、覆い下茶の香りを特徴付ける香気成分であるジメチルスルフィド(DMS)の含量でも表されることが知られている。表8(図9)に示されるように、DMS含量は本発明装置10による製茶法で従来装置よりも多い傾向がみられる。
次に、設備容積等の設置の容易性について、従来装置と比較する。表9(図10)に示すように、本発明に係る装置10では、放射伝熱による加熱に電力等を熱源とする遠赤外線ヒータ等15を用い、装置の壁にセラミックファイバー等の断熱材を用いることにより、茶葉加工量当たりの装置容積を、従来装置と比べ32〜40 %削減することができる。このことにより、装置の小形軽量化や、加工済み部材の現地組み立て等による設置方法の簡便化が図られ、装置の移動や規模の変更が可能となる。また、壁からの熱損失が小さくなることにより、工場内における作業環境の改善につながる。
エネルギー効率等に関しても、本発明に係る装置10は従来装置を上回っているが、特に、第1乾燥室11の廃熱を第2乾燥室12内に導入した場合、そのエネルギー効率は更に良好なものとなる。表10(図11)は第1乾燥室11の廃熱を第2乾燥室12の内部に導入した場合とそのような廃熱利用を行わない場合の消費電力を測定した結果であるが、廃熱を利用することにより消費電力は13 %近く低減している。このように廃熱を利用した場合でも、表11(図12)に示すように、製茶品質に問題はなかった。
表12(図13)及び表13(図14)に示すように、電力を熱源とし、放射伝熱による加熱に面状遠赤外線ヒータ15を用いて、前記のように廃熱を利用した場合、茶生葉1 kg当たりの製茶に要する熱量は、従来装置の30,107 kJに対して6,516 kJと78 %削減することができ、総合熱効率は、従来装置の7.0 %に対して32.4 %で、25ポイント向上する。このことにより、エネルギーコストの削減も見込める。また、CO2排出量は、従来装置では生葉1 kgあたり2.09 kgであるのに対して本発明装置10では0.81 kgで、61 %削減することができる(表14(図15))。
本発明に係るてん茶製造装置10では、熱風発生機16による雰囲気温度の全体的調整を行った上で、面状遠赤外線ヒータ15を個別に制御することにより、コンベヤ13、14上の茶葉の加熱温度を微妙に設定する。これらの制御は、予め実験を行うことにより要件を定めた後は、自動で行うことができるため、操作が容易になるとともに、安定した乾燥条件が得られる。茶葉の加熱が安定かつ効率的に行われることにより、第1コンベヤ13への茶葉散布量(時間当たり加工量)を、従来装置で行われていた標準量よりも20 %増加することができる(表15(図16)、表16(図17))。
上記実施形態(図1)では、第1コンベヤ13(第1乾燥室11)と第2コンベヤ14(第2乾燥室12)は直列に前後に配置されていたが、それらを上下に2段に配置することもできる。そのように構成した例を図20に示す。このてん茶製造装置20では、第1乾燥室21及び第1コンベヤ23が上方に、第2乾燥室22及び第2コンベヤ24が下方に、2段に配置されている。このため、第1乾燥室21の上部に設けられた面状遠赤外線ヒータ25が第2乾燥室22の加熱をも行い、第2乾燥室22の下部に設けられた熱風発生機26が第1乾燥室21の加熱をも行う。
10、20…てん茶製造装置
11、21…第1乾燥室
12、22…第2乾燥室
13、23…第1コンベヤ
14、24…第2コンベヤ
15、25…面状遠赤外線ヒータ
16、26…熱風発生機
17、27…排気筒

Claims (4)

  1. 始端及び終端が乾燥室外に位置し、その間が第1乾燥室内を通過する第1コンベヤと、
    始端及び終端が乾燥室外に位置し、その間が第2乾燥室内を通過する第2コンベヤと、
    該第1乾燥室内及び該第2乾燥室内にそれぞれ該第1コンベヤ及び該第2コンベヤに沿って設けられた複数の遠赤外線ヒータと、
    該第1乾燥室内において該第1コンベヤに沿って雰囲気温度が徐々に低下するように、且つ、該第2乾燥室内において該第2コンベヤに沿って雰囲気温度が徐々に低下するように、該複数の遠赤外線ヒータの出力を個別に制御する制御部と
    を備えることを特徴とするてん茶製造装置。
  2. 前記制御部が、前記第1乾燥室の入口側の雰囲気温度が141℃〜155℃、出口側の雰囲気温度が118℃〜128℃、前記第2乾燥室の入口側の雰囲気温度が105℃〜114℃、出口側の雰囲気温度が90℃〜98℃となるように制御することを特徴とする請求項1に記載のてん茶製造装置。
  3. 第1乾燥室と第2乾燥室の2つの乾燥室を通すことにより茶葉を加熱し、乾燥するてん茶製造方法であって、
    該第1乾燥室及び該第2乾燥室をそれぞれ通過する第1コンベヤ及び第2コンベヤに沿って設けた複数の遠赤外線ヒータの出力を個別に制御することにより、
    該第1乾燥室内において該第1コンベヤに沿って雰囲気温度が徐々に低下するように、且つ、該第2乾燥室内において該第2コンベヤに沿って雰囲気温度が徐々に低下するように、
    前記茶葉の加熱を行うことを特徴とするてん茶製造方法。
  4. 前記第1乾燥室の入口側の雰囲気温度が141℃〜155℃、出口側の雰囲気温度が118℃〜128℃、前記第2乾燥室の入口側の雰囲気温度が105℃〜114℃、出口側の雰囲気温度が90℃〜98℃となるように制御することを特徴とする請求項3に記載のてん茶製造方法。
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