JPH07238676A - 油圧ショベル系掘削機用バケット装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］土木作業等における地形の悪い箇所での生コン
の打込みやコンクリートブロックの運搬作業などが容易
かつ安全にできるようにする。 ［構成］油圧ショベル系掘削機用バケット装置Ｂは旋回
装置１とバケット装置２を備えている。旋回装置１には
取着板１２、１２が立設してある。旋回装置１にはバケ
ット装置２が取り付けてある。バケット装置２は、基具
２０と、一対のバケット２１、２２と、バケット装置２
１、２２を連動させるリンク装置３と、リンク装置３を
駆動する油圧シリンダＳとを備えている。バケット２
１、２２は、閉じたときには投入口を有する実質的な水
密容器となるようにしてあり、バケット２１、２２を所
定の角度に開いたときに両外下板２１１、２２１が平行
になるようにしてある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、バラ物や生コンクリー
ト（以下、生コンと略記する）などの流動体の運搬がバ
ックホーなどの油圧ショベル系掘削機を使用して容易に
できる油圧ショベル系掘削機用バケット装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来技術】例えば、土木工事において道路の法面など
にコンクリートブロックを積む作業では、コンクリート
ブロックの一段ごとに生コンを少量ずつ打ち込んでいく
必要がある。このような作業は、大容量の生コン容器を
クレーンで吊り上げて打ち込む方法では、作業がしにく
く適さない。従って、従来は、作業をする箇所の近くに
鉄板や容器を置き、ここにミキサーで混合した生コンを
入れ、スコップでバケツなどの容器に移してこれを運搬
し、作業者による手作業で生コンの打ち込みが行なわれ
ていた。また、コンクリートブロックの運搬も、一輪車
などを使用して作業者が手作業で行なっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したよう
な従来の方法では、次のような課題があった。すなわ
ち、打ち込み箇所への生コンの運搬は主に手作業で行な
われるために、作業の効率が悪い。特に、作業箇所の地
形が悪い場合は、作業がしにくいばかりでなく、作業の
安全性にも問題がある。また、コンクリートブロックの
運搬も同様で、手作業では作業効率が悪い。また、コン
クリートブロックは構造的に不安定であるため運搬中の
落下の危険が大きい。本発明は、上記課題を解消するも
ので、例えば土木作業における地形の悪い箇所での生コ
ンの打込みやコンクリートブロックの運搬作業などが容
易かつ安全にできるようにすることを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に講じた本発明の手段は次のとおりである。第１の手段
にあっては、油圧ショベル系掘削機のアーム先端に取り
付けて使用する油圧ショベル系掘削機用バケット装置で
あって、このバケット装置は、油圧ショベル系掘削機の
アーム先端に取り付けるための取付手段と、向かい合わ
せに設けられ開閉可能な一対のバケットと、これらのバ
ケットを開閉する駆動手段と、を備え、上記バケット
は、開口側を下に向けたときの上部に投入口を有し、バ
ケットを閉じたときには実質的な水密容器となる、油圧
ショベル系掘削機用バケット装置である。

【０００５】第２の手段にあっては、駆動手段には、バ
ケットを連動させるリンク装置を備えている、第１の手
段に係る油圧ショベル系掘削機用バケット装置である。

【０００６】第３の手段にあっては、取付手段とバケッ
トとの間に旋回装置が介在させてある、第１または第２
の手段に係る油圧ショベル系掘削機用バケット装置であ
る。

【０００７】第４の手段にあっては、バケットは、所定
の開き角度において両バケットの外底面が実質的に互い
に平行になり、両バケットの先端辺は直線状に形成して
ある、第１ないし第３の油圧ショベル系掘削機用バケッ
ト装置である。

【０００８】第５の手段にあっては、両バケットの先端
辺には、所要の長さを有する着脱可能な挟持ロッドが実
質的に平行に設けてあり、これらの挟持ロッドのうち少
なくとも一方の両端部にはストッパーが設けてある、第
１ないし第４の手段に係る油圧ショベル系掘削機用バケ
ット装置である。

【０００９】

【作用】第１の手段に係る油圧ショベル系掘削機用バケ
ット装置は、油圧ショベル系掘削機のアーム先端に取り
付けた後、バケットを閉じた状態において投入口から生
コンなどを入れ、油圧ショベル系掘削機及びアームを操
作して生コンの打設箇所へ容易に運ぶことができ、バケ
ットを開閉しながら生コンを必要量ずつ投入できる。

【００１０】第２の手段に係る油圧ショベル系掘削機用
バケット装置は、リンク装置により両バケットを開閉方
向へ駆動することができるので、油圧シリンダなどの高
価な部品を減らすことができ、全体的に安価に製作する
ことができる。

【００１１】第３の手段に係る油圧ショベル系掘削機用
バケット装置は、旋回装置によりバケットの周方向の向
きを適宜調整できるので、作業箇所の地形などに対応し
てより細かい作業が可能となる。

【００１２】第４の手段に係る油圧ショベル系掘削機用
バケット装置は、バケットを所定の角度に開いたときに
両外底面が平行になり、しかもバケット先端辺が直線状
であるので、例えば壁部を有する収容部内の砂利などの
バラ物や生コンなどの流動体をつかみ取るときに、両バ
ケット先端部を収容部の壁部及び底部に沿って動かすこ
とができるので、角部や隅部の取りこぼしが少ない。

【００１３】第５の手段に係る油圧ショベル系掘削機用
バケット装置は、挟持ロッドによって、コンクリートブ
ロックなどを複数個まとめてつかむことができる。ま
た、挟持ロッドの両端部にはストッパーが設けてあり、
挟持ロッドが傾いてブロックが滑ったときでもストッパ
ーで止まるので、落下事故なども起きにくい。

【００１４】

【実施例】本発明を図面に示した実施例に基づき更に詳
細に説明する。図１は本発明に係る油圧ショベル系掘削
機用バケット装置の一実施例を示す説明図、図２はバケ
ットが開いた状態のリンク装置の要部斜視図、図３は油
圧ショベル系掘削機用バケット装置を上方から見た斜視
図である。符号Ｂは油圧ショベル系掘削機用バケット装
置で、旋回装置１とバケット装置２を備えている。油圧
ショベル系掘削機用バケット装置Ｂは、油圧ショベル系
掘削機のアーム先端に取り付けて使用するものである。

【００１５】旋回装置１は、基体１０に回転自在に取り
付けられた旋回体１１を有している。旋回体１１には円
環状の内歯ギヤ（図示省略）を有し、内歯ギヤには基体
１０に固定してある油圧モータ（図示省略）の駆動軸ギ
ヤ（図示省略）が噛み合わせてある。この構造による
と、油圧モータの作動により、旋回体１１を任意の周方
向に回転させることができる。基体１０には、油圧ショ
ベル系掘削機のアーム先端に取り付けるための取付手段
である取着板１２、１２が平行に立設してある。取着板
１２、１２には、それぞれ二箇所にピン孔１３、１３が
設けてある。

【００１６】旋回装置１には、バケット装置２が取り付
けてある。バケット装置２は、基具２０と、一対のバケ
ット２１、２２と、リンク装置３と、駆動手段である油
圧シリンダＳとを備えている。基具２０は、ほぼ台形状
の２枚の基具板２００、２００を４本の軸ピン２０１、
２０２、２０３、２０４で所要の間隔で連結した構造で
ある。

【００１７】基具２０は、旋回体１１に固定してあるシ
リンダ支持具２０５に軸ピン２０１、２０２を介して取
り付けてある。基具２０の下部の軸ピン２０３、２０４
には上記バケット２１、２２が回動可能に取り付けてあ
る。図２を参照して、バケット２１、２２の構造を説明
する。

【００１８】バケット２１は、閉めたときにほぼ垂直に
なる外上板２１０と、外上板２１０と一定の角度をもっ
て設けられた外底面である外下板２１１と、外上板２１
０の上部に設けてありほぼ直角に折曲してある塞板２１
２及び側板２１３、２１４から構成されている。バケッ
ト２１の上部には、投入口Ｄを構成する開口部２１５が
設けてある（図３参照）。また、側板２１３、２１４の
側部開口縁には、ほぼ全長にわたって嵌合板２１７、２
１８が設けてあり、後述するバケット２２の側部開口縁
と嵌合したときの水密性を向上させるようにしている。

【００１９】塞板２１２の上部にはほぼＬ状の２枚のフ
ランジ板２１９、２１９が所要の間隔で並設してあり、
フランジ板２１９、２１９間には軸ピン２１６が取り付
けてある。また、上記シリンダ支持具２０５には軸ピン
２０６が設けてあり、軸ピン２０６には油圧シリンダＳ
の基部が回動可能に取り付けてある。そして、油圧シリ
ンダＳのロッドヘッドは上記軸ピン２１６に回動可能に
取り付けてある。

【００２０】バケット２２は、閉めたときにほぼ垂直に
なる外上板２２０と、外上板２２０と一定の角度をもっ
て設けられた外底面である外下板２２１と、外上板２２
０の上部に直角に設けてあり一部に投入口Ｄを構成する
開口部２２５が設けてある上板２２２が設けてある。ま
た、両側には側板２２３、２２４が設けてある。なお、
バケット２１、２２の側板２１３、２１４及び側板２２
３、２２４の先端部にそれぞれ四角柱状の係合突起２１
６、２２６が設けてある。そして、バケット２１、２２
は、閉じたときには投入口Ｄを有する実質的な水密容器
となる

【００２１】バケット２１、２２はリンク装置３を介し
て基具２０に取り付けてあり、互いに連動するようにし
てある。図３を参照してリンク装置３の構造を説明す
る。バケット２１の内部側の上部には、２枚の「く」状
のリンク板３２、３３が所要の間隔で並設してある。ま
た、リンク板３２、３３の基部側は側板２１３、２１４
間に固定された補強ピン３１で補強してある。

【００２２】リンク板３２、３３の屈曲部は上記軸ピン
２０３を介して基具２０の下部に回動可能に取り付けて
ある。また、リンク板３２、３３の先端側には、軸ピン
３４を介して２枚のリンク板３５、３５の一端側が回動
可能に取り付けてある。一方、バケット２２の内部側の
上部には、２枚のリンク板３６、３７が所要の間隔で並
設してある。また、リンク板３６、３７の基部側は側板
２２３、２２４間に固定された補強ピン３８で補強して
ある。

【００２３】そして、上記リンク板３５、３５の他端側
とリンク板３６、３７の先端側は、軸ピン３９を介して
回動可能に取り付けてある。この構造によれば、油圧シ
リンダＳのロッドを出入り作動させることにより、バケ
ット２１は軸ピン２０３を中心に回動し、バケット２２
はリンク装置３を介し軸ピン２０４を中心に連動する。
すなわち、図１においてバケット２１が時計回りに回動
すればバケット２２は反時計回りに回動し、バケット２
１が反時計回りに回動すればバケット２２は時計回りに
回動するので、バケット２１、２２は開閉する。なお、
バケット２１、２２を所定の角度に開いたとき（図１に
おいて仮想線で図示）に両外下板２１１、２２１が平行
になるようにしてある。

【００２４】（作用）図４は油圧ショベル系掘削機用バ
ケット装置の使用状態を示す説明図である。図１ないし
図４を参照して本実施例の作用を説明する。まず、油圧
ショベル系掘削機用バケット装置Ｂを油圧ショベル系掘
削機のアームＡの先端に取り付ける。バケット２１、２
２は閉じた状態にしておき、投入口Ｄから生コンを投入
する。

【００２５】そして、油圧ショベル系掘削機のアームＡ
を操作して、図４に示すようなコンクリートブロック４
を並設した施工部の上方に位置させる。そして、操縦室
からの操作で油圧シリンダＳを作動させてバケット２
１、２２をやや開き、生コンを必要量だけ排出する。次
に、アームＡを操作して位置を変え、順次生コンを打ち
込んでいく。このように、本発明に係る油圧ショベル系
掘削機用バケット装置Ｂは、生コンのこまめな打設が必
要な施工に好適である。また、施工部の足場が悪いよう
な場合でも、作業者がいちいち生コンを運ぶ必要はな
く、安全に作業ができる。

【００２６】なお、作業においては旋回装置１によりバ
ケット装置２の周方向の向きを適宜調整できるので、作
業箇所の地形などに対応してより細かい作業ができる。
また、バケット２１、２２を所定の角度に開いたときに
両外下板２１１、２２１が平行になり、しかもバケット
２１、２２先端辺が直線状であるので、例えば壁部を有
する上部が開口された直方体状の収容容器（図示省略）
内の砂利などのバラ物や生コンなどの流動体をつかみ取
るときに、両バケット２１、２２先端部を収容部の壁部
及び底部に沿って動かすことができるので、角部や隅部
の取りこぼしが少ないという利点がある。

【００２７】図５は本発明に係る油圧ショベル系掘削機
用バケット装置の他の実施例を示す説明図、図６は使用
状態を示す説明図である。本実施例における油圧ショベ
ル系掘削機用バケット装置Ｂ’のバケット２１、２２の
先端部には、所要の長さを有する挟持ロッド５１、５２
が平行になるように設けてある。挟持ロッド５１、５２
は、バケット２１、２２の側板に設けられた係合突起２
１６、２２６に、所要の間隔で設けられた係合金具５
０、５０の溝部５００を係合させて着脱自在に且つガタ
やズレを生じないように取り付けてある。これらの挟持
ロッド５１、５２のうち挟持ロッド５１がやや長く形成
してあり、その両端部に水平方向にほぼ直角に折曲して
ストッパー５３、５４が形成してある。なお、図面にお
いて、油圧ショベル系掘削機用バケット装置Ｂと同一ま
たは同等箇所には同一の符号を付けて示している。

【００２８】本実施例の作用を説明すると、油圧ショベ
ル系掘削機用バケット装置Ｂ’は、図６に示すように挟
持ロッド５１、５２をコンクリートブロック４のくびれ
た部分に当てがい、バケット２１、２２を閉じてコンク
リートブロック４を複数個まとめてつかむことができ
る。また、挟持ロッド５１、５２の両端部のストッパー
５３、５４により、挟持ロッド５１、５２が傾いてコン
クリートブロック４が滑ったときでも止まるので、落下
事故なども起きにくい。なお、本発明は図示の実施例に
限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内にお
いて種々の変形が可能である。

【００２９】

【発明の効果】本発明は上記構成を備え、次の効果を有
する。 （ａ）油圧ショベル系掘削機用バケット装置は、油圧シ
ョベル系掘削機のアーム先端に取り付けた後、バケット
を閉じた状態において上部の投入口から生コンなどを入
れ、油圧ショベル系掘削機及びアームを操作して生コン
の打設箇所へ容易に運ぶことができ、バケットを開閉し
ながら生コンを必要量ずつ投入できる。従って、コンク
リートブロックの施工など、少量ずつの生コンをこまめ
に打込むような作業に適しており、作業を効率よく行な
うことができる。また、施工箇所が多少地形の悪いとこ
ろであっても、油圧ショベル系掘削機を操作することに
よって、生コンやバラ物などを確実かつ安全に運ぶこと
ができ、作業者の安全を図ることができる。

【００３０】（ｂ）リンク装置を備えた油圧ショベル系
掘削機用バケット装置にあっては、リンク装置により両
バケットを開閉方向へ駆動することができるので、油圧
シリンダなどの高価な部品を減らすことができ、装置を
安価に製作することができる。

【００３１】（ｃ）旋回装置を備えた油圧ショベル系掘
削機用バケット装置にあっては、上記効果に加えて、旋
回装置によりバケットの周方向の向きを適宜調整できる
ので、作業箇所の地形などに対応してより細かい作業が
可能となる。

【００３２】（ｄ）バケットを所定の角度に開いたとき
に両外底面が平行になり、しかもバケット先端辺が直線
状である油圧ショベル系掘削機用バケット装置にあって
は、例えば壁部を有する収容部内の砂利などのバラ物や
生コンなどの流動体をつかみ取るときに、両バケット先
端部を収容部の壁部及び底部に沿って動かすことができ
るので、角部の取りこぼしが少なく、効率よくすくい取
ることができる。

【００３３】（ｅ）着脱可能な挟持ロッドを備えた油圧
ショベル系掘削機用バケット装置にあっては、挟持ロッ
ドの装着時にはコンクリートブロックなどを複数個まと
めてつかむことができ、足場が悪い箇所の施工において
も安全かつ効率よく運搬ができる。また、挟持ロッドの
両端部に設けてあるストッパーにより、挟持ロッドが傾
いてブロックが滑ったときでもストッパーで止まるの
で、落下事故などを防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る油圧ショベル系掘削機用バケット
装置の一実施例を示す説明図。

【図２】バケットが開いた状態のリンク装置の要部斜視
図。

【図３】油圧ショベル系掘削機用バケット装置を上方か
ら見た斜視図。

【図４】油圧ショベル系掘削機用バケット装置の使用状
態を示す説明図。

【図５】油圧ショベル系掘削機用バケット装置の他の実
施例を示す説明図。

【図６】使用状態を示す説明図。

【符号の説明】

Ｂ、Ｂ’ 油圧ショベル系掘削機用バケット装置 １ 旋回装置 １０ 基体 １１ 旋回体 １２ 取着板 ２ バケット装置 ２０ 基具 ２１、２２ バケット ２１１、２２１ 外下板 ３ リンク装置 Ｓ 油圧シリンダ Ｄ 投入口 ５１、５２ 挟持ロッド ５３、５４ ストッパー

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 油圧ショベル系掘削機のアーム先端に取
   り付けて使用する油圧ショベル系掘削機用バケット装置
   であって、このバケット装置は、 油圧ショベル系掘削機のアーム先端に取り付けるための
   取付手段と、 向かい合わせに設けられ開閉可能な一対のバケットと、 これらのバケットを開閉する駆動手段と、を備え、 上記バケットは、開口側を下に向けたときの上部に投入
   口を有し、バケットを閉じたときには実質的な水密容器
   となる、 油圧ショベル系掘削機用バケット装置。
2. 【請求項２】 駆動手段には、バケットを連動させるリ
   ンク装置を備えている、請求項１記載の油圧ショベル系
   掘削機用バケット装置。
3. 【請求項３】 取付手段とバケットとの間に旋回装置が
   介在させてある、請求項１または２記載の油圧ショベル
   系掘削機用バケット装置。
4. 【請求項４】 バケットは、所定の開き角度において両
   バケットの外底面が実質的に互いに平行になり、両バケ
   ットの先端辺は直線状に形成してある、請求項１ないし
   ３記載の油圧ショベル系掘削機用バケット装置。
5. 【請求項５】 両バケットの先端辺には、所要の長さを
   有する着脱可能な挟持ロッドが実質的に平行に設けてあ
   り、これらの挟持ロッドのうち少なくとも一方の両端部
   にはストッパーが設けてある、請求項１ないし４記載の
   油圧ショベル系掘削機用バケット装置。