JPH07238199A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物

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JPH07238199A
JPH07238199A JP7000961A JP96195A JPH07238199A JP H07238199 A JPH07238199 A JP H07238199A JP 7000961 A JP7000961 A JP 7000961A JP 96195 A JP96195 A JP 96195A JP H07238199 A JPH07238199 A JP H07238199A
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JP
Japan
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resin
lactone
polyvinyl acetal
hydroxyl group
coating
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Application number
JP7000961A
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English (en)
Inventor
Toshiro Endo
敏郎 遠藤
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 可撓性に富んだ塗膜を得ることが可能なコー
ティング用の、反応性に富んだ第1級の水酸基を有する
樹脂を開発すること。 【構成】 ラクトン変性ポリビニルアセタ−ル樹脂(A)
と、水酸基と反応する官能基を有する化合物(B) および
必要に応じて添加するその他のポリオ−ルまたはエポキ
シ樹脂(C) とからなる硬化性樹脂組成物。 【効果】 可撓性に富んだ塗膜を得ることが可能なコー
ティング用の、反応性に富んだ第1級の水酸基を有する
樹脂を開発することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なポリオ−ル樹脂に
水酸基と反応しうる架橋剤を配合することによって、常
温または加熱架橋硬化しうるコ−ティング用、接着剤用
等の新規な硬化性樹脂組成物に関する。詳しくは、ポリ
ビニルアセタ−ル樹脂存在下にε−カプロラクトンを開
環付加重合して得られるラクトン変性ポリビニルアセタ
−ル樹脂に水酸基と反応しうる架橋剤を配合することに
よって、常温または加熱架橋硬化しうる各種塗料用樹
脂、接着剤、繊維製品加工、各種バインダ−などとして
有用な硬化性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルアセタ−ル樹脂は熱可塑性物
質のひとつとして、各種塗料、接着剤、繊維製品加工、
各種バインダ−などに工業的に利用されており、耐光
性、透明性、顔料分散性、強靭性、接着性の良さなどに
優れた特徴がある。
【0003】ポリビニルアセタ−ル樹脂の中でもブチラ
−ル樹脂は透明性、耐光性、強靭性、接着性が良好なこ
とからガラス板の中間膜、セラミックス、プラスチック
ス基盤などのバインダーとして利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、可撓
性、溶解性、架橋性、相溶性、熱可塑性等に関しては、
改善すべき性質を有している。また、ポリビニルアセタ
−ル樹脂単独では熱可塑性が充分でないため、可塑剤と
混合して使用される。可塑剤の添加されたブチラ−ル樹
脂は、柔軟なフィルムを形成するが、可塑剤が拡散移動
し相接する他の材料に移行して物性を損ねたり、可塑剤
の種類によっては耐水性が不良になるなどの問題があ
り、用途が限られているのが現状である。また、可塑剤
が経時的にブリードアウトすることにより透明性や耐光
性が損なわれることもあった。
【0005】一方、最近、省エネルギ−、省資源の問
題、用途の多様化、高度化により、従来よりも、高性
能、高品質の樹脂が要求されてきている。
【0006】また、コ−ティングに関しても、水性塗
料、ハイソリッド塗料、粉体塗料、電着塗料、紫外線硬
化塗料、弾性塗料等の新しい塗料の出現と共に、それら
に配合される樹脂も従来のものでは品質的に満足させる
ことができず、種々の新しい樹脂が提案されている。
【0007】水酸基と反応しうる架橋剤を配合すること
によって、常温または加熱架橋硬化しうるコ−ティング
用樹脂としては、従来、アルキッド樹脂、オイルフリー
ポリエステル樹脂、ポリエステルポリオ−ル、ポリエー
テルポリオール、エポキシ樹脂、アクリルポリオール等
が用いられている。これらの樹脂に、ポリイソシアネ−
ト、ブロックイソシアネート、メラミン樹脂、フェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂、ジアルデヒド等の水酸基と反応
しうる架橋剤、さらには、硝火綿、セルロースアセテー
トブチレート等のセルロース系樹脂、塩化ビニル樹脂、
酢酸ビニル樹脂等の様々な樹脂、顔料、溶媒、添加剤等
を配合し、様々な用途へのコーティング組成物が処方さ
れている。
【0008】水酸基を有する樹脂としてのアルキッド樹
脂は、その水酸基の多くが架橋剤との反応性に乏しい第
2級のものであり、かつ樹脂のOH基濃度と分子量を同
時に大きくすることは、樹脂合成の上で極めて困難であ
る。さらにアルキッド樹脂の欠点の1つは、耐水性、耐
侯性が悪いことである。オイルフリーアルキッドやポリ
エステルポリオールは、反応性の高い第1級のOH基を
有し、多くのウレタンコーティングに用いられている
が、ポリエステル結合のため、耐水性に問題がある。ま
た、速い乾燥性、硬い塗膜を得ることも困難である。
【0009】多価アルコールにプロピレンオキシドやエ
チレンオキシドを開環重合させて得たポリエーテルポリ
オールもウレタンフォーム等の分野、耐水性を要求され
る床材等には多量に使用されているが、耐侯性、耐熱性
が悪いためコーティング分野にはほとんど使用されてい
ない。
【0010】2−ヒドロキシメタクリレートをはじめと
する、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとアク
リル酸エステル、スチレン等ヲラジカル共重合させて得
たアクリルポリオール樹脂は、常温乾燥、焼付架橋のウ
レタンコーティング、または、メラミン焼付コーティン
グに最近特に多く使用されるようになってきた。例え
ば、自動車補修用のアクリルウレタン塗料、家庭電化製
品の焼付塗料、自動車のメタリック塗料、屋外壁用塗
料、耐侯性、耐薬品性、耐水性、耐汚染性、高硬度を要
求されるコーティング分野に使用されている。
【0011】しかしながら、アクリルポリオール樹脂
は、可撓性に富んだ塗膜を得ることが困難である。ま
た、その水酸基はアクリル樹脂の主鎖骨格の近傍に結合
しているため、水酸基の1部しか架橋剤との反応に寄与
しない。エピビス型のエポキシ樹脂の高分子量オリゴマ
ーも水酸基を有しているが、反応性の乏しい第2級の水
酸基であり、かつ、樹脂自体硬すぎてこのままではコー
ティングに用いることはできない。
【0012】
【発明の目的】本発明者は、これらの欠点を有する各種
樹脂に代る、新しい樹脂を開発せんと鋭意研究した結
果、本発明に至った。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
「下記一般式(I)
【化2】 <一般式(I)において、RはH、メチルまたはプロピル
基を表す、l、m、nはそれぞれ、81.6〜50mo
l%、0〜10mol%、10〜50mol%である、
yは0より大きい数値で上限は50である、Xはラクトン
化合物が開環した下記のユニットである、 、zは4〜8の整数である、RaおよびRbはそれぞれH
またはメチル基を表す、 xはポリビニルアセタ−ル樹
脂40〜95重量部に対してラクトン化合物が5 〜6
0重量部を使用した平均付加モル数である>で表される
ラクトン変性ポリビニルアセタ−ル樹脂(A) と、水酸基
と反応する官能基を有する化合物(B) および必要に応じ
て添加するその他のポリオ−ルまたはエポキシ樹脂(C)
とからなることを特徴とする硬化性樹脂組成物」であ
る。
【0014】本発明の硬化性樹脂組成物中の一方の成分
であるラクトン変性ポリビニルアセタ−ル樹脂、すなわ
ち、樹脂成分(A)は、軟化点100℃以上の硬い樹脂
ポリオールが骨格となり、それに軟らかいラクトンが開
環グラフト反応により側鎖として結合しているため、側
鎖末端に反応性の優れた第1級水酸基が位置している。
さらには、多塩基酸またはその無水物で変性し、カルボ
キシル基を導入することによって、第1級水酸基とイソ
シアネートまたはメラミン樹脂との架橋反応速度を任意
にコントロールすることが可能である。
【0015】例えば、反応性の高いイソシアネートを配
合する2液型ウレタン塗料の場合、混合液のポットライ
フが短すぎる場合が多いが、多塩基酸による変性量を少
なくし、樹脂の酸価を小さくすれば適度なポットライフ
を得ることができる。逆に、反応性の低いイソシアネー
トを配合する場合には、酸価を大きくすれば適度な硬化
速度を得ることができる。また、適度なカルボキシル基
の導入は塗面との密着性を高めるのにも有効である。ま
た、樹脂成分(A)の特徴は、脆くて、硬い樹脂骨格で
あるポリビニルアセタ−ル樹脂成分と軟らかい側鎖であ
るラクトン成分の反応割合を変化させることにより、多
様な用途に適する任意の可撓性と水酸基濃度を調整する
ことができることである。すなわち、ラクトンの変性量
を少なくすれば、硬くて、OH価の高い樹脂が得られ、
多くすれば、軟らかくてOH価の低い樹脂が得られる。
また、硬い樹脂骨格と末端第1級水酸基の軟らかい側鎖
構造のため、架橋剤で硬化させたコーティング塗膜はア
クリルポリオールとは異なり、極めて、可撓性に富んだ
塗膜が得られる。
【0016】さらに、この樹脂成分(A)の特徴は、耐
水性が優れているという点である。通常のアルキッド樹
脂やポリエステルポリオールではそのエステル結合のた
め加水分解を受けやすいが、本発明における樹脂成分
(A)は炭素−炭素結合からなる主鎖にポリエステルの
中では最も優れたポリカプロラクトン側鎖が結合してい
るため優れた耐水性を発揮する。また、炭素−炭素結合
とエステル結合のため、多くの塗料用樹脂、架橋剤との
優れた相溶性を有するものである。
【0017】本発明における樹脂成分(A)を構成する
主要成分であるポリビニルアセタ−ル樹脂は、一般式(I
I)
【化3】 <一般式(II)において、RはH、メチルまたはプロピル
基を表す、、l、m、nはそれぞれ、81.6〜50m
ol%、0〜10mol%、10〜50mol%である
>で表されポリ酢酸ビニルをケン化して得られたポリビ
ニルアルコールにブチルアルデヒドを反応させることに
よって得ることができる。このものは、例えば、積水化
学から市販されているポリビニルアセタ−ルの代表的な
樹脂であるポリビニルブチラ−ル、エスレックBシリ−
ズを使うことができる。
【0018】本発明の硬化性樹脂組成物における樹脂成
分(A)において、上記のポリビニルアセタ−ル樹脂
は、95〜40重量%、好ましくは、80〜50重量%
の範囲で使用される。95重量%よりも多い場合は、樹
脂が硬くなり過ぎ、他の塗料用樹脂との相溶性、各種溶
媒への溶解性が悪くなるため好ましくない。
【0019】逆に、40重量%よりも少ない場合には、
その分だけラクトンの割合が多くなるため、得られる樹
脂が軟らかくなり過ぎたり、また、ラクトン側鎖の結晶
性のため、溶媒への溶解性が悪くなるため好ましくな
い。
【0020】本発明における樹脂成分(A)の第2の主
要成分であるラクトンは、5〜60重量%、好ましく
は、20〜50重量%の範囲で使用される。この範囲よ
りも多すぎても、少なすぎても、適度な可撓性と溶解
性、相溶性を得ることが困難であるからである。また、
ラクトンの代わりにその開環物であるオキシカプロン酸
を用いることができる。また、トリメチルカプロラクト
ンやバレロラクトンのような他の環状ラクトンを一部併
用してもよい。
【0021】ラクトンはポリビニルアセタ−ル樹脂に残
存するビニルアルコール成分に基ずく第2級水酸基に開
環エステル化反応することによって、ポリビニルアセタ
−ル樹脂の軟らかい側鎖となる。しかもその際、一般の
カルボキシル基と水酸基の脱水エステル化反応と異な
り、グラフト化したラクトン側鎖末端には第1級OH基
が生じ、樹脂全体の水酸基の濃度は変化しない。
【0022】本発明における樹脂成分(A)を多塩基酸
またはその無水物で更に変性し、カルボキシル基を導入
する場合は0〜10重量%、好ましくは、0〜5重量%
を使用する。10重量%よりも多く使用した場合には、
樹脂の粘度が高くなり、反応中にゲル化を生じる恐れが
ある。多塩基酸を使用する場合には、脱水エステル化反
応によって樹脂の水酸基にハーフエステルの形で結合さ
せフリーのカルボキシル基を導入させる。多塩基酸無水
物を用いるときは、水酸基への開環付加反応によってハ
ーフエステルの形で導入する。いずれにせよ、樹脂の酸
価を0.1〜10KOHmg/gに調整するのが好まし
い。酸価が10以上の場合は、架橋剤と水酸基の反応が
速すぎるため塗装の際の作業性が悪くなる。多塩基酸ま
たはその無水物としては、無水フタル酸、イソフタル
酸、アジピン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、無水マ
レイン酸、コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキ
サヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル
酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリッ
ト酸等を使用することができる。
【0023】次に本発明における樹脂成分(A)を製造
する方法について述べる。
【0024】ポリビニルアセタ−ル樹脂を120℃以上
で加熱溶解させ、樹脂中の水分を除去した後、ラクトン
を添加し、反応を促進するするために開環重合触媒を添
加し、120〜230℃、好ましくは150〜220℃
で乾燥した窒素雰囲気下で反応を行う。カルボキシル基
を導入する場合は、反応終了後100〜150℃で多塩
基酸無水物を添加しハーフエステル化の反応を行う。生
成した樹脂は、トルエン、キシレン等の有機溶媒に溶解
し、樹脂溶液として、コーティング組成物の配合に用い
る。また、上記反応はトルエン、キシレン等の溶媒の存
在下に行うこともできる。
【0025】本発明の硬化性樹脂組成物における樹脂成
分(A)において使用する環状エステルの開環重合触媒
とは、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属およびそ
の誘導体、ピリジン等の三級アミン、トリエチルアルミ
ニウムで代表されるアルキルアルミニウムおよびその誘
導体、テトラブチルチタネート[(C4H9)4OTi]で代表さ
れるアルコキシチタン化合物、オクチル酸錫、ジブチル
錫ラウレート等の有機金属化合物、塩化錫等の金属ハロ
ゲン化物を用いれば良い。これらの環状エステルの開環
重合触媒は、成書、三枝武夫著「講座重合反応論
(7)、開環重合(II)」(化学同人1973年発行)
P.107〜131にも記載されている。
【0026】また、反応時間は通常0.5〜20時間程
度行えば良い。
【0027】また、本発明における樹脂成分(A)を得
るに際して用いる原料および窒素、反応基等については
十分に水分を除去し、乾燥させておくことが望ましい。
【0028】また、必要に応じて添加するその他のポリ
オ−ルまたはエポキシ樹脂(C) としてはアルキッド、ポ
リエステルポリオール、アクリルポリオール樹脂、各種
エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0029】水酸基と反応する官能基を有する化合物、
すなわち、成分(B)としては、イソホロンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシレンジ
イソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、トリ
レンジイソシアネート、4、4´−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、4、4´−メチレンビス(シクロヘキ
シルイソシアネート)等のジイソシアネート、およびそ
れらのアダクト体、多量体、ブロック体、イソシアネー
ト基を有するプレポリマーのような架橋剤、あるいは、
イソブチル化メラミン、n−ブチル化メラミン、メチル
化メラミンの様なメラミン樹脂、さらにはエポキシ樹脂
等を一般に用いることができる。実際には、各種溶剤、
シンナー、顔料、添加剤等が常法により適宜配合され
る。
【0030】成分(A)、成分(A)およびその他の添加剤の
配合方法は、事前に配合した1液型組成物として使用し
ても良いし、その硬化性樹脂組成物のポットライフの関
係で2液型組成物として使用直前に配合して使用しても
良い。
【0031】以上のようにして得られる本発明の硬化性
樹脂組成物は、塗料、インキ、接着剤など各種の用途に
有用なものである。本発明の硬化性樹脂組成物から塗料
を調整する場合、これらはスプレ−塗装、カ−テンフロ
−塗装、ロ−ルコ−タ−塗装、ドクタ−ナイフ塗装、浸
漬塗装、スピンコ−タ−塗装、はけ塗り、流し塗りなど
公知慣用の手段で塗装できる。
【0032】塗装された塗膜の硬化条件は0〜300℃、
好ましくは、10〜200℃である。
【0033】以下、例を挙げて本発明をさらに詳しく説
明するが、これらは、本発明を限定するものではない。
【0034】[参考例1] <カプロラクトン変性ポリビニルアセタ−ル樹脂(樹脂
1)の製造>攪拌機、温度計、還流冷却器、および窒素
導入管を備えた充分に乾燥した反応器に、乾燥した雰囲
気下で、予め充分に乾燥したブチラール樹脂[積水化学
工業(株)製エスレックBL−1、アセチル基3mol
%、ブチラール基63mol%、水酸基34mol%]
278.1gにε−カプロラクトン(分子量114.1
5)119.2gを投入する。攪拌しながら徐々に10
0℃まで加熱し実質的に均一になることを確認した。そ
の後、塩化第一錫(SnCl2)7.95mgを添加
し、温度を上昇させ170℃で24時間保持した。
【0035】その後、反応液を80℃まで冷却し反応を
終結させ粗重合液を得た。反応系に残存するε−カプロ
ラクトン量は0.55重量%であった。
【0036】該カプロラクトン変性ブチラ−ル樹脂はG
PCを用い分子量を測定したところ、数平均分子量2.
0×104、重量平均分子量5.2×104(いずれの分
子量もポリスチレン換算)である。
【0037】次ぎに、得られた樹脂(樹脂1)100部を
キシロール85部、n-ブタノール15部からなる混合有機
溶剤に溶解させ、水酸基価120のカプロラクトン変性ブ
チラ−ル樹脂溶液(A-1)を得た。
【0038】[参考例2] <カプロラクトン変性ブチラ−ル樹脂(樹脂2)の製造
>参考例1と同様な装置を用い、乾燥した雰囲気下で、
予め充分に乾燥したブチラール樹脂[積水化学工業
(株)製エスレックBL−S、アセチル基3mol%、
ブチラール基72mol%、水酸基25mol%]21
0.4gにε−カプロラクトン(分子量114.15)
90.2gを投入した。攪拌しながら徐々に100℃ま
で加熱し実質的に均一になることを確認した。その後、
塩化第一錫(SnCl2)6.01mgを添加し、温度
を上昇させ170℃で7時間保持した。
【0039】その後、反応液を80℃まで冷却し反応を
終結させ粗重合液を得た。反応系に残存するε−カプロ
ラクトン量は0.60重量%であった。
【0040】該カプロラクトン変性ブチラ−ル樹脂はG
PCを用い分子量を測定したところ、数平均分子量2.
0×104、重量平均分子量4.3×104(いずれの分
子量もポリスチレン換算)である。
【0041】次ぎに、得られた樹脂(樹脂2)100部を
キシロール85部、n-ブタノール15部からなる混合有機
溶剤に溶解させ、水酸基価100のカプロラクトン変性ブ
チラ−ル樹脂溶液(A-2)を得た。
【0042】[参考例3] <アクリルポリオ−ル(樹脂3)の製造/比較用>キシ
ロール85部、n-ブタノール15部からなる混合有機溶剤
中でスチレン30部、n-ブチルメタクリレ−ト30部、2-エ
チルヘキシルアクリレ−ト15部、2-ヒドロキシエチルア
クリレ−ト25部のモノマ−混合物を反応させて重量平均
分子量1×104、水酸基価121、樹脂固形分50%の水酸
基含有アクリル樹脂溶液(A-3)を得た。[実施例1] (A-1)140部 ヘキサメトキシメチロ−ルメラミン(三井サ
イアナミッド社製、商品名サイメル303)30部、ドデシル
ベンゼンスルホン酸のアミン中和物(King Industries,
Inc.製、商品名Nacure 5225、有効成分25%)1部および
1%シリコン添加剤(レインボ−ケミカル社製、レイン
ボ−#3)0.01部の混合物を攪拌した後、ソルベッソ10
0を添加してフォ−ドカップNo.4で25秒に粘度調整して
塗料組成物を得た。
【0043】[実施例2](A-2)140部を使用した以外は
実施例1と同様に行い、塗料組成物を得た。
【0044】[比較例1](A-3)140部を使用した以外は
実施例1と同様に行い、比較用塗料組成物を得た。塗膜作成条件 前記実施例および比較例で得た塗料を用いて、塗装およ
び硬化塗膜の作成を行った。
【0045】リン酸亜鉛化成処理を施した厚さ0.8mmの
ダル鋼板上にエポキシ系カチオン電着塗料を乾燥塗膜厚
さ約20μとなるように電着塗装し、170℃で20分間焼き
付けた後、#400のサンドペ−パ−で磨いて石油ベンジ
ンで拭きとった。ついで自動車中塗りサ−フェ−サ−を
乾燥塗膜厚さ約25μとなるようにエア−スプレ−塗装
し、140℃で30分間焼き付けた後、#400のサンドペ−パ
−で水研ぎし、水切り乾燥し、石油ベンジンで拭きとっ
て試験用サンプルとした。
【0046】この上にマジクロンメタリックベ−スコ−
トHM-22(関西ペイント社製)をエアスプレ−ガンF5
(明治機械製作所製)を用いて硬化膜厚さ約15μとなる
ように塗装し、室温で約3分間放置後、該塗膜面に実施
例1〜2および比較例1の塗料組成物(クリアコ−ト)
を前記エアスプレ−ガンF5を用いて硬化膜厚さ約40μと
なるように塗装した後、室温で約10分間放置してセッテ
ィングした。ついで、このものを電気熱風乾燥機で140
℃で30分間加熱して両塗膜を乾燥させた。
【0047】これらの塗装板を用いた塗膜の性能試験結
果をまとめて表−1に示した。
【0048】 表−1 実施例 比較例 1 2 1 塗膜外観 ○ ○ ○ 60度光沢 102 102 102 鉛筆硬度 H H H 耐酸性 ○ ○ × 耐水性 ○ ○ △ 耐溶剤性 ○ ○ △ 耐スリキズ性 ○ ○ × <試験方法> 塗膜外観:仕上がり後塗膜の外観をツヤ感、肉持ち感か
ら以下の基準で評価した(○;良、×;不良)。
【0049】60度光沢:角度60度で鏡面反射率を測
定した。
【0050】鉛筆硬度:JIS K5400に基づいて測定し
た。
【0051】耐酸性:40%硫酸溶液に試験塗装板を長さ
の1/2を浸漬し、50℃で5時間放置後、 水洗
して塗装面を観察して以下の基準で評価した(○;変化
なし、×; 塗装面が白化したもの)。
【0052】耐水性:40℃の温水に240時間浸漬した
後、水洗した塗装面を観察して以下の基準で評価した
(○;変化なし、△;僅かにツヤ引けするもの) 耐溶剤性:キシロ−ルを染み込ませたガ−ゼで塗装面を
10回拭った後、塗装面を観察して以下の基準で評価した
(○;変化なし、△;塗装面にキズが観察されたも
の)。
【0053】耐スリキズ性:屋根に試験用塗装板を貼り
付けた自動車を洗車機で5回洗車した後の塗膜の状態を
観察して以下の基準で評価した(○;殆どスリキズが見
付からなかったもの、×;スリキズが見付かるもの)。
【0054】
【発明の効果】前記比較試験結果表より明らかなよう
に、本発明方法により得られた塗膜は、ブチラ−ル樹脂
が有する第2級水酸基をカプロラクトンの開環付加重合
により第1級水酸基に変化させることにより従来のアク
リルポリオ−ルが有していた反応性の高い第1級水酸基
と同等の反応性を有しており、かつ、耐酸性、耐溶剤
性、耐水性および耐スリキズ性などに優れた性質を発現
させることができる。
【0055】(以下余白)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 216/38 MLC 218/08 MLH

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 <一般式(I)において、RはH、メチルまたはプロピル
    基を表す、l、m、nはそれぞれ、81.6〜50mo
    l%、0〜10mol%、10〜50mol%である、
    yは0より大きい数値で上限は50である、Xはラクトン
    化合物が開環した下記のユニットである、 、zは4〜8の整数である、RaおよびRbはそれぞれH
    またはメチル基を表す、 xはポリビニルアセタ−ル樹
    脂40〜95重量部に対してラクトン化合物が5 〜6
    0重量部を使用した平均付加モル数である>で表される
    ラクトン変性ポリビニルアセタ−ル樹脂(A) と、水酸基
    と反応する官能基を有する化合物(B) および必要に応じ
    て添加するその他のポリオ−ルまたはエポキシ樹脂(C)
    とからなることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
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