JPH07238994A - 減速装置 - Google Patents

減速装置

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JPH07238994A
JPH07238994A JP2578894A JP2578894A JPH07238994A JP H07238994 A JPH07238994 A JP H07238994A JP 2578894 A JP2578894 A JP 2578894A JP 2578894 A JP2578894 A JP 2578894A JP H07238994 A JPH07238994 A JP H07238994A
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JP
Japan
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gear
shaft
speed reducer
pinion
plate
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JP2578894A
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English (en)
Inventor
Kazuya Shibayama
和也 柴山
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Jtekt Column Systems Corp
Original Assignee
Fuji Kiko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パワーユニットの減速機を円弧歯形系線接触
歯車(ロジックス・ギヤ)で構成するとともに、その場
合に生じる不都合を解決する。 【構成】 入力軸1に形成した歯部1a又は入力軸に軸
着した歯車に噛合する歯車列6と、歯車列6の一つに噛
合する歯車18を有する出力軸19とを、それぞれ回転
可能に軸支部材に支承してなる減速機2において、歯部
1a及び歯車8,13,18を円弧歯形系線接触歯車に
て構成するとともに、軸支部材は断面略コ字形であっ
て、周縁にフランジ部3aを有し、フランジ部3aに直
交する環状のストッパー3bを形成したハウジング3
と、このハウジング3に収納するプレート4と、ハウジ
ング3に嵌着する平板状のプレート5とにより軸支精度
が向上するように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は減速装置に関し、一般
的には産業用機器であるベルトコンベア装置や電動シャ
ッター装置、さらに車両用等の駆動源となる電動モータ
ーとその減速機を組み合わせたパワーユニットに用いら
れる。
【0002】
【従来の技術】一般に、パワーユニットは、例えば、電
動モーターの出力軸にウオーム軸を軸着し、このウオー
ム軸に噛合するウォームホイールと、このウォームホイ
ールに軸着したシャフトに軸着する減速歯車とを回転可
能に収納したアルミダイカスト等のハウジングを、電動
モーターの台座に兼用することにより、一体化してい
る。
【0003】また、平歯車を用いた減速装置としては、
入力軸と出力軸との間に数段の歯車列で構成され、必要
な減速比、トルク、回転数を出すようにしている。
【0004】この歯車列の各ギヤの固定には、軸をロー
レット加工し、これを軸心部に円穴を有するギヤに圧入
している。
【0005】また、歯車列をベアリングとキャップを介
して2枚の円板状のプレートで挟み、段付きピンでかし
めることとしている。
【0006】そして、減速装置に使用している平歯車の
歯形はインボリュート歯形である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の減速装置によれば、インボリュート歯形は、ピニオ
ン(主動ギヤ)の歯数の減少にも限界があり、大きな減
速比が必要な場合は、歯車列の段数を増やして(部品点
数を増やして)減速比、トルク、回転数を出している。
【0008】したがって、部品点数が増えることによ
り、ギヤケースの幅が厚くなり、小型コンパクト性に欠
けるという問題があった。
【0009】また、インボリュート歯形は、凸面どうし
の噛合であるために、面圧強度が低いこと、ピッチ点以
外では滑り接触となるため、摩耗に対して弱い。
【0010】さらに、インボリュート歯形の欠点は、負
荷の限界以上の負荷を要求されるときに、それに応える
ことができないために、小型コンパクトな構成が達成で
きず、一般的に大型化する。
【0011】すなわち、インボリュート歯形は、これが
成り立つ歯数が限られており、歯数が7枚程度が限界と
なる。そのため、ピニオンギヤの径は一定限度以上に小
さくすることができない。
【0012】したがって減速比を余り大きくできず、そ
のためにパワーユニットとして用いる場合、減速機構が
大きくなり、容積や重量ともに大型化せざるを得ない面
がある。また、インボリュート歯形の場合、歯形の強度
上、歯車の熱処理が必要である。
【0013】そこで、現在、インボリュート歯形に代わ
る新しい歯車として円弧歯形系歯車(ロジックス・ギ
ヤ)が提供されている。このロジックスギヤを用いて減
速機構を形成すれば、ピニオンギヤの最小歯数が少なく
なり、より大きな減速比が得られ、したがって減速機構
の小型コンパクト化が可能となるほか、歯形の強度上、
熱処理を廃止でき、また、凸面と凹面の線接触で相対曲
率が小さく、面圧強度、耐摩耗性に優れる。
【0014】しかしながら、ロジックス・ギヤの欠点
は、高速回転で振動騒音が発生し易いということであ
る。これは、従来の減速機によれば、ローレット加工に
よる軸単品の芯ずれ、ギヤの歯と円穴の芯ずれ、さらに
は、圧入による軸とギヤの芯ずれが集積されて軸の振れ
が大きくなり、ギヤの引っ掛かり、作動音が大きくなる
などの悪影響を与える惧れがあり、また、歯車列を2枚
のプレートで挟み、これらをピンでかしめるとき、プレ
ートのねじれ、倒れ等が発生し、ギヤの噛合に悪影響を
及ぼしたことに因る。
【0015】そのため、インボリュート歯車の場合には
軸芯間距離に多少の誤差があってもこの問題は発生しな
いが、ロジックス・ギヤの場合には、軸芯間距離が正確
に定まっていないときに生じる問題であるとされてい
る。
【0016】この発明は、上記事情に鑑みて、パワーユ
ニットの減速装置をロジックス・ギヤで構成するととも
に、その場合に生じる不都合を解決することを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、入力軸に形成した歯部又は入力軸に軸着した歯車に
噛合する歯車列と、該歯車列の一つに噛合する歯車を有
する出力軸とを、それぞれ回転可能に軸支部材に支承し
てなる減速機において、前記歯部及び歯車が円弧歯形系
線接触歯車からなる減速装置を構成した。
【0018】そして、軸支部材は断面略コ字形であっ
て、周縁にフランジ部を有し、そのフランジ部に直交す
る環状のストッパーを形成したハウジングと、該ハウジ
ングに収納される断面略コ字形のプレートと、前記フラ
ンジ部に周縁部が嵌着する平板状のプレートとから構成
し、若しくは、軸支部材は断面略コ字形であって、周縁
にフランジ部を有し、そのフランジ部に直交する環状の
ストッパーを形成したハウジングと、前記フランジ部に
周縁部が嵌着する平板状のプレートとから構成する。
【0019】さらに、軸支部材に穿設した軸孔に入力軸
を支承するベアリング又は含油軸受を埋め込み固定し、
また、前記歯車がギヤとピニオンの二体からなり、該ピ
ニオンに歯切り溝を刻設した軸部を形成し、該軸部をギ
ヤの中心孔に圧入して一体化し、若しくは、ベアリング
を軸支部材に形成したエンボス又はバーリング加工によ
る軸孔に支持して構成する。
【0020】
【作用】歯部及び歯車が円弧歯形系線接触歯車からなる
から、歯車列の数を減少できるとともに、モジュールが
小さくなり、かつ、歯車列の減少が可能となるために、
減速装置が小型コンパクト化し、また、伝達トルクが小
さくなるので電動モーターまでも小型コンパクト化でき
る。
【0021】そして、ギヤとピニオンの二体からなり、
該ピニオンの軸に歯切り溝を刻設し、該軸をギヤの中心
孔に圧入して一体化したから、ギヤとピニオンの軸芯ず
れが少なくなって精度が向上するとともに、ギヤとピニ
オンの材質を変えてギヤを樹脂とすることができ、騒音
の発生が少なくなる。
【0022】また、歯車の軸の一端部をプレート又はハ
ウジングに固定し、若しくは、プレート又はハウジング
に穿設した軸孔に入力軸を支承するベアリング又は含油
軸受を埋込み固定し、又は、ベアリングをプレートに形
成したエンボス又はバーリング加工による軸孔に支持
し、さらに、軸支部材は断面コ字型のプレート又はハウ
ジングにプレートを嵌め込み、支承する歯車の軸の両端
部のずれを防止するようにしたから、歯車の軸の倒れや
振れが減少して軸芯間距離のずれが少なくなるととも
に、組付け性が向上する。
【0023】
【実施例】以下、この発明を図に基づき説明する。初め
に、この発明の第1実施例を図1から図3に基づき説明
する。
【0024】図1に示すように、電動モーター等の入力
軸1が挿入される減速機2の軸支部材は、一方を断面略
コ字形としたハウジング3と、ハウジング3内に収納さ
れる断面略コ字形のプレート4と、プレート4の開口部
を覆う平板蓋状のプレート5とからなり、プレート4,
5間に歯車列6を収納してなる。
【0025】ハウジング3とプレート5との結合は、ハ
ウジング3にフランジ部3aを形成し、そのフランジ部
3aの外周縁に環状のストッパー3bを直交して形成
し、フランジ部3aにプレート5を嵌め込み、ネジ7を
介して両者を締結する構造である。プレート5にはプレ
ート4の周縁部が突き当てられている。
【0026】なお、ハウジング3にフランジ部3aを形
成することなく、図2に示すように、側壁3cの内周縁
にストッパー3dを形成し、このストッパー3dにプレ
ート5を嵌め込み、かつ、ハウジング3,プレート4,
5をそれぞれ貫通するネジ7aで両者を締結する構造と
してもよい。プレート5にはプレート4の周縁部が突き
当てられている。
【0027】プレート5をハウジング3に嵌め込み、か
つ、ネジ7,7aで締結することにより、ハウジング3
とプレート5の一体性が増し、歯車列6の軸12,17
の芯ずれが減少する効果を伴う。
【0028】入力軸1はモーター軸であり、ハウジング
3とプレート4に穿設した孔から内部へ直交する状態で
進入し、端部に歯部1aが形成されている。なお、歯部
1aに代わる歯車を入力軸1に軸着してもよい。
【0029】プレート4,5には歯車列6の各歯車が回
転可能に支承される。入力軸1の歯部1aと噛合する歯
車8は、一体形成されたギヤ9とピニオン10、ギヤ9
に埋め込まれたベアリング11及びベアリング11に嵌
挿された軸12とからなる。軸12は一端部をプレート
4にかしめ結合し、他端部はプレート5に穿設した軸孔
に嵌挿されて固定している。
【0030】歯車8と噛合する歯車13は一体形成され
たギヤ14とピニオン15、ギヤ14に埋め込まれたベ
アリング16及びベアリング16に嵌挿された軸17と
からなる。ギヤ14は前記ピニオン10と噛合する。
【0031】なお、ギヤ9とピニオン10及びギヤ14
とピニオン15はそれぞれ焼結により一体形成したもの
を用いる。しかし、歯車8,13,18の全部又は一部
を鉄板のプレス成形、鉄鋼の切削又は樹脂で成形しても
よく、樹脂で形成した場合、回転時における騒音が低下
する効果を伴う。
【0032】軸12,17は一端部をプレート4にかし
め結合し、他端部はプレート5に穿設した軸孔に嵌挿さ
れて固定している。したがって、予めプレート4にシャ
フト17を植設しておくと、歯車8,13及びプレート
5の組付け性が、簡便迅速かつ容易となる効果を伴う。
なお、軸12,17の両端部をプレート4,5にそれぞ
れかしめ結合してもよい。
【0033】歯車13と噛合する歯車18は前記ピニオ
ン15と噛合して出力軸19に固定されている。出力軸
19はベアリング20を介してプレート4、及び、ベア
リング21を介してプレート5にそれぞれ回転可能に支
承されている。
【0034】ベアリング20,21はプレート4,5に
穿設した透孔にそれぞれ嵌挿固定されている。また、ベ
アリング20はその外輪につば部22が形成され、この
つば部22がハウジング3とプレート4間に配置されて
抜け止めをする。ベアリング21と歯車18間にはスペ
ーサ22が介在されている。
【0035】ベアリング20は、図3(A)にすよう
に、プレート4の一部にバーリング部4aを形成し、又
は、図3(B)に示すように、エンボス部4bを形成し
て、これらにベアリング20をそれぞれ嵌挿固定した構
造としてもよい。これにより、従来あるキャップと段付
きピンが廃止できるため、軸芯精度が向上するととも
に、組付け性向上や部品点数及びコスト削減の効果を伴
う。
【0036】したがって、モーターの回転駆動により、
入力軸1が回転して歯車8及び歯車13を介して歯車1
8が減速回転し、出力軸19から減速回転が取り出せ
る。
【0037】次に、この発明の第2実施例を図4及び図
5に基づき説明する。この例では減速機の軸支部材はハ
ウジング3とプレート5からなり、前記実施例のプレー
ト4は廃止され、部品点数とコストの削減ができる。
【0038】すなわち、図4に示すように、ハウジング
3とプレート5との結合は、ハウジング3にフランジ部
3aを形成し、そのフランジ部3aの外周縁に環状のス
トッパー3bを直交して形成し、フランジ部3aにプレ
ート5を嵌め込み、ネジ7を介して両者を締結する構造
である。
【0039】なお、ハウジング3にフランジ部3aを形
成することなく、図5に示すように、側壁3cの内周縁
にストッパー3dを形成し、このストッパー3dにプレ
ート5を嵌め込み、かつ、ハウジング3とプレート5を
貫通するネジ7aで両者を締結する構造としてもよい。
【0040】プレート5をハウジング3に嵌め込み、か
つ、ネジ7,7aで締結することにより、プレート5と
ハウジング3の一体性が増し、歯車列6の軸12a,1
7aの軸芯ずれが減少する。
【0041】また、歯車列6の歯車8,13の前記実施
例と異なる支承構造として、ハウジング3に凹部3eを
形成し、その凹部3eにベアリング25,27,29を
挿入固定する。一方、ベアリング25,27に相対向
し、プレート5に穿設した軸孔につば付きのベアリング
26,28を挿入固定する。ベアリング21は前記実施
例と同じである。
【0042】そして、ベアリング25,26,27,2
8に歯車8,13の軸12a,17aを挿入固定して回
転可能に支承させるのである。これにより、キャップ、
段付きピン並びにプレート4が廃止できるため、組付け
性向上と部品点数及びコスト削減の効果や、軸12a,
17aの軸心精度が向上する効果を伴う。
【0043】歯車8,13は、それぞれギヤ9,14及
びピニオン10,15からなり、ギヤ9,14はピニオ
ン10,15と一体形成されていて前記実施例のように
ベアリングを埋め込み固定していない。この場合、軸1
2a,17aと歯車8,13とは一体構成でも別体構成
でもよい。
【0044】したがって、モーターの回転駆動により、
入力軸1が回転して歯車8及び歯車13を介して歯車1
8が減速回転し、出力軸19から減速回転が取り出せ
る。
【0045】次に、図6及び図7に示す第3実施例を説
明する。この例では、軸支部材は2枚の円板状のプレー
ト4,5から構成し、それらの間に段付きピン31と歯
車列6を介在させる構造とした。なお、歯車列6を組込
んだプレート4,5は密閉箱形のハウジング3内に収納
される。
【0046】すなわち、プレート4,5に穿設した複数
の軸孔にそれぞれベアリング25a,26a,27a,
28aを挿入固定し、これらのベアリングに軸12b,
17bを挿入して回転可能に支承させる。ベアリング2
5a,26a,27a,28a,29aにはそれぞれキ
ャップ30が嵌着される。キャップ30は各ベアリング
に異物が侵入するのを防止する。
【0047】そして、プレート4,5の周縁部には等間
隔にて適宜の孔40,50を穿設し、該孔40,50に
段付きピン31を挿入してプレート4,5に両端部をそ
れぞれかしめ固定する。段付きピン31はプレート4,
5の孔40,50に嵌め込む嵌合突起32とつば部33
が両端に形成されている。
【0048】嵌合突起32をプレート4,5にかしめる
とき、つば部33によりプレート4,5に対する段付き
ピン31の傾きを防止することでプレート4,5の平行
度が向上し、組付け性が向上するとともに、歯車8,1
3の軸12b,17bの軸芯ずれが減少する効果を伴
う。
【0049】そして、歯車8は、一体形成されたギヤ9
とピニオン10、及び軸12bとからなる。歯車13は
一体形成されたギヤ14とピニオン15、及び軸17b
とからなる。
【0050】したがって、モーターの回転駆動により、
入力軸1が回転して歯車8及び歯車13を介して歯車1
8が減速回転し、出力軸19から減速回転が取り出せ
る。
【0051】なお、前記歯車8,13は、ギヤ9,14
とピニオン10,15を一体形成して軸12,12a,
12b、17,17a,17bを嵌挿したが、例えば図
8(A),(B)に示すように、ピニオン10に軸部1
0aを一体形成し、その軸部10aにピニオン谷部10
bが延伸する歯切り溝10cを刻設する。そして、図8
(C)に示すように、その軸部10aをギヤ9の中心孔
9aに圧入して固定することとしてもよい。
【0052】かかる二体構成の歯車8とすることによ
り、部品点数が削減されて組付け性を向上させるほか、
軸部10aをギヤ9に圧入する際にピニオン10と一体
形成された軸12の芯ずれが生じ難く、ばらつきが小さ
く精度が向上する。
【0053】しかも、ピニオン10をギヤ9に圧入して
一体化することにより、ピニオン10の歯切り溝10c
以外の山部がギヤ9に、また、ギヤ9の一部が歯切り溝
10cに、それぞれ食い込むことができるので、ギヤ9
とピニオン10の相互の滑りが防止される。
【0054】また、歯車8,13は一般的に焼結、鉄板
のプレス成形、鉄鋼の切削等で形成されるが、ギヤ9,
14とピニオン10,15のどちらか一方を樹脂で形成
しても同様の効果が得られる。
【0055】ここで、前記歯車列6の歯部1a及び歯車
8,13,18にはそれぞれロジックス・ギヤが用いら
れる。このロジックス・ギヤは、現在、インボリュート
歯形に代わる円弧歯形系歯車として注目されている公知
の歯車である。ロジックス・ギヤとは円弧歯形系線接触
歯車の通称である。
【0056】なお、ロジックス・ギヤは、例えば図9に
示したように、出力歯車41が全部で例えば6枚の歯部
42を有し、また、これと噛合する被駆動側の入力歯車
43が全部で例えば50枚の歯部44を有して構成され
ている。
【0057】この所謂ロジックス平歯車は、歯形曲線の
曲率が歯タケ方向に周期的に増減する連続且つ微分可能
な函数であることを特徴とする歯車であり、特公平2−
15743号公報に掲載された公知の歯車である。
【0058】また、このロジックスギヤの概要を、小守
勉氏の論文(1990年発行の機械設計誌)から引用すれ
ば、図10に示したように、基準ラック歯形は、ピッチ
線P.Lとの交点に対して点対称になるよう配置され
る。点対称とすることにより、歯元部は凹面に、歯末部
は凸面になる。
【0059】この基準ラック歯形は、連続して微小区間
に区切られたインボリュート曲線から構成され、実線で
示したmn間が区切られた数番目(i番目)のインボリ
ュート曲線の詳細を示している。ms間は、Ogtを中心
とする半径Gtの基礎円からできるインボリュート曲線
で、sn間は、Og'tを中心とする半径G1の基礎円から
できるインボリュート曲線である。歯形上のmn点にお
ける曲率中心は、ピッチ線上に位置するようになってい
る。mn間の長さは、圧力角のパラメータである角度デ
ルタの大きさにより調整される。
【0060】図11は、微小区間に区切られたインボリ
ュート曲線が、接続されていく過程を示す図である。破
曲線部は前述のmnにつながるインボリュート曲線であ
る。この前後の破曲線が、m点若しくはn点に接続する
条件は、m点或いはn点で曲率半径が等しく、その中心
がピッチ線上にあることである。
【0061】また、基礎円半径Gtの大きさは圧力角の
関数とし、GtからGt+2に変わる。図のn’点でも曲率
中心がピッチ線上にあり、以後このパターンを繰り返
し、ラック歯形を形成していく。
【0062】図12は前述の原理にしたがって描いた基
準ラック歯形である。斜線は小区間に区切られたインボ
リュート曲線の接合点の曲率半径を示している。図から
も判るように、歯形の曲率中心がピッチ線上に多数存在
している。
【0063】このラック歯形をラック工具(ホブ歯形)
に置き換えて考えてみると、このラック工具により歯切
りされた歯車は、ピッチ円上に歯形の曲率中心が多数存
在することになる。したがって、一対の歯車の噛合にお
いては、全接続点で相対曲率が0であり、凹面と凸面と
のかみあいとなる。
【0064】なお、前記第1〜第3実施例において、入
力軸1はモーターと一体の構成であり、通常、モーター
は減速機2とは別の製造となるために、入力軸1と歯車
8との軸心間距離を厳しく管理することも必要である。
そこで、入力軸1と歯車8の軸心位置を正確に定めるた
め、図13(A)〜(D)に示す軸受構造のいずれかを
採用すると、更に効果的である。
【0065】すなわち、図13(A)の構造は、入力軸
1の歯部1aの後部にテーパー部1bを形成し、このテ
ーパー部1bを嵌合する含油軸受4cをプレート4又は
ハウジング3(軸支部材)に穿設した軸孔4dに埋め込
み固定してなる。精密に位置決めして穿設された軸孔4
dに嵌着した含油軸受4cは、テーパー部1bの自動調
心作用をして、入力軸1の軸心を常に定位置に保持する
効果を伴う。
【0066】図13(B)の構造は、前記図13(A)
の構造における含油軸受4cに代え、断面コ字型の樹脂
ブッシュ4eを軸孔4dに埋め込み固定し、かつ、この
樹脂ブッシュ4eとプレート4又はハウジング3との間
に波ワッシャー、皿バネ又はゴム若しくは軟性合成樹脂
等の弾性体4fを介在してなる。精密に位置決めして穿
設された軸孔4dに嵌着した樹脂ブッシュ4eは、テー
パー部1bの自動調心作用をして、入力軸1の軸心を常
に定位置に保持する効果を伴うとともに、弾性体4fが
樹脂ブッシュ4eを常にテーパー部1bに押圧している
ので、樹脂ブッシュ4fの摩滅による入力軸1の軸方向
移動が阻止される効果を伴う。
【0067】図13(C)の構造は、プレート4又はハ
ウジング3に穿設した軸孔4dにベアリング4gを埋め
込み固定し、入力軸1の歯部1aを別構成としてそのシ
ャフト1cをベアリング4gに挿通し、シャフト1cの
先端部外周面に形成したセレーション又はスプライン凸
部1dと入力軸1の先端部に設けた穴の内周面に形成し
たセレーション又はスプライン凹部1eとを嵌合する構
造である。精密に位置決めして穿設された軸孔4dに嵌
着したベアリング4gはシャフト1cを常に定位置に保
持する効果を伴う。
【0068】図13(D)の構造は、入力軸1に歯部1
aと略同径の径小軸部1fを形成し、その径小軸部1e
を、プレート4又はハウジング3の軸孔4dに埋め込み
固定した含油軸受4cにて支承してなる。精密に位置決
めして穿設された軸孔4dに嵌着した含油軸受4cは径
小軸部1eを常に定位置に保持する効果を伴う。
【0069】図13(E)の構造は、入力軸1に歯部1
aと略同径の径小軸部1fを形成し、その径小軸部1e
を、プレート4又はハウジング3の軸孔4dに埋め込み
Cリング4hで固定したラジアルベアリング4iにて支
承してなる。精密に位置決めして穿設された軸孔4dに
嵌着したラジアルベアリング4iは径小軸部1eを常に
定位置に保持する効果を伴う。
【0070】
【発明の効果】以上説明したこの発明によれば、円弧歯
形系線接触歯車はインボリュート平歯車に比べ強度が約
2倍であるため、インボリュート平歯車と同一条件で使
用する場合、歯幅(板厚)を約40パーき、また、同じ
歯幅(板厚)だと熱処理が廃止できるために、コスト低
減ができ、さらに、モジュールを小さくでき、歯車の小
型軽量化及びコスト低減ができる。
【0071】そして、円弧歯形系線接触歯車はインボリ
ュート平歯車に比べ、ピニオンの歯数減少が可能となる
から、減速比を大きくでき、パワーユニットの電動モー
ターの小型軽量化及びコスト低減ができる。
【0072】また、電動モーターが小さくなると、パワ
ーユニットの減速装置の伝達トルクも小さくなり、強度
的に減速装置内部の歯車のモジュールを小さくできるた
めに、減速装置の小型軽量化も可能となり、結果として
パワーユニット全体としての一層の小型コンパクト化が
できる。
【0073】そして、ギヤとピニオンの二体からなり、
該ピニオンの軸に歯切り溝を刻設し、該軸をギヤの中心
孔に圧入して一体化したから、ギヤとピニオンとの軸芯
ずれがなくなり精度が向上するとともに、ギヤとピニオ
ンの材質を変えてギヤを樹脂とすることができ、騒音の
発生が少なくなる。
【0074】また、歯車の軸を軸支部材に固定し、若し
くは、軸支部材に穿設した軸孔に入力軸を支承するベア
リング又は含油軸受を埋込み固定し、又は、ベアリング
を軸支部材に形成したエンボス又はバーリング加工によ
る軸孔に支持し、さらに、軸支部材は断面略コ字形のハ
ウジングにプレートを嵌め込むようにしたから、軸の倒
れや振れが減少して軸芯ずれがなくなり精度が向上する
とともに、組付け性が向上する。
【0075】さらに、ベアリングキャップを省略し、か
つ、プレート結合のためのピン廃止、プレートの形状変
更によりコスト削減ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例を示す展開断面図。
【図2】図1の一部(A)変更例の要部断面側面図。
【図3】(A),(B)は図1の一部B変更例の要部断
面側面図。
【図4】この発明の第2実施例を示す展開断面図。
【図5】図4の一部(A)変更例の要部断面側面図。
【図6】この発明の第3実施例を示す展開断面図。
【図7】図6のA矢視図(A)及びB矢視図(B)。
【図8】歯車の構成例を示す一部斜視図(A)、C−C
断面図(B)及び断面側面図(C)。
【図9】この発明に用いるロジックスギヤの歯形を示す
歯形図。
【図10】ロジックス歯形理論の説明図。
【図11】ロジックス歯形理論の説明図。
【図12】ロジックス歯形理論の説明図。
【図13】(A)〜(E)は入力軸と歯車列との噛合構
造を示す断面図。
【符号の説明】
1…入力軸 2…減速機 3…ハウジング(軸支部材) 4,5…プレート(軸支部材) 4a…バーリング部 4b…エンボス部 6…歯車列 7,7a…ネジ 8,13,18…歯車 9,14…ギヤ 10,15…ピニオン 10a…軸部 10b…ピニオン谷部 10c…歯切り溝 11,16,20,21,25,25a,26,26
a,27,27a,28,28a,29,29a…ベア
リング 12,12a,12b,17,17a,17b…軸 19…出力軸 31…段付きピン

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸に形成した歯部又は入力軸に軸着
    した歯車に噛合する歯車列と、該歯車列の一つに噛合す
    る歯車を有する出力軸とを、それぞれ回転可能に軸支部
    材に支承してなる減速機において、前記歯部及び歯車が
    円弧歯形系線接触歯車からなることを特徴とする減速装
    置。
  2. 【請求項2】 軸支部材は断面略コ字形であって、周縁
    にフランジ部を有し、そのフランジ部に直交する環状の
    ストッパーを形成したハウジングと、該ハウジングに収
    納される断面略コ字形のプレートと、前記フランジ部に
    周縁部が嵌着する平板状のプレートとからなることを特
    徴とする請求項1に記載の減速装置。
  3. 【請求項3】 軸支部材は断面略コ字形であって、周縁
    にフランジ部を有し、そのフランジ部に直交する環状の
    ストッパーを形成したハウジングと、前記フランジ部に
    周縁部が嵌着する平板状のプレートとからなることを特
    徴とする請求項1に記載の減速装置。
  4. 【請求項4】 軸支部材に穿設した軸孔に入力軸を支承
    するベアリング又は含油軸受が埋込み固定されているこ
    とを特徴とする請求項1,2又は3に記載の減速装置。
  5. 【請求項5】 歯車がギヤとピニオンの二体からなり、
    該ピニオンに歯切り溝を刻設した軸部を形成し、該軸部
    をギヤの中心孔に圧入して一体化したことを特徴とする
    請求項1に記載の減速装置。
  6. 【請求項6】 ベアリングが軸支部材に形成したエンボ
    ス又はバーリング加工による軸孔に支持されていること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の減速装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006266434A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Aisin Seiki Co Ltd ギヤハウジング
CN105333113A (zh) * 2015-11-18 2016-02-17 北京新能源汽车股份有限公司 用于电动汽车的减速器及具有其的电动汽车
CN108223699A (zh) * 2018-01-31 2018-06-29 上齿集团有限公司 新能源电动物流车后桥驱动主减速器

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