JPH0723956A - 超音波診断装置と伝搬媒体注入方法 - Google Patents

超音波診断装置と伝搬媒体注入方法

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Publication number
JPH0723956A
JPH0723956A JP17011093A JP17011093A JPH0723956A JP H0723956 A JPH0723956 A JP H0723956A JP 17011093 A JP17011093 A JP 17011093A JP 17011093 A JP17011093 A JP 17011093A JP H0723956 A JPH0723956 A JP H0723956A
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JP
Japan
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ultrasonic
propagation medium
catheter
probe
transmission shaft
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Pending
Application number
JP17011093A
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English (en)
Inventor
Akihisa Adachi
明久 足立
Shinichiro Ueno
進一郎 植野
Hidetomo Nagahara
英知 永原
Kenji Tawara
健司 田原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 超音波プローブ内から超音波断層像に影響す
る気泡を除去し、かつ漏れ電流の発生の可能性をも低減
した超音波プローブを用いた超音波診断装置とそのため
の伝搬媒体注入方法を実現することを目的とする。 【構成】 可撓性の中空構造で先端部から後端部までの
肉厚部に少なくとも1つ以上の管空構造のルーメン17
を有するカテーテル13内に、走査機構14、超音波振
動子15、トルク伝達軸16を内包する超音波プローブ
1の、カテーテル13中空部に接続された伝搬媒体注入
口20に伝搬媒体19を接続し、ルーメン17に接続さ
れた排気口22を閉じ、超音波プローブ1と伝搬媒体1
9を大気圧より減圧し、再び大気圧に戻すことにより超
音波プローブ1先端体積の空気を減圧と大気圧の関係よ
り縮小させかつ伝搬媒体19の溶解能により超音波プロ
ーブ1内に残存する空気をなくすか極めて小さくするこ
とが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波送受波方向を機
械的に変更させながら被検体内に超音波信号を送受波し
反射信号を用いて被検体の超音波断層像を得る、特に血
管のような極めて細い生体体腔内に挿入可能な超音波プ
ローブを用いた超音波診断装置および超音波プローブへ
の伝搬媒体注入方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、血管内の狭窄や閉塞などの疾患に
対し、血管内に挿入可能な柔軟性材料で構成された例え
ばカテーテル先端内部に微小超音波振動子を配置し、外
部にある駆動部で発生した回転力によりこの微小超音波
振動子を機械的に2次元走査させる超音波プローブを用
い、血管内部または血管壁内の超音波断層像を得る超音
波診断装置がある。
【0003】このような超音波プローブの先端部分は、
漏れ電流のような電気的な安全性や危険物質の体内への
流出等の安全性を考え、音響窓材等により密封されてい
る。この密封された先端部分には超音波振動子が内包さ
れている。超音波振動子の音波送受波面と音響窓材の内
壁部分は、超音波振動子の2次元走査を阻害させないた
めの空間が必要である。この空間部分には、超音波を効
率良く体内に送受波させるために、例えば生理食塩水等
の超音波伝搬媒体が充満されている。
【0004】この細径超音波プローブ内部への超音波伝
搬媒体注入法に関しては、例えば特開平3−12804
7号公報に記載された構成が知られている。以下図15
を用い従来の超音波伝搬媒体注入法を説明する。図15
(a)は超音波プローブ先端部の拡大透視図であり、大
きくバルーン部53とプローブ先端部54に分けること
ができる。図15(a)に於いて、55は超音波プロー
ブ、56は超音波プローブ55外側部分で柔軟性を有す
る例えばテフロン等で構成された円筒形状のシース、5
7は柔軟性を有するコイル材、58は超音波を送受波す
る超音波振動子から構成された超音波振動子ユニット、
59はシース56先端に設けられた連結部材、60は連
結部材59中空部分である連通孔、61は連結部材59
先端部に設けられた破損部材、62は連結部材59先端
外側部分に設けられたネジ、63はシリコンゴム等の伸
縮性を有するバルーン、64はバルーン63に設けられ
た係合部材、65は係合部材64内側に設けられネジ6
2と合うするネジ、66は係合部材64に設けられた薄
膜、67はバルーン63内部に封入された伝搬媒体であ
る。なお、超音波振動子ユニット58はコイル材57内
部に配置された図示していない信号線により図示してい
ない本体部と電気的に接続されている。
【0005】以上のような構成で以下その動作を説明す
る。超音波診断を実施する前、例えば超音波プローブ5
5の輸送時、超音波プローブ55は図15(a)のよう
に、伝搬媒体67を内包したバルーン部53と分離され
ている。この状態では、超音波振動子ユニット58とシ
ース56内壁面には空間があるため空気が存在し、超音
波の送受波は困難となり、診断時には伝搬媒体67を前
記空間に充満させる必要がある。
【0006】従って、超音波診断時に伝搬媒体67を内
包したバルーン63を、超音波プローブ55に接続させ
ることにより伝搬媒体67を超音波プローブ55内に注
入させる。接続方法は図15(b)に示すように、連結
部材59先端に設けられたネジ62に対し、係合部64
に設けられたネジ65を用い行う。この動作により、薄
膜66は破損部材61により破られ、バルーン63の縮
みにより伝搬媒体67は連通孔60を介し、超音波プロ
ーブ55内部に注入され、超音波振動子ユニット58近
傍に満たされる。
【0007】このように、伝搬媒体67を超音波プロー
ブ55内に注入した後に、超音波プローブ55を目的と
する部位に挿入し、超音波振動子ユニット58をコイル
材57により回動もしくは直線動作させながら超音波を
送受波することにより、効率良く被検部位の超音波断層
像を得ることが可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の構
成では、伝搬媒体67が必ず超音波振動子ユニット58
近傍に存在するとは限らない、従って別な部位に伝搬媒
体67が移動した場合には、良好な超音波断層像を得る
ことはできない。また、空気にさらされていた超音波振
動子ユニット58に伝搬媒体67を注入するため、微小
な気泡が残存する可能性が高く、特に超音波送受波面に
存在する場合には、やはり良好な超音波断層像を得るこ
とはできない。
【0009】更に、バルーン63と超音波プローブ55
の接続は2つのネジ62、65によりなされるため、電
気的に完全に密閉されているとは言えず、生体内での使
用に際し漏れ電流発生の可能性があり、安全面の課題を
有していた。また、外部で発生した安定した回転力を複
雑な構造で屈曲部を有する体腔内部でも振動子ユニット
58に伝達しなければ優れた超音波断層像が得られない
と言う課題も有していた。
【0010】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、超音波プローブ55内に超音波断層像に影響する気
泡をなくす、もしくは超音波断層像に影響しないように
し、かつ漏れ電流の発生の可能性をも低減した超音波プ
ローブを用いた超音波診断装置と、超音波プローブへの
伝搬媒体注入方法とを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の超音波診断装置は、超音波プローブと本体部
に大きく分けられ、超音波プローブは、先端部と後端部
を持つ可撓性の中空管構造で先端部から後端部までの肉
厚部分に少なくとも1つ以上の管空構造のルーメンを有
するカテーテルと、カテーテル先端部に位置し超音波を
送受波する超音波振動子を内包し2次元動作させる先端
走査機構と、先端走査機構を包みカテーテル先端部に固
定された音響窓と、カテーテル中空部分に内包され一方
に先端走査機構を他方に金属パイプを接続したトルク伝
達軸と、トルク伝達軸に内包され前記超音波振動子に電
気的に接続された信号線と、プローブ後端部に接続固定
されカテーテル中空部に接続された伝搬媒体注入口と前
記カテーテル肉厚部分に構成されたルーメンに接続され
た排気口を持ちトルク伝達軸から伝搬媒体の流出を防止
するオイルシールを有する後端部の構成を有している。
【0012】また、別構成として超音波プローブは、先
端部と後端部を持つ可撓性の中空管構造のカテーテル
と、カテーテル先端部に位置し超音波を送受波する超音
波振動子を内包し2次元動作させる先端走査機構と、先
端走査機構を包みカテーテル先端部に固定されかつ先端
走査機構より先端側に空気だめ用の空間を有した音響窓
と、カテーテル中空部分に内包され一方に先端走査機構
を他方に金属パイプを接続したトルク伝達軸と、トルク
伝達軸に内包され前記超音波振動子に電気的に接続され
た信号線と、プローブ後端部に接続固定されカテーテル
中空部に接続された伝搬媒体注入口とトルク伝達軸から
伝搬媒体の流出を防止するオイルシールを有する後端部
の構成を有している。
【0013】また、トルク伝達軸後端側に接続された金
属パイプに回転力を伝達する接続用ピンとトルク伝達軸
に内包された信号線に接続されたコンタクトピンを有
し、駆動部内のスリップリングの回転軸に前記接続用ピ
ンとコンタクトピンに勘合する接続用ホールとコンタク
トピン用ホールを有する構成を有している。
【0014】また、トルク伝達軸が、素線厚み×素線幅
の長方形の断面形状でなる素線で構成され、想定する屈
曲部位の曲率半径Rとトルク伝達軸直径Dに対し素線間
隔が (R−D/2)>(素線幅)/(素線幅+素線間隔) の関係を満たす多層スプリング構造である構成を有して
いる。
【0015】また、トルク伝達軸が素線厚み×素線幅の
長方形の断面形状である素線で構成された、想定する屈
曲部位の曲率半径Rとトルク伝達軸直径Dに対し素線間
隔を、 (R−D/2)>(素線幅)/(素線幅+素線間隔)+
c 0<c<0.3 の関係を満たす多層スプリング構造である構成を有して
いる また、トルク伝達軸が2層構造で、本体部にプローブホ
ルダとプローブホルダ内に設けらたセンサを設けた構成
を有している。
【0016】更に、トルク伝達軸が形状記憶材料の素線
で構成され、プローブホルダとプローブホルダ内に設け
られ出力が制御部に接続されたセンサとプローブホルダ
内に設けられたヒータ部を設けた構成を有している。
【0017】そして、本発明の超音波プローブへの伝搬
媒体注入方法は、伝搬媒体注入口に伝搬媒体を接続し、
超音波プローブと伝搬媒体を大気圧より減圧した後再び
大気圧に戻すものである。
【0018】
【作用】上記の構成により、プローブ後端側の伝搬媒体
注入口に伝搬媒体を接続し、排気口を閉じ、超音波プロ
ーブと伝搬媒体を大気圧より減圧し大気圧に戻すことに
より、超音波プローブ先端体積の空気を減圧と大気圧の
関係から計算される量に縮小させかつ伝搬媒体の溶解能
により、超音波プローブ内の残存する空気をなくすか極
めて小さいものにすることができる。
【0019】また、プローブ後端側の伝搬媒体注入口に
伝搬媒体を接続し、超音波プローブと伝搬媒体を大気圧
より減圧し大気圧に戻すことにより、超音波プローブ全
体長さ分の体積の空気を減圧と大気圧の関係と伝搬媒体
の溶解能から計算される量に縮小させかつ先端側に構成
した空気だめに閉じこめることができる。
【0020】また、トルク伝達軸後端側に接続された金
属パイプに回転力を伝達する接続用ピンとトルク伝達軸
に内包された信号線に接続されたコンタクトピンと、駆
動部内のスリップリングの回転軸に前記接続用ピンとコ
ンタクトピンに勘合する接続用ホールとコンタクトピン
用ホールを設けることにより、超音波プローブと駆動部
を容易に脱着でき、更に上記伝搬媒体注入時に駆動部を
減圧環境にする必要がなくすことができる。
【0021】また、想定する体腔内の屈曲形状に対し、
トルク伝達軸の素線幅、素線間隔を選択して構成するこ
とで、柔軟性とトルク伝達性を合わせ持たすことが可能
となる。また、超音波プローブをプローブホルダに保持
した時に、トルク伝達軸を任意の時間逆回転させること
ができ、診断により発生したトルク伝達軸の構造的な経
時変化を元に戻すことができる。更に、トルク伝達軸を
形状記憶材料の素線で構成し超音波プローブをプローブ
ホルダに保持した時に、ヒータ部によりトルク伝達軸を
加熱することができ、診断により発生したトルク伝達軸
の構造的な経時変化を元に戻すことができる。
【0022】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の一実施例について、図面を
参照しながら説明する。図1は本発明の第1の実施例に
おける超音波診断装置の概略ブロック図である。図1に
おいて、1は被検管12である例えば血管内に挿入する
超音波プローブ、2は本体部で、本発明の超音波診断装
置は大きく、超音波プローブ1、本体部2に分けられ
る。3は超音波プローブ1の先端部、4はプローブ後端
部、5は駆動力を発生するモータや位置検出器からなる
駆動部、6は駆動部5に接続された送受信部、7は送受
信部6に接続された画像構成部、8は画像構成部7に接
続された画像メモリ部、9は画像メモリ部8に接続され
た超音波断層像を表示するモニタ、10は各種制御指令
を入力するキーボードやマウスまたはスイッチからなる
オペレータ部、11はオペレータ部10に接続された制
御部である。本体部2は、送受信部6、画像構成部7、
画像メモリ部8、モニタ9、オペレータ部10、制御部
11から構成されており、超音波プローブ1においてプ
ローブ後端部4と駆動部5とは着脱可能となっている。
【0023】図2は図1における超音波プローブ1の透
視図である。図2において、13は可撓性を有する中空
管構造(例えばポリエチレン、テフロン、ナイロン等の
高分子系樹脂)で構成されたカテーテル、14はカテー
テル13先端に配置された走査機構、15は走査機構1
4先端に配置された超音波振動子、16は図に記載され
ない駆動部5で発生した回転力を走査機構14まで伝達
させる多層スプリング構造の可撓性を有するトルク伝達
軸、17はカテーテル13の肉厚部に構成されたルーメ
ン、18はカテーテル13先端に設けられた音響窓、1
9はカテーテル13内部に注入する例えば生理食塩水の
伝搬媒体、20は伝搬媒体19をカテーテル13内に注
入するための伝搬媒体注入口、22はカテーテル13内
部の空気を取り除くためのルーメン17に接続された排
気口、23はカテーテル13先端側に設けられた音響窓
18の長さである先端寸法L、24はカテーテル13内
に注入された伝搬媒体19が後端側から漏れるのを防止
するオイルシール、25は走査機構14先端に設けられ
た超音波振動子15に接続されトルク伝達軸16内に配
置されたプローブ側信号線、26は図示されていない駆
動部5とトルク伝達軸16を接続するためトルク伝達軸
16後端に設けられたプローブ側信号線25を内部にモ
ールド固定した例えば鉄製の金属パイプ、27は超音波
プローブ1と伝搬媒体19全体を内包するデシケータ、
28はデシケータ25内を減圧するための真空ポンプで
ある。
【0024】以上のように構成された超音波診断装置に
ついて、図1及び図2を用いてその動作を説明する。ま
ず、超音波プローブ1を被検管12内に挿入し、患部近
傍にプローブ先端部3を移動させる。患部近傍にプロー
ブ先端部3が位置したら、オペレータ部10より制御部
11を介し、駆動部5を駆動させる。駆動部5の回転力
は、金属パイプ26を介してトルク伝達軸16に伝達さ
れ、プローブ先端部3に内包される走査機構14を回転
させる。
【0025】送受信部6からプローブ側信号線25を介
し送信信号を超音波振動子15に送信し、超音波振動子
15で超音波に変換し、超音波振動子15より被検体に
超音波を送波する。超音波振動子15から送波された超
音波が被検管12に効率よく伝搬されるよう、カテーテ
ル13内部は脱気した伝搬媒体19で充満されている。
【0026】超音波振動子15から送波された超音波
は、被検管12例えば血管に照射され、血管壁表面や内
部で順次反射されその一部は送波と同じ経路を辿り、超
音波振動子15で受波される。超音波振動子15で受波
された超音波は電気信号に変換され、送受信部6に転送
される。受信信号は送受信部6で所望の処理、例えば増
幅、検波を受け、その出力は画像構成部7に出力され
る。この送受波動作を走査機構14の回転中に繰り返し
行うことで周囲方向の走査が可能となる。いわゆる通常
の超音波診断装置で構成されているデジタルスキャンコ
ンバージョン手法により周囲方向の超音波画像を構成
し、画像メモリ部8に記憶させ、モニタ9に表示する。
このとき伝搬媒体19内に気泡が存在すると超音波にと
って反射体となり、超音波断層像を劣化させる。
【0027】超音波プローブ1内へ伝搬媒体19の注入
は、以上のような超音波診断の前にプローブ後端部4を
駆動部5から外して行う。まずカテーテル13後端の伝
搬媒体注入口20に伝搬媒体19を接続し、排気口22
は閉じた状態の超音波プローブ1をデシケータ27内に
入れる。カテーテル13の先端は音響窓18にて密封さ
れ、後端はオイルシール24にて密封され、トルク伝達
軸16の後端はプローブ側信号線25を内部にモールド
固定した金属パイプ26にて密封されている。真空ポン
プ28にてデシケータ27内部を減圧し、伝搬媒体19
及びカテーテル13内を脱気する。伝搬媒体19の脱気
が十分行われた後、真空ポンプ28を停止させ、デシケ
ータ内27の気圧を徐々に大気圧に戻す。
【0028】カテーテル13内の気圧が低下しているた
め、伝搬媒体19は伝搬媒体注入口20よりカテーテル
13内に吸入されるが、カテーテル13の先端と排気口
22近傍には気泡が残る。残留する気泡の量は、例えば
デシケータ27内の到達真空度を10Torr、カテー
テル13の内径を直径1グ、長さを1500グ、先端寸
法23を20グとすると、(数1)に示すボイルの法則
に従い、先端に2.1×10-4ml、後端に1.5×10
-2mlとなる。
【0029】
【数1】
【0030】伝搬媒体19を例えば水とすると、一般的
に知られているように、20℃、1mlの水に対し溶解可
能な空気の体積は1.83×10-2mlである。
【0031】カテーテル13の長さが1500グの場
合、水に溶解可能な空気の体積は2.2×10-2mlであ
り、カテーテル13内に残留する気泡の体積よりも大き
い。従って大気圧に戻したとき、カテーテル13内に残
留した気泡はこの溶解能により全部水に溶解し、カテー
テル13内に気泡は残らない。また気泡がカテーテル1
3内に残る場合でも気泡は極めて小さくなり、特にカテ
ーテル13先端では超音波の送受信に影響しない程度の
大きさとなる。伝搬媒体19を水以外の液体を用いる場
合でも、それぞれの液体に対する溶解可能な空気の量に
より、カテーテル13内の残留気泡は溶解して無くなる
かあるいは非常に小さくなる。次に、カテーテル13内
に伝搬媒体19が吸入されなくなったら、伝搬媒体注入
口20及び排気口22を密封し、伝搬媒体19の漏れを
防止すると共に、カテーテル13外の空気の伝搬媒体1
3へ溶解を防止する。
【0032】以上説明したように、脱気した伝搬媒体1
9を気泡が残らないように充満させた超音波プローブ1
の先端に配置した超音波振動子15で超音波の送受信を
行うことにより、気泡による影響を受けずに効率良く超
音波の送受信が行うことが可能となり、超音波振動子1
5を回転させることにより周囲方向の良好な超音波断層
像を得ることができる。なおカテーテル13内に気泡が
残留した場合、排気口22と伝搬媒体19をポンプで接
続し、再度デシケータ27内を減圧し伝搬媒体19を脱
気した後、ポンプで伝搬媒体19を強制的に貫流するこ
とによりカテーテル13内の気泡を取り除いても良い。
【0033】(実施例2)以下、本発明の第2の実施例
について、図面を参照しながら説明する。図3は本発明
の第2の実施例における超音波診断装置の要部である超
音波プローブ1の透視図である。図3において、21は
伝搬媒体19をカテーテル13内に注入するため伝搬媒
体注入口20に接続されたポンプで、その他の部分は図
2に示した実施例1と同じ構成である。カテーテル13
内への伝搬媒体19注入方法として、実施例1ではまず
カテーテル13内を減圧させた後、大気圧に戻すときボ
イルの法則に従ったカテーテル13内の空気体積の変化
を利用して、カテーテル13内に脱気した伝搬媒体19
を注入したが、実施例2では伝搬媒体19と伝搬媒体注
入口20の間にポンプ21を配置し、カテーテル13内
に強制的に伝搬媒体19を注入するものである。
【0034】排気口22は解放状態とし、伝搬媒体注入
口20にはポンプ21を介して伝搬媒体19と接続す
る。カテーテル13の先端側は音響窓18で密封され、
後端側はオイルシール24で密封され、トルク伝達軸1
6の後端側はプローブ側信号線25を内部でモールド固
定した例えば鉄製の金属パイプで密封されている。カテ
ーテル13、ポンプ21及び伝搬媒体19をデシケータ
27内に入れ、真空ポンプ28で例えば10Torr程
度までデシケータ27内を減圧する。伝搬媒体19の脱
気を十分行った後、デシケータ13内の気圧をポンプ2
1が作動可能な圧力、例えば40Torrまで戻しポン
プ21を動作せる。脱気された伝搬媒体19は伝搬媒体
注入口20からポンプ21によりカテーテル13に強制
的に注入され、カテーテル13内に残留していた空気は
排気口22から排出される。カテーテル13内がほぼ伝
搬媒体19で満たされたら、カテーテル13内で新たな
気泡が発生しない程度まで再びデシケータ27内の気圧
を例えば30Torrまで下げる。
【0035】この気圧の状態でしばらくポンプ21を動
作させ、脱気した伝搬媒体19を循環させる。循環させ
ることで先端部に残留した気泡は徐々に伝搬媒体19内
に溶解し、排気口22より排出され、カテーテル13内
の気泡は取り除かれる。カテーテル13内の気泡は先端
寸法23以下まで縮小される。カテーテル13内の気泡
除去が十分行われた後、真空ポンプ28を停止させデシ
ケータ27内の気圧を大気圧まで戻す。この時ポンプ2
1は動作させても、停止させても良い。ポンプ21を停
止させカテーテル13内へ伝搬媒体19が注入されなく
なったら、伝搬媒体注入口20及び排気口22を密封
し、伝搬媒体19の漏れを防止すると共に、カテーテル
13外の空気の伝搬媒体13へ溶解を防止する。
【0036】カテーテル13先端に残留する最大の気泡
の量は、例えばデシケータ27内の最初の到達真空を1
0Torr、カテーテル13の内径を直径1グ、長さを
1500グ、先端寸法23を20グとすると、(数1)
に示したボイルの法則に従い、先端に2.1×10-4ml
となる。伝搬媒体19を例えば水とすると、一般的に知
られているように、20℃、1mlの水に対し溶解可能な
空気の体積は1.83×10-2mlである。カテーテル1
3の長さが1500グの場合、水に溶解可能な空気の体
積は2.2×10-2mlであり、カテーテル13内に残留
する気泡の体積よりもはるかに大きい。このためカテー
テル13内の気泡は全部水に溶解し、カテーテル13内
に気泡は残らない。また気泡がカテーテル13内に残る
場合でも、前述のように減圧下での伝搬媒体19の循環
により、カテーテル13先端には先端寸法23に比べて
極めて小さな気泡しか残らない。
【0037】以上のように本発明の実施例2によれば、
減圧下でカテーテル13に接続したポンプ21を動作さ
せて脱気した伝搬媒体19を強制的に注入することによ
り、カテーテル13内の先端部以外の気泡を取り除くこ
とが可能となり、さらにカテーテル13を大気圧に戻す
ことで先端に残留した気泡は伝搬媒体19に溶解し、カ
テーテル13内の気泡を完全に取り除くことが可能であ
る。
【0038】(実施例3)以下、本発明の第3の実施例
について、図面を参照しながら説明する。図4は本発明
の第3の実施例における超音波診断装置の要部である超
音波プローブ1の透視図である。図4において、29は
カテーテル13中に脱気した伝搬媒体19を注入するた
めに伝搬媒体19とポンプ21の間に配置された脱気装
置で、排気口22は伝搬媒体19と接続されており、そ
の他の部分は図3に示した実施例2と同じ構成である。
ただし、実施例2ではカテーテル13内への伝搬媒体1
9注入方法として減圧下で行うとしたが、実施例3では
大気圧下で伝搬媒体19を注入することを特徴としてい
るため、デシケータ27及び真空ポンプ28は使用しな
い。
【0039】カテーテル13内に伝搬媒体19を注入す
るため、伝板媒体注入口20にポンプ21を接続し、ポ
ンプ21は脱気装置29を介して伝搬媒体19と接続す
る。排気口22も伝搬媒体19と接続して、伝板媒体1
9が循環できるようにする。ポンプ20及び脱気装置2
9を動作させて脱気した伝搬媒体19を伝搬媒体注入口
20よりカテーテル13内に注入する。排気口22から
は、最初カテーテル13内の空気が排気され、徐々に空
気を含んだ伝搬媒体19が排出され、排出された伝搬媒
体19は回収される。しばらくの間、伝搬媒体19を脱
気装置29で脱気しながらカテーテル13内を循環さ
せ、カテーテル13内の気泡を取り除く。
【0040】伝搬媒体19が循環しない先端寸法23部
分には気泡が残りやすい。しかし長時間脱気した伝搬媒
体19を循環させることにより、脱気した伝搬媒体19
が有する空気溶解能を利用し、先端寸法23部分に残留
した気泡を伝搬媒体19に溶解させることが可能であ
る。伝板媒体19を例えば水とすれば、一般的に知られ
ているように、20℃、1mlの水に対し溶解可能な空気
の体積は1.83×10 -2mlである。例えばカテーテル
13の内径の直径を1グ、先端寸法23を20グとする
と、この部分の空気の体積は1.6×10-2mlで、水に
溶解可能な空気の体積と比較しても大きくなく、残留し
た気泡を溶解させることは十分可能である。
【0041】カテーテル13内に気泡がなくなった後、
ポンプ21を停止させ、伝搬媒体注入口20と排気口2
2を密封し、伝搬媒体19の漏れを防止すると共に、カ
テーテル13外の空気の伝搬媒体19中への溶解を防止
する。
【0042】以上のように本発明の実施例3によれば、
大気圧下でカテーテル13に接続したポンプ21により
脱気装置29で脱気した伝搬媒体19をカテーテル13
内に循環させ、カテーテル13内の先端部に残留する気
泡を伝搬媒体19に溶解させることにより、カテーテル
13内の気泡を完全に取り除くことが可能である。また
第3の実施例では、排気口22から排出される伝搬媒体
19を回収し再度脱気装置29で脱気した後ポンプ21
で循環させているが、排気された伝搬媒体19は別の容
器に回収し、循環させなくても良い。
【0043】なお、以上第1乃至第3の実施例では、超
音波プローブ1先端の構成についてカテーテル13の先
端に音響窓18をかぶせた形状としたが、カテーテル1
3と音響窓18を一体とした形状でも良い。この場合、
ルーメン17はカテーテル13先端側で、カテーテル1
3内側の中空部分に接続される。更に、プローブ後端部
4の伝搬媒体注入口20をカテーテル13の中空部に、
また排気口22をルーメン17に接続していたが逆にし
ても良い。
【0044】(実施例4)以下、本発明の第4の実施例
について、図面を参照しながら説明する。図5は本発明
の第4の実施例における超音波診断装置の要部である超
音波プローブ1の透視図である。図5において、30は
肉厚部に微小ルーメン17の無い単一孔で構成されたカ
テーテル13先端に残留する空気を閉じこめるために設
けられた空気だめで、その他の部分は図2に示した実施
例1と同じ構成である。
【0045】超音波プローブ1内へ脱気した伝搬媒体1
9を充満させるため、カテーテル13後端の伝搬媒体注
入口20に伝搬媒体19を接続し、デシケータ27内に
入れる。カテーテル13の先端は音響窓18にて密封さ
れ、後端はオイルシール24にて密封され、トルク伝達
軸16の後端はプローブ側信号線25を内部にモールド
固定した金属パイプ26にて密封されている。真空ポン
プ28にてデシケータ27内部を減圧し、伝搬媒体19
及びカテーテル13内を脱気する。伝搬媒体19の脱気
が十分行われた後、真空ポンプ28を停止させ、デシケ
ータ内27の気圧を徐々に大気圧に戻す。カテーテル1
3内への伝搬媒体19吸入が終了した後、伝搬媒体注入
口20を密封し、伝搬媒体19の漏れを防止すると共
に、カテーテル13外の空気の伝搬媒体19中への溶解
を防止する。
【0046】カテーテル13内の気圧が低下しているた
め、伝搬媒体19は伝搬媒体注入口20よりカテーテル
13内に吸入される。カテーテル13の先端には気泡が
残る。残留する気泡の量は、例えばデシケータ27内の
到達真空を10Torr、カテーテル13の内径を直径
1グ、長さを1500グとすると、(数1)に示すボイ
ルの法則に従い、先端に1.6×10-2mlとなる。
【0047】伝搬媒体19を例えば水とすると、一般的
に知られているように、20℃、1mlの水に対し溶解可
能な空気の体積は1.83×10-2mlである。カテーテ
ル13の長さが1500グの場合、水に溶解可能な空気
の体積は2.2×10-2mlであり、カテーテル13内に
残留する気泡の体積よりも大きい。このためカテーテル
13内の気泡はほとんど水に溶解し、カテーテル13内
に気泡は残らない。
【0048】また気泡がカテーテル13内に残る場合で
も、気泡は極めて小さくなり、カテーテル13先端に設
けた空気だめ30内に閉じこめられ、超音波プローブ1
を図示されていない被検管12内に挿入し超音波診断を
行う時も、超音波振動子15の前面に気泡が移動するこ
とはなく、良好な超音波断層像を得ることができる。
【0049】以上のように本発明の実施例4によれば、
単一孔のカテーテル13内を一度減圧し、再び大気圧に
戻すときに伝搬媒体注入口22より脱気した伝搬媒体1
9をカテーテル13内に吸入させ、カテーテル13先端
に残留する気泡の多くは伝搬媒体19に溶解され、溶解
されなかった気泡も空気だめ30に閉じこめることがで
き、超音波振動子15から照射される超音波の送受信に
対する気泡の影響を低減させることが可能である。
【0050】なお、第4の実施例では、超音波プローブ
1先端の構成についてカテーテル13の先端に音響窓1
8をかぶせた形状としたが、カテーテル13と音響窓1
8を一体とした形状でも良い。
【0051】(実施例5)以下、本発明の第5の実施例
について、図面を参照しながら説明する。図6は本発明
の第5の実施例における超音波診断装置の要部である超
音波プローブ1の透視図である。図7は金属パイプ26
とスリップリング32の接合部分を拡大した斜視図であ
る。
【0052】図6において、31はモータ部、32はモ
ータ部31の駆動力をトルク伝達軸16へ伝達し同時に
図示されていない送受信部6とプローブ側信号線25と
の電気信号の伝達を回転しながら行うことが可能なスリ
ップリング、33はスリップリング32の回転を円滑に
行うためのベアリング、34はスリップリング32に接
続された本体側信号線、35は本体側信号線34を内部
に通すガイドピンで、その他の部分は図2に示した実施
例1と同じ構成である。ただし伝搬媒体19を注入する
ために用いたデシケータ27、真空ポンプ28は除く。
【0053】図7において、36は金属パイプ26に配
置した接続用ピン、37は接続ピン36を挿入するスリ
ップリング32に設けた接続用ホール、38はプローブ
側信号線25に接続され金属パイプ26に設けられたコ
ンタクトピン、39はコンタクトピン38とスリップリ
ング32の電気的接続を行うためスリップリング32に
設けられたコンタクトピン用ホールである。
【0054】モータ部31の回転力は、スリップリング
32と金属パイプ26を介してトルク伝達軸16に伝達
され、超音波振動子15を回転走査させる。スリップリ
ング32の周囲には、スリップリング32の回転を円滑
にさせるためベアリング33が配置されている。スリッ
プリング32は回転しながら、図示されていない送受信
部6と超音波振動子15の電気信号の送受信を行うこと
が可能である。図示されていない送受信部6とスリップ
リング32の電気的接続は、ガイドピン35内に配置さ
れた本体側信号線34を介して行う。
【0055】カテーテル13は例えば血管のような体腔
内に挿入することから、血液感染等の危険を考慮して使
い捨てにする必要がある。また実施例1、2のようにカ
テーテル13内に伝搬媒体19を減圧下で注入させる必
要があり、モータ部31を減圧すること無く伝搬媒体1
9を超音波プローブ1内に注入することが望ましく、モ
ータ部31とカテーテル31とは分離できる構成とする
必要がある。本実施例の超音波プローブ1は、プローブ
後端部4と駆動部5でプローブ後端部4の一端を駆動部
5に挿入し、例えばネジなどで固定することにより脱着
可能な構成となっている。図7を用いプローブ側信号線
25とスリップリング32の電気的接続について説明す
る。プローブ側信号線25の一端は、金属パイプ26内
でコンタクトピン38に接続されている。スリップリン
グ32には、コンタクトピン38が挿入接続可能なよう
コンタクトピン用ホール39が配置されている。コンタ
クトピン用ホール39はスリップリング32内側でスリ
ップリング外電極40に接続されている。コンタクトピ
ン38をコンタクトピン用ホール39に挿入しただけで
は、モータ部31の回転駆動力をトルク伝達軸16に伝
達するには強度が不十分である。そこで金属パイプ26
には接続用ピン36を配置し、スリップリング32には
接続用ホール37を設ける。接続用ピン36の断面形状
は例えば四角形であり、同様に接続用ホール39の形状
も例えば四角形である。四角形の接続用ピン36を四角
形の接続用ホール39に挿入することにより、滑ること
無く回転駆動力を効率よく伝達することができる。
【0056】以上のように本発明の実施例5によれば、
超音波プローブ1をプローブ後端部4と駆動部5で分離
できる構成にすることにより、簡便にカテーテル13を
含んだプローブ後端部4より先端側のみを取り替えるこ
とが可能となり、血液等を介した病気の感染予防がで
き、かつカテーテル13内に減圧下で伝搬媒体19を注
入するときモータ部31を減圧しないで済む。なお、第
5の実施例では、超音波プローブに用いたカテーテル1
3形状をルーメン17を有す形状としたが、実施例4の
ようにルーメン17を持たない形状でも良い。
【0057】(実施例6)以下本発明の第6の実施例に
ついて図面を参照しながら説明する。図8は超音波プロ
ーブに用いられるトルク伝達軸16の部分的な拡大図で
ある。図8において、16はトルク伝達軸、41はトル
ク伝達軸16の最外層、42は内側層、43は最外層4
1を構成する素線、44は素線43の幅である素線幅、
45は素線43の厚みである素線厚み、46は素線43
の間隔である素線間隔である。
【0058】トルク伝達軸16は、複雑な構造である体
腔内において駆動部5で発生した回転力を超音波プロー
ブ1先端部に位置する先端走査機構に安定して伝えるた
め、柔軟性とトルク伝達性を併せ持つ構造でなければな
らない。このためトルク伝達軸16としては、図8に示
すように、各層の巻き付け方向が逆である多層スプリン
グ構造でありかつ素線43の断面が長方形形状が望まし
いことが従来より知られている。また、素線幅44、素
線厚み45、素線間隔46を選択することで、柔軟性と
トルク伝達性を満足するトルク伝達軸16を構成させる
ことが可能なことは特願平4−55150号に記載され
ている。
【0059】しかし、トルク伝達軸16の柔軟性は、想
定する超音波プローブ1を挿入する体腔構造に強く依存
する。例えば図9に示したように、曲率半径Rや屈曲角
度θ(゜)に依存し、あるRとθで良好な特性を示すト
ルク伝達軸16でも、より小さなRや大きなθでは良好
な特性を示すとは限らない。図9を用い詳細に説明す
る。図9において47は最外層41の最外層直径Dであ
る。屈曲部分に於ける中心軸の距離と、最外層41の内
側の距離は最外層直径D47により変化し、(2)式に
示す比率で、内側の距離が中心軸の距離に比べて短くな
る。
【0060】 短縮比率=(2×π×(R−D/2)×θ/360) /(2×π×R×θ/360) =(R−D/2)/R ・・・ (2) 屈曲部において、トルク伝達軸16は、内側では素線間
隔46を狭め、逆に外側では拡大させることで上記長さ
の変化を吸収する。トルク伝達軸16の内側部分にて吸
収できる最大の比率は(3)式に示すように素線幅4
4、素線間隔46を用いて概算することが可能である。
【0061】 吸収比率=(素線幅44)/(素線幅44+素線間隔46)・・・ (3) 従って、想定する屈曲部分の最も小さい曲率半径Rに対
して(4)式が成立するように、素線幅44や素線間隔
46を選ぶことで良好な柔軟性を有するトルク伝達軸1
6を構成することが可能となる。
【0062】 短縮比率 > 吸収比率 (R−D/2) > (素線幅44)/(素線幅44+素線間隔46) ・・・ (4) 基本的に(4)式は、トルク伝達軸16の柔軟性が想定
する屈曲形状に対し、素線幅44や素線間隔46に依存
することを示しているが、想定するRが小さい場合やθ
が大きな場合では、素線厚み45も影響してくる。ま
た、柔軟性とは別にトルク伝達性は、素線幅44や素線
厚み45に強く依存する。従って、トルク伝達軸16
は、想定する屈曲部分の曲率半径Rに対し(4)式を考
慮しながら、素線幅44、素線間隔46や最外層直径D
47を概算すると共に、トルク伝達性をも加味し全体の
構造を選択することが望ましい。
【0063】曲率半径Rを小さくし屈曲内側において素
線間隔46がゼロになり吸収できなくなった場合、外側
の素線間隔46がより広がる方向で追従するが、結果と
してトルク伝達軸16の全長が長くなる。このことは、
トルク伝達軸16の特性を変化させることになり回転安
定性を阻害する。
【0064】更に、柔軟性を十分持たせるために、
(5)式で示すような関係式を満足する素線幅44と素
線間隔46にしても良い。
【0065】 短縮比率 > 吸収比率 + c (R−D/2) > (素線幅44)/(素線幅44+素線間隔46)+c ・・・ (5) 素線間隔46を大きくし過ぎると、トルク伝達性が劣化
するため、(5)式においてcは、0<c<0.3程度
が望ましい。
【0066】以上ように本実施例によれば、超音波プロ
ーブ1のトルク伝達軸16を、(2)式、(3)式に示
した短縮比率と吸収比率が、想定する屈曲部の最小曲率
半径Rや屈曲角度θに対し(4)式を満足し、所望のト
ルク伝達性を考慮しながら素線幅44、素線厚み45、
素線間隔46、最外層直径D47にて構成することで、
想定する屈曲部に対し柔軟性とトルク伝達性を兼ね備え
たトルク伝達軸16を実現することができ、駆動部で発
生した回転力を安定的にプローブ先端部3位置する走査
機構に伝達することが可能となり、複雑な生体体腔内組
織に超音波プローブ1を挿入した場合でも、歪のない超
音波断層像を得ることが可能となる。
【0067】更に、(2)式、(3)式に示した短縮比
率と吸収比率が(5)式を満足するするように各値を選
択しても、同様な効果が得られる。
【0068】(実施例7)以下本発明の第7の実施例を
図面を参照しながら説明する。前述の実施例6において
説明したように超音波プローブ1のトルク伝達軸16と
しては柔軟性とトルク伝達性を併せ持つものが望まし
く、多層スプリング構造が考えられる。例えば2層型の
トルク伝達軸16の内側層42と最外層41の構成を図
10(a)(b)に示す。図10において48はトルク
伝達軸16の回転方向である。トルク伝達軸16におい
て内側層42のスプリング巻き方向と最外層41の巻き
方向は逆に構成してある。
【0069】このような構成のトルク伝達軸16を回転
させると、各層の巻き方向と回転方向の関係から内側層
42は径を増大させる方向に変化し、逆に最外層41は
径を減少させる方向に変化するため、内側層42と最外
層41が密着しトルク伝達性を向上させる。更に屈曲部
では、実施例6に示すように素線間隔46が変化するこ
とより柔軟性を得ることができる。
【0070】このようなトルク伝達軸16を屈曲部で長
時間回転させた場合、構造的な経時変化が発生し、直線
状態に戻したとしても屈曲部近傍では素線間隔46が所
定の値に対して極端に小さくなったり大きくなったりす
る。直線状態に戻しても素線間隔46が元に戻らない理
由は、内側層42と最外層41との摩擦による。この摩
擦をなくすためには、内側層42と最外層41に隙間を
持たせれば良いが、内側層42に対して最外層41を巻
き付ける加工方法では困難であり、また隙間を持たせる
ことは多層化による柔軟性とトルク伝達性をあわせ持つ
特徴がなくなり、実用的な方法ではない。
【0071】図11を参照しながら第7の実施例につい
て説明する。図11において、1は超音波プローブ、5
は駆動部、2は本体部、11は本体部2に内包され駆動
部5内のモータ部31の動作を制御する制御部、49は
本体部2に取り付けられたプローブホルダ、50はプロ
ーブホルダ49に配置されたセンサで出力信号は制御部
11に接続されている。その他の超音波断層像を得るた
めの構成は、図1に示した構成を同じであるため省略す
る。
【0072】以上のような構成で以下その動作を説明す
る。体腔内に超音波プローブ1を挿入し超音波断層像を
得る動作は、第1の実施例と同じである。診断終了後に
操作者は、超音波プローブ1をプローブホルダ49に格
納する。例えばプローブホルダ49は、超音波プローブ
1のカテーテル13部分が直線状態になるように構成さ
れ、駆動部5がプローブホルダ49に納まることで簡易
に固定される。
【0073】プローブホルダ49の駆動部5を格納する
部分には、例えば接触型のセンサ50が配置され、プロ
ーブホルダ49に超音波プローブ1が格納された状態を
検出し、制御部11に検出信号もしくは検出結果を転送
する。センサ50から信号を受けた制御部11は駆動部
5に内包しているモータ31を逆回転させる。逆回転さ
せる時間は、数十秒から数分で予め制御部11に設定し
ておく。
【0074】モータ部31を逆回転させることで、トル
ク伝達軸16は前述の説明とは逆に、内側層42の径を
減少させ、最外層41の径を増大させ、結果として内側
層42と最外層41の摩擦を減少させる。従って、診断
によりトルク伝達軸16に構造的な経時変化が発生して
いたとしても、内側層42と最外層43の摩擦減少によ
り本来の特性を示す素線間隔46に戻すことが可能とな
る。
【0075】以上の説明では、プローブホルダ49にセ
ンサ50を設けることで自動的にトルク伝達軸16を逆
回転させる構成としていたが、超音波プローブ1の例え
ば駆動部5または本体部2に逆回転用スイッチを設けて
もよい。この場合、プローブホルダ49内のセンサ50
は安全スイッチとして機能させ、プローブホルダ49に
超音波プローブ1が格納されてない場合は逆回転動作を
機能させないようにしても良い。また、逆回転時間も本
体部2で自由に設定でき得るようにしても良い。
【0076】以上のように本実施例によれば、本体部2
にプローブホルダ49とセンサ50を設け、超音波プロ
ーブ1がプローブホルダ49に格納された時に制御部1
1が駆動部5内のモータ部31の回転方向を制御し、任
意の時間トルク伝達軸16を逆回転させる事が可能とな
る。従って、複雑な生体体腔内に超音波プローブ1を挿
入し使用することによるトルク伝達軸16の構造的な経
時変化を、簡単な構成と制御にて元に戻し、トルク伝達
軸16の良好な特性を長時間保つことが可能となり、安
定して歪のない超音波断層像を提供することが可能とな
る。
【0077】(実施例8)以下本発明の第8の実施例に
ついて図面を用いながら説明する。図12は第8の実施
例における例えば2層型のトルク伝達軸16の加工工程
を示す図であり、図13は加工方法の手順を示す図であ
る。図12において51は心金、42は内側層、41は
最外層である。以上のような構成で以下その動作を説明
する。
【0078】トルク伝達軸16の加工は、図12(a)
に示すように心金51に対し内側層42を所定方向に設
定したい素線間隔46を維持しながら巻き付ける。この
状態で内側層42表面を研磨する。研磨の方法としては
電解研磨などであり、内側層42の表面すなわち最外層
41との接触面の摩擦が低減できる方式を用いる。また
研磨する場所は、内側層42の長さ方向全体でも良い
し、想定する屈曲部分、通常は先端部分、だけでも良
い。
【0079】研磨した後、図12(b)に示すように最
外層41を内側層42にかぶせるように、所定の方向と
素線間隔46で構成し、心金51を抜くことでトルク伝
達軸16を加工することができる。このように加工した
トルク伝達軸16は、全体または所定の一部分の内側層
42と最外層41の摩擦が減少するため、屈曲部に超音
波プローブ16を挿入し一定時間回転動作させても、構
造的な経時変化が発生しにくくなり、回転安定を長い時
間保持することが可能となる。
【0080】以上の説明では、2層構造のトルク伝達軸
16の加工方法であるが、繰り返し行う事で3層以上の
多層スプリング構造のトルク伝達軸16を構成できる。
以上のように本実施例によれば、心金51に内側層42
を巻き付け研磨し、その後に最外層41を巻き付けトル
ク伝達軸16Bを加工することで、内側層42と最外層
41との接触部分の摩擦を低減することが可能となり、
屈曲部に挿入し回転動作させても構造的な経時変化のお
きにくい安定したトルク伝達軸16を構成することが可
能となり、安定して歪のない超音波断層像を提供するこ
とが可能となる。
【0081】(実施例9)以下本発明の第9の実施例を
図面を用いて説明する。第7の実施例にて説明したよう
に、トルク伝達軸16の構造的な経時変化は回転安定性
の阻害要因となる。図14を参照しながら第9の実施例
を説明する。図14において2は本体部、11は制御
部、49はプローブホルダ、50はセンサ、52はプロ
ーブホルダ49に設けられたヒータ部である。その他の
超音波断層像を映出する構成は図1に示したものと同じ
であり省略してある。
【0082】以上のような構成で以下その動作を説明す
る。体腔内に超音波プローブ1を挿入し超音波断層像を
得る動作は第1の実施例と同じである。診断終了後に操
作者は、超音波プローブ1をプローブホルダ49に格納
する。また、プローブホルダ49において超音波プロー
ブ1のトルク伝達軸16が存在する部位はヒータ部52
が配置されている。トルク伝達軸16は形状記憶材料の
素線43を用い所望の素線間隔46にて構成されてい
る。
【0083】第7の実施例と同じように超音波プローブ
1がプローブホルダ49に格納されているかどうかは、
センサ50にて検出し、検出信号または検出結果を制御
部11に転送する。センサ50から信号を受けた制御部
11はプローブホルダ49内のヒータ部52を動作させ
加熱状態にする。形状を記憶している温度にトルク伝達
軸16を加熱することで、トルク伝達軸16は初期の状
態、即ち所望の素線間隔46に戻すことが可能となる。
【0084】以上の説明では、プローブホルダ49にセ
ンサ50を設けることで自動的にトルク伝達軸16をヒ
ータ部52で加熱させる構成としていたが、超音波プロ
ーブ1または本体部2上に加熱用スイッチを設けてもよ
い。この場合、プローブホルダ49内のセンサ50は安
全スイッチとして機能させ、プローブホルダ49に超音
波プローブ1が格納されてない場合は加熱動作を機能さ
せないようにしても良い。また、プローブホルダ49内
に例えば水等を充満させ、この液体を常に加熱してもよ
い。
【0085】以上のように本実施例によれば、本体部2
にプローブホルダ49とセンサ50を設け、トルク伝達
軸16を形状記憶材料の素線43で構成することによ
り、超音波プローブ1がプローブホルダ49に格納され
た時に、プローブホルダ49内のヒータ部52を制御し
加熱させることができ、トルク伝達軸16の素線間隔4
6を所望の素線間隔46に戻す事が可能となる。従っ
て、複雑な生体体腔内に超音波プローブ1を挿入し使用
することによるトルク伝達軸1の構造的な経時変化を、
簡単な構成と制御にて元に戻し、トルク伝達軸16の特
性を長時間保つことが可能となり、安定して歪のない超
音波断層像を提供することが可能となる。
【0086】
【発明の効果】以上の本発明は、先端部と後端部を持つ
可撓性の中空管構造で先端部から後端部までの肉厚部分
に少なくとも1つ以上の管空構造のルーメンを有するカ
テーテルと、カテーテル先端部に位置し超音波を送受波
する超音波振動子を内包し2次元動作させる先端走査機
構と、先端走査機構を包みカテーテル先端部に固定され
た音響窓と、カテーテル中空部分に内包され一方に先端
走査機構を他方に金属パイプを接続したトルク伝達軸
と、トルク伝達軸に内包され前記超音波振動子に電気的
に接続された信号線と、プローブ後端部に接続固定され
カテーテル中空部に接続された伝搬媒体注入口と前記カ
テーテル肉厚部分に構成されたルーメンに接続された排
気口を持ちトルク伝達軸から伝搬媒体の流出を防止する
オイルシールを有する後端部を設けることで、超音波プ
ローブ内の気泡の影響を受けずに超音波断層像を得るこ
とができかつ安全性の高い優れた超音波診断装置を実現
できる。 さらに、伝搬媒体を伝搬媒体注入口に接続
し、排気口を閉じた状態で、一度減圧し再度大気圧に戻
す方法により、音響窓による先端を密閉し漏れ電流を防
いだ超音波プローブに対し残存空気を無くすか極めて小
さいものにさせる伝搬媒体の注入が実現できる。
【0087】また、別構成の超音波プローブでは、先端
部と後端部を持つ可撓性の中空管構造のカテーテルと、
カテーテル先端部に位置し超音波を送受波する超音波振
動子を内包し2次元動作させる先端走査機構と、先端走
査機構を包みカテーテル先端部に固定されかつ先端走査
機構より先端側に空気だめ用の空間を有したた音響窓
と、カテーテル中空部分に内包され一方に先端走査機構
を他方に金属パイプを接続したトルク伝達軸と、トルク
伝達軸に内包され前記超音波振動子に電気的に接続され
た信号線と、プローブ後端部に接続固定されカテーテル
中空部に接続された伝搬媒体注入口とトルク伝達軸から
伝搬媒体の流出を防止するオイルシールを設けること
で、超音波プローブ内の気泡の影響を受けずに超音波断
層像を得ることができ、かつ安全性の高い優れた超音波
診断装置を実現できる。この場合、伝搬媒体を伝搬媒体
注入口に接続し、一度減圧し再度大気圧に戻すことによ
り、音響窓による先端を密閉し漏れ電流を防いだ超音波
プローブに対し残存空気を無くすか先端部の空気だめに
閉じこめることができる。
【0088】また、素線厚みや素線幅、ならびに素線間
隔を想定する屈曲部位の曲率半径Rとトルク伝達軸直径
Dに対し選択して多層スプリング構造のトルク伝達軸を
構成することで、トルク伝達性と柔軟性を合わせ持たせ
ることができ、駆動部で発生した回転を安定して先端走
査機構に伝達でき歪のない超音波断層像を得ることが可
能となる優れた超音波診断装置を実現できる。
【0089】また、本体部にプローブホルダとプローブ
ホルダ内にセンサを設けることで、超音波プローブがプ
ローブホルダに保持されている時に、トルク伝達軸を任
意の時間逆回転させることができ、診断により構造的に
変化した素線間隔を所定の間隔に戻すことができる優れ
た超音波診断装置を実現できる。
【0090】更に、トルク伝達軸が形状記憶材料の素線
で構成し、本体部にプローブホルダと、プローブホルダ
内にセンサとヒータ部を設けることで、超音波プローブ
がプローブホルダに保持されている時に、トルク伝達軸
を加熱することができ、診断により構造的に変化した素
線間隔を所定の間隔に戻すことができる優れた超音波診
断装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における超音波振動子の
概略ブロック図
【図2】同実施例における超音波プローブの透視図
【図3】本発明の第2の実施例における超音波プローブ
の透視図
【図4】本発明の第3の実施例における超音波プローブ
の透視図
【図5】本発明の第4の実施例における超音波プローブ
の透視図
【図6】本発明の第5の実施例における超音波プローブ
の透視図
【図7】本発明の第5の実施例における超音波プローブ
の接合部の拡大斜視図
【図8】本発明の第6の実施例におけるトルク伝達軸の
部分拡大図
【図9】同実施例に屈曲部におけるトルク伝達軸の模式
【図10】(a)本発明の第7の実施例におけるトルク
伝達軸の内側層の構成を示す図 (b)同実施例におけるトルク伝達軸の最外層の構成を
示す図
【図11】本発明の第7の実施例における超音波診断装
置の構成図
【図12】(a)本発明の第8の実施例における内側層
の加工方法を示す図 (b)同実施例における最外層の加工方法を示す図
【図13】同実施例におけるトルク伝達軸の加工手順を
示す図
【図14】本発明の第9の実施例における超音波診断装
置の構成図
【図15】(a)従来の輸送時における超音波プローブ
の透視図 (b)従来の診断時における超音波プローブの透視図
【符号の説明】
1 超音波プローブ 2 本体部 3 プローブ先端部 4 プローブ後端部 5 駆動部 6 送受信部 7 画像構成部 8 画像メモリ部 9 モニタ 10 オペレータ部 11 制御部 12 被検管 13 カテーテル 14 走査機構 15 超音波振動子 16 トルク伝達軸 17 ルーメン 18 音響窓 19 伝搬媒体 20 伝搬媒体注入口 21 ポンプ 22 排気口 23 先端寸法 24 オイルシール 25 プローブ側信号線 26 金属パイプ 27 デシケータ 28 真空ポンプ 29 脱気装置 30 空気だめ 31 モータ部 32 スリップリング 33 ベアリング 34 本体側信号線 35 ガイドピン 36 接続用ピン 37 接続用ホール 38 コンタクトピン 39 コンタクトピン用ホール 40 スリップリング 41 最外層 42 内側層 43 素線 44 素線幅 45 素線厚み 46 素線間隔 47 最外層直径D 48 回転方向 49 プローブホルダ 50 センサ 51 心金 52 ヒータ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田原 健司 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部と後端部を持つ可撓性の中空管構
    造で先端部から後端部までの肉厚部分に少なくとも1つ
    以上の管空構造のルーメンを有するカテーテルと、カテ
    ーテル先端部に位置し超音波を送受波する超音波振動子
    を内包し2次元動作させる先端走査機構と、先端走査機
    構を包みカテーテル先端部に固定された音響窓と、カテ
    ーテル中空部分に内包され一方に先端走査機構を他方に
    金属パイプを接続したトルク伝達軸と、トルク伝達軸に
    内包され前記超音波振動子に電気的に接続された信号線
    と、カテーテル後端部に接続固定されカテーテル中空部
    に接続された伝搬媒体注入口と、前記カテーテル肉厚部
    分に構成されたルーメンに接続された排気口を持ちトル
    ク伝達軸から伝搬媒体の流出を防止するオイルシールを
    有する後端部とを具備する超音波プローブと、プローブ
    後端部と脱着可能で回転力をトルク伝達軸に伝えトルク
    伝達軸に内包された信号線と電気的に接続するスリップ
    リングと回転力を発生するモータ部からなる駆動部と、
    駆動部に接続され前記超音波振動子で超音波を送波する
    ための電気信号を送信し前記超音波振動子で受波した超
    音波が電気信号に変換されて受信する送受信部と、送受
    信部に接続され超音波画像を構成する画像構成部と、前
    記画像構成部で構成された超音波画像を記憶する画像メ
    モリ部と、画像メモリ部で記憶された超音波画像を表示
    するモニタ部と、駆動部と送受信部と画像構成部と画像
    メモリ部に制御信号を出力する制御部と、制御部に接続
    され制御指令を入力するオペレータ部を具備する本体部
    とから構成されたことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 【請求項2】 伝搬媒体注入口が、カテーテル肉厚部の
    ルーメンに接続され、排気口がカテーテル中空部に接続
    されていることを特徴とする請求項1記載の超音波診断
    装置
  3. 【請求項3】 超音波プローブにおいて、カテーテル先
    端側でルーメンがカテーテル中空部分に接続され、音響
    窓と前記カテーテルが一体構造で構成されていることを
    特徴とする請求項1または2記載の超音波診断装置。
  4. 【請求項4】 脱気した伝搬媒体を伝搬媒体注入口に接
    続し、排気口を閉じた状態で、伝搬媒体および超音波プ
    ローブを大気圧より減圧し再び大気圧に戻すことにより
    プローブ内へ伝搬媒体を注入した請求項1乃至3のいず
    れかに記載の超音波診断装置。
  5. 【請求項5】 脱気した伝搬媒体を伝搬媒体注入口に接
    続し、排気口を閉じた状態で、伝搬媒体および超音波プ
    ローブを大気圧より減圧し再び大気圧に戻し、更に排気
    口を開き脱気した伝搬媒体を伝搬媒体注入口からポンプ
    で強制的に注入することによりプローブ内へ伝搬媒体を
    注入した請求項1乃至3のいずれかに記載の超音波診断
    装置。
  6. 【請求項6】 伝搬媒体の脱気装置とポンプと超音波プ
    ローブを環状に接続し、伝搬媒体をポンプによりプロー
    ブ後端部の伝搬媒体注入口から強制的に注入し、排気口
    から排出された伝搬媒体を脱気装置で脱気し再びポンプ
    にてプローブ後端部の伝搬媒体注入口から強制的に注入
    させることによりプローブ内へ伝搬媒体を注入した請求
    項1乃至3のいずれかに記載の超音波診断装置。
  7. 【請求項7】 先端部と後端部を持つ可撓性の中空管構
    造のカテーテルと、カテーテル先端部に位置し超音波を
    送受波する超音波振動子を内包し2次元動作させる先端
    走査機構と、先端走査機構を包みカテーテル先端部に固
    定されかつ先端側に空気だめ用の空間を有した音響窓
    と、カテーテル中空部分に内包され一方に先端走査機構
    を他方に金属パイプを接続したトルク伝達軸と、トルク
    伝達軸に内包され前記超音波振動子に電気的に接続され
    た信号線と、カテーテル後端部に接続固定されカテーテ
    ル中空部に接続された伝搬媒体注入口とトルク伝達軸か
    ら伝搬媒体の流出を防止するオイルシールを有する後端
    部を具備する超音波プローブと、プローブ後端部と脱着
    可能で回転力をトルク伝達軸に伝えトルク伝達軸に内包
    された信号線と電気的に接続するスリップリングと回転
    力を発生するモータ部からなる駆動部と、駆動部に接続
    され前記超音波振動子で超音波を送波するための電気信
    号を送信し前記超音波振動子で受波した超音波が電気信
    号に変換されて受信する送受信部と、送受信部に接続さ
    れ超音波画像を構成する画像構成部と、前記画像構成部
    で構成された超音波画像を記憶する画像メモリ部と、画
    像メモリ部で記憶された超音波画像を表示するモニタ部
    と、駆動部と送受信部と画像構成部と画像メモリ部に制
    御信号を出力する制御部と、制御部に接続され制御指令
    を入力するオペレータ部を具備する本体部とから構成さ
    れたことを特徴とする超音波診断装置。
  8. 【請求項8】 超音波プローブにおいて、カテーテルと
    音響窓とが一体構造で構成されていることを特徴とする
    請求項7記載の超音波診断装置。
  9. 【請求項9】 脱気した伝搬媒体を伝搬媒体注入口に接
    続し、伝搬媒体および超音波プローブを大気圧より減圧
    し再び大気圧に戻すことにより超音波プローブ内へ伝搬
    媒体を注入した請求項7または8記載の超音波診断装
    置。
  10. 【請求項10】 トルク伝達軸後端側に接続された金属
    パイプに回転力を伝達する接続用ピンとトルク伝達軸に
    内包された信号線に接続されたコンタクトピンを有し、
    駆動部内のスリップリングの回転軸に前記接続用ピンと
    コンタクトピンに勘合する接続用ホールとコンタクトピ
    ン用ホールを具備することを特徴とする請求項1乃至9
    のいずれかに記載の超音波診断装置。
  11. 【請求項11】 各層の巻き付け方向が逆であり、断面
    形状が素線厚み×素線幅の長方形の素線で構成された多
    層スプリング構造で、想定する屈曲部位の曲率半径Rと
    トルク伝達軸直径Dに対し素線間隔を、 (R−D/2)>(素線幅)/(素線幅+素線間隔) の関係を満たすトルク伝達軸であることを特徴とした請
    求項1乃至9のいずれかに記載の超音波診断装置。
  12. 【請求項12】 各層の巻き付け方向が逆であり、断面
    形状が素線厚み×素線幅の長方形の素線で構成された多
    層スプリング構造で、想定する屈曲部位の曲率半径Rと
    トルク伝達軸直径Dに対し素線間隔を、 (R−D/2)>(素線幅)/(素線幅+素線間隔)+
    c 0<c<0.3 の関係を満たすトルク伝達軸であることを特徴とした請
    求項1乃至9のいずれかに記載の超音波診断装置。
  13. 【請求項13】 トルク伝達軸が2層構造で、プローブ
    ホルダと、前記プローブホルダ内に設けられ出力が制御
    部に接続されたセンサとを具備し、駆動部内のモータ部
    が逆回転できることを特徴した請求項1乃至9、11、
    12のいずれかに記載の超音波診断装置。
  14. 【請求項14】 内側層を心金に巻き、所定の部位を研
    磨した後、最外層を巻き付け心金を抜き取ることで構成
    する2層スプリング構造のトルク伝達軸を具備した請求
    項1乃至9、11、12のいずれかに記載の超音波診断
    装置。
  15. 【請求項15】 トルク伝達軸が形状記憶材料の素線で
    構成され、プローブホルダと、前記プローブホルダ内に
    設けられ出力が制御部に接続されたセンサと、前記プロ
    ーブホルダ内に設けられたヒータ部とを具備し、前記制
    御部が前記ヒータ部の加熱状態を制御することを特徴し
    た請求項1乃至9、11、12のいずれかに記載の超音
    波診断装置。
  16. 【請求項16】 伝搬媒体を伝搬媒体注入口に接続し、
    排気口を閉じた状態で、伝搬媒体および超音波プローブ
    を大気圧より減圧し再び大気圧に戻す超音波プローブ内
    への伝搬媒体注入方法。
  17. 【請求項17】 伝搬媒体を伝搬媒体注入口に接続し、
    排気口を閉じた状態で、伝搬媒体および超音波プローブ
    を大気圧より減圧し再び大気圧に戻し、更に排気口を開
    き脱気した伝搬媒体を伝搬媒体注入口からポンプで強制
    的に注入する超音波プローブ内への伝搬媒体注入方法。
  18. 【請求項18】 伝搬媒体の脱気装置とポンプと超音波
    プローブを環状に接続し、伝搬媒体をポンプにより伝搬
    媒体注入口から強制的に注入し、排気口から排出された
    伝搬媒体を前記脱気装置で脱気し再びポンプにて伝搬媒
    体注入口から強制的に注入させる超音波プローブ内への
    伝搬媒体注入方法。
  19. 【請求項19】 伝搬媒体を伝搬媒体注入口に接続し、
    伝搬媒体および超音波プローブを大気圧より減圧し再び
    大気圧に戻す、請求項7または請求項8記載の超音波プ
    ローブ内への伝搬媒体注入法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009515606A (ja) * 2005-11-12 2009-04-16 ボストン サイエンティフィック リミテッド 固定して検知するためのシステム及び方法
US8092416B2 (en) 2008-03-28 2012-01-10 Vitalmex Internacional S.A. De C.V. Device and method for connecting a blood pump without trapping air bubbles
WO2018070008A1 (ja) * 2016-10-13 2018-04-19 朝日インテック株式会社 多層体、多層中空体及び多層中空体を備えたカテーテル

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