JPH07238110A - オレフィン類重合用固体触媒成分および触媒 - Google Patents
オレフィン類重合用固体触媒成分および触媒Info
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- JPH07238110A JPH07238110A JP5457094A JP5457094A JPH07238110A JP H07238110 A JPH07238110 A JP H07238110A JP 5457094 A JP5457094 A JP 5457094A JP 5457094 A JP5457094 A JP 5457094A JP H07238110 A JPH07238110 A JP H07238110A
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Abstract
オレフィン類の重合に供した際、粒度分布が狭く、微粉
重合体の少ない、立体規則性に優れるポリマーを高収率
で得ることができるオレフィン類重合用固体触媒成分と
触媒を提供する。 【構成】 (a)ジアルコキシマグネシウム、 (b)テトラ
アルコキシチタン、 (c)芳香族ジカルボン酸ジエステル
とで形成した均一溶液を、 (d)ポリスチレンの共存下に
(e)トリクロロシラン化合物と接触させ、ついで反応さ
せて生成した微粒状固体生成物に (f)四塩化チタンを接
触させて調製されるオレフィン類重合用固体触媒成分
(A)。該固体触媒成分(A)、(B)有機アルミニウ
ム化合物および(C)電子供与性化合物とで形成される
オレフィン類重合用触媒。
Description
け炭素数が3以上のα−オレフィン類の重合用として使
用した際に高活性を示し、粒度分布に優れ、しかも立体
規則性の高い重合体を高収率で得ることのできる高性能
のオレフィン類重合用固体触媒成分および触媒に関す
る。
物および電子供与性化合物を必須成分とするオレフィン
類重合用固体触媒成分、ならびに該固体触媒成分と有機
アルミニウム化合物、ケイ素化合物等の電子供与体とか
らなる触媒を用いて、オレフィン類を重合させる方法に
関しては従来から数多くの提案がなされている。
チタンを原料として製造されるオレフィン類重合用固体
触媒成分については、例えば特開昭63−3010号公
報、特開平1−221405号公報、特開平1−315
406号公報、特開平3−227309号公報、特開平
3−70711号公報、特開平4−8709号公報等の
ほか多くの特許文献に例示されている。また、ジアルコ
キシマグネシウムとテトラアルコキシチタンおよび四塩
化チタンを用いたオレフィン類重合用触媒成分について
も古くから知られている。例えば、該固体触媒成分と有
機アルミニウム化合物を必須成分とする触媒の存在下で
オレフィンを重合する方法については、特開昭46−6
111号公報や特開昭49−87781号公報に示され
ており、近年では特開平2−23800号公報、特開平
3−207702号公報、特開平3−263409号公
報等にみられるように一層性能が改善された技術が提案
されている。
体中に残存する塩素やチタン等の触媒残渣を除去するた
めの所謂、脱灰工程を省略し得る程の高活性をもつ触媒
成分の開発に端を発し、併せて立体規則性重合体の収率
向上や重合時における触媒活性の持続性を高めることに
注力したものであり、この課題に対してはそれぞれ優れ
た成果が発揮されている。ところが、この種の高活性型
触媒成分と有機アルミニウム化合物およびケイ素化合物
に代表される電子供与体とからなる組成のオレフィン類
重合用触媒を用いると、重合反応によって得られるポリ
マー粒子は概して不定形で粒度分布も広く、特に微粉重
合体が多くなるという問題がある。
の付着物の沈積や閉塞などのトラブルを惹起するのみな
らず、静電気の発生原因となって安全なプラント運転を
行ううえで大きな障害となる。こうした問題に対処する
ため、プロセス内に微粉末を除去する装置を設置する等
の機械的手段による解決策も試みられているが、装置設
備に要するコストや維持保全に関する技術的問題などが
課題となる。
体触媒成分の調製手段を改善して触媒を構成する粒子そ
のものの微粉を減少させる技術が開発されている。例え
ば特開昭58−83006号公報には、塩化マグネシウ
ムと高級アルコールとから液状物質を形成し、ハロゲン
化チタンで粒子を析出させる固体触媒成分の調製方法が
開示されており、該成分を有機アルミニウム化合物およ
び電子供与体と組み合わせて形成した触媒をオレフィン
重合に供することにより、粒度分布が狭く、微粉末の少
ない重合体を得ることに成功している。また特開平3−
72503号公報には、ジアルコキシマグネシウム、テ
トラアルコキシチタンおよび有機ケイ素化合物から液状
物質を形成し、ハロゲン化チタンで処理することにより
固体触媒成分を調製する方法が例示されており、同様の
目的を果たしている。
方法においては、その実施例からも明らかなように固体
触媒成分の調製工程が煩雑であることや、安定的合成に
周密な処理操作を必要とすることに加え、原料マグネシ
ウム化合物に対する固体触媒成分の回収率も十分でない
ことから、工業的規模での生産には種々解決すべき課題
が残されていた。
素数3以上のα−オレフィン類の重合に求められている
立体規則性重合体の収率、触媒活性ならびにその持続性
を高度に維持しながら、前記課題である重合体の粒子性
状を改善すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の手段で調
製した固体触媒成分による触媒が前記目的に対して優れ
た性能を発揮することを確認した。
もので、その目的は、オレフィン類、とりわけ炭素数が
3以上のα−オレフィン類の重合に供した際、粒度分布
が狭く、微粉重合体の少ない立体規則性に優れたポリマ
ーを高収率で得ることができる高性能のオレフィン類重
合用固体触媒成分および触媒を提供することにある。
めの本発明によるオレフィン類重合用固体触媒成分
(A)は 下記 (a)〜(f) 物質を用いて調製されること
を構成上の特徴とする。 (a)一般式Mg(OR)2 (式中、Rはアルキル基また
はアリール基を示す。)で表されるジアルコキシマグネ
シウム (b)一般式Ti(OR)4 (式中、Rはアルキル基また
はアリール基を示す。)で表されるテトラアルコキシチ
タン (c)芳香族ジカルボン酸ジエステル (d)ポリスチレン (e)一般式RSiCl3 (式中、Rは水素、炭化水素ま
たはハロゲン化炭化水素基を示す。)で表されるトリク
ロロシラン化合物および (f)四塩化チタン。
媒は、前記の固体触媒成分(A)、有機アルミニウム化
合物(B)および電子供与体(C)からなることを構成
上の特徴とする。
は(A)は、基本的に上記の (a)ジアルコキシマグネシ
ウム、(b) テトラアルコキシチタンおよび (c)芳香族ジ
カルボン酸ジエステルの物質によって形成される混合溶
液を、 (d)ポリスチレンの共存下に (e)トリクロロシラ
ン化合物に接触させて微粒子を析出させ、その後昇温し
て反応させることにより粒子状固体物質を生成し、次い
で該粒子状固体物質に(f)四塩化チタンを接触させるこ
とによって調製される。
質中、 (a)一般式Mg(OR)2 (式中、Rはアルキル
基またはアリール基を示す。)で表されるジアルコキシ
マグネシウム(以下単に「 (a)物質」ということがあ
る。)としては、ジエトキシマグネシウム、ジプロポキ
シマグネシウム、ジブトキシマグネシウム、ジフエノキ
シマグネシウム等が挙げられるが、本発明の目的にはジ
エトキシマグネシウムが好適に用いられる。
ルキル基またはアリール基を示す。)で表されるテトラ
アルコキシチタン(以下単に「 (b)物質」ということが
ある。)としては、テトラエトキシチタン、テトライソ
プロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラエチ
ルヘキシルチタン、テトラフエノキシチタン等を挙げる
ことができるが、中でもテトラプロポキシチタンまたは
テトラブトキシチタンが好ましく使用される。
単に「 (c)物質」ということがある。) としては、例え
ばジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジプロピ
ルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−n−ブチルフ
タレート、ジイソブチルフタレート、ジアミルフタレー
ト、ジイソアミルフタレート、エチル−n−ブチルフタ
レート、エチルイソブチルフタレート、エチル−n−プ
ロピルフタレート、エチルイソプロピルフタレート、エ
チルベンジルフタレート、ブチルベンジルフタレート、
イソオクチルフタレート等が挙げられる。
ということがある。)としては、ASTM D−123
8に準拠して測定したメルトインデックス(MI)が
0.01〜100、好ましくは0.1〜50のものが用
いられる。
素、炭化水素またはハロゲン化炭化水素基を示す。)で
表されるトリクロロシラン化合物(以下単に「 (e)物
質」ということがある。)としては、トリクロロシラ
ン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラ
ン、プロピルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラ
ン、ブチルトリクロロシラン、ヘキシルトリクロロシラ
ン、オクチルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラ
ン、アミルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラ
ン、シクロヘキシルトリクロロシラン、オクタデシルト
リクロロシラン、クロロメチルトリクロロシラン、クロ
ロエチルトリクロロシラン、クロロプロピルトリクロロ
シラン等を挙げることができるが、中でもトリクロロシ
ラン、メチルトリクロロシランが好ましく適用される。
操作に支障をきたすことのない限り実質的に任意である
が、 (a)物質1gに対し、 (b)物質は0.5〜2.0
g、 (c)物質は0.1〜1.0g、 (d)物質は0.00
5〜0.5g、 (e)物質は0.5〜50ml、 (f)四塩化
チタン(以下単に「 (f)物質」ということがある。)は
0.1〜200mlの範囲が好ましい。なお、上記各原料
物質は、1種もしくは2種以上を選択して用いることも
可能であるが、その場合の使用量比は1種のみを用いた
場合と同量であればよい。
在下で行うことも可能であるが、操作の容易性を考慮し
た場合、該溶媒の存在下で行うことが好ましい。用いら
れる不活性有機溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、ト
ルエン、キシレン等が挙げられるが、その使用量比は任
意である。
状物質との撹拌、混合接触を基本として実施される。具
体的には (a)物質、 (b)物質、 (c)物質および (d)物質
とで混合溶液を形成する溶解工程、該混合溶液を (e)物
質と接触させて微粒子を析出させる析出工程、析出した
微粒子を反応により成長させ、粒子状固体物質を生成す
る生成工程、該粒子状固体物質を (f)物質と接触処理す
る四塩化チタン処理工程を経て、本発明の固体触媒成分
(A)が調製される。
(b) 、(c) 、(d) の各物質を、不活性有機溶媒の存在下
または不存在下に同時に接触させ、撹拌、混合すること
も可能であるが、通常 (a)物質と (b)物質とを該溶媒の
存在下又は不存在下に50〜150℃の温度域で撹拌混
合接触させて (a)物質を溶解した後、50〜120℃の
温度域で (c)物質および (d)物質を添加し、さらに撹
拌、混合接触させて均一な混合溶液を形成する。この
際、 (c)物質および (d)物質を不活性有機溶媒の存在下
または不存在下で予め混合接触させ、 (d)物質を溶解さ
せた状態で添加することもできる。混合接触時間は (a)
物質および (b)物質が完全に溶解して均一な溶液を形成
するに足る時間であれば任意であるが、10分以上、好
ましくは30分〜10時間の範囲である。
℃以下、好ましくは5℃以下に冷却した (e)物質中に、
上記混合溶液を添加、接触させる方法で実施される。こ
の際、混合溶液は (e)物質中に徐々に滴下する方法で添
加し、添加中の温度は添加開始時の温度を保持すること
が必要である。この析出工程の温度が20℃を越えた
り、あるいはまた一定の温度を保持できない場合は、所
期の目的である狭い粒度分布を有する重合体が得られな
いうえ、かさ比重の低下を招くことになる。なお(e)物
質は前記不活性有機溶媒で希釈して用いることが好まし
く、さらには (d)物質を該溶媒で溶解して、予め (e)物
質に混在させておくことも可能である。
めの生成工程は、系内温度を50〜100℃に上昇し、
微粒子を反応させることによって実施される。系内温度
が50℃未満の場合は充分な反応が進行せず、100℃
を越えると使用した一部の物質や溶媒の蒸発等に影響さ
れて、反応のコントロールが困難となる。生成工程の所
要時間は、粒子状固体物質が生成するに充分な時間であ
れば任意であるが、通常10分以上、好ましくは30分
〜10時間である。
テーション等で溶媒や未反応成分を分離し、四塩化チタ
ン処理工程において (f)物質と接触処理することにより
本発明の固体触媒成分(A)が調製される。接触温度は
40〜130℃であり、40℃未満の場合は粒子状固体
物質と (f)物質との実質的反応の進行が不充分となり、
130℃を越えると使用した溶媒の蒸発が顕著になった
り、使用物質が分離したりして反応の制御が困難とな
る。接触処理時間は10分〜100時間の範囲で適宜に
定められるが、好ましくは30分〜10時間の範囲であ
る。この際、使用する (f)物質を予め不活性有機溶媒で
希釈して用いることが好ましく、また該粒子状固体物質
を (f)物質との接触処理に先だって予め不活性有機溶媒
で洗浄することも可能である。なお、 (f)物質による接
触処理を繰り返し行うことも触媒性能の向上の上から好
ましく、接触処理終了後、得られた固体触媒成分を上記
不活性有機溶媒で洗浄することも同様に好ましい態様と
なる。
(A)(以下「(A)成分」ということがある。)は、
洗浄後そのままもしくは洗浄して乾燥した後、一般式R
n AlX3-n (式中、Rは炭化水素基、Xはハロゲン原
子を示し、nは1≦n≦3である。)で表される有機ア
ルミニウム化合物(B)(以下「(B)成分」というこ
とがある。)および電子供与性化合物(C)(以下
「(C)成分」ということがある。)と組み合わせて、
本発明のオレフィン類重合用触媒が形成される。
は、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニ
ウム等のトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニ
ウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド等のジア
ルキルアルミニウムハライド、エチルアルミニウムジク
ロリド、プロピルアルミニウムジクロリド等のアルキル
アルミニウムジハライド、ジエチルアルミニウムセスキ
クロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド等のアル
キルアルミニウムセスキハライド、ジエチルアルミニウ
ムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシド等のア
ルキルアルミニウムアルコキシド、ジエチルアルミニウ
ムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリド、エチルア
ルミニウムヒドリド等のアルキルアルミニウムヒドリド
およびこれらの混合物を挙げることができる。
有するケイ素化合物類、芳香族カルボン酸エステル類、
ケトン類等の化合物が挙げられるが、好ましい物質は一
般式Rm Si(OR’)4-m (式中、Rはアルキル基、
シクロアルキル基、アリール基またはビニル基から選択
される基であり、m個のRは互いに同一の基でも異なっ
た基の組み合わせであってもよく、R’はアルキル基を
示す。Rがアルキル基の場合は、そのアルキル基はR’
と同一であっても異なっていてもよい。mは0≦m≦3
である。)で表されるケイ素化合物であり、具体的には
フェニルアルコキシシラン、アルキルアルコキシシラ
ン、フェニルアルキルアルコキシシラン、シクロアルキ
ルアルコキシシラン、シクロアルキルアルコキシシラン
等が挙げられる。
と、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキ
シシラン、フェニルトリプロポキシシラン、ジフェニル
ジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフ
ェニルプロポキシシラン、ジフェニルジブトキシシラ
ン、ジブチルジメトキシシラン、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、トリメトキシエチルシラ
ン、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシメチルシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキ
シシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロ
ヘキシルメチルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジ
メトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、
シクロペンチルメチルジメトキシシラン等であり、これ
らのうち一種もしくは二種以上を選択して用いる。
(A)中のチタン原子のモル当りモル比で1〜100
0、(C)成分は前記(B)成分のモル当りのモル比で
0.01〜0.5の範囲で用いられる。重合は、有機溶
媒の存在下あるいは不存在下でおこなうことができ、オ
レフィン単量体は気体および液体のいずれの状態でも用
いることができる。また、分子量調節剤として補助的に
水素を用いることもできる。重合の条件は、重合温度0
〜150℃、重合圧力0〜100kg/cm2 ・G に設定さ
れる。本発明に係る触媒を用いて単独重合または共重合
されるオレフィン類は、炭素数3以上のプロピレン、1
−ブテン、1−ヘキセン等である。
ミニウム化合物およびケイ素化合物等の電子供与性化合
物とにより形成された触媒を用い、炭素数が3以上のα
−オレフィン類の重合をおこなうと、100μm 以下の
微粉がほとんど存在せず、極めて狭い粒度分布のポリマ
ーを得ることができる。また、立体規則性重合体の収率
が良好で、単位触媒当りの重合体の収量(重合活性)も
高く、かつその持続性においても優れた性能を示す。
体的に説明する。
の丸底フラスコにトルエン800ml、ジエトキシマグネ
シウム100gおよびテトラブトキシチタン130mlを
装入して懸濁状態とし、115℃で6時間撹拌しながら
処理することにより半透明の溶液を得た。これを90℃
まで冷却後、ジ−イソ−ブチルフタレート50mlおよび
ポリスチレン(ダウケミカル社製666D、MI=1
8)2gを加えて1時間撹拌したところ、ポリスチレン
は完全に溶解し、均一な混合溶液が得られた。これとは
別に、撹拌機を具備した500mlの丸底フラスコにメチ
ルトリクロロシラン80mlおよびn−ヘプタン50mlを
装入し、0℃に冷却した。この中に、上記のようにして
得られた混合溶液90mlを、系内の温度を0℃に保ちつ
つ、1時間かけて滴下することにより微粒子を析出させ
た。その後、1時間かけて75℃まで昇温し、その温度
を保持しながら1時間反応させることにより粒子状固体
物質を生成させた。次いで、上澄み液を除去したのちト
ルエン40mlおよび四塩化チタン40mlを装入し、11
5℃で2時間接触処理を施した。さらに上記と同様の操
作を繰り返し、トルエンおよび四塩化チタンで接触処理
した。最後に、40℃のn−ヘプタン100mlで7回洗
浄して10gの固体触媒成分を得た。この固体触媒成分
中のチタン含有率は4.2重量%であった。
された内容積2000mlの撹拌装置付きステンレス製オ
ートクレーブにn−ヘプタン20mlを装入し、プロピレ
ンガス雰囲気下に保ちつつトリエチルアルミニウム1.
32mmol、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン0.
13mmolおよび前記固体触媒成分をTiとして0.00
66mmol装入して重合用触媒を形成した。次いで液化プ
ロピレン1400mlを装入し、20℃で5分間撹拌し
た。その後、撹拌を継続しながら水素ガス1500mlを
装入し、直ちに系内の温度を75℃に昇温して1時間重
合を行ったところ、355gのポリプロピレンが得られ
た。重合活性を重合時間1時間における固体触媒成分1
g当りのポリマー収量で示すと、47,200g/g-cat.
であった。得られたポリマーの立体規則性の尺度とし
て、沸騰n−ヘプタンによる6時間の抽出で不溶な割合
(HI)を測定したところ、この値は97.8%であっ
た。また、得られたポリマーの平均粒径は400μm で
あり、粒度分布の広さをSPAN〔(Dp90−Dp10)/Dp5
0;ここで Dpxは積算重量xwt% におけるポリマー粒
径〕で示した値は0.7であった。また、100μm 以
下の微粉は0.8重量%であり、かさ比重は0.38g
/mlであった。
の丸底フラスコに、ジエトキシマグネシウム100gお
よびテトライソプロポキシチタン124mlを装入して懸
濁状態とし、130℃で6時間撹拌しながら処理するこ
とにより粘度の高い均一溶液を得た。これを90℃まで
冷却したのち、予め90℃に加熱したトルエン800ml
を加え、さらにジ−n−ブチルフタレート50mlおよび
ポリスチレン4gを加えて1時間撹拌したところ、ポリ
スチレンは完全に溶解し無色透明で均一な混合溶液が得
られた。これとは別に、撹拌機を具備した500mlの丸
底フラスコにメチルトリクロロシラン80mlおよびトル
エン50mlを装入し、0℃に冷却した。この中に、上記
のようにして得られた混合溶液90mlを、系内の温度を
0℃に保ちつつ1時間かけて滴下することにより微粒子
を析出させた。その後、1時間かけて55℃まで昇温
し、その温度を保持しながら1時間反応させることによ
り粒子状固体物質を生成させた。次いで、上澄み液を除
去した後、トルエン40mlおよび四塩化チタン40mlを
装入し、85℃で1時間接触処理をおこなった。さら
に、上記操作と同様にして、繰り返しトルエンおよび四
塩化チタンで接触処理を施した。最後に40℃のn−ヘ
プタン100mlで7回洗浄処理して9.5gの固体触媒
成分を得た。この固体触媒成分中のチタン含有率は4.
6重量%であった。
を形成し、重合を実施した。実施例1と同一の条件で評
価したところ、重合活性は41,500g/g-cat.、HI
は97.5%であった。得られたポリマーの平均粒径は
350μm であり、粒度分布の広さをSPANで示した
値は0.5であった。また、100μm以下の微粉は
0.5重量%であり、かさ比重は0.37g/mlであっ
た。
用い、実施例1と同様の条件で処理することにより粘度
の高い均一溶液を得た。これを90℃まで冷却後、90
℃に予め加熱したトルエン800mlを加え、さらにブチ
ルベンジルフタレート40mlを加え5分間撹拌したとこ
ろ無色透明な均一溶液が得られた。これとは別に、撹拌
機を具備した500mlの丸底フラスコにトリクロロシラ
ン40mlおよびポリスチレン0.4gを予め溶解したト
ルエン100mlを装入し、5℃に冷却した。この中に、
上記のようにして得られた均一溶液90mlを、系内の温
度を5℃に保ちつつ1時間かけて滴下することにより微
粒子を析出させた。その後、1時間かけて55℃まで昇
温し、1時間反応させることにより粒子状固体物質を得
た。次いで、上澄み液を除去したのち四塩化チタン80
mlを装入し、125℃で2時間処理をおこなった。さら
に上記操作と同様にして、繰り返し四塩化チタン処理を
施した。最後に40℃のn−ヘプタン100mlで7回洗
浄することにより9.5gの固体触媒成分を得た。この
固体触媒成分中のチタン含有率は2.4重量%であっ
た。
形成し、重合を実施した。重合活性は39,200g/g-
cat.、HIは98.2%であった。得られたポリマーの
平均粒径は450μm であり、粒度分布の広さをSPA
Nで示した値は0.6であった。また、100μm 以下
の微粉は0.2重量%であり、かさ比重は0.40g/ml
であった。
用い、実施例1と同様の条件で処理することにより粘度
の高い均一溶液を得た。これを90℃まで冷却後、90
℃に予め加熱したトルエン800mlを加え5分間撹拌し
たところ、無色透明な均一溶液が得られた。これとは別
に、撹拌機を具備した500mlの丸底フラスコにトリク
ロロシラン40mlおよびポリスチレン0.4g を予め溶
解したトルエン100mlを装入し、5℃に冷却した。こ
の中に、上記のようにして得られた均一溶液90mlを、
系内の温度を5℃に保ちつつ1時間かけて滴下すること
により微粒子を析出させた。その後、1時間かけて55
℃まで昇温し、1時間反応させることにより粒子状固体
物質を得た。次いで、上澄み液を除去したのち、ジ−n
−ブチルフタレート2.5mlおよび四塩化チタン80ml
を装入し、30℃で2時間処理をおこなった。さらに、
上記操作と同様にして、繰り返し四塩化チタン処理を施
した。最後に40℃のn−ヘプタン100mlで7回洗浄
することにより10.5g の固体触媒成分を得た。この
固体触媒成分中のチタン含有率は、6.4重量%であっ
た。
合用触媒を形成し、重合を実施した。重合活性は18,
500g/g-cat.、HIは93.5%であった。得られた
ポリマーの平均粒径は200μm であり、粒度分布の広
さをSPANで示した値は1.9であった。また、10
0μm 以下の微粉は15重量%であり、かさ比重は0.
29g/mlであった。
成分を調製し、実施例1に記載の条件に従って重合用触
媒の形成および重合を実施した。重合活性は48,00
0g/g-cat.、HIは97.2%であった。得られたポリ
マーの平均粒径は300μm であり、粒度分布の広さを
SPANで示した値は1.4であった。また、100μ
m 以下の微粉は7.0重量%であり、かさ比重は0.2
9g/mlであった。
ニウム化合物およびケイ素化合物等の電子供与体で形成
される触媒を用い、炭素数が3以上のα−オレフィン類
の重合をおこなった場合の触媒活性は十分に高い。この
ため、生成重合体中に存在する触媒残渣量を極めて低い
量に抑えることができ、生成重合体中の残留塩素量も脱
灰工程を全く必要としない程度まで低減化することがで
きる。また、生成重合体における立体規則性重合体の収
率は高く、従来技術によるものに比べて一層高密度の樹
脂を得ることができる。
い粒度分布を有している。従って、この固体触媒成分を
用いて形成した触媒を重合に供すると、得られる重合体
中には微粉末が少なく、リアクターや配管内での付着物
の沈着や閉塞などのトラブルや静電気発生の問題を解消
することができる。そのうえ、生成ポリマーは狭い粒度
分布を呈すると共に優れた流動性も付与されるから、ポ
リマーの後処理工程が容易となり、操業面でのエネルギ
ー省力化などコスト低減に大きく寄与する。
性の持続性が優れているため、ブロック共重合のような
長時間を要する重合反応において劣化することが少な
い。また、重合の極く初期における活性が比較的低くコ
ントロールされているためにリアクター内での急激な発
熱に起因する暴走反応の恐れがなく、より安定したプロ
セスコントロールが可能となる。
ウム化合物のロスが少ないことや工業的に安価な原料を
利用できることに加え、触媒粒子の流動性が良いため洗
浄操作時の沈降速度が早く、乾燥後の粉体輸送も効率的
におこなうことができる。
である。
Claims (6)
- 【請求項1】 下記 (a)〜(f) 物質を用いて調製される
ことを特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分
(A)。 (a)一般式Mg(OR)2 (式中、Rはアルキル基また
はアリール基を示す。)で表されるジアルコキシマグネ
シウム (b)一般式Ti(OR)4 (式中、Rはアルキル基また
はアリール基を示す。)で表されるテトラアルコキシチ
タン (c)芳香族ジカルボン酸ジエステル (d)ポリスチレン (e)一般式RSiCl3 (式中、Rは水素、炭化水素ま
たはハロゲン化炭化水素基を示す。)で表されるトリク
ロロシラン化合物および (f)四塩化チタン - 【請求項2】 固体触媒成分(A)を調製する際、
(a)、(b) および (c)物質によって形成される混合溶液
を、 (d)物質の共存下に (e)物質に接触させ、次いで
(f)物質と接触させて得られる請求項1記載のオレフィ
ン類重合用固体触媒成分。 - 【請求項3】 固体触媒成分(A)を調製する際、
(a)、(b) および (c)物質を加熱混合することによって
混合溶液を形成し、該混合溶液を (d)物質の共存下、
(e)物質と接触させることにより微粒子を析出させ、該
微粒子を反応させて粒子状固体物質を得、次いで該粒子
状固体物質に (f)物質を接触させて得られる請求項1又
は2記載のオレフィン類重合用固体触媒成分。 - 【請求項4】 固体触媒成分(A)を調製する際、 (a)
および (b)物質とからなる懸濁液を加熱、撹拌して溶融
し、次いで (c)および (d)物質を加えた後、さらに撹拌
して均一溶液を形成し、該均一溶液を (e)物質と接触さ
せることにより微粒子を析出させ、該微粒子を反応させ
て粒子状固体物質を得、該粒子状固体物質に (f)物質を
接触させて得られる請求項1〜3記載のオレフィン類重
合用固体触媒成分。 - 【請求項5】 固体触媒成分(A)を調製する際、不活
性有機溶媒の存在下または不存在下で接触、撹拌混合な
どの処理が施される請求項1〜4記載のオレフィン類重
合用固体触媒成分。 - 【請求項6】 下記(A)〜(C)成分より形成される
ことを特徴とするオレフィン類重合用触媒。 (A)請求項1〜5のいずれかに記載のオレフィン類重
合用固体触媒成分、(B)一般式Rn AlX3-n (式
中、Rは炭化水素基、Xはハロゲン原子を示し、nは1
≦n≦3である。)で表される有機アルミニウム化合物
および(C)電子供与性化合物
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JP05457094A JP3444648B2 (ja) | 1994-02-28 | 1994-02-28 | オレフィン類重合用固体触媒成分および触媒 |
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-
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- 1994-02-28 JP JP05457094A patent/JP3444648B2/ja not_active Expired - Fee Related
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