JPH07238201A - アクリル系エマルションの製造方法 - Google Patents
アクリル系エマルションの製造方法Info
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- JPH07238201A JPH07238201A JP5443394A JP5443394A JPH07238201A JP H07238201 A JPH07238201 A JP H07238201A JP 5443394 A JP5443394 A JP 5443394A JP 5443394 A JP5443394 A JP 5443394A JP H07238201 A JPH07238201 A JP H07238201A
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- polymerization
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F220/00—Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride ester, amide, imide or nitrile thereof
- C08F220/02—Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms; Derivatives thereof
- C08F220/10—Esters
- C08F220/12—Esters of monohydric alcohols or phenols
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- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、高固形分で且つ安定性の良いアク
リル系エマルションを容易に且つ生産性良く製造する方
法を提供する。 【構成】 (メタ)アクリル酸エステルと酸性単量体を主
体とする単量体混合物を乳化重合してアクリル系エマル
ションを製造する際に、予め単量体混合物に塩基性化合
物を加えて中和または部分中和した後乳化重合する。 【効果】 高固形分で粘度の低いアクリル系エマルショ
ンを容易に製造することを可能とする。
リル系エマルションを容易に且つ生産性良く製造する方
法を提供する。 【構成】 (メタ)アクリル酸エステルと酸性単量体を主
体とする単量体混合物を乳化重合してアクリル系エマル
ションを製造する際に、予め単量体混合物に塩基性化合
物を加えて中和または部分中和した後乳化重合する。 【効果】 高固形分で粘度の低いアクリル系エマルショ
ンを容易に製造することを可能とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なアクリル系エマル
ションの製造方法に関するものであり、さらに詳しくは
65%以上の高固形分で低粘度のアクリル系エマルショ
ンの製造方法に関するものであり、アクリル系エマルシ
ョンを製造する化学業界、アクリル系エマルションを利
用する塗料業界、粘接着剤業界等で利用されるものであ
る。
ションの製造方法に関するものであり、さらに詳しくは
65%以上の高固形分で低粘度のアクリル系エマルショ
ンの製造方法に関するものであり、アクリル系エマルシ
ョンを製造する化学業界、アクリル系エマルションを利
用する塗料業界、粘接着剤業界等で利用されるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年アクリル系エマルションの用途の拡
大とともに、アクリル系エマルションに種々の特性を付
与することが望まれている。その特性の一つに高固形分
化があり、例えば、粘着剤の業界では、粘着ラベル、粘
着テープを問わず、その製造に用いられるアクリル系エ
マルションの高固形分化が、塗工時の乾燥時間の短縮ひ
いては生産性の向上の面から強く望まれている。しか
し、単純に固形分を上昇させることはアクリル系エマル
ションの粘度を上昇させることに繋がり、その製造は、
重合反応器の除熱、汚れ等の点で大きな問題を発生させ
ることになる。したがって、乳化重合によって得られた
低固形分のアクリル系エマルションから蒸留により水を
除去して高固形分のアクリル系エマルションとすること
が行われているが、この方法は蒸留に要する費用および
時間が過大であること、泡立ちを押さえるために消泡剤
を多量に使用せざるを得ず、それによりエマルションの
特性を変化させてしまうこと、表面に皮が張ることがあ
ること等の問題を有する方法である。この問題を解決す
るために、エマルション中の粒子の粒径を大きくし且つ
粒度分布の幅を広げればよいということは周知のことで
あり、そのための方法が種々提案されてきている。例え
ば、米国特許4130523号では、重合の途中で重合
反応器からエマルションの一部を取り出し、最終段階で
再び連続的に投入して重合させる方法を提案している。
しかしこの方法は、設備が複雑になるうえ、重合反応途
中のエマルションを取り出すという危険性を伴う操作を
しなければならず、さらに機械的安定性に欠けるエマル
ションにあっては、取り出した時にグリッド(塊状物)
を生成するという問題点を有している。また、特開昭5
6−157401号では多量の重合禁止剤の存在下で乳
化重合を行う方法が提案されているが、この方法は、エ
マルション中に多量の未反応単量体を存在させることに
なり、エマルションの機能を十分に発揮させることが困
難になるという問題点を有している。さらに、特公昭6
1−47848号では、重合反応器に仕込まれる水に予
め種重合体を存在させる方法が提案されているが、この
方法は種重合体中に存在する未反応開始剤、単量体の量
を正確に把握することが困難で、均一なエマルションを
得ることが困難な方法である。一方、特開昭51−25
2203号には、カルボキシル基を持つエチレン性単量
体含有する単量体混合物を重合してシードラテックスと
した後、塩基性化合物を添加し、さらに界面活性剤の非
存在下にエチレン性単量体を重合して高濃度ラテックス
を得る方法が提案されている。しかしながら、この方法
は工程が複雑になるばかりでなく、重合体を含むシード
ラテックスは、塩基性化合物の添加により、乳化剤の分
離、カルボキシル基を持つ重合体の解離等により粘度が
上昇するうえ、安定性を欠くシードラテックスでエチレ
ン性単量体を重合するという、非常に不安定な方法であ
り、極めてグリッド(塊状物)の多いエマルションに成
りやすいという問題点を有するものである。さらに、製
品となるラテックスやエマルションのpHは、取扱の面や
環境問題から出来るだけ中性のものが好ましいが、中性
にするということは前記した乳化剤の分離、カルボキシ
ル基を持つ重合体の解離等により粘度が上昇するうえ、
安定性を欠くという問題を発生させている。
大とともに、アクリル系エマルションに種々の特性を付
与することが望まれている。その特性の一つに高固形分
化があり、例えば、粘着剤の業界では、粘着ラベル、粘
着テープを問わず、その製造に用いられるアクリル系エ
マルションの高固形分化が、塗工時の乾燥時間の短縮ひ
いては生産性の向上の面から強く望まれている。しか
し、単純に固形分を上昇させることはアクリル系エマル
ションの粘度を上昇させることに繋がり、その製造は、
重合反応器の除熱、汚れ等の点で大きな問題を発生させ
ることになる。したがって、乳化重合によって得られた
低固形分のアクリル系エマルションから蒸留により水を
除去して高固形分のアクリル系エマルションとすること
が行われているが、この方法は蒸留に要する費用および
時間が過大であること、泡立ちを押さえるために消泡剤
を多量に使用せざるを得ず、それによりエマルションの
特性を変化させてしまうこと、表面に皮が張ることがあ
ること等の問題を有する方法である。この問題を解決す
るために、エマルション中の粒子の粒径を大きくし且つ
粒度分布の幅を広げればよいということは周知のことで
あり、そのための方法が種々提案されてきている。例え
ば、米国特許4130523号では、重合の途中で重合
反応器からエマルションの一部を取り出し、最終段階で
再び連続的に投入して重合させる方法を提案している。
しかしこの方法は、設備が複雑になるうえ、重合反応途
中のエマルションを取り出すという危険性を伴う操作を
しなければならず、さらに機械的安定性に欠けるエマル
ションにあっては、取り出した時にグリッド(塊状物)
を生成するという問題点を有している。また、特開昭5
6−157401号では多量の重合禁止剤の存在下で乳
化重合を行う方法が提案されているが、この方法は、エ
マルション中に多量の未反応単量体を存在させることに
なり、エマルションの機能を十分に発揮させることが困
難になるという問題点を有している。さらに、特公昭6
1−47848号では、重合反応器に仕込まれる水に予
め種重合体を存在させる方法が提案されているが、この
方法は種重合体中に存在する未反応開始剤、単量体の量
を正確に把握することが困難で、均一なエマルションを
得ることが困難な方法である。一方、特開昭51−25
2203号には、カルボキシル基を持つエチレン性単量
体含有する単量体混合物を重合してシードラテックスと
した後、塩基性化合物を添加し、さらに界面活性剤の非
存在下にエチレン性単量体を重合して高濃度ラテックス
を得る方法が提案されている。しかしながら、この方法
は工程が複雑になるばかりでなく、重合体を含むシード
ラテックスは、塩基性化合物の添加により、乳化剤の分
離、カルボキシル基を持つ重合体の解離等により粘度が
上昇するうえ、安定性を欠くシードラテックスでエチレ
ン性単量体を重合するという、非常に不安定な方法であ
り、極めてグリッド(塊状物)の多いエマルションに成
りやすいという問題点を有するものである。さらに、製
品となるラテックスやエマルションのpHは、取扱の面や
環境問題から出来るだけ中性のものが好ましいが、中性
にするということは前記した乳化剤の分離、カルボキシ
ル基を持つ重合体の解離等により粘度が上昇するうえ、
安定性を欠くという問題を発生させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記従
来技術の問題点を回避し、高固形分のアクリル系エマル
ションを容易に且つ生産性良く製造する方法を求めるべ
く種々検討を行ったのである。
来技術の問題点を回避し、高固形分のアクリル系エマル
ションを容易に且つ生産性良く製造する方法を求めるべ
く種々検討を行ったのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、酸性単量
体を含有し(メタ)アクリル酸エステルを主体とする単量
体混合物を乳化重合してアクリル系エマルションを得る
際に、重合前に予め塩基性化合物を単量体混合物に添加
して中和もしくは部分中和することにより、優れた高固
形分のアクリル系エマルションを容易に製造することが
出来ることを見出し、本発明を完成したのである。
体を含有し(メタ)アクリル酸エステルを主体とする単量
体混合物を乳化重合してアクリル系エマルションを得る
際に、重合前に予め塩基性化合物を単量体混合物に添加
して中和もしくは部分中和することにより、優れた高固
形分のアクリル系エマルションを容易に製造することが
出来ることを見出し、本発明を完成したのである。
【0005】すなわち、本発明は以下の2つの発明から
なるものである。 (メタ)アクリル酸エステルと酸性単量体を主体とす
る単量体混合物に塩基性化合物を加えて中和または部分
中和した後乳化重合することを特徴とするアクリル系エ
マルションの製造方法に関する発明。 のアクリル系エマルションの製造方法において塩
基性化合物がアンモニアまたはアミン化合物であること
を特徴とするアクリル系エマルションの製造方法に関す
る発明。
なるものである。 (メタ)アクリル酸エステルと酸性単量体を主体とす
る単量体混合物に塩基性化合物を加えて中和または部分
中和した後乳化重合することを特徴とするアクリル系エ
マルションの製造方法に関する発明。 のアクリル系エマルションの製造方法において塩
基性化合物がアンモニアまたはアミン化合物であること
を特徴とするアクリル系エマルションの製造方法に関す
る発明。
【0006】以下、本発明をさらに詳細に説明する。 ○ 単量体または単量体混合物 本発明で用いられる単量体または単量体混合物は(メタ)
アクリル酸エステルと酸性単量体を主体とするものであ
り、(メタ)アクリル酸エステルとしては具体的に以下の
ものを挙げることができる。アクリル酸メチルエステ
ル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸ブチルエス
テル、アクリル酸プロピルエステル、アクリル酸-2-エ
チルヘキシルエステル、アクリル酸デシルエステル、ア
クリル酸ラウリルエステル等のアクリル酸アルキルエス
テル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等のメ
タクリル酸アルキルエステルやアクリル酸ヒドロキシア
ルキルエステル、メタクリル酸ヒドロキシアルキルエス
テル。酸性単量体としては、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、イタコン酸、フマール酸、2-アクリル
アミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ビニルベンゼン
スルホン酸等を挙げることができる。これらの単量体は
得られるエマルションに接着性等の特性を付与するため
に用いられるもので、使用量としては単量体混合物を基
準として通常10重量%以下、より一般的には0.5〜5
重量%程度用いられる。又、本発明においては(メタ)ア
クリル酸エステルと共重合可能な単量体を併用すること
が可能であり、それらの具体例を挙げると以下のとおり
である。スチレン、塩化ビニリデン、酢酸ビニル等のビ
ニルエステル類、シアン化ビニル類、ハロゲン化ビニル
類等であり、さらにはエチレン、ブタジエン、クロロプ
レン、イソプレン、イソブチレンおよびこれらの誘導
体。これらの(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な
単量体は単量体の混合物を基準として50重量%を越え
ると得られるエマルションがアクリル系エマルションと
しての特性を発揮し難くなるため、50重量%を越えな
いで使用するのが好ましい。
アクリル酸エステルと酸性単量体を主体とするものであ
り、(メタ)アクリル酸エステルとしては具体的に以下の
ものを挙げることができる。アクリル酸メチルエステ
ル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸ブチルエス
テル、アクリル酸プロピルエステル、アクリル酸-2-エ
チルヘキシルエステル、アクリル酸デシルエステル、ア
クリル酸ラウリルエステル等のアクリル酸アルキルエス
テル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等のメ
タクリル酸アルキルエステルやアクリル酸ヒドロキシア
ルキルエステル、メタクリル酸ヒドロキシアルキルエス
テル。酸性単量体としては、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、イタコン酸、フマール酸、2-アクリル
アミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ビニルベンゼン
スルホン酸等を挙げることができる。これらの単量体は
得られるエマルションに接着性等の特性を付与するため
に用いられるもので、使用量としては単量体混合物を基
準として通常10重量%以下、より一般的には0.5〜5
重量%程度用いられる。又、本発明においては(メタ)ア
クリル酸エステルと共重合可能な単量体を併用すること
が可能であり、それらの具体例を挙げると以下のとおり
である。スチレン、塩化ビニリデン、酢酸ビニル等のビ
ニルエステル類、シアン化ビニル類、ハロゲン化ビニル
類等であり、さらにはエチレン、ブタジエン、クロロプ
レン、イソプレン、イソブチレンおよびこれらの誘導
体。これらの(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な
単量体は単量体の混合物を基準として50重量%を越え
ると得られるエマルションがアクリル系エマルションと
しての特性を発揮し難くなるため、50重量%を越えな
いで使用するのが好ましい。
【0007】○ 塩基性化合物 本発明は、重合前の単量体混合物に、より好ましくは
水、単量体及び乳化剤から作成されたプレエマルション
に、塩基性化合物を添加して中和または部分中和した
後、乳化重合を開始するというものであり、添加する塩
基性化合物としては、一般的な水酸化ソーダ、水酸化カ
リ等も挙げられるが、プロピルアミン、ブチルアミン等
のアミンや水酸化アンモニウムが好ましく、特に本発明
にとり好ましいものは水酸化アンモニウムである。塩基
性化合物は少量でも添加されればそれなりの効果を奏す
るが、本発明の目的をより良く達成するためには、中和
率が50%以上になる様に添加するのが好ましい。
水、単量体及び乳化剤から作成されたプレエマルション
に、塩基性化合物を添加して中和または部分中和した
後、乳化重合を開始するというものであり、添加する塩
基性化合物としては、一般的な水酸化ソーダ、水酸化カ
リ等も挙げられるが、プロピルアミン、ブチルアミン等
のアミンや水酸化アンモニウムが好ましく、特に本発明
にとり好ましいものは水酸化アンモニウムである。塩基
性化合物は少量でも添加されればそれなりの効果を奏す
るが、本発明の目的をより良く達成するためには、中和
率が50%以上になる様に添加するのが好ましい。
【0008】○ 乳化剤 本発明で用いられる乳化剤は、通常エマルションの製造
に用いられている乳化剤、すなわちアニオン性またはノ
ニオン性あるいはそれらの混合物が用いられ、具体的に
は、アニオン性としては、脂肪酸石鹸、アルキルスルホ
ン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスル
ホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポ
リオキシエチレンアリール硫酸塩等があり、ノニオン性
ではポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプ
ロピレンブロックポリマー等が挙げられる。乳化剤の好
ましい使用量は、エマルション中に0.01〜15.0重量
%(最終的に得られるエマルションを基準とする以下同
じ)であり、さらに好ましくは0.01〜7.0重量%であ
る。また、上記乳化剤のうち5重量%までを重合の進行
に伴い後添加することにより、より安定なエマルション
を製造することができる。乳化剤を重合の進行に伴い後
添加する際は、その添加を連続あるいは断続的に行い、
また添加は均等に行ってもそれなりの効果が認められる
が、重合の進行に応じて、すなわち段階的にまたは直線
的に添加量を増加させながら添加するのがよい。添加時
期としては、重合時間から推定されるポリマー転化率を
基準として定められ、通常はポリマー転化率が5%にな
った時点から添加を開始し、ポリマー転化率が95%に
達した時点で終了するが、好ましくは10%で添加を開
始し、90%で終了させることである。
に用いられている乳化剤、すなわちアニオン性またはノ
ニオン性あるいはそれらの混合物が用いられ、具体的に
は、アニオン性としては、脂肪酸石鹸、アルキルスルホ
ン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスル
ホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポ
リオキシエチレンアリール硫酸塩等があり、ノニオン性
ではポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプ
ロピレンブロックポリマー等が挙げられる。乳化剤の好
ましい使用量は、エマルション中に0.01〜15.0重量
%(最終的に得られるエマルションを基準とする以下同
じ)であり、さらに好ましくは0.01〜7.0重量%であ
る。また、上記乳化剤のうち5重量%までを重合の進行
に伴い後添加することにより、より安定なエマルション
を製造することができる。乳化剤を重合の進行に伴い後
添加する際は、その添加を連続あるいは断続的に行い、
また添加は均等に行ってもそれなりの効果が認められる
が、重合の進行に応じて、すなわち段階的にまたは直線
的に添加量を増加させながら添加するのがよい。添加時
期としては、重合時間から推定されるポリマー転化率を
基準として定められ、通常はポリマー転化率が5%にな
った時点から添加を開始し、ポリマー転化率が95%に
達した時点で終了するが、好ましくは10%で添加を開
始し、90%で終了させることである。
【0009】○ その他の薬剤 本発明においては、乳化重合の際に通常用いられる重合
開始剤、pH緩衝剤、発泡防止剤、安定剤等が同様に用い
られる。重合開始剤としても格別なものはなく、乳化重
合の際に通常用いられている熱または還元性物質によっ
てラジカルを発生させる化合物で、例えば水溶性または
油溶性の過硫酸塩またはアゾビス化合物が用いられる。
重合開始剤の使用量としては単量体に対して通常0.1
〜2重量%であり、重合速度の促進や低温での重合を試
みるときは、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、
塩化第一鉄、アスコルビン酸、ナトリウムアルデヒドス
ルホキシレートなどの還元性物質と組み合わせて用いら
れる。重合温度は求めるアクリル系エマルションの特性
および使用する重合開始剤の半減期に応じて定められる
が、通常40〜85℃である。
開始剤、pH緩衝剤、発泡防止剤、安定剤等が同様に用い
られる。重合開始剤としても格別なものはなく、乳化重
合の際に通常用いられている熱または還元性物質によっ
てラジカルを発生させる化合物で、例えば水溶性または
油溶性の過硫酸塩またはアゾビス化合物が用いられる。
重合開始剤の使用量としては単量体に対して通常0.1
〜2重量%であり、重合速度の促進や低温での重合を試
みるときは、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、
塩化第一鉄、アスコルビン酸、ナトリウムアルデヒドス
ルホキシレートなどの還元性物質と組み合わせて用いら
れる。重合温度は求めるアクリル系エマルションの特性
および使用する重合開始剤の半減期に応じて定められる
が、通常40〜85℃である。
【0010】
【作用】重合すべき単量体混合物を塩基性化合物により
中和または部分中和した後に乳化重合するという本発明
方法によれば、低粘度で高固形分のアクリル系エマルシ
ョンを極めて容易に製造できるのである。
中和または部分中和した後に乳化重合するという本発明
方法によれば、低粘度で高固形分のアクリル系エマルシ
ョンを極めて容易に製造できるのである。
【0011】
【実施例】以下実施例に基づいて更に本発明を説明す
る。なお、本発明において固形分は「JIS K 5407(塗料
成分試験方法)の4.加熱残分」に基づいて測定された
エマルションの不揮発分%で示されるものである。
る。なお、本発明において固形分は「JIS K 5407(塗料
成分試験方法)の4.加熱残分」に基づいて測定された
エマルションの不揮発分%で示されるものである。
【0012】実施例1 耐圧反応釜に、水23.5重量部(以下単に部という)を
仕込み80℃まで加熱する。温度を80℃に制御しなが
ら、過硫酸アンモニウム0.3部を添加した後、下記の
配合の単量体乳化液(プレエマルション)を5Hrに渡っ
て一定速度で添加した。 水 15.0部 ホ゜リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム25%水溶液 3.8 メタクリル酸メチル 14.0 アクリル酸-2-エチルヘキシル 85.0 アクリル酸 1.0 25%水酸化アンモニウム 0.3 得られたエマルションは固形分濃度70.77%、粘度
2960cps 、pH1.97でメジアン粒子径0.958μ
mの均一なエマルションであった。
仕込み80℃まで加熱する。温度を80℃に制御しなが
ら、過硫酸アンモニウム0.3部を添加した後、下記の
配合の単量体乳化液(プレエマルション)を5Hrに渡っ
て一定速度で添加した。 水 15.0部 ホ゜リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム25%水溶液 3.8 メタクリル酸メチル 14.0 アクリル酸-2-エチルヘキシル 85.0 アクリル酸 1.0 25%水酸化アンモニウム 0.3 得られたエマルションは固形分濃度70.77%、粘度
2960cps 、pH1.97でメジアン粒子径0.958μ
mの均一なエマルションであった。
【0013】実施例2 実施例1の25%水酸化アンモニウムの量が0.5部(中和率5
0%)であること以外は全て実施例1と同じにして重合
を行った。得られたエマルションは固形分濃度70.8
0%、粘度1500cps 、pH4.97でメジアン粒子径
1.140μmの均一なエマルションであった。
0%)であること以外は全て実施例1と同じにして重合
を行った。得られたエマルションは固形分濃度70.8
0%、粘度1500cps 、pH4.97でメジアン粒子径
1.140μmの均一なエマルションであった。
【0014】実施例3 実施例1の25%水酸化アンモニウムの量が0.8部であること以
外は全て実施例1と同じにして重合を行った。得られた
エマルションは固形分濃度70.57%、粘度960cps
、pH5.40でメジアン粒子径0.751μmの均一な
エマルションであった。
外は全て実施例1と同じにして重合を行った。得られた
エマルションは固形分濃度70.57%、粘度960cps
、pH5.40でメジアン粒子径0.751μmの均一な
エマルションであった。
【0015】実施例4 実施例1の25%水酸化アンモニウムの量が1.0部(中和率1
00%)であること以外は全て実施例1と同じにして重
合を行った。得られたエマルションは固形分濃度70.
55%、粘度450cps 、pH7.00でメジアン粒子径
1.223μmの均一なエマルションであった。
00%)であること以外は全て実施例1と同じにして重
合を行った。得られたエマルションは固形分濃度70.
55%、粘度450cps 、pH7.00でメジアン粒子径
1.223μmの均一なエマルションであった。
【0016】実施例5 実施例2において、乳化剤の一部1.0部を下記の条件
で重合中連続添加すること以外は全て実施例2と同じに
して重合を行った。 添加乳化剤量 重合開始〜1時間 0.0部/Hr 1時間〜2時間 0.1部/Hr 2時間〜3時間 0.2部/Hr 3時間〜4時間 0.3部/Hr 4時間〜5時間 0.4部/Hr 得られたエマルションは固形分濃度70.79%、粘度
1150cps 、pH4.95でメジアン粒子径1.180μ
mの均一なエマルションであった。
で重合中連続添加すること以外は全て実施例2と同じに
して重合を行った。 添加乳化剤量 重合開始〜1時間 0.0部/Hr 1時間〜2時間 0.1部/Hr 2時間〜3時間 0.2部/Hr 3時間〜4時間 0.3部/Hr 4時間〜5時間 0.4部/Hr 得られたエマルションは固形分濃度70.79%、粘度
1150cps 、pH4.95でメジアン粒子径1.180μ
mの均一なエマルションであった。
【0017】実施例6 実施例4において、乳化剤の一部1.0部を実施例5と
同一の条件で重合中連続添加すること以外は全て実施例
4と同じにして重合を行った。得られたエマルションは
固形分濃度70.79%、粘度250cps 、pH7.00で
メジアン粒子径1.252μmの均一なエマルションで
あった。
同一の条件で重合中連続添加すること以外は全て実施例
4と同じにして重合を行った。得られたエマルションは
固形分濃度70.79%、粘度250cps 、pH7.00で
メジアン粒子径1.252μmの均一なエマルションで
あった。
【0018】実施例7 耐圧反応釜に、水23.5部を仕込み80℃まで加熱す
る。温度を80℃に制御しながら、過硫酸アンモニウム
0.4部を添加した後、下記の配合のプレエマルション
を5Hrに渡って一定速度で流入する。 水 19.0部 ホ゜リオキシエチレンアルキルアリールエーテル 1.6 Na・アルキルシ゛サルフェート 0.6 メタクリル酸 1.0 アクリル酸フ゛チル 30.0 アクリル酸-2-エチルヘキシル 60.0 スチレン 9.0 25%水酸化アンモニウム 0.9 得られたエマルションは固形分濃度65.0%、粘度1
230cps でメジアン粒子径0.531μmの均一なエ
マルションであった。
る。温度を80℃に制御しながら、過硫酸アンモニウム
0.4部を添加した後、下記の配合のプレエマルション
を5Hrに渡って一定速度で流入する。 水 19.0部 ホ゜リオキシエチレンアルキルアリールエーテル 1.6 Na・アルキルシ゛サルフェート 0.6 メタクリル酸 1.0 アクリル酸フ゛チル 30.0 アクリル酸-2-エチルヘキシル 60.0 スチレン 9.0 25%水酸化アンモニウム 0.9 得られたエマルションは固形分濃度65.0%、粘度1
230cps でメジアン粒子径0.531μmの均一なエ
マルションであった。
【0019】実施例8 実施例7において、乳化剤の一部0.6部を下記の条件
で重合中連続添加すること以外は全て実施例7と同じに
して重合を行った。 添加乳化剤量 重合開始〜1時間 0.00部/Hr 1時間〜2時間 0.06部/Hr 2時間〜3時間 0.12部/Hr 3時間〜4時間 0.18部/Hr 4時間〜5時間 0.24部/Hr 得られたエマルションは固形分濃度65.0%、粘度8
00cps 、メジアン粒子径0.823μmの均一なエマ
ルションであった。
で重合中連続添加すること以外は全て実施例7と同じに
して重合を行った。 添加乳化剤量 重合開始〜1時間 0.00部/Hr 1時間〜2時間 0.06部/Hr 2時間〜3時間 0.12部/Hr 3時間〜4時間 0.18部/Hr 4時間〜5時間 0.24部/Hr 得られたエマルションは固形分濃度65.0%、粘度8
00cps 、メジアン粒子径0.823μmの均一なエマ
ルションであった。
【0020】比較例1 実施例1の25%水酸化アンモニウムの添加による中和を行わ
なかった以外は全て実施例1と同様にして重合を行っ
た。得られたエマルションは固形分濃度70.57%、
粘度3,750cps 、pH1.83でメジアン粒子径0.7
51μmのエマルションであった。
なかった以外は全て実施例1と同様にして重合を行っ
た。得られたエマルションは固形分濃度70.57%、
粘度3,750cps 、pH1.83でメジアン粒子径0.7
51μmのエマルションであった。
【0021】比較例2 実施例7の25%水酸化アンモニウムの添加による中和を行わ
なかった以外は全て実施例7と同様にして重合を行っ
た。得られたエマルションは固形分濃度65.00%、
粘度29,650cps 、pH1.83でメジアン粒子径0.
350μmのエマルションであった。
なかった以外は全て実施例7と同様にして重合を行っ
た。得られたエマルションは固形分濃度65.00%、
粘度29,650cps 、pH1.83でメジアン粒子径0.
350μmのエマルションであった。
【0022】
【発明の効果】アクリル系エマルションを乳化重合によ
り調製するに際し、重合に先立ち、単量体混合物を塩基
性化合物の添加により中和または部分中和するという本
発明により、高固形分で粘度の低いアクリル系エマルシ
ョンを容易に製造することが可能となった。
り調製するに際し、重合に先立ち、単量体混合物を塩基
性化合物の添加により中和または部分中和するという本
発明により、高固形分で粘度の低いアクリル系エマルシ
ョンを容易に製造することが可能となった。
Claims (2)
- 【請求項1】(メタ)アクリル酸エステルと酸性単量体を
主体とする単量体混合物に塩基性化合物を加えて中和ま
たは部分中和した後乳化重合することを特徴とするアク
リル系エマルションの製造方法。 - 【請求項2】塩基性化合物がアンモニアまたはアミン化
合物であることを特徴とする請求項1記載のアクリル系
エマルションの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5443394A JPH07238201A (ja) | 1994-03-01 | 1994-03-01 | アクリル系エマルションの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5443394A JPH07238201A (ja) | 1994-03-01 | 1994-03-01 | アクリル系エマルションの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07238201A true JPH07238201A (ja) | 1995-09-12 |
Family
ID=12970586
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5443394A Pending JPH07238201A (ja) | 1994-03-01 | 1994-03-01 | アクリル系エマルションの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07238201A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998023656A1 (de) * | 1996-11-29 | 1998-06-04 | Basf Aktiengesellschaft | Kaschierklebstoffe |
-
1994
- 1994-03-01 JP JP5443394A patent/JPH07238201A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998023656A1 (de) * | 1996-11-29 | 1998-06-04 | Basf Aktiengesellschaft | Kaschierklebstoffe |
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