JPH07238106A - 立体造形用光硬化性組成物及び光硬化促進方法 - Google Patents

立体造形用光硬化性組成物及び光硬化促進方法

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JPH07238106A
JPH07238106A JP6032314A JP3231494A JPH07238106A JP H07238106 A JPH07238106 A JP H07238106A JP 6032314 A JP6032314 A JP 6032314A JP 3231494 A JP3231494 A JP 3231494A JP H07238106 A JPH07238106 A JP H07238106A
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light
absorption wavelength
ethylenically unsaturated
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Inventor
Mitsuhiko Sakakibara
満彦 榊原
Etsuo Kubota
悦雄 久保田
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NIPPON TOKUSHU KOOTEINGU KK
JSR Corp
Original Assignee
NIPPON TOKUSHU KOOTEINGU KK
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 次の成分(A)〜(C): (A)光重合能を有するエチレン性不飽和結合を少なく
とも1つ有する化合物、(B)光重合開始剤、(C)成
分(B)の光重合開始剤の吸収波長と異なる吸収波長を
有する紫外線吸収剤を含有する立体造形用光硬化性組成
物及び光硬化促進方法。 【効果】 本発明の立体造形用光硬化性組成物は、硬化
時間が短く、短時間で充分な硬さの硬化層を得ることが
でき、3次元形状の硬化体の製造に要する成形時間を大
幅に短縮することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、短い照射時間で硬化す
る立体造形用光硬化性組成物及び光硬化促進方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、光照射により重合して硬化する光
硬化性組成物が、塗料用、インキ用、接着剤用、樹脂版
用など種々の分野で利用し得ることが知られている。具
体的には、特開昭53−112933号公報、特開昭5
4−63138号公報などには塗料用光硬化性組成物が
開示され、特開昭53−82506号公報、特開昭54
−130207号公報などにはインキ用光硬化性組成物
が開示され、特開昭49−11930号公報、特開昭5
1−138730号公報などには接着剤用光硬化性組成
物が開示され、特開昭46−35681号公報、特開昭
49−75860号公報などには樹脂版用光硬化性組成
物が開示されている。
【0003】また、光硬化性組成物に光を照射して硬化
層を形成し、この硬化層上に順次硬化層を形成する工程
を繰り返すことにより3次元形状を形成する光学的造形
方法が知られている。このような光学的造形方法の具体
例としては、光硬化性組成物にレーザービームを走査さ
せ3次元形状を形成する方法が特開昭56−14478
号公報、特開昭62−35966号公報などに開示さ
れ、紫外線などを、フォトマスクなどを介して光硬化性
組成物の目的部のみに選択的に照射させて3次元形状を
形成する方法が特開昭62−28844号公報などに開
示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】光硬化性組成物を塗料
用、インキ用、接着剤用、樹脂版用として用いる場合、
あるいは光硬化性組成物を用いて光学的造形を行う場合
において、光硬化性組成物の硬化に要する時間は、塗膜
や所望の立体形状などを形成する全工程に対して大きな
割合を占めるため、光硬化性組成物の硬化時間を短縮す
ることは作業効率上重要な問題である。特に光学的造形
方法においては、光硬化性組成物に光を照射して硬化さ
せる露光工程を繰り返すため、露光工程に要する時間
は、最終的に所望する立体造形を得るに必要な所要時間
を支配している。さらに光学的造形方法において、光を
フォトマスクなどを介して照射する手法を用いると、照
射面では単位面積当たりの光エネルギー量が少なくなる
ため、光硬化性組成物の硬化時間が長くなる。このた
め、短い照射時間(低エネルギー量)で硬化層を形成す
ることができる光硬化性組成物の出現が望まれている。
【0005】短い照射時間で硬化する光硬化性組成物を
得るためには、開始効率を高める必要があり、より活性
の高い光重合開始剤が求められている。しかしながら一
般に、活性の高い光重合開始剤を光硬化性組成物に配合
し、長時間放置しておくと、光重合開始剤は自己分解の
ために徐々に活性が失われるという問題がある。また、
光重合開始剤と増感剤とを組合わせて光重合開始剤の活
性を高める検討も行われているが、増感剤による増感効
果が必ずしも充分ではなく、また増感剤が照射光を吸収
して開始ラジカルなどの発生に必要なエネルギーを奪う
ため、結果として硬化速度が遅くなる場合が多い。この
ように、光重合開始剤の活性を高めることにより短い照
射時間で硬化する光硬化性組成物は得られていなかっ
た。
【0006】従って、本発明の目的は、短い照射時間で
硬化する光硬化性組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、斯かる実
情に鑑み、光硬化性組成物の硬化時間を短縮すべく鋭意
検討した結果、重合能を有するエチレン性不飽和結合を
少なくとも1つ有する化合物と、光重合開始剤に、特定
の紫外線吸収剤を組合わせて用いれば、短い照射時間で
硬化する立体造形用光硬化性組成物が得られることを見
出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、次の成分(A)〜
(C): (A)光重合能を有するエチレン性不飽和結合を少なく
とも1つ有する化合物、(B)光重合開始剤、(C)成
分(B)の光重合開始剤の吸収波長と異なる吸収波長を
有する紫外線吸収剤を含有する立体造形用光硬化性組成
物を提供するものである。
【0009】また、本発明は、光重合能を有するエチレ
ン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物を重合さ
せるにあたり、光重合開始剤と、当該光重合開始剤の吸
収波長と異なる吸収波長を有する紫外線吸収剤の共存下
に光を照射することを特徴とする立体造形用光硬化性組
成物の光硬化促進方法を提供するものである。
【0010】本発明で用いられる成分(A)の重合能を
有するエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化
合物としては、重合能を有するエチレン性不飽和結合を
少なくとも1つ有するモノマー、重合能を有するエチレ
ン性不飽和結合を少なくとも1つ有するオリゴマーおよ
び重合能を有するエチレン性不飽和結合を少なくとも1
つ有するエチレン性不飽和結合を有する高分子化合物が
挙げられる。
【0011】重合能を有するエチレン性不飽和結合を少
なくとも1つ有するモノマーとして具体的には、メチル
(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレ
ート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)ア
クリレート化合物;アルキルグリシジルエーテル、アリ
ールグリシジルエーテルなどのグリシジル基含有化合物
と(メタ)アクリル酸との付加反応により得られるエポ
キシ(メタ)アクリレート化合物;(メタ)アクリルア
ミド、(メタ)アクリロイルモルホリンなどの(メタ)
アクリレート以外の(メタ)アクリル酸誘導体モノマー
類;スチレン、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビ
ニルカプロラクタム、ビニルカルバゾール、p−t−ブ
トキシスチレン、アクリロニトリル、無水マレイン酸な
どの(メタ)アクリル酸誘導体以外のビニル系モノマー
類などのエチレン性不飽和結合を1つ有するモノマー、
エチレングリコール、ビスフェノールA、トリメチロー
ルプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの
多価アルコールのジ、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ
(メタ)アクリレート類;グリシジル(メタ)アクリレ
ートと(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる
化合物;ビスフェノールAのジグリシジルエーテルなど
の多価グリシジルエーテル化合物に複数の(メタ)アク
リル酸を付加させた化合物などの複数のエチレン性不飽
和結合を有するモノマーを挙げることができる。
【0012】重合能を有するエチレン性不飽和結合を少
なくとも1つ有するオリゴマーとして具体的には、ポリ
エチレングリコールのようなポリアルキレングリコール
の両末端(メタ)アクリレート化合物、ポリアルキレン
グリコールなどのオリゴジオール類の両末端に2官能イ
ソシアネートと(メタ)アクリル酸を付加させて得られ
るウレタンアクリレート化合物、ビスフェノールAのジ
グリシジルエーテルのグリシジル基の開環重合体の両末
端(メタ)アクリレート化合物などを挙げることができ
る。
【0013】重合能を有するエチレン性不飽和結合を少
なくとも1つ有する高分子化合物として具体的には、ポ
リビニルアルコールのような側鎖部分に水酸基を有する
高分子化合物に複数の(メタ)アクリル酸や桂皮酸を付
加させた化合物などを挙げることができる。
【0014】これらの化合物のうち、(メタ)アクリレ
ート化合物、グリシジル基含有化合物と(メタ)アクリ
ル酸との付加反応により得られる化合物、オリゴジオー
ル類の両末端に2官能イソシアネートと(メタ)アクリ
ル酸を付加させて得られるウレタンアクリレート化合物
が好ましい。
【0015】このような成分(A)の重合能を有するエ
チレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物は、
2種以上混合して用いることができる。また、その配合
量は特に制限されないが、全組成中に50〜99.9重
量%、特に85〜99.5重量%であると、造形物の強
度、保形性に優れるので好ましい。
【0016】本発明で用いられる成分(B)の光重合開
始剤としては、公知の光重合開始剤を用いることができ
特に限定されない。かかる光重合開始剤として具体的に
は、光ラジカル型開始剤が好ましく、例えばベンゾイン
アルキルエーテル類、ベンジルジメチルケタール、1−
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロ
キシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンな
どのα−ヒドロキシアセトフェノン類、2−ベンジル−
2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)
−ブタノン−1などのα−アミノアセトフェノン類、ベ
ンゾフェノン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジ
フェニルフォスフィンオキサイドなどのアシルフォスフ
ィンオキサイド類、チオキサントン類、アントラキノン
類、芳香族ケトン類などを挙げることができる。これら
の中で、α−アミノアセトフェノン類、アシルフォスフ
ィンオキサイド類が特に好ましい。このような光重合開
始剤は2種以上混合して用いることができる。
【0017】光重合開始剤の配合量は特に限定されない
が、(A)重合能を有するエチレン性不飽和結合を少な
くとも1つ有する化合物の合計量100重量部に対し
て、通常0.1〜15重量部、特に1.0〜10重量部
の範囲であると、所望の硬化厚さが経済的に得られるの
で好ましい。
【0018】本発明で用いられる成分(C)の紫外線吸
収剤としては、公知の光重合開始剤を用いることがで
き、具体的には、サリシレート系化合物、ベンゾフェノ
ン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアク
リレート系化合物、ニッケル錯塩が好ましい。より好ま
しくは、以下の(1)〜(5)で表わされるものが挙げ
られる。
【0019】
【化1】
【0020】〔式(1)中、R1 は水素原子またはt−
ブチル基を示す。式(2)中、R2 はメトキシ基、オク
トキシ基、ドデシルオキシ基、メチルフェノキシ基、メ
チルチオフェノキシ基を示し、Xは水素原子またはヒド
ロキシル基を示し、Yは水素原子、ヒドロキシル基また
はメトキシ基を示し、Zは水素原子、ヒドロキシル基、
スルホ基またはカルボキシル基を示す。式(3)中、R
3 およびR4 は、同一または異なって、水素原子、メチ
ル基、t−ブチル基、t−アミル基またはα,α−ジメ
チルベンジル基を示し、Y′は水素原子またはハロゲン
原子を示す。式(4)中、R5 は炭素数3〜18の直鎖
または分岐鎖のアルキル基を示す。式(5)中、R6
t−オクチル基を示し、R7 はn−ブチル基またはオク
チル基を示す〕
【0021】これらの紫外線吸収剤のうち、サリシレー
ト系化合物、トリアゾール系化合物、シアノアクリレー
ト系化合物が好ましく、特にサリシレート系化合物、ト
リアゾール系化合物またはシアノアクリレート系化合物
とニッケル錯塩を組合わせて用いるのが好ましい。
【0022】ニッケル錯塩としては、AM−101、A
M−105(以上、Ferro Chem.社製)等の
ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド;Cy
asorb−UV1084(アメリカンシアナミド社
製)等の〔2,2′−チオビス(4−tert−オクチ
ル)フェノラート〕n−ブチルアミンニッケル;Irg
astab−2002(チバガイギー社製)等のニッケ
ルコンプレックス−3,5−ジ−tert−ブチル−4
−ヒドロキシベンジル−リン酸モノエチレート;NBC
(住友化学社製)等のニッケルジチオカーバメート;チ
ヌビン−120(チバガイギー社製)等のベンゾエート
タイプのクエンチャーなどの市販品を好適に使用するこ
とができる。
【0023】成分(C)の紫外線吸収剤は、成分(B)
の光重合開始剤の吸収波長と異なる吸収波長を有するも
のを組合わせて使用することが必要である。前記の光重
合開始剤は、大別してG線、H線、i線、エキシマ、デ
ィープUVの波長に吸収が最大になるように設計された
ものが広く使用されている。従って、例えば(B)光重
合開始剤としてi線に中心吸収のあるものを使用する場
合には、(C)紫外線吸収剤としてそれ以外の吸収スペ
クトルを示すものを使用すれば良い。
【0024】このように、吸収波長の異なる光重合開始
剤と紫外線吸収剤を組合わせて使用することにより、硬
化反応が促進される。これは、光重合による硬化反応
は、光重合開始剤が、該光重合開始剤の有する吸収波長
の光を吸収して開始されるが、この光重合開始剤に吸収
されず光重合の開始に関与しなかった波長の光が紫外線
吸収剤に吸収され、そのエネルギーによって反応の場が
活性化されるためと考えられる。
【0025】(C)紫外線吸収剤の配合量は特に限定さ
れないが、(A)重合能を有するエチレン性不飽和結合
を少なくとも1つ有する化合物の合計量100重量部に
対して0.01〜10重量部、特に0.1〜5重量部で
あるのが好ましい。10重量部を超えると、コストの面
で不利となり、着色や粘着などが生じる場合がある。ま
た、(C)紫外線吸収剤の配合量は(B)光重合開始剤
に対して10重量%以上であるのが好ましく、特に20
〜500重量%、さらに20〜100重量%であると、
所望の硬化速度を得る上で、経済性の点で好ましい。
【0026】本発明の立体造形用光硬化性組成物には、
前記成分のほか、例えばエポキシ樹脂、ポリアミド、ポ
リアミドイミド、ポリウレタン、ポリブタジエン、クロ
ロプレン、ポリエーテル、ポリエステル、スチレン/ブ
タジエン/スチレンブロック共重合体およびスチレン/
イソプレン/スチレンブロック共重合体などのポリマー
またはオリゴマーを配合することができる。さらに上記
以外の各種添加剤、例えば酸化防止剤、着色剤、シラン
カップリング剤、熱重合禁止剤、可塑剤、滑剤、フィラ
ー、濡れ性改良剤、塗面改良剤などを必要に応じて配合
することもできる。
【0027】本発明の光硬化性組成物は、前記成分
(A)、(B)および(C)を均一に混合または溶解す
ることにより製造することができる。また、シート状に
成形して、公知のドライフィルム状に仕上げることもで
きる。
【0028】このようにして得られる本発明の光硬化性
組成物の粘度は、常温で2000cps 以下が好ましく、
1000cps 以下がさらに好ましい。粘度があまり高く
なると作業性が悪くなる。また、粘度の高い組成物を光
学的造形に用いると、液面の平滑化に長時間を要するた
めに造形時間が長くなったり、解像度が悪くなったりす
る。
【0029】本発明の光硬化性組成物は、立体造形用組
成物として好適に使用される。本発明の組成物を用いて
立体物を造形するには、通常の方法に従って、光を照射
して組成物を硬化させれば良く、その方法は特に制限さ
れない。例えばまず、液状の光硬化性組成物を深さ方向
に移動可能なステージを内部に備えた容器に収容し、該
ステージを光硬化性組成物の液表面より僅に沈め、該光
硬化性組成物表面にレーザービームを走査させたり、平
行光とした紫外線などをフォトマスクなどを用いて目的
部に選択的に露光し、1回の露光で所定の硬化層を得
る。次いで該ステージを一定の深さで沈め、得られた硬
化層上に同様にして硬化層を形成する。この操作を繰り
返して所望の立体物全体を形成する。フォトマスクとし
ては、ガラス基板上にめっきなどでパターン形成を施し
た通常のフォトマスク、金属などの薄板をエッチングや
スタンピングなどにより所定の部位を貫通させて該貫通
部のみ光が通過するようなフォトマスクなどを挙げるこ
とができる。また、液晶パネルを駆動させて画像を形成
させ、該液晶パネルに照射光を通過させることによりフ
ォトマスクとして使用することもできる。また、ブラウ
ン管から得られる画像を照射光とすることにより、該照
射光の色調のコントラストによって光硬化性組成物表面
の露光量に差をつけ、これにより、立体造形をすること
もできる。本発明の光硬化性組成物を用いて立体造形を
行う場合、露光方法は、パターン露光できる方法であれ
ば、特に限定されない。
【0030】なお、露光の際に使用する光源としては、
特に制限されず、様々な発光スペクトルを有するラン
プ、レーザー等を使用することができ、例えば低圧水銀
ランプ、中高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、超
高圧水銀ランプなどを好適に使用できる。
【0031】これらのうち、低圧水銀ランプは、真空紫
外領域に発光スペクトルを有しており、250nmに中心
スペクトルを有し、他に、365、405、436nmに
弱いスペクトルを示す。中高圧水銀ランプは、紫外から
可視光領域に吸収を有し、主に365nmに中心スペクト
ルを示す。他に、540、580、436、405nmな
どに吸収を有している。メタルハライドランプは、紫外
線として365nm付近を強化したもので、他に弱いが4
05、436nmに可視光スペクトルを示す。超高圧水銀
ランプは、350〜400nmにスペクトル域を有してい
る。
【0032】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0033】実施例1〜13、比較例1〜3 (1)光硬化性組成物の調製:エポキシアクリレート
(大阪有機社製、ビスコート540)45重量部、イソ
ボルニルアクリレート(共栄油脂化学工業社製)25重
量部、ビニルピロリドン10重量部を混合し、得られた
混合物100重量部に対して、表1に示す光重合開始剤
と紫外線吸収剤を所定量配合し、光硬化性組成物を得
た。
【0034】(2)硬化塗膜の硬さの測定:(1)の方
法で調製した表1の光硬化性組成物を、直径5cm、厚さ
1mmのガラス基板に3000rpm で30秒間スピンコー
トし、得られた塗膜に高圧水銀ランプ(ミカサ電気社製
ML−3型)を用いて露光量が100mJ/cm2 となるよ
うに露光した。得られた厚さ5μm の硬化塗膜につい
て、JIS−K5400に従って硬化塗膜の硬さを測定
した。結果を表1に示す。
【0035】(3)光硬化時間の評価:(1)の方法で
調製した表1の光硬化性組成物を用いて、下記方法によ
り露光、現像を行い光学的造形方法における露光工程で
の光硬化時間の評価とした。
【0036】すなわち、液状の光硬化性組成物をガラス
製の槽に入れ、光硬化性組成物の液表面に厚さ1mmの硬
質ガラス製の基板を気泡が入らないように装着する。該
基板上方より、液晶マスクを通過させて高圧水銀ランプ
(ミカサ電気社製ML−3型)の光を露光する。露光
後、硬質ガラス基板を取り外し、組成物との接触面をメ
タノールで洗浄して、液晶マスクの画像パターンにより
形成された硬化層を得る。このときの照射時間を変化さ
せることにより、液晶マスクを通過した後の露光エネル
ギー量を0〜150mJ/cm2 に変化させ、そのとき得ら
れた硬化層の厚さをマイクロメーターで測定する。光重
合のための初期しきい値エネルギーと300μm の厚み
の得られるエネルギー値を求める。得られた結果を表1
に示す。
【0037】ここで初期しきい値エネルギーとは、照射
されたエネルギー値の対数を横軸に、得られた硬化層の
厚みを縦軸にとり、グラフ上にプロットし、得られた直
線を横軸まで外挿したときの横軸の切片の値である。ま
た、300μm の厚みの得られるエネルギーとは、上記
直線の内挿により得られ、縦軸が300μm のときの横
軸の値である。なお、液晶マスクの光透過部を通過した
光の強度は、0.85mWであり、露光エネルギー量は、
照射時間と光の強度の積で求めることができる。
【0038】なお、光の強度は、オーク製作所製UV−
M10型(受光プローブ UV−42)で測定した。
【0039】
【表1】
【0040】記号の説明 A:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォ
スフィンオキサイド(吸収波長;298、430nm) B:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モ
ルホリノフェニル)−ブタノン−1(吸収波長;365
nm) a:2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾール(TINUVIN 32
0)(最大吸収波長;345nm) b:2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベン
ゾトリアゾール(TINUVIN P)(最大吸収波
長;340nm) c:2−{2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジ
メチルベンジル)フェニル}2H−ベンゾトリアゾール
(T.234)(最大吸収波長;346nm) d:2−{3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフ
ェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(最大吸収波
長;352nm) e:4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファ
イド(最大吸収波長;320nm) f:3−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェ
ノン(最大吸収波長;330nm) g:p−t−ブチル−フェニルサリシレート(最大吸収
波長;310nm) h:2′−エチルヘキシル 2−シアノ−3−フェニル
シンナメート(最大吸収波長;310nm) i:ニッケルコンプレックス−3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル−リン酸モノエチレー
ト(Irgastab−2002;チバガイギー社製)
(最大吸収波長;340nm) j:〔2,2′−チオビス(4−tert−オクチル)
フェノラート〕n−ブチルアミンニッケル(Cyaso
rb−UV1084;アメリカンシアナミド社製)(最
大吸収波長;330nm)
【0041】表1の結果より、紫外線吸収剤を含有する
本発明の光硬化性組成物は、いずれも比較例と比べ硬化
塗膜の硬度が高く、硬化反応が促進されていることが確
認された。また、本発明の光硬化性組成物は初期しきい
値エネルギーおよび300μm の厚みの得られるエネル
ギーが小さくなることがわかる。すなわち、一定の硬化
層の厚みを得ようとするとき、少ないエネルギー量で硬
化層が得られ、言い換えれば、同一のエネルギー量であ
れば短い時間で同一の厚さの硬化層が得られることが確
認された。
【0042】
【発明の効果】本発明の光硬化性組成物は、光重合開始
剤と、当該光重合開始剤の吸収波長と異なる吸収波長を
有する紫外線吸収剤を組合わせて用いることにより、光
硬化反応が促進され、短時間で硬化させることができ
る。従って、本発明の光硬化性組成物は立体造形用組成
物として好適に用いられ、3次元形状の硬化体の製造に
要する成形時間を大幅に短縮することができる。特に照
射光をマスクを通過させ光硬化性組成物を露光して光学
的造形を行う場合に好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/031 7/20 // B29K 105:24

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の成分(A)〜(C): (A)光重合能を有するエチレン性不飽和結合を少なく
    とも1つ有する化合物、(B)光重合開始剤、(C)成
    分(B)の光重合開始剤の吸収波長と異なる吸収波長を
    有する紫外線吸収剤を含有する立体造形用光硬化性組成
    物。
  2. 【請求項2】 光重合能を有するエチレン性不飽和結合
    を少なくとも1つ有する化合物を重合させるにあたり、
    光重合開始剤と、当該光重合開始剤の吸収波長と異なる
    吸収波長を有する紫外線吸収剤の共存下に光を照射する
    ことを特徴とする立体造形用光硬化性組成物の光硬化促
    進方法。
JP6032314A 1994-03-02 1994-03-02 立体造形用光硬化性組成物及び光硬化促進方法 Pending JPH07238106A (ja)

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