JPH07240202A - アルカリ電池 - Google Patents
アルカリ電池Info
- Publication number
- JPH07240202A JPH07240202A JP2956894A JP2956894A JPH07240202A JP H07240202 A JPH07240202 A JP H07240202A JP 2956894 A JP2956894 A JP 2956894A JP 2956894 A JP2956894 A JP 2956894A JP H07240202 A JPH07240202 A JP H07240202A
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- JP
- Japan
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- negative electrode
- bismuth
- zinc alloy
- zinc
- alloy powder
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-
- Y02E60/12—
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- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 酸化ビスマスまたは塩化ビスマスを亜鉛合金
の防食剤として用いることで、負極活物質として無汞化
の亜鉛合金を用いた場合でも耐漏液性に優れたアルカリ
電池を提供する。 【構成】 負極活物質とゲル状アルカリ電解液と混合し
てなるゲル状負極中に、酸化ビスマスまたは塩化ビスマ
スを亜鉛合金粉に対し0.01〜0.5重量%の範囲で
含有させるとともに、負極活物質の亜鉛合金粉として亜
鉛に対しビスマスを0.01〜0.2重量%、または亜
鉛に対しビスマスを0.01〜0.2重量%、カルシウ
ムを0.0025〜0.05重量%の範囲で含有したも
のを用いる。
の防食剤として用いることで、負極活物質として無汞化
の亜鉛合金を用いた場合でも耐漏液性に優れたアルカリ
電池を提供する。 【構成】 負極活物質とゲル状アルカリ電解液と混合し
てなるゲル状負極中に、酸化ビスマスまたは塩化ビスマ
スを亜鉛合金粉に対し0.01〜0.5重量%の範囲で
含有させるとともに、負極活物質の亜鉛合金粉として亜
鉛に対しビスマスを0.01〜0.2重量%、または亜
鉛に対しビスマスを0.01〜0.2重量%、カルシウ
ムを0.0025〜0.05重量%の範囲で含有したも
のを用いる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルカリ電池に関し、特
に亜鉛合金粉を負極活物質とし、アルカリ水溶液を電解
液とする電池の内部で発生する水素ガスによる電池内圧
の上昇を抑制し、保存性に優れたアルカリ電池に関す
る。
に亜鉛合金粉を負極活物質とし、アルカリ水溶液を電解
液とする電池の内部で発生する水素ガスによる電池内圧
の上昇を抑制し、保存性に優れたアルカリ電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来この種のアルカリ電池は、電池の保
存中あるいは部分放電後において亜鉛の自己消耗や腐食
により水素ガスが発生し電池内圧を上昇させ、時として
爆発、漏液等の危険を伴うことがある。そのため負極活
物質である亜鉛による水素ガス発生を少なくするため、
例えば特開昭62−123653号公報に示されている
ように、亜鉛に、インジウム、鉛等を含有した亜鉛合金
粉を用い、水素ガスの発生を抑制し保存中の電池内圧の
上昇を防ぎ、保存性を確保し、性能劣化の少ないアルカ
リ電池として普及している。
存中あるいは部分放電後において亜鉛の自己消耗や腐食
により水素ガスが発生し電池内圧を上昇させ、時として
爆発、漏液等の危険を伴うことがある。そのため負極活
物質である亜鉛による水素ガス発生を少なくするため、
例えば特開昭62−123653号公報に示されている
ように、亜鉛に、インジウム、鉛等を含有した亜鉛合金
粉を用い、水素ガスの発生を抑制し保存中の電池内圧の
上昇を防ぎ、保存性を確保し、性能劣化の少ないアルカ
リ電池として普及している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年の
低公害化の社会的ニーズの高まる中、水銀、インジウ
ム、鉛を使用しない亜鉛合金およびゲル状負極で前記の
性能を確保しなければならず、そのための研究開発が従
来から行われてきている。しかしながら、水銀、インジ
ウム、鉛を使用しない亜鉛合金粉およびゲル状負極を用
いて充分な耐食性を確保するのは困難が伴い、実用レベ
ルには至っていない。
低公害化の社会的ニーズの高まる中、水銀、インジウ
ム、鉛を使用しない亜鉛合金およびゲル状負極で前記の
性能を確保しなければならず、そのための研究開発が従
来から行われてきている。しかしながら、水銀、インジ
ウム、鉛を使用しない亜鉛合金粉およびゲル状負極を用
いて充分な耐食性を確保するのは困難が伴い、実用レベ
ルには至っていない。
【0004】亜鉛およびゲル状負極中にインジウムや鉛
を含有すると、亜鉛の水素過電圧を高め腐食反応を抑制
し、腐食反応に伴う水素ガスの発生を抑制する作用があ
るが、これらを含有しない亜鉛粉、ゲル状負極を用いる
ことは、水素ガス発生を助長する原因となる。このよう
な水素ガスの発生による電池内での著しい内圧の上昇が
生じると、電池の漏液につながり、電池の保存性や貯蔵
性を大きく損ない、かつ実用性能が確保できなくなる。
を含有すると、亜鉛の水素過電圧を高め腐食反応を抑制
し、腐食反応に伴う水素ガスの発生を抑制する作用があ
るが、これらを含有しない亜鉛粉、ゲル状負極を用いる
ことは、水素ガス発生を助長する原因となる。このよう
な水素ガスの発生による電池内での著しい内圧の上昇が
生じると、電池の漏液につながり、電池の保存性や貯蔵
性を大きく損ない、かつ実用性能が確保できなくなる。
【0005】本発明はこのような問題を解決するもので
あり、水銀とインジウム、鉛を使用しない亜鉛合金粉、
ゲル状負極を用いた電池の未放電あるいは部分放電後の
保存中に発生する水素ガスを抑制し、電池内圧の上昇を
抑え、良好な保存性を有したアルカリ電池を提供するこ
とを目的とする。
あり、水銀とインジウム、鉛を使用しない亜鉛合金粉、
ゲル状負極を用いた電池の未放電あるいは部分放電後の
保存中に発生する水素ガスを抑制し、電池内圧の上昇を
抑え、良好な保存性を有したアルカリ電池を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この問題を解決するため
本発明のアルカリ電池は、負極活物質として無汞化の亜
鉛合金粉を用い、これをゲル状アルカリ電解液に混合し
てなるゲル状負極を備えたアルカリ電池において、前記
ゲル状負極中に酸化ビスマスまたは塩化ビスマスを亜鉛
合金腐食抑制剤として含有させ、その含有量は、亜鉛合
金粉に対し0.01〜0.5重量%の範囲とし、さらに
負極主活物質の亜鉛合金粉として、亜鉛に対しビスマス
を0.01〜0.2重量%、または亜鉛に対しビスマス
を0.01〜0.2重量%及びカルシウムを0.002
5〜0.05重量%の範囲で含有させた亜鉛合金粉を用
いるものである。
本発明のアルカリ電池は、負極活物質として無汞化の亜
鉛合金粉を用い、これをゲル状アルカリ電解液に混合し
てなるゲル状負極を備えたアルカリ電池において、前記
ゲル状負極中に酸化ビスマスまたは塩化ビスマスを亜鉛
合金腐食抑制剤として含有させ、その含有量は、亜鉛合
金粉に対し0.01〜0.5重量%の範囲とし、さらに
負極主活物質の亜鉛合金粉として、亜鉛に対しビスマス
を0.01〜0.2重量%、または亜鉛に対しビスマス
を0.01〜0.2重量%及びカルシウムを0.002
5〜0.05重量%の範囲で含有させた亜鉛合金粉を用
いるものである。
【0007】
【作用】この構成により本発明のアルカリ電池は、負極
活物質として水銀とインジウムと鉛を含有しない亜鉛合
金粉を用い、これをゲル状アルカリ電解液に混合してな
るゲル状負極中に、酸化ビスマスまたは塩化ビスマスを
含有させることで、発生する水素ガスを減少させること
が可能となり、結果として電池の保存性が向上する。こ
の作用効果は充分に解明されていないが、以下のように
推定される。
活物質として水銀とインジウムと鉛を含有しない亜鉛合
金粉を用い、これをゲル状アルカリ電解液に混合してな
るゲル状負極中に、酸化ビスマスまたは塩化ビスマスを
含有させることで、発生する水素ガスを減少させること
が可能となり、結果として電池の保存性が向上する。こ
の作用効果は充分に解明されていないが、以下のように
推定される。
【0008】酸化ビスマスまたは塩化ビスマスをゲル状
アルカリ電解液中に含有させることにより、ビスマスが
亜鉛合金の表面の水素過電圧を上昇させるとともに、亜
鉛合金の表面を平滑化しその結果水素ガスの発生を抑制
する。さらに、負極活物質として亜鉛−ビスマス、また
は亜鉛−ビスマス−カルシウムの亜鉛合金粉を用いるこ
とにより、さらに保存性の良い電池が得られる。
アルカリ電解液中に含有させることにより、ビスマスが
亜鉛合金の表面の水素過電圧を上昇させるとともに、亜
鉛合金の表面を平滑化しその結果水素ガスの発生を抑制
する。さらに、負極活物質として亜鉛−ビスマス、また
は亜鉛−ビスマス−カルシウムの亜鉛合金粉を用いるこ
とにより、さらに保存性の良い電池が得られる。
【0009】上記の如く、本発明はゲル状負極中に酸化
ビスマスまたは塩化ビスマスを含有させるとともに、負
極活物質として亜鉛−ビスマス、または亜鉛−ビスマス
−カルシウムの無汞化亜鉛合金粉を用いることにより、
保存中の未放電電池および、部分放電後の電池の内圧の
上昇を軽減し、良好な保存性を有したアルカリ電池を提
供することができる。
ビスマスまたは塩化ビスマスを含有させるとともに、負
極活物質として亜鉛−ビスマス、または亜鉛−ビスマス
−カルシウムの無汞化亜鉛合金粉を用いることにより、
保存中の未放電電池および、部分放電後の電池の内圧の
上昇を軽減し、良好な保存性を有したアルカリ電池を提
供することができる。
【0010】
【実施例】以下本発明の一実施例のアルカリ電池につい
て図面に基づいて説明する。図1において、1は正極活
物質である二酸化マンガンと、導電剤である黒鉛のそれ
ぞれの粉末を混合して金属ケース6中に中空円筒状に成
型された正極合剤で、2は負極活物質である亜鉛合金粉
とゲル状アルカリ電解液を混合してなるゲル状負極で、
正極合剤1の内側に挿入された有底円筒状のセパレータ
3中に注入されている。樹脂封口体8は中心部にその先
端をゲル状負極2中に挿入して集電する集電子4を設
け、金属ケース6の開口上縁部にその外周部が当接して
封口するとともに集電子4の基部には底板9を当接して
いる。正極キャップ5を金属ケース6の底部上に載置
し、金属ケース6を熱収縮性チューブで被覆した後、円
筒状の外装缶7に挿入し、絶縁ワッシャを正極キャップ
側に介して外装缶7の上下の開口端部をかしめている。
て図面に基づいて説明する。図1において、1は正極活
物質である二酸化マンガンと、導電剤である黒鉛のそれ
ぞれの粉末を混合して金属ケース6中に中空円筒状に成
型された正極合剤で、2は負極活物質である亜鉛合金粉
とゲル状アルカリ電解液を混合してなるゲル状負極で、
正極合剤1の内側に挿入された有底円筒状のセパレータ
3中に注入されている。樹脂封口体8は中心部にその先
端をゲル状負極2中に挿入して集電する集電子4を設
け、金属ケース6の開口上縁部にその外周部が当接して
封口するとともに集電子4の基部には底板9を当接して
いる。正極キャップ5を金属ケース6の底部上に載置
し、金属ケース6を熱収縮性チューブで被覆した後、円
筒状の外装缶7に挿入し、絶縁ワッシャを正極キャップ
側に介して外装缶7の上下の開口端部をかしめている。
【0011】まず本実施例の効果を調べるために、水素
ガス発生の抑制効果と耐漏液性に対する効果をゲル状負
極中に含まれる酸化ビスマスの量と亜鉛合金粉中に含ま
れるビスマス、カルシウムの量について調べた。初めに
水素ガス発生の抑制効果について説明する。
ガス発生の抑制効果と耐漏液性に対する効果をゲル状負
極中に含まれる酸化ビスマスの量と亜鉛合金粉中に含ま
れるビスマス、カルシウムの量について調べた。初めに
水素ガス発生の抑制効果について説明する。
【0012】実験方法は図1で示したアルカリ電池を試
作し、1Ωの定抵抗放電を11分間行い、60℃の環境
下で負極からの水素ガスの発生速度を調べた。なお、ゲ
ル状負極中に含まれる酸化ビスマス(Bi2O3)の量を
亜鉛合金粉に対し0、0.01、0.5重量%、また亜
鉛合金粉に含有されるビスマスとカルシウムの量をそれ
ぞれビスマスを0、0.01、0.2重量%、カルシウ
ムを0、0.0025、0.05重量%と変化させた時
の水素ガス発生速度を測定した結果を(表1)〜(表
3)に示した。
作し、1Ωの定抵抗放電を11分間行い、60℃の環境
下で負極からの水素ガスの発生速度を調べた。なお、ゲ
ル状負極中に含まれる酸化ビスマス(Bi2O3)の量を
亜鉛合金粉に対し0、0.01、0.5重量%、また亜
鉛合金粉に含有されるビスマスとカルシウムの量をそれ
ぞれビスマスを0、0.01、0.2重量%、カルシウ
ムを0、0.0025、0.05重量%と変化させた時
の水素ガス発生速度を測定した結果を(表1)〜(表
3)に示した。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】
【0016】(表1)〜(表3)を比較して明らかなよ
うに、ゲル状負極中に酸化ビスマスを含有しない電池の
水素ガス発生速度に比べ、酸化ビスマスを含有した電池
は水素ガス発生速度が減少しており、特に亜鉛にビスマ
スを含有した亜鉛合金粉、亜鉛にビスマスおよびカルシ
ウムを含有した亜鉛合金粉の水素ガス発生速度の減少が
著しい。また、負極活物質として亜鉛粉のみを用いた場
合には水素ガス発生速度は酸化ビスマスの添加によって
抑制できるがその発生量は多い。一方、亜鉛にカルシウ
ムのみを含有した亜鉛合金粉は、水素ガス発生速度が多
少減少しているものの酸化ビスマスの効果が小さかっ
た。また、酸化ビスマスの含有量が0.01重量%以下
ではその量が少なく、水素ガス発生速度抑制の効果は見
られなかった。さらに酸化ビスマスを0.5重量%以上
含有しても、それ以上の含有による抑制効果は得られな
かった。
うに、ゲル状負極中に酸化ビスマスを含有しない電池の
水素ガス発生速度に比べ、酸化ビスマスを含有した電池
は水素ガス発生速度が減少しており、特に亜鉛にビスマ
スを含有した亜鉛合金粉、亜鉛にビスマスおよびカルシ
ウムを含有した亜鉛合金粉の水素ガス発生速度の減少が
著しい。また、負極活物質として亜鉛粉のみを用いた場
合には水素ガス発生速度は酸化ビスマスの添加によって
抑制できるがその発生量は多い。一方、亜鉛にカルシウ
ムのみを含有した亜鉛合金粉は、水素ガス発生速度が多
少減少しているものの酸化ビスマスの効果が小さかっ
た。また、酸化ビスマスの含有量が0.01重量%以下
ではその量が少なく、水素ガス発生速度抑制の効果は見
られなかった。さらに酸化ビスマスを0.5重量%以上
含有しても、それ以上の含有による抑制効果は得られな
かった。
【0017】また亜鉛に含有した元素についてはビスマ
スの含有量が0.01重量%以下及びカルシウムの含有
量が0.0025重量%以下では亜鉛合金粉の耐食性が
低く、水素ガス発生速度抑制の効果は得られなかった。
また、ビスマス含有量0.2重量%以上及びカルシウム
含有量0.05重量%以上にしても、それ以上の抑制効
果は得られなかった。
スの含有量が0.01重量%以下及びカルシウムの含有
量が0.0025重量%以下では亜鉛合金粉の耐食性が
低く、水素ガス発生速度抑制の効果は得られなかった。
また、ビスマス含有量0.2重量%以上及びカルシウム
含有量0.05重量%以上にしても、それ以上の抑制効
果は得られなかった。
【0018】次に、耐漏液特性について説明する。実験
方法は図1で示したアルカリ電池を試作し、1Ωの定抵
抗放電を11分間行った後、電池を60℃の環境下で保
存し、30日後の漏液数を調べた。また、酸化ビスマス
の添加量と亜鉛合金の組成は上記と同様にした。この時
の水素ガス発生速度の測定結果を(表4)〜(表6)に
示した。
方法は図1で示したアルカリ電池を試作し、1Ωの定抵
抗放電を11分間行った後、電池を60℃の環境下で保
存し、30日後の漏液数を調べた。また、酸化ビスマス
の添加量と亜鉛合金の組成は上記と同様にした。この時
の水素ガス発生速度の測定結果を(表4)〜(表6)に
示した。
【0019】
【表4】
【0020】
【表5】
【0021】
【表6】
【0022】ここで(表4)〜(表6)の数字は、(漏
液数)/(保存数)を示している。(表4)〜(表6)
を比較して明らかなように、酸化ビスマスを負極中に含
有しない電池に比べ酸化ビスマスを負極中に含有した電
池では漏液数が減少している。特に亜鉛にビスマスを含
有した亜鉛合金粉、あるいは亜鉛にビスマス及びカルシ
ウムを含有した亜鉛合金粉を用いたものでは漏液が見ら
れず、電池の耐漏液特性が向上している。一方、亜鉛に
カルシウムのみを含有した亜鉛合金粉は、漏液が見られ
実用レベルには至っていない。また、負極中の酸化ビス
マスの含有量が0.01重量%以下ではその量が少な
く、耐漏液特性の向上は見られなかった。さらに酸化ビ
スマスを0.5重量%以上含有してもそれ以上の含有に
よる耐漏液特性の向上は得られなかった。
液数)/(保存数)を示している。(表4)〜(表6)
を比較して明らかなように、酸化ビスマスを負極中に含
有しない電池に比べ酸化ビスマスを負極中に含有した電
池では漏液数が減少している。特に亜鉛にビスマスを含
有した亜鉛合金粉、あるいは亜鉛にビスマス及びカルシ
ウムを含有した亜鉛合金粉を用いたものでは漏液が見ら
れず、電池の耐漏液特性が向上している。一方、亜鉛に
カルシウムのみを含有した亜鉛合金粉は、漏液が見られ
実用レベルには至っていない。また、負極中の酸化ビス
マスの含有量が0.01重量%以下ではその量が少な
く、耐漏液特性の向上は見られなかった。さらに酸化ビ
スマスを0.5重量%以上含有してもそれ以上の含有に
よる耐漏液特性の向上は得られなかった。
【0023】以上のことから、亜鉛にビスマスを0.0
1〜0.2重量%を含有させるか、又は亜鉛にビスマス
を0.01〜0.2重量%、カルシウムを0.0025
〜0.05重量%の範囲で含有させた亜鉛合金粉に、酸
化ビスマスを前記亜鉛合金粉に対し0.01〜0.5重
量%の範囲でゲル状負極中に含有させることで水素ガス
発生速度を抑制させ、その結果として電池の耐漏液特性
が向上させることができた。
1〜0.2重量%を含有させるか、又は亜鉛にビスマス
を0.01〜0.2重量%、カルシウムを0.0025
〜0.05重量%の範囲で含有させた亜鉛合金粉に、酸
化ビスマスを前記亜鉛合金粉に対し0.01〜0.5重
量%の範囲でゲル状負極中に含有させることで水素ガス
発生速度を抑制させ、その結果として電池の耐漏液特性
が向上させることができた。
【0024】以上から判断して、本実施例においてゲル
状負極中に含有する酸化ビスマスの含有量は、亜鉛合金
粉に対して0.01〜0.5重量%であることが好まし
く、さらに負極活物質として用いる亜鉛合金粉として
は、亜鉛に対しビスマスを0.01〜0.2重量%で含
有させるか、または亜鉛に対しビスマスを0.01〜
0.2重量%及びカルシウムを0.0025〜0.05
重量%の範囲で含有させることが好ましい。なお、酸化
ビスマスの代わりに塩化ビスマスを亜鉛合金腐食抑制剤
として用いても同等の効果が得られた。
状負極中に含有する酸化ビスマスの含有量は、亜鉛合金
粉に対して0.01〜0.5重量%であることが好まし
く、さらに負極活物質として用いる亜鉛合金粉として
は、亜鉛に対しビスマスを0.01〜0.2重量%で含
有させるか、または亜鉛に対しビスマスを0.01〜
0.2重量%及びカルシウムを0.0025〜0.05
重量%の範囲で含有させることが好ましい。なお、酸化
ビスマスの代わりに塩化ビスマスを亜鉛合金腐食抑制剤
として用いても同等の効果が得られた。
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明のアルカリ電池で
は、負極活物質とゲル状アルカリ電解液と混合してなる
ゲル状負極中に酸化ビスマスまたは塩化ビスマスを亜鉛
合金粉に対し0.01〜0.5重量%の範囲で含有させ
るとともに、さらに負極活物質として亜鉛に対しビスマ
スを0.01〜0.2重量%、または亜鉛に対しビスマ
スを0.01〜0.2重量%、カルシウムを0.002
5〜0.05重量%の範囲で含有させた亜鉛合金粉を用
いることで、無汞化の亜鉛合金粉を用いても腐食による
水素ガス発生を低減させることが可能となり、電池内圧
の上昇を抑制して、漏液特性が向上するという効果が得
られる。
は、負極活物質とゲル状アルカリ電解液と混合してなる
ゲル状負極中に酸化ビスマスまたは塩化ビスマスを亜鉛
合金粉に対し0.01〜0.5重量%の範囲で含有させ
るとともに、さらに負極活物質として亜鉛に対しビスマ
スを0.01〜0.2重量%、または亜鉛に対しビスマ
スを0.01〜0.2重量%、カルシウムを0.002
5〜0.05重量%の範囲で含有させた亜鉛合金粉を用
いることで、無汞化の亜鉛合金粉を用いても腐食による
水素ガス発生を低減させることが可能となり、電池内圧
の上昇を抑制して、漏液特性が向上するという効果が得
られる。
【図1】本発明のアルカリ電池の縦断面図
1 正極合剤 2 ゲル状負極 3 セパレータ 4 集電子 5 正極キャップ 6 金属ケース 7 外装缶 8 樹脂封口体 9 底板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅岡 準一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】負極活物質として無汞化の亜鉛合金粉を用
い、これをゲル状アルカリ電解液に混合してなるゲル状
負極を備えたアルカリ電池であって、前記ゲル状負極中
に、酸化ビスマスまたは塩化ビスマスを含有させたアル
カリ電池。 - 【請求項2】酸化ビスマスまたは塩化ビスマスは、亜鉛
合金粉に対し、0.01〜0.5重量%の割合でゲル状
負極中に含有されている請求項1記載のアルカリ電池。 - 【請求項3】負極活物質の亜鉛合金粉として、亜鉛に対
しビスマスを0.01〜0.2重量%の範囲で含有させ
た亜鉛合金粉を用いる請求項1記載のアルカリ電池。 - 【請求項4】負極活物質の亜鉛合金粉として、亜鉛に対
しビスマスを0.01〜0.2重量%、カルシウムを
0.0025〜0.05重量%の範囲で含有させた亜鉛
合金粉を用いる請求項1記載のアルカリ電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2956894A JPH07240202A (ja) | 1994-02-28 | 1994-02-28 | アルカリ電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2956894A JPH07240202A (ja) | 1994-02-28 | 1994-02-28 | アルカリ電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07240202A true JPH07240202A (ja) | 1995-09-12 |
Family
ID=12279735
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2956894A Pending JPH07240202A (ja) | 1994-02-28 | 1994-02-28 | アルカリ電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07240202A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006228503A (ja) * | 2005-02-16 | 2006-08-31 | Sony Corp | アルカリ電池 |
EP1892778A1 (en) * | 2005-08-09 | 2008-02-27 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Manganese dry cell |
CN110581286A (zh) * | 2018-06-09 | 2019-12-17 | 广东三七新能源有限公司 | 一种无汞干电池 |
JP2021002500A (ja) * | 2019-06-24 | 2021-01-07 | Fdk株式会社 | アルカリ電池 |
-
1994
- 1994-02-28 JP JP2956894A patent/JPH07240202A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006228503A (ja) * | 2005-02-16 | 2006-08-31 | Sony Corp | アルカリ電池 |
EP1892778A1 (en) * | 2005-08-09 | 2008-02-27 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Manganese dry cell |
EP1892778A4 (en) * | 2005-08-09 | 2009-02-04 | Panasonic Corp | MANGANESE DRY CELL |
CN110581286A (zh) * | 2018-06-09 | 2019-12-17 | 广东三七新能源有限公司 | 一种无汞干电池 |
JP2021002500A (ja) * | 2019-06-24 | 2021-01-07 | Fdk株式会社 | アルカリ電池 |
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